平成16年7月 十和田市・十和田湖町合併協議会 平成 26 年 9 月変更 十和田市 目 次 第1章 序論 .................................................................... 1 第1節 合併の背景と必要性 .................................................... 1 第2節 計画策定の方針 ........................................................ 3 第2章 新市の概況 .............................................................. 5 第1節 自然条件 .............................................................. 5 第2節 社会条件 .............................................................. 7 第3章 主要指標の見通し ........................................................ 9 第1節 人口 .................................................................. 9 第2節 世帯 ................................................................. 10 第3節 就業人口 ............................................................. 10 第4章 新市まちづくり計画の基本方針 ........................................... 11 第1節 新市の将来像 ......................................................... 11 第2節 基本目標 ............................................................. 11 第3節 ゾーン別整備方針 ..................................................... 12 第5章 新市の施策 ............................................................. 14 第1節 しぜん感動-水・緑うるおい都市 ....................................... 15 第2節 こころ感動-教育・文化よろこび都市 ................................... 19 第3節 くらし感動-心身やすらか都市 ......................................... 21 第4節 しごと感動-活力いきいき都市 ......................................... 24 第5節 しみん感動-市民はつらつ都市 ......................................... 28 第6章 戦略プロジェクト ....................................................... 31 第7章 新市まちづくりにおける県事業の推進 ..................................... 33 第8章 公共的施設の統合整備 ................................................... 35 第9章 財政計画 ............................................................... 36 第1節 前提条件 ............................................................. 36 第2節 新市の財政計画 ....................................................... 36 37 第1章 序論 第1節 合併の背景と必要性 現在、わが国は次のような大きな転換期を迎えており、本地域の魅力のある生活・文 化の実現と、安定した地域産業の育成や行財政基盤の確立を図るためには、市町村合併 が必要となっています。 1 地球社会の到来への対応 国際的な人・物・情報・文化の交流・移動がますます進むことが予想され、国際的 な交流を活発にし、国際観光都市づくりを進めていくためには、合併による国際化に 対応した人づくりと受け入れ態勢の整備が求められます。 2 少子・高齢社会への移行への対応 少子・高齢化が進む中で、働きながら安心して子どもを産み育てられる環境づくり や高齢期を安心して過ごせる年金・医療・介護体制の充実が大きな課題となってきて おり、合併による財政基盤の強化と専門的人材の確保が必要となっています。 3 成熟社会への転換への対応 成熟時代の豊かなライフスタイルへの転換が進み、より質の高い行政サービスの提 供やまちづくりの推進が課題となっており、合併により行政サービスの質の向上を図 ることが求められています。 4 産業構造の再編と高度情報化の進行への対応 わが国の産業は大きな転換期を迎えており、合併による連携の強化や重点的な取組 みにより、成熟社会の人々のニーズに応える生活密着型の地域産業や観光産業の育成、 地域産業の情報化、起業の取組みなどへの支援の充実が求められています。 5 居住地選択の多様化への対応 ライフスタイルの多様化や交通網の発達、情報化の進展などにより、人々の生活圏 の拡大と居住地選択の多様化が進んでおり、合併により魅力的なまちづくりを進め、 交流の活発化と定住人口の増加を図ることが求められています。 6 市民主体のまちづくりへの対応 様々なグループ活動やイベント交流、電子情報網を通した交流などが活発化してき ており、合併により福祉、文化、環境・景観、雇用創造、地域維持活動など、市民活 動が活発な、市民と行政が連携したパートナーシップのまちづくりが求められていま す。 7 効率的、効果的な行財政運営への対応 地方交付税や補助金の削減、税収の伸び悩みが避けられない中で、地域経済活性化 の取組みの重点的・戦略的な推進と安定的な市民サービスの提供を図るためには、合 併による職員・特別職・議員数の削減、施策・事務事業の徹底的な見直し、職員の意 欲と専門知識・技術の向上、横断的な連携強化などが課題となっています。 8 地方自立の強化への対応 地方分権=地方自立が求められる中で、合併により、市民と行政が連携した効果 的・効率的な行財政運営と地域経済の自立に向けた地域産業の再構築に取組むことが 1 求められています。 2 第2節 計画策定の方針 (1) 計画の趣旨 本計画は、「市町村の合併の特例に関する法律」第3条第1項及び第5条の規定に 基づき、新市のまちづくりを総合的かつ効果的に推進することを目的とし、新市の速 やかな一体性の確立や福祉の向上などを図るとともに、新市の均衡ある発展のための 基本方針や施策などを定めるものです。 計画の策定にあたっては、 「十和田市・十和田湖町 新市将来構想」を基本に、両 市町の総合計画をはじめ、国・県の上位計画との整合性を図り、新時代にふさわしい 魅力的なまちづくりを推進する計画とします。 特に以下の点に留意して策定するものとします。 ① 新市の速やかな一体性の確立 旧市町意識を早期に解消し、市民活動の活性化を図るとともに、行政組織の一体 的な運営による効率化・合理化を図ります。 ② 新市の均衡ある発展 合併により、市民生活に急激な変化や地域格差が生じないよう、地域づくりに配 慮するとともに、地域の特性や地域バランス、さらには財政事情を考慮しながら、 逐次公共施設の統合整備を進めます。 ③ 三本木原と十和田湖観光開拓の感動を未来に活かす都市づくり この地に新しい農業と観光の開拓の歴史を切り拓いた先人の感動的な取組みを 引き継ぎ、大きな時代の転換期を切り拓く感動を共有するまちづくりをめざします。 ④ 都市機能の充実した地域中心都市づくり 青森都市圏と八戸都市圏を繋ぐ地域の中心都市をめざし、高度情報通信機能、医 療・保健・福祉機能、消防・防災機能、教育・文化機能、広域行政機能などの充実 と、市民活動・交流の活発化をめざします。 ⑤ 子どもや若者がいきいきと活躍し、誰もが元気に安心して暮らせる都市づくり 次代を担う子どもや若者がのびのび、いきいきと活躍し、感動を体験できるまち づくりを重点的に進めるとともに、高齢者をはじめ、全ての市民が健康に、安心し て暮らせるまちづくりをめざします。 ⑥ 感動を世界に発信する国際観光都市づくり 国際化時代を迎え、世界の人々と豊かな感動を共有できる魅力のある国際観光地 づくりをめざします。 ⑦ 水と緑にはぐくまれた産業都市づくり 奥入瀬の清流を活かした「奥入瀬」「十和田湖」ブランドの安全な農畜産物と農 産物加工品の生産・販売、食の魅力のある観光地づくりなどを中心に、感動の伝わ る新地域産業の創造をめざします。 ⑧ 開拓精神あふれる自立都市づくり 市民参画によるまちづくり活動の活発化を図るとともに、行財政基盤の強化や職 員の意識改革、行政運営の効率化、ソフト重視の効果的な事業推進などを図り、合 理的で健全な財政計画に裏付けられた自立都市づくりをめざします。 3 (2) 計画の構成 本計画は、新市のまちづくりのための「基本方針」や、その基本方針を実現する ための「主要施策」 、 「公共的施設の統合整備」及び「財政計画」を中心に構成しま す。 (3) 計画の期間 この計画の期間は、合併から 15 年間とします。 計画の期間 平成17(2005)年度~平成31(2019)年度 4 第2章 新市の概況 第1節 自然条件 1 位置と地勢 新市は、青森県の南東部中央に位置し、面積は約 689km2(現在は 725.67 km2)です。 西半分には山地と原野が広がり、東半分は標高 70m 前後の台地で農地と市街地が形 成されています。山地は縦走する奥羽山脈の大岳、高田大岳などの八甲田山系や十和 田山、十和利山などからなり、その西南端に面積 61.0km2、海抜 400m、水深 326.8m の 十和田湖(二重カルデラ湖)があります。十和田湖を源とする奥入瀬川が三本木原台 地などの河岸段丘を形成しながら太平洋へ向かって流れているほか、後藤川をはじめ とする多数の河川があります。また、奥入瀬川から上水した人工河川「稲生川」が太 平洋に注いでいます。 八甲田山系や十和田湖、奥入瀬渓流は十和田八幡平国立公園に指定されており、ま た、十和田湖と奥入瀬渓流は国の特別名勝、天然記念物にも指定されています。 地 形 図 上北町 青森市 七戸町 大岳 砂 土 路 川 高田大岳 乗鞍岳 熊ノ沢 駒ヶ峰 中里 十和田湖町 六戸町 川 十和田市 川 蔦 川 奥入瀬川 黄瀬川 平賀町 大幌 片渕 川 内川 川 内 小幌 生 内 川 惣 辺 川 五戸 町 後 藤 川 奥 入 瀬 渓 流 倉 石村 十和田湖 1,000m以上 三ツ岳 新郷村 750m~1,000m N 500m~750m 十和田山 秋田県 十和利山 0 ※合併前の市町村名を表記 5 5 10km 250m~500m 250m未満 2 気候 本市は太平洋側気候に属しており、東部の台地部は年間を通じて降水量が少なく比 較的穏やかですが、西部の山岳部は地形が複雑なため、山岳地方気象を示すところが あり、旧十和田湖町の区域にあっては特別豪雪地帯に指定されています。6、7月に は冷たい偏東風(ヤマセ)が吹き、農作物に悪影響を及ぼすことがあります。 6 第2節 社会条件 1 人口 国勢調査によると、平成 12(2000)年においては、微増傾向にあった本市の人口は、 平成 22(2010)年には 66,110 人となり、減少傾向に転じています。 少子・高齢化が進み、平成 12 年から平成 22 年までの 10 年間に0~14 歳の年少人 口は 2,456 人減少し、総人口に占める割合は 15.8%から 12.9%に 2.9 ポイント減少 しています。一方、65 歳以上の老年人口は 3,624 人増加し、総人口に占める割合は 18.2%から 24.7%に 6.5 ポイント高くなっています。 ※総人口に占める各割合は四捨五入のため合計が 100%にならない場合がある。 2 産業 本地域の産業を産業別就業者数(平成12年国調と平成22年国調との比較)でみると、 第1次産業が14.2%から12.2%へ、第2次産業が27.4%から23.0%へ、第3次産業が 58.3%から64.8%へと、第1・2次産業が減少し、第3次産業が増加しています。 米やながいも、ニンニク、ネギ、葉タバコ、ごぼうなどの野菜類、養豚、肉用牛、 鶏などを主な生産物とする農業は農畜産物輸入の拡大と価格の低迷、農業従事者の高 齢化と後継者不足、兼業化の進展、国の減反政策、天候の不順などにより、厳しい状 況が続いています。水産業は十和田湖でのヒメマス、コイ、サクラマス漁と奥入瀬川 水系でのヤマメやイワナの遊漁が行われています。 また、食料品、電気機械、一般機械、金属製品などの製造業については、事業所数、 従業者数、製造品出荷額等ともやや減少傾向がみられる一方で、十和田湖町ふるさと 活性化公社(現在は一般財団法人十和田湖ふるさと活性化公社)の設立による食品加 工や木材高次加工協同組合の設立による木材加工業の創出も進めてきました。 商業は新市中心商店街と郊外に大規模小売店舗が14店舗(現在は17店舗)あります が、近年、中心商店街の空き店舗化や事業規模の縮小などが進んできています。 7 観光は十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田連峰などへの入込客が年間約230万人ありま すが、市街地への観光客は増加しており、平成13(2001)年には約85万人となっていま す。 3 道路・公共交通・情報基盤 本地域には、国道4号、国道 45 号、国道 102 号、国道 103 号、国道 394 号、国道 454 号の6本の国道が通り、各地を結んでいます。また、三沢市と十和田市間を十和 田観光電鉄が走っています(現在は廃線) 。十和田湖周辺では、奥入瀬バイパス及び宇 樽部バイパスが整備され、現在、奥入瀬(青橅山)バイパスの整備が進められていま す。 情報通信網は、防災行政無線のほか、ADSL回線、光ファイバーなどの超高速通 信網の整備が進められています。 交通網図 至上北 至野辺地 上 北町 22 394 青 森市 至七戸 至青森 至三沢 4 七 戸町 大岳 40 高 田大岳 六戸 町 169 至七戸 165 至三沢 118 10 至青森 たかしず 十和田 市 十和田観光電鉄 とわだし 103 十和 田湖町 45 乗鞍岳 至八戸 145 118 4 102 166 212 平 賀町 168 五戸町 102 168 45 至五戸 至弘前 103 145 倉石村 至戸来 至三戸 十和 田 湖 十和田 山 三 ツ岳 新郷 村 454 十和 利山 秋田県 至小坂 0 至五戸 ※合併前の市町村名を表記 8 5 10km N 第3章 主要指標の見通し 第1節 人口 1 予測 本計画の目標年次の平成 31(2019)年の人口は 61,433 人へと減少すると予測されま す。 資料:国勢調査 ※平成 26 年以降は「日本の地域別将来推計人口(平成 25 年 3 月推計)」 (国立社会保障・人口問題研究所)を按分したもの 2 目標 平成 31 年には 61,433 人に減少することが予想されていますが、合併による新しい 観光の取組みや新地域産業の創造、農業の高付加価値化、子育て環境の充実や生活環 境の整備などによる若者定住の取組みを積極的に進め、現状予想される水準を確保す ることに努め、平成 31(2019)年の目標人口を 61,433 人とします。 その時の人口構成は、年少人口(0~14 歳)6,356 人、生産年齢人口(15~64 歳) 34,750 人、老年人口(65 歳以上)20,327 人とします。 人口の目標 総人口 年少人口 (0~14 歳) 生産年齢人口 (15~64 歳) 老年人口 (65 歳以上) 資料:国勢調査 最終実績値 推計値(目標値) 平成 22(2010)年 平成 31(2019)年 66,110 人(100.0%) 61,433 人(100.0%) 8,513 人( 12.9%) 6,356 人( 10.3%) 41,171 人( 62.4%) 34,750 人( 56.6%) 16,294 人( 24.7%) 20,327 人( 33.1%) ※平成 22 年の総人口には年齢不詳が含まれる。 9 第2節 世帯 1 予測 平成 12(2000)年の世帯数は 24,354 世帯で、1世帯あたり人員は 2.8 人です。昭和 50(1975)年以降をみると、世帯数が増加する一方、1世帯あたり人員は減少してきて います。このままの傾向が続くとすると本計画の目標年度、平成 31(2019)年の世帯数 は 25,912 世帯、1世帯あたり人員は 2.2 人と予測されます。 2 目標 平成 31(2019)年の目標人口 61,433 人の場合の世帯数を、25,912 世帯(2.2 人/世 帯)と設定します。 世帯数の目標 実績値 推計値(目標値) 平成 12(2000)年 平成 17(2005)年 平成 22(2010)年 平成 31(2019)年 世帯数 24,354 世帯 25,262 世帯 25,494 世帯 25,912 世帯 1世帯あたり人員 2.8 人 2.6 人 2.5 人 2.2 人 資料:国勢調査 第3節 就業人口 1 予測 平成 12(2000)年の就業者数は 36,163 人で、就業率は 51.9%です。この傾向が続く とすると、 本計画目標年度の平成 31(2019)年の就業者数は 28,259 人、就業率は 46.0% と予測されます。 2 目標 平成 31(2019)年の目標人口を 61,433 人としたときの就業者数を 28,259 人と設定し ます。 就業者数の目標 実績値 平成 12(2000)年 人 平成 22(2010)年 平成 31(2019)年 口 69,630 人 66,110 人 61,433 人 率 51.9% 49.1% 46.0% 数 36,163 人(100.0%) 32,446 人(100.0%) 28,259 人(100.0%) 第1次産業 5,133 人( 14.2%) 3,657 人( 11.3%) 2,685 人( 9.5%) 第2次産業 9,919 人( 27.5%) 6,898 人( 21.3%) 5,765 人( 20.4%) 第3次産業 21,077 人( 58.3%) 19,463 人( 60.0%) 19,810 人( 70.1%) 就 就 推計値(目標値) 業 業 資料:国勢調査 者 ※平成 22 年の就業者数の合計には分類不能の就業者を含む。 ※四捨五入のため、合計値と合わないことがある。 10 第4章 新市まちづくり計画の基本方針 第1節 新市の将来像 感 動 創 造 都 市 ―豊かな水と緑の感動のまちをめざして― 新市のまちづくりは、市民と行政が力をあわせて、これまでのまちづくりの取組みを 引き継ぎながら、誰もが元気に安心して暮らせるまちづくり、子どもや若者が元気なま ちづくり、 国際文化観光都市づくり、総合的な食産業のまちづくりなどの課題に対応し、 美しい自然環境の中で暮らし、力強く働き、心豊かな生活ができる新市の創造を図りま す。 「感動」は、豊かな自然と市民一人ひとりが光り輝く未来を示し、「創造」は、きら めく地域社会の実現をめざした新たなまちづくりを表現しています。 第2節 基本目標 新市将来像を実現するための、まちづくりの基本目標は5つの柱からなります。 1 しぜん感動―水・緑うるおい都市 豊かな自然や美しい自然景観を保全し、自然に親しみ、自然との共存をめざす とともに、生活基盤の整備や防災など生活安全の確保により、市民が快適に暮ら せるまちをめざします。 2 こころ感動―教育・文化よろこび都市 豊かな自然や歴史・文化環境を活かし、子どもたちが生き生きとたくましく成 長できる教育を進めるとともに、市民が文化・芸術やスポーツなどを楽しむ、生 きる喜びに満ちたまちをめざします。 3 くらし感動―心身やすらか都市 すべての市民が健康に、生きがいを持って安心して暮らせる保健・医療・福祉 が充実したまちをめざします。 4 しごと感動―活力いきいき都市 地域の特性を活かした活力ある産業の振興を図り、若者が定住できる魅力ある まちをめざします。 5 しみん感動―市民はつらつ都市 市民参画のまちづくりや地域活動の活性化を図り、人々が支えあうまちをめざ します。 11 第3節 ゾーン別整備方針 新市の将来像の実現に向け、次のような区分を設定し地域の個性を活かした魅力あ るまちづくりを進めます。 (1) 自然公園ゾーン 十和田八幡平国立公園指定区域の十和田湖、八甲田連峰、奥入瀬渓流などの自然 環境の保全を図るとともに、拠点施設の整備や自然体験機会の充実などにより、優 れた自然の有効活用と自然保護意識の高揚を図ります。 (2) 森林ゾーン 優良杉などの木材生産機能の維持・増進を図るとともに、水源かん養や国土保全、 野生生物の生息環境、保健・休養、教育などの公益的機能を持つ森林ゾーンの保全 と活用を図ります。 (3) 農業ゾーン 奥入瀬川とその支流、人工河川・稲生川などの景観と環境の保全、防災機能の向 上を図りながら、優良農地の保全と遊休農地の有効活用を図り、安全で安心な米や 野菜、畜産などの生産や高付加価値型農業の振興、観光や商業との連携、自然・田 園環境の保全と農村集落での定住環境の整備などを図ります。 (4) 市街地ゾーン 広域行政機能や教育・文化機能、医療・保健・福祉機能、情報・交流の拠点機能 などの充実、市民のニーズに対応した商業の振興、中心市街地における活性化対策、 官庁街通りや役場(現在の十和田湖支所)周辺の景観整備と活用、稲生川を活かし たうるおいのあるまちづくり、観光拠点の維持・整備、文化学術研究の拠点として の整備充実、観光商業の振興などを図るとともに、防災機能の向上と住環境の整備 などを図ります。 (5) 観光ゾーン 日本を代表する「体験・保養・滞在・反復型」の国際観光地をめざし、5つの感 動のある体験型観光の推進や十和田湖畔から奥入瀬渓流、八甲田連峰にかけての観 光ゾーンの景観・環境保全を図るとともに、十和田湖畔地区や十和田湖温泉郷や奥 入瀬ろまんパーク、高森山などの観光拠点の保全・整備を図ります。 12 ゾーン設定図 野辺地 4 十和田観光電鉄 青森市 青森IC 青森空港 10 三沢市 三沢IC 三沢空港 103 45 八戸市 下田百石IC 102 4 145 102 弘前市 黒石IC 二戸市 一戸IC 103 十和田湖 鹿角市 十和田IC 八戸市 二戸市 森林ゾーン 市街地ゾーン 農業ゾーン 観光ゾーン 国立公園ゾーン 自然公園ゾーン 観光拠点 0 13 5 10km N 第5章 新市の施策 新市の将来像「感動創造都市―豊かな水と緑の感動のまちをめざして―」の実現に向け た、新市の施策を次のとおりとします。 しぜん感動-水・緑うるおい都市 1 自然環境・景観の保全・整備 2 生活環境の整備 3 生活安全の確保 4 地域基盤の整備 こころ感動-教育・文化よろこび都市 1 生涯学習の推進 2 文化・スポーツの振興 くらし感動-心身やすらか都市 しごと感動-活力いきいき都市 1 保健・医療の充実 2 福祉の充実 3 国民健康保険・介護保険制度の安定化 1 農林水産業の振興 2 観光の振興 3 商工業の振興 4 雇用の創造 しみん感動-市民はつらつ都市 1 市民活動の促進 2 交流の促進 3 行財政運営の効率化 14 第1節 しぜん感動-水・緑うるおい都市 1 (1) 自然環境・景観の保全 自然環境・景観の保 全・整備 (2) 自然の活用 2 生活環境の整備 (1) 街並み・住宅の整備 (2) 公園・河川の整備 (3) 上下水道の整備 (4) 環境の保全・美化 3 生活安全の確保 (1) 消防・救急・防災体制の整備 (2) 交通安全・防犯体制等の整備 4 地域基盤の整備 (1) 市街地・集落の整備 (2) 道路・公共交通網の整備 (3) 地域情報化・資源循環型社会 構築の促進 新市は八甲田山系の広大な森林を擁するとともに、十和田湖と奥入瀬川などの自然 環境に恵まれており、西側3分の1は十和田八幡平国立公園に指定されています。ま た、中心市街地は、三本木原開拓によって生まれた田園地帯の中心部に碁盤の目状に 整然と開発・整備され、近代都市計画のルーツといわれています。 美しい環境の中で快適・安全に生活できる「しぜん感動―水・緑うるおい都市」を めざし、この美しい自然環境・景観の保全を図るとともに、市民との協働によるセー フコミュニティ活動の推進、住宅・公園・上下水道などの生活環境の整備、消防・救 急・防災体制の整備や災害対策など生活安全の確保、市街地や道路網・公共交通の維 持・充実などを図ります。 1 自然環境・景観の保全・整備 (1) 自然環境・景観の保全 十和田八幡平国立公園指定区域の八甲田山系の森林や十和田湖・奥入瀬渓流など、 恵まれた自然環境を次世代に引き継げるよう、自然保護に関する意識高揚を図り、 貴重な自然環境の保護・保全を図ります。 水源林の保全や人工林の適正な管理により水源かん養機能を高めるとともに、十 和田湖と奥入瀬川の環境保全・整備を図ります。 15 また、奥入瀬川や人工河川・稲生川などの水辺の自然景観や、市街地や集落の背 景となる緑の山々、市街地を守る防風林、水田の広がる田園風景などの自然景観の 保全と創造に努めます。 (2) 自然の活用 八甲田山系の森林や十和田湖・奥入瀬渓流などを活用し、市民や全国・世界の観 光客が自然に学び親しみ、心身をリフレッシュできるよう、 「森と湖のまちづくり」 を進め、自然体験学習やアウトドア・レクリエーション機能の充実を図ります。 2 生活環境の整備 (1) 街並み・住宅の整備 世界から観光客を迎え入れる国際観光都市づくりに向けて、緑と花のまちづくり 条例、景観ガイドラインを見直し、日本の道百選に指定された官庁街通りの景観整 備など市街地景観や集落景観の保全・整備を促進するとともに、屋外広告の誘導、 緑化運動の推進などを図ります。 また、若者の定住や安全で快適な住まいづくりに向け、地域バランスを考慮した 公営住宅の計画的な整備・改修・長寿命化などを図るとともに、高齢者や障害者に 配慮した住宅づくり、地域林業と連携した地元材による家づくり、良好な住環境の 整備、冬季の除雪体制の充実などを推進します。 (2) 公園・河川の整備 うるおいのある生活環境の整備に向けて、都市公園や地域特性を活かした身近な 公園・広場・緑地の整備・更新を図るとともに、市民による管理や市街地の緑化を 促進します。 また、河川の防災機能の向上と水質の保全を図るとともに、親水性を高め、自然 体験学習や休養、観光・レクリエーシヨン利用を促進します。 (3) 上下水道の整備 水道水の安定供給をめざし、水源の保全・確保を図るとともに、水の有効利用の 促進、未給水地区の整備、老朽管など水道施設の整備・更新・耐震化を図ります。 また、快適な生活の確保と河川や湖の水質改善に向けて、公共下水道や農業集落 排水施設、小規模集合排水処理施設の整備と水洗化の促進ととともに、合併処理浄 化槽の設置、温泉排水処理施設の更新と維持管理の徹底を促進します。 (4) 環境の保全・美化 快適で安全な循環型社会の形成に向けて、学校や地域での環境教育を推進すると ともに、ごみの減量化・再利用・再生利用や広域での効率的な処理を進めるととも に、観光客のごみの持ち帰りや不法投棄の防止、環境美化活動の促進、公害の防止 や広域でのし尿・浄化槽汚泥の処理体制の維持などを図ります。 将来にわたって地域や地球の環境の保全が図られるよう、環境基本計画を策定し、 省資源・省エネルギーの取組み、温室効果ガスの排出抑制やフロンガスの回収、廃 棄物の削減や資源の有効利用を促進します。 16 3 生活安全の確保 (1) 消防・救急・防災体制の整備 市民の財産と生命を守るために、十和田地域広域事務組合の常備消防の強化と非 常備消防団の維持・確保、救急医療体制の整備を図るとともに、防災拠点となる庁 舎などの整備を推進します。 また、地域防災計画を見直し、水害や土砂災害、大規模地震などに対する災害予 防対策の充実と自主防災組織の確立、防災行政無線の整備と大規模災害時の情報提 供、突発型大規模災害時の救助、初期消火、避難などの初動体制の確立などを図り ます。 (2) 交通安全・防犯体制等の整備 交通事故や犯罪被害の少ない安全・安心な地域社会の構築をめざし、歩道の整備 など道路改良や冬季の除雪体制の充実、交通安全施設や防犯灯の整備・充実と市民 の交通安全意識の普及徹底などを図るとともに、防犯教育や広報活動などによる市 民の防犯意識の高揚と防犯体制の充実、青少年の健全育成を進めます。 また、県と連携し、消費者被害などの情報の提供、消費者意識の啓発、消費者活 動の促進、相談体制の整備などを図ります。 4 地域基盤の整備 (1) 市街地・集落の整備 青森、八戸の両都市圏の中間に位置する広域拠点都市づくりをめざし、都市計画 マスタープランと中心市街地活性化計画に基づき、中心市街地の計画的な整備充実 を図るとともに、新市市街地の計画的な開発、十和田湖地域の中心地区の整備など を図ります。 また、快適な農村集落の維持・充実に向けて、各地域の公民館や集会所、小学校 などを中心に、地域コミュニティ活動の促進を図るとともに、集落の環境整備を図 ります。 (2) 道路・公共交通網の整備 広域拠点都市としての交通機能の向上に向けて、東北新幹線八戸駅、三沢空港な どを結ぶ国道・主要地方道の整備を促進するとともに、国際観光都市としての交通 機能の向上に向けて、新市と青森市、弘前市、鹿角市、二戸市を結ぶ観光ネットワ ーク道路の整備促進を図ります。さらに、地域の生活基盤である生活道路網の整 備・改良を計画的に行うとともに、冬期間の交通確保など、安全で快適な道路づく りを促進します。 新市の一体化と交通利便性の向上をめざし、公共交通の維持・確保を図るととも に、総合的な地域交通網の検討や交通施設のバリアフリー化を促進します。 (3) 地域情報化・資源循環型社会構築の促進 高度情報化時代に対応した情報基盤の整備を促進し、国際観光都市にふさわしい 情報編集・発信能力の向上や市民サービスの向上を図るとともに、観光客の誘致や 地域特産物の販売促進につなげます。 環境・エネルギー産業創造特区の指定を踏まえ、バイオマスやコージェネレーシ ョン(熱電供給)事業などを促進します。 17 施策の柱 1 の 保 全 ・ 整 備 自 (1) 自然環境・景 然 観の保全 環 境 ・ 景 観 (2) 自然の活用 2 生 活 環 境 の 整 備 し ぜ ん 感 動 ― 水 ・ 緑 う る お い 都 市 3 生 活 安 全 の 確 保 4 地 域 基 盤 の 整 備 主な事業 奥入瀬川清流保全事業 景観形成計画策定事業 市有林造林・間伐事業 民有林造林・間伐支援事業 十和田湖水質改善事業 宇樽部キャンプ場整備事業 湯ノ台高原整備事業 (1) 街並み・住宅 の整備 公営住宅整備事業 定住支援事業 野外芸術文化ゾーン整備事業 十和田湖温泉郷環境整備事業 (2) 公園・河川の 整備 高森山総合運動公園整備事業 若葉公園整備事業 (3) 上 下 水 道 の 整備 上水道・簡易水道整備事業 公共下水道事業 農業集落排水事業 十和田湖温泉郷排水処理施設整備事業 小規模集落排水処理施設整備事業 合併処理浄化槽整備促進事業 (4) 環 境 の 保 全・美化 ゴミの減量化・再利用・再生利用促進事業 環境美化活動推進事業 環境基本計画策定・推進事業 (1) 消防・救急・ 防災体制の整 備 消防屯所整備事業 消防団消防車両整備事業 防火水槽整備事業 防災行政無線整備事業 がけ崩れ防災事業 消防施設整備事業 庁舎等整備事業 運動施設整備事業 (2) 交通安全・防 犯体制等の 整備 交通安全施設整備事業 防犯灯整備事業 交通安全・防犯・消費者啓発事業 消費生活センター事業 (1) 市街地・集落 の整備 都市計画マスタープラン策定事業 中心市街地活性化事業 (2) 道路・公共交 通網の整備 (3) 地域情報化、 資源循環型社 会構築の促進 幹線道路の整備促進事業 都市計画街路整備事業 緊急地方道路整備事業 生活道路改良・舗装事業 公共交通の維持対策事業 防災行政無線整備事業(再掲) 行政情報ネットワーク事業 地域情報化推進計画策定事業 地域エネルギー活用促進事業 地上デジタル放送難視聴対策事業 18 第2節 こころ感動-教育・文化よろこび都市 (1) 生涯学習の振興 1 生涯学習の推進 (2) 学校教育の充実 (3) 青少年活動の充実 (1) 文化・芸術の振興 2 文化・スポーツの振興 (2) スポーツ活動の推進 三本木原や十和田湖観光の開拓の歴史を受け継ぎ、次代を担う創造力と活力にあふ れた子どもの育成が求められるとともに、喜びと感動に満ちた生活の実現に向けた文 化・スポーツの振興などが求められています。 子どもから高齢者まで、あらゆる世代の人が、生涯を通して学び、文化やスポーツ を楽しむ「こころ感動―教育・文化よろこび都市」をめざし、生涯学習の総合的な推 進体制の整備、就学前教育や学校教育、社会教育の充実を進めるとともに、文化・芸 術活動やスポーツ・レクリエーション活動の充実を図ります。 1 生涯学習の推進 (1) 生涯学習の振興 子どもから高齢者まで、それぞれの生活価値観(ライフスタイル)にあわせて、 生涯を通じて学び続けられる生涯学習のまちづくりをめざし、生涯学習推進計画 (教育ビジョン)の策定を行い、北里大学との連携による各種事業の充実、学習情 報提供や講座の充実、自主学習グループの育成、地域交流や行事など様々な地域活 動を通じた学習活動の充実、指導者の発掘・紹介などを推進します。 また、公民館、図書館、視聴覚センター(現在は生涯学習センター)などの社会 教育施設・設備の整備、図書館情報ネットワーク体制の整備、施設の相互利用など、 学習環境の充実を図ります。 (2) 学校教育の充実 生活実感に根ざしたおもしろい授業やわかる授業、子どもたち一人ひとりの個性 を重視した教育、特色ある学校づくりなどを推進し、基礎学力の向上に努めます。 さらに、学校、家庭、地域が連携し、地域の自然や産業、歴史・文化に学ぶ様々な 体験学習を通して、郷土への誇りや生きる力、未来への確かな夢を育む教育、情報 化・国際化・少子高齢化社会に対応できる教育の充実を図ります。 また、新市において各地域の特性に応じ、少子化に伴う小中学校の適正配置を検 討するとともに、老朽化した施設・設備の計画的な整備や耐震化を進めます。 (3) 青少年活動の充実 青少年が地域でいきいきと活躍するまちをめざし、福祉、教育、産業、都市、情 報、コミュニティなど関係各部門が連携し、総合的な「子ども未来」プロジェクト の取組みを進め、様々な体験機会の充実、イベントや祭りなどを通した交流機会の 19 充実、地域クラブ活動の促進、青少年によるホームページづくり、地域での役割づ くりとまちづくり活動への参画促進、青少年リーダーの育成、青少年の活動場所の 提供などを図ります。 2 文化・スポーツの振興 (1) 文化・芸術の振興 心豊かな文化の香り高いまちづくりに向けて、地域クラブ活動の充実、優れた文 化・芸術にふれる機会や創作活動の体験・発表機会の充実、各地域の生活文化、神 楽や駒踊りなどの伝統文化や文化財などの保護・保存を図ります。 また、市民文化センターや郷土館などの社会教育施設や設備の維持・整備ととも に、市民と行政のパートナーシップによる運営や管理の充実を図ります。 (2) スポーツ活動の推進 あらゆる世代が健康に暮らし、心身を鍛えることができる「市民ひとり1スポー ツ」のまちをめざし、世代を越えた総合型地域スポーツクラブ活動や競技スポーツ クラブの活動、誰でも参加できるスポーツイベントなどを支援するとともに、湖や 河川、山野や牧場などの自然を活かした野外スポーツ・レクリエーシヨンなどの取 組みを促進します。 また、スポーツ・レクリエーシヨン活動の環境整備を図ります。 施策の柱 主な事業 生涯学習推進計画(教育ビジョン)策定事業 (1) 生涯学習の 振興 こ こ ろ 感 動 ― 教 育 ・ 文 化 よ ろ こ び 都 市 生涯学習リーダー・団体育成・支援事業 生涯学習情報化推進事業 (仮称)教育プラザ整備事業 1 市民図書館IC対応システム導入事業 生 涯 学 習 の 推 進 幼稚園就園奨励費補助事業 すくすく子育て支援費補助事業 (2) 学校教育の 充実 就学援助事業 遠距離通学用スクールバス運行事業 奨学金貸与事業 学校施設整備・改修事業 (仮称)教育プラザ整備事業(再掲) (3) 青少年活動 の充実 2 文 化 ・ ス ポ ー ツ の 振 興 (1) 文化・芸術 の振興 社会体験支援事業 新市記念イベント事業 文化財・伝統芸能保存・活用事業 文化芸術鑑賞支援事業 野外芸術文化ゾーン整備事業(再掲) 健康スポーツ振興事業 (2) スポーツ活 動の推進 指導者育成・クラブ活動支援事業 総合型地域スポーツクラブ育成事業 若葉公園整備事業(再掲) 運動施設整備事業(再掲) 20 第3節 くらし感動-心身やすらか都市 1 2 3 保健・医療の充実 福祉の充実 (1) 健康づくりの推進 (2) 地域医療の推進 (1) 地域福祉の推進 (2) 次世代育成の充実 (3) 障害者福祉の充実 (4) 高齢者福祉の充実 (5) ひとり親家庭支援の充実 国民健康保険・介護 保険制度の安定化 少子化が進み超高齢社会を迎え、市民一人ひとりが自立しながら互いに支え合い 住み慣れた地域で安心して暮らせるよう生涯を通じた健康づくりや医療体制の充実 と、全ての市民が生きることに感動をもって暮らせる地域社会づくりが求められて います。 すべての市民が健やかに安心して生活ができる「くらし感動―心身やすらか都 市」をめざし、市民の健康づくりや地域医療の充実、共に支えあう地域福祉活動の 推進、子育て支援の充実、高齢者や障害者への福祉サービスや介護保険サービス体 制の充実、ひとり親家庭などへの支援、国民健康保険・介護保険制度の安定を図り ます。 1 保健・医療の充実 (1) 健康づくりの推進 乳幼児から高齢者まで誰もが健やかに暮らせるよう、保健・医療・福祉、教育、 情報、産業、都市、コミュニティの連携による「健康安心」プロジェクトを推進 し検(健)診や健康相談による病気の予防・早期発見を行うとともに、子どもの 時からの食生活改善や運動習慣の確立など生活習慣病予防や、寝たきり・認知症 予防など介護予防の取組みを重点的に進めます。 (2) 地域医療の推進 市民誰もが安心して生活できるよう、各地域の「かかりつけ医」による初期医 療の充実と十和田市立中央病院との連携を図り、地域医療体制の充実を図ります。 また、救急医療・地域医療の拠点となる十和田市立中央病院の医療機能の充実 を図るとともに、地域住民や観光客の診療体制の確保に向けて十和田湖診療所の 整備を進め、運営の安定化を図ります。 21 2 福祉の充実 (1) 地域福祉の推進 互いに支えあう感動のある福祉のまちづくりをめざし、社会福祉協議会や民生児 童委員を中心に町内会・地区会などによる見守りや助け合いなどの地域福祉活動を 促進するとともに、福祉施設などと連携した福祉教育の推進、市民の様々な特技を 活かした福祉ボランティア活動やNPO*活動の充実、人にやさしいユニバーサルデ ザイン*のまちづくりを促進します。 (2) 次世代育成の充実 少子化や多様化する保育ニーズに対応するために、ハイティーンが子どもにふれ る機会や男女が一緒に活動する機会の充実とともに、子育て相談・交流の場の整備、 保育所施設の整備、保育内容の充実を図ります。また、地域や学校が連携し、子ど も同士が遊びを通して社会性を養う身近な遊び場(公園や学校の活用など)や様々 な遊び・体験機会の充実を図るとともに、放課後児童保育の充実を図ります。 (3) 障害者福祉の充実 障害者が安心して暮らすことができるよう、地域・医療・福祉が連携した相談・ 指導体制の充実、疾病の早期発見・治療・リハビリテーション体制の整備とともに、 障害児教育と社会参加や就労機会の拡充を図ります。 また、ユニバーサルデザインに配慮した人にやさしいまちづくりを図ります。 (4) 高齢者福祉の充実 高齢者がいきいきと安心して暮らせるまちづくりをめざし、文化・スポーツ活動 や老人クラブ活動、地域活動などを通して交流機会の拡充を図るとともに、シルバ ー人材センターによる就労機会の充実や農産物の生産・販売活動など、積極的な社 会参加や生きがいの場づくりを進めます。 また、保健・医療・福祉が連携し、介護予防・生活支援の取組みを充実するとと もに、介護保険サービスの充実を図ります。 (5) ひとり親家庭支援の充実 ひとり親家庭への支援制度の周知や相談体制の充実を図るとともに、低所得者に 対して生活保護の適正な運用と相談・指導体制の充実を図ります。また、勤労者の 就労環境の改善や福利厚生対策の充実などを促進します。 3 国民健康保険・介護保険制度の安定化 健康指導や食生活改善、運動習慣の確立などによる積極的な健康づくりによる生活 習慣病の予防、病気の早期発見・早期治療、レセプト点検の強化などによる過剰受診 の防止など、医療費削減による国民健康保険制度の安定化を図ります。 * 「NPO」 :NPOとは、Nonprofit Organization の略で、様々な非営利活動を行う非政府、民間の組織で あり、通常民間非営利組織と呼ばれる。NPOには、多種多様のものがあり、学校、病院、老人ホームな どを経営する事業型NPO、そうした活動に資金を提供する助成財団、環境問題など社会問題に取り組ん だり、国際援助・交流を行う市民団体などが含まれ、宗教団体、政治団体、労働組合なども広い意味では NPOに含まれる。 * 「ユニバーサルデザイン」 :できるかぎりすべての人に利用可能なように、製品、建物、空間をデザインす ること。 22 また、迅速・公平・的確な要介護認定と自立のためのケアマネージメントの充実、 介護保険サービスや介護予防サービスの充実などにより、介護不安のないまちづくり を進めるとともに、介護予防や認知症予防などの取組み、在宅介護体制の強化などに よる介護給付の適正化を図り、介護保険財政の健全化を図ります。 施策の柱 1 (1) 健 康 づ く 保 りの推進 健 実 ・ 医 療 (2) 地 域 医 療 の の推進 充 主な事業 健康とわだ 21 推進事業 保健センター事業 健康スポーツ振興事業(再掲) 保健・医療・福祉連携事業 十和田市立中央病院建設整備事業 十和田湖診療所整備事業 市民交流プラザ整備事業 (1) 地 域 福 祉 の推進 地域福祉推進体制の構築 ボランティア活動促進事業 訪問活動促進事業(民生委員・児童委員、地区社協等) 次世代育成支援対策事業 く ら し 感 動 ― 心 身 や す ら か 都 市 市民交流プラザ整備事業(再掲) (2) 次 世 代 育 成の充実 育児サークル育成・支援事業 ブックスタート事業 保育サービス事業 十和田湖保育所改築事業 2 福 祉 の 充 実 市民交流プラザ整備事業(再掲) (3) 障 害 者 福 祉の充実 障害者交流事業 障害者居宅・施設生活支援サービス事業 小規模作業所整備支援事業 市民交流プラザ整備事業(再掲) 高齢者を支える市民活動支援事業 (4) 高 齢 者 福 祉の充実 地域老人クラブ支援事業 多世代交流・人材活用促進事業 シルバー人材センター支援事業 介護支援事業 (5) ひ と り 親 家庭支援の 市民交流プラザ整備事業(再掲) ひとり親家庭支援事業 充実 3 国民健康保険・介 介護費用適正化事業 護保険制度の安定化 23 第4節 しごと感動-活力いきいき都市 1 (1) 農業の振興 農林水産業の振興 (2) 畜産業の振興 2 観光の振興 (3) 林業の振興 (4) 水産業の振興 3 商工業の振興 (1) 商業・サービス業の振興 (2) 工業の振興 4 雇用の創造 国際競争の激化や長引く不況など、厳しい環境が続く一方、IT革命の進行と技術 革新の進展、中高年消費の拡大、経済状況を反映した観光の動き、環境・時間消費の 拡大(いい環境のなかでゆっくりする癒しを求める消費)、健康消費やこだわり消費、 文化消費の拡大などの発展要因が生まれてきており、この大きな環境変化に対応した 地域産業の再構築が求められています。 開拓によって切り拓かれた広大な農地と全国的・世界的な十和田湖・奥入瀬川・八 甲田連峰や温泉などの観光資源、北里大学の立地、東北で最初に生まれた十和田市少 年少女発明クラブ活動による人材育成などを活かし、市民が誇りをもって働くことが できる、魅力的な地域産業がある「しごと感動―活力いきいき都市」を目指し、農林 水産業、観光業、商工業などの振興を図り、新地域産業の創出を支援し、雇用の安定 と確保を図ります。 1 農林水産業の振興 (1) 農業の振興 十和田湖や奥入瀬源流の清らかな水、三本木原開拓の広大な農地、米や野菜を始 めとする多様な農産物などを活かし、消費者の多様化・高度化するニーズに対応し た生産から加工・販売までの総合的な食料生産基地をめざし、意欲ある後継者や新 規就農者の育成・確保と生産体制の整備、優良農用地の保全、生産基盤の整備と農 地利用の集積、十和田湖や河川などの水資源の保全と活用、土づくりの推進などを 図り、安全で良質な農産物の生産を促進するとともに、ミネラル野菜などの地域特 産物の産地化・ブランド化を促進します。 また、地産地消の取組みや大都市の消費者などとの提携、道の駅や宿泊施設など と連携した販路拡大などを図るとともに、良質の水と豊かな農産物を組みあわせた 魅力ある加工特産品の開発とブランド化を促進し、高付加価値化を図ります。 (2) 畜産業の振興 八甲田山系の高原に広がる自然豊かな牧場群をはじめ豊富な土地資源を活用する とともに、北里大学獣医畜産学部(現在は獣医学部)との連携を深め、十和田湖和 24 牛や奥入瀬ガーリックポークなどの一層のブランド化を図り、全国屈指の食料生産 基地の確立をめざします。また、家畜防疫の徹底、環境対策や畜産振興対策の充実 に努めるとともに販路拡大や加工品の開発などに取り組みます。 (3) 林業の振興 森林の持つ国土保全・水源かん養・保健レクリエーションなどの公益的機能の維 持・強化に努めるとともに、地元材による家づくりを促進しながら優良杉の生産体 制の維持を図ります。 (4) 水産業の振興 十和田湖や奥入瀬川などの水質保全と魚類の生息環境の保全・整備を図りながら、 ヒメマスなどのふ化・放流事業への支援や遊漁者の受け入れ態勢の整備など、内水 面漁業の振興を図ります。 2 観光の振興 成熟時代を迎える国民や急成長するアジア諸国の人々の観光ニーズに対応した国 際環境観光都市をめざし、「祭り感動」「遊ぶ感動」「見る感動」「食べる感動」「憩う 感動」の「5感(5つの感動)観光」プロジェクトを推進します。 特に、観光ホスピタリティー(もてなしの心)の向上や案内施設・設備の整備、情 報発信の充実を図りながら、国境祭や十和田湖冬物語などの充実や新市の賑わいを高 める勇壮な山車・太鼓車の競演する秋祭りなどの魅力的な祭り・イベントの創造、八 甲田登山やキャンプ場、十和田湖などを活用したアウトドア・スポーツ体験、八甲田 や十和田湖・奥入瀬渓流を活かしたエコーツーリズムやウォーキングツーリズムの推 進、牧場などを活用した農畜産物加工などの体験観光、日本の道百選「官庁街通り」 などの街並み景観と観光物産振興施設の整備や称徳館・馬文化を活かした観光の推進、 食の魅力のある観光地づくり、美しい景観の整備と自然と共存した観光地づくり、温 泉や十和田湖畔・奥入瀬渓流・蔦沼の散策などを活用した健康と癒しの観光地づくり などを促進します。 3 商工業の振興 (1) 商業・サービス業の振興 賑わいと活気のあるまちづくりをめざし、広域的に集客できる魅力的・個性的な 店づくりや個性的なイベントなどによる中心市街地の活性化、市民生活に密着した サービスの店づくり、農林水産業や観光業と連携した加工販売店などの振興を図る とともに、空店舗の活用や駐車場の確保などの活性化対策を推進します。 また、十和田市中心市街地活性化基本計画に基づき、TMO構想の実現に向けた 支援を促進します。さらに、農林水産業と連携した道の駅とわだ「とわだぴあ」と 「奥入瀬ろまんパーク」の活性化、産業情報化の推進と地域情報産業の育成、健康・ 医療・福祉産業などの振興を図ります。 (2) 工業の振興 中高年を中心とした豊かな成熟消費の時代を迎え、健康志向の農産物や加工食品 などへのニーズが高まっており、良質の水や豊かな農畜産物を活かした食品加工業 25 の集積都市をめざし、北里大学などとの連携を図りながら、新商品の開発や製造・ 販売の効率化など、地域企業の経営革新への支援充実を図るとともに、若者や女性 などによる起業や観光と連携した地域特産品の開発の促進を図ります。 また、十和田湖や奥入瀬川のイメージと奥入瀬源流水や優れた食材をセールスポ イントとした企業誘致を進めます。 4 雇用の創造 新市のバックボーンとなる開拓精神を受け継ぎ、若者や女性、退職者や高齢者・ 障害者などの雇用創造に向けて、農林水産業、製造業、観光などの各分野が連携し て「産業開拓」プロジェクトに取組み、体験教育や十和田市少年少女発明クラブの 活動などを通した起業文化の育成、新規就農者の育成・受け入れ体制の充実、既存 企業の新商品開発や新規事業進出への支援、農林水産物加工団体などの育成、若者・ 女性・高齢者やUJIターン者などによる生活密着型の商業・サービス業や情報産 業などの小事務所・自宅事務所(SOHO)の起業支援、まちづくりや福祉などの NPO法人の立ち上げ支援など、雇用創造の積極的な取組みを進めます。 施策の柱 主な事業 十和田産品ブランド化促進事業 農道改良整備事業 担い手育成支援事業 し ご と 感 動 ― 活 力 い き い き 都 市 1 農 農地流動化推進事業 (1) 農業の振興 6次産業化促進事業 林 地産地消促進事業 水 加工・販売・情報発信支援事業 産 食の安全システムづくり事業 業 の 振 大規模農業機械共同利用支援事業 (2) 畜 産 業 の 振 興 興 (3) 林業の振興 (4) 水 産 業 の 振 興 畜産振興対策事業 十和田産品ブランド化促進事業(再掲) 食の安全システムづくり事業(再掲) 林道整備事業 木材産業振興支援事業 ヒメマス等安定生産事業 26 十和田湖観光拠点施設整備事業 観光物産振興事業 観光PR促進事業 体験型観光促進事業 2 観光の振興 野外芸術文化ゾーン整備事業(再掲) エコツーリズム・ウォーキングツーリズム推進事業 国際観光推進支援事業 観光施設維持・更新事業 十和田湖温泉スキー場整備事業 十和田湖温泉郷環境整備事業(再掲) 業 3 (1) 商業・サービ の ス業の振興 振 商 興 工 (2) 工業の振興 TMO構想支援事業 中心市街地活性化事業(再掲) 工場立地支援事業 UIJターン促進事業 4 雇用の創造 定住支援事業(再掲) 職業能力向上支援事業 企業誘致支援事業 27 第5節 しみん感動-市民はつらつ都市 (1) 市民活動の活性化 1 市民活動の促進 (2) 男女共同参画社会の実現 (3) 人権尊重のまちづくり 2 (1) 地域間交流の充実 交流の促進 (2) 国際交流の推進 (1) 行政運営の効率化 3 行財政運営の効率化 (2) 財政運営の健全化 成熟時代を迎え、趣味やボランティア活動、まちづくりや地域づくり活動など、様々 な分野で市民活動が活発化する一方で、少子・高齢化の進行が進み、行政ニーズが増 大するとともに、地方交付税の削減など厳しい財政状況に直面しています。 市民と行政がお互いに認め合い、共に創る「しみん感動―市民はつらつ都市」をめ ざし、情報公開と市政への市民参画、地域コミュニティ活動やボランティア活動の活 発化、青少年活動や男女共同参画、人権擁護、地域間交流や国際交流などの取組みの 充実を図るとともに、行政組織の効率化とスリム化の徹底と自主財源の確保に取組み、 財政の健全化を図ることが課題です。 また、合併市町村振興基金積立事業により、地域住民の連帯強化や地域振興を図り ます。 1 市民活動の促進 (1) 市民活動の活性化 市民が自立した活力のあるまちづくりをめざし、教育・文化、福祉、農林水産業・ 商業・観光、コミュニティなどの各分野が連携し、「市民活躍」プロジェクトを推 進し、行政情報の公開と各種計画立案への市民参画を進めるとともに、地区の小学 校や集会所などを拠点にした地域コミュニティ活動の活性化や、公民館・分館など を拠点としたまちづくりグループ活動、元気なまちづくりにつながる市民活動、N PO活動などの促進、青少年のコミュニティでの役割づくりと女性のまちづくり活 動への参画などを促進します。 また、祭りやイベントを通して市民の交流と活性化を図るとともに、観光の魅力 を高めます。 (2) 男女共同参画社会の実現 男女共同参画社会の実現に向けて、男女の固定的な役割分担意識の是正や慣習の 28 見直しなど啓発活動の充実により市民の意識高揚を図るとともに、市の審議会や委 員会、様々な市民活動などへの女性の参画機会の向上を図ります。 (3) 人権尊重のまちづくり 差別やいじめのない社会の実現をめざし、人権教育の推進と人権問題の啓発を推 進するとともに、人権擁護の相談体制の充実などを図ります。 2 交流の促進 (1) 地域間交流の充実 交流や情報発信の活発なまちをめざし、新渡戸稲造や大町桂月、日本三大開拓地、 北里大学、温泉をキーワードとしたまちづくり活動などを通した地域間交流や花巻 市、土佐町、川南町・矢吹町との交流などの充実を図ります。 また、北里大学との交流連携や各種団体・異分野間の交流など、民間交流の活性 化を図るとともに、新市の一体化を醸成するための記念イベントを実施します。 (2) 国際交流の推進 国際化時代を迎え、ALT*の活用など国際理解の推進、国際交流や国際貢献活動 への支援などを図るとともに、国際観光の推進に向け諸外国との交流を図ります。 3 行財政運営の効率化 (1) 行政運営の効率化 行政サービスの充実と行政運営の効率化に向けて、行政改革大綱を策定し、行政 組織・機構や施設配置の見直し、行政情報化と庁内連携の強化、職員の専門的技術 力の向上、PFI*方式の公共事業や市民や事業者による施設管理・運営、事務事業 評価制度の導入などを図ります。 (2) 財政運営の健全化 財政運営の健全化のために、地域産業の再構築や若者定住の促進、滞納市税の徴 収などにより財源の確保を図るとともに、長期財政計画にもとづき、国や県の事業 の積極的な導入、起債や経常経費の抑制、公共施設の計画的な修繕、隣接市町村と の共同事業や連携事業の合理化・効率化と拡大など、財政運営の健全化に努めます。 * 「ALT」 :Assistant Language Teacher の略で、小中学校の英語等の授業を補助する外国語指導助手の こと。 * 「PFI」 :Private Finance Initiative の略で、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、 経営能力及び技術的能力を活用して行う手法のこと。 29 施策の柱 主な事業 住民自治組織(自治会・町内会・地区会など)支援事業 ボランティア活動促進事業(再掲) まちづくり活動支援事業 1 市 民 活 動 の 促 進 (1) 市民活動の活 性化 コミュニティコーディネーター事業 市民交流プラザ整備事業(再掲) 新市記念イベント事業(再掲) 自治会館・集会所の整備支援事業 総合型地域スポーツクラブ育成事業(再掲) (2) 男女共同参画 社会の実現 (3) 人権尊重のま し ちづくり み ん 2 (1) 地域間交流の 感 動 充実 交 ― 進 流 (2) 国際交流の推 市 の 民 促 進 は つ ら つ 都 市 男女共同参画プラン策定事業 男女共同参画事業 人権教育啓発事業 新市記念イベント事業(再掲) 地域間交流支援事業 国際交流支援事業 行政改革大綱策定・推進事業 行政評価システム導入事業 支所体制整備事業 文書、人事等内部情報管理システム整備事業 3 行 財 政 運 営 の 効 率 化 (1) 行政運営の効 率化 戸籍電算システム統合事業 地籍図のデータベース化及び総合型GIS構築事業 行政情報ネットワーク事業(再掲) 庁舎事務室等改修整備事業 庁舎周辺駐車場整備事業 庁舎等整備事業(再掲) 長期財政計画策定事業 (2) 財政運営の健 全化 企業誘致支援事業(再掲) 定住支援事業(再掲) 滞納市税徴収事業 30 第 6章 戦 略プロ ジェ クト 新市の将来像「感動創造都市―豊かな水と緑の感動のまちをめざして―」の実現に 向けて、次の5つの「戦略プロジェクト」を計画し、開拓精神を発揮し、創造的・重 点的にまちづくりを進めます。 6-1 「子ども未来」プロジェクト 本地域の将来は次世代を担う子どもたちにかかっており、数十年先を考え、多様 な可能性を持った子どもたちを個性豊かに伸ばすまちづくりを進めることが重要 です。 いきいきとした子どもをはぐくむ環境整備など「子ども未来」プロジェクトに取 組みます。 ① (仮称)教育プラザ整備事業 ② 十和田湖保育所改築事業 ③ 「こどものまつり」開催事業 6-2 「健康安心」プロジェクト 高齢化が進むなかで、誰もが生涯を通して健康で安心して暮らせることを望んで いるとともに、医療への関心も高まってきています。 生涯を通して健康に、安心して暮らせるよう、医療体制の充実など、「健康安心」 プロジェクトに取組みます。 ① 公共交通の維持対策事業 ② 市立中央病院及び十和田湖畔診療所整備事業 ③ 簡易水道施設整備事業 ④ 市民交流プラザ整備事業 6-3 「5感(5つの感動)観光」プロジェクト 自然志向や健康志向、温泉保養志向のほか、外国人観光客の増加など、自然と温 泉に恵まれた本地域に有利な時代の動きが見られます。 20 世紀型の「名勝・見物・歓楽・団体」型観光からの脱却に向けて、新しい魅力 のある国際観光地づくり、 「5感(5つの感動)観光」プロジェクトに取組みます。 ① 十和田湖観光拠点施設整備事業 ② 十和田湖温泉郷環境整備事業 ③ 湯ノ台高原整備事業 ④ 野外芸術文化ゾーン整備事業 ⑤ 体験型観光促進事業 31 6-4 「産業開拓」プロジェクト 中高年を中心とした豊かな成熟消費の時代を迎え、魅力的な農産物や商品、健 康・医療・福祉サービスなどへのニーズは高まってきています。 受け継がれてきた開拓精神と、本地域の魅力であり、重要な資源である奥入瀬の 水と農業を活かし、農林水産業、製造業、観光などの各分野が連携し、 「奥入瀬」 「十 和田湖」ブランドの確立と新たな地域特産品の開発促進など、「産業開拓」プロジ ェクトに取組みます。 ① TMO構想支援事業 ② 十和田産品ブランド化促進事業 ③ ヒメマス等安定生産支援事業 ④ 食の安全システムづくり事業 ⑤ 6次産業化促進事業 6-5 「市民活躍」プロジェクト 成熟時代を迎え、趣味やボランティア活動、まちづくりや地域づくり活動など、 様々なグループ活動やイベントなどが活発化してきており、新市になり、市民の交 流が広く進むことによって、さらに活発化が図られます。 地域コミュニティ活動やボランティア活動、NPO等の市民活動の支援など、 「市 民活躍」プロジェクトに取組みます。 ① 総合型地域スポーツクラブ育成事業 ② 高齢者を支える市民活動支援事業 ③ いきいきまちづくり活動推進事業 ④ 公共交通の維持対策事業(再掲) 32 第7章 新市まちづくりにおける県事業の推進 新市の将来像「感動創造都市―豊かな水と緑の感動のまちをめざして―」を実現する ために、青森県と連携・協力して以下の施策を推進していきます。 新市における青森県事業 事 業 名 市町名 1 国立公園清掃事業 十和田湖町 2 産業立地促進費補助金(事業) 十和田市 事業の概要 十和田八幡平国立公園(十和田・八甲田地区)の快適な公 園利用を図る事業 合併後の新市における企業誘致、雇用の拡大を図る事業 十和田湖町 3 中山間地域総合整備事業(四和 十和田市 地区) 4 5 整備する事業 広域営農団地農道整備事業(十 十和田市 和田南部地区) 農業生産基盤整備と定住促進を図るための生活環境基盤を 十和田湖町 県営かんがい排水事業(指久保 十和田市 地区) 両市町の農道・農業施設を有機的に結ぶ基幹農道であり、 農業生産活動の効率化を図る事業 農業生産の基礎となる農業用水の安定確保や円滑な供給を 図り、生産性の向上と農業経営の安定と、豊な水辺空間や水 辺環境を創り出す事業 6 県営かんがい排水事業(相坂川 十和田市 左岸・相坂川左岸2期地区) 7 ため池等整備事業(用排水施設 十和田湖町 整備)(沢田地区) 8 国道103号道路整備事業(奥 十和田湖町 入瀬(青橅山)バイパス) 排水不良を解消し生産性の向上と農業経営の安定を図ると ともに、水辺空間や水辺環境を創り出す事業 断面狭小の水路を改修し、農地、農業用施設の被害を防止 する事業 新市のみならず本県最大の観光資源である十和田八幡平国 立公園へのアクセス強化による地域の観光振興を図る事業 (平成25年度から直轄権限代行事業として国が実施) 9 国道103号道路整備事業(宇 十和田湖町 樽部バイパス) 10 (主)十和田三戸線道路整備事 十和田市 業(下切田~横道工区) 十和田八幡平国立公園へのアクセス強化による地域の観光 振興を図る事業 十和田市南西部から中心市街地へのアクセス強化を図ると ともに、周辺地域との連絡強化による広域交流の促進を図る 事業 11 (主)青森田代十和田線道路整 十和田湖町 備事業(法量工区) 12 (一)戸来十和田線道路整備事 十和田市 業(滝沢工区) 県都青森市から新市へのアクセス強化を図るとともに、周 辺地域との連絡強化による広域交流の促進を図る事業 十和田市南西部から中心市街地へのアクセス強化を図ると ともに、周辺地域との連絡強化による広域交流の促進を図る 事業 13 奥入瀬川支川北向川小支川タカ 十和田湖町 火山地域における流域の荒廃地域の保全を行う事業 マタ沢火山砂防事業 14 藤島川砂防整備(自然災)事業 十和田市 渓流の渓岸浸食の保全と河床の土砂堆積除去等を行う事業 15 オモ沢砂防整備(自然災)事業 十和田湖町 渓流の渓岸浸食の保全と河床の土砂堆積除去等行う事業 16 中里川砂防整備(臨時河川)事 十和田湖町 渓流における自然環境、生態系保全を図るために行う事業 業 33 17 ふるさとの森と川と海の保全及 十和田市 び創造推進事業 十和田湖町 18 休屋港改修(統合補助)事業(桟 十和田湖町 橋改良) 流域におけるふるさとの森と川と海の保全と創造を総合的 かつ広域的に実施する事業 より多くの観光客へ対応出来るようにするとともに、新市 や民間による新たなソフト面でのサービス充実にもつながる 事業 19 十和田湖特定環境保全公共下水 十和田湖町 道事業 20 特天カモシカ保護事業 青森県・秋田県の2県に跨る、十和田湖の自然環境と水質 保全を図る事業 十和田湖町 合併後の新市の重要な資源となる自然環境の保全につなが る事業 34 第8章 公共的施設の統合整備 公共的施設については、住民生活に急激な変化を及ぼさないよう十分配慮し、地域の特 殊性やバランス、さらには財政事情等を配慮し整備を進めていくことを基本とします。特 に防災・災害対策の重要度が増す中、公共施設白書に基づき、防災拠点としての災害対策 機能、消防・救急機能、危機管理機能の確保のため、庁舎や消防施設など耐震性が低い公 共的施設の改修整備を計画的に進める必要があります。また、長寿命化対策の実施などに より、可能な限り既存施設の有効活用を図ります。 35 第9章 財政計画 第1節 前提条件 財政計画は、新市の財政運営の指針となるものであり、合併後の平成 17 年度から平成 31 年度までの 15 年間について、健全な財政運営を行うことを基本として、現況及び過 去の実績などから新市としての歳入・歳出の個々の項目ごとに普通会計ベースで策定し ています。 また、消費税率の引き上げに伴う影響について、該当する各項目において見込んでい ます。 歳入・歳出の前提となる主な条件は、次のとおりです。ただし、平成 17 年度から平成 25 年度までは実績値としているため、平成 26 年度以降の推計に係る前提条件となりま す。 1 歳入 (1) 地方税 市民税については、生産年齢人口の将来見込みをもとに推計しています。固定資 産税及び都市計画税については評価替えの影響、軽自動車税については将来見込ま れる税制改正を考慮し、推計しています。 (2) 地方交付税 平成 27 年度以降に合併に伴う特例措置(合併算定替)が段階的に縮小されるこ とから、その影響額を反映し推計しています。 (3) その他一般財源 地方消費税率の引き上げに伴う地方消費税交付金の増収を見込んでいます。 (4) 国・県支出金 国・県支出金については、過去の実績などを考慮して推計しています。 (5) 地方債 地方債については、新市まちづくり計画に伴う合併特例債等を見込むほか、臨時 財政対策債は現行制度が存続するものとして、過去の実績を踏まえ推計しています。 2 歳出 (1) 人件費 人件費については、退職者の不補充による職員数の削減を実施してきたことを踏 まえ、 平成 27 年度以降は、 職員数が平成 26 年度と同程度のまま推移するものとし、 推計しています。 (2) 扶助費 扶助費の種別ごとに過去の伸び率などを参考に推計しています。 (3) 公債費 過去に借り入れた地方債に係る償還額に、今後借り入れする合併特例債や臨時財 政対策債などに係る償還額を加え推計しています。 (4) 物件費、維持補修費、補助費 過去の実績などを考慮するほか、公共施設の老朽化に伴う維持補修費が増加して きている現況を踏まえ、推計しています。 (5) 普通建設事業費 普通建設事業費については、新市まちづくり計画に位置づける事業、その他普通 建設事業を見込んで推計しています。 36 第2節 新市の財政計画 《歳入》 区分 地方税 地方交付税 合併支援措置 その他一般財源 国・県支出金 繰入金 地方債 その他歳入 合計 (単位:百万円) 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 6,768 6,536 7,015 6,930 6,685 6,533 6,616 6,569 6,798 6,438 6,261 6,210 6,162 6,010 5,963 9,251 9,069 9,170 9,545 10,097 10,736 10,837 11,026 10,940 10,100 9,983 9,276 9,182 9,191 9,094 488 398 212 268 174 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1,890 2,001 1,434 1,377 1,338 1,326 1,294 1,211 1,208 1,124 1,175 1,770 1,770 1,770 1,770 5,047 4,708 4,789 7,242 6,059 6,603 7,295 7,430 8,179 6,900 7,094 7,057 7,293 7,401 7,436 1,716 1,422 1,869 1,006 503 1,855 384 824 318 1,494 1,355 1,105 1,905 1,997 1,983 3,899 2,977 3,438 2,625 2,876 2,206 1,734 2,261 2,476 2,683 1,728 1,824 3,650 3,645 3,871 1,567 1,360 1,387 1,468 1,566 1,270 1,261 1,528 1,551 904 970 972 971 972 973 30,626 28,471 29,314 30,461 29,298 30,529 29,421 30,849 31,470 29,643 28,566 28,214 30,933 30,986 31,090 《歳出》 区分 人件費 扶助費 公債費 物件費 維持補修費 補助費 普通建設事業 その他歳出 積立金 合計 (単位:百万円) 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 4,728 4,398 4,379 4,193 3,973 3,819 3,706 3,523 3,374 3,661 3,661 3,661 3,661 3,661 3,661 4,325 4,434 4,630 4,841 5,021 6,073 6,287 6,316 6,328 6,839 7,247 7,349 7,457 7,571 7,692 3,771 3,753 3,721 3,814 3,681 3,693 3,739 3,759 3,765 3,803 3,598 3,480 3,326 3,114 2,990 2,490 2,236 2,216 2,286 2,143 2,480 2,629 2,232 2,302 3,166 2,809 2,861 2,861 2,861 2,861 458 298 309 280 327 309 470 520 754 735 741 755 755 755 755 5,549 5,244 5,223 6,413 5,529 5,664 5,147 5,032 5,235 5,547 5,552 5,317 5,425 5,509 5,570 4,577 4,016 4,486 4,584 3,762 2,477 2,137 3,648 3,206 2,667 1,716 1,687 4,257 4,257 4,247 2,722 2,842 3,384 2,614 2,564 4,021 2,866 3,279 3,278 3,175 3,242 3,104 3,191 3,258 3,314 1,257 311 241 399 926 872 1,309 1,094 1,818 50 0 0 0 0 0 29,877 27,532 28,589 29,424 27,926 29,408 28,290 29,403 30,060 29,643 28,566 28,214 30,933 30,986 31,090 ※平成17年度から平成25年度までは実績値 37
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