週間マーケット展望( 12月 26日 ~ 12月 30日)

週間マーケット展望( 12月 26日 ~ 12月 30日)
展望
先週は、イタリアの大手銀行の経営不安や、ドイツでのテロなどもあり、リスク回避の動きから、週序盤は安全資産と
される円を買う動きが先行した。また、円売りが続いたことによる調整の動きも見られた。その後、黒田日銀総裁の円安
容認と受け止められる発言もあり、ドル円・クロス円は一時値を戻す動きも見られた。しかし、クリスマス休暇を控えて
市場参加者も少なくなり始めており、その後は週末まで限定的な動きが続いた。
今週は、限定的な動きが予想される。週明けの 26日は日本以外の主要市場が休場となることや、翌 27日は豪州、ニュ
ージーランド、香港、英国、ドイツ、カナダ市場が休場となることから、小動きの展開が考えられる。ただ、26日には日
銀の黒田総裁の講演が予定されており、前週の発言もあることから、発言の内容に注目したい。また、実需やファンド勢
のポジション調整の動きにも警戒したい。特に、流動性が乏しくなることが予想されることから、予想以上に動く可能性
も想定しておきたい。そして、欧米を中心にテロなどが発生する場合には、リスク回避の動きが強まる可能性もあり、そ
の場合の急速な動きとなることも考えられることから、十分に注意したい。
ドル/円
先週は、週明けから米債券利回りが低下したことが影響して、軟調な動きとなった。しかし、ダウ平均株価が最高値を
更新する動きとなったことや、イエレン FRB議長が「経済の改善で大半の生活水準がようやく上昇した」との発言をした
ことを受けて、堅調な動きも見られた。ただ、クリスマス休暇を控えて市場参加者も少なく、週末まで限定的な動きが続
いた。
今週は、限定的な動きが予想される。米国の堅調な経済や、金融政策の先行きを考えれば、大きな下げは考え
にくい。また、クリスマス休暇や年末年始を控えて流動性も低下することから、高値圏でのもみ合いの展開が続く可能性
が考えられる。ただ、ここまでドル高・円売りが続いた反動が出る可能性もあり、特に年末年始であることから、実需や
投機筋の利益確定の動きが加速する可能性も考えられる。また、テロなどの突発的なことが起きれば、リスク回避の動き
が強まる可能性もあり、薄商いとなる時期であることから、十分に注意したい。
115.00 ~
118.25
ユーロ/円
先週は、それまで円売りの流れが続いたことに対する調整の動きや、欧州の銀行不安、ドイツなどでのテロの影響もあ
り、ユーロは序盤から軟調な動きとなった。ユーロは、対ドルで 2003年 1月上旬以来、約 14年ぶりの安値をつける動き
となり、対円でも 123.25から 121.73まで下落した。その後は、123円台まで値を戻す動きとなったものの、終盤にかけ
てはクリスマス休暇を控えて値動きは限定的となった。
今週は、やや上値の重い展開が予想される。イタリアなどの
金融機関の問題に加えて、先週トルコやドイツでテロが発生したことで、再びテロに対する警戒感も出ており、ポジショ
ン調整の動きが強まる可能性も考えられる。そして、週明けの主要市場の休場や、年末年始を控えて流動性が低下する時
期でもあることから、値動きの荒い展開となるケースも多いことから、注意も必要だろう。
119.50 ~
123.20
1
ポンド/円
先週は、クリスマスの連休を控えて、約 2ヵ月間続いた円売りの流れに対する調整の動きなどから、週明けから軟調な
動きとなった。トルコやドイツでテロがあったことから、英国での警戒感が高まったことも影響した。その後、英国の経
済成長率が上方修正されたものの、経常赤字が拡大し、GDP比では 2013年 10-12月以来最大となり、上値の重い動きとな
った。そして、ポンド/円は週明けの 147.34から 143.01まで下落する動きとなった。
今週は、小動きの展開が予想さ
れる。週明けの 26-27日は、英国市場が休場となることや、年末年始を控えていることから、限定的な動きが予想される。
ただ、先週に続き、調整の動きが続く可能性も考えられる。また、連休や年末を狙ったテロへの警戒感もあり、比較的薄
商いとなる時期であることから、予想以上に大きな動きとなる可能性も考えられる。そのため、報道にも注目したい。
139.99 ~
145.50
豪ドル/円
先週は、前週末に大きく下落した流れを引き継ぎ、軟調な展開で始まった。1年ぶりの高値から、利益確定の動きが加速
したことや、イエレンFRB議長が米景気改善の傾向が見られると発言したことに加えて、ロシアの駐トルコ大使が銃撃され
たとの報道も影響し、豪ドルはドルや円に対して軟調な動きとなった。豪ドル/円は、86.03から84.64まで下落する動きと
なったものの、株価の上昇もあり一時85.74まで値を戻す場面もあった。しかし、クリスマス休暇を控えてポジション調整
の動きなどから、週末にかけて再び下落となり、83.95まで下落する動きとなった。
今週は、上値の重い動きが予想さ
れる。週序盤は、海外の主要市場が休場となることや、年末年始を控えて市場参加者が少なくなることから、限定的な動
きも考えられる。また、円売りが続いた流れに対する調整の動きとなる可能性も考えられる。
83.80 ~
85.74
南アフリカ・ランド/円
先週は、週明けに前週末の流れを引き継ぎ、やや上値の重い動きとなったことや、米経済の改善が進んでいるとのイエ
レン FRB議長の発言なども影響して、ランド/円は軟調な動きとなった。その後、世界的に株価が上昇となったことを材料
に、投資家のリスク志向の動きから円売りが優勢となり、ランド/円は 8.26から 8.46まで上昇した。しかし、クリスマス
休暇を控えて市場参加者が少なくなったことや、ポジション調整の動きなどから、週末まで上値の重い動きが続いた。
今週は、限定的な動きが予想される。週明けは、海外市場がクリスマスで休場となることや、年末年始を控えて市場参加
者少なくなることから、小動きの展開が考えられる。南ア国内では、30日に貿易収支の発表が予定されているものの、反
応は限定的だろう。ただ、薄商いが予想されることから、急速な動きとなる場合には注意も必要だろう。
8.26 ~
8.50
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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