2010 年度秋学期 卒業制作要旨

2010 年度秋学期 卒業制作要旨
視覚の違いがもたらす美術鑑賞への新たな価値
-視覚障害者との対話を通じて環境情報学部4年
篠原
文子
概要:
視覚障害者が、美術鑑賞を行うための一つの手段として、晴眼者との対話を通じて絵画を鑑
賞する方法がある。晴眼者の説明や、互いの感想・疑問を解決していく過程で絵画を鑑賞する。
本研究では、そういった手法を支援としてとらえるのではなく、価値協創の場として晴眼者
を研究対象とした。
視覚の違う者同士がともに対話を通じて美術鑑賞をすることが、晴眼者を鑑賞者として成熟
させる効果があるという仮説を立て検証を行う。学童を対象とした教育目的の対話式鑑賞法の
学術的先行事例を参照し、評価基準としてのアビゲイル・ハウゼン氏の美的発達鑑賞発達段階
の有効性を考え、活用していく。また、視覚障害者の美術鑑賞を支えるミュージアムや市民グ
ループの活動を取り上げる。特に、そのなかでも、名古屋YWCA内の美術ガイドグループに
着目し、調査を行った。積極的に活動し、視覚障碍者との対話による鑑賞活動を行う市民グル
ープのメンバーを対象としたアンケートを通して、そのやりがいを抽出した。また、彼らの具
体的な活動から、鑑賞者との発達との関係性を考察していく。
本研究は、美術鑑賞の新たな手法としての対話式鑑賞法の価値を再発見し、特に、視覚障害
者との活動だからこそ生まれる価値について、言及したものである。
キーワード :
美術鑑賞、ノーマライゼーション、対話、価値協創、市民団体
2010 年度秋学期 卒業制作要旨
アジア途上国の自立へ向けた途上国と先進国のビジネス連携
-オーガニックコットンを使った若者向けルームウェア総合政策学部4年
深井
瑛子
概要:
本論文はアジア途上国を対象とし、先進国である日本と Win-Win 関係のビジネスを行うこと
によってその国を持続的に発展させることを検証した。手法は、分野をアパレルとし、オーガ
ニックコットンを使ったルームウェアを途上国で制作し、それを日本で販売することである。
これによる途上国の持続的発展への寄与とビジネスとして成り立つこと、また日本の新たなビ
ジネスパートナーの開拓として、日本の経済発展への寄与の共存を目的とし、可能性を模索し
た。また、本研究は今回の論文にとどまらず、近い将来に実践に移すことを考えての研究であ
る。
本論文は三部構成になっている。まず一章と二章で今回の研究に至った個人的背景と社会的
背景について述べる。次に三章と四章では近年の日本における社会貢献の状態について述べる。
最後に、五章から八章では、アジア途上国の中での開発を目的としたビジネスパートナーをイ
ンドとし、インドで生産したオーガニックコットンを使用したルームウェアの具体的説明をす
る。
キーワード:
途上国開発、ソーシャルビジネス、社会起業、ODA、貧困、アパレル、オーガニックコットン
2010 年度秋学期 卒業制作要旨
映画による地域ブランディングの可能性
-逗子湘南ロケーション映画祭を事例として環境情報学部4年
森
崇義
概要:
本論文では、地域活性化のために数多くの地域で取り組まれている地域ブランディング活動
(地域ブランド:地域全体から連想されるイメージと視覚化・聴覚化出来る現物で構成される
もの)の手法の一つとして、映画・映像を用いることが有用なのではないかという仮説を検証
していく。地元市民それぞれの持つイメージを映画や映像によって吸い上げ、地域から連想さ
れるブランドイメージを構築するための最初のステップとして、映画・映像によるまちづくり
活動と市民の接点を可視化する。
今回の研究では、映像文化都市推進戦略プランを持つ逗子市の、「逗子フィルムコミッショ
ン(ロケ地誘致を行う公的機関)」と、市民のための映画祭「逗子湘南ロケーション映画祭」
に着目し、人を巻き込む仕組みについて考察していく。また、本論文で深める先述した二つの
事例の特徴と位置付けを明らかにするため、映画祭の定義づけと分類、フィルムコミッション
の一般的な活動説明と分類をそれぞれ行っていく。その他、逗子市以外の映画・映像による地
域ブランディング事例を複数紹介する。
本研究のターゲットは、地域ブランド力の定まっていない地域である。市民交流や市民協力
を促すツールとして映画・映像を紹介することで、その地域でも映像を活用して出来ることが
何かないか考えてもらいたい。
キーワード:
映画・映像、ひと・コミュニティ、地域ブランディング、まちづくり
2010 年度秋学期 卒業制作要旨
ラグビーの競技特性と地域交流の相互影響をみる
-流通経済大学ラグビー部の社会的取組みが競技に及ぼした影響に着目して総合政策学部4年
中井
誠
概要:
本論文はラグビーの競技特性が自己規律心(自を律する精神力)を必要とする競技であると
し、プレーヤーの精神力とラグビーの競技力が密接にかかわっていることを述べ、その精神力
が養われる過程の一つとして、チームや個人単位での社会関係環境にあるということを示唆す
るものである。
まず、ラグビーの競技特性が自己規律心を必要とする点について、ラグビーのルールや競技
のシチュエーションを説明しながら論じていく。そして、その規律心というものはどういった
ものなのか、なぜ数あるスポーツの中でもラグビーに顕著に言えることなのかを示す。
そして、その規律心が養われる過程の一つが、ラグビー部員が最も得意とするラグビーを通
じた地域活動や少年少女への普及活動などのグランド外の取り組みにあるのではないかと仮
説をたて、そうした活動に力を入れていて、且つ、ラグビーの競技力でも実績をあげている流
通経済大学のラグビー部に着目し、その現場で起こっている現象や活動の理念について触れて
いく。
そして、そういった活動が行われるにいたった経緯に触れつつ、他へのスケールアウトの可
能性、他のラグビーの現場で行われているグランド外の活動への仮説の当てはめを行ったもの
である。
キーワード:
ラグビーの競技特性、人間形成力、自己規律力、チーム実績への影響、社会・地域、普及活動
2010 年度秋学期 卒業制作要旨
グローバル食品メーカーの貧困層との対話プロセスの構築
-味の素の貧困層向けビジネスと社会貢献活動の事例研究から総合政策学部4年
木内
絵
概要:
本研究は世界の貧困問題、新興国の経済成長、日本経済の低迷、先進国市場の飽和状態、企
業の社会的責任などを受けて、企業の貧困層に対するビジネスや社会貢献活動の現状と今後の
方向性を探るために、以下 2 つの考察をしたものである。
1 つに、貧困層に対する企業の役割や戦略の変化を先行研究で考察した。企業は貧困層の消
費力や貧しいがゆえの不利益に着目し、貧困層を顧客として捉えるビジネスから、今後は企業
のバリューチェーンにおいて貧困層を始め、NGO、政府、国際機関等とのパートナーシップを
増やし、長期的な対話プロセスの構築の中で、相互価値を生み出すビジネスにシフトしていく
ことを論じた。
2 つに、国内食品業界において海外売上高トップの「味の素」の貧困層向けビジネスと社会
貢献活動を考察した。味の素を事例にした理由は、非耐久消費財メーカーは貧困層向けビジネ
スで先行事例の多い業界であること、加えて味の素が貧困層向けビジネスで収益の得ている企
業の中でも、複数カテゴリーの巨大欧米企業ではなく国内の特定カテゴリー企業であり、事例
考察が他の企業に応用しやすいと考えたからである。
味の素の貧困層向けビジネスと社会貢献活動は、文献調査、味の素フィリピンへのインタビ
ュー、フィリピン現地視察などを通して考察し、成功要因として理念、開拓精神、現地化の 3
つを挙げた。また味の素の貧困層向けビジネスの今後の課題や、社会貢献活動の新たな取り組
みから、今後、味の素もより貧困層や他セクターとの協働の中で対話プロセスを構築していく
ことを論じた。
以上の考察の結果として、企業の貧困層に対するビジネスが、バリューチェーンにおける貧
困層を始め、NGO、政府、国際機関等とのパートナーシップを増やし、長期的な対話プロセス
の構築の中で、相互価値を生み出すビジネスにシフトしていくことを確かめた。またそのうえ
で、プロセスによるビジネスモデルの必要性、相乗効果とソーシャルリターンやファイナンシ
ャルリターンへの着目についても触れた。
キーワード:
貧困問題、貧困層向けビジネス、新興国ビジネス、BOP ビジネス、包括的ビジネス、インクル
ーシブビジネス、多国籍企業、企業の社会的責任(CSR)、社会貢献活動、消費財、味の素、
アジア
2010 年度秋学期 卒業制作要旨
スターバックスとコンサベーション・インターナショナルのコラボレーションが、
短期間で成果を出した要因の分析
総合政策学部4年
平野
祐
概要:
このレポートは、企業とNPOのコラボレーションの事例としてスターバックスとコンサベ
ーションインターナショナルのコラボレーションを挙げ、両者のコラボレーションが短期間で
大きな成果挙げるに至った理由として3点、①両者ともクロス・セクター・コラボレーション
の経験があったこと②両者の活動する地域の面で、大きな共通点があったこと③提携を結ぶに
あたり、J.E.Austin の示すコラボレーションの連続体モデルにおける、コラボレーションの第
一段階である「慈善段階」を飛ばして、第2段階である「取引段階」からスタートしたこと、
を示すものである。
近年、CSRへ期待が高まり、大きな政府の限界ともに新しい公共への展開が始まり、NP
Oの存在感が高まるなど、企業・政府・市民それぞれのセクターで変化が起き、また、社会全
体が社会問題の複雑化・多様化・増加といった課題を抱える中で、クロス・セクター・コラボ
レーションへ注目が集まりつつある。そうした中で、クロス・セクター・コラボレーションに関
する研究はまだ始まったばかりでまだまだ未開拓の範囲が大きい。その中でも特に、コラボレ
ーションの実行プロセスに関する研究はあまり進んでいない。
本稿では、2年間という短期間で密接な関わりを築き、現在ではスターバックスの豆の調達
の8割を持続的な形態で占めるという成果を挙げた世界的なコーヒーチェーンであるスター
バックスと環境問題に取り組むNPOであるコンサベーションインターナショナルのコラボ
レーションを事例として取り上げ、そのコラボレーションの実行プロセスに焦点を当て、なぜ、
短期間でこれだけの成果を挙げることができたのかを分析する。
成果を挙げたコラボレーションの事例の実行プロセスを提示することで、今後のコラボレー
ションの実行プロセスに関する研究に寄与したい。具体的には、スターバックスとコンサベー
ション・インターナショナルのパートナーシップの展開について、ホームページや先行研究、
その他文献などをもとに、その一連の流れを記述し、そのパートナーシップの進展の様子を
J.E.Austin の提示した「コラボレーションの連続体」モデルに適用し、分析するとともに考察
する。
キーワード:
企業、NPO、コラボレーション、パートナーシップ、組織間関係、スターバックス、コンサ
ベーション・インターナショナル
2010 年度秋学期 研究要旨
フューチャーセンターを日本企業に導入するために必要なこと
-オランダ LEF を事例に総合政策学部4年
白石
卓爾
概要:
グローバル化し、過去 20 年と比較すると、より多くの人が関わり合い経済の発展に寄与す
る今日、我々が行う意思決定はより複雑に、そしてより多くの利害関係者を巻き込むものとな
った。20 年前の手段がそのまま現在の意思決定に活用できることは稀であり、我々は次世代の
仕組みを求めている。ヨーロッパを中心に注目されるフューターセンターと呼ばれる概念は、
多様な背景を持つ人々が話し合いを行う際により効果的に成果を生み出すための意見交換プ
ロセスそのものと環境設計のことを指す。筆者はオランダの Rijkswaterstaat(公共政策と運
河を管轄する省)がユトレヒトに保有する世界最先端のフューチャーセンターLEF を訪ね、責
任者へのインタビューと施設見学を通して、フューチャーセンターが意思決定に及ぼす肯定的
な働きと、それを実現するファシリテーターと呼ばれる議会進行役の重要さを知った。
今回の研究発表では以下の流れにそって、LEF が果たす役割から、一般的なフューチャーセ
ンターがどのように意思決定に貢献するのか、そしてその仕組みを体系的に整理し、皆さんに
お伝えする。
①現在社会が抱える問題点
②解決策としてのフューターセンター
③オランダで実際に導入されている例
④背景でどのような仕組みが働いているのかについて理論立てて言及
⑤研究成果を今後どのように生かすか
キーワード:
フューチャーセンター、ワールド・カフェ、U 理論
2010 年度秋学期 研究要旨
先行研究を通じて見る広報戦略の一環としての社会貢献活動
総合政策学部2年
山地
響子
概要:
<研究の位置づけ・方法>
私は、社会貢献活動を消費行動の中に組み込むことで、その規模を広げていくことが重要で
あると考えている。そのためには、企業に積極的に CSR や CRM に取り組んでもらう必要がある
ので、企業がその活動を行うことに対するメリットを示したいと考えている。今期を、研究の
初期段階として、CSR およびソーシャルマーケティングについての知識を身につけるための期
間として活用し、文献研究・事例研究を中心に、研究を行った。
<研究の概要>
その中でも今回は、以下の三点に注目して研究発表を行いたいと考えている。
①企業のプロモーションに今何が求められているか
現在、企業のプロモーション活動としてどういったことが重視されているのか、意識すべき
従来のプロモーション活動との違いについて説明する。また、商品そのものよりも企業ブラン
ドが重視されるようになった背景について触れる。
②広報を行うに当たって、顧客とのコミュニケーションが重要である
「コーポレート・コミュニケーション」を行うことが重要である。企業ブランドを消費者に
認知してもらうことが何よりも重要になっている。
③CSR とミッションの一貫性が重要である
企業ブランドを広めるための手段として CSR が重要であると言える。CSR 活動の目的の一つ
に、企業のブランドイメージを消費者に広めることが重要であるため、企業理念・企業が行っ
ているビジネス内容と行っている社会貢献活動の内容は一致すべきである。
<今後の研究について>
また、今期の先行事例の研究を、今後の自分の研究にどのように活かしていくのかについて
説明する。
2010 年度秋学期 研究要旨
縮小する伝統工芸品市場の現状と対策
-先進事例から見た今後の方向性環境情報学部3年
永井
智博
概要:
1990 年以降人々の生活様式は変わり、伝統工芸品市場における生産額・従業員数・企業数の
全てが大幅に下降し続けている。伝統工芸品は、職人が 100 年以上受け継がれてきた匠の技を
もって一つ一つ作るものづくりである。このモノづくりは長い間の生活の知恵、各地の自然環
境や文化、伝統を反映し、日本人の生活習慣とも無縁ではない。しかし、現状では収入面で職
人の生活が成立せず、このままの状況が続けば受け継がれてきた匠の技が失われることになる。
私はこの点に問題意識を持ち、現状を変えたいと考えた。
そこで、本研究では職人の生活向上とそれに伴う伝統技術の維持を研究目的として掲げ、伝
統工芸品市場の現状の把握と、その中でも売り上げを伸ばしている企業の事例研究、分析する
ことで今後の伝統工芸品市場が目指すべき方向性を示唆していく。
キーワード:
伝統工芸品、日本のモノづくり、日吉屋、ターゲティング
2010 年度秋学期 研究要旨
中小企業の CSR の取組み数の向上
-中小企業に CSR は適しているのか?環境情報学部3年
遠畑
絢子
概要:
昨今、企業の事を知る尺度として CSR が使われてきている。それほどに、人々の「企業の社
会的責任」に対しての興味が湧いてきていること、また、企業にとっても CSR に取り組むこと
で、他社との差別化を図り、ブランド力を強化しようとしているのが見て取れる現状である。
ただ、大企業の CSR ばかりスポットライトが当たっている感じも受けてとれる。日本に存在し
ている会社の約99%は、中小企業である。彼らは果たして CSR に取り組んでいるのだろうか。
中小企業ならではの特徴は、CSR に取り組む際にどのようにはたらくのだろうか。
この研究では、中小企業独自の特徴を分析すると共に、その特徴を活かした CSR の取り組み
方について提示したいと思う。まず、CSR と中小企業についての基礎的なフレームワークを提
示する。その後、中小企業の CSR をとりまく現状について、グラフを用いて分析する。また同
時に、日本の企業文化と中小企業の関係性について、近江商人の三方よしの観点から分析する。
最終的に、事例を取り上げながら、中小企業の特徴を活かした CSR の取り組み方について提
示していく。中小企業における CSR の実態を明らかにすると共に、中小企業の CSR について、
より多くの人に知られることを、この研究を行う目的とする。
キーワード:
中小企業・CSR・三方よし・地域貢献・社是・社訓
2010 年度秋学期 研究要旨
幼児期に自分の思いを自然に表現できる場の構築
-自己解決できる人間づくり総合政策学部3年
村上
愛実
概要:
私には鬱病の友人がいる。本当に大切な親友だ。鬱病になったきっかけは両親の離婚から自
分の居場所がなくなってしまったという悲しい理由であった。上京しても居場所がなく、居場
所の作り方も分からず、自分で思いを抱え込んでいく一方であった。
一方、田舎で育った私は、両親から沢山の愛情をもらい、近所づきあいも多く、居心地のい
い環境で育った。私は幼少期から様々な背景を持った子供たちが自分の思いを自然に表現でき
る場の必要性を感じる。
また、居場所がない場合や悩みを抱え込んでしまった場合にも自己解決できる能力が発達し
ていると自分で居場所を作るようになると仮定する。
児童期に入った子供は、親や保護者、教師よりも仲間のほうが重要であると感じるようになる。
したがって、人間の社会的発達という側面からみた場合、児童期・青少年期の特徴は何よりも
仲間集団への活動が最も活発な時期は児童期の中期から後期にかけてである。
そして「子供独自の世界」へ入ることにより、子供は大人への全面的依存を徐々に断ち切って
いき、行動面だけでなく精神的にも自立していくようになることが分かった。ここでの児童期
とは、幼児期の後で6,7~12,13歳ごろまでの期間のことを言う。知的能力が飛躍的発
達し、自律的な自我意識をもつ人格が形成されるようになり、学童期ともいう。
私はこの自立して新しい集団が確立される前に整った環境を与える経験をする必要がある
と感じる。生まれてから13歳までの間にいかにいい環境を与えられるかという軸だ。整った
環境とは、①「自分は愛されている」と子供が感じる事、②仲間がいるということ③みんなが
支えあって生きているということ④自分の気持ちを表現する場が必ずあるという認識を持つ
こと、以上4つを挙げたい。
この4つのことを特に自然にできている環境は SKIP KIDS、芝の家とし、この2つに焦点を
当て、どのような要素が子供たちにとってプラスの影響となっているのかを抽出していきたい。
富山県が住みやすい環境日全国 1 位である理由に、子育ての充実した環境が整っているという
ことも視野に入れつつ、乳幼児期の愛着の形成が社会性の発達の基礎となること、自己を確立
しつつ社会に適応する上で必要な緒特性が身に着く重要な期間に多くの愛情を注ぐことで子
供が居場所を自己で確立していく様子を検証していく。
2010 年度秋学期 研究要旨
持続的な地域ポータルサイト構築
-『マイタウンクラブ』と『よりみち湘南』を事例に総合政策学部3年
山本
周
概要:
現在、日本の各地域の行政・商業情報を含む「地域ポータルサイト」が数多く存在している。
各ポータルサイトは、住民同士のコミュニケーションを通して、各地域の活性化を図っている
が成功事例はまだ少ないのが現状である。そこで本研究ではサイトの運営主体に注目して、地
域ポータルサイト運営での課題発見を目指した。研究を進める上で、サイト運営主体を大きく
二つに区分した。各地域の行政と民間企業の二つである。
前者の行政主体によるものは、2004 年に日本政府により発表された「u-Japan 戦略」の「地
域 ICT 利活用モデル構築事業」により各地域で立ち上げられたものがある。これらは政府から
の委託事業として地域行政が主体となって運営されている。本研究はその中から『マイタウン
クラブ』事例を選び、運営する厚木市情報課にインタビュー調査を行った。継続的なサイト運
営をする上での課題をこの事例を通して探った。
それに対し民間企業運営のサイトの事例としては、『よりみち湘南』を運営する企業ビット
システムにインタビュー調査を行った。民間企業運営によるものの多くは各地域商店街の店情
報を中心としているが、多くは「ぐるなび」等の大型サイトとの差別化を図れていないのが現
状だ。そのような状況でいかにサイト規模を拡大していき、地域活性化につなげていくかの課
題を探った。
以上の二つの事例を通して、地域行政と民間企業の両主体が地域ポータルサイトを運営する
上で抱える課題、及び両主体の恊働の可能性について考察していく。
キーワード
地域ポータルサイト、地域活性化,u-japan 戦略、共創、恊働、コミュニティ設計
2010 年度秋学期 研究要旨
日本林業の現状分析と新たなビジネス構築
総合政策学部3年
田島
大輔
概要:
本研究は、日本林業について取り扱っている。日本林業の不振の原因を分析し、日本の最先
端といわれる林業の事例を探る。また、アメリカの林業経営・政策との比較から、日本の林業
経営・政策を見つめ直す。
木材価格が低く、外国から入ってくる安価で大量の木材に苦しめられている林業をどういっ
た方法で救えるのか。林業家だけでなく、一般の人にとって利益となり得る事業は作りだせな
いのか。
今回はアメリカで行われているクリスマスツリー事業を例に、解決策を考えていきたい。
キーワード:
林業、森林キャンプ、クリスマスツリー
2010 年度秋学期 研究要旨
「マイファーム」から学ぶ
農園ビジネスが農家に与える価値とは
-地元 南足柄市でのビジネス展開を目指して環境情報学部3年
磯崎
奏穂
概要:
高齢化に伴う労働力の不足や後継ぎなどの問題が原因で、「耕作放棄地」を所有する農家が
近年増えている。耕作放棄地問題は深刻であり、現在、約 40 万haもの耕作放棄地が日本に
は存在している。私の地元においても、神奈川県の中で非常に大きな所有率を占めており、私
は非常に深刻な問題であると考えている。
そして、この耕作放棄地を所有する農家が増えている最大の原因として、「土地を所有する
こと」に対する農家の負担が非常に大きいという事が挙げられる。
本研究では、この「土地を所有する」事で農家に生まれている現状の負担を明確にするととも
に、耕作放棄地を所有する農家が、「土地を『農地』として所有しながら、安定した収入を得
るようになる」事を目指している。
そこで今回は、他者に土地を貸し出し、「農地」として有効活用してもらう、かつ収益が得ら
れる「農園ビジネス」が農家に与える価値は非常に大きいのではないかという仮説を立て、事
例「マイファーム」をもとに、農家に与える価値を明らかにする事を研究目的とする。
また、私の地元で展開する際に活用できる要素、また不足要素を明らかにし、地元独自のビ
ジネスモデルを今後提案していく事に繋げていきたいと考えている。
キーワード:
耕作放棄地、農園ビジネス、農家に与える価値、マイファーム
2010 年度秋学期 研究要旨
エデュテイメントが子供に与える影響とは
-キッザニアを事例に総合政策学部3年
瀧川
美紀
概要:
アメリカで 94 年頃に登場し、子供向けのパソコンソフトやレジャー施設に
取り入れられた
エンターテイメントとエデュケーションを掛け合わせた「エデュテイメント」。
近年日本で
もこの言葉が受け入れられるようになってきた。エデュテイメントが進んだ背景として、教育
や学びに対する需要の高まってきた事、企業が CSR 等の社会貢献を重視し、教育をテーマにし
たレジャー施設を提供したり、工場見学を積極的に受け入れる動きが高まってきている事が挙
げられる。果たして、このエデュテイメントが子供にとって学びがあるのだろうか。楽しみの
要素だけで終わらないだろうか。
本研究では、エデュテイメントが子供に与える影響とは何か、楽しみながら学びの効果を最
大限にするにはどのような仕組みが必要であるかを日本初のエデュテイメントテーマパーク
であるキッザニアを事例に探る。
キーワード:
エデュテイメント、キッザニア、教育、学び
2010 年度秋学期 研究要旨
CSR を通した企業と顧客のコミュニケーションづくり
-顧客の共感とコミットを引き出す仕組み総合政策学部3年
西村
聡一郎
概要:
2010 年に日本で初めて日本ファンドレイジング協会から寄付白書が発行された。同白書によ
ると、日本の寄付市場が約1兆円の規模になっている。その背景のもとに、社会貢献活動を戦
略的に取り組んでいる企業が増えている。その際に、その活動に顧客である生活者をいかにし
て巻き込んでいくことが重要である。単純にその活動への巻き込みだけでなく、扱う問題への
共感やそこからのコミットを引き出し、生活者が自分ごととして捉えるようになるためにはど
うすればいいのか。効果的な伝え方について考える。
キーワード:
CSR、CRM、コミュニケーション
2010 年度秋学期 研究要旨
2010 秋冬のトレンドから見る東京ファッションの分類と傾向
総合政策学部3年
大坂
里菜
概要:
クール・ジャパンをはじめ、東京・渋谷や原宿のストリートファッションがアジアなどで人
気を集めている。これを受け 2013 年までに経済産業省繊維・ファッション産業の輸出額を、
2009年の約6900億円から3年以内に8000億円台に増やすとの目標を掲げた研究
会の報告書を発表した。将来は1兆円に増やすことを目指すという。
ここ数年、世界から、日本のファッションが再注目されている。しかし、一口に日本のファ
ッションと言っても、その実態はいったい何なのだろうか。
日本特に東京のファッションをセグメント化し、それぞれの特徴を比較する。また、デザイ
ナーが発信するコレクションと東京ファッションの比較、世界からの見え方を通して「東京フ
ァッション」の現状を理解する事が本研究の目的である。
キーワード:
ファッション、クールジャパン、日本文化、F1層、女性、2010、AW、ファッション誌、東京
2010 年度秋学期 研究要旨
幅広いバックグラウンドの人々が集まる団体における複合型コミュニティの提案
-インターナショナルサマーキャンプ開催団体、ミステリオを事例に情報空間活用の可能性を探る-
総合政策学部3年 福岡 万里子
概要:
インターナショナルサマーキャンプを行う団体は数多く存在する。中でも、ミステリオは、
参加者に「互いの違いを尊敬しあう」ことに関する気づきを与えることに成功している事例の
1つだ。しかし、サマーキャンプのように短期間で得た気づきは、長期的記憶に残りにくい現
状がある。本研究では、ミステリオを事例に、幅広い年齢・国の人々が集まる場において、短
期間で得た気づきをいかに継続して刺激し続けることができるか、明らかにしていく。
その方法論の1つとして複合型コミュニティに注目する。インターナショナルな故、物理的
距離が問題となり、定期的に顔を合わせた刺激を与え続けることはできない。それゆえ、情報
空間をうまく導入し、現実空間といかに融合することができるか浮き彫りにする。その際、現
在他団体で使用されている SNS や、その限界、また情報空間単独として存在するツールの特徴
を洗い出し、ミステリオにふさわしいものや使い方を提示していく。
キーワード:
インターナショナルサマーキャンプ、子ども、情報空間、現実空間、複合型コミュニティ
2010 年度秋学期 研究要旨
学生主体のまちづくりにおける、学生の参加動機・継続性と地域との関係
環境情報学部2年 多山 えりか
概要:
大学と地域のつながりは深い。地域を舞台にした研究を大学で行うことも増えているが、今
や研究という分野を超えて自ら動き出している学生も存在する。彼らは研究を目的とするので
はなく、主体的に地域に働きかけている。本研究ではこのような学生たちの参加動機と継続性
を、「地域とのつながり」という側面から考え、地域の与える影響と可能性を検証した。これ
は、学生と地域の協働の重要性を再確認するだけでなく、学生の巻き込み方や継続問題を考え
る一助となると考えている。
研究対象として、Apas(エイパス)、La ponte(ラ・ポンテ)、Pro-K(プロック)の3つ
の団体に、参加動機に関する情報や継続状況について聞き取り調査をした。この結果をもとに、
参加動機の分類や地域との関係、また継続性についての考察も行う。
キーワード:
まちづくり、学生、地域協働、参加動機、継続
2010 年度秋学期 研究要旨
地域活性を目指したテーマパーク事業の展開
-花やしきの学びを活かした西武遊園地への新事業提案環境情報学部2年
山脇
一恵
概要:
「西武園遊園地」と所沢市が連帯してイベントスペースや商店街からなる区画を造ることで、
「西武園遊園地」が事業拡大を目指すと共に周辺地域の活性化に貢献していく事業を提案する
ことを最終目標としている。その際に、浅草にある「花やしき」を、テーマパークと周辺地域
が連帯して地域活性化に取り組んだ成功事例として参考にする。今回の発表では提案内容では
なく、浅草「花やしき」と「西武遊園地」の戦略の比較、分析結果についてのものとしている。
周辺地域の人々と協力して地元の良さをアピールし活性化を図ると同時に、
「西武園遊園地」
への訪問者にも所沢市や埼玉県に関してより興味を抱いてもらいたいと思っている。
問題意識:
日本の遊園地・テーマパーク全 112 社に対する収入実態調査によると、オリエンタルランド
が収入高の 44.1%を占め、その後を続くユー・エス・ジェイや東京ドームシティ等の数個のテ
ーマパークを除くと、小規模テーマパークの経営難や衰退が顕著である(2009 年オリコン調べ)。
様々な遊園地について調査しているうちに、浅草「花やしき」が地域と連帯した独自の戦略に
より、業績を伸ばしている(公益収入ランキング 32 位)ことを知った。このモデル事業の戦
略を、他の遊園地に活かせないかと考えるようになった。
同時に、入場者数がほぼ同じであり、公益収入ランキング 73 位に位置する「西武園遊園地」
に着目した。1950 年に西武電鉄によって建設された「西武園遊園地」は、1994 年には年間約
161 万人の入場者数を記録したが、2007 年では 72 万人まで減少してしまった。実際に私がフ
ィールドワーク調査として「西武園遊園地」に足を運んでみたところ、遊園地が周辺地域から
隔離されている様子が伺え、「西部園遊園地」が周辺地域と連帯して活性化を行う必要性を感
じた。そのため、「西武園遊園地」が主体となって地域活性化に寄与する企画を将来的に行い
たいと思っている。
2010 年度秋学期 研究要旨
アートプロジェクト評価システム
総合政策学部2年
齊藤
実践と提言
智彦
概要:
1980 年代以降ヨーロッパ周縁部で徐々に始まった、文化の力による地域再生の試みは、フラ
ンスのナント市、スペインのビルバオ市などの成功を受け近年日本でも「創造都市」の合い言
葉の下、金沢市を皮切りに横浜市、札幌市、盛岡市、仙台市、名古屋市、浜松市、大阪市、京
都市、神戸市、福岡市、北九州市等の大都市や地方中核都市、更には桐生市、柏市等の地方都
市や、木曽山中の木曽町など農村部などにまで都市政策の目標と掲げている自治体が増加して
いる。2009 年に入り以前から越後妻有トリエンナーレで注目を浴びていた新潟県では、新潟市
を「文化創造都市」とするキックオフとして「水と土の芸術祭」をトリエンナーレと関連する
ように開催した。こうした流れは今後も都市政策の一つの柱となって行くものと思われる。
上記のように日本各地でアートプロジェクト等文化による地域活性の試みが立ち上がって
いる状況で、課題になっている事の一つに、それらを如何に評価して行くかと言った事が挙げ
られる。アートプロジェクトは今までに無い様々な主体によって、様々な思惑が絡みながら運
営されている。本研究ではそうしたアートプロジェクトに即した評価システムを設計し、活用
してもらう事を通じて、アートプロジェクト評価を体系化するための足がかりとするものであ
る。
キーワード:
評価システム、アートプロジェクト、地域活性、クリエイティビティ