マイコース・プログラム活動報告書 学生番号:0601228872 氏名:伊藤由利子 所属分野名: 期間:2013 年7月20日〜10月19日 活動内容(概略):ショウジョウバエを用いた、invadolysin, poly タンパク質の解析 1. エジンバラについて エジンバラは街全体が世界遺産に登録されていて、大変美しい街であった。エジンバラで は、デパートや H&M など若者向けのお店が立ち並ぶ Prince’s Street というショッピング 街から、観光客や土産店で賑わう Royal Street、手軽なレストラン、カフェが全て徒歩圏 内にあり、京都と同様に学生の町という雰囲気で住みやすく、とても便利でした。国際学 生証があれば学割でディスカウントしてもらえる飲食店が多かった。 気候は 7 月、8月は昼と夜の温度差が激しく、日本との温度差に慣れるのが大変でした。 物価はロンドンに比べたらやはり安いですし食べ物もロンドンより美味しいと思います。 クレジットカードも日本より使えるお店が多く、便利でしたのでエジンバラに行くのを予 定している方はクレジットカードを持参した方が便利でしょう。 2. 入国審査について ビザは必要ありませんでしたが、事前によく確認しておきましょう。 イギリスは入国審査が厳しいことで有名ですが、これはスコットランドでも同様です。 わたしは日本からトルコ航空を利用し、イスタンブール経由でエジンバラ空港から入国し たのですが、イスタンブールでトランジットの際、イギリス入国と EU 入国とで違う列に 並ばなければいけなく、イスタンブールでもイギリスに入国するには審査が必要で、エジ ンバラ空港に到着して、再び入国審査を受けるという流れでした。 入国審査で、(現地のラボの)教授と日程について話し合った E メールはあるか聞かれるので、 予め日本で印刷して持参した方が良いでしょう。(週末に国外に出かけたりしてイギリスに 再び入国する際にも提示を求められます。) あと帰りの航空券のチケットも必要です。 よく聞かれる質問は「あなたは full time の学生か?」「何をどこで学んでいるか」「日本で も同様に医学を学んでいるのか」「帰りの航空券は確保したか」などでした。 3. 宿泊施設について 宿泊施設についてたくさんトラブルあったので詳しく書きます。 エジンバラは街全体が世界遺産に登録されているためか、家賃はロンドンとさほど変わら ず、だいたい月 10 万円ほどかかります。 エジンバラは今まで行った事のない初めての土地ということもあり、前年の 12 月頃に Margarete 教授に相談したところ、エジンバラ大学の寮を勧められ、連絡先も教えていた だいたので大学寮に連絡したところ「今は部屋の空き状況が分からないからエジンバラに 来る予定の一ヶ月前に再び連絡して下さい」と言われ寮に泊まれると安心し、(「まあ教授 からも寮に泊まるよう言われたし実際泊まれるのだろう」と思い、深く考えなかった!!)、 念のために、出発二ヶ月前に再び連絡を取ったところ、「7、8月は夏休みで寮は開放して いなく、9、10月は正規の学生(学費をエジンバラ大学に払っていて一年単位で就学す る学生のことだと思う)しか寮に入れない」と突然言われ、言い返しても無理の一辺倒。 宿泊施設が出発まで二ヶ月を切っている状態であるのに全く泊まれる場所がないという状 況でかなり焦りました。 再び Margarete 教授にその旨を相談したのですが、二ヶ月前でギリギリということもあり 結局ラボからは現地の不動産の HP しか教えていただけなくて、実際に宿泊施設を紹介し ていただけなく、しかも7、8月はフェスティバルの関係でエジンバラは B&B などの宿泊 費もかなり高価なため、最終的に自力でインターネットでホームステイを探す羽目となり ました。 しかもその時、焦っていてデポジット詐欺にも遭ってしまいましたが、無事に安全なホー ムステイ先を見つけて、そこで部屋を貸していただくことになりました。 そのホスト先の人はとても親切な方で話しかけてもらえたり色々と相談にも乗っていただ きました。またそのホスト先は3、4室の空き部屋を有しており、常に2、3人のルーム メイトがいてとても楽しかったです。行くまで「ホームステイとか、なんとなく嫌だなあ」 と思っていましたが、一人部屋を完全に与えられているのでプライベートはあるし、割と 一人暮らしに近くて良かったです。 幸い、無事に滞在を終えることができましたが、全く見ず知らずの土地で、自力でしかも 直前にインターネットで宿泊施設を探すのは、何が正しいのかが分からないし、詐欺にも 遭いましたし予想以上にストレスがたまるのでオススメできません。普通に大学の臨床の 授業、テストもあるししんどいです。ので、必ず現地のラボの人か日本人に紹介してもら いましょう。 私が滞在していたホスト先は日本人に対して理解がある方なので、もし後輩の方でエジン バラに留学するさい宿泊施設に困っている、もしくは興味があれば紹介するので私まで連 絡して下さい。 4. ラボの雰囲気について ラボは英語力を鍛えようと思い、日本人が全くいないところを選びました。この Heck 教授 の研究室には、以前、筑波大学医学部の6回生の方が一人、インターンシップで来られた ことがあるそうですが、京大生の受け入れは私が初めてでした。ラボは市街地からバスで 15 分ほどの所にあり、徒歩だと1時間ぐらいかかるのでバスの定期券を割高でしたが購入 しました。 私が通っていた研究室は Queen’s Medical Research Institute という建物の中にあり、研究 棟といったイメージの建物でエジンバラ大医学部と隣接していましたが、私たちと同世代 の学生は建物内には非常に少なかったです。 研究室のメンバーは教授、助教の方が共に女性で、ラボのメンバーも7人中5人も女性で、 日本と違って女性の研究者が多いことに驚きました。その殆どの方が家庭をお持ちで夕方 の4時頃にはラボから帰っていました。ラボの安全管理の関係で基本的にラボに午後6時 以降残ってはいけなく、たいてい毎日2時から5時の間には帰れました。ラボはおよそ 10 時頃から開始し、実験が終わり次第いつでも帰っていいといった自由な雰囲気でした。し かしメンバーの年齢層が一回り年上の方や40歳〜50歳の方ばかりだったので、友達と 呼べるような知り合いはできなかったです。 実験の方は、主に PhD の方である Gianna さん、Kanishk さんに指導していただきました。 9 月初めまで主に Gianna さんに指導していただいたのですが、途中から帰省なさり、 Kanishk さんに指導いただけることになったのですが、インド出身ということもあり英語 が訛っているのと、自分自身のリスニング力が不足していることもあり、なかなか聞き取 り辛くて大変でしたが、とりあえず、向こうは私が何を喋っているのかは理解してくれる ので端的に聞き返して確認していました。 実験自体は、渡英前に実験で使われるような英単語を予め勉強していたのでそこまで困難 ではありませんでしたが、やはり日常会話では自分の英語力の無さを痛感しました。研究 室での会話についていけない、自分から入っていけなかったこと(性格にもよるのだろうが) に多少寂しさやストレスを感じました。 5. 実験内容について 実験は主に invadolysin というメタロプロテアーゼ、poly というタンパク質を使った実験 でした。実験方法は主に Western Blot、immunofluorescence でした。目的のタンパク質 はショウジョウバエの卵巣に多く含まれるので、様々な条件下のショウジョウバエを解剖 し卵巣を取り出して実験を行いました。 幸い、ショウジョウバエの解剖に関しては日本国内で上村研究室で練習させていただいて いたのでスムーズにできました。Western Blot に関しては、国内で実際に自分で行う機会 がなく、一から教えていただくことになったのですが、Gianna さんが丁寧に教えていただ けたこともあり、特に苦労はしませんでした。 以下、invadolysin、poly についてと具体的な実験について [About Invadolysin] Invadolysin is a metalloprotease conserved in many different organisms, previously shown to be essential in Drosophila with roles in cell division and cell migration. It is located mainly in the surface of lipid droplets. In addition, analysis of larval fat-body morphological appearance and triglyceride levels in the Drosophila invadolysin mutant suggests that invadolysin plays a role in lipid storage or metabolism. The females have the higher amount of invadolysin than male, and larvae have higher amount of invadolysin than pupae or adults. The activity of invadolysin depends on temperature. [About Poly] Insulin receptor-target of rapamysin(InR-TOR) is a highly conserved pathway(from flies to humans). poly is an essential gene in Drosophila in meditating InR-TOR signaling. Analysis in Drosophila demonstrates that Poly and InR interact and that poly mutants show an overall decrease in InR-TOR signaling, as evidenced by decreased phosphorylation of Akt,S6K and 4E-BP. Poly is a novel, conserved mediator of InR signaling that promotes an increase in cell growth and metabolism. [ Objects] Comparing the expression of Invadolysin and Poly between various conditions of Drosophila [Methods] (1) Western blotting (2) Immunofluorescence [ Protocol of immunofluorescence ] (1)Dissect ovaries in 1xPBS (2)Fix them in Formaldehyde for 30 min,and wash (3)Permeabilise them in 1%Tx-100 PBS for1h,and wash (4)Blocking them in3% BSE in 0.5%Tx-100 PBS, and wash (5)Add 1st antibody at 4℃ for O/N, and wash (6)Add 2nd antibody at RT for 1h, and wash (7)Mount them in 40%glycerol (8)Take pictures [ Protein sample preparation] (1) homogenize in EBR with a pestle or polytron and sonicate the samples (2) pick up 5ul from them for checking Bradfort Assay (3) centrifuge the samples and place the supernatants in new tubes (apart from ovaries) (4) add Sample Buffer to the samples and incubate them at 100 ℃ [ SDS-PAGE] Load the samples on precast 4-12% gels(for Tubulin, Invadolysin and Coomassie staining) and 12% gel (for Poly) at 150V for 1h and 30min [ Protocol of Westernblot] (1)Transfer onto a nitrocellulose membrane at 4℃ for 3 hours at 300mA (2)Block in 5%milk in PBST for 1 h, and wash (3)Incubate with the 1st antibody in 0.5%milk in PBST O/N at 4℃ and wash (4)Incubate with the 2nd antibody in PBST (5)Proceed ECL [ Experiment 1 ] By immunoblotting, I compared the expression of Invadolysin and Poly between 4 types of CaS adults, each of which starves for 0-2h, 2-4h,4-6h and 6-8h. [Study] (1)The invadolysin bands for 0-2h and 2-4h are fainter than those for 0h and 4-6h. →I think that it is worthwhile comparing the activities between them by zymography. (2)All of the poly bands look similar (3)The bands near 14kDa show that there is another shape of poly near 14kDa. [Experiment 2] By immunoblotting, I compared the expression of Invadolysin and Poly between 4 types of CaS adults and ovaries ,each of which is (1)fed with control food (2)fed with high sugar (3)starved for 15 h and fed with control food for 5h (4)starved for 15 h and fed with high sugar for 5h [Study] The Poly band for starved and fed with high sugar is a bid darker. I might have mistakes in Stanford assays, so the SHA(adults starved and fed with high suger) lane have more protein than all the other lanes. [Experiment 3] By immunofluorescence, I compared the staining of Invadolysin ,poly, α-tubulin and nuclear between the ovaries of controlled flies and O/N starved flies. [Results] [Invadolysin] [Study] (1) Invadolysin is located between follicles. (2) The green light (invadolysin) and the red light (α-tublin) in starved CaS are a bit weaker than those in fed CaS . [Poly] [Study] (1) Poly is located along the follicles. (2) The green light (poly) in starved CaS is stronger than that in fed CaS. 6. 観光について 観光はイギリス国内では、ロンドン、ヨークや、スコットランドの各都市に回りました。 イギリスは鉄道の運賃が大変高く飛行機と変わらないため、エジンバラ〜ロンドン間は飛 行機が一番手軽だと思います。私は乗り物酔いしやすいので夜行バスは乗りませんでした が、夜行バスを使えば比較的低価格で長距離移動が可能です。 イギリス国外ではフランス、ハンガリー、アイルランド、ベルギーに行きました。個人的 にはフランス、ベルギーが好きでした。ただ市内からエジンバラ空港までのアクセスは AIRLINK という空港までのシャトルバスは10分おきに出発しているので便利です。 格安航空券は、日にちが近づけば近づく程価格が上がっていくので、行くと決めたらすぐ に航空券を確保するのを勧めます。 7. 最後に 3ヶ月という短い期間でしたが、人生初めての海外研修ということでとても密度の濃い時 間を過ごすことができたし、20 代の学生のうちに留学することはこれからの自分の将来や 生き方、考え方にも大きな影響があると思います。私は3回生の秋にマイコースに海外に 行く事が決まるまで、大学受験が終了してから3年間、全くと言っていいほど英語に触れ てこず、国内のラボにも通わない学生生活を送っていました。でもマイコースに海外行く となると、流石に英語の勉強をし、国内でラボに通わなくてはいけなくなるので、半強制 的に自分を勉強させるように仕向けるという面でも海外の研究室を決定したことは有意義 だったと思います。 最後に、私を快く受け入れていただいた Margarete Heck 教授、渡英前にショウジョウバ エの実験について研修を行わせていただいた、京都工芸繊維大学の山口教授、理学部の上 村教授、今回、Heck 教授の研究室を紹介していただき、お忙しい中、論文精読を行って下 さった武田教授に心から感謝、御礼申し上げます。 上記報告書を確認しました。 指 導 教 員(署名): 所属分野責任者(署名):
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