<マーケット・レター> 2014年7月10日 フィッチはニュージーランドの格付見通しを「ポジティブ」へ引き上げ 格付会社フィッチは、ニュージーランドの格付見通しを「安定的」から「ポジティブ(強含み)」へ引き上げ。 自国通貨建て長期債務格付は「AA+」で据え置き。NZ政府による財政健全化の推進などが見通し引き上げの背景。 NZドルは良好な経済環境や中銀による利上げなどから堅調に推移。格付見通し改善はNZドル相場のサポート要因に。 フィッチはNZの格付見通しを引き上げ 図1:主要格付会社によるニュージーランドの 自国通貨建て長期債務格付 格付会社フィッチ・レーティングス(以下、フィッチ)は、 7月8日、ニュージーランドの自国通貨建て長期債務格付 を「AA+」で据え置くと同時に、格付見通しを「安定的」から 格付会社 格付 見通し ムーディーズ Aaa 安定的 S&P AA+ 安定的 フィッチ・レーティングス AA+ ポジティブ (従来は安定的) 「ポジティブ(強含み)」へ引き上げました(図1)。 格付見通し引き上げの背景として、フィッチでは、①財政 健全化の推進による信用力改善、②良好なマクロ経済見 通し、③低水準のインフレ、④世界的にも堅固な経済政 策の枠組みやビジネス環境、などを挙げています。一方、 今後、注視が必要な点として、経常赤字の動向や、農産 物の主要輸出先である中国経済の動向を指摘しました。 NZ政府の財政収支は2014年度に黒字化へ フィッチが財政健全化の進展を評価したように、ニュー ジーランド政府が5月に公表した予算案によれば、財政収 (出所)ブルームバーグ (注)2014年7月8日時点。 支は2014年度(2014年7月~2015年6月)に黒字化が 図2:ニュージーランド・ドル相場の推移 計画されています。さらに、2017年度には財政黒字は GDP比1.3%へ拡大する計画です。 堅調を維持するニュージーランド経済 (円) 110 リーマンショック カンタベリー地震 (08年9月) (10年9月、11年2月) (米ドル) 1.0 また、足元でのニュージーランドの経済環境は、カンタベ 100 0.9 リー地震からの復興需要や、移民流入、農産品輸出の拡 大などにけん引され、底堅さを増しています。2014年1-3 90 0.8 80 0.7 月期のニュージーランドの実質GDP成長率は前年比 +3.8%と、約6年ぶりの高い伸びとなりました。 フィッチの経済見通しによれば、ニュージーランドの2014 年の実質GDP成長率は3.8%と堅調な伸びが予測されて います(2013年実績は2.7%)。 格付見通し改善はNZドル相場のサポート要因に 2014年初からのニュージーランド・ドル相場は、良好な 経済環境やニュージーランド準備銀行による利上げ開始 などを背景に底堅い推移が続いてきました(図2)。これに 加えて、今回の格付見通し改善は、今後のニュージーラ ンド・ドル相場のサポート要因となると期待されます。 70 0.6 NZドル高 円安 60 0.5 対円(左軸) 50 NZドル安 円高 0.4 対米ドル(右軸) 40 0.3 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (出所)ブルームバーグ (期間)2005年1月3日~2014年7月9日 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて 作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証す るものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びこ こに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で 配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。
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