研 修 日 年 月 日 ●この項目のねらい A 教材研究・指導の準備・評価 ICT 機器の特性を理解し,いつでも利用 5.授業で使う ICT 機器の準備 できるように準備することができる。 ■規準表との対応 6−1− A・B −①/6−1− B −③/1 −4− A・B −①/4−2− A・B −④ 【1】ICT 機器の種類と特性 授業で ICT 機器を使う場合には,授業設計のところで述べたように,単元指導全 体を見通して効果的な場面で使うようにしましょう。また,次のような ICT 機器の 特性を理解した上で活用場面を決めましょう。 ●投影機器の種類と特徴 大型モニタ テレビ プロジェクタ 機器 長所 ・日常的に利用可能。 ・画面が大きい。 ・どこでも映写可能。 ・準備がいらない。 ・映像が美しい。 ・画面の大きさが変えら ・スイッチ ON で OK。 ・PC の画面も提示可能。 れる。 ・放送番組が視聴可能。 ・映像機器,PC 画面とも に映写可能。 短所 ・画面が小さい。 ・移動が困難。 ・スクリーンへの映写準 ・細かい画像が見にくい。 【演習 A5_1】 practice 備に手間がかかる。 その他の ICT 機器の特徴を考えてみましょう。 ワークシート A5_1 【2】ICT 機器の接続 ICT 機器には,コンピュータをはじめ,デジタルカメラ,デジタルビデオカメラ, IC レコーダ,ビデオデッキ,大型モニタ,プロジェクタ,DVD プレーヤー,OHC などがあります。これらの機器をつなぐことで,教員や児童生徒が取材や情報収集 34 A 教材研究・指導の準備・評価 で利用したり,集めた情報を加工・記録したり,記録したものを再生したり,教室 内で大きく提示するなどして活用できます。 それでは,それぞれの接続端子の種類と情報機器の接続の仕方について簡単に紹 介します。 ■接続端子の種類■ コンポジット端子・S 端子…映像・音声機器を接続する場合広く使われている端子。 ▲コンポジット端子(ピンプラグ) ▲ S 端子 ▲ D 端子(D4 端子) ピンプラグの黄→映像 赤(R:右)と白(L:左)→音声 RGB 端子・DVI 端子・HDMI 端子…コンピュータとプロジェクタなどを接続 する場合に使われる端子。 ▲アナログ RGB 端子(ミニ D-Sub15 ピン)▲ DVI(DVI-I)端子 ▲ HDMI 端子 USB 端子…コンピュータと周辺機器を接続する場合に使われる端子。 ▲A端子 ▲B端子 ▲ミニA端子 ▲ミニB端子 IEEE1394 端子…コンピュータと AV 機器を接続する場合に使われる端子。 ▲ 4-4(オス) ▲ 4-4(メス) ▲ 4-6(オス) ▲ 4-6(メス) 5.授業で使う ICT 機器の準備 35 ▲写真1 ▲写真2 ①プロジェクタとコンピュータの接続 ケーブルを写真1のプロジェクタ後部の接続端子と写真2のコンピュータ後部の 接続端子に差し込みます。(同じ形をしているのでどちら側を差し込んでも差し支 えありません。) ケーブルを接続したら,プロジェクタの電源(Power)ボタンを押します。この ときスクリーンは青色になり,画面に信号が送られていないことを示しています。 ( コンピュータから映像信号が送られていません。) 次にコンピュータの電源を入れ,Windows が立ち上がったら,コンピュータ画 面がスクリーンに映っているかどうかを確認します。スクリーンにコンピュータ画 面が映らない場合,映像信号が送られていないので,キーボード左下にある青色の 文字で書かれた Fn キーを押しながら,キーボード最上段の F3 キーを押します。 コンピュータのメーカーによっては, Fn キー+ F ∼ F12 キーを押すなど様々 です。(PC メーカーによる割当は下表。 キー割当( と Fn 同時に押すキー) F F2 PC メーカー ソーテック 三洋 F3 F4 などの表示がある場合もあります。) F5 F7 F8 シャープ, Lenovo, NEC DELL 日本 HP 東芝 ソニー Panasonic F9 F10 エプソン 富士通 (2008 年1月現在,ノートパソコンの例) ▲写真3 ▲写真4 36 A 教材研究・指導の準備・評価 ② OHC(書画カメラ)とプロジェクタ(またはテレビ ) の接続 OHC(書画カメラ)の接続には黄色のジャックのピンプラグケーブルが必要です。 最初に,OHC 本体にケーブルを接続します( 左ページ写真3)。次に,プロジェ クタにケーブルを接続します(左ページ写真4)。 OHC が RGB 対応型の場合は,RGB ケーブルでも接続できます。 ③電子黒板とコンピュータの接続 電子黒板とコンピュータの接続には専用のケーブルが必要です。最初に,電子黒 板本体にケーブルを接続します(写真5)。次に,コンピュータにケーブルを接続 します。ケーブルはコンピュータの USB 端子に接続します(写真6)。 その他,コンピュータとプロジェクタを接続できるタイプの電子黒板もあります。 ▲写真5 ▲写真6 ④デジタルカメラとテレビ ( またはプロジェクタ ) の接続 デジタルカメラとテレビの接続にはデジタルカメラに付属の専用のケーブルが必 要です。最初に,デジタルカメラ本体に専用のケーブルを接続します(写真7)。 次に,テレビにケーブルを接続します。テレビの本体へは黄色のピンプラグケー ブルが入る映像入力端子に接続します(写真8)。 ▲写真7 ▲写真8 【演習 A5_2】 practice ワークシートの ICT 機器を接続してみましょう。 ワークシート A5_2 5.授業で使う ICT 機器の準備 37 【3】ICT 機器のある教室環境 ICT 機器を活用して資料を提示する際には,教室の環境にも気をつける必要があ ります。教室では,提示した資料を児童生徒が見やすいということに最重点をおか なければなりません。ICT 機器が児童生徒の視線に入り,提示した資料が見えにく くなっていないか,教室の明るさは適当かということに気をつけ,配置してくださ い。特にここでは,プロジェクタを使った場合と電子黒板を使った場合について紹 介します。 ①プロジェクタを使った場合 プロジェクタには,コンピュータの位置にとらわれないワイヤレスの機種,教室 を暗くしないでも見える機種,斜めからでも投影可能な機種,近くても大画面で見 える機種など高性能なものもありますので,性能によって教室での配置場所は異な ります。ここでは,一般的なケーブルが必要で正面から投影するプロジェクタの配 置について図で説明します。 黒板またはマグネットスクリーン に投影 黒板 電源を確保 プロジェクタを 正面に配置 教室の後ろの児童生徒 にとって,文字や画像 の大きさが小さくない か留意 ICT 機器や教師が 児童生徒の視界の 妨げになっていな いか留意 教室に設置されているスクリーン(映写幕)に投影するという方法もあります。 ただし,この場合,投影画面に書き込むということができません。 38 A 教材研究・指導の準備・評価 ②電子黒板を使った場合 電子黒板には,コンピュータを直接接続できるものとプロジェクタで画面を投影 するものがあります。プロジェクタで投影する場合は,前述のプロジェクタを設置 した場合の教室環境を参照してください。 ここでは,コンピュータを直接接続できる電子黒板の配置について図で説明しま す。 電源を確保 黒板 タッチパネルで 電子黒板を操作 ICT 機器や教師が 児童生徒の視界の 妨げになっていな いか留意 蛍光灯や外の明かりが 電子黒板に映り込んで いないか留意 教室の後ろの児童生徒 にとって,文字や画像 の大きさが小さくない か留意 ☆ ICT 機器設置の注意点☆ ①機器やコード配線の設置は児童生徒の安全に十分配慮すること。 ②投影画面に光が反射したり,映り込んだりしないよう設定すること。 ③教室が明るすぎる場合は暗幕などで光を調節すること。 ④投影画面がすべての児童生徒から見やすいように設定すること。 ☆教材作成時の注意点☆ ◇投影した教材が一番後ろの児童生徒でも視認できるように作成する。 【演習 A5_3】 practice 教室でどのサイズの文字を提示すると一番後ろの児童 生徒でも見ることができるでしょうか。実際に試して書きとめておきまし ょう。 ワークシート A5_3 5.授業で使う ICT 機器の準備 39
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