動物生態学 第4回 生態系のしくみ 共生 トピクスをなくした分、ていね いに説明しても、5 10分余った 2013年5月20日版 開講前のお楽しみ 始業前にBBC ビデオ上映 連休明け! Life から 両生爬虫類の一部 3 5月13日 生態系のしくみ 1 群集と生物間相互作用 4 5月20日 生態系のしくみ 2 共生 共生 と 共存 相利共生 反芻動物、種子散布 絶対送粉共生 の カンコノキ 菌根菌 マツタケ ★ 共生 と 共存 相利共生 反芻動物、種子散布 絶対送粉共生 の カンコノキ 菌根菌 マツタケ 2つ以上の種がいっしょに生活し それぞれが、相手の利益になっている ことを「共生」と言う。 しかし、 種間関係は、ほとんどの場合、不釣り合い 損得のバランスは環境や状況によって変化 復習 フツィマ『進化生物学』18章 種間関係の進化 共存する 種A と 種B の4つの状態 ほ と ん ど 種Aにとって 種Bが 1.資源(栄養 あるいは 生息場所) 2.競争相手(食物、場所、生息環境を巡って) 共存 3.天敵(資源として消費される) 4.互恵的(利得を得るが、相手に損害は与えない) or 種A 得 損 損 得 B 損 損 得 中立 判断基準は 「適応度」の増(得)減(損)・・・ どれくらい子孫の世代の遺伝子に貢献できるか。 例えば「生涯にどれだけ子供孫を残す子を残したか」 面白い共存 樹上のアリの巣に、営巣するキツツキ テキスト Handbook of Birds of the World Vol.7 共生 と 共存 相利共生 反芻動物、種子散布 絶対送粉共生 の カンコノキ 菌根菌 マツタケ 共生 2種以上のそれぞれが、互恵的な場合 相利共生 相利共生 反芻動物 ウシ、カモシカ、シカ、ヤギ いずれも 偶蹄目 食物(植物繊維、セルロース)は 口 → 第1・第2胃 → 口 → 第3胃 → 第4胃 と1往復半し 1∼3胃で、共生菌と原生動物がセルロースをグルコースに分解 最終的に、反芻動物は胃に内部共生する菌・微生物を消化 体内にセルロースを消化する細菌が共生しているのは、 シロアリ も同様 ∼ Topics ∼ 日本人の腸内(に共生している)細菌相は、海藻の消化に適している 日本人の腸内細菌の遺伝子と海にいる細菌の遺伝子に類縁関係 =(海藻をたくさん食べていたら)海の細菌の炭水化物分解酵 素が日本人の腸内細菌に移ってきたらしい NHKラヂオ 2011/4/30∼5/1 人の腸内細菌、総重量1.5kg、1000種以上 O157 悪玉細菌 をやっつける細菌が最近は不足 免疫系を刺激することもある、抵抗力の補助 (上野川修一) 相利共生 反芻動物は、消化の最初の段階胃内微生物 にをやってもらい、微生物を摂取 胃内微生物は、反芻動物に生息環境と食物 を提供してもらう 微生物は、集団内の個体の大きな部分を「捕食」 されている 細胞 = 個体単位では、「共生」と言えるのか ← 微生物の適応度は、腸外ではゼロなので、上昇 相利共生 種子散布 ドングリの木 と ノネズミ ノネズミが貯め込んだ? イヌブナの実生の束 4つのミズナラの実生が かたまって,落枝の下から 顔を出している カケス? 親木から遠く離れたスギ林の中 に芽を出したミズナラの実生 北米の ハイイロホシガラスとハイマツ マツに外来種のカビ病 種子生産量が減ると、ほとんど 発芽できる種子は残されなくなった (McKinney, Fiedler, Tomback 2009)。 共生関係が、共倒れを招く可能性? 相利共生と擬態 保護色、警告色、擬態 ベーツ型擬態 ミューラー型擬態 B B 相利共生と擬態 まずい 警告色のおける B 別種の蝶の翅模様が酷似 M ベーツ型擬態 M 警告色を利用 ミューラー型擬態 警告色を共有 まずい B まずい い B 「頻度依存」で利益が変化 W.ヴィンクラー 『擬態』 W. まずくない 相利共生と擬態 ヘビの例 ベーツ型擬態 2種の毒蛇 が 警告色を利用 捕足, 蝶やヘビ自身にとって別の面で体色の不利益無(小) = 主に同種の異性を正しく選択 相利共生 アリ と アリマキ (アブラムシ) アリ と アリ植物 掃除魚 イソギンチャクとクマノミ サンゴ と 褐藻 地衣類(コケ と 菌) イソスズメダイの「農業」? CJ Krebs “Ecology” p.240 アリは、葉を食べるような昆虫 の捕食者で、植物にとっては、 利益になる。 アカシアの出す蛋白を食べるアリ 膨らんだアカシアのトゲの中に棲むアリ M Begon, JL Harper & CR Townsend, “Ecology” p.383 宿主の形態、性質を変えてしまう例(寄生) お腹が赤くなり、捕食者から逃げなくなる Cephalotes atratus 蠕虫に寄生されたアリ S.P. Yanoviak et al. (2008) ants that serve as intermediate hosts for a tapeworm that infects woodpeckers will not flee when the bird breaks into their dark retreat in a branch. Lasius J. Moore (1995), G6sswald 1930 宿主の形態、性質を変えてしまう例(寄生) 目がふくらみ、目立つところに出て行く 参照: You Tube “Zombie snails” モノアラガイ Succinea putris アフリカマイマイの仲間 >> 外来種に登場する 吸虫 Leucochloridium macrostomum 寄生 D.R. Smith Trail (1980) 共生 と 共存 相利共生 反芻動物、種子散布 絶対送粉共生 の イチジクとカンコノキ 菌根菌 マツタケ 1対1 の強い関係 釣り合い の とれた 互恵関係 2回目にも紹介した図 DJ Futuyma “Evolution” p.143 Evolution of Bioiversity 顕花植物 と 受粉昆虫 の共進化 は生物多様性の大きな力になった 昆虫を食べる生物は多い 昆虫は海中にいない DJ Futuyma “Evolution” p.144 Evolution of Bioiversity マダガスカルのアングレカム属のランとキサントパンスズメガの共進化 DJ Futuyma “Evolution” p.440 0 Angraecum archinites / Panogena lingens ヤブツバキとツバキシギゾウムシの共進化 イチジクの花 共進化の例として、教科書に必ず出てくる例 絶対送粉共生 1対1の受粉関係 花粉・受精 イチジクとイチジクコバチ 『生命誌』32号から 雌のイチジクコバチが イチジクの花に入る 受粉 → 産卵 → 発生 →孵化 ♂ ♀ 雄のイチジクコバチが先 に羽化、花内の雌と交尾 雄のイチジクコバチが脱出口を開ける 雌は体に花粉を付け、脱出口から出る 別の花を探す イチジクの花は、1年中途切れないように在る(らしい) http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/032/ss_2.html コミカン科とホソガ DJ Futuyma “Evolutionary Biology” p.552 Yucca spp. / Tegeticula spp. 奄美大島のカンコノキ コミカンソウ科とハナホソガ属の絶対送粉共生 の解説ページ http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/ kawakita/ Phyllantheae-Epicephala_mutualism/Japanese.html 絶対送粉共生に やや 似た 捕食者 / 資源 の関係 ある種の蝶の食べる植物が1種ないし1科の例 ヤマトシジミとカタバミ、多くのアゲハチョウ科とミカン科 共生 と 共存 相利共生 反芻動物、種子散布 絶対送粉共生 の カンコノキ 菌根菌 マツタケ 環境、状況 によって 関係は変わる 菌(キノコ)の胞子嚢 菌糸 hypha 菌糸体 植物の根の細胞 小嚢 vesicle 樹枝状体 arbuscle 水分や土中の分子 (窒素やリン) 光合成産物(糖) http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Arbuscular_mycorrhiza_cross-section.png 菌根菌 ほとんどの樹木の根 に共生している 根の表面、細胞壁の内側、細胞内 などに 菌糸を張り巡らせ、養分吸収を助け、生産物を受け取る 最近、松林 で 松茸 が採れない ・・・・ なぜ? 落ち葉掻きをしなくなった、、、土壌の栄養条件改善 松 は 松茸の助けを必要としなくなった・・・ 共生? カラマツ、共生菌根菌(アーバスキュラー菌根)、 細菌の3者の 共生の研究例もある 栄養条件がよくなると、共生しなくなるらしい 実験下の研究(田中恵さん)
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