生物化学コース - Tohoku University

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2016
1
東北大学農学部 オープンキャンパス
OPEN CAMPUS
7. 27WED 28 THU
Faculty of Agriculture,
Tohoku University
URL » ht tp://w w w.agri.tohoku.ac.jp/index-j.html
CONTENTS
P3
P4
ャ
ス
ス
「
動とアジアの 生産」
「水の 機」
ジー
「発見
新種 「植物
い 地
〜
の
なる動物
種
食
食
っていな っ の 」
P4模擬講義
「
動とアジアの
〜」
教 (動物生殖科学分
の生命 支 る植物の
〜食品栄養研究の
、 や
)
教 (沿岸生物生産システム学分
)
き」
宮
「
)
教 (環境経済学分 )
「ア マルテ
教 (作物学分
〜」
教 (植物細胞生化学分
教 (食品化学分
)
)
生産」
教 (作物学分
)
P5植物生命科学コース紹介
P6模擬講義 「水の
機」
教 (環境経済学分 )
P7資源環境経済学コース紹介
P8模擬講義 「ア
〜
マルテ
の
種
ジー
なる動物
、 や
〜」
教 (動物生殖科学分 )
P9応用動物科学コース紹介
P10模擬講義 「発見
新種 っていな
っ
の
」
教 (沿岸生物生産システム学分 )
P11海洋生物科学コース紹介
P12模擬講義 「植物
宮
い 地
の生命
支
る植物の
き」
教 (植物細胞生化学分 )
P13生物化学コース紹介
P14模擬講義 「
食
食 〜食品栄養研究の
〜」
教 (食品化学分 )
P15生命化学コース紹介
P 16
P 17
ス
P 18
ス
ャ
ス
シャトルバス
ャ
ス
バス
の
バ
シ
「21世紀はアジアの時代」と言われていますが、まだ経済発展ができずにいる国々が多いのは何故でしょうか。彼らがより良い状態に移行していくために、先進国日本はいった
いどんな貢献ができるでしょうか。世界的な視野に立って、明日の食料・農業・農村のあり方や環境問題の解決を研究しています。
ヤギやウシなど草食の反芻家畜は、食べた植物を前胃内に棲息する微生物により生産される揮発性脂肪酸を主要なエネルギー源として効果的に利用しています。人間の食糧と競
合せずにミルクなどの良質の食糧を生産する反芻家畜の消化・代謝・内分泌などの諸機能の特徴を精査し、その生物学的意義を解明するために、細胞から分子レベルまでの幅広い
研究を体系的に行っています。
ス
シトシ
写真の緑色はマウスの脳の中で情動を司る神経が集中する外側中隔 (LS)にあるオキシトシン受容体 (OXTR)を表しています。OXTRは 信頼、友情など社会行動に関与しており
LSでの OXTRの動態が注目されています。
シ ル
最近身近な米粉も実は個性的です。湿式胴搗粉砕米粉は、米デンプン粒の複粒構造が保たれ、構造変化が抑制されています(上)。一方、乾式気流粉砕米粉は、内部は米デンプン
粒の複粒構造が保たれ、表面がメカノケミカル効果により平滑になったコアシェル型になっています
(下)
。
OPEN CA MPUS
日 程 表
日 時
7月 27 日(水)
8:30~10:00
受 付
10:00~10:20 10:20~11:30 11:30~13:00 13:00~13:20 13:20~14:30
学部長挨拶
学部紹介
9:00~
模擬講義①
模擬講義②
模擬講義③
学部長挨拶
学部紹介
14:30~16:00
模擬講義④
模擬講義⑤
模擬講義⑥
コース毎に模擬実験、研究内容紹介、ポスター展示等を行います。
入試相談コーナーを開設します。
7月 28 日(木)
受 付
学部長挨拶
学部紹介
模擬講義①
模擬講義②
模擬講義③
学部長挨拶
学部紹介
模擬講義④
模擬講義⑤
模擬講義⑥
オープンキャンパス次第
Ⅰ 農学部の概要紹介と模擬講義(講義棟第1講義室)
【午前の部】
10:00〜10:05
■ 挨拶
駒井 三千夫 農学部長
10:05〜10:20
■ 農学部の概要紹介 牧野 周 教授
10:20〜11:30
■ 模擬講義
①「気候変動とアジアの米生産」 講師:本間 香貴 教授(作物学分野)
②「水の危機」
講師:木谷 忍 教授(環境経済学分野)
③「アニマルテクノロジー2016 ~ヒトのためになる動物をつくろう、
ふやそう~」
講師:種村 健太郎 教授(動物生殖科学分野)
【午後の部】
13:00〜13:05
■ 挨拶
駒井 三千夫 農学部長
13:05~13:20
■ 農学部の概要紹介 牧野 周 教授
13:20~14:30
■ 模擬講義
④「発見!これが新種 ?まだわかっていなかったの? 」
講師:木島 明博 教授(沿岸生物生産システム学分野)
⑤「植物はすごい!地球上の生命を支える植物のはたらき」
講師:宮尾 光恵 教授(植物細胞生化学分野)
⑥「和食は長寿食!? ~食品栄養研究の面白さ~」講師:都築 毅 准教授(食品化学分野)
Ⅱ 研究内容のポスター展示等 9:00~16:00
コース毎に模擬実験、研究発表、ポスター展示などを行います。
【生物生産科学科】
■ 植 物 生 命 科 学 コ ース:第4講義室(講義棟2階) ■ 応用動物科学コース:第10講義室(講義棟1階)
■ 資源環境経済学コース:第9講義室(講義棟2階) ■ 海洋生物科学コース:第5講義室(講義棟2階)
【応用生物化学科】
■ 生 物 化 学 コ ー ス :第3講義室(講義棟1階)
■ 生 命 化 学 コ ー ス :第6・7講義室(講義棟2階)
【技術部】 大学院演習室(講義棟2階)
【東北復興農学センター】セミナー室2(講義棟1階)
【食と農免疫国際教育研究センター】第10講義室(講義棟1階)
【東北大学マリンサイエンス拠点形成事業】セミナー室1(講義棟1階)
Ⅲ 入試相談コーナー(講義棟国際交流支援室)
一般入試、AO入試、授業カリキュラム、卒業後の進路に関する質問、相談に本学部教員が個別にお答えします。
Ⅳ 青葉山新キャンパス建物紹介(講義棟大学院演習室)
平成28年度中に青葉山新キャンパスへ移転を予定しており、現在、建設中の建物を模型で紹介します。
模擬講義及びコース紹介
(講師紹介、講義内容、若き参加者への“ 熱い ”メッセージ等)
模擬講義①
❶講師:本間 香貴 教授(作物学分野)
❷模擬講義テーマ:気候変動とアジアの米生産
❸略歴:1972年北海道生まれ。函館ラ・サール高等学校卒業、1995年京都大学農学部卒業。2002年京都大学大学
院農学研究科博士後期課程修了。学術振興会特別研究員、京都大学大学院農学研究科助手、助教および講師
を経て2015年東北大学大学院農学研究科教授。生物多様性応用科学センター(兼任)
❹研究テーマ:農家圃場現地調査、シミュレーションモデル、リモートセンシング、土壌・植物・気象相互作用
❺趣味・好きな言葉:家庭菜園・料理、
「臨機応変」
❻講義の概要:地球温暖化や異常気象の頻発など、気候変動は実際に生じていると言ってもいい状態ではないかと
思います。アジアでの主食である米の生産を中心に、気候変動による農業生産への影響を紹介しようと思います。
❼若き参加者への“熱い”メッセージ:私は将来ひもじい思いをしたくなくて、農学を志しました。今回の講義で扱
う気候変動だけでなく、環境破壊や社会変化の影響などもあり、今は5年、10年後の未来がわかるようでわから
ない時代にあるかと思います。食物が豊富にありさえすれば事態の悪化は避けられるとの思いから、生産現場を
中心に研究と教育を続けています。皆さんにも志を同じくして協力してもらえると嬉しいです。
MEMO
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Faculty of Agriculture,Tohoku University
OPEN CAMPUS
植物生命科学コース
植物生命科学コースは植物の生理生態や病虫害の発生機構、植物生産に関わる環境因子などに関する教育・研究を行っ
ているコースです。所属する 9 研究室が、パネルや標本を展示して研究内容をわかりやすく紹介します。
●作 物 学:「作物の生産メカニズム」:アジアの人々の重要な食料であるイネとダイズの生産性を中心に研究を
行っています。子実の登熟や耐塩性・耐湿性などに関する生理的な研究に加え、日本や海外の農家圃場を対象と
した現地調査も行っており、衛星データなどを使った広域評価なども行っています。
●園 芸 学:「果物・野菜・花のサイエンス −バイオと生産のテクノロジー−」:美味しい果物や野菜にはどんな
性質があるんだろう?見応えのある花を咲かせるためにはどうやって育てたら良いんだろう? 園芸作物(果物・野
菜・花)の成長に適した栽培環境条件を調べたり、品質や成長に関わる酵素や遺伝子を探ることで、これらの問
題を解決するのが私たちの研究テーマです。その成果を紹介します。
●土壌立地学:「土と植物の多様なインタラクション」:私たちは、主に火山灰土や低地土を用いて、土壌と植物の
相互作用の研究を行っています。その内容は、窒素、リン、イオウなどの養分元素の効率的供給法、カドミウムやア
ルミニウムなどの過剰害のコントロール法、有機質資材の環境保全的利用法などです。これらの研究内容につい
て紹介します。
●植物遺伝育種学:「イネとアブラナ科野菜のゲノム研究 −遺伝子からのアプローチ−」:私たちは、植物が持つ
特性を遺伝の側面から研究しています。特に塩、低温、高温などの環境ストレス耐性や、アブラナ科野菜の形・成
分等の特性を調節している遺伝子を見つける研究をしています。また、種内、種間の生殖機構や、花粉ができな
い不稔現象の機構を研究しています。これらの研究を、イネやアブラナ科野菜の品種改良に役立てることを目指
しています。
●植物病理学:「環境や生き物にやさしい農業をめざして」:病原微生物による病気の流行は、農作物の生産を減
少させる一つの大きな原因とされています。私たちは、病気が発生する仕組みや、植物が持つ病害抵抗性の機構
について遺伝子レベルで解析を行い、環境と調和した新しい病原体防除技術の確立を目指しています。これらの
研究の一端を紹介します。
●生物制御機能学:「安全、安心な新たな害虫防除技術の開発をめざして」:私たちは、殺虫剤に代わる環境にや
さしい新たな害虫防除技術の開発を目指して、植物化学物質を利用した害虫の行動制御や光を用いた物理的防
除に関する研究を行っています。植食性昆虫における化学情報としての植物成分の役割やこれまでに知られてい
なかったような昆虫に対する光の新たな作用、それらを利用した害虫防除の可能性について紹介します。
●環境適応生物工学:「植物の環境適応とバイオテクノロジー」:私たちは植物が地球の多様な環境に適応した
「しくみ」を分子生物学的に解明し、それを農業へ応用することを目指しています。イネを用いた研究紹介、およ
び、環境適応を実感できる驚きの植物の展示もあります。
●生物共生科学:「ブナ林の多様性維持メカニズムを探る −花粉と種子の分散が森を多様にする−」:森林は陸
上における最も豊かな生態系の一つであり、様々な植物や動物、菌類などによって構成されています。今回は、森
林生態系における多種共存メカニズムや樹木の生活史特性(開花から種子散布・実生定着・樹木の成長・枯死ま
での一生)と森林保全に留意した木材生産に関する研究を紹介します。
●栽培植物環境科学:「環境や生き物にやさしい農業をめざして」:地球温暖化や生物多様性の低下など、私たち
をめぐる環境は大きく変化しています。私たちは、フィールドでの研究を中心にして、
「環境にやさしい」新しい農
作物栽培技術の開発を進めています。今回は、水稲の有機栽培の特長、近年の異常な高温による胴割れ米など
の米の品質低下を防ぐための技術、限られた資源であるリン肥料を効率的に利用するための作物根の特長、水
鳥との共生をめざした稲作「冬水たんぼ」、根に共生する微生物「菌根菌」によるリン肥料の削減、堆肥でリンを
上手に使う、有機栽培イネの根の生死を調べる、などの研究を紹介します。
東北大学農学部オープンキャンパス 2016
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模擬講義②
❶講師:木谷 忍 教授(環境経済学分野)
❷模擬講義テーマ:水の危機
❸略歴:1955年山口県生まれ。1974年山口県立柳井高等学校卒業、1978年東京工業大学理学部数学科卒業、東
京工業大学助手、帝京技術科学大学助教授、東北大学教養部助教授、同農学部助教授などを経て、2015年東
北大学大学院農学研究科教授、現在に至る。
❹研究テーマ:もともと人間の学習という現象に興味を持っていました。それが今では、人間社会の合意形成を
“緩い”ゲームとして考えることに関心が移っています。人々が合意していくプロセスを学習過程とみることもでき
ますが、ちょっと違います。みなさんは、unlearning という言葉をご存知ですか?
❺趣味・好きな言葉:解決困難な問題をぶらぶらと歩きながら考えるのが好きです。また、学生と“非まじめ”な話
をすることが大好きです。
❻講義の概要:
(1)世界に存在する水
‌水の惑星といわれるように地球は大量の水に覆われていますが、私たち人間が利用できる水はいったいどの
くらい存在しているのでしょうか? ほとんどが海水であることは明白ですが、淡水として存在していてもほ
とんどが利用できないのです。
(2)農業が水の利用の大半を占める
‌人間の利用する水の大半が農業に使われています。一方で、作物の種類によって必要な水の量は大きく違い
ます。大量の水が利用できる多雨地域と少ない乾燥地域では、おのずと作物の種類は異なってきます。
(3)水は輸出入できるか?
‌仮想水という概念があります。これを用いれば世界の水の移動を捉えることができます。日本は、多くの農産
物(畜産物)を輸入しています。私たち日本人はいったいどのくらいの水を世界から集めているのでしょう?
❼若き参加者への“熱い”メッセージ:私の研究テーマと講義の内容がミスマッチであると感じる方は多いことで
しょう。大学の研究室では、与えられた研究テーマに沿って研究を進めているだけではありません。自ら研究テー
マを生み出すところに妙味があります。
環境問題の解決は、農学部が貢献すべき大きなテーマです。しかし、哀しいかな、環境問題とはいったい何か、
それを「定式化」しないと研究者は先に進めません。一方で、定式化するということは人間の勝手な作為であっ
て、ひょっとしたらとんでもないことを無視している可能性もあるわけです。これが「想定外」という弁明に繋がっ
ていきます。環境問題解決のための処方箋は、その取り扱いに慎重な人々だけに渡さなければならないのでしょ
うね。
MEMO
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Faculty of Agriculture,Tohoku University
OPEN CAMPUS
資源環境経済学コース
資源環境経済学コースには、環境経済学、フィールド社会技術学(兼)、国際開発学、及び、農業経営経済学の 4 研究室があります。
さらに、本コースでは、資源環境経済学に関する分野について、農林水産省農林水産政策研究所との協定に基づき設置された連携講座
「資源環境政策学講座」と協力して、教育・研究に当たっています。
本コースは、人類の生存にかかわる資源・環境・食糧問題について、アジア圏を中心とするグローバルな領域で解明し、環境と調和
した「持続的農業生産・社会システムの構築」のための政策・制度・経営・地域システムのあり方について、社会技術の視点や倫理学
的発想も取り入れて教育・研究を行っています。
●環境経済学:本分野では、地球規模で生じている環境問題に対し、地域レベル・ミクロレベルでのアプローチにより、その環
境問題を引き起こす社会・経済的背景について、哲学・倫理学的な考察を加味しながら研究しています。地域の環境問題
は、観察と合理性基準を前提とした自然科学的、社会科学的方法論(「経験」に裏付けられる客観科学)だけなく、感情や
心の動きといった非合理とも思える生身の「人」の存在を意識するとき、刹那的な「体験」も「人」の生活基盤として考慮す
る必要があります。具体的な研究内容は次の通りです。
①農業・農村の多面的な機能についての計量分析
②農村文化やその伝統の継承への住民意識の啓発
③エージェント・シミュレーションによる農業環境政策の実験的分析
④解決困難な社会問題が与える地域住民の態度変容と合意形成
⑤自然環境保全の実態とその倫理学的評価
●フィールド社会技術学:この分野は、社会技術の研究・開発の視点から、農業、農村社会が直面している社会問題の解決を
目指す教育・研究に取り組んでいます。社会技術というのは、社会問題を解決するための科学、技術のことで、社会科学と自
然科学を融合した研究分野のことである。ここでは、フィールドワークをベースに経済学的視点に基づいた構造問題・環境問
題についての考察と政策提言、LCA(ライフサイクルアセスメント)についての研究、人工衛星や航空機が観測取得したデー
タの利用など、社会科学と自然科学にまたがった幅広い研究活動を行っています。主な研究内容は以下の通りです。
①農村諸資源の賦存状況の把握と適正な配置・利用計画づくり
②日本やアジアにおける農村諸資源の管理主体の組織と役割・機能の解明
③資金循環、財政という視点からみた地域計画の経済評価と経済計画の立案
④デジタルフィールドセンターの構築及びレザープロファイラーデータ利用による森林計測
⑤衛星データによる耕作放棄地の検出、水田作付面積計測、または熱帯地域での農業実態把握
⑥社会科学と自然科学が融合した「環境と経済の両立」する地域社会システムの構築
●国際開発学:本分野では、食糧・資源・環境問題の解決を図るために必要な政策・制度のあり方について教育・研究を行って
います。アジアに関する「地域研究」の成果と「開発経済学」の分析手法を用いて実証的かつ理論的な取り組みを志向して
います。本分野では、食料、資源、環境問題に国境を超えた広い視野から取り組み、学生も発展途上国や先進国の現地に直
接赴いて研究を行うことが求められます。国際協力やアグリビジネスなどの分野で活躍したい学生の参加を求めています。主
要な研究課題は以下の3点です。
①アジア地域における食料・農業問題、開発政策の推進に伴う諸問題
②グローバルな経済変動や気象変動が世界各国の農業生産と政策に与える影響
③多国籍アグリビジネスと各国の食料・農業・政策との関係
●農業経営経済学:日本および先進諸国・地域を対象として、農業生産、加工、流通、販売、食料消費といったフードシステム
に関わる諸問題や、
「農」と「食」の基盤である農村の維持発展に関わる諸問題について、農業経済学、農業経営学、農村
社会学など社会科学の基礎理論を踏まえ、市場、制度、生活様式などの多様な社会関係や各国比較を重視する視点から、
教育・研究を行っている。主な教育・研究内容は以下のとおりである。
①現代世界の食料・農業・農村問題に関する教育・研究
②農業経営発展とイノベーションに関する教育・研究
③農産物マーケティング・農村産業化に関する教育・研究
④農村社会変動の歴史と論理に関する教育・研究
⑤持続可能な農業の構築と農業政策・制度に関する教育・研究
●資源環境政策学:国内外における農林水産業や食料問題に関する政策・制度の決定プロセスや、貿易や地球環境をめぐる
国際交渉プロセスに関する研究を行う一方、我が国の農林水産政策の企画・立案に資する政策分析や政策評価手法の開発
を行っている。主要な研究課題は以下の4点である。
①食料消費構造の変貌かにおける生産政策と制度に関する研究
②野菜・果実の国内安定供給にかかる政策設計と評価手法に関する研究
③農林水産政策の評価手法に関する研究
④諸外国における農業経営安定政策のわが国への導入可能性に関する研究
東北大学農学部オープンキャンパス 2016
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模擬講義③
❶講師:種村 健太郎 教授(動物生殖科学分野)
❷模擬講義テーマ:アニマルテクノロジー2016 ~ヒトのためになる動物をつくろう、ふやそう~
❸略歴:開成高等学校、東京大学農学部獣医学科、同大学院を卒業後、日本学術振興会特別研究員、東海大学工
学部・講師、独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター・研究員、国立医薬品食品衛生研究所・主任
研究官を経て、2011年7月1日から東北大学農学部・准教授、2014年4月1日から東北大学農学部・教授
❹研究テーマ:哺乳類の生殖生物学・生殖発生工学
❺趣味:模型工作、磯遊び、夜更かし、ネコ
好きな言葉:減数分裂、半数体、進化、ネコ
❻講義の概要:ヒトは、様々な動物と暮らすことで文明を発展させてきました。その中でも代表的な動物がヒトの食
料となる動物や、ヒトを助ける動物、ヒトの生活を豊かにする動物であり、他にもヒトの病気を知り、治療法を探る
目的で作出される疾患モデル動物や、医薬品成分や食品成分を含めた化学物質の安全性を担保する毒性実験
に供される実験動物がいます。こうした、ヒトのためになる動物を「つくる」、
「ふやす」ことを含めた動物に関わる
科学技術を「アニマルテクノロジー」と呼びます。今回は、特にその中でも哺乳類に焦点を合わせて、生殖生物学
および発生工学的視点から、幾つかのトピックについてお話したいと思います。
❼若き参加者への“熱い”メッセージ:「世界の誰も知らなかったことを、世界で一番最初に知ることができる、見
つけることができる!」というとても贅沢な時間を一緒に楽しみましょう!
MEMO
8
Faculty of Agriculture,Tohoku University
OPEN CAMPUS
応用動物科学コース
10 研究室でポスター展示と体験学習を行います。
●動物生殖科学
研究内容:有用動物を効率的に生産するために、卵子や精子を用いて生殖現象を明らかにするとともに、それらの
人為操作技術の開発を目指しています。
体験学習:未受精卵子の顕微鏡観察と映像による体外受精の紹介
●動物栄養生化学
研究内容:動物の体の中での栄養素の働きと栄養素による代謝の調節の仕組みについて、個体・細胞・オルガネラ
(ミトコンドリア)・遺伝子レベルでの研究をしています。
模擬実験:哺乳動物とニワトリの血漿グルコース濃度の比較
●動物遺伝育種学
研究内容:家畜の繁殖能力、飼料の利用効率、成長速度、泌乳能力、抗病性などを遺伝的に改良して、畜産物生
産の効率を高めるための研究を行っています。
体験学習:1)
「品種の違いと改良の効果」についてポスターでの説明と、2)牛乳、牛肉、豚肉の品種や改良の程
度による違いをスライドで紹介し、その違いを実感してもらいます。
●動物生理科学
研究内容:反芻動物は草を食べてミルクや肉など良質な食糧を生産します。この反芻動物の消化・代謝・内分泌な
どの諸機能の特徴について幅広いレベルで研究しています。
体験学習:キリンの反芻行動の映像を紹介。
●機能形態学
研究内容:産業動物および実験動物の発育成長における組織・細胞の構造と機能の動的変化について、光学・電
子顕微鏡ならびに細胞培養法を用いて研究しています。
体験学習:プラスチックモデルを用いた動物の体の構造観察
●動物微生物学
研究内容:人獣共通感染症の分子疫学や発病病理機構の解明、消化管常在微生物や飼料添加栄養素の生産に
使われる微生物の機能解析、多剤耐性菌問題に対する対策について研究を行っています。
体験学習:微生物の顕微鏡観察
●動物資源化学
研究内容:動物が生産するミルクを基礎とした乳製品などへの高度有効利用や乳酸菌などの生理機能性を、微
生物学、食品免疫学、遺伝子工学、糖鎖生物工学の各手法より総合的に研究しています。
体験学習:ヨーグルトのpH測定と乳酸菌の光学顕微鏡による観察。機能性ヨーグルトの紹介と「試食」。
●陸圏生態学
研究内容:環境と家畜福祉に配慮した持続的家畜生産を目指し、放牧家畜の行動、養分摂取と消化、植生や野
生動物への影響など、行動学的・生態学的研究を行っています。
体験学習:ウシとヒツジの食べ方の比較および好きな植物と嫌いな植物の展示。
●資源動物群制御科学
研究内容:動物生産環境の適正化を目指して、家畜排せつ物の処理・利用、環境微生物・病理微生物の生態と機
能を研究しています。
模擬実験:畜産環境に分布する分解微生物や病原菌を観察してみよう。
●家畜生産機能開発学寄附講座
研究内容:統計遺伝学とゲノム情報を活用し、家畜の肉質と豚の産子数を増加させる改良手法の研究と、海藻など
の未利用飼料添加物の作用効果や初乳、代用乳および人工乳の改変・給与法の改善などの研究も進めています。
東北大学農学部オープンキャンパス 2016
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模擬講義④
❶講師:木島 明博 教授(沿岸生物生産システム学分野)
❷模擬講義テーマ:発見! これが新種? まだわかっていなかったの ?
❸略歴:東京都立竹早高校卒業・東北大学農学部卒業・農学研究科修了・高知大学助手、東北大学助教授を経て
東北大学大学院教授、東北マリンサイエンス拠点形成事業代表研究者・東北大学リサーチプロフェッサー
❹研究テーマ:遺伝学を基盤とした水の中の生き物の生態を解き明かすこと
❺趣味・好きな言葉:世界の沿岸に生息する生き物の観察、世界の海鮮市場見学
❻講義の概要:水の中の生き物からは次々と新しい種が発見されています。たとえば普通にみられる淡水のスジエ
ビや河口にいるケフサイソガニ、お酒のつまみとして美味なナマコや煮付けが美味しいメイタガレイなど、昔から
日本人が親しんできた生き物たちに新種が続々発見されています。それは形からでは見分けのつかない種類が水
の中にはたくさんいるからなのです。遺伝学を応用することによって明らかにされたそれらについてお話ししましょ
う。また、遺伝学は今、世界中で課題となっている「生物多様性の保全」に大きな貢献を果たしています。生物の
面白さの一角をお話ししましょう。
❼若き参加者への“熱い”メッセージ:面白くなければ研究じゃない。面白さを見つけてこそ研究になる。面白さを
見つけよう。他人に褒められる研究よりも己が納得できる研究を。
MEMO
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Faculty of Agriculture,Tohoku University
OPEN CAMPUS
海洋生物科学コース
海洋生物科学コースは 7 分野から構成されています。それぞれの分野では、海洋や淡水域に生息する動植物の遺伝学的、
生理学的、生態学的および化学的研究が行われています。
分野ごとにブースを設け、教員や学生がそれぞれの研究課題をわかりやすく説明します。また、大津波による沿岸海
洋生態系の変化についても、その概要をご覧いただきます。研究内容だけでなく分野の雰囲気や学生生活等についても
お話しします。珍しい生物の実物や、海洋生物を材料にした製品の展示も行う予定です。
●水圏動物生理学:世界では毎年6000万トンの魚介藻類が養殖生産され、さらに増加傾向にあります。そこで、養
殖生産システムの安定化と高度化を目指し、1)稚仔の安定供給の実現に不可欠な生殖内分泌、2)それに関わる
内分泌撹乱の研究、さらに3)感染症への対策となる自然免疫の研究を進めています。研究のトピックスをポス
ターと画像で紹介します。
●水産資源生態学:多様な生物が密接な相互関係を保ちながら形成している海のコミュニティーにおいて、資源生
物の個体群が増加と減少を繰り返すメカニズムを研究しています。
「海の生きものの生態を知ること…、それは海
の資源を守り、活かす基本です」として、東北沿岸に生息する魚類や二枚貝などの生態の一端をポスターで紹介
します。
●水圏植物生態学:沿岸の岩礁域では、地球上で最も生産力(光合成による有機物の生産速度)の高い海中林と
呼ばれるコンブやホンダワラの大型褐藻が生育し、豊かな生物社会が成り立っています。私たちは、海中林が環
境にどのように応答するのか、ウニなどの植食動物と海中林はどのように関わり合っているのか、海底での具体的
な生活を明らかにする研究を行っています。水中写真によりダイナミックな沿岸岩礁生態系の世界を説明します。
●水産資源化学:「海の恵みの有効利用」をメインテーマに、栄養や健康維持に役立つ成分の解明、水産物の品
質・安全性の簡易測定法や新たな食品加工法の開発などを推進しています。今回は、機能性成分として有名なタ
ウリン、EPA、DHA、スクワレン、そしてワカメより作出した血圧を下げるペプチド、プランクトンから得られた抗が
ん多糖、魚の「活き」の良さがわかる“鮮度チェッカー”などを展示・実演します。また、電磁波を利用した新規食
品加工法を紹介します。
●生物海洋学:小さいけれども、海洋生物の生産を支え、地球環境を左右するプランクトンとベントスという海洋生
態系の底辺に位置する生物の大きな役割について学び、さらにその知識をもとにして、海洋生態系のしくみと地球
環境変動の影響について考えています。それらをパネル展示によって解説し、またそれらの生物を顕微鏡で観察
します。
●沿岸生物生産システム学:私たちの研究室は、牡鹿半島の女川町にあります。海が眼前にあることを最大限に
生かしたフィールド調査や飼育・交配実験、そしてDNA分析により、多様性に富んだ沿岸生物の保全と有効利用
を目指した研究を行っています。女川湾に生息する魚類や無脊椎動物についての最新の研究成果を紹介します。
●海洋生命遺伝情報システム学:水生生物の遺伝および遺伝子情報の生物生産における有効利用を目指し、1)
種や集団の諸特性の遺伝支配解明と遺伝的多様性の保全についての研究、2)発生や発育を制御する分子調節
機構と新しいマリンバイオテクノロジー技術の開発、3)ゲノム情報の有効利用を目指したバイオインフォマティック
ス研究を進めています。研究室紹介では、遺伝マーカーを用いた集団構造の解析例、グッピーの体色の遺伝の仕
組み、ヒラメ・カレイ類の生きた仔魚、緑色蛍光タンパク質を使ったトランスジェニックフィッシュの写真、塩基配
列解析のためのアルゴリズム等を紹介します。
もっと詳しく研究内容や研究室の雰囲気を知りたい人は、お気軽に各分野の解説員にお尋ねください。
東北大学農学部オープンキャンパス 2016
11
模擬講義⑤
❶講師:宮尾 光恵 教授(植物細胞生化学分野)
❷模擬講義テーマ:植物はすごい!地球上の生命を支える植物のはたらき
❸略歴:1957年長野県生まれ。長野県立長野高等学校卒業。1980年東京大学理学部卒業。1985年東京大学大学
院理学系研究科博士課程修了。岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所助手、農林水産省・農業生物資源
研究所主任研究官、研究チーム長、研究ユニット長を経て、2016年より東北大学大学院農学研究科教授。
❹研究テーマ:イネの光合成と窒素同化の制御機構の解明とバイオテクノロジーによる改良
❺趣味・好きな言葉:(最近あまり行けない)温泉旅行、
(いつでもできる)読書。
「為さねば成らぬ(なさねばなら
ぬ)」、
「遺伝子は入れてみないとわからない」。
❻講義の概要:植物は光合成で大気中の二酸化炭素から炭水化物を作ります。光合成が地球上の生命が利用する
エネルギーを作り出す基本的な反応とされていますが、その光合成を支えるのが、主に大地から獲得した無機窒
素を有機物に変える窒素同化反応です。私たちの食糧は、植物のもつこのふたつのはたらきで作り出されていま
す。光合成と窒素同化を概説するとともに、私たちが行っているメカニズム解明と人為的改良を目指した研究を紹
介します。
❼若き参加者への“熱い”メッセージ:「どうしてなんだろう、どうなっているんだろう、どうすればいいんだろう」。
研究を進める上で重要なのはみずみずしい好奇心です。大学ではまず知識を増やし、ゼミや実験を通じて考え方
を学びます。大学で身につけた考え方は、研究の道に進まなくても、社会のさまざまな局面で役立ちます。大学の
卒業研究と大学院では、まだ誰も調べていないことを研究します。実験結果にワクワク、ドキドキしながら一緒に
研究に取り組みましょう。
MEMO
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Faculty of Agriculture,Tohoku University
OPEN CAMPUS
生物化学コース
生物化学コースは、旧農芸化学科の流れを汲む 7 分野(研究室)からなるコースです。それぞれの分野では、バイオ
サイエンス・バイオテクノロジー・バイオケミストリーに関する教育・研究を、微生物・動植物・酵素・生理活性有機
化合物など、多彩な研究対象を用いて行っています。オープンキャンパスでは第 3 講義室に分野ごとにブースを設けて、
パネル展示や解説、模擬実験、体験実験などで分かり易く研究内容を紹介します。研究についてはもちろん、大学生活
一般の質問にもお答えしますので、気軽にお尋ね下さい。
●植物栄養生理学:「生命の源・光合成…そのメカニズムを探る」
窒素の体内利用と作物の成長の研究、様々な環境に対する光合成の調節機構の研究を行っています。今回は
パネル展示による研究内容の紹介と模擬実験を行います。実験の内容は、1.クロロフィル蛍光測定による光合成
電子伝達(明反応)の解析、2.ガス交換によるCO2固定速度(暗反応)の測定、3.SDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動による光合成関連酵素の可視化、を予定しています。
●分子生物学:「KOマウスにより動物遺伝子機能を探る」
ノックアウト・ノックインマウス作製による動物遺伝子機能の、細胞・組織レベルでの研究、或いは個体レベル
での社会行動制御機能の解析研究や、核内に形成されるクロマチンによるゲノム機能制御機構についての分子・
細胞レベルでの解析研究を行っています。パネル展示により、ノックアウト・ノックインマウス作製やその行動解析
の実験例、ゲノムDNAの機能が核蛋白質によって制御される仕組みなどをわかりやすく解説します。
●分子酵素学:「タンパク質の構造・機能から病気の発症機構にせまる」
生体を構成する基本単位であるタンパク質をナノレベルからヒトでの機能の解明まで幅広く研究しています。タ
ンパク質の結晶を作って、その細やかな立体構造を解析すること、ノックアウトマウスを作成して、タンパク質の生
体でどのような働きをしているのかを研究しています。目標は、ズバリ、癌やアルツハイマー病を治す薬を作ること
です。今回はパネル展示などにより最先端の成果を分かりやすく紹介します。
●応用微生物学:「微生物の多彩な機能を利用する」
微生物(細菌やカビなど)や細菌ウイルス(ファージ)が持っている多彩な代謝系と優れた物質生産能に関し
て、生化学的、分子生物学的な基盤メカニズムを究明し、それらの機能や生産物(糖質、タンパク質、核酸、脂
質、生理活性物質)を農業、食品、化学、環境、健康分野に応用する事を目標に研究を行っています。今回は、ト
ピックのいくつかについてパネルと展示で紹介します。
●生物有機化学:「匂いをつくろう フェロモンって不思議」
昆虫フェロモン、昆虫摂食阻害物質、抗生物質、抗ガン物質、植物ホルモン、香料など、微量で生物の働きをコン
トロールする有機化合物を化学合成し、その生物学的働きを明らかにすることを目的に研究しています。パネル展
示による研究内容の紹介、匂い物質の合成の体験実験を行います。
●植物細胞生化学:「食をささえるイネにおける窒素利用の研究:ゲノム・遺伝子からフィールドまで」
イネの窒素利用に関する機能解析、イネの窒素代謝に関する分子生理学、トランスジェニックイネによる植物遺
伝子の研究を行っています。パネル展示による研究内容の紹介などを行います。
●遺伝子情報システム学:「麹菌・酵母のゲノム科学から産業応用へ」
醤油、味噌、日本酒などのわが国の伝統的醸造食品製造に必須の「麹菌」と、アルコールやパン製造に必須の
「酵母」を対象とした研究を実施しています。具体的には、麹菌のデンプン分解酵素やタンパク質分解酵素など
の遺伝子の発現制御機構、酵母および麹菌による有用タンパク質生産、麹菌のゲノム機能学研究などを行ってい
ます。パネル展示による研究紹介、研究に関連した微生物の展示などを予定しています。
東北大学農学部オープンキャンパス 2016
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模擬講義⑥
❶講師:都築 毅 准教授(食品化学分野)
❷模擬講義テーマ:和食は長寿食!? ~食品栄養研究の面白さ~
❸略歴・出身高校:東海高校(愛知県)
略歴:2005年東北大学大学院農学研究科博士課程後期3年の課程修了 博士(農学)、2005年宮城大学食産業
学部助手、2007年同助教、2008年東北大学大学院農学研究科准教授、現在に至る。
❹研究テーマ:老化性疾患やがん、生活習慣病などの予防に貢献できるような食事や食品を示したり、妊娠・授乳
期の母親の栄養状態が子どもに与える影響などについて調べています。特に、和食(日本食)の健康機能に注目
して研究を行っています。
❺趣味・好きな言葉:フルート、ファゴット、音楽演奏・
〝できるまでやる″何事も続けていれば、それなりになるもの
です。
❻講義の概要:日本人の平均寿命は伸び続け、世界有数の長寿国として知られています。日本人は寿命が長いだけ
でなく、自立して生活できる期間を示す健康寿命も長いことが知られています。日本人が健康長寿である理由は、
欧米人と異なる特徴的な食生活のためと考えられており、日本人の食事は世界から健康食として注目され「和食;
日本人の伝統的な食文化」と題して、2013年12月にユネスコ無形文化遺産に登録が決定しました。日本人の食事
「日本食」は、米を主食とし、魚、野菜、大豆などの食素材、出汁や味噌、醤油といった調味料が伝統的に使わ
れ、近年では、肉、牛乳、油脂、果実も加わり、多様な食素材を使用し、健康維持に有効な成分を数多く含んでい
ると考えられています。本講義では、日本食の健康有益性に関する話を通じて、食品栄養研究の面白さを伝えた
いと思っています。
❼若き参加者への“熱い”メッセージ:「大学で何を学び、社会でどう働くか」を考えたとき、
「科学の真理を探究
したい」
「人類に貢献したい」という熱い思いがあるならば、是非、食と健康の分野に来てください。一緒に研究し
ましょう。
MEMO
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Faculty of Agriculture,Tohoku University
OPEN CAMPUS
生命化学コース
生命化学コースでは次のような展示や模擬実験を企画しています。
●天然物生命化学:「天然界に生理活性物質を求む!」:私たちは、食中毒の原因になる天然毒やヒトに作用する
天然成分についての研究を行っています。その代表格であるフグ毒や貝毒、海綿の毒などが、どのように生産さ
れ、生物に蓄積されるかについて研究しています。また、天然界から新しい生理活性物質(酵素を含む)を発見し
ようと日々研究に励んでいます。これまでの成果をわかりやすく紹介します。
●栄養学:「疾病の予防への栄養学・生命科学研究の貢献」:当研究室では、ビタミンなどの栄養素や食品成分中
の生理活性物質がどのようにからだの機能と健康の維持に働いているかを、生理学的、生化学的、さらには分子
生物学的な手法で解析する研究と教育を行っています。今回は、疾病モデル動物の糖・脂質代謝を改善する食品
成分、抗炎症作用を有するビタミンおよびヒト苦味受容体の個人差と食物の嗜好性についての展示を行います。
●食品化学:「食品の健康機能」:近年、日本人の平均寿命は世界のトップレベルで、生活習慣病に罹っている人
が増加しています。生活習慣病を予防するという観点から、食事の質や量、食品の健康機能、食習慣および生活
習慣の重要性が指摘されています。私たちは、これらに関連した基礎的研究を行うことで、生活習慣病の予防に
寄与することをめざしています。展示では、食事が我々の健康に与える影響に関する研究成果を紹介します。
●機能分子解析学:「一目でわかるからだの老化度」:私たちは、最先端の分析機器を用い、食品成分の生理機能
を、培養細胞試験、動物試験により、分子・細胞・個体レベルで解き明かし、人類の健康増進に役立つ食品の研
究を行っています。今回は、私たちの研究室で開発した過酸化脂質の分析法を紹介します。脳などの細胞は老化
すると老化物質である過酸化脂質を蓄積します。模擬実験で過酸化脂質が発光する様子を体験しましょう。
●テラヘルツ生物工学:「米粉の性質を知り、利用に生かす」:食料自給率を上げる方策のひとつとして米粉が注
目されています。米粉を利用し産業化していくことを目標に、米粉の微細構造や性質を調べてその適性を定量的
に評価する方法について検討した研究を紹介します。研究室では、食品製造プロセスで併発する現象の定量的
予測と、装備・システム・品質の設計・制御に関する諸問題を、幅広い視野から取り上げています。
●生命素子機能:「食料・生命分子として働くタンパク質の不思議」:私たちは、タンパク質の構造と働きの関係を
調べて、生命の成り立ちの解明、健康増進に効果のある食料の開発、そして資源の有効利用に役立つ研究を行っ
ています。ヒトの遺伝子には約10万種類のタンパク質の設計図が収められていますが、詳しい働きは謎のままで
す。当研究室の展示や模擬実験では、この多様で不思議なタンパク質のことを皆さんに紹介する計画です。
●分子情報化学:「化学の力で薬をデザイン」:天然の動植物からは多彩な生物活性を有する有機化合物が数多
く見つかっています。私たちの研究室では、有機化学と生物活性に関する理解に基づき、新たな有用化合物の創
出を目指し天然有機化合物の化学修飾・合成研究を行っています。今回は、私たちの研究成果のポスター展示と
簡単な実験のデモンストレーションを行います。
●生命構造化学:「有機化学から生命科学へ」:私たちの研究室では、海洋生物由来の有機化合物の中でも、抗
がん剤やH IV治療薬などの「種」になる、役に立つ天然有機化合物の完全化学合成や、さらに薬効の高い化合
物の探索を行っています。また、どのようにしてこれらの化合物が「効く」のかを探ることで、重要な疾病の原因と
なる生命現象を化学で明らかにしていく研究も行っています。
●活性分子動態:「植物が作り出す多様な活性分子のはたらき」:私たちの研究室では、植物が自らの成長を制御
するための活性分子である「植物ホルモン」を研究しています。植物ホルモンは、食料としての植物の性質やその
生産性に大きな影響を与えます。私たちは、植物ホルモンがどのように作られ、どのように働くのかを分子レベル
で明らかにすることを目標に、日々研究に励んでいます。
東北大学農学部オープンキャンパス 2016
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■東北復興農学センター(TASCR)
~東北の農業復興と、日本の農業新生を目指して~
本センターは、被災地の農業・農村の復興を先導する人材育成や、今後懸念される大規模自然災害・環境劣化・
感染症等の諸課題を学際的視点から教育・研究することを目的に平成26年4月に設立されました。
講義及び実習を経て、復興農学マイスター(CAR)、IT農業マイスター(CAIT)、復興農学ジュニアフィールド
スペシャリスト(JFS)、復興農学フィールドスペシャリスト(FS)の資格を農学研究科で認定します。これらの資
格は日本で初めてであり、復興庁宮城県復興局から後援を受けながら、特色ある教育カリキュラムを実施してい
ます。設立3年目となる今年度は、約80名の学生(東北大学他学部・他研究科、他大学含む)、社会人の受講生
(宮城県内外)を迎えて開講しました。
本日は多岐に渡る教育カリキュラムと、これまでにマイスターを取得した第1期生・2期生の活動について紹介し
ます。
東北復興農学センターのホームページも合わせてご覧下さい。http://www.tascr.agri.tohoku.ac.jp
復興農学講義の様子(雨宮キャンパス)
復興農学フィールド実習の様子
(宮城県岩沼市・千年希望の丘)
■食と農免疫国際教育研究センター
-“農免疫”を基盤とした農畜水産物の健全育成とフードセーフティシステムの創出-
本センターは、作物、畜産、水産など農学分野が対象とする主要研究領域において免疫機構に関する研究を分
野横断的に展開することにより、生物が本来有する機能を活用した薬に頼らない農畜水産物の健全育成および
生産された食品の安全性・機能性について、総合的に診断・評価する新たなシステムの開発を行うことを目的に
平成27年4月に設立されました。組織は「農免疫」、
「安全・機能評価」、
「社会連携」および「企画管理」の4部
門からなり、アメリカとオランダなどの先導的トップクラスの連携海外拠点へ若手研究者・院生を派遣して研究交
流を推進し、新学問領域「食と農免疫」研究を担う次世代のグローバル人材を育成します。
当日はセンターの組織や取り組みについてパネル展示などを通し分かりやすく紹介します。
*センターURL:http://www.agri.tohoku.ac.jp/cfai/
第1回CFAI国際シンポジウム「Creation and future trends in food and agricultural immunology」
(平成27年12月12日 東北大川内北キャンパス・マルチメディア教育研究棟)
16
Faculty of Agriculture,Tohoku University
OPEN CAMPUS
■文部科学省事業「東北マリンサイエンス拠点形成事業」
~豊かな海へ 科学の力で~
東北マリンサイエンスプロジェクト
東北大学農学部・農学研究科は、壊滅的被害を受けました東北地方太平洋沿岸の人々の生活復興のために、
漁業や漁業関連産業の基盤となる海洋生態系の状況を科学的に明らかにし、科学の力と漁業者の経験を融合さ
せ、産学官共に東北の豊かな海を取り戻す活動をしています。
この事業は、東北大学の復興アクション8大プロジェクトの一つであり、震災後5年が経過し、多くの成果が得
られてきました。その成果を国連防災世界会議や各地のシンポジウムで発表しています。
オープンキャンパスでは高校生の皆さんに、国連防災世界会議での報告を含め、東日本大震災による海の環境
や生態系の被害状況、そして科学的研究と漁業復興への道程についてわかり易くお話しします。セミナー室1で
待っています。
http://www.agri.tohoku.ac.jp/teams/index.html
http://www.i-teams.jp/
講演と討論(4 回)
7/27・28
11 : 00 〜 11 : 45
農学部
セミナー室1
15 : 00 〜 15 : 45
潮間帯生物調査風景 技 術 部
技術部では、高度な専門知識をもとに教育研究に関する技術的支援を行っています。以下の 3 地区に分かれ、連携や
交流を図りながら、相互の教育研究環境の整備・充実化を目指しています。
・雨宮地区
実 験 演 習 班:6コース(植物生命科学コース、資源環境経済学コース、応用動物科学コース、海洋生物科学
コース、生物化学コース、生命化学コース)において、学生実験・演習の技術的支援を行っています。
共 通 施 設 班:放射性同位元素(RI)実験棟、植物環境応答実験施設、大型機器分析室(NMR, MS)、電
子顕微鏡室、圃場管理室、広報情報室、動物飼育実験棟で専門的業務に従事しています。
・川渡地区
環境基盤整備科:家畜の飼料生産,機械の点検整備や補修,環境整備等を行っています。
環 境 農 林 科:畑作物、果樹、水稲の生産管理や技術開発を行っています。
環境福祉畜産科:乳牛・肉牛及び緬羊の飼養管理や技術開発を行っています。
教育研究支援科:教育研究支援および開放講座・総合学習等の企画運営を行っています。
・女川地区
女川フィールドセンターでの建物等施設全般の維持管理、および配置されている調査実習船「翠皓」と作業船
「海生」の運航や保守管理、ならびに教育研究支援を行っています。
講義棟 2 階の大学院演習室において、以下の展示・企画を行います。お気軽にお越し下さい。
・入学後の学生生活や、3年次の学生実験の紹介
入学してから研究室配属前までの学生生活をイメージしてみましょう!
・附属複合生態フィールド教育研究センターで行っている教育研究支援業務の紹介
広大なフィールドの様子をお伝えします!
・共通施設(実験圃場、電子顕微鏡室)の見学ツアー
農学部の教育・研究の現場をのぞいてみませんか?
東北大学農学部オープンキャンパス 2016
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交通アクセス
交通アクセス
1 キャンパス間シャトルバス(無料)
Cコース 川内キャンパス⇔星陵キャンパス(歯学部)⇔雨宮キャンパス(農学部)
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「上杉二丁目・農学部前」時刻表
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県庁・
市役所
経由
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駅
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分)
2 仙台市営バス
10
分)
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分)
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(約
歯学部
(川内行き)
(約
農学部
(約
歯学部
(農学部行き)
(約
川内萩ホール前
川内
萩ホール前
(降車)
3 仙台市営地下鉄
「北四番丁駅」時刻表
行先
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仙
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キャン パ ス マップ
OPEN CAMPUS
東北大学
農学部・農学研究科
下
南北線
地下鉄
通
上杉
愛宕
仙台駅
下
晩翠通
園通
西公
下
下
農学部新棟
(平成 28(2016) 年秋
完成予定)
下
い
北
学農学部・農学
ま
線
幹
新
北
東
線
本
北
東
広瀬川
通
番丁
東二
番丁
東二
東北大学
川内北キャンパス
東北大学農学部
オープンキャンパス
会場案内図
1 階
2 階
控室
機械室
第1講義室
第1講義室
WC WC
●農学部の概要紹介、模擬講義
身障者用
トイレ
第1講義室(講義棟2階)
受付
第8講義室
大学院演習室
アンケート
提出場所
●ポスター展示、模擬実験
▶植 物 生 命 科 学 コ ー ス:第 4 講義室 (講義棟2階)
▶資源環境経済学コース:第 9 講義室 (講義棟2階)
▶応 用 動 物 科 学 コ ー ス:第10講義室 (講義棟1階)
▶海 洋 生 物 科 学 コ ー ス:第 5 講義室 (講義棟2階)
▶生 物 化 学 コ ー ス:第 3 講義室 (講義棟1階)
▶生 命 化 学 コ ー ス:第6・7講義室 (講義棟2階)
▶技 術 部:大学院演習室 (講義棟2階)
▶東 北 復 興 農 学 セ ン タ ー :セミナー室2(講義棟1階)
▶東北マリンサイエンス拠点形成事業:セミナー室1(講義棟1階)
▶食と農免疫国際教育研究センター:第10講義室 (講義棟1階)
セミナー室1
ピロティ
第7講義室
コンピュータ
演習室
第6講義室
第9講義室
セミナー室2
第10
講義室
広報 国際交流
情報室 支援室
キャリア形成
支援室
●入試相談コーナー
第2講義室
国際交流支援室(講義棟1階)
第3講義室
第5講義室
ホール
第4講義室
●青葉山新キャンパス建物紹介
大学院演習室(講義棟2階)
北 八 番 丁
N
堆肥舎
飼料室
実験圃場
動物飼育舎 堆肥舎
鶏舎
温室用
ボイラー室
プレハブ
ポット置場
倉庫
水産生物飼育実験棟
第二研究棟
第一研究棟
講義棟
パワー
センター
除外施設
食堂・売店
(厚生施設)
自転車置場
避難場所
飼育水槽
温室
附属図書館
農学分館
駐車場
温室
通
山 杉 上 通
堤 研究実験棟
第三
温室
動物飼育実験棟
研究実験棟
第四
便所
ガラス室
ガラス室
ガラス室
講堂
食品加工実験棟
ガラス室
ズートロン
研究実験棟
第一
小動物環境制御室
受 付
アンケート提出場所
研究実験棟
第二
学生
談話室
テニスコート
RI実験棟
管理棟
MRI室
自転車置場
防火水槽
本館
植物環境応答
実験施設
シャトルバス乗降場
自転車置場
テニスコート
正門
(入口)
北 六 番 丁
「堤通雨宮町」
再生紙を使用しています。
「堤通雨宮町」
※食堂・売店は、自由にご利用下さい。
守衛所
車庫
光合成
培養室
研究実験棟第五
駐車場
培養室
※仙台駅方面乗り場
仙台市営バス/バス停
「上杉二丁目・農学部前」