山 行 報 告 - 京都皆子山岳会

山 行 報 告
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No.605
中央アルプスの北領域へ ―
山
域:将棊頭山 2,730m、茶臼山 2,653m、宝剣岳 2,931m
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月
日:2014 年 9 月 13 日(土)~14 日(日)
メンバー: 4 名
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行
程:【13 日】
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京都(5:00)⇒京都東 IC(5:25)⇒駒ヶ根 IC(8;16)⇒菅の台(8:30)⇒しらび
(11:42)→木曽駒ヶ岳(12:10)→濃ヶ池分岐(13:57)→将棊頭山(14:53)→
平(9:22)⇒千畳敷(10:30)→浄土乗越(11:12)→宝剣山荘(11:15)→中岳
西駒山荘(15:09)(泊)
【14 日】
西駒山荘(4:46)→行者岩(5:35)→茶臼山(5:52)→行者岩(6:42)→西駒山
荘(7:35)→濃ヶ池分岐(8:30)→濃ヶ池(8:45)→駒飼ノ池(9:56)→宝剣山
荘(10:41)→宝剣岳(11:25)→極楽平(12:19)→千畳敷(12:46) ⇒しらび平
(13:25)⇒菅の台(14:14)⇒駒ヶ根IC(15:35)⇒京都東IC(18:52)⇒京都
(19:31)
中央アルプスの過去の記録を調べると、2001年8月に2泊3日で木曽駒ヶ岳から檜尾
岳、熊沢岳を経て空木岳に登り池山尾根を駒ヶ根に下ったのと、2008年10月に皆子で4
人、避難小屋泊で木曽側から越百山、仙涯嶺、南駒ヶ岳を経て空木岳に登り木曽川に下
山しています。
今回は足を踏み入れていない中央アルプス北部領域を目指しました。ロープウエー利
用の観光登山みたいなことはしたくなかったので、桂小場から登る計画をしました。
早朝出発で一人で登ろうかと思っていたのですが、市内北部に住んでいる会員であれ
ば、ピックアップできると思い7人にメールで声をかけ最終的には4人で行くことになり
ました。
小屋を申し込むため、西駒山荘のHPを覗くと、桂小場に至る林道が昨年の台風によ
り通行止めになっていると情報。仕方なくロープウエーを利用することにしました。
4:30に自宅を出発し、3人を自宅近くでピックアップ後、京都東から名神に乗りまし
た。連休初日でしたが順調に流れ菅ノ台の駐車場に8:30着。すぐにバスに乗り込みしら
び平へ、ここでロープウエー1時間待ちを食ら
う。千畳敷には10:30着。浄土乗越まで休憩せず
一気に登る。連休のため登山者が多く喧騒な雰
囲気です。ロープウエーで簡単に2,612mまで登
れるので大文字山を登るような雰囲気の登山者
が目立ちます。90%以上の登山者が木曽駒ヶ岳
の日帰りピストンと思われます。
我々も中岳、木曽駒ヶ岳まで登り、多くの登
山者に混じって昼食にしました。昼食後主ルー
トから、馬の背のコースに入ると先ほどと打って変わって、すれ違う登山者もほとんど
なく、ガスも晴れ快適な縦走ルートです。将棊頭山や行者岩ははるか向こうに見え、途
中、明日訪れる農ヶ池が眼下に望めました。
農ヶ池分岐を過ぎてしばらく進むと遭難記念碑の石碑が現れました。この遭難記念碑
は大正2年8月に中箕輪高等小学校で集団宿泊的行事として木曽駒ヶ岳登山に、生徒25
名、地元の青年会員9名、引率教師2名と共に総勢37名で登り、稜線に出る頃には、暴
風雨(現在の台風と思われる)に遭い校長以下11名が命を落としています。新田次郎の
山岳小説「聖職の碑」(せいしょくのいしぶみ)に当時の状況が詳しく書かれており、
映画化もされています。小説には今回訪れたポイント多く出てきています。
遭難記念碑に手を合わせ先に進むと、将棊頭山に到着。この山のすぐ下に本日宿泊予
定の西駒山荘が建っていました。この小屋は今年8月にリニューアルオープンしたばか
りでまだ木の香りする清潔な小屋でした。早々にビールを買い小屋の外のテーブルで宴
会に突入。
翌日は4時過ぎに起床し、5時前にヘッド
ランプの明かりを頼りに小屋を出発。次第
に明るくなり、南アルプスの稜線からご来
光が拝め、反対側の御嶽山が赤く染まりだ
しました。
行者岩を越えて、茶臼山に到着すると信
じられないような光景が目に飛び込んでき
ました。中央アルプスは北端の茶臼山から
大きく高度を落としているため、目の前に
遮る山は何もなく、御嶽山から乗鞍岳、北
アルプスの稜線が一直線で連なっています。雲海から八ヶ岳、南アルプスが浮かんでお
り、南アルプスの稜線から富士山の頭頂部の台形が少しだけ姿を現しています。御嶽の
右手に白山も遠望できました。
この光景はどんな形容詞をもってしても表現は不可能で、写真でもわからないと思わ
れます。これまで多くの山に登ってきましたが、ロケーション的には間違いなくNo1で
す。もう一度訪れたいと気持ちもありますが、また同じ光景が見られるとは約束されな
いことから、多分もう訪れることはないでしょうね。
初めてアルプスに登った大野さんはラッキーでしたね。
去りがたい光景でしたが、先も長いので後ろ髪をひかれる思いで茶臼山を後にしまし
た。西駒山荘までもどり、農ヶ池分岐から巻道を農ヶ池へ、空は晴れわたり農ヶ池の湖
面には逆さ宝剣が映っていました。
宝剣山荘まで戻り、ヘルメットを装着し宝剣岳へ。登山者が多く核心部分は離合で込
み合っていました。宝剣岳の山頂で写真撮影をした後、極楽平方面へ下山にかかりまし
た。大野さんは少し緊張しているようでしたが、新子さんがホールドの仕方、足のかけ
る場所を指導してくれているので、こちらは写真撮影に専念しました。福ちゃんは岩稜
帯を楽しんでいるようでした。
下山後、こまくさの湯で汗を流し楽しい2日間の山行を終えました。
今回の山行では、茶臼山が大きく印象に残りました。主ルートから外れ、ガイドブッ
クにも紹介されていなく、名前からしてつまらなそうで、一応ピーク稼ぎに登っておこ
う~、って思って来た山ですが、素晴らしい展望、気持ちの良い山頂。御岳、乗鞍、北
アルプス、八ヶ岳、南アルプス、勿論木曽駒大展望。是非是非お奨めの山頂です。