週間マーケット展望( 5月 30日 ~ 6月 3日) 展望 先週は、週明け新規材料に乏しい中、主要国の株価や原油価格が下落したことが嫌気され、リスク回避の円買いの動き が先行し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、伊勢志摩サミットなどのイベントもあり、動きにくい展 開となった。また、米国では、当局者の発言が相次いだものの、決定的な材料とはならなかった。英国は EU残留・離脱の 国民投票に関する世論調査の結果に一喜一憂する状況が続いていた。そのため、ドル円・クロス円は、全般的に序盤から 限定的な動きが続いた。 今週は、動きが出る可能性が考えられる。週明けは、英米の 2大市場が休場となることから、引き続き限定的な動きも 考えられる。ただ、ECB理事会や米雇用統計など、重要なイベントが控えていることや、英国でも EU残留・離脱に関する TV討論会も予定されており、先週までのもみ合いの展開から動きが出る可能性が考えられる。また、先週約半年ぶりに 50 ドル台乗せとなり、2月の安値からほぼ倍近い上昇となった原油価格や、株価の動きにも注目したい。 ドル/円 先週は、週明けに原油や株価の下落を受けて、投資家のリスク回避の動きから、円が買われる動きとなり、ドル/円も軟 調な動きとなった。その後、新築住宅や耐久財受注が市場予想を大きく上回る結果となったことから堅調な動きも見られ たが、上値に対する警戒感などもあり、上値の重い動きが週末まで続いた。また、週末のイエレン議長の発言を受けて、 ドルが買われる場面もあった。 今週は、上値の重い動きが予想される。当局者からの利上げに関する発言が相次いだ が、経済データ次第との条件が付けられることも多かったことから、今後の経済指標の結果が注目されるだろう。そして、 先週末のイエレン議長の発言では、「数ヵ月以内の利上げが適切」としたことで、期待感も高まっている。特に、週末に は米雇用統計の発表など、主要な経済指標の発表も続くことから、結果には注目したい。ただ、雇用統計に関しては、非 農業部門雇用者数が前回並みの伸びが予想されており、予想通りの結果となる様なら、利上げ有無の判断はやや難しくな るだろう。 108.74 ~ 112.00 ユーロ/円 先週は、週明けに主要株価や原油価格が下落したことを受けて、投資家のリスク回避の動きから、ユーロ/円は軟調な動 きとなった。その後、ユーロ圏財務相会合がギリシャへの融資実行と債務負担の軽減で合意したことが好感され、ユーロ は堅調な動きとなる場面もあった。しかし、上値は限定的となり、週末までレンジ内で上値の重い動きが続いた。 今週 は、やや上値の重い動きが予想される。2日には ECB理事会が予定されているが、現状では金利の変更は予定されていな い。また、最新の ECB予測が発表されるが、先週ドラギ総裁が幾分楽観的なものになっているとの予想を示しており、結 果に注目が集まっている。ただ、ドラギ総裁が過度に楽観的な印象を持たない、そして追加行動の用意もあると付け加え ていることから、マーケットの反応を見極めたい。また、定例会見での発言にも注意したい。 121.49 ~ 124.04 1 ポンド/円 先週は、週明け株価や原油価格の下落を背景に、軟調な動きとなった。その後は、英国の EU残留・離脱に関する国民投 票の世論調査で、EU残留支持が増加したことを受けて、ポンドは主要通貨に対して上昇した。ポンド/円は、週明けの 158.07 から 162.54まで上昇する動きとなった。ただ、その後は、週末まで上値の重い動きが続いた。 今週は、底固い動きが 予想される。週明けの英国市場は休場となるが、英国の EU残留・離脱に関する国民投票の世論調査で EU残留支持が増加 していることに加えて、G7の宣言や各国要人が、英国の EU離脱のリスクなどを示しており、EU残留支持の気運が高まる 可能性も考えられる。また、国民投票直前まで公開討論会などが続くことから、注目したい。今週は、2日にキャメロン 首相の TV公開質疑応答、3日に離脱派の英司法相の TV公開質疑応答が予定されている。 158.88 ~ 162.83 豪ドル/円 先週は、週明け世界的に株価が下落したことや、原油などの資源価格も下落したことを受けて、豪ドル/円は、軟調な動 きとなった。その後は、株や原油価格が上昇に転じる動きとなったものの、米国の早期利上げ観測が高まっていることも あり、やや上値は限定的となり、週末まで狭いレンジ内の展開が続いた。 今週は、上値の重い動きが予想される。引 き続き、株価や原油価格の動向が豪ドル相場に影響する可能性も考えられる。ただ、1日に GDP、2日に貿易収支、小売売 上高など、豪州の主要な経済指標の発表が予定されており、こちらの結果にも注目したい。また、週末には米雇用統計の 発表が予定されており、この結果次第で米国の利上げ期待が高まるようなら、豪ドルを圧迫する可能性も考えられる。 78.18 ~ 80.05 南アフリカ・ランド/円 先週は、週明け新規材料に乏しい中、主要国の株価が下落したことを受けて、ランド/円は軟調な動きとなった。ま た、 原油価格の下落も影響した。その後は、株価や原油価格が上昇したことから、南ア・ランドは堅調な動きとなり、ランド/ 円は週前半の 6.91から 7.10まで上昇する動きとなった。ただ、週末までは上値の重い動きが続いた。 今週は、上値 の重い動きが予想される。週序盤は、南アフリカの貿易収支や財政収支の発表が予定されているが、現状では前回からの 悪化が予想されている。また、週末には米雇用統計や、格付け会社の南アの格付け見直しが予定されている。前者は、結 果が良好であれば、6月の FOMCでの米国の利上げ期待が高まり、新興国通貨は圧迫される可能性もある。一方、後者は南 アの格付け見直しで、格付けが投資不適格まで引き引き下げられる場合(一部では投資不適格に引き下げられるとの見方 も)には、ランド売りに反応する可能性がある。そのため、ランド/円も軟調な動きとなる可能性が考えられる。 6.50 ~ 7.18 提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社 お客様は、本レポートに表示されている情報をお客様自身のためにのみご利用するものとし、第三者への提供、再配信を 行うこと、独自に加工すること、 複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。情報 の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報によって生 じたいかなる損害についても、当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。 本レポートに表示されている事項は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものでは ありません。投資にあたっての最終判断はお客様ご自身でお願いします。 2
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