利用者との懸け橋を担うオリジナルキャラクター「にしちゅん

販 促 支 援 事 例
西東京バス株式会社
利用者との懸け橋を担う
オリジナルキャラクター「にしちゅん」
企業PR から顧客サービス、売り上げアップなど、幅広い
活躍が期待できるオリジナルキャラクターの制作支援
東京・多摩西部を中心にバス事業(路線・高速・貸切)を展
開する西東京バス。2013 年10 月、50 周年記念プロジェ
クトで誕生したのが、オリジナルキャラクター「にしちゅん」
だ。今ではバスの利用者と同社を結ぶ大切な存在へと成長
している。同社「にしちゅんプロジェクト」事務局の水村明
氏、五十嵐幸司氏、小泉今日子氏に、にしちゅん制作の経緯
や現在の活躍ぶり、ノベルティーグッズの効果などについ
て聞いた。
■「にしちゅん」で親しみやすさアップを図る
「お客さまにも社員にも愛されるオリジナルキャラクター
を制作したい」
西東京バスをより身近に感じ、親しんでもらいたい—。
その思いから、西東京バスは創立 50 周年記念プロジェク
西東京バスのオリジナルキャラクター「にしちゅん」。
「ゆるキャラグランプリ2014」で3242 票を獲得し、
全国バス会社1 位(西東京バス調べ)に輝いた(全1699 キャラクター中、総合477 位)
トの一環として、社内でキャラクターデザインを募集した。
そして、その原案をもとに、複数の関係先へキャラクター
のは、社名である西東京バスの「にし」と、スズメの鳴き
デザインの提案を依頼。 集まった案の中から、社内の人
声「ちゅん」を合わせた「にしちゅん」
。
気投票で最も得票数が多かったタナベ経営のデザインに
決定したという。
公募の実施により、早い時期から地元の人たちに同社
のキャラクターが誕生することを周知できた。また、
「キャ
キャラクターの名前は公募し、同社のホームページとは
ラクターのネーミング制作をお客さまと一緒に取り組めた
がきで応募を受け付けた。 全 3454 通の中から選ばれた
ことは、その後のにしちゅんの認知度につながっただけで
なく、より身近に感じて
いただける効果があった
のではないか」と同社は
分析している。
タナベ経営のデザイ
ンを採用した大きな理由
は、原案に最も近かった
こと。その上で、西東京
バスの制服・制帽を忠実
に再現し、かつそれらを
「にしちゅん」をより身近に感じてもらえるよう、奮闘している西東京バス㈱の社内プロジェクト「にしちゅんプロジェクト」事務局の小泉氏、水村氏、五十嵐氏(左から)
着こなす、かわいらしい
キャラクターであった点も魅力的だったという。
また、企画段階からキャラクター単体ではなく、バスの車
「にしちゅん」の絵が入っていることに感激する子どもたち
が多いという。
体やバス停、降車ボタンなど、同社になじみの深いアイテム
と組み合わせたイラスト案が提示されたことで、キャラク
ターの具体的な活用方法などもイメージしやすく、長い目で
見て西東京バスのキャラクターに最もふさわしいデザイン
であると確信できたことも決め手となった。
「定期券ご購入者へにしちゅんグッズプレゼント」
キャンペーン、 発売枚数前年比 31.2%増
2015 年 4 月中に同社バスの IC 定期券を購入すると、
もれなく「にしちゅんグッズ」がもらえるキャンペーンを実
施。1 カ月定期券購入で「ポストカード」
、3 カ月定期券
■にしちゅんは、さまざまな場面で大活躍
「バスの乗り方教室」に登場、 子どもたちにも大人気
にしちゅんの「活動」として、まず挙げられるのが「バ
ス の 乗り方 教 室 」へ の 参 加 だ。 バ ス の 乗り方 教 室 は、
2013 年から西東京バス沿線の小学生(1 年〜 3 年生)
を主な対象に実施している取り組み。子どものうちからバ
スに親しみを持ってもらおうというもので、基本的なバス
の乗り方のほか、車内での乗車マナーや、交通安全につ
いて楽しく学ぶことができる内容だ。今までに延べ 36 校・
約 2300 名(2015 年 8 月現在)が参加している。
バスの乗り方教室ににしちゅんが登場すると子どもたち
の目の輝きが変わり、バスへの興味も親近感もアップする
効果がある。
同教室の最後にはタナベ経営作成の「自由帳」
「クリア
ファイル」
「 ミニBOX ティッシュ」を子どもたちにプレゼン
トする。こちらも大変好評で、特に自由帳は1 ページごとに
にしちゅんの自由帳、クリアファイル、ミニBOX ティッ
シュ、パスケース、ストラップ付きぬいぐるみ、ぬいぐる
み(大)。自由帳は各ページににしちゅんを配置するな
ど、こだわりのある仕上がりが好評だ
購入で「クリアファイル」
、6 カ月定期券購入で「ストラッ
プ付きぬいぐるみ」と、定期券の期間に応じてグッズを変
えたところ、最長の 6 カ月定期券の購入促進に結び付き、
発売枚数が前年比 31.2%増になったという。
ツイッターでも、6 カ月定期券を購入した人から「にし
ちゅんのぬいぐるみをもらった!」との投稿があり、話題に
なった。にしちゅんの魅力と同時に、自社にオリジナルキャ
ラクターがあるという強みを実感する出来事になった。
にしちゅん LINE スタンプも配信、 早くも人気に
2015 年 9 月 1 日から、LINE クリエイターズマーケット
にて、にしちゅんをテーマにした LINE スタンプ(1 セット
40 種、税込 120 円)の配信を開始した。ホームページ
などでの告知をきっかけに、ツイッターユーザーにも広が
り、販売開始から大きな反響があった。
利用者への PR 媒体でも、 にしちゅん
が大活躍
ホームページや時刻表、案内のチラ
シ、ポスター、パンフレットなど、利
用者へ PR する際には必ずにしちゅん
を活用しているという。 利用者に伝え
たい情報を「にしちゅんからの呼びか
け」として発信することで、利用者の
目にも心にも自然と留まりやすくなり、
伝達力が高まっているという効果も感
じられている。
産学連携で制作中の「にしちゅんバス」
2015 年度には「産学連携」の動き
もあり、同社沿線にある大学と専門学
校に「にしちゅんバス」のデザインを
依頼するという全国的にも珍しい取り
組みを実施した。 学生から寄せられた
豊かなアイデアを内装・外装に生かし
た「にしちゅん尽くし」のバス 2 台は、2015 年 12 月 27
日から運行を開始した。
■今後のPR・プロモーションの予定
今後は、にしちゅんのプロモーションビデオ(動画)を
作成し、同社ホームページなどで公開することも検討中だ。
にしちゅんの紹介に加え、にしちゅんが「バスの乗り方教
室」などさまざまな同社事業の取り組みを利用者に向けて
紹介する動画を配信することで、より多くの人々ににしちゅ
ん、そして同社に興味を抱いてもらえることを期待してい
るという。
にしちゅんの認知度がアップするにつれ、地元のイベン
トに招待される機会も増えてきた。「にしちゅんがより多く
のお客さまと当社を結ぶ橋渡しをしてくれており、あらた
めて企業にとってのオリジナルキャラクターの存在の大き
さを実感しています。同時に、にしちゅんの魅力を引き出
し、さらに PR をしていかなければ、という責任も感じて
います。これからも、お客さまが求めていらっしゃるモノ、
喜んでいただけるモノを、にしちゅんのグッズとして生み
出していきたいと思いますので、ぜひ、知恵をお貸しいた
だけると幸いです」
(水村氏)
IMPRESSIONS
「にしちゅん」の企画段階から、キャラクター立上げ、グッズ製
作まで一貫して支援させていただきました。
西東京バス様の「にしちゅん」戦略に学ぶべき点は多いです。
ゆるキャラブームに漫然と乗り、自社キャラクターを活用しき
れていないケースが多いなか、戦略的にキャラクターを展開し、
お客様に支持されている成功事例です。
「にしちゅん」を通じて企業のリブランディング化をはかり、イ
メージアップに努めておられます。バス教室の開催、LINE スタン
プ発売等、矢継ぎ早に新しい施策を打たれています。
今後はグッズ製作だけでなく、PR 施策の提案等「ソフト面」
の支援でもお役に立てればと考えております。
タナベ経営
SP コンサルティング本部
MD 営業部
西井 勝