市バスラを攻撃、抵抗はあったがこれを制圧、バスラ～バクダット間はユ－フラテス河沿いに幹線道路と鉄道があり、これに沿って進撃し 4 月にはバクダット近郊に達しているからもの凄い快進撃で、 4 月 9 日、バクダット陥落、僅か 20 日間の戦いでイラクの主要な点は全て制圧、組織的抵抗は皆無となって、 5 月 2 日、ペルシャ湾上に浮かぶ米空母でブッシュ大統領が「戦闘終結宣言」を出した。嘗てバスラ市内で勤務していた頃、国威発揚のためかイラク陸軍機甲師団の映像で、 T-72 戦車を中心としたパレ－ドが連日国営 TV で放映され中東最強と宣伝しており、きっとこの機甲師団が何処かで待ち伏せしているだろうと思っていたが、何処に消えたのか幻の機甲師団となり地上戦は終結してしまった。イスラエルを除き中近東随一であったはずのイラク軍のあまりにもあっけない崩壊に驚き、一方、ハイテク兵器の数々を装備したアメリカ軍の凄さを見せ付けた。幻の機甲師団の行方は？開戦劈頭、航空機によるピンポイント攻撃、空爆と巡航ミサイルによる結節点を徹底的に破壊しイラク軍の指揮・命令系統を破壊し、組織的抵抗力を開戦直後に破壊され喪失してしまったイラク軍は散発的なゲリラ戦しか出来なかった。精鋭機甲師団は徹底的なピンポイント攻撃により戦わずして壊滅してしまったのが真相らしい。制空権のない軍隊は精鋭部隊といえども惨めな末路しかない。二次元の軍隊と三次元の軍隊の戦いの結末は最初から決まっていた。大統領の家族はいち早くヨルダンに亡命したのが確認されたが、フセイン大統領の行方は判らず、懸命の捜索が行われると同時に専門家チ－ムが大量破壊兵器の隠匿場所の捜索を開始した。 UNMOVIC の専門家チ－ムも現地入りし捜索を開始したが、幾ら探しても見付からず、 2004 年 9 月 13 日、パウエル国務長官が捜索断念を宣言した。一方、フセイン大統領の行方だが影武者が数多くいたらしく各種の情報が輻輳したが、米軍は「サッダ－ム捕捉作戦」を開始、この間サッダ－ムの二人の息子、ウダイとクサイは米軍兵士によって射殺された。 7 月に大統領警護官の一人が拘束され、その供述を元に 12 月 13 日、サッダ－ム拘束作戦「赤い夜明け作戦」を決行、イラク中部ダウルにある秘密の隠れ家の庭にある地下穴に潜んでいるところを逮捕・拘束された。 2004 年 7 月 1 日、裁判開始、 2006 年 12 月 30 日、バクダット・ア－ザミ－ヤにある刑務所で絞首刑による死刑が行われ、刑執行後、遺体は故郷のアウジャ村に帰り、村のモスクに埋葬され、現在では聖地となり数多くの礼拝者がいるらしい。国外からみると、独裁者フセイン大統領の圧政にイラク国民全体が苦しんでいる - 22 -