2016年03月26日

週間マーケット展望( 3月 28日 ~ 4月 1日)
展望
先週は、週明けから原油や株価の動きが材料視され、ドル円・クロス円は比較的堅調な動きとなった。しかし、ベルギ
ーの首都ブリュッセルの国際空港や地下鉄駅での同時テロを受けて、リスク回避の動きから円が買われ、ユーロを中心に
軟調な動きも見られた。また、英ポンドは、テロを受けて英国で EU離脱機運が高まるとの見方を背景に、軟調な動きとな
った。一方、ドルは、複数の米当局者がタカ派的発言をしたことを受けて、米国の追加利上げに対する期待感が高まり、
堅調な動きが続いた。
今週は、週明けにイースターで欧州主要市場が休場となることから、序盤からやや限定的な動きが考えられる。ただ、
その後は、米国のイエレン FRB議長の発言や、米雇用統計の結果が注目されるだろう。そして、結果を受けて来月の FOMC
で追加利上げの可能性が高まるのか、又は後退するのかどうかに注目したい。利上げ期待が高まるようなら、ドルが主要
通貨に対して堅調な動きとなり、資源国・新興国通貨が軟調な動きとなる可能性も考えられる。
ドル/円
先週は、週明けから複数の米当局者が、4月など早期の利上げの可能性を示唆する発言をしたことを受けて、ドルは序
盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、週明けの 111円台前半から 113円台前半まで上昇する動きとな
った。ただ、イースターを控えて市場参加者も少なく、やや上値は限定的となった。
今週は、堅調な展開が予想され
る。先週は、米当局者の追加利上に関するタカ派的な発言が相次いだが、29日にはイエレン FRB議長の発言機会があり 、
金融政策に対する発言内容に注目したい。先週の当局者のタカ派的発言を牽制するような発言をするのか、又は後押しす
る発言となるのかで動きが変わる可能性もあるだろう。また、週末には米雇用統計も予定されており、結果を受けて早期
の利上げ期待が高まるようなら、一段のドル上昇も考えられる。
111.39 ~
114.88
ユーロ/円
先週は、週明け底固い動きとなったものの、ベルギーの首都ブリュッセルの国際空港や地下鉄駅での同時テロを受けて、
リスク回避の動きも強まり、ユーロ/円は 126円台から 124円台まで下げる動きとなった。ただ、影響は限定的となり、そ
の後は値を戻す動きとなったが、週末からの連休を控えて、全般的に限定的な動きが続いた。
今週は、上値の重い動
きが予想される。今週は、ユーロ圏の主要な経済指標の発表は少ないものの、週末には米雇用統計の発表が予定されてお
り、結果に注目が集まっている。米国の当局者の発言を受けて、早期の利上げ期待が高まっていることから、雇用統計の
結果を受けて米国の利上げ期待が高まるようなら、一段の下げとなる可能性も考えられる。
124.67 ~
127.29
1
ポンド/円
先週は、英国の EU残留か離脱かを問う国民投票が 6月 23日に迫っていることが引き続き材料視され、週明けから軟調
な動きが続いた。また、ブリュッセルでのテロを受けて、英国で EU離脱機運が高まるとの見方や、国内の政治状況への懸
念を背景に、英ポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ポンド/円は、161.51から 158.46まで下げる動きとなっ
た。
今週は、上値の重い展開が予想される。ポンド下落を見込む期間 3ヵ月物のオプションが過去最高の水準に達す
るなど、マーケットではポンドの先安観も根強い。そのため、国民投票に関する要人発言や、調査会社の国民投票に関す
る世論調査の結果に左右される展開が続く可能性も考えられる。また、国内の経済への懸念も根強いことから、31日の英
国の GDPの結果には注目したい。そして米雇用統計の結果が影響する可能性もあり、こちらにも注目したい。
154.75 ~
161.80
豪ドル/円
先週は、週明けから株価や資源価格の上昇を受けて、リスク志向の動きから円を売る動きが先行し、序盤は堅調な動き
となった。その後、ベルギーの首都ブリュッセルでの同時テロの影響が懸念され、ドル円・クロス円はやや上値の重い動
きとなり、豪ドル/円も軟調な動きとなった。また、米当局者から早期利上げの可能性を示唆する発言があったことも影響
した。
今週は、やや上値の重い動きが予想される。対ドルでの堅調な動きが続いており、豪中銀総裁が最近の豪ドル
上昇について、「やや先走っている」との認識を示すなど、やや高値を警戒する発言も出ている。また、米国の利上げ期
待が高まっており、米雇用統計の結果次第では、利上げ期待が一段と高まる可能性も考えられ、その場合には豪ドルの一
段の下げとなることも想定しておきたい。
83.35 ~
85.78
南アフリカ・ランド/円
先週は、週明けから原油価格や株価が堅調な動きとなったことから、南ア・ランドは堅調な動きとなった。その後は、
FRB当局者が相次いで 4月の利上げの可能性を示唆したことや、原油や株価の下落が続いたことから、ランドが軟調な動
きとなり、ランド/円は 7.41から 7.22まで下げる動きとなった。 今週は、やや上値の重い動きが予想される。先週の当
局者の発言を受けて、米国の利上げ期待が高まりつつあり、これがランドの上値を抑える要因となる可能性も考えられる。
特に、今週は、週末に米雇用統計の発表など、主要な経済指標の発表が予定されていることから、結果を受けて利上げ期
待の動向がランド相場にも影響する可能性が考えられる。また、30日に経常収支、31日に貿易収支と南アの主要な経済指
標の発表も予定されており、こちらの結果にも注目したい。
7.01 ~
7.61
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