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証券化案件のオペレーショナル・リスク評価のグローバルな枠組み

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----------------------------------------------------------------------------------------2015 年 1 月 30 日
格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|一般:
証券化案件のオペレーショナル・リスク評価のグローバルな枠組み
日本における問い合わせ先:
橋本祐志、東京 電話 03-4550-8275
*本稿は、2014 年 10 月 9 日付の英語版「Criteria | Structured Finance | General: Global Framework For
Assessing Operational Risk In Structured Finance Transactions」を翻訳したものですが、本文に付随する
情報の一部は訳出を省略しています。それらの情報については英語版を参照してください。本和訳版は 2016
年 12 月 20 日に再公表したものです。
1.
スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(以下「S&P」)は、証券化案件の発
行体に対して不可欠な業務を提供する案件当事者のオペレーショナル・リスクを評価するための
手法と想定(以下「本格付け規準」または「本枠組み」)を公表する。オペレーショナル・リス
クが信用力の不安定性を招き、格付けに影響を及ぼすと考えられる場合、本格付け規準によって、
格付けの上限 ――証券化案件の潜在的な最高位格付けの制約―― を定める。本稿は、2014 年 5
月 8 日付の意見募集「Criteria | Structured Finance | Request for Comment: Request for Comment:
Global Framework for Assessing Operational Risk in Structured Finance Transactions—Update」に続く
ものであり、2011 年 2 月 16 日付「General Criteria: Principles of Credit Ratings」(和訳版:2011
年 3 月 2 日付「一般格付け規準:信用格付けの原則」)および 2010 年 5 月 3 日付「General Criteria:
「S&P グローバル・レーティン
グ(S&P Global Ratings)」が
発行した本リポートに記載さ
れている格付け規準は、スタ
ンダード&プアーズ・レーティ
ング・ジャパン株式会社にお
いて採用されております。
また、本格付け規準は、日本
スタンダード&プアーズ株式
会社においても採用されてお
ります。
Methodology: Credit Stability Criteria」(和訳版:2010 年 7 月 6 日付「一般格付け規準:格付け
手法:信用力の安定性に関する格付け規準」)に関連している。
2.
オペレーショナル・リスクを分析する枠組みは、「主要案件当事者」(key transaction parties、
以下「KTP」)に重点を置いている。KTP とは、案件契約書に定められたとおりに責務を遂行
しなかった場合、証券化案件の格付けに悪影響が及ぶなど、証券化案件の将来のパフォーマン
スにリスクをもたらすことになる関係者である。仮に、KTP の義務の履行状況を監視する法的
責任のある当事者が案件に含まれている場合、オペレーショナル・リスクの評価は、KTP では
The criteria in this report
issued by “S&P Global
Ratings” is adopted by
Standard & Poor’s Ratings
Japan K.K.
This criteria is also adopted
by Nippon Standard &
Poor’s K.K.
なく、その当事者に基づくことが可能である。例えば、マスター・サービサーが、プーリング
およびサービシング契約で定められたサービシング基準が満たされているかどうかを監視す
る法的責任を負っている場合、オペレーショナル・リスクの評価は、プライマリー・サービサ
ーやサブ・サービサーではなく、マスター・サービサーに基づいて行うことが可能である。
3.
本枠組みは、1)実質的に担保のパフォーマンスに影響を及ぼす役割を担う「パフォーマン
ス KTP」〈サービサー、債務担保証券(CDO)のアセット・マネジャーなど〉と、2)不可
1
欠ではあるが、本質的にはおおむね事務サイドの役割を果たす「事務 KTP」(受託者、支払
い代理人、計算代理人など)とを区別する。事務 KTP がもたらすイベント・リスクは比較的
小さいと S&P は考える。したがって、事務 KTP が潜在的な最高位格付けを制約することは
なく、事務 KTP の業務に混乱が生じる可能性の評価も必要ではない。ただし、当該事務 KTP
の過去の実績が満足のいくものでなく、それが未だに改善されていないうえ、将来のパフォ
ーマンスが案件の格付けに悪影響を及ぼす可能性があると考えるだけの根拠がある場合は、
この限りではない(段落 59 参照)。誤解を避けるために、事務 KTP の責務が実質的にパフ
ォーマンス KTP の責務と同等であると S&P が考える場合は、肩書や表向きの役割にかかわ
らず、事務 KTP をパフォーマンス KTP として扱う。
4.
オペレーショナル・リスク評価の本枠組みは総じて、パフォーマンス KTP が案件期間中に職
務を果たせなくなる、または、果たそうとしなくなる可能性について考察する。この目的から、
本枠組みでは、案件に含まれる各パフォーマンス KTP について、対象 KTP の業務の混乱が発
行体のキャッシュフローに及ぼす潜在的な影響と、必要となれば当該サービサーの交代が容易
にできるかどうかの評価が必要となる。これら評価の結果次第で、パフォーマンス KTP の業務
に混乱が生じる蓋然性やバックアップ KTP の設置状況の評価が必要となることもある。
5.
KTP のパフォーマンスの混乱が格付けとキャッシュフローに及ぼす影響についての分析で
は、アセットのタイプと仕組みの相違に加え、所在国・市場に固有のリスク要因も検討する。
証券化案件のキャッシュフローのパフォーマンスが KTP の活動に依拠する度合いが高けれ
ば高いほど、そして、当該 KTP が交代させられる確率が低ければ低いほど、KTP の混乱リス
クの可能性は、証券化案件の潜在的な最高位格付けを決定する上で、より重要となる。
6.
ここで明らかにしておくが、何らかの理由により(案件当事者の評判を含む)、以下のい
ずれかに該当すると S&P が考えた場合には、格付けの付与または格付けの維持は行わない。

KTP の経験が不十分である。

(セクター別格付け規準に照らして)格付けの根拠となる情報が不十分である、信頼
できない、またはタイムリー(適時)でない。

案件当事者の役割、責務、権利が十分に明確化されていない。

KTP の辞任は後任が決まらなくても有効となり得る。かつ、当該 KTP の辞任が証券化
案件のパフォーマンスに悪影響を及ぼす。
7.
本格付け規準は、証券化案件のオペレーショナル・リスクと事務リスクに関する既存のア
プローチを、共通のグローバルな枠組みの下で統一するものである。したがって、評価に情
報をもたらすデータは、サービサー評価、事業のレビュー、第三者によるデューデリジェン
ス報告書、案件契約書のレビューなど、引き続き関連情報に対する既存のアプローチに基づ
いて収集される。S&P は、すでに各セクター内で通常の格付けプロセスの一環として行って
いる情報収集を、本格付け規準のために増やす意図はない。
8.
本格付け規準によって、すべての案件の事実や状況を想定し、把握できるわけではない。
本格付け規準は、質が高く、フルアモチ型で、コモディティ化されたアセットからフューチ
ャーフローまで、さまざまな範囲のオペレーショナル・リスクを内包する広範囲の証券化案
件に適用されるからである。したがって、ある特定案件の潜在的な最高位格付けは、セクタ
ー別格付け規準に基づく枠組み、案件固有の事実、および/あるいは分析的判断を勘案して
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2
示される格付けを下回るケースがあり得る。
本格付け規準の適用範囲
9.
本格付け規準は、証券化案件に対してグローバルで適用され、テンダー・オプション・ボ
ンド、ならびにシングルファミリー/マルチファミリー・パブリック・ファイナンス・ハウ
ジング・ボンドにも適用される。ただし、1)格付けが発行体格付けと連動しているカバード
ボンド案件、2)ポートフォリオのオペレーショナル・リスクが流動性ファシリティの条件と
流動性補完提供者の信用力によって軽減されている資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)
案件には、適用されない。
10.
本格付け規準は、KTP に対する金銭のエクスポージャーには適用されない。案件当事者に
対する金銭のエクスポージャー、つまり、カウンターパーティ・リスクには、S&P のカウン
ターパーティ・リスクの格付け規準が具体的に対処している<2013 年 6 月 25 日付「Criteria |
Structured Finance | General: Counterparty Risk Framework Methodology And Assumptions」(和訳
版:2013 年 7 月 8 日付「格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|一般:カウンター
パーティ・リスク・フレームワークの手法と想定」)を参照>。カウンターパーティ・リス
クの格付け規準はまた、コミングリング・リスクにも対応する<2009 年 5 月 28 日付「Criteria
| Structured Finance | General: Standard & Poor’s Revises Criteria Methodology For Servicer Risk
Assessment」を参照。同格付け規準は、サービサーが最低基準を満たしておらず、不正流用
リスクも軽減されていないと S&P が考える場合は、格付けに上限を課すと定めている>。
本格付け規準の要約
11.
本格付け規準は総じて、パフォーマンス KTP に対するオペレーショナル・リスク評価に基づ
いて、特定の証券化案件に付与する潜在的な最高位格付けを決定するための 4 つの手順プロセ
スから成る。ただし、段落 19 で説明するように、第 3 と第 4 のステップを踏むかどうかは通
常、第 1 と第 2 のステップの評価結果にかかっている。
 ステップ 1: KTP の業務に混乱が生じた場合に証券化案件のキャッシュフローに及ぼす潜
在的な影響、すなわち「セベラティ(重大性)・リスク(severity risk)」の評価。セベラ
ティ・リスクの評価は、KTP の混乱に対する証券化アセットのパフォーマンス感応度に基
づき、KTP の業務に混乱が生じた場合に、当該アセットのパフォーマンスがどのようにな
るのか、定性的に評価する。主な検討項目は、証券化されるアセットの信用力とアセット
クラスで、これらの要因は通常、アセットのパフォーマンスに対する KTP 業務の重要性
を示す。
 ステップ 2: 業務に混乱が生じた後の KTP の交代可能性、すなわち「ポータビリティ(変
更可能性)・リスク(portability risk)」の評価。ポータビリティ・リスクの評価には、該
当する地域、アセットタイプ、KTP の責務を踏まえた、証券化における当該 KTP の役割
を対象とする市場の検証が含まれる。本評価では、KTP のシステムと潜在的な交代 KTP
のシステムとの互換性、証券化案件契約の市場基準との整合性の度合い、KTP を解任する
発行体の契約上および法的権利、交代 KTP を指名できるコントロール・パーティが対象
案件に含まれているかどうか、交代 KTP が当初 KTP から業務を引き継ぐ動機となるよう
な手数料の支払い能力が案件にあるかどうかなども考察する。
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 ステップ 3: KTP の業務に重大な混乱が生じる可能性、すなわち「ディスラプション(混
乱)・リスク(disruption risk)」の評価で、S&P は同評価と KTP が支払い不能に陥る可
能性とを区別している。ディスラプション・リスクの評価は、業務を履行する KTP の能
力と意思、具体的には、KTP の信用力、ポートフォリオの伸び率、経験と実績、KTP が
フランチャイズ価値を有しているかどうかなどの要因に基づく。
 ステップ 4: バックアップ KTP の設置状況の評価。
12.
ステップ 1-3 の評価が、リスクの順位付けとなる。これらステップの各順位付けを組み合
わせて、バックアップ KTP の設置状況を検討する前に、当該証券化案件の潜在的な最高位格付
けを「AAA」から「B」の範囲で決定する。証券化案件の格付けには、ステップ 1-3 の評価に
基づく上限が課されてはいるが、案件においてバックアップ KTP が設置されていれば、上限が
課された格付け(すなわち、潜在的な最高位格付け)は、同バックアップ KTP の経験(アセッ
トクラスと役割を考慮)と、パフォーマンス KTP の責務を引き受ける準備が整っているかどう
かに関する S&P の見解に応じて、最大 6 ノッチ(段階)まで引き上げられる。
13.
「AAA」より低い潜在的な最高位格付け、すなわち格付けの上限は、KTP、アセット、お
よび/あるいは、市場固有のリスク要因に起因するイベント・リスクを反映している。格付
けの上限はまた、イベント・リスクの高まりが格付けの変動性につながり、高位の格付けに
おいて S&P の信用力の安定性に関する格付け規準との整合性が取れなくなる可能性がある
ことを示唆している。ただし、本格付け規準は総じて、セベラティ・リスクとポータビリテ
ィ・リスクが低く、経験豊富な KTP に特徴づけられていると S&P が考える証券化案件につ
いては、潜在的な最高位格付けに制限を課すことはない。したがって、各 KTP のセベラティ・
リスク、ポータビリティ・リスクともに低く、証券化案件が経験豊富な KTP に特徴づけられ
ている場合には、オペレーショナル・リスク検証の一環としてのディスラプション・リスク
の評価は必要としない。とはいえ、案件にかかわる独特の事情があり、セベラティ・リスク
とポータビリティ・リスクが低いにもかかわらず、KTP の業務に生じた混乱が証券化案件の
格付けに影響を及ぼす可能性があると S&P が考えた場合には、そうした評価を行うこともあ
り得る。
14.
複数の KTP が存在する証券化案件の潜在的な最高位格付けは、案件に含まれる個々の KTP
の分析に基づいて決定される潜在的な最高位格付けの中で最も低いものとなる。同格付けは、
オペレーショナル・リスクが、証券化案件の定期的なレビューを含め、S&P が適切と考える頻
度で見直されることを踏まえると、経時的に変化する可能性がある。いずれにしても、KTP の
業務に混乱が生じ、案件のキャッシュフローに影響が及ぶような場合、そうした混乱は、当該
KTP が関与する別の証券化案件のオペレーショナル・リスクの評価を目的とした当該 KTP の
実績の分析につながる可能性が高い。オペレーショナル・リスクの評価を、対象 KTP が関与す
る他の案件、アセットクラス、地域にまで拡張して適用するかどうかを決めるための分析では、
KTP の業務に混乱が生じた原因が局地的なものか、それともシステミックなものかを検討する。
15.
本段落は削除された。
16.
本段落は削除された。
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手法
本格付け規準の枠組みでは、証券化されるアセットのタイプ、KTP が担う役割の性質と集
17.
約度、KTP 交代の難易度、そして、一部の事例においては、業務を遂行する KTP の能力と意
思など、オペレーショナル・リスクに寄与する、あるいは同リスクを軽減すると S&P が考え
る要因を検討する。
パフォーマンス KTP に関しては、本格付け規準は総じて、オペレーショナル・リスクに対
18.
する S&P の評価に基づき、特定の証券化案件に付与できる潜在的な最高位格付けを決定する
4 つの手順プロセスから成る。段落 19 で説明するように、第 3 と第 4 のステップを踏むかど
うかは、第 1 と第 2 のステップの評価結果にかかっている。

ステップ 1: KTP の業務に混乱が生じた場合、証券化案件のキャッシュフローに影響が
及ぶ潜在性を評価する(セベラティ・リスク、段落 30-34)。

ステップ 2: KTP の業務に混乱が生じた後の、KTP の交代可能性を評価する(ポータビ
リティ・リスク、段落 35-41)。

ステップ 3: KTP の業務に重大な混乱が生じる可能性を評価する(ディスラプション・
リスク、段落 42-50)。

19.
ステップ 4: 該当する場合は、
バックアップ KTP の設置状況を評価する
(段落 51-56)
。
パフォーマンス KTP に関するセベラティ・リスクとポータビリティ・リスクがそれぞれ低
いと評価される(通常、十分に発達した証券化市場におけるフルアモチ型のプライム層消費
者向け債権に典型的である)場合には、本格付け規準を適用することで、潜在的な最高位格
付けが制約を受けることはない。そのような事例では、セベラティ・リスクとポータビリテ
ィ・リスクが低いにもかかわらず、当該証券化案件の格付けに、KTP のパフォーマンスによ
る悪影響が及ぶと S&P が考えるような案件固有の特別な事情(例えば、KTP の実績が劣るな
ど)がない限り、ディスラプション・リスクを評価する必要はない。
20.
ステップ 1-3(セベラティ・リスク、ポータビリティ・リスク、そして必須または必要と見
なされる場合に評価されるディスラプション・リスク)の各評価結果が、リスクの順位付けと
なる。セベラティ・リスクとポータビリティ・リスクはそれぞれ、「高い(high)」「中程度
(moderate)」「低い(low)」の 3 段階で評価される。ディスラプション・リスクの評価は、
「非常に高い(very high)」「高い(high)」「中程度(moderate)」「低い(low)」の 4 段
階である。これら 3 つのリスクのそれぞれの順位付けが、特定の KTP が関与する証券化案件に
付与され得る潜在的な最高位格付け(バックアップ KTP の設置状況考慮前)を決定する。
21.
表 1 は、ステップ 1-3 における各リスク順位の異なる組み合わせを勘案した上で付与され
得る潜在的な最高位格付け(バックアップ KTP の設置状況考慮前)を示している。例えば、
リース担保の証券化案件のキャッシュフローのパフォーマンスが、短期リースを継続的にリ
マーケティングするパフォーマンス KTP の能力に依拠している(つまり、セベラティ・リス
クが高い)ものの、当該パフォーマンス KTP の運営状態が「非常に弱い(vulnerable)」(す
なわちディスラプション・リスクが高い)と S&P が見なした場合、契約不履行の後に当該 KTP
の職務を移行することが困難である(つまり、ポータビリティ・リスクが高い)と考えるの
であれば、「BB」の格付けの上限を適用する。
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5
22.
一方、仮に、コモディティ化が進んだ、品質の高いアセットクラス(プライム・オートロー
ンなど)が、証券化の仕組みを経験した潜在的な交代 KTP が多数存在する地域で証券化されよ
うとしている場合(すなわち、セベラティ・リスクが低く、かつ、ポータビリティ・リスクが
低い場合)、当該証券化案件の潜在的な最高位格付けは通常、本格付け規準の適用によって制
約を受けることはない。こうした事例では、ディスラプション・リスクの評価は通常、不要で
ある(表 1 参照)。
23.
本格付け規準の枠組みは、バックアップ KTP を、KTP の業務の混乱リスクの潜在的な緩和
要因として認める。したがって、バックアップ KTP が設置されており、そのバックアップ
KTP の能力と契約上の義務が、KTP の混乱による影響を軽減すると S&P が考える限りにお
いて、潜在的な最高位格付けは、表 1 に示したものより高くなることもあり得る(詳細につ
いては、段落 51-56 および表 8 を参照)。
24.
一般に、事務 KTP が案件の潜在的な最高位格付けを制約することはない。当該事務 KTP
の実績が満足のいくものでなく、かつ、それがなお改善されておらず、将来のパフォーマン
スが格付けに悪影響を及ぼすと S&P が考えない限り、KTP の業務に混乱が生じる可能性に対
する評価は必要ない。
25.
表 1 に示したとおり、オペレーショナル・リスクが高いと評価した場合、潜在的な最高位
格付けは「AAA」より低くなる。格付けの上限は、KTP、アセット、そして/あるいは市場
に固有のリスク要因に関連したイベント・リスクを反映する。格付けの上限はまた、イベン
ト・リスクの高まりが格付けの変動性につながり、高位の格付けにおいて、S&P の信用力
の安定性に関する格付け規準との整合性が取れなくなる可能性があることも示唆している
<2010 年 5 月 3 日付「General Criteria: Methodology: Credit Stability Criteria」(和訳版:2010
年 7 月 6 日付「一般格付け規準:格付け手法:信用力の安定性に関する格付け規準」)を参
照>。こうした理由から、また、オペレーショナル・リスクの評価がその性質上、主に定性
的なものであることも相まって、たとえ、オペレーショナル・リスクを部分的に(全面的で
はなく)軽減する追加的な信用・流動性補完が備わっていたとしても、本格付け規準を適用
することで示される潜在的な最高位格付けが適用される可能性が高い。イベント・リスクが
信用・流動性補完によって完全に軽減されていると見なすためには、KTP の業務に混乱が生
じた後も、格付け対象証券が引き続き期日どおりの支払いを受け、格付けに何ら他に影響が
及ばないと S&P が結論づける必要がある(段落 34 参照)。この流動性リスク分析は、混乱
後の回復にかけられる時間が比較的短い短期証券にとっては、特に重要である。
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6
26.
複数の KTP が存在する証券化案件の潜在的な最高位格付けは、各 KTP の分析に基づいて
決定した潜在的な最高位格付けの中で最も低いものとなり、かつ、S&P が適切と見なす頻度
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でオペレーショナル・リスクのレビュー(証券化案件の定期レビューを含む)を行うことを
踏まえると、経時的に変化する可能性がある。
いずれにしても、KTP の業務に混乱が生じ、案件のキャッシュフローに影響を及ぼすよう
27.
であれば、影響を受ける案件の潜在的な最高位格付けは、一時的な利払い不足に関する格付
け規準のようなセクター別格付け規準(2015 年 12 月 15 日付「Criteria | Structured Finance |
General: Structured Finance Temporary Interest Shortfall Methodology」を参照)、ならびに一般
格付け規準 ――例えば、
2014 年 12 月 19 日付「General Criteria: Principles For Rating Debt Issues
Based On Imputed Promises」(和訳版:2015 年 2 月 27 日付「一般格付け規準:S&P が想定す
る約束に基づいて個別債務を格付けするための原則」)や、2013 年 10 月 24 日付「General
Criteria: Methodology: Timeliness of Payments: Grace Periods, Guarantees, And Use of 'D' and 'SD'
Rating」(和訳版:2013 年 12 月 4 日付『一般格付け規準:格付け手法:支払いの適時性:支
払猶予期間・債務保証の扱いと、「D」「SD」の適用の仕方』)―― を適用して、引き下げ
られる可能性がある。さらに、そうした混乱は、当該 KTP が関与している他の証券化案件の
オペレーショナル・リスクの評価を目的とした当該 KTP の実績の評価にもつながる可能性が
ある。分析では、混乱の原因が局地的なものか、それとも、システミックなものなのか検討
する。
潜在的な最高位格付けの評価: パフォーマンス KTP
個々のパフォーマンス KTP について、オペレーショナル・リスクを評価し、潜在的な最高位
28.
格付けを決定するにあたり、本格付け規準は総じて、以下のタイプの情報を検証する。

セベラティ・リスク評価: KTP の業務の混乱に対する証券化アセットのパフォーマンス感
応度を含むアセットの特性を評価する(本格付け規準により、KTP の業務に混乱が生
じた場合のアセットのパフォーマンスを定性的に評価するため)。主な評価要因は、証
券化されるアセットとアセットクラスの信用力である。というのも、これらの要因は通
常、KTP の業務が当該アセットのパフォーマンスにとって、どれほど重要であるか示
唆するからである(セベラティ・リスクについては段落 30-34 と表 2 で論じる)。

ポータビリティ・リスク評価:
KTP の交代の容易さ(該当地域を勘案した上での、証券化
における KTP の役割を対象とする市場の検証が必要となる)、アセットクラス、当該
KTP の責務、当該 KTP のシステムと潜在的な交代 KTP のシステムとの互換性、証券化
契約書の市場標準との整合性の度合いなどを検討する。ポータビリティ・リスクを軽減
する、あるいは高める案件の特徴 ――当初 KTP を引き継ぐ動機づけとなるレベルの手
数料を交代候補に支払う能力が案件にあるか、当初 KTP を解任する発行体の権利、案
件にコントロール・パーティが含まれているかどうかなど―― も、考察する。ポータ
ビリティ・リスクの評価では、管轄法域の破産法も検討する。なぜなら、破産法により、
証券化案件の発行体が支払い不能の KTP を解任する権利が制限されるケースがあるか
らである(段落 35-41、表 3-4 で論じる)。

ディスラプション・リスク評価: 業務を実行する KTP の意思と能力を評価する。検討項目に
は、KTP のフランチャイズ価値、信用力、実績、経験、ポートフォリオの伸び率などが
含まれる。ただし、KTP のセベラティ・リスクとポータビリティ・リスクがそれぞれ低
いと評価された場合には、実績に基づいて、当該 KTP に経験が不足している、または将
来のパフォーマンスが格付けに悪影響を及ぼすと S&P が考えない限り、ディスラプショ
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S&P Global Ratings
8
ン・リスクを評価する必要はない(ディスラプション・リスクについては段落 42-50 を、
また、検討項目の一覧とマイナス要因となる属性については表 5-7 を参照)。
29.
以下では、前段落で紹介した 3 つのタイプのリスク評価をそれぞれ詳細に論じ、これらリ
スク評価がどのようにして、各パフォーマンス KTP の潜在的な最高位格付けを決定するのか
説明する。証券化の仕組みや流動性補完など、証券化におけるその他の特性は、KTP の業務
に混乱が生じた後も、格付け対象の証券が引き続き期日どおりの支払いを受け、格付けに何
ら影響を及ぼさないと S&P が考える範囲において、オペレーショナル・リスク評価において
検討され得る。
セベラティ・リスク
30.
オペレーショナル・リスク分析のステップ 1 は、KTP の業務に混乱が生じた場合に発行体
のキャッシュフローに及ぼす潜在的な影響(セベラティ・リスク)を評価することである。
31.
セベラティ・リスク評価の決定要因の 1 つは、KTP の混乱に対するアセットのパフォーマ
ンス感応度である。例えば、サブプライム消費者ローンなど信用力の低いアセットは、プラ
イム消費者ローンなど信用力の高いアセットに比べて、総じてサービシング集約型である(す
なわち、相対的に、回収、担保の差し押さえおよび換価処分により多くの資源を必要とする)。
結果として、すべてのローンのサービシング活動が打ち切られるか、あるいは、一定期間放
置された場合、信用力の低いローンのパフォーマンスは、信用力の高いアセットのパフォー
マンスよりも深刻な悪化を経験するだろう。表 2 は、さまざまなアセットクラスに関するセ
ベラティ・リスクの順位付けを示している。表 2 が示すように、信用力の高いローンのサー
ビシングは総じて、低めのセベラティ・リスクとして順位付けされる一方、信用力の低いロ
ーンのサービシングは高めのセベラティ・リスクとして順位付けされている。これらの評価
は通常、表 2 に示したアセットクラスに適用し、表 2 と段落 31-34 は、具体的に記載されて
いないアセットクラスのための指針として用いられる。ポートフォリオのシーズニングがピ
ーク損失期間を過ぎて進んでおり、かつ、そのアセットクラスのポータビリティ・リスクが
「低い」と評価される場合(段落 35-41 参照)、S&P では、対象案件のオペレーショナル・
リスクは比較的低いと定性的に考え、結果として、潜在的な最高位格付けは、そうでない場
合より 1 ノッチ高くなり得る。例えば、シーズニングの分析では、借り換えリスクが存在し
ないかなど、案件の仕組みを考察する。
表 2 セベラティ・リスクの順位付け(目安)
アセットクラス
オートローン(プライム)
キャッシュフローおよびシンセティック CDO/CLO
商業用不動産ローン:クレジット・テナント・リース(CTL)
無担保消費者ローン(プライム)
クレジットカード(プライム)
フリートリース(大企業)
住宅ローン(プライム)
USPF:アフォーダブル・マルチファミリー住宅ローン(unenhanced)
USPF:マルチファミリー住宅ローンプール
USPF:セクション 8 家賃補助対象住宅ローン
オートリース
オートローン(サブプライム)
商業用不動産ローン(非 CTL)
セベラティ・リスクの順位付け *
低い
低い
低い
低い
低い
低い
低い
低い
低い
低い
中程度
中程度
中程度
1
格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|一般:証券化案件のオペレーショナル・リスク評価のグローバルな枠組み|
S&P Global Ratings
9
無担保消費者ローン(サブプライム)
ディーラー・フロア・プラン・ローン(在庫担保融資)
2
設備・機器ローンおよびリース*
FFELP 学資ローン
フリートリース(中小企業)
マーケットバリュー型 CDO
民間学資ローン
住宅ローン(サブプライム)
中小企業向けローン
USPF:FHA 保証付きマルチファミリー住宅ローン
USPF:シングルファミリー住宅ローン
航空機リース
コンテナリース
貨車リース
レンタルカーローン
中程度
中程度
中程度
中程度
中程度
中程度
中程度
中程度
中程度
中程度
中程度
高い
高い
高い
高い
*1:市場標準の仕組みと業務慣行を想定。
*2:アセットはフルアモチ型で、残存リスクは最低限、保守管理は債務者の責任と想定。
FFELP:米連邦家族教育ローン・プログラム
FHA:米連邦住宅局
USPF:米国パブリックファイナンス
32.
同様に、住宅ローンやオートローンなどのフルアモチ型債権とは対照的な、オペレーティ
ング・アセット/リースといった難解な(esoteric)資産の証券化は、より高いオペレーショ
ナル・リスクを生み出す。こうした案件のアセット(輸送用コンテナ、貨車、航空機を含む)
のキャッシュフローは、再リース、物件の回収、保守管理、かつ/またはリマーケティング
などの高度な専門技能を備えた活動的な KTP に大きく依拠している(2004 年 9 月 1 日付
「Criteria | Structured Finance | ABS: Aircraft Securitization Criteria: The Servicer’s Role And
Responsibilities」を参照)。したがって、本格付け規準では、KTP の重大な混乱はこれらアセ
ットのパフォーマンスに深刻な影響を及ぼすと想定する。表 2 から、より難解なアセットは
概して、高いセベラティ・リスクを抱えていると評価されることも見て取れる。
33.
本格付け規準はまた、特有な業務慣行は、KTP の混乱に対するアセットの感応度を増幅さ
せる可能性があると見なす。例えば、「バイ・ヒア・ペイ・ヒア(buy-here-pay-here、BHPH)」
として知られる非常に非集中化した回収慣行では、債務者(通常、サブプライム層)は商品
を購入するための資金としてローンを組んだのと同じ販売店に、ローンを返済することにな
っている。こうした回収慣行は、アセットのパフォーマンスと、KTP 販売店の相対的な閉鎖
件数との相関を強くするため、特に債務者の信用力に照らした場合、アセットのパフォーマ
ンス悪化の度合いを高めると S&P は考える。したがって、本格付け規準は、BHPH の特性が
大部分であるアセットクラスはいずれも、セベラティ・リスクが高いと見なす(BHPH の回
収慣行はまた、ポータビリティ・リスク評価にも影響を及ぼす。段落 38 の「システムの互換
性と業務慣行」についての議論を参照)。そのほかの特有な業務慣行については、KTP の特
有な業務慣行が、アセットの将来のパフォーマンス悪化を増幅させる可能性があると S&P が
考える場合、当該アセットの予想セベラティ・リスクを高くする。
34.
証券化におけるその他の特徴が、想定されるセベラティ・リスクを改善させることもある
(例えば、仕組み上の、または第三者による流動性補完)。このことは、ポータビリティ・
リスクが低い場合に(ポータビリティ・リスクについての議論は段落 35-41 を参照)、KTP
の業務に混乱が生じた後も、格付け対象証券が引き続き期日どおりの利払いを受け、格付け
へは他に何ら影響が及ばないと S&P が考える限りにおいて、特に当てはまる。
格付け規準|ストラクチャード・ファイナンス|一般:証券化案件のオペレーショナル・リスク評価のグローバルな枠組み|
S&P Global Ratings
10
ポータビリティ・リスク
オペレーショナル・リスク分析のステップ 2 は、ポータビリティ・リスクの評価、すなわ
35.
ち、必要に応じて KTP を交代させる蓋然性の評価である。ポータビリティ・リスクは、以下
の 5 つの主要リスク要因の個別検証に基づく。

アセットクラスと地域を踏まえた上での、適格な KTP を対象とする市場の奥行き。

交代 KTP に支払う手数料 。

KTP のシステムおよび業務慣行と、交代 KTP 候補のシステムおよび業務慣行との互換
性の度合い。

パフォーマンスに重大な混乱が生じた場合に、発行体が KTP を解任する権利。

コントロール・パーティ(例えば、受託者またはマスター・サービサー)は、当初 KTP
を交代させる必要が出てきた場合には、
交代 KTP を指名する責任を負っているかどうか。
36. 適格な交代 KTP を対象とする市場の奥行き: 適格な交代 KTP を対象とする市場の奥行きは、
概して、証券化が行われる地域とアセットクラスの両方に左右される。証券化が行われる地域
に、特定の KTP の役割を対象とする安定した流通市場があれば、発生し得るポータビリティ・
リスクは、成熟度が相対的に低い市場を持つ地域より低くなる。ただし、市場の奥行きの評価
では、アセットクラスについても考察する。というのも、比較的成熟した市場においてさえ、
役割の移転や特定アセットクラス(例えば、よりサービシング集約型で、専門的な技能を必要
とするアセットクラス、段落 31-32 参照)のポートフォリオ売却が成功裏に行われた実績は
限定的なものにとどまっているからである。その結果、証券化案件のポータビリティ・リスク
の評価は、アセットクラスを勘案した上で、KTP の業務に関する定着した流通市場と、KTP の
役割の移転やポートフォリオの売却が成功した実績があるか、その度合いを反映する。本評価
はまた、証券化が行われる地域とアセットクラスに照らして、適格交代 KTP を惹きつける見込
みを実質的に減じるような、基準外または特別な条項が KTP 契約書に含まれていることに起因
するリスクの高まりも反映する。表 3 に、さまざまなアセットクラスのポータビリティ・リス
クを示す。この順位付けは、特定地域における適格 KTP を対象とした市場の奥行きにのみ基づ
いている(その他の地域の適格 KTP を対象とした市場の奥行きに関する S&P の見解は、表 3
に列挙したものとは異なることもある。表 3 にない地域ならびにアセットクラスについては、
本段落と表 4 のサブ項目に記述した原則を適用する)。その他の要因がポータビリティ・リス
クの順位付けを高めることもあり得る(段落 37-41 および表 4 参照)。
表 3 ポータビリティ・リスクの順位付け *
適格 KTP の市場の奥行きに基づく*
1
2
アセットクラス
豪州・
ニュージーランド
欧州
日本
米国
航空機リース
N/A
N/A
N/A
中程度*
オートリース
低い
低い
低い
低い
オートローン(プライム)
低い
低い
低い
低い
中程度
中程度
N/A
中程度
キャッシュフローおよびシンセティック CDO/CLO
低い
低い
低い
低い
商業用不動産ローン:クレジット・テナント・リース(CTL)
低い
低い
N/A
低い
商業用不動産ローン(非 CTL)
低い
低い
低い
低い
無担保消費者ローン(プライム)
低い
低い
低い
低い
無担保消費者ローン(サブプライム)
N/A
N/A
中程度
中程度
オートローン(サブプライム)
4
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11
コンテナリース
N/A
クレジットカード(プライム)
ディーラー・フロア・プラン・ローン(在庫担保融資)
設備・機器ローンおよびリース *
3
N/A
N/A
中程度*
低い
低い
低い
低い
中程度
中程度
N/A
中程度
低い
低い
低い
低い
FFELP 学資ローン
N/A
N/A
N/A
低い
フリートリース(大企業)
N/A
N/A
N/A
低い
フリートリース(中小企業)
N/A
N/A
N/A
中程度
マーケットバリュー型 CDO
N/A
低い
N/A
低い
民間学資ローン
N/A
N/A
N/A
中程度
貨車リース
N/A
N/A
N/A
中程度*
レンタルカーローン
高い
高い
N/A
高い
住宅ローン(プライム)
低い
低い
低い
低い
住宅ローン(サブプライム)
低い
低い
N/A
低い
中小企業向けローン
N/A
低い
N/A
N/A
USPF:アフォーダブル・マルチファミリー住宅ローン(unenhanced)
N/A
N/A
N/A
低い
USPF:FHA 保証付きマルチファミリー住宅ローン
N/A
N/A
N/A
低い
USPF:マルチファミリー住宅ローンプール
N/A
N/A
N/A
低い
USPF:セクション 8 家賃補助対象住宅ローン
N/A
N/A
N/A
低い
USPF:シングルファミリー住宅ローン
N/A
N/A
N/A
低い
4
4
*1
市場標準の仕組みと業務慣行を想定。その他の要因がポータビリティ・リスクを高めることもある(段落 37-41、表 4 参照)
。
*2
他の地域における適格 KTP を対象とした市場の奥行きに関する S&P の見解は異なることもあり得る。
*3
アセットはフルアモチ型で、残存リスクは最低限、保守管理は債務者の責任と想定。
*4
相対的に長期のリースで、再リースするための KTP 活動が少なくて済み、借り主に保守管理の責任があると想定。
CDO:債務担保証券
CLO:ローン担保証券
CTL:クレジット・テナント・リース
FHA:米連邦住宅局
FFELP:米連邦家族教育ローン・プログラム
USPF:米国パブリックファイナンス
N/A:該当せず(S&P は現在、規定の地域における特定のアセットクラスを裏付けとする証券には格付けを付与していない)
37. 交代 KTP に支払う手数料: ポータビリティ・リスクの評価は、交代 KTP に利用可能なキャ
ッシュフローが、市場の標準的な手数料水準かそれを上回り、発行体の支払い順位で最優先
債務として扱われるのでなければ、交代 KTP が当初 KTP の役割と義務を引き受ける可能性
は低いというリスクを反映する。結果として、交代 KTP に利用可能なキャッシュフローが市
場の標準的な手数料の水準を大幅に下回っているか、支払い優先順位が劣後している場合、
本要因のみに基づくポータビリティ・リスクの目安は「高い(high)」となる。一方、交代
KTP に利用可能なキャッシュフローが市場の標準的な手数料の水準である、またはそれを上
回っており、発行体の支払い順位で最優先債務の 1 つとして扱われている場合は、本要因に
基づくポータビリティ・リスクの目安は「低い(low)」となる<2012 年 7 月 12 日付「Criteria
| Structured Finance | General: Criteria Methodology Applied To Fees, Expenses, And
Indemnifications」(和訳版:2012 年 7 月 18 日付「格付け規準|ストラクチャード・ファイナ
ンス|一般:手数料、費用および補償に適用する格付け規準」)を参照>。
38. システムの互換性と業務慣行: 当初 KTP のシステムと、潜在的な交代 KTP のシステムとの互
換性により、当初 KTP に交代事由が発生した場合、証券化案件に影響を及ぼす可能性がある。
移行プロセスで、大規模なマッピングのような措置を必要とする独自のシステムは、移行に多
額の費用がかかる(それによって交代 KTP を惹きつける見込みが低減する)、移行の遅延につ
ながる(それによって KTP に混乱が生じた後のアセットのパフォーマンス悪化の重大性が増幅
する)、の両方もしくはそのどちらかとなる。したがって、案件のポータビリティ・リスクの
評価は、当初 KTP のシステムの市場標準との互換性の度合いを反映することになる。本枠組み
はまた、交代 KTP への移行に深刻な悪影響を及ぼす可能性があると S&P が考える、KTP 特有
の業務慣行も考慮する――そのような業務慣行が存在する場合、存在しない場合に比べて、ポ
ータビリティ・リスクは高いと評価する。例えば、証券化案件のサービサーが、回収の大部分
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12
を BHPH 方式に依拠している場合、ポータビリティ・リスク評価は「高い(high)」となろう。
というのも、混乱が生じた KTP のさまざまな場所で債務者の支払いが行われるなか、回収機能
を移転することは困難を極めるからである。
39. 発行体の解任権: 当初 KTP を交代させる発行体の能力は、発行体の当該 KTP を解任する権
利の有無に一部、依拠している。こうした理由から、ポータビリティ・リスクの評価には、
KTP の混乱発生の前後に、KTP を解任する権利を発行体に与える契約上の条項の検証、およ
びこれらの権利を制約する準拠法の検証も含まれる。ポータビリティ・リスクの評価は、KTP
の業務に混乱が生じた場合に、発行体が当該 KTP を解任できないと S&P が考える度合い、あ
るいは、準拠法が原因で KTP の支払い不能がもたらす結果が非常に不透明な程度に応じたリ
スクの高まりを反映する。例えば、米国の標準的な証券化案件では、サービサーが支払い不能
に陥った場合、当該サービサーを解任する契約上の権利を発行体が有している。ただし、米国
の破産法は、サービサーが業務を遂行できなくなった場合を除き、発行体がその権利を行使す
ることを禁じているうえ、そのような状況に陥った場合でさえ、裁判所から解任の認可を得る
のに時間がかかる可能性もある(2002 年 4 月 22 日付リポート
「What if a Servicer in a Securitized
Transaction Becomes Insolvent?」を参照)。それでも、通常は米国の破産法がポータビリティ・
リスクの評価に悪影響を及ぼすことはない。なぜなら、本枠組みは、状況により、1)発行体
が業務を遂行できない場合、破産裁判所は、発行体が KTP を解任することを認める、2)KTP
に引き続き業務を遂行する能力がある場合、破産裁判所は、発行体が KTP を解任することを
阻止する――のいずれかを想定するからである。換言すれば、本格付け規準は、実質的に契約
で取り決められたように業務を遂行する能力が KTP にないことを発行体が示す限り、米国の
破産法は、発行体の当該 KTP 解任を認めると想定する。その他の一部法域、例えば、欧州の
特定地域などにも、同様の法律が適用される。
40. コントロール・パーティ: 本枠組みは、当初 KTP の交代が行われるのは、交代 KTP を指名でき
るコントロール・パーティが証券化案件に組み込まれている場合のみであると想定する。した
がって、証券化案件にそのような当事者が含まれていない場合、ポータビリティ・リスクの評
価は「高い(high)」となる。仮に、ポータビリティ・リスクの分析のその他の項目がすべて
低リスクを示唆していた場合には、債券保証会社、マスター・サービサー、または受託者など、
KTP から独立した立場で、交代 KTP の指名に素早く乗り出すインセンティブと能力を兼ね備
えたコントロール・パーティが証券化案件に含まれている限り、ポータビリティ・リスクの評
価は「低い(low)」となる――「最後の KTP(KTP of last resort)」として義務の履行を約束
しているコントロール・パーティの存在は、上限が課された格付けの 1 ノッチ引き上げにつな
がる可能性もある(バックアップ KTP についての記述は段落 51-56 を参照)。
41.
表 4 は、ポータビリティ・リスクの評価における検討項目の要約で、各項目について、比較
的両極端な形でマイナスとプラスの特性が含まれている。表 4 のサブ項目のすべての評価が、
プラスの特性に合致すれば、ポータビリティ・リスクは「低い(low)」と評価され、一方、こ
れらサブ項目のいずれかがマイナスの特性に合致していれば「高い(high)」と評価される。サ
ブ項目のいずれかが、上述のマイナスの特性とプラスの特性の中間に位置し、高いリスクを示
唆する項目がほかにない場合、ポータビリティ・リスクは「中程度(moderate)」と評価される。
ポータビリティ・リスクは「hot(準備態勢が整った)」バックアップ KTP により、完全に軽減
することができる。hot バックアップ KTP は、KTP の業務が終了したほぼ直後に、KTP の役割
に着手できるからである。例えば、証券化案件に hot バックアップ KTP が含まれていて、それ
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13
以外にも上限を課された格付けを引き上げる要件を満たしている場合、本格付け規準では、他
社から取得した既存ポートフォリオを自社の運営プラットフォームに移行する技能と経験に応
じて、表 1 に示した潜在的な最高位格付けを最大 6 ノッチ引き上げる(段落 51-56 参照)。
表 4 ポータビリティ・リスクの評価における検討項目
マイナスの特性
(高リスクの示唆)
プラスの特性
(低リスクの示唆)
市場の発達度が低く、潜在的な交代 KTP の数
が限定的、または、確立したセクターでは専
門的なサービシングを必要とするため、実行
可能性が低下している。
KTP の責務とポートフォリオの移転の実績は
非常に限定的。
証券化の仕組みに豊富な経験を持つ多数の現
役 KTP が活動している非常に発達した市場で
ある。
リスク要因 *
適格 KTP を対象とする市場の奥行き
アセットクラスと地域を踏まえた上で
の、潜在的な交代 KTP の有無
KTP の責務を移転した実績
契約書の標準化
KTP 契約書に標準的ではない、または 特別な
条項が付されているため KTP の責務の移転は
困難と S&P が考える。
手数料インセンティブ
交代パフォーマンス KTP に対する
経済的インセンティブ
システムの互換性と業務慣行
システムの互換性
業務慣行
発行体の解任権
契約上の権利
法的権利
潜在的な交代 KTP へ支払う手数料に利用可能
なキャッシュフローが市場標準を下回る、ま
たは、同手数料が発行体の支払い順位で最優
先の 1 つではない。
必要となれば、手数料の支払いに利用可能な
キャッシュフローは交代 KTP を惹きつける
のに十分と予想されるうえ、発行体の支払い
順位で最優先の 1 つに含まれている。
KTP のシステムと、潜在的な交代 KTP のシス
テムとの互換性が低く、結果として、KTP の
責務の移転は大幅に遅れ、かつ/あるいは、
エラーが発生しやすい。
証券化案件に関連した KTP のオペレーションに
特別な業務慣行が含まれ、結果として、交代 KTP
への移行が大幅に遅れると S&P が考える。
KTP のシステムと潜在的な交代 KTP のシス
テムとの互換性は非常に高い。
KTP を解任する発行体の契約上の権利は、財
務制限条項(コベナンツ)の違反の場合でさ
えも、かなり制限されている。
KTP がデフォルトに陥った場合は、当該 KTP
を解任できる明確な契約上の権利が発行体
にあり、これにはコベナンツの深刻な違反が
あった場合に解任できる権利も含まれる。
業務遂行義務を履行しなかった KTP を解任
する発行体の権利は、S&P が信頼に値すると
考えるリーガル・オピニオンによって強化さ
れている、または、裏付けられている。
業務遂行義務を履行しなかった KTP を解任す
る発行体の契約上の権利は法的強制力がない
か、または不確実である。
コントロール・パーティ
コントロール・パーティ
KTP の責務を大きなキャッシュフローの混乱
もなく完全に移転できた実績、あるいは、ポ
ートフォリオを売却・購入した実績がある。
KTP 契約書は市場標準である。
交代 KTP を指名するコントロール・パーティ
が存在しない、あるいは、KTP を監視し、か
つ/または、証券化案件のパフォーマンスが
悪化した場合に、素早く対応するコントロー
ル・パーティの能力またはインセンティブが
限定的である。
KTP の関連業務慣行は市場標準と整合性が
取れている。
コントロール・パーティには、監視と問題解
決(交代 KTP を見つけることを含む)に向
けたインセンティブが備わっている。
*特定のポータビリティ・リスクのサブ項目が、表 4 に示したプラスの特性(低リスクの示唆)とマイナスの特性(高リスクの示唆)の中間に位置
すると S&P が評価した場合には、そのサブ項目は「中立的(neutral)」と見なし、
「中程度(moderate)のリスクの示唆」とする。
ディスラプション・リスク
42.
ディスラプション・リスクは、KTP の業務に重大な混乱が生じる蓋然性の評価である。一般
に、対象となる証券化案件について、セベラティ・リスク、ポータビリティ・リスクがともに
低く、経験豊富な KTP に特徴づけられると S&P が考える場合は、本格付け規準によって潜在
的な最高位格付けが制限されることはなく、ディスラプション・リスクを評価する必要もない
(ただし、段落 8 および段落 19 を参照)。しかしながら、案件固有の事実に基づき、ディス
ラプション・リスクの分析が必要な場合、または必要と見なされる場合、分析では、契約上の
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14
責務を完全かつタイムリーに遂行する KTP の意思と能力に影響を及ぼす可能性のある要因を
考察する。
43.
業務を遂行する KTP の意思と能力の評価はある程度、当該 KTP の運営状態(通常、その
業務が履行される国の KTP 業務に基づく)に基づいている。というのも、深刻な財政難に陥
っている企業は、KTP としての存続と役割を引き延ばすための自己防衛行為に従事するイン
センティブを持っているが、これは投資家利益の観点からは有害となり得る(例えば、人員
削減、システムの保守管理とアップグレードの先送り、業績の悪化を隠蔽する非保守的会計
実務など)。
44.
ただし、セベラティ・リスクとポータビリティ・リスクが高い場合でも、本格付け規準が
潜在的な最高位格付けを対象 KTP の信用力の水準までに制限するとは限らない。なぜなら、
KTP の支払い不能は、案件が財務面でのエクスポージャーを持つ当事者の支払い不能とは異
なり、必ずしも、パフォーマンスの混乱をもたらすとは限らないからである(2002 年 4 月 22
日付リポート「What if a Servicer in a Securitized Transaction Becomes Insolvent?」参照)。本格
付け規準は、KTP の業務遂行に混乱が生じるリスクは通常、当該 KTP が支払い不能に陥るリ
スクより低いという S&P の見解を反映しており、特に、KTP の主要なパフォーマンスの特性
(段落 46 で後述)が「十分(satisfactory)」と評価された場合はこれが当てはまる。さらに、
本格付け規準は、KTP が大きなフランチャイズ価値を有する ――つまり、潜在的な買収の
ターゲットである、または、DIP ファイナンス(debtor-in-possession financing、事業再生融資)
を呼び込む能力がある―― と見なされる場合、KTP の清算、すなわち、業務の混乱リスク
が発生する可能性ははるかに低いという見解も反映する。したがって、財務状態には関係な
く、大きなフランチャイズ価値を有すると S&P が考える KTP(その業界をリードする業務提
供者であることが多い)は、運営の混乱を経験する可能性ははるかに低いと見なされる。
45.
表 5 に、KTP の運営状態に関する 3 つの潜在的な順位付け――1)「安定的(stable)」、
2)「過渡的(transitional)」、3)「非常に弱い(vulnerable)」――を示し、定義した。特
定のパフォーマンス KTP に適用する順位付けでは通常、対象 KTP が大きなフランチャイズ
価値を有しているか否か、また、有していない場合は当該 KTP の財務状態を検討する。
表 5 運営状態
運営状態
特性
安定的(stable)
KTP には、以下の I、 II、III、IV のいずれかの特性が該当すると S&P は考える。
I) KTP は大きなフランチャイズ価値を有している点で、買収のターゲットとなりや
すい、または、DIP ファイナンスを呼び込む能力がある。大きなフランチャイズ
価値を有している KTP は、競合市場で顧客にとって価値ある提案を行えるため、
支払い不能に陥った場合でも清算に追い込まれる可能性は極めて低いと考える。
II) KTP は「BB」以上の格付けか、それと同等のクレジット・エスティメイト(credit
estimate)を S&P から付与されている。
III)KTP は通常、以下の特性を示す。
•
KTP は総じて利益を上げており、資産超過の状態にある。
•
KTP は不況期を乗り越えて運営を継続している。
•
銀行以外の KTP については、銀行と安定した取引関係を維持している(例
えば、2 行以上の銀行と 4 年間の取引関係があり、これらの銀行が長年に
わたる与信枠の提供と更新を通じて KTP の事業を支援している)
。
•
KTP の経営陣は主に、制御された方法で、それぞれの市場で競争しつつ、
事業を成長させることに注力している。
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15
•
•
人員配置は、企業が営む事業の規模に合致している。
上層部経営陣は強力で、豊富な人材から成るこれに続く経営陣もいる。
IV)KTP は政府系機関である、または、証券化される主要アセットに政府系機関の保
証が付されており、いずれの場合も、同政府系機関が「BB」以上の格付けが付与
された政府と密接な関係がある。
過渡的(transitional)
非常に弱い(vulnerable)
KTP は、
「安定的」または「非常に弱い」の定義を満たしていないと S&P が考える。
KTP は、以下の I または II のいずれかの基準を満たしていると S&P は考える。
I)KTP は、S&P から「CCC+」を下回る格付け、または、それと同等のクレジット・
エスティメイトを付与されており、かつ、大きなフランチャイズ価値も有していない。
II)KTP は、以下の特性のうち 2 つ以上を備えている。
•
KTP は一貫して赤字を出しており、純資産の減耗が急速に進んでいる。
•
KTP の債権者が同社との与信関係を抑制している、もしくは、解消しよう
としているため、経営陣は主に、債権者との既存の関係の修復および/あ
るいは期限切れとなりつつある与信枠の代替の模索に注力している。
•
急速に市場シェアと顧客を失っている。
•
経営の合理化および/あるいは社員の離職が原因で人員が急速に縮小して
おり、人員レベルが企業の事業規模に合致しているかどうかの疑念が生じて
いる。
•
最近、期待外れの業績と枯渇しつつある信用補完が表面化したが、時を同
じくして上層部経営陣の主要メンバーの辞職が相次ぎ、そのポジションが
まだ、十分に経験豊かな後任幹部で埋められていない。
•
将来的な業界の存続可能性に影響を及ぼす負のトレンドが原因で、KTP の
先行きの運営にかかる安定性が不透明である。
業務を遂行する KTP の意思と能力の評価は、関連アセットクラスにおける KTP の経験、
46.
実績、ポートフォリオの伸び率を含む、主要なパフォーマンス特性も反映している。表 6 は、
S&P が検討する項目の一覧と、項目ごとに、より高いリスクを示唆するマイナスの特性を説
明したものである。本枠組みでは、KTP の主要なパフォーマンス特性の評価を以下のように
決定する。

マイナスの特性が全くない場合は「十分(satisfactory)」

マイナスの特性が 3 つまでの場合は「やや弱い(fair)」

マイナスの特性が 3 つを上回る場合は「弱い(poor)」
表 6 主要なパフォーマンス特性
主要なパフォーマンス特性
マイナスの特性
アセットクラスと役割に
KTP は過去に重大な業務の不履行を経験しており、将来の業務不履行が格付け
おける実績
に悪影響を及ぼす可能性があると S&P は考える。
経験
アセットクラスと KTP の役割の複雑さに鑑みると、KTP の経験は浅い。例えば、
オートローン ABS のサービシング業務を担当する KTP には、少なくとも 3-5
年の業務経験を有していることを期待し、CDO を管理する KTP の主要従業員
には少なくとも平均 3-5 年の業界経験を持っていることを求める。
ポートフォリオの伸び率
KTP の業務の遂行は、ポートフォリオの流出または急成長によってもたらされ
たシステム容量やその他の運営上の諸問題による影響を受ける可能性が高いと
S&P は考える。
内部統制の質
関連 KTP の方針および手順が適切に文書化されていない、または、方針や規制
に関する研修が不十分なため、
業務を遂行する KTP の能力が脆弱な内部統制(例
えば、職務分掌については、レビューと承認権限、アセットの説明責任、エラ
ーや不正の回避/感知などに関して)による影響を受ける可能性がある。
透明性と情報開示
KTP は、格付けの付与または維持のために必要な最低限情報を超えて合理的に
要求された情報をタイムリーに提供することができていない(段落 60 参照)。
規制/法的問題
履行義務を遂行する KTP の能力が現行の規制/政府/法的措置により、深刻な
悪影響を受ける可能性が高い。
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16
KTP の運営状態と主要なパフォーマンス特性を組み合わせて、ディスラプション・リスクを
47.
「低い(low)」「中程度(moderate)」「高い(high)」「非常に高い(very high)」の 4 段
階で評価する。表 7 に示すように、任意の主要なパフォーマンス特性に対するディスラプショ
ン・リスクの評価は、運営状態が相対的に健全な KTP の方が、運営状態が比較的脆弱な KTP
より低くなる。同様に、任意の運営状態に対するディスラプション・リスクの評価は、主要な
パフォーマンス特性が相対的に良好な KTP の方が、主要なパフォーマンス特性が比較的脆弱な
KTP より低くなる(2009 年 5 月 28 日付「Criteria | Structured Finance | General: Standard & Poor’s
Revises Criteria Methodology For Servicer Risk Assessment」も参照)。
表 7 ディスラプション・リスクの評価
運営状態
主要なパフォーマンス特性の評価
十分(satisfactory)
やや弱い(fair)
弱い(poor)
安定的(stable)
低い(low)
中程度(moderate)
高い(high)
過渡的(transitional)
中程度(moderate)
高い(high)
非常に高い(very high)
非常に弱い(vulnerable)
高い(high)
非常に高い(very high)
非常に高い(very high)
KTP のディスラプション・リスクの順位付けの評価は、対象 KTP に固有の事実と状況に基
48.
づき、S&P のフォワード・ルッキングな見方がより高いリスクを示唆している場合(例えば、
戦略の方向性、経営陣、または株主構成に最近変化があった、あるいは、変化があると予想
されるため、対象 KTP の業務運営の将来的な安定性の見通しが非常に不透明とみられる場合)
には、前段落で示したものより高くなる可能性がある。そのような事例では、関連した証券
化案件の格付けを「クレジット・ウォッチ」に指定して、追加的な情報を入手する<2009 年
9 月 14 日付「General Criteria: Use Of CreditWatch And Outlooks」(和訳版:2009 年 12 月 8 日
付「格付け規準:クレジット・ウォッチとアウトルックの使用規準」)を参照>。
さらに、段落 47 にかかわらず、以下のいずれかが該当する場合には、ディスラプション・
49.
リスクの順位付けは「非常に高い(very high)」と見なされ、さらに、そのような事例では、
潜在的な最高位格付けは本枠組みが示唆するもの(段落 8 参照)より低くなることもある。

KTP の主要なパフォーマンス特性のいずれかのマイナス幅が大きい(表 6 参照)。

KTP は市場標準の報告書の取得または提出を行わなかった、あるいは、規制当局から
管轄法域の財務報告または監査の基準を満たしていないと指摘されており、S&P はこ
れを重大と見なしているが、その問題が未だに是正されていない。

証券化の仕組みが、KTP に投資家の利益と相反する行動を促す可能性が高い。

KTP は従前、市場標準の規定を不当に解釈するなど、証券化案件の投資家にとって不利
益となる行動に出た経緯があり、それが再発する可能性が非常に高いと S&P が考える。
50.
現在の KTP についての情報は入手できないが、裏付けアセットクラスのポータビリティ・
リスクが低い残存証券化案件については、同様の証券化案件に照らした当該担保のパフォー
マンスとシーズニングを考察する。担保のパフォーマンスが数年間、比較的良好に推移した
と S&P が考える場合には、当初 KTP のディスラプション・リスクは「高い(high)」と想定
する。ただし、当該 KTP の責務が、「非常に高い(very high)」ディスラプション・リスク
の特性を満たす新たな KTP(実績で劣る、経験が浅い、支払い不能となる可能性が高い)へ
移転される可能性が高いと考えるだけの根拠がある場合は、この限りではない。
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17
バックアップ KTP 条項
証券化案件の格付けが、オペレーショナル・リスク分析のステップ 1-3 によって上限が課
51.
されているものの、当該案件にバックアップ KTP が設置されている場合、本格付け規準では、
上限が課された格付けを最大 6 ノッチ引き上げること(ノッチアップ)を求める。そうした
ノッチアップは、バックアップ KTP の経験(アセットクラスと役割を考慮)、ならびに必要
な場合には、当初 KTP の責務を担う用意がバックアップ KTP にあるかどうかについての S&P
の見解に左右される(表 8 参照)。ただし、上限が課された格付けの引き上げは、以下の条
件のすべてが満たされた場合に限定される。

証券化案件の発行体が KTP を解任する権利を有する(段落 39 参照)。

バックアップ KTP は、KTP に取って代わり KTP の契約上の義務を引き受けることを契
約上、約束している。

KTP から独立した立場にあるコントロール・パーティは、速やかに KTP を交代するイ
ンセンティブと能力を兼ね備えている。

KTP とバックアップ KTP の支払い不能リスクの相関はそれほど高くないと S&P が考える。

バックアップ KTP には、KTP の責務を引き受けるのに十分な能力がある。

バックアップ KTP のディスラプション・リスクは「中程度(moderate)」または「低い(low)」
と評価されている。
表 8 適格なバックアップ KTP に基づく上限格付けへの最大調整幅
バックアップ KTP の準備態勢
4-6 ノッチ
「warm(準備態勢がやや整った)
」バックアップ
3-4 ノッチ
「cold(準備態勢があまり整っていない)
」バックアップ
1-3 ノッチ
最後の KTP としての受託者(または、その他の
コントロール・パーティ)
52.
表 1 の潜在的な最高位格付けに対する調整幅(ノッチアップ)
「hot(準備態勢が整った)」バックアップ
最大 1 ノッチ
バックアップ KTP に対する「hot(準備態勢が整った)」
「warm(準備態勢がやや整った)」
「cold(準備態勢があまり整っていない)」の 3 段階評価は、バックアップ KTP 契約書の諸
条件と、KTP の責務の移転期間の長さ(例えば、hot バックアップ KTP の移転期間が 1 週間
であるのに対し、cold バックアップ KTP は 2 カ月を要する。段落 53-55 参照)に関する S&P
の評価に基づく。S&P はバックアップ KTP 契約を「hot」「warm」「cold」のいずれかであ
ると評価した後、潜在的な最高位格付けへの具体的な調整においては、他の関係者から取得
したポートフォリオを自社の運営プラットフォームに移行する(onboarding、オンボーディン
グ)上での、バックアップ KTP の技能と経験を考察する。バックアップ KTP のオンボーデ
ィングの経験と能力は、アセットクラスのセベラティ・リスクの順位付けが「中程度」また
は「高い」場合はとりわけ重要である。したがって、バックアップ KTP が「warm(準備態
勢がやや整った)」で、かつオンボーディング経験が豊富で高度な技能を持っていると S&P
が評価した場合、表 1 に示した具体的な案件に対する潜在的な最高位格付けは、(3 ノッチ
ではなく)4 ノッチ引き上げられる可能性が高い。「高度な技能を持つ」と評価されるため
には、バックアップ KTP は、証券化アセットのオンボーディングにおいて、業界で最も有能
な 1 社でなければならない。
53.
「hot(準備態勢が整った)」バックアップ KTP と評価されるには、バックアップ・サー
ビシング契約書に、以下の特性のすべてを備えた並列システムと、リアルタイム・データ・
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リポーティングを定めた条項を含むものとする。

当初ならびに継続的かつ定期的な現場でのオペレーションのレビュー

バックアップ KTP のシステムへの先行データ・マッピングとテスト

移行計画の立案

日次および週次データ・ファイルの受信と保管

KTP 報告書の計算の見直しと検証

資源の配分

ポートフォリオのモニタリングと見直し
本格付け規準に則った「warm(準備態勢がやや整った)」バックアップ KTP のサービシ
54.
ング契約書には通常、以下の特性のすべてを備えた並列システムが含まれている。

当初の現場でのオペレーションのレビュー

バックアップ KTP のシステムへの先行データ・マッピングと年次テスト

移行計画の立案

月次データ・ファイルの受領と保管

KTP 報告書の計算の定期的な見直しと検証
本格付け規準に則った「cold(準備態勢があまり整っていない)」バックアップ KTP のサ
55.
ービシング契約書は通常、以下のすべての特性を持ち合わせている。

当初の現場でのオペレーションのレビュー

バックアップ KTP のシステムに関する先行データ・マッピングとスペースの確保
(つまり、適切なシステム容量)

56.
移行計画の立案
KTP の役割の移転に要する期間は、「最後の KTP」である受託者の場合、cold バックアッ
プ KTP の場合より長引く可能性が高いと、本格付け規準ではみている(表 8 参照)。これは
特に、通常は受託者が先行データ・マッピングを実施することはないし、また、KTP の役割
に取りかかる前に適切な後任者を探す可能性もあって、当初 KTP が KTP としての活動を停
止するまでは、バックアップ KTP となる必要がないからである。
潜在的な最高位格付けの評価: 事務 KTP
57.
事務 KTP には通常、受託者、計算代理人、支払代理人が含まれる。これら KTP が担う事
務的な役割と、交代の相対的な容易さにより、通常、事務 KTP が案件の潜在的な最高位格付
けを制約することはなく、大抵の場合、ディスラプション・リスクの評価も必要ない。
58.
例えば、米国における受託者の主な職務は、総じて、その他の案件当事者が契約を順守し
ているかどうかのモニタリング、投資家への月次分配報告書の提出、税務関連情報の報告に
限定されている。また、受託者は通常、重要なコベナンツに違反した案件当事者については、
その後任を探すことが義務付けられている。発行体に解任権がある場合(段落 39 参照)、本
格付け規準は、事務 KTP にかかわるセベラティ・リスクとポータビリティ・リスクは低いと
見なす。なぜなら、事務 KTP の責任は通常、パフォーマンス KTP、証券化契約書、および/
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または、投資家から出された指示の実行に限定されており、それを履行するために必要な技
能もコモディティ化されているからである。さらに、本格付け規準は、事務業務の混乱は、
交代などによって、大幅に遅延することなく是正することが可能と見なす。
ただし、事務 KTP の過去の実績に基づき、将来のパフォーマンスが案件の格付けに悪影響
59.
を及ぼすと考えるだけの根拠がある場合、事務 KTP は潜在的な最高位格付けを制約する可能
性が高い。そうした事例では、潜在的な最高位格付けには、案件固有の事実 ――事務 KTP 固
有の役割から、事務 KTP が実際に格付け対象証券のパフォーマンスにもたらすリスクや、リス
ク軽減要因の有無(例えば、事務 KTP のミスを別の KTP が修正できるなど)―― を考慮に入
れる。
その他の格付け検討項目
何らかの理由により(案件当事者の評判を含む)、S&P が以下のいずれかに該当すると考
60.
えた場合には、格付けの付与や格付けの維持は行わない。

KTP の経験が不十分である。

(セクター別格付け規準に照らして)格付けの根拠となる情報が不十分である、信頼
できない、またはタイムリーではない。

案件当事者の役割、責任、権利が十分に明確化されていない(特に、ストレスがかか
っている案件の場合は、明確さに欠ける契約書類がパフォーマンス・ギャップにつな
がり、それがオペレーショナル・リスクを大幅に押し上げかねないと S&P は考える)。

KTP の辞任は後任が決まらなくても有効となり得る、かつ、当該 KTP の辞任が証券化
案件のパフォーマンスに深刻な悪影響を及ぼす。
付属資料: 変更履歴
(訳注:本項は訳出を省略している)
関連格付け規準
(訳注:本項は英語のまま転記している)

Structured Finance Temporary Interest Shortfall Methodology, Dec. 15, 2015

Principles For Rating Debt Issues Based On Imputed Promises, Dec. 19, 2014

Global Framework For Cash Flow Analysis Of Structured Finance Securities, Oct. 9, 2014

Timeliness Of Payments: Grace Periods, Guarantees, And The Use Of ‘D’ And ‘SD’ Ratings, Oct.
24, 2013

Counterparty Risk Framework Methodology And Assumptions, June 25, 2013

Criteria Methodology Applied to Fees, Expenses, And Indemnifications, July 12, 2012

Principles Of Credit Ratings, Feb. 16, 2011

Methodology: Credit Stability Criteria, published May 3, 2010.

Use Of CreditWatch And Outlooks, Sept. 14, 2009

Standard & Poor’s Revises Criteria Methodology For Servicer Risk Assessment, May 28, 2009
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関連リサーチ
(訳注:本項は訳出を省略している)
* 本格付け規準(criteria)は、信用リスクと格付け意見を決定する基本的原則(fundamental
principles)を個別ケースに適用する際に用いられるものである。格付け規準の適用は、発行
体または個別債務に固有の事実、当該発行体または個別債務の信用リスクに対するスタンダ
ード&プアーズ・レーティングズ・サービシズの評価、ならびに該当する場合には、発行体
や個別債務格付けのストラクチャーにかかるリスクによって決定される。手法(methodology)
と想定(assumptions)は、市場や経済の状況、個別債務または発行体に固有の要因、信用力
の判断に影響を及ぼしうる実績データを勘案した結果を受けて、適宜変更されることがある。
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門は、他の事業部門が入手できない情報を得ている可能性があります。S&P は各分析作業の過程で入手する
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