No1

2.中世の都市デザイン(Urban Form)
都市デザイン史
2ー1.西洋の城郭都市と都市広場 No.1
主題科目(第2分野)
1.中世都市
(1)中世について
■ 制・・・領主、
⇆ 、 ■西洋では、ほぼ 世紀末ゲルマン民族の移動から
世紀半ば百年戦争終結に至る時期
■中世都市の類型:
・ を中心とした 都市
・僧院を中心とした 都市
・計画的に築かれた 都市
・交易や商業による 都市(自治権)
(2)空間構成のキーワード
■ と防御
・ から城郭都市へ
・ ■善の象徴としての「都市 」(囲繞(いにょう))
図1 中世の村
1〜6:農家とその保有地
7:領主邸とその直営地
井戸・教会堂・池は村民の共用。
領主は領内の治安・行政・裁判を担当し、外部からの攻撃に対して村民を
保護する。その代償として、村民は各種の労務や農産物を提供する。
・都市壁の三要素: 、 、
■不明瞭な 線
・飛び 、通り抜け
■ 図2 中世城郭都市の床狭間
破城槌から基礎を守るために発明され
た。
図3 クラック・デ・シュヴァリエ
シリア、12 〜 13 世紀初期
(上)鳥瞰図、(下)平面図
図4 カルカソンヌ市、フランス Carcassonne
現存する最も大規模で完備した中世の武装都市。オード川に臨む丘上の町で、地中
海とトゥールーズを結ぶ要路上にあり、1世紀にはローマの武装植民地であった。
・特に 発生的な自由都市
・ 的な尺度 ⇒ 適度な空間
2. 都市(武装都市)
(例)
、フランス
・現存するもっとも大規模で完備した 都市
・二重にめぐらした ・2箇所だけの ・外側城壁の塔…市内側を した構造
・城… と城壁で隔たれる
3. 都市
・ や を中心に自然発生的 ⇒ ・ヒューマンスケール
(例1)フィレンツェ、イタリア
・ を中心とした都市構成
による町
・ 広場
大聖堂(1296 年起工)
図5、6 フィレンツェ、イタリア
古代エトルリア文明が栄えた州都で芸術の都。
ドゥオモ広場には、大聖堂(1296 起工)や鐘塔 (1334-87)
などがある。
大聖堂のドームは建築家フィリッポ・ブルネルレスキ
(1377-1446) が 1418 年に設計した。鐘塔はジョットー設
計。
シニョーリア広場には、ヴェッキオ宮、ウフィツィギャラ
リーなどがあり、広場のあり方を教えてくれる。
図8 カンポの広場の平面図
1298 〜 1681 年。
市庁舎は、ローマ時代の劇場のあった半円形の盆
地状広場の舞台側に 1298 〜 1310 年ごろ建てら
れた。
町の主要道路は市庁舎のある広場から放射状に配
置されており、広場に面する建物は都市景観上、
市庁舎に準じた外観とするように当時すでに規制
されていた。
ドームは建築家ブルネルレスキ (1418) による。
二重の殻
・ 広場
⇒広場造形の原則
自由な広場 不規則な形態
に置かれる彫像
(例2)シエナ、イタリア
・ を中心とした都市構成
制が機能した町(9区からなる自治組織)
・ の広場
共和制の象徴
写真2、3 カンポの広場(シエナ、イタリア)
図7 シニョーリア広場の平面
像は広場中心から避けて置かれている。
像への視線を意識した道路配置が分かる。
写真1 シニョーリア広場
フィレンツェ、イタリア
塔がある建物がヴェッキオ宮。
カッシア街道に近い原っぱ(カンポ)に立てられた市が起原。シエナは最後まで共和制が機能
したコムーネであり、ノーヴェ(九)と呼ばれる九人制の評議制が市の運営を行った。広場は
石の帯で9つに区切られているが、これはその象徴でもある。
(上)塔の建物が市庁舎 (下)パリオ(馬追い競技)