労働時間と賃金の産業開格差について 玄田有史 学習院大学 産業簡での労勤時間と賃金に関する均等化差異援期の成立について検 討した。男子一殻労働者について、産業大分類では事業所統計を用いた場合に 警が見られるが、これを?世帯調査を用いて労{勤時鰭に と労苦義時開の問に裳槙 5 「サービス残業J や給与の文結きれない「休日出動」が含まれるよう襲撃すると、 2変数の独立性は高まる。製造業中分類については、年齢、学盤、職種、企業規綾 で隠分された多くの労働者塵について、賞金と労髄時間の負相関が見られたものの、 若年患や小規模会議室主業者銅では 2変数詞に正相関が晃られた。 はじめ E本人の長時間労欝立ついて、ぞれが生み出す閣 i 欝競争力の高さ さJ とはf 可かというテーマとの関連から、その擦問と影響の解明の護費!宝が近年高 まりつつある。労働時爵の長惑が妥惑な水準にあるかという開題を経語学的立考察 る場合、長時間労働に対してはそれに応じた充分な糠樽収入が対高している かが判断基準のーっとなる。この点を明確にする為;之、経請に労働時間が短く 収入が多い蔀内と、労働時語が長く穣得収入が少ない部門の薦方が成宜していると しよう。その場合、長時間労働・鑑賞金部門に就業した労働者は、議らの効用を高 める為にはま整時間労働・高業金部門への就業移動を望ましいと考えるだろう。にも かかわらず、非経詩的障壁や効率麓金仮説などの想定する理由から蔀円期での移動 され、均衡において「低黄金・長時間労動 J と「高糞金・短時間労嶺 j とい うニ権化が成立している場合、ぞれは効率性及び公活性の概点からは望ましい資環 配分であるとはいえない。 このような観点じ立った場合、日本の労働市場において労儀所捧と労働時間の部 門霞での組み合わせの相違について、 「より働いた入江;まより多くの報麟を j とい 政本経済研究詫0.24 . 1 9 9 3ぷ 23 う均等化差異と呼ばれる原則が実際に成立しているのだろうか。従来の実証研究を 見る限り、そのような関係の成立については概して否定的である。たとえば、古 賀・藤間・船津 ( 1 9 7 4 )では、産業間および地域間での賃金率と労働時間との負の相 関関係が指摘されている。 だがそのような労働時間と労働所得との関係の評価については、少なくとも 2つ の留意点が存在する。第 1には、果して労働時間の業態聞や規模間での違いがどの 程度存在しているのか、統計上必ずしも明確で、ない。たとえば「毎月勤労統計」を 見ると、 5 0 0人以上の事業所と 3 0人以上9 9人以下の事業所の 1人平均月間総実労働 時間数は、 1 9 9 0年平均ではそれぞれ1 7 2 . 2時間と 1 7 0 . 2時間であり、大規模事業所の 方が小規模事業所よりも労働時聞が長い。 1人平均月間現金給与総額が5 0 0人以上 の事業所について 4 6 . 2万円であるのに対し、 3 0人以上9 9人以下事業所については 3 2 . 4 万円であることは、労働時間と労働所得との関係に関して均等化差異と整合的 であるといえるかもしれない。それに対して「賃金構造基本統計調査」では 1 0 0 0人 9 9 0 年 6月での労働者 1人あたり月間実労働時間は 1 8 3時間で 以上の規模の企業の 1 ある一方、 1 0人以上1 0 0人未満の企業では 2 0 2時間となり、 1 9時間大規模企業の方が 小規模企業よりも労働時聞が短くなる。きまって支給される給与に年間賞与などの 特別給与の 1 2 分の lを加えた額は、 1 0 0 0人以上の企業で 4 5 . 9万円であるのに対して 1 0人以上9 9人以下の企業では 2 9 . 8万円であることから、労働時間の短い大企業で就 業する方が稼得収入も大きいということになる。また労働時間統計について考察す る際には、しばしば指摘されるような「サービス残業」または給与の支給きれない 「休日出勤」などのように事業所に対する労働時間調査では表れにくい形で、実際 の労働時聞が生じている可能性を検討する必要がある。そこで本稿は、統計による 調査対象や調査範囲の相違を調整した場合に、統計間で実際の労働時間にどの程度 違いがあり、また産業聞で労働時間と労働所得にどのような関係が成立しているの かを明らかにすることを 1つの目的とする。 第 2に、このような労働時間と労働所得との関係の考察には、労働者属性の相違 に対するコントロールが重要で、ある。労働者が高度な熟練や知識を体得している為、 未熟練労働者に比べて短時間でより高い生産性を発揮する結果多くの報酬を受け取 るとしても、市場評価のレベルではそこに所得分配上の問題は存在しない。そのよ うな労働者属性の相違が労働時間に与える影響を念頭に置いて、労働時間と賃金の 関係を考察したものとしては、これまで Rosen( 1 9 6 9 )や水野 ( 1 9 8 0 )などがある。 本稿では第 1の点を考慮しながら、労働時間統計の信頼度が比較的高いと考えられ 24 日本経済研究 No . 2 4, 1 9 9 3 . 5 る製造業について、労働者属性の栢遠をコントロールしたよで、 1 9 7 0 年から 1 9 9 0年に かけての産業関での両変数の関留について検討する。 本縞の構成はな下の通りである。第 1章では日本の代表的な労檎待問統計の特殻 査の労働時間と事議所調査の労働時間との聞の織念競整を について概観し、世馨欝i る。第 2章では部主主で調整された労勤時間と労髄 じて、実際の労働時間を 所得との関イ菜、および労働者属性 した上での南変数の関係について考繋する。 第 3章において結論を要約する。 1~ 日本の労働時間統計の特徴につい ここでは労働時間立ついての代表約統計を比較し、その特徴を明らかにする。そ の為にまず、統計間で労融持寵に相違があることについての早見 ( 1 9 91)の指舗を懇 91)より、 介した上で、そのような相違がなぜ生まれるか検討する。表 1は早見(19 醤月 労働時間に関する代表的な 4種類の調査について、性別、全議規模別( r 続計」では事業経規模別)および産業別の 1 9 8 7 年での月間総実労犠時間を示してい る。また付表では各続言?の調査方法および調査内容が京されている。付表から明ら かなように「労動力 (以下「就調」シ (以下「労調 J と記す)と「就業構造基本統計調査J 1 4 - U品、 あたりの労勤時間についての調査であることから、 表 1には漣労勤時間を 4倍した鑑が訴されている。 付表労働時鶴統計の特徴 毎月勤労統計 害毒査名 (王手調査} 調驚の綴変;毎月災織 労苦語カ潟支祭 毎月実施 議電金構造基本 絞計調ヨを ;毎年実施 絞業模造基本 統計調まを i5年 毎 に 実 施 務資対象 ド毒事楽芦号旦調査 (常用労 世季語議室芝(2ヶ月ず j泰業所認笈(企業規 i 役務議査 │ 儀b 設を常雲寺 3 0人 以 つ 調 笈 模 1告 人 以 ょ に つ い i 抽出方法 官 f l::.1段抽出法 務査数 │約 I J こ産主用) 1 6 7 住金者終業所 月間災労働待関委文 て集計 l 駅 t2段 抽 出 訟 │約 4 0 0 0 0投 機 月末 ! 献 2段 抽 出 法 (層化 2段 抽 出 法 j約?∞ 0 0事業所 │約機∞世帯 u議総に仕事を: 6月 1日から 5月│ふだんの工透燃の労 労働時間と賃金の長援策関格差について 25 表 1 統計による月間労働時間の欄瀦 査 ふ1 雪ロ 1 7 3 . 9 1 7 5 . 6 1 7 7ー7 .3 1 81 調 本 5 0 0 9 9 0 0…4 1 9 9 1 望 号 0… 2 1 0 3 5 2 9 1 9 7. 4 1 91 .6 1 9 7 . 2 1 9 9 . 6 202.0 2 0 2 . 0 2 0 0 . 0 1 0 0 0 5 0 0 9 9 9 1 0 0 4 9 9 3 0 9 9 5 2ち 1 4 1 8 5 1 9 9 . 6 0 0 9 9き 4 1 2 0 8. 2 11 .2 10-99 2 1 0 . 8 統 企業規模 1 0 0 0 - 時間 P 企業規模 抗四百幸一 変緩業計 1 9 9 翻3 LLETB 時間 2 0 6. 4 調査産業計 5 0 0 1 0 0 4 号 号 1 0 9 9 1 2 9 開 一U 時間 非農林計 毎月 r 基 策 金センサス 労働力調査 椛林 業設 就非 男子 ( 1987年) )山市ゑ 部一働 年一読 力 7一 れ一労 子 一 女 一 賃金-t:ンサス 毎月勤労統計 時額 待問 非農林計 就業構迄基本統計議案 1 6 2. 4 1 6 2 . 7 非農林計 1 7 0 . 1 企業規模 1 0 0 0 5 0 0 9 9 9 1 0 0 4 9 9 3 0 9 9 5 2 9 1 4 1 6 8 . 0 .6 1 71 1 7 4 . 0 1 7 3 . 6 1 6 7 . 2 1 5 9 . 6 企業規模 1 0 0 0… 5 0 0 1 0 0 4 9 9 1 09 9 1 2 9 同 司 1 6 7 . 2 0 0 9 9 9 1 7 3 . 2 1 0 ω 9 9 1 7 1‘6 1 1 6 0 . 0 1 7 1 5 0 0… 0 0 4 9 9 1 8 9 1 9 0…9 1 9 6 3 5 2 9 時間 N.A. N.A. N.A. N.A. *男女計の儀 後 保ス 業業業・・ど 業一林業設造売敬一公 護一農鉱建製制的金持ソ震 産業別月間労働時間男子(女子) 1 9 8 7年 ンサス│毎月勤労統計!就業構造基本統計翻査 14 6 . 0 ) 2 0ふ 0( 1 5 合. 2 ) 2 0 2 . 0( 2 2 2 .長(1毛ふ G 2 0 8“長(16 9 . 2 ) 1 号6. 4( 15 9 . 6 ) 1 9 12( 16 4 . 8 ) 2 0 9( 19 4 ) 2 0 5( 1 号2 ) 1 9 8( 191 ) 1 9 7( 191 ) 1 7 6( 16 7 ) 1 8 5 . 3 ( 1 6 5 . 6 ) ち3‘ 告( 1 7 2 . 3 ) l 4 ) 1 8 4 . 4( 1 6 7. 1 7 7 . 3( 15 7 . 3 ) 1 6 7 . 4( 15 2 .7 ) 196.00号5 . 6 ) 1 9 4 . 4 ( 1 8 4 . 8 ) .6 ( 1 7 4 . 0 ) 2 01 号5 . 2 ( 1 71 .2 ) 1 16 24 ) 2 0 4 . 0( 吉 宮. 3( 17 5 . 0 ) 1 繍 進 主手先 ( 1 号 事1 ) よ号室主将。ただし運霊祭j l J 労激震寺織については一室l J 1 o 筆した。 とし lより分かることはまず、 F毎 や F就 (J;)、下「毎勤 J と記す)の男子労{勤時措 丹 に比べて短いことである。 これには、 調 」 る調査であり、後者 2つが世帯に関する 26 いられる 日本経済研究 N o 2 4 . 1 9 9 3 .百 し ように前 ること 測闇雌 あろう。前者には食識の給与支払い対象となった労{働時間のみが記されているのに 対し読者は労髄者自身が動いたと考える労{勤時間である。ゆえにその労働時閣の 糧違には、実 i 撃の労勤時間の中の報艶の支払われない労館時間、いわゆる「サーピ ス残業j や給与の支給されない「休日出動J にあたる部分が含まれている可能'性が ある。静じ金融 e探検・不動産業の男子総実労働時開は、 躍であるのに対し、 F労調 J 41 音して月 「 替 差 7 JJ では晃摺 1 6 7慶 長 時 では月末逓労勤時間が5 2 . 1時間である。後者を単純に として見ても 2 0 8.4時間となり、 1ヶ月あたりで4 1 .0 時間の 差が 2つの統計聞で住じることになる。また女子労働者については、資料閣での相 違が男子と比べて小さしミ。これには労働時間が厳密に決められていて残業時聞が少 立高い割合で合まれているからかもしれない。 ないパートタイム労働者が、女子に l だがこのような fサーとス残業J や結与の支給されない「体 B出勤J が多く 軒出来ない。なぜならば、それら るというきを惑が妥当であるかは、郎建立はやj 的担揺を行う畿には、統計によって調表対象の金業規模、労欝者の穀業影態、 対象期間などが異なっている為、統計を車接比較することは出来ず、 必要となるからである o とえば「労調 J と「黄金構造基本統計調査J (以下「賃構」と記す)を比較し てみる。間デ…タの聞には、前者が世帯調驚であり、後者が事業所調査であるとい う違い以外に、 「質構」が一般労働者の労働時間であるのに対し「労調 J はパート タイム労働者やアルバイトなどの姐時間労機者が含まれる結果として相対的比労轍 くなる効果と、 「葉棲」では芳働時間が比較的長いと思われ まない為に労犠待認が鰻くなる効果もある。また 1翠関の調査であるのに対して、 「議機 J ま ,6J : 11ヶ月需の謂査で J うる為に、選間 労勧日数や体椴取簿日数を考慈しなけ札;玄関者の最密な比較は品来ない。 そこでそれらの違いを考長ましたよで、 1 0 人以上の企業で働く男子一般労動者の労 働時聞が、 「労調」と「賃構」で lヶ月および、 1日あたりでどの糠皮異なっている のかを 1 9 8 7 年の調査を用いて調べた ο その具体的な計算方法は補輸に競ることにし、 ここでは計算に際 Lて特に住意を要した点を指摘するにとどめる。第 1は比較対象 の労働者の就業する企業の説識者捜撲の統ーである o 多くのデータに共通して、規 さい企業認ど実労散時開は長くなる頬;誌が麓察されるが、 「震構」の公表 タでは企業震摸詩人以上の食業の平均労欝待誌が報告されている。そこで「労 でも毘一規模の護用者の労散時期について推計を行う。 2は、一般労働者とパ…トタイム労働者の区別である。 からはパート 労働時間と賃金の緩ま韓関格差について 27 タイム労働者を桧く一般労働者について、 6月分の給与算定期間中己実労働日数が 1 8日以上であって、 1B為たりの平均所定内労働時間が 5時開以上のものについて 5 時 の平均総実労鶴持聞を知ることがあ来る。そこで「労調」では、労豊富時間が遇3 間以上である非農林業誕事者のうち、従業員 1 0人以上の企業に勤める勢子蓬現者の 平均労働時揮を「質構」と比較可能な一散労畿者についての総菜労働時間とみなし た o 以上の 2つの点を考慮した結果、 「労需」を期いた場合でほ従業者 1 0人以上 の企業で現3 5 時間以上競く男子雇用者の平均労働時間泣選5 3 . 1時間となる。 第 3に 、 「労調 J と「鴛講J の 1ヶ月あたりおよび 1日あたりの労働時間ギャッ ブの大きさを算畠する為には、 「労調 J がi 閥単位での調査であり「糞講」が月単イ立 あることから、 1週間および月擦の労働日数を求めなければならない。そ こで労働日数の推計には「黄金労働時間等総合調資 ( 1 9 8 7 )J (以下「総合」と の形態別適用労働者数の割合を用いた。その結果、 lヶ月平均約 す〉から週休期j 4 . 3 遇を慌定すると、パートタイム労犠者および船員を除く需用労働者の 1週間の 平均労働日数泣約 5 . 4 8日になる。また「総合J から農林業を除く造業計について、 …トタイム労徴者および船員を除く常舟労働者の 1人平均の年間体臼総数および ノf 4 . 0日および7.6Bとなる。このことか 年次有主計木曜の平均取得 8数は、それぞれ9 1 .9 5(=( 3 6 5…94.0-7.6)/12)日になる。これより、 ら 1ヶ月の平均労動自数は、 2 3 . 1時慌を ( 2 1 . 9 5 / 5 . 4 8 )倍すること 世菩額査から求めたー殻男子労働者の連平均 5 で月間の平均労鋤時間を求めると 2 1 2 . 7時間となる。 「労調 J を識整した食業規模詩人以上の男子一般労働者の労鶴時間である 2 1 2 . 7 時間を、ほぽ同ーの労豊富者属性に対応する「質構」均月鵠労働時間と比較すると 1 9 9 時間であり、そのギャッブ誌 1ヶ月あたり 1 3 . 7時間になる。したがって労齢者 の裁議形態および企業現模の相違や体設数を制御した結果、 1 0人以上の企業の男子 一般労欝者の「労調 J と「質構」の労種蒔閣の違いは表 1の7.4時間よりも更に拡 大することになる。また 1Bあたワでは「労髄j と「質構J で辻 3 7.4分の時間護が 生まれる。 このギャッブは何を意味しているのだろうか。 r 労調」で調査されている選3 5 持 罷以上の労犠む誌、本業以外に裂業・内職・家事手佳い・臨時の仕事・アルバイト どの仕事をした場合、それらの労{勤時間も合めて報告された結果が訴されている。 その為、それらの副次的な仕事に対する労犠待問がギャップには含まれている。ま た「策構」のように事業所心対する調査では、企業誌は出勤および捜業時間につい ての記録が残されてしミることから、きまって支給される結与の支払い対象となる労 28 日本来主演研究ぬ2 4, 1 9 9 3, 5 働時間は比較的正確で、あると考えられるのに対して、 「労調」のように労働者自身 にたずねた場合にはタイムカードを押した後も会社に残っている時間などをも ているかもしれない。だが勢子一般労働者が説棄をしている言語合が小さく、 査での記入上の不正確さの穂援が無視し得ると考えられるならば、言電整後の 2つの ;ま当初の り 、 「サービス残業」や給与の支給されない「休日出 の存在を示唆しているといえよう。 し「労調」での労働時聞は、先に挙げたように副次的な労働時間を合んで、い るということ以外にも、月末での労働時間であることから、合計や納入をどについ ての月末処理の必要から労働時期が通常によとべて長くなっているかもしれない。そ れらの点を更にコントロールする為立法、 E壌の γだいたい議期的に畿い をたずねている「就調 J についても「労鯛 J と同様の務正を試みる 4) ことが盟ましいた‘ろう。こ な調整方法も詳しくは補論において示してい るが、計算の結果「就調 J と 0人以上企業の男子一般労倒者 との聞では、 1 の労働時間について、 1ヶ月および l日あたりのギャッ それぞれ6 . 7時鶴お よび 1 8 . 2 分となり、その差辻「労鵠J と「賃講J を辻較し よりも議小するこ ま とが分かる o ただし表 1では、勢子労{覇者の労欝時顎 i の方が「就欝」よ りも長かったのに対し、調整 i こよりその関害、は逆になる。 査対象や範聞の統計間での相違を鱗盤した場合でも、 いずれにしても、 る労働時間は 企業のそれを上回ることになる。 女子の…般労動者について、以上の性別以外の想定を開ーにしたままで向様の計 算を持ったところ、 「労謁 j と?繋講j および「就諜 j と「麓講j の男爵総実労働 まそれぞれ2 . 6持部と 4 . 2時間、また 1Bあたりのギャップは 7 . 2 分 時間のギャッブ i と1 1 .4 分となり、いずれの比較でも勢子に比べて女子労働者の統計開での労散時間 の相違は小ざい。 について産業大分類および企業規模別に、 「労調」と「賃構J お よび「就鵠」と「震構J の労働時開会f 、ヤツブを丹関平均およが 1詰あたり平均で算 出した。 r 議 構J のー殻労識者と.比較する為に、 畿く男子悪用者について、 「労調」について誌遇3 5 詩語以上 「就議j はついては年嵩 2 00日以よi 護主義、かっ労欝持部 5 時間以上の嬰子について計算した。その結果は表 2に戒されている。 が運3 この結果をき受 1と照らし合わせると、 「労調」と「賃構J を比較した場合、産業 別では建設業、製造業、卸売・小指灘、金融・保険・不動産業、サービス業のいず れについても、調整前に比べて調整後のぞャッブは広がることが分かる。ただし調 労苦語持続と室電ぎ設の幾重義務総連豊について 29 表2 ( r議頭」ー「貰構.J)の労働時間ギャップ r 労鵠 J 鉱業 建設業 製造業b ‘3 ゲス・熱供給・水道 -返信 卸売・小売・飲食業 金融・保険・不動産業 会議・保険業c 不動産業c サービス業 9 . 9 1 0 . 0 ‘ ?5 7 . 7 1 0 . 8 3 0 . 6 4 1 . 9 ' ( 1 2 . 9 ) ( 10 . 3 ) ( 3 . 5 ) ( l .8 ) ( 6 .1 ) ( 2 7 . 6 ) NA . N. A . ( 4 0 . 3 ) ( 18 . 5 ) ( 18 . 5 ) N.A. N. A . ( 1 1. 7 ) 5 3 . 6 4 0 . 0 2 3 . 3 ( 本 〉 砂 号. 8 大企業(10 0 0 -) 中企業 ( 9的 1 0 0 ) 1 8“7 1 4 . 9 9 . 1 ( 9 9 3 0( 1 0 ) )d ( 9 . 3 ) ( 6 .1 ) 一 2 ふ2 2 5 . 8 2 l .0 2 2 . 8 2 8 . 8 8 2 . 1 1 1 4 .合 2 6 . 1 ( 3 4 . 0 ) ( 2 6 . 7 ) ( 9 .ヲ ) ( 5 . 3 ) ( 16 . 2 ) ( 7 ふ2 ) ( * ) mO.8) ( 4号. 5 ) ( 2 7 . 9 ) a 金融・保険業と不動産業は、 r 労調J の公選史データでは E 互別されていない。そこで ぴ有給休暇取得 B数、比較する「3 電機J の労働時間:正念て「震構」の金融・保険業と 主主数をウェイトとした加霊平均後を潟いた。 b:絞殺業fffi.業中分類について、 1 9 8 7年め r l 雪機J と「若手数 Jの月 を求めると、 0 . 9 7 9および 0 . 8 5 2とな号、縦波多誌については中分類でも れる G 車主務j で い ( 7 )i 翠6 0~寺罪語以上警告く苦手総務(7)平均台静養護事寺務 i 立、 f労爽 J ( 7 ) 金 霊 童. 1 保険・不動送金俸の滋 6 0袴務以 ょについての平均労銭待罪悪を、会員会"1 然発室長さきょとFネ重主主霊祭の言母方 i 二局-(7)委主鐙を代入した。 d:小主義者災企業について;ジ総会JC今年総f 本務総委主および務総徐綾取得忍委主主ぎ、会議主縁者葉 3 0 9 号人のものである潟、 0 9 9 •r 君主務(7)小企業はそれに会bそて 3 c 議後の統計開で、の労働時龍ギャッ ており、 以上の産業中では製造業が最も小きくなっ 「労調 J と「賃構」について 1日あたりの労働時聞の相違は 2 1 .0 分となる O それに比べて卸売・小売・飲食業や金融・保険・不動産業の労働時間ギャッ により著しく拡大する。その中でも に大きく、 -保険・不動産業の労{働時間指畿は、他 1Elあたり 1149 分となっている。これ辻、金融・保険 動ま についてしばしば指摘される ゼス や給与の支絵されない「休日 よぴ毘産業に関する労欝持関統計の議頼度の告さを物語っている c と異なり、 の が 労j 勤時需が長く報告されている これ誌サンプル数が少数であることによるバイアスの発生を意味しているかもしれ ない。 ても両統計簡でのギャッ lと比較して調整によっ 拡大する。また企業規模が大きいほど、 2つの統計資料における労働時間の義が大 きくなる傾向がある。その為に「賃構J で比較した場合に比べて、規模開での総労 る j ; J上の点を「就輯」と「黄構」の上七較につい 30 82 ド緩液凝炎お1 0 . 2 4,1 9 吉3 . 5 ふ労働待語ギャップ法全体 的に「労顎J と「賃構J をよと較した場合に比べて小さくなるものの、同謙の特設が . 9分となり、統計 観察出来る。替に製造業の場合に辻、 l日あたりのギャップが9 聞での議いはほとんどないおまた調査対象をコントロ…んする以前は、多く や小規模企業で「黄構J の労散時間が「就競J を上田っていたが、襲撃後は鉱業を 除いですべての産業、金業規模で「就誤J の労働時間が の労働時期よりも くなる。 2 . 労働時間と稼得収入との関係について ように、こ紅までの実証研究の多くからは、賃金と労働時開との認 に辻、異なる産業慌で負の関係があることが指摘されてきた。だが前章より明らか なように、南変数の関保について考嬢する為には「策構」や「毎勤」から労鶴持関 統計を用いた場合、それらが事業所講査であることから労働時間が実際に比べで過 されている可能性があることを {勤時間と賃金の関様を考察する場合には、 しなければなら会い。また産業揮での労 よる平均的な労犠者震性の相違に ついても検討する必要がある。 その為に、ここでは 2つの方法を謀用する。第 1は、前輩で見たように産業大分 類立ついては労融持関統計が安定していなかった点を考惑して、先の鰐整方法を用 いて 1 9 8 7 年の「章構J での男子一般労働者に寵する総実労散時関金「就調J または 「労調J により諜整したよで、 「震構j の穣得収入との極関を求めた。また第 2の 方法として、資料による労{勤時間の相違が小さかった製造業男子に分析。対象を し、労働者属性別に農業中分類間での穣詩収入と労畿持関の相│喝を まず産業大分類について労働持聞と食金との関係を見でみる。関 1は 、 f葉襲」 で報告されている穣得収入と総実労勤時間の関係を示している。ここで穣禅J[Y.入と は 、 6月末現在での「きまって支給される斡与」に「前年に支払われた粛与・替別 I J の1 2 分の 1を加えた額であり、総実労散時龍は 6月 1ヶ月需の所定内実労働 報酷' 時陪に超過労働時簡を加えた時間とする。密 1を見る摂り、産業大分類で辻労鋤時 と収入の聞に震の関係が援護実される。実擦に麗業別労働者比惑をウェイトとした 0 . 8 5 2となり強い負の棺関が見られる。次に国 2で 場合の報関係、数を求めると、 は、前主主の方法に従い、 「質構」グコ労働時間を「労潤」での労散時間合用い した場合の労働時謂と犠:得収入の関係を草している。これによると、図 lでは労 働時間の務めて短かった金融・採験・不動産業や卸売・小売業の労{働時間は製造業 労働時総と賃金の産量霊長間格差について 31 悶 1 労働時間各調整しない場合の労働時間と穣得収入の関係 2 3) 泣号 2 1 0 月間ま主演労協総鱗気持 司鉱~ 窃遜畠・通信業 包幾毅量産 刻軍軍,j 符諜 タ議案 ロロ サービスlI! 1 9 0 コ不動産業 1 8 岳 電気ガス、無オぜ董 む n食 量 生 ' 1 津波業 1 7 0 3) 0 3 5 0 4 5 0 稼得収入{子f'l) 戦 総 5 5 0 6 0 号 図2 r 労鵠J で労働時間を襲撃した場合の労働時鰐と穣得収入の擦係 2 0 0, 。綴事室‘小売業 安企ト ロ運輸 a 遜祭事震 コ建藍集 2 1 0ト 会費金保険不動産業 サービス3 震 功 製簿業 熊宮司 月間法案労幾潟i ロ 鑑3 草 1 告 む 電気・ガス・然'水道 1 8 0卜 1 7 0 謀 ) ( ) 4 0 0 法泊 中旬 翠 l O 反 i O 6 0 0 総得奴入(千円) 閲3 r 就 謂J で労働時間を鰯撃した場合の労働蒋間と稼得収入の関係 3釦銭。小湾~ 建怠業 ロ 遂事量'通信業 ロ サ ∞ 月電器綴労働揮欄 2 疑念総=官邸緯 写本磁波~ 2 1邑 ト ピユ業 ロ鈍志議 鉱 諸 民 1 0 0 泡3 託'ガス'空襲・持ぜ麓 ロ 1 8 0 1 7 む 豆沼 32 日ヌド経済研究 ~024 , 1 9 9 3 . 5 技 量3 ∞ 4 4 5 0 稼骨収入(平内} 初日 総 6 0 0 あるという f 嘆定は よりも長くなり、労働持関の短い産業ほど、 弱まる。その結来、霊童気.?ゲス・熟供給・水道業を除くと、 の労彊長時罷と時 簿との鰐の話芸雑な笈の i 鶏保 i ま克られなくなる。罷 2の警警護後グフ労接待龍と所簿との 関の労数者数比率でウェイト付けした相関係数の銭は 0 . 0 9 1となり、労犠時簡を 調整しをい場合に辻べて京の頬向は著しく弱まる。このような弱い頼関関棒、は、歯 3で訴しているよう i こ f就調」を用いて労欝時間を調整 Lた場合でも同様に成立 L ており、産業別労働者比擦でウェイト付けした相関部数は -0.142に過ぎない。そ こで総実労働時間と稼得収入は独立で、あるという帰無仮説について検定を行うと、 労働時間の調整を行わない場合については両側 5% 水準で帰無仮説は棄却されるの に対して、 「労翻J と「就調」のいずれを黒いた場合でも、機樽収入と鵠整された 労働時間との関儲についてはこの復説は棄却されない。 以上を総合すると、 「鍵構j を用いた場合に見られた、労欝時開が長い産業はど 譲簿~又入辻少をいという間保は、実際の労議時需が事業訴欝査で治議小に評議され ていることから生とている可能設があり、労欝時間を襲整すると労機時織と所簿と の組立性の度合が高まることが分かる。 次に製造業の中分績について、労働者麗性の違いを考摩した上での労働時間と労 働所得との関揺を調べた。製造業男子一般労動者については、前主義で兇たように他 の産業と比較して統計閉で、の労働時聞の相違が小さいことから、以下の分析では 「賃構」の労働時聞をそのまま用いることにする。ここで 者と大卒男子事務・管理労{勤者の 2種類について、新卒としての就職直後(前者に ついては 18-19 歳時点、 については 2 0ー討議詩点)、中堅労畿期(部者につい て2 5 2 9 歳、後者につい および、藤得設入のピーク鶏(両者はついて 4 5 4 9 議の時点)に分けて と穣簿収入の相関径数を襲べた。 1 9 7 0年から 3に示されている。 1 9 9 0 年にかけて 4 まず大卒男子事務・ 年の新卒労苦言者につい い産業に就業する労勤者ほど、 いて見ると、 1 9 7 4 年の中堅議や 1 9 7 4 年と 1 9 9 0 されるもの丹、それ以外では労f 勤時間が支援 きいという頬向が見られる。ま の場合には、観察された全ての時点において年齢が高まるにつれて、労働時間と稼 簿収入の貴の関係は強まる傾向にある。次 l こ高卒以上男子生産労働者について見る と 、 1 9 7 4年の中堅層を例外として、全てのケースで労働時間と穣簿収入の 傾向が観察される O そしてこの笈の関係は、新卒翠と中堅暑については 1 9 7 8 年から 1 9 8 6 年の労働市場の弛緩期において踏まっている。これに辻べ、 受?霊毒事寺穏と賃金の産業競格きさについて でi ま 33 大卒男子 平均 4 54号 1 8 1 9 …2 9 2 5 9 4 54 . 3 0 0 3 . 7 7 7 1 . 2 8 2 6 . 0 8 7 6 . 7 3 9 6 . 5 0 7 8 . 2 8 5 9 . 7 9 2 8 . 4 1 5 5 ¥8722 ぺ2 7 5 8 . 0 5 7 3 . 4 2 7 0 . 8 0 3 0 8 5 6 2 . 2 1 6 2 . 1 8 8 5 ー. 司 一3 6 9 8 一. 3 8 5 8 ぺ3 9 7 7 . 0 5 2 9 一. 6 3 0 9 . 7 2 3 3 。7 2 7 4 . 3 7 8 4 . 1 0 9 5 . 6 4 4 1 . 6 8 2 3 . 6 0 9 7 . 6 8 4 7 . 6 7 6 1 2 0 2 4 1 9 7 0 1 9 7 4 1 9 7 8 1 9 8 2 1 9 8 6 1 9 9 0 . 5 5 4 6 . 7 3 6 2 . 8 0 2 3 ー. 7 2 8 6 ー. 7 7 3 1 ー. 6 8 6 5 高卒以上勢子(生産} -管理) 3 0 3 4 山 一. 2 9 1 2 4 6 0 8 . 7 1 0 4 . 5 0 5 2 . 3 7 3 2 ぺ 同 叩 句 し属性別の韓関信数と労齢者全体についての稽関係 1974年以持安定的である。 数を比べると、高卒・大卒のいずれの年齢階震について見ても、労働者の属性を考 獲しない場合に比べて、貰の相関 まっており、 け上での穣構奴入と労働時 の京の相関は労機意の墨性による相違の襲警手を えられる。 験者の属性の相違を年齢・学膝・職権についてコントロー 以上の考察ぷよれば、労i ルしても、多くのケースについて「長時間労鶴に 得収入の聞の均等化法異の原則 を」という労働時間と穣 していないように怠われる。だが結論を導く ければならない。たとえば以上の労畿者の属性に関するコン にはもう少 トロールの中に辻、労{勤者が就業する企業競撲の違いについては考慮されていな かった。企業規模による労働者の勤続年数の棺違などが合まれていなかったことや、 いかゆる「不可制な ( u n m e a s u r e da b i l i t y )J の報遣が、異なる規模題で存主 する可能笠などを場産すると、謀議と同時に企業規模の相違にも した穣得収入 と労働時間の関謀、についての比較が必要で、あろう。 そこで表 4に辻、表 3告さらに企業規繍別(常男労識者数 1000人以上、 100人以 上999~人以下、 10 人以上詩人以下)に分割して、製造識や分類での両変数の韓関部 数忠比較した結果が示されている。まず高卒以上役員設労働者については、規模Z t l立 ると負 詰ほとん の諮層で弱まっており、産業関格差の大部分は規 模需の語義を反換したもので、あると考えられる。また規模別に見ると、小規摸企業 では多くの時点で稼構収入と総労働時間の艶に正の相関が観察されている。持に新 卒と中堅労儀者壊では低成長懇の l を強いて常に正棺関が晃ら札る ぜ…ク所得者については、 80年代以韓正の相関から主主の相関 O 小企業の その傾向 系列約には強まりつつあるものの、それでもその水準自体は櫨めて小さい。また大 企業の新卒饗立ついても 1970年と 1982年を除いて正の関保が見られる。これらの結 之 、 果l 34 ら全る労欝市場では労霞移動が比較的容易であり、長時摺 B本経済研究 N o < 2 4拐殺93.5 表 4 企業規模別の相関係数 高卒以上男子(生産労働者) 年齢 1 9 7 0 1 9 7 4 1 9 7 8 1 9 8 2 1 9 8 6 1 9 9 0 1 0 0 0人以上 1 0 0 9 9 9人 1 0 9 9人 1 8 1 9 2 5 2 9 4 5 4 9 1 8 1 9 2 5 2 9 4 5 4 9 1 8 1 9 2 5 2 9 4 5 4 9 ー . 0 3 5 2 0 3 1 7 . 2 0 6 6 . 4 2 0 5 . 4 2 3 8 . 2 4 8 5 ー . 5 1 9 1 . 0 7 0 1 . 1 1 2 5 . 2 0 7 8 . 2 0 2 4 . 0 7 6 6 . 2 1 4 0 -. 6 5 4 1 . 0 3 3 1 . 0 5 4 6 . 0 3 8 1 . 0 2 0 4 . 0 8 9 2 . 5 5 7 8 . 1 3 4 7 . 1 2 7 3 . 0 3 4 5 ー. 1 6 4 7 ー 一. 2 7 0 8 . 3 9 2 9 . 4 8 3 8 . 2 9 0 6 . 5 4 6 5 . 0 9 2 5 . 1 6 4 4 . 2 1 3 9 . 6 5 9 7 . 2 2 1 0 . 4 8 2 1 一. 5 6 8 6 . 3 5 7 2 . 3 8 5 4 . 3 0 0 5 . 1 2 1 8 . 1 7 9 5 . 2 4 2 5 . 49 8 1 . 2 0 8 0 . 2 4 8 6 . 1 5 0 9 . 3 3 6 5 . 42 5 4 . 8 6 4 1 . 2 5 0 8 . 0 1 5 3 . 0 0 9 0 . 0 2 1 6 -. 0 4 7 8 大卒男子(事務・管理労働者) 年齢 1 9 7 0 1 9 7 4 1 9 7 8 1 9 8 2 1 9 8 6 1 9 9 0 1 0 0 0人以上 1 0 0 9 9 9人 1 0 9 9人 2 0 2 4 3 0 3 4 4 5 4 9 2 0 2 4 3 5 4 9 0 3 4 4 2 0 2 4 3 5 4 9 0 3 4 4 . 0 8 9 3 . 2 8 6 1 . 5 1 0 3 . 1 7 2 7 . 6 1 4 1 . 7 0 3 6 一. 2 8 9 1 一. 5 9 5 9 . 3 3 5 9 . 2 5 5 6 . 0 0 2 2 . 0 6 9 7 . 0 1 7 7 . 6 4 6 9 . 4 9 4 2 . 1 9 3 7 . 3 9 4 0 . 1 6 0 7 . 3 1 0 6 2 9 2 5 . 0 6 4 7 . 1 9 3 3 ー. 0 3 4 4 . 2 7 6 3 ー ー . 3 0 9 9 . 4 5 8 7 . 0 8 3 9 . 4 5 0 6 . 3 1 9 6 . 1 6 1 9 . 6 1 2 1 . 4 9 2 2 -. 7 1 6 0 . 7 7 1 9 . 7 6 2 5 一. 7 8 2 3 ー . 4 3 3 5 . 0 7 6 1 . 0 9 7 1 . 0 9 9 5 . 3 2 2 3 . 6 4 4 7 . 2 2 0 9 . 4 2 8 9 . 7 4 5 4 . 1 9 6 2 . 0 3 3 9 . 2 7 8 4 . 1 9 0 9 . 4 7 6 1 . 7 6 5 4 . 5 8 6 8 . 6 5 7 9 . 6 9 9 1 労働の仕事では賃金が高くなければ良好な労働環境を求めて労働者が離職する為に、 高賃金が設定されていることを反映しているのかもしれない。その一方で、、大企業 のピーク収入階層や中企業の全ての階層においては、常に稼得収入の多い産業ほど 労働時聞が短いという傾向が観察される。 大卒事務・管理労働者についても、企業規模別に分けることにより生産労働者と 同様、労働時間と稼得収入の聞の負の相関は弱まる傾向が見られる。特に若年層ほ 9 7 4 年の小規模企業を除いて見られる。 ど両変数の負の関係が弱まるという傾向が、 1 そして新卒層ではやはり生産労働者と同じく、多くの時点で実際に正の関係を見い だすことが出来る。だが所得がピークとなる事務管理労働者については、全ての企 業規模で各時点で負の傾向が表れている。 以上を整理すると、若年の高卒及ぴ大卒労働者や小規模企業に就業した高卒以上 生産労働者については、均等化差異原則と整合的な労働時間と稼得収入との関係が 見られた。しかしながら、それ以外の労働者層ではやはり労働時間の長い産業の方 が稼得収入が少ないという傾向が存在する。特に年齢層の高い労働者の間では、労 働者の学歴や職種をコントロールした上でも、負の相闘が多くの時点で観察出来る。 これには、生産労働者には超過労働時間に対する手当が支払われるが、管理労働者 労働時間と賃金の産業間格差について 35 には超過労機手当が支払われない場合が、製造業では少なくないことが影響 を与えているかもし札ない。そこで管理職従事者の実擦の労働時簡を把躍するには、 それらの労齢者には「サービス桟業」が発生している可能注を考議して事業所調査 の労働時開を調整しなければならないだろう。だが「労調 J で法部長・課長・ などの管理労勤者についての労欝時間は鯛査されておらず、 「就謁 j についても 礎的職業従事者を愈めた職業別の就業時間について誌公表されていないことから、 現段階で辻管哩労働者についての労働時需の調整をすることが出来ない。したがっ て、この点について考察することは将来の検討課離として残される。 は労働者の購性の違いを考慮した上で、労働時間と麓金の関係について したが、特定の産業内での仕事が高度の肉体的・構神的な貫担を労難者に要求し ど、高 たり、多くの的険を符う場合には、そのような仕事を 賃金と短労働時間の組み合わせが提示される鎖向があるかもしれない。そこで「労 動災犠動向調査」を用いて、製造業中分類についての労働災替変数率および、労働災 と労働時爵や賃金水準との関銀を考察 Lてみたところ、仕事の殻険度と労 {勤時欝・賃金との簡に明確な関イ系を見いだ、せなかった。その限りでは、 労働時間め議いを労儀者震性以外の仕事内容の相逮により説明することは出来ない 7) と思われる。 また労働時需と所樽との関認は、長期的麗照契約を前提とする譲り、 {動期間を通じて成蕊すべき関保である。その場合に辻、伎に長期勤続壌で労働時障 が短く所持が高かったとしても、問一企業内の短期勤続!警については長時間労働と 低所得の関棒、が成立しているのな らば、生i 差労犠期間で兇ると鶏詩 表 5 年齢閣で、の労働時題報関係数 熟期に産業聞での報違はないかも しれない。そこで、関ー産業で興 なる年齢階鑓間での労{勤時期の関 僚を調べてみた。具体的には、 1987 年の製造業中分離の男子労畿 5 持議以上の年齢 者について、 4 階層の労{勤時間と同一産業の地の 年齢階騰の労{勤時間との相関保数 を求めた。その結果は表 5に示さ れている。これにより、ピーク所 36 E l本総済研究 N 0 2 4, 1 9 9 3 . 5 2 0 2 4 2 5 2 9 3 0 3 4 3 5 3号 4 0 4 4 4 5 4 9 5 0…5 4 5 5…5 9 6 0 6 4 6 5 - . 8 9 . 9 1 . 9 2 9 5 . 9 8 1 .0 0 騨 . 9 9 . 9 7 . 4 3 . 5 7 持年齢層で労畿持聞の長い産業法、イ也の年齢階藤氏おいても労散時間が相対的に長 いことが分かる。よって、生涯労散鶏間を通じての労鶴時間と所帯の関の均等化競 異の成立の可能性は肯定し難いと思われる。 3 . 要約 本輔の結論辻、以下のように饗約される。 1.統計聞で労欝時間の相違が宝じる理由として誌、調査対象となる労働者の就 業形態、会議規模、識策対象期間などが異なることが考えられるが、それらの相違 をコントロールしでもなお、男子一般労働者については世帯鱗査の労勤時間が事業 費調査の労働時間を上回る傾向が見られ、いわゆる「サービス残業J や結与の支給 きれない「体日出勤」などの存在が示唆される。 2 . このような領向は産業民・企業規模別に区分してもやはり観察きれ、 融・謀険業について統計聞での労働時間ギャップは大きい。ただし製造業や小規模 企業では、統計聞の鵜整をしても、そのようなギャッブは小さい。 3 . 産業大分額について、事業所調査を用いて労働時間と接待攻入の関係 ると明確な食の関認が存寂する。しかしながら、労数時間を世帯調査を用いて調整 ると、南変数聞の食の鵠保辻ほとんど晃られなくなる。 4 . 霊長造業中分類に関して男子一般労働者の譲住を学膝・職麓・年齢などで霞分 しても、産業障での労働時間と所需の京の関係は成立している。特;ニ簿がピーク となる年齢指壌において、くこの関係は著しい。だ、がこれを更に金業規模に分けてみ ると貴の概出は弱まり、饗年麗や小親模企業の生議労働者については、多くの時点 で正の関保が見られる O 労働時間と賃金の主主重量隠務遂について 37 補繍 労警告時間統計を以下の舷窓に基つ き識整した。 o 慌定1.土曜日に就業する場合の労働時間は王子日と同一である。 .r 総 合J の年間休日日数、有給休暇取得 B数、殺休制の形態詑適用労働者 仮定 2 数の都合は企業規模詩人以上について り、以上については企業規韓日人 以上についての場合と間ーである。 常用労働者 1 0人以上の企業に就業ふ非農林業従事者である について 5時間以上労欝吟平均労働時慨は、 「労議」を用いた場合力運3 A=( 適3 5時間以上労毅する男子麗用者の連平均労働時間) ( ( 10 人以上3 0人米満企業の勢子平均労働時濁 )x ( 1 0人以上詩人未満金業の男子重用者総数) +( 3 0人以上企業の勢子平均労働時滞)x( 3 0人以上の男子襲用者総数) -2.5x(労働時間 l時題以上 S時間未満の男子雇用者数) -7.0x(労働時開 5時間以上回詩簡未満の男子麗用者数) 12.0X(労働時間 1 0時潤以上 1 5時隈未満の男子護用者数) 24.5x(労数時間 1 5時間以上3 5待問未満の努子蓬用者数)) /(謹3 5時間以上労績の男子麗用者数} として求める G また企業規模3 0人以上の年間の実労働日数;立、 Bニ(年間平均体ElB数) {遊休日十問民の翠民十年末年始笈英語体曜用特別休暇 +その他の休日(会社創立記念日、メーデ…など) ) c= (年次有給休暇の取得日数) とすると、 (365-B-C)日として求めることとする。 Bおよび Cのデータは「総 より求めた。 また週平均労憲!日数は、 「総合j の週休制適用形態別労働者数の説会を用いて次の ように計算した。 D = (灘平均労働日数) (6x(週休1日制の労働者数の割合) 十( 5x1+6x3.3)/4.3x(完工期週休 2日続の労働者数の説会〉 ナ (5x2十6X2.3)/4.3x( 月 2患遺体 2日制の労働者数の割合) 十5.5x(遺体 1臼と宇都および、隔週運休 2日制の労働者数の説会) (5x3←6x1 .3 )/4.3x惜 3 l i i l週休 2日龍の労勤者数の割合) 38 B本経済研究 : ' < " 0 . 24,1 9 9 3 . 5 十 5x(完全遊休 2日離の労働者数の割合) 0 人以上の努子一般麗用者数の月間の乎均労働時間は、 以上より企業規模1 A(365-Bとなる。 これに対して、 「震構」の i 完 一瞬性の労働者の労働時隷を E持撲とすると、 調」と「黄構j の lヶ丹あたりの労働時嬰ギャップは、 A( 3 6 5 -B-C)/( l2 D )-E (時間/月) であり、また 1Bあたりの労働時詫ギャップは、 60(A/D-12E/( 3 6 5…B-C)) (分/日) となる。 1 ) 畏関の役員・一般常議で、部1 0 人以上の企業で欝き、 「就調」を用いた場合は、 ( ( 3 )年間 2 0 0日以上就業している男子有識者について、選3 5時関J;)‘上働く労働者の平 均労勤時間は、 F= ( 3 8 . 5 x(労働時期 3 5時霞以上4 2 時間未講の労勤者数} 十4 5 . 5 x(労働時題 4 3 時間以上4 8時間未満の労働者数) 十5 4 . 0 x(労散時期 4 9時間立上5 9時関未満の労骨弱者数) 十 Gx(労働時間 6 0持潤以上の労働者数)) 5 時間以上の労働者数) /(労笥時間 3 より計算した。ただし「裁鯛」の労働時間は階級データであり、適6 0時開以上働く 労働者の平均労働時間は計算出来ない為、 G については「労調 J を用いて以下のよ うに計算した。 G= (Ax(遷3 5時間以上労働の労髄者数〉 -38.5x(労働時間 3 5 時間以上位時間未瀦の労↑働者数) …品 . 5 x(労勤時務長3時間以上4 8 時潤未満の労働者数) -54ρx(労{勤時間 4 9時間以上5 9 時間未満の労働者数)) /(週 6 0持翻以上労働の労議者数) として求めた。 これより「就識J と「繋構」の 1ヶ月あたりの労犠待問符ャップは、 F(365-B-C) ( l2 D )-E (時間/月) であり、また 1Bあたりの労働時関ギャッブは、 6 0(F/D… 12E/( 3 6 5 -B-C)) (分/日) となる。 労望議雲寺隈と食会の産業問機畿について 39 注軍尺 本稿作成に際し、小野?也氏{一機大学)、早見均氏(慶応大学)、石川経夫氏(東京大学}、大 橋勇雄氏(名古窪大学}、清家篤氏{慶応大学)および東京経法研究センター箱根コンブアレン スのセミナー参加者より有益なコメントを頂いたことを感謝します。ただし合まれ得る誤りは、 全て築翁他人のものです。 本稿では、個々の労働者によって労働時間が異なる点に着目する為、日本の労働壊を全体で 1) はなぜ平均労働持僚が盟際的に見て長いのかという点を直接の考察対象とはしない。労働時 間の閣際比較については、失業率の爵際関での迷いと同様に概念の言奇襲が必要であることな ど多くの問題が含まれている。この点については、壊原 ( 1 9 9 0 )が詳絡な検討を?加えており、 ート労働者の有無や支払い労働時間と実労働時間などの概念の悶際関での務整により ILO ノf 統計を通じて公表されるものよりもさらに労懲待問の迷いが拡大することなどが指摘されて いる o 2) ぞれ以外にもデータ関での労働時間の相違が生じる康調としては、 1 9 8 7 年には 4月末に祝 日告?含んでいる為に、ふた、んの 1週間の実労働時間をたずねている「就翼」 に比べて、月末 の労働時間を撰査している「労務」の労働時間の方が、過小評{衡になるかもしれない。また その一方で「労調」の月末の労働時間には部業・内職・臨時による時開会合んでいるので、 「毎勤J や「賃構J に比べて労働時間が長くなる傾向も存表している。 また「労調J では階級区分で労働時間が公表されていることから、各階級のや泉佐をその 3) 階級令代表する値と想定して計算した。 り 「就調」の労働時間データ i 手続級テPータで・あり、渡労働時間 6 0時間以上?警の乎均労働時間 安「就輯J のデータ自体から算出することは出来ない。そこで「就輯」の ( 1 )民間の役員・一 2) 10 人以上の金業で働く、 ( 3 )年間 2 0 0お以上就業している努子有業者で、(引退6 0 般常雇で、 ( 時間以上労働している、という階壊の平均労働時聞は、 「労調」の週 6 0時額以上働く同一企 こ等しいと仮定すると、その縫は男子尊重用者の場合、 業規模の男子媛用者震の平均労働時間 l 週7 0 . 5時間となる。これより企業規模や就業形態を絞ーした場合の、週3 5時間以上働念、か 3 )の条件を満たす労働者の月あたりおよび 1日あたりの労働時聞が「労調J 会用い つ(1)から ( た場合と問ーの芳法で計算できる c の ただし小規模企業については、 ついて算出されているのに対して、 およぴ「総会J が3 0人以上9 9人以下の企業規模に 「愛構J の会業規模が 1 0人以上9 9人以下となっている。 したがって、詩人以上. 2 9人以下の企業の労働時間が3 0人以上9 9人な下の会業の労働時間より も長い場合には、小会業については労働時間差が過小に評価されている可能性がある。 6) ただし、前主主で指摘したように「労謝」では本業以外にも副業・内磯・家業の手伝い・接待 ・ア J レパイトなどをした時誌を会て含めた労働待認を調査している a したがって 調J を用いた場合には、 t を帯競査の労働時穏と 倒している可能性がある。ただし、男子一般労働者については、 40 日立与量蚤淡研究 N . o 2 4, 1 9 9 3 . 5 ギャッ を行っている の割合は小さいと考え、iJlJ.大評価によるバイアスは小さいと仮定して分析を行った。 7) ( 1 9 9 2 )を参般のこと。 詳しく 参考文献 ネ J i l . 均( 1 9 91 )r わが爵の労働時間とその効率関数の推定一労働待務想績のシミ品レーション KEOD i s c u s s i o nPaper 玄回有史(19 9 2 )r 労働時間と賃金の産業関格差について J 学習院大学経済経営研究所ディスカッ ションペーパー 章鴻大 ( 1 9 7 4 )r 労働時間の可決定要因と時間短縮が生巌に及ほす効果J 経 済 企 議開淑夫・船i 画庁編 No. 47 接原久雄(19 9 0 )r 概念の調整で広がる散米と 日本経済研究センタ 『日本経済研究ヰ NO.20 、 pp.96-107 7 永野戦夫 ( 1 9 8 0 ) r わが器労働時間の階爆的構造」中村・沼J I I綴 T現代労働市場分析」総合労働研 究所 Rosen,S .( 1 号6 9 ) “Onせl eI n 総r i n d u s t r yWag ♀ a ndHourS t r u c t u r ピ Journal01P o l i t i c a l Eco ηo my,VoL77,No.2,pp.267-299. 労働時閣と愛霊堂の重量霊長問機殺について 41
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