ヤギ乳と牛乳の比較

北畜会報
4
8:7
9
8
4,2
0
0
6
技術レポート
ヤギ乳はヒトにやさしい
ヤギ乳と午乳の比較
田中桂一・佐藤響太
(財)北海道農業企業化研究所,北海道樺戸郡浦臼町
して飼育管理し,搾乳,処理したヤギの乳はほとんど
1.はじめに
ヤギは全世界で毎年,
0
6
1
0
6
0
0
嫌な臭いはなく,また,ヤギ乳から製造したチーズ,
2"-'3%,アジアでは 4 %,
アメリカでも 1 %増加している.なかでも韓国ではヤ
ヨーグルト,アイスクリームなどの乳製品も牛乳から
のそれらとは一味違った美味しいものである.特に,
ギ飼育が活発になり, 1
0%以上増加を示し,現在,約
ヤギ乳チーズは午乳チーズより淡白なものが多いが,
5
0万頭飼育されている.一方
独特の風味があり,チーズの初心者には食べやすい種
日本では昭和 3
0年頃の
0万頭も飼育されていたが,現在では
ピーク時には約 7
類が多いと思う.わが国においても僅かではあるが,
2"-'3万頭と僅かしか飼われていない.
山羊乳チーズの愛好者が増えており,デパートのチー
表 1に1
9
8
0年から 1
9
9
9年までの 2
0年間の世界の家畜
ズコーナーにはフランスなどから輸入したヤギ乳チー
飼養頭数と乳生産量の変化を示したが,ヤギの飼養頭
ズが目に付くようになってきた.圏内でも飲用ヤギ乳
の生産,ヤギ、乳チーズの製造販売が小規模で、あるが始
数が 5
0%以上と最も増加しており
それに伴ってヤギ
乳生産量も大きく増加している.さらに,ヤギ乳は開
められている.
発途上国ではほとんどが自家用で正式なデータがない
本稿では,ヤギ乳はいかに栄養的に優れたものであ
ために,実際の生産量はFAOの統計より多いと推定さ
つにヤギ乳
るかを紹介し,乳および乳製品の選択肢の l
れている.
およびその乳製品が加えられ
ヤギ乳の消費拡大を図
ヤギは主に開発途上国の人々に乳と肉を提供してき
り,牛に比べて低質な飼料,未利用資源である作物残
た,いわゆる“貧しい人々の牛"として飼育されてい
溢,農業副産物,山林・原野,遊休地などを有効利用
る.一方,フランスや地中海沿岸の国々ではヤギ乳は
できる可能性のあるヤギを産業動物として見直される
チーズやヨーグルトなどの乳製品として,牛乳の乳製
ことを願うものである.
品とは異なった風味を持つものとして古くから愛好さ
れている.この傾向は
2
. ヤギ乳の栄養学的な研究(牛乳アレルギー
にヤギ乳は効果があるのか)
経済の繁栄に伴って生活が豊
かとなり,食通家が多くなり,グルメ化を促し,ヤギ
乳チーズなどの消費がアメリカなどで盛んになり,
ヤギ乳がヒトの栄養面で優れていることは主に経験
ヨーロッパからのヤギ乳製品の輸入が年々多くなって
的なことに基づいて言われていた.ヤギ乳がヒトの栄
おり,高級食料品としてヤギ乳製品が評価されている.
養および、健康面で最初に注目されたのは牛乳タンパク
ヤギ乳のもう 1つの利用は,午乳アレルギーや消化
質による食物アレルギーがヤギ乳では発生しにくいと
いう報告からである (
W
a
l
k
e
r
,1
9
6
4
)
.
器系の弱いヒトの悩みを解消させるということでアメ
牛乳アレルギーの発生率はアメリカでは 1
,
0
0
0人に
リカなどの開発国において認識され,開発途上国の"貧
l人といわれているが
しい人々の牛"とは全く異なったものであり,現在,多
くの国のヒトによって求められ,需要が増大している.
国や年齢によって異なってい
る.牛乳には動物実験によって抗体が示されている 1
8
わが国では,ヤギ乳やその乳製品に関してはほとん
種類の異なったタンパク質が含まれており,そのなか
ど認識されていない.さらにヤギ乳やヤギ肉は臭いと
で s-ラクトグロブリンは人乳には含まれていないの
いう先入観を多くのヒトが持っており,観念的に嫌
で,牛乳中で最も問題になるタンパク質と思われたが,
がっているヒトも多い. しかしヤギ乳には不快な臭い
その後の研究では s-ラクトグロブリンとカゼインの
はない.ヤギ乳は周辺の臭いを吸着する性質が強く,
アレルギー誘発性には差がなく (BUERGIN-WOLFFら
,
ヤギの体臭(特に雄ヤギの体臭は強烈),舎内の糞尿臭
1
9
8
0
;TAYLOR, 1
9
8
6
),アレルギー誘発性はホエータ
やサイレージなどの臭いを吸着するためである.注意
ンパク質よりカゼイン (αsーと
s
-カゼイン)に対し
ての方が大きく,特に, αs1 カゼインがアレルギー誘
受理
2
0
0
5年 1
1月2
4日
発物質であることが報告され, このカゼインを含んで
-79-
田中桂一・佐藤響太
いないヤギ乳ではアレルギーは少ない (KAISER,1
9
9
0
)
.
牛乳アレルギーは 3
歳までの幼児の 2.5%が持ってい
るといわれ,
3歳以下の幼児では 1
2
"
'
3
0
%,スカンジ
ラビアでは 7"-'8%,地域によっては 20%と高い.イ
タリアでの調査でも 2歳以下の幼児の 3%が牛乳アレ
0年以上
ルギーであるといわれている.フランスでは 2
表 1 世界の家畜数と年間ミルク生産量
1
9
8
0年と 1
9
9
9年の比較 (
F
A
O,2
0
0
1
)
1
9
9
9
1
9
8
0
家畜頭数(10
0万頭)
ヤギ
水牛
ブタ
ウシ
ヒツジ
にわたって牛乳アレルギー患者の臨床研究で牛乳をヤ
十5
5
十3
0
十1
5
+
10
3
MM
TI
n
u
、
、
﹄
A
nxuρnuaAτ 向 FhM
Fbqδ1ilT
﹃
十 lT1+
A斗
E
唱 Aaバヨnuυρnu
QU90Rd ワ
臼
lqoρonu
旬
,unHUAHvnxu
n
IRUOO
市
・
・
nHunnua4A 門4
9unuυqdoo
d 斗A
ワS 9 U A U n δ
﹃
円 7
ηiS4 δ
AA 9 山
,1
9
9
7
;GRZESIAK,
して推奨されている (REINERTとFAB悶
1
9
9
7
). 日本の幼児では鶏卵,牛乳,大豆が三大アレル
ゲンといわれており 平成 9年厚生省の食物アレル
/t
く,消化性が良いととから子供の栄養に優れていると
nU
AHU
4
E
E
A
が認められ,ヤギ乳は牛乳に比べてアレルギーが少な
量
ミ
ー
産
生ギ牛シジ
クツ
ルヤ水ウヒ
ギ乳に替えることで牛乳アレルギ一子供の 93%に改善
7
1
0
1
5
9
9
1
3
1
3
3
8
1
0
6
9
4
5
8
1
2
2
7
9
6
1
2
1
6
1
0
9
6
増減(%)
ギ一対策検討委員会によるアンケート調査では 3歳児
に餌の一部として牛乳の代わりにヤギ乳を給与すると
で8.6%,小学 l年生で 7.4%,5
年生で 6.2%,中学 2
消化率,鉄や銅の吸収が有意に改善され,貧血予防効
年生で 6.3%,成人でも 9.3%と高い擢患率を示してい
果が観察され,さらに脂肪吸収や体重増加が牛乳給与
る.乳幼児に多く見られる牛乳アレルギーの対策とし
時より優れていた (B波 町ONl川EVOら
, 2
0
0
2
)
. ヤギ乳
て,カゼインを加水分解したミルク,アミノ酸合成乳
と牛乳中の脂肪球の大きさは 1以下から 10μmの範囲
あるいは大豆乳が利用されているが,大豆乳は大豆自
内であるが,ヤギ乳は牛乳に比べて小さなサイズの脂
体の抗原性が強いため,大豆に対する過敏性を誘発す
肪球の占める割合が多い.小さな脂肪球は表面積が大
る可能性がある.牛乳アレルギーはヤギ乳によって,
きく,消化管内でリバーゼ作用を受けやすく速やかに
3
0
"
'
4
0
%が解決したとする報告,幼児 5
0人中 4
9人がヤ
分解されるためにヤギ乳脂肪のほうが牛乳のそれより
ギ、乳によって効果があったとの報告もある (HAENLEIN,
9
9
6
)
.
消化率が高いのであろう (JANDAL, 1
わが国ではヤギ乳に関する臨床研究はほとんどなさ
2
0
0
4
) ので,わが国でも乳幼児の人工ミルクにヤギ乳
れていないが,アルジエリアでは栄養失調の 6
4人の幼
の利用を考えたらどうだろうか.
児に牛乳に替えてヤギ乳を飲用させると,小腸で、の脂
肪吸収率が有意に改善されたという報告,またマダガ
3
. ヤギ乳は牛乳より栄養的に優れている
スカルでは栄養失調で入院中の 1から 5歳の幼児, 3
0
ヤギ乳が午乳に比べて栄養的に優れているという研
人に通常の食事の他に牛乳かヤギ乳のどちらかを 2
週
9
5
2年に 3
8人の子供に 5ヶ月間ヤギ乳か牛
究は古く, 1
間飲用させた結果,体重増加はヤギ乳の方カ1'9%優れて
乳を飲用させて実験した結果,牛乳に比べてヤギ乳を
.5
3士1.37g/体重kg/日,午乳 7
.
8
2:
1
:
いた(ヤギ乳 8
飲用した子供の体重,身長,骨格,さらに血清中のビ
1
.93g/
体重kg/日)として,ヤギ乳の飲用を推奨して
タミンA,Bl,B2,ナイヤシン, Caおよびヘモグロビ
, 1
9
9
3
)
.
いる (RAZAFINDRAKOTOら
ヤギ乳,牛乳,人乳の成分組成の比較は日本食品標
ン濃度が勝っていたことが報告された (MACK,1
9
5
2
)
.
準成分表を参照されたい.
その後,ラットでも同様な結果を得ている (PARKら
,
1
9
8
6
).
小腸末端を 50%切除し,栄養失調状態にしたラット
表 2 ヤギ乳および牛乳タンパク質の比較
牛乳
ヤギ乳
乳中
総タンパク質中
カゼイン中
乳中
1
8
6
1
2
3
-80-
3
.1
2
.6
0
.
9
O
.3
1
.0
0
.
4
8
4
2
9
1
0
3
2
1
3
O
.5
O
.1
O
.3
O
.1
1
6
3
1
0
3
F円
UAHUnHUFhd
q o 1 i A 吐 1i
戸
0
.
4
O
.1
,
ヮ
0
.
6
O
.2
8
2
3
2
1
4
2
1
5
FhdFhdnHUAHU
U hU9u
ホエータンパク質
αーラクトアルブミン
。ーラクトグロブリン
血清アルブミン
3
.
3
2
.
7
.
o1
O
.7
1
.4
O
.5
カゼイン中
(
%
)
(
%
)
総タンパク質
総カゼイン
α
s
!
-カゼイン
α,
2- カゼイン
βーカゼイン
κーカゼイン
総タンパク質中
ヤギ乳と牛乳の比較一
ヤギ乳と牛乳の各種アミノ酸含量の比較を表 3に示
4
. ヤギ乳中タンパク質
した.牛乳同様,非常にアミノ酸バランスが優れてい
ヤギ乳タンパク質はカゼインとホエータンパク質で
る.また 1
0種類の必須アミノ酸のうち 6種類のアミノ
あり,カゼインは α一, s
-, κ-および γ-カゼインか
酸(セレオニン,イソロイシン,リジン,シスチン,
ら,ホエータンパク質は αーと 3ーラクトグロブリンか
チロシン,バリン)がヤギ乳のほうが牛乳より高い
ら構成されており,牛乳タンパク質と類似している(表
(
P
O
S
A
T
IとORR,1
9
7
6
)
. 特に, 50%以上も牛乳より多
2).しかし遺伝的な形質や出現頻度は牛乳とは異
く含有しているシスチンはタウリンの前駆体で注目す
なっており,構成しているカゼイン組成は非常に異
)
べきである.牛乳中タウリン含量 (2μmole/100ml
s
l
-と
なっている (MART
悶
, 1
9
9
3
)
. α-カゼインは α
は人乳にくべて著しく低い.そのために新生児に母乳
α
s
2ーがあり,牛乳の主要 α
s
ーカゼインは αuーカゼイン
である.一方,ヤギ乳では α。-カゼインを多く含有
し
, α叫ーカゼインは僅か,あるいはほとんど含有して
の代わりに牛乳を飲ますとき,合成タウリンを添加す
ウリン含量はほぼ人乳と同レベルの 113μmole/100ml
ることもある (HUXTABLE,1
9
9
3
).一方,ヤギ乳中タ
いない. この α-カゼインタイプの違いはタンパク質
程含まれている (HARZER,
ら1
9
8
4
;MEHAIA と Al-~屯NHAL,
アミノ酸鎖中のアミノ酸配列の違いであり,それがア
1
9
9
2
)
. タウリンはヒトの体液や組織中に広く分布し
レルギー,消化性,チーズの特性,ヤギ乳製品の味覚
ており,栄養失調,ストレス,遺伝的な欠陥など以外,
s
lーカゼ
に反映している (RYSTADら 1
9
9
0
).牛乳中 α
通常では欠乏症はみられない.しかし,新生児の発育
インの分解によって生成するペプチドには苦味がある
や脳の発達にはタウリンは重要な成分であり,幼児や
が,このカゼイン濃度が低いか全く含有していないヤ
老人は生体内でのタウリン合成能力が劣っているため
ギ乳チーズは牛乳チーズよりも苦味が少ない (
P
E
L
I
S
S
I
E
R
に,食事として摂取することが望ましい (HUXTABLE,
とMANCHON,1
9
7
6
) だけでなく
ヤギ乳はアレルギ一
発症が低く,レンネット凝固に時間がかかり,生成す
1
9
9
3
).このこともヒトの栄養にとってヤギ乳が優れ
ていることを示す実証的なデータの lつである.
るカードは柔らかくヒトの消化性は良く,また熱に安
栄養素の吸収障害ラットでは小腸からの銅吸収がヤ
定である (
A
M
B
R
O
S
O
LIら
, 1
9
8
8
)
. その他,ヤギ乳中に
ギ乳によって改善されたことが報告され,このことは
は Oーカゼインを牛乳より多く含有しており,そのた
ヤギ乳中のシステイン(シスチンから作られる)含量
めに浮遊しているカゼインミセルも牛乳とは著しく異
なっており,ミセルサイズは小さく(ヤギ乳:8
0
n
m
以
(83mg/100g) が牛乳のそれ (28mg/100g) より高い
ためであろう (BARRIONUEVOら
, 2
0
0
2
)
.
.51飲用することで成人 1日 1人当りの必
ヤギ乳 O
下,牛乳:平均 1
5
0
n
m
),完全に凝固,沈殿する速度は
悶 E
S
S,1
9
8
0
)
.
遅い.また, CaとP含量が多い (
J
E
須アミノ酸推奨値を満たすか超えることになる
9
6
8
)
.
(NRC, 1
表 3 ヤギ乳および牛乳中タンパク質のアミノ酸含量
ヤギ乳
牛乳
(g/100gm
i
l
k
)
必須アミノ酸
トリプトファン
セレオニン
イソロイシン
ロイシン
リジン
メチオニン
シスチン
フエニルアラニン
チロシン
バリン
.
o044
.
o163
.
o207
0
.
3
1
4
.
o290
.
o080
.
o046
.
o155
.
o179
.
o240
(
%
)
ヤギ乳脂肪の脂肪酸組成は牛乳のそれとは異なって
.
o046
0
.
1
4
9
.
o199
.
o322
0
.
2
6
1
.
o083
.
o030
.
o159
.
o159
.
o220
5
. ヤギ乳中指肪
牛乳との差
おり,それぞれの乳脂肪の脂肪酸組成を表 4に示す.
+9
+4
ヤギ乳は牛乳に比べてC
6
:
0から C
I
0
:
0の中鎖脂肪酸およ
十1
1
C
I
0
:
0は 著 し く 高 い . 一 方 長 鎖 飽 和 脂 肪 酸 の C
1
6
:
0と
十5
3
十1
3
+9
び多価不飽和脂肪酸 (PUFA) のC
1
8
:
2が高く,特に,
C
1
8
:
0は低い.中鎖脂肪酸 (
C
6
:
0
"
"
C
1
2
:
0
)のうち 3つの脂
肪酸の名称 (
C
6
:
0:c
a
p
r
o
i
ca
c
i
d,C
8
:
0
:c
a
p
r
y
l
i
ca
c
i
d,
C
I
0
:
0
:c
a
p
r
i
ca
c
i
d
) はヤギ (
c
a
p
r
i
n
e
) の乳に顕著に含ま
れていることから名付けられている.
C
8
:
0,C
I
0
:
0お よ び 中 鎖 脂 肪 酸 ト リ グ リ セ リ ド
非必須アミノ酸
アルギニン
ヒスチジン
アラニン
アスパラギン酸
グルタミン酸
グリシン
プロリン
セリン
.
o119
.
o089
.
o118
.
o210
.
o626
.
o050
.
o368
.
o181
.
o119
.
o089
0
.
1
1
3
.
o250
.
o689
.
o070
0
.
3
1
9
.
o179
9
7
6
)
(
P
O
S
A
即と ORR、 1
旨
目
方
, 内1
蔵脂
(mediumc
h
a
i
nt
r
i
g
l
y
c
e
r
i
d
e
s:
MCT) は
イ
本1
肪,ウエスト/ヒップ周辺脂肪を有意に低下させるこ
とが報告されている (
K
A
S
A
Iら
, 2
0
0
3
)
. その理由とし
て,①MCTは舌リバーゼおよび、胃酸で分解し,遊離型
脂肪酸として十二指腸に到達するので勝リバーゼでの
分解を必要としない,②MCTは水との親和性が高く,
-酸
門脈経由で速やかに吸収され,肝臓で速やかに s
化され,エネルギーとして消費する,③長鎖脂肪酸と
-81-
田中桂一・佐藤響太
表 4 ヤギ乳および牛乳中の脂肪酸含量
脂肪酸
ヤギ乳
牛乳
牛乳との差
(g/100gm
i
l
k
)
(%)
酪酸 (
C
4
:0
)
O
.1
3
0
.
1
1
カプロン酸 (
C
6
:0
)
O
.0
9
O
.0
6
カプリル酸 (
C
8
:0
)
O
.1
0
O
.0
4
カプリン酸 (
C
1
0
:
0
)
O
.2
6
O
.0
8
+
2
2
5
ラウリン酸 (
C
1
2
:0
)
O
.1
2
O
.0
9
ミリスチン酸 (
C
1
4
:
0
)
O
.3
2
O
.3
4
パルミチシ酸 (
C
1
6
:
0
)
0
.
9
1
0
.
8
8
ステアリン酸 (
C
1
8
:0
)
0
.
4
4
O
.4
0
総MCFA)
C
6
:
0
"
'
C
1
2
:
0(
O
.5
7
O
.2
7
+
1
1
1
総S
AFA)
C
4
:
0
"
'
C
1
8
:
0(
2
.6
7
2
.0
8
十
パルミトレン酸 (
C
1
6
:
1
)
O
.0
8
O
.0
8
オレイン酸 (
C
1
8
:1
)
O
.9
8
0
.
8
4
総MUFA))
C
1
6
:1
"
'
C
2
2
:1(
1
.1
1
O
.9
6
リノール酸 (
C
1
8
:2
)
0
.
1
1
O
.0
8
αーリノレン酸 (
C
1
8
:3
)
O
.0
4
O
.0
5
総P
UFA)
C
1
8
:2
"
'
C
1
8
:3 (
O
.1
5
O
.1
2
2
8
+1
6
+2
5
句ra
c
i
d
s(中鎖脂肪酸);SAF
A
:s
a
t
u
r
a
t
e
df
a
t
守a
c
i
d
s(飽和脂肪酸);MUFA:
MCF
A
:m
e
d
i
u
m
c
h
a
i
n白t
加r
a
t
e
df
a
町 a
c
i
d
s (一価不飽和脂肪酸);PUFA:p
o
切msa
加r
a
旬 df
a
t
旬a
c
i
d
s (多価不飽和
m
o
n
o
u
n
s
a
脂肪酸) • (
P
O
S
A
R
IとORR、 1
9
7
6
)
異なり, MCT
代謝は肝臓ミトコンドリア膜通過にカル
ヒトの栄養に好ましい脂肪酸組成に変える研究もなさ
ニチンを必要としない④MCTは長鎖脂肪酸と比較し
れており (ALONSOら 1
9
9
9;LEDOUXら
, 2002;SANZ
て,ヒトでは食事誘発性体熱産生の上昇が高い,など
, 2
0
0
2
),より栄養価の高いヤギ乳の生産
SAMPELAYOら
の作用があり,そのために体蓄積脂肪低下作用を発揮
e
n
e
f
i
c
i
a
l白t(機能性脂
も可能になるだろう.最近“b
0
0
4
)
. また,ヤギ乳に
すると考えられている(青山, 2
肪)"として,抗ガン作用など,様々な生理活性機能を
は相当量のカルニチンを含有(136μmol/l) してお
持っているとして注目されている共役リノール酸
, 1
9
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7
) 長鎖脂肪酸のミトコンドリアへ
り (PENNら
-酸化を容易にしている.ヤギ乳
の通過,そこでの s
(CLA) が牛乳と同様
はアトピーや糖尿病に良いともいわれている.アト
ピーについては科学的な証拠はないが,最近,脂肪細
ヤギ乳およびその乳製品中に
も含まれている.しかしヤギ乳での研究報告は少なく
(MIRら
, 1
9
9
9
),現在,著者らはヤギ乳中の CLA
含量
を増加させるための実験を行っている.
胞から血中に分泌されるホルモン,アヂィポネクチン
乳製品のフレーパーと関係ある側鎖脂肪酸は,ヤギ
が糖尿病や動脈硬化症を予防する効果のあることが知
-エチルオクタン酸である.これには 3
1種 類
乳では 4
られている. このアヂィポネクチン分泌量は脂肪細胞
の側鎖脂肪酸があり全脂肪酸 19当り O
.227mgほど含ま
が肥大化すると減少するといわれているのでヤギ乳に
れている.そしてこれがヤギ乳独特のフレーパーを
含まれている中鎖脂肪酸が脂肪細胞の肥大化を防ぎ,
作っている.特に, C-4とC-6脂肪酸と置き換わったモ
結果として血中のアヂィポネクチン濃度を増加させて
ノメチル-側鎖脂肪酸はヤギ乳にしか含まれておら
糖尿病の予防に効果があるのではないかと考えられ
ず,比較的多数の側鎖脂肪酸が微量ヤギ乳には含まれ
る
ている. これらの成分が牛乳チーズとは異なった風味
ヤギ乳はこのように生物医学的に優れているにもか
を作る要因のひとつだろう.
また,ヤギ乳には s
-カロチンを全く含んでいない.
かわらず,最近までヤギ乳およびヤギ乳チーズやヨー
グルトなどはマイナーな食品であり注目されていな
そのためにヤギ乳チーズやバターは鮮やかな乳白色を
かった. しかし,ヤギ乳はヒトの栄養や色々な胃腸障
呈している.これは牧草などに含まれている s-カロ
害などの病気に有効という医学面,さらに牛乳アレル
チンを小腸から吸収する際,ビタミン A に変えられ,
ギーを軽減するなどの大きな可能性を持っているので
ある.
ビタミン A (レチノール)として乳汁中に移行するた
めである.
ヤギ乳脂肪の脂肪酸組成は乳午と同じように粗濃
ヤギ乳製品(バターやチーズなど)中にはヤギ乳以
比,粗飼料のタイプ,飼料への脂肪添加などによって
上の濃度でMCT,不飽和脂肪酸, CLAを含有している.
-82-
ヤギ乳と牛乳の比較一
WILLETとSTAMPFER (
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) はヤギ乳脂肪(バター)の
機能性を認めて,アメリカでは新しく改訂される推奨
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食品 (USfoodrecommendation) にヤギ乳バターを入れ
青山敏明 (
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) 中長鎖脂肪酸トリアシルグリセロー
ることを提案している.わが国ではヤギ乳製品に対す
ルの栄養生理機能. 機能
る認識が薄く,消費者への知名度は低い.しかし,ヤ
ギ乳および、その乳製品はヒトの栄養と健康に非常に優
藤清隆、柳田晃良、和田俊監修)、 CMC出版、 P.
れたものであることは今まで述べたように充分実証さ
BARRIONUEVO,M., M.J
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LFEREZ,L
.LOPEZALIAGA,
れている.特に,消化機能が不完全あるいは衰えなど
M.R. SANZ SAMPELAYO and M.S. CAMPOS (
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で消化吸収能力の低い乳児や高齢者にヤギ乳およびそ
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の乳製品は最適と考えられる.今後,ヤギ乳の素晴ら
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もらいたい.そしてヤギ乳酪農を普及させたい.
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し,消費者に認識してもらうように努力する必要があ
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