電気電子数学演習 期末試験用シケプリ
はじめに
¶
³
皆さん、お久しぶりです。数学演習初回の自己紹介でモヤシネタを出して以来、ごく一部の酔っ払い
共に飲み会の度にいつスベるともしれないモヤシ芸を強要され続け、モヤシに軽くトラウマを抱き始めた
私です。飲み会ノリでシケ対を安請け合いしてしまい、後悔は後を絶たないのですが、前回の中間試験の
シケプリで散々愚痴らせて頂きましたのでスッキリしました。なので今回はしっかりシケプリ作りに集
中したいと思います。クオリティ上がるといいな∼。
そういえば皆さん、中間試験の出来はいかがでしたでしょうか。シケ対といたしましては少しでもお役
に立てたことを願うばかりですが、もしかしたらあまりよろしくない結果が返ってきた方もいらっしゃる
かも知れません。そういった方々にとっては死活問題となる期末試験ですが、内容は相変わらずかなり濃
いです。微分方程式においてはラプラス変換が出てきましたし、複素関数論全般が試験範囲になっていま
す。かったるいですね∼。特にこれから数式ばっか出てくるかと思うと、シケプリ書くのが憂鬱で仕方な
い。ということで、前回に引き続き、細かい証明や、数学的厳密性はもちろんガン無視してます。数学が
使えればいいんです。誰が何と言おうとこの方針は貫きとおします。
とりあえず、試験用のカンペには是非入れてほしい内容を挙げて、その後に細かい補足をコメントして
いくスタイルは前回と同じです。時間のあまりない方はコメントなんて読まなくて構いませんので、最低
限公式を理解して使えるようにはしておいてください。時間に余裕のある方は、コメントにも目を通す
とプラスになったりならなかったり。(まぁ書いている私としては結構重要な事を述べているつもりなの
で、できれば無視しないで上げてください)
µ
´
特殊な 2 階微分方程式
¶
オイラーの微分方程式 x2 ÿ + axẏ + by = 0(a, b ∈ R) の解法
一般解法
手順 1
y = xλ として、方程式に代入、二次方程式 λ2 + (a − 1)λ + b = 0 を解く
=⇒ xλ が解基底をなす。以下、根 λ について場合分けを行う
手順 2
場合分け
二次方程式が異なる実根をもつとき ⇒ 根をλ1 , λ2 として、一般解は、c1 xλ1 + c2 xλ2
1
³
二次方程式が異なる虚数根をもつとき ⇒ 根λ = µ ± iν として、一般解は、
c1 xµ+iν + c2 xµ−iν = xµ (c´1 cos(ν log x) + c´2 sin(ν log x))
二次方程式が重根をもつとき ⇒ 根をλとして、一般解は、xµ (c1 + c2 log x)
別解法
手順 与えられた方程式に対し、x = et を代入して、線形微分方程式 η(t) = y(et ) に変換する。
あとは、定数係数の二階線形微分方程式の解法等を用いて解き、最後に et = x の変換を行い、解
を導く
µ
´
まず、試験に出題される可能性は低いと思われます。
講義で扱ったのは、別解法の方ですが、たまたま気分が良かったので一般解法も載せておきました。
どちらの解法も特殊な変数の置き換えを行っており、普通は思いつかないような解法です。ですから、
最低限どんな風に変数を変換しているかぐらいは目を通しておいてください。
¶
自律微分方程式 ẍ = f (x, ẋ) の解法
³
初期条件を x(t0 ) = x0 , ẋ(t0 ) = v0 とする
手順 1
f (η, 0) = 0 の全ての解を求める (=静止状態の解であり、これらは特解となる)
手順 2
ẋ(t) = v(x) と変換する
このとき ẍ(t) = v̇(x)v(x) となるので、これも代入してやる
=⇒ 一階微分方程式 v v̇ = f (x, v) を得る
手順 3
先程求めた微分方程式を解いて、一般解 v(x) = v(x, c1 ), c1 ∈ R を決定する
手順 4
初期条件を代入 (v0 = v(x0 , c1 )) ⇒ c1 を求める
手順 5
v を元に戻し、変数分離可能な微分方程式 ẋ = v(x, c1 ) を解いて、積分定数 c2 を含む解を求める
手順 6
手順 4 と同様に初期条件を代入してやり、c2 を決定すれば、初期値問題の解が決定される
µ
´
¶
自律微分方程式の特殊形 ẍ = f (x) の解法 (エネルギー法)
³
手順 1
f (x) = 0 の全ての解 x = η を求める (=静止状態の解であり、これらは特解となる)
2
手順 2
両辺に 2ẋ をかけて、さらに t について積分することで、一階微分方程式に変形する
2ẋẍ = 2ẋf (x) =⇒ (ẋ)2 = 2F (x) + c1 (F は f の原始関数)
手順 3
ẋ について解き、変数分離可能な微分方程式を解いて、積分定数 c1 , c2 を含む一般解を求める
µ
´
同様に恐らく試験には出されません。ぶっちゃけ読み飛ばして構わないでしょう。
ですが、せっかくなので一応解説っぽいのを。
自律微分方程式という大層な名前がついたこの方程式ですが、言わんとしている事はただ一つ。それ
は、二階微分方程式が特別な形である場合、ある操作によってそれは一階微分方程式に格下げできると
いうことです。その特別な形とは ẍ が変数 t を (陽に) 含まない式で表わされる、さらに、エネルギー
法の場合は ẍ が ẋ と t を (陽に) 含まない式で表わされる場合です。
因みに、手順 1 の”静止状態”というのは、単に「関数 x が時間 t に依存する関数 x(t) であるなら、
x(t) = η(定数) っていうのはある位置 η で動かない状態を表してるよね」ということを言いたいだけで
す。この状態は、手順 2 以降で求められる関数とは別に求めてやる必要があるようです。
初期条件の代入の際ですが、v を x の関数 v(x) としているが為に、何をどこに代入したらいいのか若
干分かりにくいかもしれません (少なくとも私はそう感じました)。ですが結局のところ、初期条件とし
て、ある時刻 t0 における位置 x0 、速度 v0 が与えられてますので、それぞれを x、v に素直に代入して
やるだけです。
細々とコメントしましたが、実は、自律微分方程式において、手順 2 の微分方程式からその一般解を
求めることは困難なことが多いです。右辺の関数 f (x, v) が v を含まない場合など、限られた状況下で
しか解を求められません。(この方程式から解の性質を考察することはできるみたいですが、そこまで
突っ込んだシケプリを作っても役に立たないでしょうから、割愛します。という言い訳。)
ラプラス変換
¶
ラプラス変換・逆変換の定義
³
ラプラス変換
関数 f (t) : [0, ∞) → R であり、t < 0 で f (t) = 0 であるとする。このとき s ∈ C として
Z
F (s) ≡ L[f (t)] ≡
∞
f (t)e−st dt
0
をラプラス変換と呼ぶ。このとき f (t) は原関数、F (s) は像関数と呼ばれる。
3
ラプラス逆変換
像関数 F (s) を原関数 f (t) に戻すための操作、ラプラス逆変換は、
L−1 [F (s)] ≡ f (t) ≡
1
2πi
Z
F (s)est ds(t > 0)
C
で定義される。ただし積分路 C には、F (s) の全ての特異点の右側にあり、虚軸に平行な直線をとるもの
とする。
µ
´
ラプラス変換 ・ 逆変換の定義です。実用上はラプラス変換表を用いて変換をするためあまり使用する
機会はないと思いますが、もしかしたら「変換表を用いずに次の関数をラプラス変換せよ」みたいな問
題が出題される可能性があります (というか出題されました) ので、必ず理解しておいてください。
余談ですが、このラプラス変換は s を複素数、積分区間が 0∼∞ となっていますが、特に s が実数であ
るとしたものを実ラプラス変換、積分区間を −∞∼∞ と拡張したものを両側ラプラス変換と呼んだり
します。まぁこんなこと知る必要ないですが。
もちろん全ての関数がラプラス変換できるわけではありません。試験では、まさかラプラス変換できな
い関数を変換させるようなことはしませんし、工学的に扱う関数の大半はラプラス変換できるとの話で
すので、私達は変換できるかどうかについて気にする必要はあまりありません。ですが、ついでなので
簡単に触れておきたいと思います。読むのがかったるい人は読み飛ばしてもらって構いません。
♦ まず、本題に入る前に、複素数が肩に乗っかった関数 est (s ∈ C, s = p + iq, p, q, t ∈ R) の性質につい
て見てみます。
関数 e−st の性質
1. p > 0 のとき lim e−st = 0
t→∞
Z
∞
2. p ≤ 0 のとき
e−st dt は収束しない
0
証明は省…こうかと思ったんですが、それではあまりにもやっつけ仕事ぶりが露呈しかねないと思った
ので、軽く証明っぽい説明を。
1. ⇒ s = p + iq, p, q ∈ R ですから、オイラーの公式から
e−st = e−(p+iq)t = e−pt (cos qt − i sin qt)
となります。このとき (cos qt − i sin qt) は周期 2π の関数であり、振動しています。ですが、Re(s) >
0, すなわち p > 0 であれば t → ∞ の極限で e−pt → 0 となりますから、結局 0 に収束するわけです。
2. ⇒ p = 0 のときは明らかですね。p < 0 であるときは、e−st に同様の変換を行います。Re(s) < 0、
すなわち p < 0 としていますので、t → ∞ としますと、e−pt はどんどん大きくなっていきます。が、
cos qt − i sin qt は振動していますので、収束することはないというわけです。
4
♦ さて、この性質をもって次の関数のラプラス変換を考えてみます。
例 f (t) = eαt , α ∈ R のラプラス変換
Z
∞
F (s) =
e−st eαt dt =
0
Z
∞
e−(s−α)t dt
0
Re(s − α) > 0, すなわち Re(s) > αのとき F (s) = … =
1
s−α
Re(s − α) ≤ 0, すなわち Re(s) ≤ αのとき定義されない
上の例の結果から、関数 eαt は Re(s) > α の領域においてラプラス
変換が可能であることが分かります。
これは右のグラフにおいて、破線 (Re(s) = α) の右側の領域に
Re
相当します。
余談ですが、逆ラプラス変換ではこの領域内にあり、虚軸に平行な
直線を積分経路としてとることになります。
Im
♦ 関数 eαt が Re(s) > α で収束することが分かりましたので、この事実を用いて、次の定理が成立する
ことが何となく理解してもらえるのではないでしょうか。
¶
ラプラス変換の収束性
³
関数 f (t) の不連続点が有限個でかつ
| f (t) |< M eαt (M > 0)
となる有限の M, α が存在するときラプラス変換は Re(s) > α なる s 平面上の領域で絶対収束する。
µ
´
♦ 絶対収束 ⇒ 収束、つまりラプラス変換が可能であることが導かれるわけです。ラプラス変換のできな
2
い関数 1t や et はこの条件を満たしません。
♦ しかし、残念ながらこの判別条件はあくまで十分条件であるため、万能ではありません。条件を満たさ
ない関数でもラプラス変換が可能なものは存在します。まぁこんな定理もあるんだな程度に頭の片隅に
でも置いといてください。
ちなみにこの説明を書くのに約 1 時間かかってます。上の無駄なグラフを書いて組み込むのにも相当な
時間がかかっています。かなり体力を消耗したので、この後のシケプリの質の低下が予想されます。慣
れないことはするもんじゃないですね。
³
¶
ラプラス変換の諸定理
ラプラス変換の線形性
L[af (t) + bg(t)] = aL[f (t)] + bL[g(t)], a, b ∈ C
5
拡大・相似則
L[f (ct)] =
1 1
F ( s), c > 0
c c
減衰・移動則
L[e−at f (t)] = F (s + a), a ∈ R
L[f (t − a)u(t − a)] = e−as F (s), a ≥ 0
たたみこみ積分のラプラス変換
Z
t
(f ∗ g)(t) ≡
f (t − τ )g(τ )dτ (たたみこみ積分の定義)
0
L[(f ∗ g)(t)] = L[f (t)]L[g(t)]
導関数・積分のラプラス変換
(
L[f˙(t)] = sL[f (t)] − f (0+)
L[f¨(t)] = s2 L[f (t)] − sf (0+) − f˙(0+), ただし limt→∞ f (t)e−st = 0
Z
t
L[
1
L[f (t)]
s
f (τ )dτ ] =
0
像関数の微分と積分
d
F (s)
ds
Z ∞
Z ∞
f (t) −st
1
F (u)du, ただし lim
e dt = 0
L[ f (t)] =
s→∞
t
t
s
0
L[tf (t)] = −
周期関数のラプラス変換
f (t) が t > 0 で定義された周期 T の周期関数であるとき
L[f (t)] =
1
1 − e−sT
Z
T
f (t)e−st dt
0
µ
´
ずらっと定理を並べました。そんなに複雑な式は含まれていませんので、頑張って一つ一つ理解して
使えるようになってください。
以下それぞれについて例を上げながら説明していきます。
線形性
6
– 特に説明する必要はないかと思います。強いて言うなら、定数が複素数でもよいという点でしょ
うか。
例 sin t のラプラス変換
1 it
(e − e−it )
2i
1
1 1
1 1
1
...L[sin t] = L[eit ] − L[e−it ] =
−
2i
2i
2i s − i 2i s + i
1
= 2
s +1
sin t =
拡大・相似則
– 理解すべき事は二つです。まず、t 領域において c 倍に縮小 (拡大) することは、s 領域において c
倍に拡大 (縮小) することといった具合に対応していること。縮小 ⇔ 拡大と対になっているんで
すね。
– 二つ目は c として許されるのが正の数であるということ。これは、ラプラス変換される関数 f (t)
が、t < 0 において常に 0 であることを考えると理解できるのではないでしょうか。あるいはラプ
ラス変換の積分範囲が 0 → ∞ であることを考えてもいいかもしれません。
例 sinωt(ω =
6 0, ω ∈ R) のラプラス変換
ω > 0 のとき
L[sin ωt] =
1
1
ω
= 2
ω ( ωs )2 + 1
s + ω2
ω < 0 のとき
sin ωt = − sin(−ωt), −ω > 0 より上の結果から
L[sin ωt] = −L[sin(−ωt)] = −
−ω
ω
= 2
s2 + (−ω)2
s + ω2
減衰・移動則
– 理解すべき対応関係はただ一つ。減衰関数 e−at ore−as をかける ⇔ 関数の平行移動という対応則
です。ただいくつか注意すべき点はあります。
– まず、原関数と像関数とで、平行移動の方向が逆になっていることです。まぁ式を見てもらえれば
分かるかと思います。
– 二点目は原関数の平行移動 (=時間的移動) が正方向にしか許されていない点です。これは、ラプラ
ス変換は被変換関数が t < 0 で常に 0 であることを想定していることに起因します。もしも負方向
の平行移動を許してしまうと、関数の形そのものが変化してしまうことになりますからね。(例え
ば f (t) = 1, (0 ≤ t ≤ 1), f (t) = 0, (1 < t) という関数を負方向に 1 だけ平行移動してしまう
と、被変換関数が 0 になってしまいます)
– ここで、被変換関数が t < 0 で 0 であること、および平行移動が関数の形そのものは変えないもの
であることを明示的に表現するためにヘビサイド関数というものを導入しています。この関数の定
義はいたってシンプルです。
ヘビサイド関数の定義
½
u(t) ≡
7
0 t<0
1 t≥0
– この関数を導入することで、ラプラス変換における被変換関数の特徴がより明確に表わせるわけで
す。
1.5
1.5
1
1
0.5
0.5
正方向に平行移動 =⇒
0
0
-2
-2
-1
0
1
2
3
4
5
6
7
-1
0
1
2
3
4
5
6
7
8
8
-0.5
-0.5
-1
-1
-1.5
-1.5
関数 f (t − 2)u(t − 2)
関数 f (t)u(t)
– もともと t < 0 で 0 である関数を +t 方向に 2 平行移動すると、t < 2 で 0 となる関数になる様子
が分かるかと思います。
– まぁぶっちゃけただそんだけの話なので、そこまで気にする必要はないかと思います。(無駄にグ
ラフとか書いてますが、明らかに力を入れる場所を間違ってますね。どんまい、俺。)
at
例e
sin ωt のラプラス変換
L[eat sin ωt] =
ω
(s − a)2 + ω 2
たたみこみ積分
– t 領域での関数の和は、s 領域でも和として現れるのは、線形性のところで説明したとおりです。そ
の考えでいくと、t 領域で積の形で表わされる関数のラプラス変換は、s 領域でも積の形で現れる
と思いがちですが、残念ながら現実はそんなに単純ではありません。まぁ既にご存じかとは思いま
すが、このたたみこみ積分が s 領域での積として現れるわけです。説明終了。
– 一応補足すると、このたたみこみ積分、f ∗ g も普通の掛け算と同じような性質を持っています。
分配 ・ 交換則が成立しますし、無論 0 とのたたみこみ積分は 0 になります。ただ、一つ異なるの
は 1 ∗ f 6= f である点です。むしろデルタ関数とのたたみこみ積分を考えると、δ(t) ∗ f (t) = f (t)
Z となることが分かるかと思います。
t
sin(t − τ )f (τ )dτ のラプラス変換
例
0
Z t
L[
sin(t − τ )f (τ )dτ ] = L[sin t]L[f (t)] =
0
1
・F (s)
s2 + 1
導関数・積分の変換
– 一番重要度の高い公式です。ラプラス変換を微分方程式に適用する際、これを知らなければそもそ
もお話しになりません。(つまりは一番使用頻度の高い公式ということになるので、自然と覚えて
しまうのではないでしょうか。わざわざ書く必要もないかと思いますが、これもシケ対の宿命、わ
ざわざ書かなければならないのです。ですから、皆さんも耳タコかと思いますが、ああ、シケ対っ
て大変なんだな∼と同情しつつ読んでもらえたらこれ幸い。)
8
– 微分に関してですが、実用上恐らく二階導関数の変換まで使えるようにしておけば十分かと思いま
す。一階導関数の変換さえ覚えておけば、後はその繰り返しで n 階導関数も変換できますが、一応
公式を示しておきます。
L[f (n) (t)] = sn L[f (t)] − sn−1 f (0+) − … − f (n−1) (0+)
– ちなみに、この公式を導出する過程において、 lim f (t)e−st = 0 を仮定してますので、被変換関数
t→∞
がこの条件を満たしている必要があります。が、私達が扱うような関数はこの条件を満たしている
ものがほとんどらしいので、特に気にする必要はないです。
– 積分の方ですが、これまた微積分方程式を解く際にお世話になることが多い公式です。特に説明す
Rt
る必要もないかと思いますが、上で示した公式は、積分領域が
0
となっていることにちょっと注
意が必要です。不定積分をラプラス変換したいときには初期値も考える必要があります。念のため
公式を。
Z
L[
f (t)dt] =
Z
1
1
F (s) + f (−1) (0+),
s
s
(f (−1) (0+) = lim
t→0+
Z
0+
f (t)dt =
f (t)dt)
−∞
– n 回積分の場合の一般形もありますが、めんどいのでしょーりゃく。なぜなら見るからに入力する
のがかったるそうな式だからです。あと、今回の試験で出題される可能性はまずないからです。
– まとめると、原関数の n 回微分 ⇔ 像関数に sn をかける、原関数の n 回積分 ⇔ 像関数を sn で割
るといった具合に対応しているんですね。へぇ∼
例 sin2 t のラプラス変換
d
(sin2 t) = sin 2t
dt
L[sin 2t] = sL[sin2 t] − f (0+) = sL[sin2 t]
1
1
2
...L[sin2 t] = L[sin 2t] = · 2
s
s s +4
例 t2 のラプラス変換
Z
L[t2 ] = L[2
t
tdt] =
0
=
2
L[t]
s
2 1
·
s s2
像関数の微分・積分
– 原関数の微積分に対する変換公式があれば、当然像関数の微積分に対する変換公式も存在します。
この公式は、像関数の微積分が、原関数において t との積 ・ 商として現れると理解するよりも、原
関数と t との積・商 ⇒ 像関数の微分・積分という関係で理解した方がより実用的です。まぁ結局
おんなじことですけどね。
– 他に特に説明すべき事はありませんが、注意点はいくつかあります。まず微分の方で − 符号が付
R∞
くということ。あとは積分の方で、積分領域が
s
であることです。
– 一般形は、先の公式を繰り返し適用していけば導けますが、一応下に示しておきます。
L[tn f (t)] = (−1)n
9
dn
F (s)
dsn
例 t sin ωt のラプラス変換
d
d
ω
L[sin ωt] = −
ds
ds s2 + ω 2
2ωs
= 2
(s + ω 2 )2
L[t sin ωt] = −
例
sin ωt
のラプラス変換
t
L[
sin ωt
]=
t
Z
∞
ω
π
s
du = − arctan
2
+ω
2
ω
s
ω
= arctan
s
u2
周期関数のラプラス変換
– 右のグラフのように、ある周期 T で同じグラフが延々と繰り
返される周期関数のラプラス変換を考える時は、まず 1 周期
1.5
1
分のグラフだけを取り出し、その関数にラプラス変換を施し
0.5
ます。あとは先程の移動則を用いて、T だけ平行移動したも
0
-2
の、2T だけ平行移動したもの、…nT だけ平行移動したもの
-1
0
-0.5
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
-1
を作り、線形性を用いて全て足し合わせてあげれば変換が
完成します。
1.5
– この作業を公式化したものがこれです。講義中の問題で
1
も解きましたよね。どのようにして変換するかどうかさえ知っ
ておけば、わざわざ公式として覚える必要もないかと思いま
すが、知っておくと便利な式ではあるかと思いましたので載
0.5
0
-2
-1
0
-0.5
-1
1 周期分だけ取り出し、移動則・線形性を適用
せておきました。
例 | sin t | のラプラス変換
周期は π 、1 周期分の関数は sin t, (0 ≤ t ≤ π) であるから、
Z π
1
L[| sin t |] =
sin t · e−st dt = … 1 − e−sπ 0
1 + e−sπ
1
π
1
·
(=
coth s)
=
1 − e−sπ
1 + s2
1 + s2
2
¶
インパルス関数
³
インパルス関数 δ(t) の定義
(
δ(t) =
Z
∞ (t = 0)
0 (t 6= 0)
²
δ(t)dt = 1 (² > 0)
−²
µ
´
10
像関数が定数となるような原関数を考える際に定義する必要のある関数なので、ここで触れておきたい
と思います。
面積が 1 となる方形波を考え、面積を固定したまま関数の幅を 0 に近づけていくとインパルス関数にな
ります。t=0 という瞬間的な時刻で ∞ という値を取り、しかし面積自体は 1 という、かなり数学的に
特殊な関数です。
この面積自体は 1 という事がミソで、この事実によってインパルス関数に特有な次の性質が導かれ
ます。
インパルス関数の関数値抜き出し作用
Z
∞
−∞
Z
上では積分領域を
∞
−∞
f (t)δ(t − τ )dt = f (τ ) ただし f (t) は t = τ で連続
で考えていますが、積分領域内に t − τ = 0 となる点、すなわち t = τ が含ま
れてさえいればどのような積分領域でも上の性質は成立します。
この性質を用いることで、像関数が定数となるようなラプラス変換が実現されるわけです。
Z ∞
L[δ(t)] =
δ(t)e−st dt = e−s·0 = 1 (const)
0
最後にラプラス変換表を載せておきます。
正直載せるか載せまいか悩みに悩みました。かなりめんどくさい作業です。わざわざここに載せなくて
も教科書を開けば載ってます。ですが、これがシケプリという宿命を背負っている以上避けては通れな
いだろうという結論に至り、泣く泣く載せることにしました。「あーシケ対お疲れさんだねー」と思い
つつご使用ください。
最低限覚えた方がよろしいのではないかと思う変換
原関数
像関数
δ(t)
1
1(= u(t))
1
s
n!
tn
sin ωt
cos ωt
e−at
11
sn+1
ω
s2 +ω 2
s
s2 +ω 2
1
s+a
少し複雑な関数のラプラス順変換表
原関数
像関数
t (α > −1)
Γ(α+1)
sα+1
√1
s
1
α
√1
qπt
4t
π
2
原関数 2
cosh ωt
sinh ωt
t
sinh2 ωt
t
sin ωt
t
1−cos ωt
t
sin2 ωt
t
−αt
3
s2
2ω 2
2
s(s +4ω 2 )
s2 +2ω 2
s(s2 +4ω 2 )
2ωs
(s2 +ω 2 )2
2
s −ω 2
(s2 +ω 2 )2
ω
s2 −ω 2
s
s2 −ω 2
2ω 2
s(s2 −4ω 2 )
sin ωt
cos2 ωt
t sin ωt
t cos ωt
sinh ωt
cosh ωt
2
sinh ωt
e
sinh ωt
−αt
e
cosh ωt
−αt
sin(ωt + θ)
−αt
cos(ωt + θ)
e
e
像関数
s2 −2ω 2
s(s2 −4ω 2 )
1
s+ω
2 log s−ω
2
− 14 log(1 − 4ω
s2 )
tan−1 ωs
1
ω2
2 log(1 + s2 )
1
4ω 2
4 log(1 + s2 )
ω
(s+α)2 −ω 2
s+α
(s+α)2 −ω 2
(s+α) sin θ+ω cos θ
(s+α)2 +ω 2
(s+α) cos θ−ω sin θ
(s+α)2 +ω 2
ラプラス逆変換表
像関数
原関数
像関数
原関数
1
δ(t)
b + ( ac − b)e− a
et0 s
δ(t − t0 )
1
s
1
s2
1
sn
1
s−α
1
(s−α)n
1
s2 +ω 2
s
s2 +ω 2
1
(s+α)2 +ω 2
s+α
(s+α)2 +ω 2
1
(s−a)(s−b)
c+ds
(s−a)(s−b)
1, u(t)
b+cs
s(1+as)
c+ds
(1+as)(1+bs)
1
s(1+as)(1+bs)
1
s2 (s+α)
s+β
s2 (s+α)
2
s +αs+β
s2 (s+a)
K
(1+T s)2 s
s
(s2 +a2 )2
1
s(s2 +ω 2 )
1
s2 (s2 +ω 2 )
s
(s+α)(s2 +ω 2 )
1
(s2 +a2 )(s2 +b2 )
s
(s2 +a2 )(s2 +b2 )
t
tn−1
(n−1)!
αt
e
tn−1 eαt
(n−1)!
1
ω sin ωt
cos ωt
1 −αt
ωe
−αt
e
1
a−b [(c
sin ωt
cos ωt
1
at
a−b (e
at
+ da)e
− ebt )
− (c + db)ebt ]
12
t
bc−d − bt
ac−d − at
− b(a−b)
e
a(a−b) e
−t
−t
−be b
1 + ae ab−a
1
−αt
− 1 + αt)
α2 (e
(β−α)e−αt +αβt+(α−β)
α2
(a2 −aα+β)e−at +(aα−β)+aβt
a2
t
K[1 − (1 + Tt )e− T ]
t
2a sin at
1
ω 2 (1 − cos ωt)
1
ω 3 (ωt − sin ωt)
(α cos ωt+ω sin ωt)−αe−αt
α2 +ω 2
a sin bt−b sin at)
ab(a2 −b2 )
cos bt−cos at)
a2 −b2
ラプラス変換の応用
¶
ラプラス変換を用いた x(t) に関する線形微積分方程式の解法
³
手順 1
両辺に L 変換を行う (ただし微積分式の変換の際に初期値が必要になる)
手順 2
X = L[x] に対する方程式を X について解く
手順 3
ラプラス変換の諸規則、及び変換表を用いて原関数 x(t) = L−1 [X] を求める。これが微分方程
式の解である。
µ
´
数学演習でも電気回路の講義でも散々出てきたので、微積分方程式がラプラス変換によって簡単に解け
るようになるということは身にしみて理解しているかと思います。
例えば 2 階線形微分方程式に関して言えば、数学演習前半でもやったように真面目に解こうとすると、
解基底を決定し、定数変化法や右辺の形に応じて解の形を仮定したりして特解を求めるという、面倒な
過程を踏む必要があります。が、ラプラス変換によって微分方程式を変換してやれば、微分式を四則演
算の形に持ち込むことができるんですね。
あっ、久々にアルマゲドンやってる…見、見たい…ここで説明を終わらせたいのですがいいですか?い
いですよね?…分かってます。さすがに手を抜いているのがバレますよね。実際、これまでの説明だけ
で試験問題が解けるとも思えませんし…。ということで最後の気力を振り絞って具体例を挙げたいと思
います。あと、ブルースウィリスとリヴタイラーが最後に言葉をやり取りするシーンで思わず涙ぐんで
しまうのは私だけではないはず。
この例題は 2006 年度の期末試験問題から素材を頂きました。恐らく今年度の期末試験でも、電気回路
が題材にされる可能性はかなり高いと思われます。
¶
²
³̄
例 図に示すような LCR 回路があるとする。この回路には電圧 1 の電源が接続されており、また
A
C
t < 0 ではスイッチは定常的に閉じられており、
t = 0 Bで開放するものとする。t ≥ 0 において回路
を流れる電流 i(t) を求めよ。
±
µ
°́
1
1
L
R
1
C
♦ いきなり余談です。直流電圧源を表現する方法としては、V = 1 と書く場合と、V = u(t)(ヘビサイド
関数) と書く場合がありますが、両者の意味をきちんと理解しておきましょう。どちらも電圧 1 を表現
13
2
2
しているという意味では同じですが、電圧がかかり始める時刻が異なります。
前者は t = −∞ から既に電圧がかかっていますが、後者は t = 0 から電圧がかけられることになり
ます。
♦ この問の場合は電圧 1 となっているので、t = −∞ から電圧がかかっていることになります。よって、
初期電流とキャパシタ両端の初期電圧はそれぞれ
i(0) =
1
, ec (0) = 0
R
ということになります。
♦ それではまず微積分方程式を求めてみましょう。(ちなみに電気回路の講義では微積分方程式を経由せ
ず、いきなり s 領域 (ラプラス変換後の領域) におけるオームの法則を用いて I(s) を求める方法を学び
ましたが、ここではセオリー通りに段階を踏んで解いていきたいと思います。)
キルヒホッフの電圧則から
L
di
1
+ Ri +
dt
C
Z
idt = 1
となります。
♦ このまま両辺をさらに t で微分して、2 階微分方程式として解いても構いませんが、ここではもちろん
ラプラス変換を使います。両辺を変換してやれば、
1 1
1
L(sI(s) − i(0+ )) + RI(s) + ( I(s) +
C s
s
Z
0+
idt) =
−∞
1
s
となります。(さりげなく積分が不定積分になっていることに注意です。不定積分と定積分とでは、ラ
プラス変換の際の公式が微妙に異なります。まぁ初期電圧が 0 であることが分かっているので、初めか
ら
Rt
0
と積分範囲を指定してやっても構わないかと思います。)
♦ 先ほど求めた初期条件を代入してやり、I(s) について解くと、
I(s) =
1
1
1
s
+
L (s + α)2 + µ R (s + α)2 + µ
と、なかなかまとまった形になることが分かるかと思います。(ただし α =
R
1
R2
, µ=
−
と置
2L
LC
4L2
きました。)
♦ あとはこの I(s) を逆ラプラス変換してやるだけですが、皆さん知っての通り、数学的に一番厄介なの
はこの作業なんです。これに関しては完全にケースバイケースでパターン化は不可能なので、演習を通
してセンスを磨くしかないです。部分分数分解は勿論の事、s 領域での関数の積 ⇒ t 領域でのたたみ込
み積分、などといった諸規則を使う事に慣れた方が後々後悔しないで済みそうです。(ちなみにこの問
の解法では、s 領域における s と関数の積 ⇒t 領域での関数の微分、という法則を用いています。)
1
♦ まず、
の逆ラプラス変換を考えましょう。µ の場合分けにより以下の 3 通りがあります。
(s + α)2 + µ
1) µ > 0 のとき
この場合はそのまま逆変換表に当てはめて
1
√
ϕ(t) = √ e−αt sin µt
µ
14
2) µ = 0 のとき
この場合も逆変換表がそのまま適用でき、
ϕ(t) = te−αt
3) µ < 0 のとき
この場合は (1) で用いた公式は用いることができず、1 ステップ踏む必要があります。
1
1
=
(s + α)2 + µ
(s + α)2 − (−µ)
=
{(s + α) +
√
1
√
−µ}{(s + α) − −µ}
このようにして分母を式変形できることは、文字式の場合なかなか気付きにくかったりしますよね
∼。(もしかして俺だけ?)
この式の形は先ほどの逆変換表にありますから、
√
√
e−(α+ −µ)t − e−(α− −µ)t
√
√
(α − −µ) − (α + −µ)
√
e−α
=√
sinh −µt
−µ
ϕ(t) =
♦
s
1
の逆ラプラス変換を考えます。先ほど述べたように、これは s と
2
(s + α) + µ
(s + α)2 + µ
の積となっており、かつ ϕ(0) = 0 となりますから (これ重要!)、L{sF (s) − f (0+ )} = f 0 (t) の公
次に
式を用いれば、この逆変換が ϕ0 (t) となることが分かるかと思います。
♦
したがって I(s) を逆ラプラス変換して、求める解は
i(t) =
1
1
ϕ(t) + ϕ0 (t)
L
R
となります。
以上見てきたように、ラプラス変換を用いて微積分方程式を解く過程で最も重要なのはどのようにして
逆ラプラス変換できる関数形に変形するかということです。時にはラプラス変換の諸定理を用いる必要
も出てくるでしょう。ですから、公式を理解しただけでラプラス変換は完璧だ!と勘違いせず、実際に問
題を解いて理解を深めることを強く勧めます。
¶
ラプラス変換を用いた線形連立微分方程式 x0 = Ax + b(t) の解法
³
A は定数の係数行列とする
手順 1
両辺にラプラス変換を施して、x(t) ⇒ X(s), x0 (t) ⇒ sX(s) − x(0), b(t) ⇒ B(s) とする
手順 2
連立方程式を解くことにより X(s) の各要素に対して式を求め、それぞれラプラス逆変換する。
これらが求める解である。
µ
´
15
本来真面目にこのような連立微分方程式を解く場合には、以前に 1 ・ 2 階線形微分方程式でそうした
ように、まず付随する同次連立微分方程式 x0 = Ax を解いて解基底を求めます。この際行列 A の固有
値 ・ 固有ベクトルを求める必要があり、かなり面倒です。解基底を求めたらこれまた同様に b の形に
応じて解の形を仮定して代入 ・ 係数の決定を行います。ここでは詳しい説明は省きますが、見るから
にうざったい作業が続きますよね。
ここでもやはりラプラス変換が威力を発揮します。両辺をラプラス変換してやり、連立方程式を解いて
個々の要素について式を求め、それぞれ逆変換してやるということが上の作業と等価になっているんで
すね。何だか不思議な感じがしますが、ここはラプラス様に感謝しつつありがたく使わせてもらいま
しょう。
しかし、やはり煩雑さは排除しきれません。連立方程式を解くのが面倒なんですよね。3 次元程度であ
ればまだしも、4 次元、5 次元となってくるとさすがにイライラが込み上げてきます。残念ながらそれ
ばっかしはどうしようもありません。真面目に逆行列を求めて解いてもよし。掃き出し法を用いて行列
を簡単にしてから解いても、行列式を求めてクラメルの公式を用いて解いてもよし。行列の形を見て、
最適な方法を考えて解いてください。
以上でラプラス変換の説明を終わりますが、大問 3 題中間違いなく 1 題は出題されるでしょうからよく
演習しておいてください。
また、s 領域が複素平面になっていたり、ラプラス逆変換に複素積分が用いられたりしていることから
も分かるように、この後説明する複素関数論との結び付きがかなり強いです。実際過去問を見ますと、
ラプラス変換とローラン展開、複素積分が関連づけられて出題されたりしていますので、両者を絡めた
深い理解が要求されているように思えます。
16
複素関数論の基礎
今気付きましたが、微分方程式の方の説明だけで 16 ページも使っていたんですね。既に中間試験の時
のシケプリを超える分量になっています。…父さん、母さん、俺、今すごく頑張ってるよ…。最終的に
何ページになるのか全く見当が付きませんが、この仕事を終えた後、何か悟れそうな気がします。
¶
複素平面における点集合に関する諸定義
³
以下 a ∈ C, z ∈ C とする
a の r-近傍 a を中心とする半径 r(>0) の開円板として定義される
Kr (a) ≡ {z ∈ C| |z − a| < r}
開集合
D ⊆ C が開集合であるとは、任意の a ∈ D に対し、Kr (a) ∈ D となる r(> 0) が存在すること
である
連結 D が連結であるとは、D 内の 2 点が D 内に完全に含まれる折れ線で結ぶことができることを意味
する
領域 空でなく、開集合かつ連結である集合
単連結
領域 G が単連結であるとは、G 内だけを通っている任意の閉曲線の内部が G に属しているこ
とを意味している
境界点
その点のどんな r-近傍をとっても、(自身を含めて) 集合に属する点と、属さない点を含む。
ただし、境界点自身は集合に属していなくてもよい
境界 境界点の集合
孤立点
その点以外に集合に属する点を含まない r-近傍が存在する。無論孤立点自身は集合に属して
いる
集積点
この点のどんな r-近傍をとっても、その中に自身以外に集合に属する点が少なくとも 1 つ含ま
れる。ただし、集積点自身は集合に属していなくてもよい
µ
´
ぶっちゃけ読み飛ばしてもらっても構わないです。細かい定義ばっかでテンション下がりますしね。こ
の定義自体も実数のときと大して変わりませんし、実際問題を解くときにもあんまり気にしなくてもな
んとかなります。(多分)
それでは非常にかったるいですが、諸定義について簡単な説明をしたいと思います。の前に、複素数の
基本中の基本についても軽く触れておきたいと思います。無論読み飛ばしてもらって構いませんよ。俺
は軽く手首に痺れを感じながらも、皆さんのため無心にキーボード打ってますけど、読み飛ばしても
らって全然構いませんよ。
17
¶
複素数の定義
³
z = x + iy, z̄ = x − iy
p
2
複素数の絶対値 (大きさ) |z| = z z̄ = x2 + y 2
複素数・共役複素数
複素数の極座標表示
z = reiϕ = r(cos ϕ + i sin ϕ)
偏角 arg z = ϕ + 2nπ (n ∈ Z)
主値 arg z ∈ (−π, π] となるように定めたもの。特に Arg z と表記する
複素数の拡張 a ∈ C, a 6= 0 に対し、 a0 ≡ ∞,
≡0
a
∞
µ
´
特に説明することもないのですが、ノーコメントでいくのもあれなんでいくつか。
2
2
まず、敢えて言うまでもありませんが、z 2 6= |z| = z z̄ に注意してください。|z| は単にスカラー値の
2 乗を計算するだけですが、(後で説明しますが)z 2 は伸縮 ・ 回転を行うことを意味します。そんなの
当たり前だろ、とツッコミを入れたくなるかと思いますが、他の問題の計算途中でふらっと出てきたり
すると、思わず両者を混同しちゃったりしちゃわなかったり。
次に、偏角と主値についてです。偏角は 2nπ の不定性が付きますが、それだと実際に関数を定義する
際に、値が 1 対 1 に対応しないという不都合が生じるため、主値というものを定めるわけです。主値に
関しては以下のように求めることができます。
x
(y ≥ 0)
r
Arg z =
− arccos x (y < 0)
r
arccos
ちなみに実際に使うのは主値が主ですが、arg z ∈ (−π, π] と決める代わりに、arg z ∈ (ϕ0 , ϕ0 + 2π] と
決めることもできます。これを ϕ0 によって定まる分枝といいますが、特に出てくることはないかと思
います。
とまぁ単純な説明はこれだけなんですが、実はこの偏角ってやつがなかなか厄介な野郎なんですよね。
これに関しては、これからの説明の中で出てきたときに取り上げて行きたいと思います。忘れてなけ
れば。
では本題に戻りまして、諸定義に関して簡単な説明を。といっても厳密なことは私もよく分からないの
で (おいおい…)、具体例を使ったりしながら表面的な説明を試みます。
まず、開集合についてです。簡単に言うと < か ≤ かの違いです。例えば D = {z ∈ C| |z| < 5} は開
√
集合ですが、D = {z ∈ C| |z| ≤ 5} は開集合ではありません (閉集合)。後者の場合、a = 5 ∈ D を中
心とする円を作ろうとすると、どうしても D からはみ出てしまいます。一点でもこのような点があれ
ば、その集合は開集合ではありません。
次に連結に関してです。これは連結という言葉から容易に想像できるように、D が 2 箇所以上に分離
していなければいいだけの話です。
単連結に関してです。これは簡単に言えば G 内に穴がなければいいということです。数学演習前半で
18
も出てきましたよね。
さらに境界についてです。先ほどの開集合の例を使えば、前者も後者も ∂D = {z ∈ C| |z| = 5} が境界
となっています。集合の形を関数で表わしたものが境界になっているんですね。
さらにさらに孤立点についてです。孤立点が存在する場合、その孤立点は必ず境界に属しています。
例えば D = {z ∈ C|z = 2 + i, |z| < 1} で考えると、孤立点が存在し (z = 2 + i)、これは D の境界
∂D = {z ∈ C|z = 2 + i, |z| = 1} に属していることが分かります。
最後に集積点に関してです。例えば D = {z ∈ C|z =
1
, (n ∈ N0 )} の場合、z=0 が集積点となってい
n
ます。
また、zn 6= z である数列 zn ∈ D(n ∈ N0 ) が存在し、 lim zn = z であることが、集積点 z を求める
n→∞
定理となっています。まぁ使うことはないかと思いますので、覚える必要はないです。
複素領域における関数
¶
初等関数
³
以下 a ∈ C とする
定数との和 z 7→ w = z + a は平行移動を表す
定数との積 z 7→ w = az = |a| · rei(ϕ+arg a)
原点のまわりに arg a だけ回転し、原点を中心に |a| 倍に拡大 (縮小) することを表す
逆数 z 7→ w =
1
z
= 1r e−iϕ
原点からの距離を逆数にし、実軸に対して対称移動させることを表す n乗
z 7→ w = z n = rn ei·nϕ
原点からの距離が n 乗になり、原点に対する角が n 倍になることを表す
複素指数関数 z, z1 , z2 ∈ C とする
実指数関数の時と同様に成り立つ関係
ez1 +z2 = ez1 ez2 , ez1 −z2 =
ez1
1
, e0 = 1, e−z = z
ez2
e
複素指数関数に特有の性質
ez 6= 0(負の数も取り得る), ez+2kπi = ez (k ∈ Z)
ez は基本周期 2πi の周期関数である
複素対数関数 arg z ∈ (−π, π] となるように取ったとき、対数の主値を以下で定義する
Log z ≡ ln |z| + iArg z
19
また、一般に arg z ∈ (ϕ0 , ϕ0 + 2π] と取った対数の分枝を以下で定義する
log z ≡ ln |z| + i arg z
一般のべき 分枝 ϕ0 を定めた上で以下が成立する
az aw = az+w , (az )n = anz (n ∈ Z)
三角関数
複素三角関数を以下のとおり定義する
1 iz
(e + e−iz )
2
1
sin z ≡ (eiz − e−iz )
2i
sin z
1
cos z
tan z ≡
(cos z 6= 0),
≡
(sin z 6= 0)
cos z
tan z
sin z
cos z ≡
加法定理等も実三角関数と同様に成立する。また、オイラーの公式は複素領域に拡張される。
eiz = cos z + i sin z
双曲線関数 複素双曲線関数も実双曲線関数と同様に定義される
cosh z ≡
1 z
1
(e + e−z ), sinh z ≡ (ez − e−z )
2
2
加法定理等も実双曲線関数と同様に成立する
平方根・n 乗根 分枝 ϕ0 を定め、ϕ ∈ (ϕ0 , ϕ0 + 2π] とした上で、平方根 ・ n 乗根を以下のように定義
する。
√
z=
√
ϕ
rei 2 ,
√
n
z=
√
n
ϕ
rei n
特に ϕ0 = −π としたものを主分枝という
µ
´
ずらっと初等関数を並べました。
定数との和 ・ 積、逆数、n 乗に関しては特に言及すべき事柄はないかと思います。強いて言うならば、
これらを単なる数値操作ととらえず、(複素) 平面上の幾何的な操作としても理解しておくと直感的に計
算でき、少しは楽になる、といったところでしょうか。
これは複素関数論全般に言えることですが、常に (複素) 平面を頭に描きながら問題に取り組む事が重
要です。後に出てくるローラン展開を考える上でも、平面を頭に描くことは重要な意味を持ちます。
複素指数関数についてです。理解すべきは 2 点です。
まず、ez が周期 2πi の周期関数であること。これはオイラーの公式から e2kπi = 1 (k ∈ Z) であるこ
とが分かれば理解できるかと思います。周期が 2π ではなく 2πi である点には注意です。(まぁ計算す
れば分かることですが)
2 点目は負の数も取り得るということです。eπi = −1 であることは、数学の持つ神秘性の一つとして
挙げられることも多いですよね。これまたオイラーの公式さえ知っておけば導くことができます。
20
指数関数には直接関係のないことですが、このオイラーの公式は複素数の計算をする上で絶大な威力を
もっています。というかオイラーの公式を知らないと絶望的です。オイラーの公式が複素数にも拡張さ
れることを知っていれば三角関数の定義を導くことができますし (いや、定義を導くっていう言い方は
おかしいかな?でも、そもそもオイラーの公式が拡張されることは三角関数を定義することで導かれる
ことだから、そのオイラーの公式から三角関数は導かれるわけで…あ、眩暈してきた。ま、細かい事は
見て見ぬふりしましょう。面倒ですし。)、諸々の関係式も自分で簡単に導出できます。暗記事項を減
らすという意味でも、複素数の計算ができなくて泣きを見ないためにもオイラーの公式だけは身体の一
部にしておいてください。
複素対数関数についてです (このあたりから先ほど申し上げたように、偏角のウザさが際立ってきま
す)。そもそもこの複素対数関数は、複素指数関数の逆関数として定義されるわけですから、値が 1 対
1 に定まらないと困ったことになります。ですが、複素数には 2kπ の不定性をもった偏角というものが
常につきまとい、これが 1 対 1 対応の実現を妨げやがります。そこで、分枝 ϕ0 というものを定めて平
面に切れ目を入れることによって、半ば無理やり値を 1 対 1 に対応させているんですね。
この”無理やり”というのがまた曲者で、このせいで実数のときには成立していた対数の諸関係式が、複
素数では成立しなくなっています。以下複素領域では一般には成立しない関係式を例とともに挙げてお
きます (複素数の選び方によっては成立する場合もあります)。
¶
®
³
©
Log(zw) 6= Log z + Logw (Log[(−1)(−2)] = ln 2, Log(−1) = iπ, Log(−2) = ln 2 + iπ)
Log
z
−i
π
π
6= Logz − Logw (Log(
) = i , Log(−i) = −i , Log(−1) = iπ)
w
−1
2
2
π
3π
Logaz 6= zLoga (Logi3 = −i , 3Logi =
)
2
2
µ
ª
´
¸ 上の 3 つ目の例に関してですが、次の式は一般的に成立します
z
eLoga = ezLoga
3
例えば上の例で言いますと、Logi3 = 3Logi − 2πi となりますから、eLogi = e3Logi−2πi = e3Logi とな
ることが分かります。ez が周期 2πi の周期関数であることが効いているんですね。
一般のべきについてです。注意すべきは複素指数関数と違って、一般のべきに関する計算則は分枝を定
めないと成立しないという点です。前者の場合は周期 2πi の周期関数ですから、偏角に 2kπ の不定性が
残ったままでも計算則が成立するのですが、後者の場合は周期関数でも何でもないですから、当然偏角の
値が異なればべきの値も違ってくるというわけです。例えば、主値を取れば ii = eiLogi = ei(i· 2 ) = e− 2
π
π
となりますが、ϕ0 = π で決まる分枝を取れば ii = ei(i· 2 π) = e− 2 π となり値が異なることが分かるかと
5
5
思います。当然計算則など成立するはずもありませんよね。これまで見てきたように、どうやら複素領
域において ez は不思議な力を持っているようです。
三角関数についてです。わざわざ定義だとか大げさな言葉で書きましたが、実数の時と全く変わりませ
21
ん。cos z, sin z の零点も全く一緒ですし、両者が周期 2π の関数である点も全く一緒です。実三角関
数はそのまま複素領域まで拡張されるとだけ覚えておけばいいでしょう。
双曲線関数についてです。これまた実双曲線関数と酷似していますが、三角関数のときとは違い、複素
数に拡張されたことによりいくつか新たな性質が加わっているので注意が必要です。
まず、周期 2πi の周期関数になったことです。これは ez 自体がそうであることを考えてもらえれば納
得できますよね。
新たに零点が生じたという点にも注意してください。ez が負の数も取り得るようになったことから生
じた性質です。
1
3
5
cosh z = 0 ⇔ z = ± πi, ± πi, ± πi, …
2
2
2
sinh z = 0 ⇔ z = 0, ±πi, ±2πi, …
となります。
双曲線関数と三角関数が相互変換できるようになった点も新たに加わった性質です (まぁこれに関して
は特に気にする必要もない気がしますが)。cosh z = cos iz, sinh z = −i sin iz となります。
平方根 ・ n 乗根についてです。この関数も分枝を定めないと一意に定義されない関数の一つです。
まぁ定義だけ知っていれば十分なんですが、言っておきたいこともありますので耳をかっぽじって聞い
てください。
複素対数関数もそうでしたが、n 乗根に関しても基本的に多価関数であることに注意してください。
√
n
z=
√
n
rei
ϕ+2kπ
n
=
√
n
ϕ
2k
rei n ei n π (k = 0, 1, …n − 1) のように n 通りの値があるんですね。分枝を定
めることで初めて一意に定まるというわけです。
以上で初等関数に関する説明は終わりです。
いくつかポイントを挙げると、まず ez と ex は全く別の関数であることを理解しましょう。また、複素
対数関数と n 乗根は実数の時とは異なり基本的に多価関数 (不定性をもった関数) であることに注意し
ましょう。分枝を定めることで一意に定まります。恐らく初等関数の中で一番理解しづらく、間違いを
起こしやすいのがこの分枝に絡んだ問題だと思います。私も十分に理解していないので (こらこら…)、
あんまり有益なアドバイスは挙げられないんですが、とりあえず、一つの分枝によって複素平面が一つ
定義されるとだけ言っておきましょう。平面がいくつも重なっているところを想像して、それぞれが
k = 0, ±1, ±2… に対応した平面であると覚えておくといいかも。そして複素対数関数などは k の値を
定めた時に (分枝を定めた時に)、その k に対応する平面上でのみ連続であるということになります。こ
こで注意しなければならないのは、各平面の”切れ目”の役割を果たす z = arg ϕ0 上では関数が不連続
になることです (ついでに原点でも不連続になります。極限をとってみれば分かりますが、とりあえず
知識として覚えておきましょう)。この点に関連した問題が過去の期末で出題されていますのでよく理
解しておきましょう。
22
複素関数の微分
まず、いきなり手抜きで申し訳ないのですが、複素領域におけるべき級数は実数の時と全く一緒なので
特にここでは述べません。面倒なんです。ホント面倒なんです。とはいっても重要であることには変わ
りないので、特に重要そうな事を挙げておきます。まず、べき級数の収束域は円を基準に考えること
(ただ、この場合の半径としては 0 や ∞ も許される)。その円の半径が収束半径と呼ばれること。あと
は次の定理も覚えておきましょう (といっても特に気にしなくても問題は解けると思いますが)。
¶
べき級数の微分
³
べき級数はその収束円内において何回も (項別) 微分が可能であり、微分後のべき級数の収束円は元の
級数の収束円と等しい
µ
´
それでは微分の話に入りましょう。とはいっても実領域での微分と大して変わらず、微分の定義から始
まり、初等関数の微分公式も、実領域でのものがそのまま使えます (ただし複素対数関数、n 乗根に関
しては注意が必要で、分枝 z = ϕ0 上で微分できないという点は異なります。過去の期末ではこの点に
突っ込んだ問題も出題されています)。ですからこれらに関しては皆さん各自教科書に目を通してもら
う事にして (まぁ目を通すまでもないと思いますが)、ここでは特に理解すべき 2 点、関数の解析性、及
び導関数の幾何的意味に絞って説明していきたいと思います。
¶
コーシー・リーマンの方程式 (CR 方程式)
³
x, y ∈ R, u, v : R2 7→ R とする
複素関数 f (x + iy) = u(x, y) + iv(x, y) について、G ∈ C において次の 2 条件が満たされる時、f (z) は
G で解析的であるという
条件 1
v : (x, y) 7→ (u(x, y), v(x, y)) が G で全微分可能
条件 2
CR 方程式
∂u
∂v ∂u
∂v
=
,
=−
∂x
∂y ∂y
∂x
を満たす
µ
´
ある複素関数が与えられた時、その関数が (ある領域で) 微分可能であるかどうかを判断する際に非常
に重要な定理です。期末にこれに絡んだ問題が出題される可能性はかなり高いです。また、この”解析
的”というのは、後々複素積分を考える上でも深く関わってきますので、必ず理解 (というか公式を使え
るように) しておきましょう。
実際に z に関する関数 f (z) が与えられて、この関数が解析的か否かを調べる時には、z = x + iy と変
数変換してやり、u(x, y) と v(x, y) を求めてやればいいだけです。
この定理からは、u, v が C1 関数であるとき、f が解析的 ⇔ CR 方程式を満たす という関係も得られ
23
ます。また、
f 0 (z) =
∂
∂
u(x, y) + i v(x, y)
∂x
∂x
という公式も得られます。どちらもそれなりに重要かと思いますので目を通しておきましょう。
あ、ちなみに補足すると、例えば u(x, y) が全微分可能であるには、u が x, y に関して連続で滑らかか
∂2u
∂2u
=
であることが必要です
つ
∂x∂y
∂y∂x
¶
複素導関数
³
以下複素関数 f (z) は領域 G で解析的であり、f 0 (z) 6= 0 とする
導関数の持つ幾何的意味
z0 の近傍においては f (z) ' f (z0 ) + f 0 (z0 )(z − z0 ) と近似される。このこと
から導関数 f 0 (z0 ) の持つ意味は (z0 の局所的な範囲において) 以下のようになる
|f 0 (z0 )| : 拡大率 Argf 0 (z0 ) : 回転角
等角写像性 点 z ∈ G を通る 2 曲線の交角と、z の写像 f (z) を通る、この 2 曲線の写像曲線の交角は、
角を測る向きも含めて等しい
µ
´
先程初等関数のところで述べた、定数との積を見てもらえれば、導関数の持つ幾何的意味も理解できる
と思います。ただ、、これが成り立つのはあくまで z0 の近傍だということは注意してください。
教科書には導関数のもつ物理的意味も載っていますが、もうなんかいろいろ面倒なのでカットします。
多分出題されません。万が一出題されたら気合いで乗りきってください。俺もそうします。
複素関数の積分 (基礎編)
ここから少しずつ複素関数論のメインに入ってきます。この講義において複素関数論は積分計算の為に
学ぶと言っても過言ではありません。ですから特に重点的に勉強してください。
¶
複素曲線積分
複素曲線積分
手順 1
³
R
C
f (z)dz の計算
(必要であれば) 積分経路 C を、区分的に連続微分可能でとなるように複数の経路に分ける
C = C1 + C2 + … + Cn
手順 2
各々の経路をパラメータ表示する
Ck : z(t) = Ck (t), ak ≤ t ≤ bk (k = 1, 2, …n)
24
手順 3
もとの積分に z = Ck (t), dz = C˙k (t)dt (ak ≤ t ≤ bk ) を代入することで変数変換する
手順 4
t に関する積分を実行し加え合わせる
Z
Z
Z b1
f (C1 (t))C˙1 (t)dt + … +
f (z)dz =
a1
C
bk
f (Ck (t))C˙k (t)dt
ak
複素曲線積分の演算則
線形性
a, b ∈ C に対し
Z
Z
Z
{af (z) + bg(z)}dz = a
C
f (z)dz + b
C
g(z)dz
C
積分路の向き C を逆向きにたどる曲線を C 0 とすると
Z
Z
C0
f (z)dz = −
f (z)dz
C
絶対値の評価
¯Z
¯
¯
¯
¯ f (z)dz ¯ ≤ max |f (z)| · [C の長さ]
¯
¯ z∈C
C
µ
´
やっている事は数学演習前半で学んだ線積分と同じです。恐らく問題となるのは積分経路のパラメータ
化のところでしょう。
パラメータ化の例としては、例えば 点 a を中心とする半径ρの円周に沿った積分 であれば z(t) = a+ρeit
とすればいいですし、点 z = 1 を通り虚軸に平行な直線に沿った積分 であれば z(t) = 1 + it とすれば
いいでしょう。原点と点 z = 1 + i を通る直線に沿った積分 であれば z(t) = t(1 + i) とすればいいだけ
の話です。
演算則についても直感的に分かるものばかりですので、目を通すだけでそれほど気にしなくても大丈夫
だと思います
¶
閉曲線に沿った複素積分
特異点
³
複素関数 f(z) において、f (z0 ) または f 0 (z0 ) が定義できない点 z0 ∈ C を f の特異点という
コーシーの積分定理
f : G → C を単連結領域で解析的な関数とする。このとき G 内の任意の単純閉曲線 C に対し
I
f (z)dz = 0
C
また、(この定理の仮定の下で) 任意の 2 点 z, z0 を結ぶ任意の曲線 C1 , C2 について
Z
Z
f (z)dz =
C1
f (z)dz
C2
さらに (この定理の仮定の下で)C を z0 → z に至る曲線とする。このとき次の道筋によらない積分
25
により f(z) の原始関数 F(z) を定義する
Z
Z
z
F (z) ≡
f (ζ)dζ ≡
z0
f (ζ)dζ
C
積分路変形公式
f(z) は単連結でない領域 G で解析的であるとする。
このとき、G 内の 2 閉曲線 C1 , C2 (C1 , C2 は特異点を含む同一の集合を同じ向きに 1 周するもの
とする) について
I
I
f (z)dz =
C1
f (z)dz
C2
コーシーの積分公式
G を開領域、f : G → C を解析関数とする
このとき C を G に含まれる (G が区分的に正則であれば C として G の境界も許される) 単純閉曲
線として、C の内部の任意の a に対し
I
C
f (ζ)
2πi (n)
dζ =
f (a) (n ∈ N0 )
(ζ − a)n+1
n!
µ
´
積分をより技巧的に解く方法です。試験に出されるとすれば、先ほどのような単純な積分計算よりも、
上記のような公式を利用した積分計算でしょう。上でも太字で書きましたが、ポイントとなるのは関数
f が解析関数であるかどうか、そして閉曲線 C が関数の特異点を含むかどうかです。
まず言葉の定義についてです。単純閉曲線というのは、自身で交差しない閉曲線のことです。また、自
身で交差する閉曲線についても、その交点で分けてあげれば単純閉曲線に分解することができます。
ですから結局任意の閉曲線において、(その部分単純閉曲線に対し) 上記の定理が適用できることになり
ます。
それでは個々の定理について説明していきます。
まずはコーシーの積分定理についてです。これは C が特異点を含まないときに成立します。特
異点を含まない領域においては、複素積分の値が始点と終点だけで決まるわけです。また、公式
Z
Z
f (z)dz =
C1
f (z)dz が成立するかどうかは、平面において積分路 C1 , C2 がゴム紐でできていて、
C2
特異点の所に棒が刺さっていると考え、C1 が棒にひっかかることなく C2 に変形できるかどうかで判
断すればいいでしょう。
次に積分路変形公式についてです。これは
Z
Z C が特異点を含むときに成立します。というか C が特異点
を含まなければそもそも
f (z)dz =
f (z)dz = 0 ですから、積分路を変形する必要性がありませ
C1
C2
んよね。
この定理によれば閉曲線の形を (条件を満たす範囲で) 自由に変えられるわけですが、基本的にはいか
にも積分するのがめんどそうな閉曲線 ⇒ 円と変形することになるかと思います。
最後にコーシーの積分公式です。この定理も C が特異点を含むときに成立します。まぁそもそも C の
中に (特異点となる) 点 a があることが公式の使用条件ですから、当たり前なんですけどね。教科書に
26
も書いてありますが、この公式は主に積分を計算するためにあるようなものなので、上記のように表記
しました。こう見えていろいろ考えてシケプリ作ってるんですよ…。ん?日曜洋画劇場見たさに教科書
丸写しで手抜きしたことなんて一度もありませんよ。…パイレーツオブカリビアンも久々に見るとおも
ろいな…
ローラン展開
さぁやってきましたローラン展開!間違いなく試験に出題されます。まぁ簡単に言えば負数べき付テイ
ラー展開みたいなものですが、いろいろ奥が深いです。ポイントは特異点の数に応じて複数展開式があ
るといったところでしょうか。
まず、これは直接ローラン展開に関係ありませんし、使う機会もないかと思うのですが、一応記載して
おくべきかな∼と思った事を挙げておきます。どちらも重要なんですけどね。
³
©
¶
®
零点の次数
f(z) の零点 a が
f (a) = f 0 (a) = … = f (m−1) (a) = 0, f (m) (a) 6= 0
であるとき、点 a を次数 m の零点という 代数学の基本定理
定数でない多項式
p(z) = an z n + … + a1 z + a0 ai ∈ C, an 6= 0, n ≥ 1
は、少なくとも C 内に 1 個は零点をもつ
µ
ª
´
¶
ローラン級数
³
A = {a ∈ C|r < |z − a| < R} で解析的な関数 f について、全ての z ∈ A においてローラン級数
f (z) =
∞
X
cn (z − a)n +
n=0
∞
X
c−n
(z
− a)n
n=1
の形に表わせる
この級数は r < r1 ≤ |z − a| ≤ R1 < R なる任意の円環で絶対かつ一様収束し、係数 cn は
1
cn =
2πi
I
|ζ−a|=ρ
f (ζ)
dζ (n ∈ Z, r < ρ < R)
(ζ − a)n+1
と一意に定まる
µ
´
27
ローラン級数の定義的なものです。ポイントは負数べきの項が現れること (特異点が除去可能な場合は
現れませんが)、特異点と特異点に挟まれた円環領域で展開すること、展開式が複数存在し得ることの 3
点です。
このローラン級数はテイラー展開の複素領域拡張版みたいなものです。実際、円環 r < |z − a| < R
が、r = 0 (|z − a| < R) となるように取れる場合、すなわち内部に特異点を含まない円で考えられる
ときにはローラン級数はテイラー級数と一致します。もちろんこのときの収束半径は R となります (つ
まり、a と、a から最も近くにある特異点までの距離。ちなみにこの特異点は除去不能である必要があ
ります)。
ちなみにローラン級数の収束域は、その展開式を考えているときの円環となります。
1
2πi
I
f (ζ)
dζ として与えられていますが、実際
(ζ
−
a)n+1
|ζ−a|=ρ
ローラン展開する際に使う事はほとんどないようなので、気にする必要はありません。 (というかこん
また、級数の係数を決定する式が cn =
な式で計算してられるか!)
これに絡んで、孤立特異点についても説明しておきたいと思います。
a を関数 f の特異点とするとき、f が解析的となるような (a を除く) 円 0 < |z − a| < r が取れること
(つまり a 以外に特異点を含まない円が取れること) が (a が) 孤立特異点である定義となっています。
¶
孤立特異点
³
点 a は関数 f の孤立特異点であるとする
また f (z) =
∞
X
cn (z − a)n +
n=0
∞
X
c−n
とする (正べき級数を解析的部分、負べき級数を主要部と
(z − a)n
n=1
いう)
a は除去可能
全ての n ≥ 1 について c−n = 0 であるとき、孤立特異点 a は除去可能であるという。
また、a は lim (z − a)f (z) = 0 のとき除去可能である
z→a
a は m 位の極
c−m 6= 0 なる係数 c−m が存在し、n > m なる全ての n について c−n = 0 であるとき、孤立特異
点 a は m 位の極であるという
⇒ 有利関数 f (z) =
p(z)
(p, q は共通因数をもたない多項式) は、q の m 重の零点で m 位の極
q(z)
を持つ。それ以外には特異点をもたない
この m 位の極 a における主要部を求めるには、f¯(z) ≡ (z − a)m f (z) をテイラー展開し、両
辺を (z − a)m で割ればよい
a は真性特異点
c−n 6= 0 なる係数が無限に存在するとき、孤立特異点 a は真性特異点であるという
µ
´
孤立特異点に関わる言葉の定義をずらっと並べました。それほど気にする必要はないかと思うのです
28
が、特異点 a が m 位の極であるだとかは、後々留数計算の際に重要になってきますので、何を言って
いるのか分かるぐらいには理解しておいてください。
さらっと書きましたが、f (z) =
p(z)
が q の m 重の零点で m 位の極を持つ、というのは便利な事実な
q(z)
ので覚えておいてください。
例えば、f (z) =
z−1
z−1
が与えられたときは f (z) =
であることから、z = i, z = −i
(z 2 + 1)4
(z + i)4 (z − i)4
がそれぞれ 4 位の極であることがすぐに分かるかと思います。
¶
ローラン展開の方法
³
Case1 テイラー展開の方法を借用した展開
既知の級数を微積分する
和の形のときは各項を、積の形のときは各因数をローラン展開した上で、最後にまとめなおす
未定の係数を定めていく
ローラン級数にローラン級数を代入する
Case2 単純な代入法
f(z) を原点近傍で解析的な関数で、f (z) =
∞
X
ak z k |z| < R とする
k=0
1
) のローラン展開式は f において
z − z0
∞
X
1
ak
1
z→
の置き換えをすることで得られる (g(z) =
,
< |z − z0 |)
z − z0
(z − z0 )k R
このとき z = z0 に特異点を持つ関数 g(z) ≡ f (
k=0
1
Case3 負数べき
, m ∈ N のローラン展開
(z − z0 )m
(a) a = z0 を中心とする展開
既にローラン級数になっている
(b) a 6= z0 を中心とする展開
1
手順 1
を展開する
z − z0
円 |z − a| = |z0 − a| の内か外かで 2 通りの展開法がある
∞
X
(z − a)k
−
(内部)
(z0 − a)k+1
1
=
z − z0
手順 2
k=0
∞
X
k=0
(z0 − a)k
(外部)
(z − a)k+1
級数を項別微分する
(−1)m−1 dm−1
1
1
=
(
)
m
m−1
(z − z0 )
(m − 1)! dz
z − z0
Case4 有理関数 f (z) =
p(z)
(p, q は共通因数をもたない) のローラン展開
q(z)
29
q の零点を z1 , z2 …zk とする
手順 1 展開の中心点 a に対する f の収束図を作る
手順 2 各項が一つの特異点しか持たないように部分分数分解する
f (z) =
a11
a1l
akm
+…+
+…+
l
z − z1
(z − z1 )
(z − zk )m
手順 3 収束円環 r < |z − a| < R (r = 0, R = ∞ も許す) を選び、各項を Case3 に従って展開
する
手順 4 各級数を加え合わせて (z − a) のべきで整理する
µ
´
ローラン級数を求める際の具体的な方法を並べました。これらを駆使して全力で問題にぶつかれば解け
ると思います。
与えられた関数を見て、
「あれ?この関数…よくテイラー展開するあの関数と似ているぞ!」という日常あ
まり見かけない閃きが生まれたら Case1、Case2 の方法が使えますよね。
1
例えば e z−1 という関数であれば明らかに ex に似ていることは結構閃きますよね。ex = 1 + x +
x2
+
2!
1
1
1
1
1
x3
+ … ですから、x →
と代入して e z−1 = 1 +
+
+
+ … となるわ
3!
z−1
z − 1 2!(z − 1)2 3!(z − 1)3
けです。つまり閃きが肝心!(うわっ、何てテキトーな説明…)
考えている関数に複数の特異点が存在する場合には必ず収束図を書いてください (まぁ頭に思い描くだ
けでもいいですが)。特異点が複数あればそれだけ展開式があるわけですから、展開し忘れ (こんな言葉
あるのかなぁ…) がないように注意しましょう。本来ならここで図の一つや二つ使ってビジュアル的に
説明すべきなんでしょうが、いかんせん図を描くのがめんどい!なので各自教科書でイメージを作って
おいてくださいな。
あとこんなことわざわざ言う必要もないかと思うのですが、
1
の、内部における展開は単なるテ
z − z0
イラー展開になっています。考えている円の内部に特異点 z0 が含まれていないのだから当然っちゃあ
当然ですよね。
あ、あと、ローラン級数の収束域に、特異点を通る円は含まないように注意してください。この円上で
はローラン展開できません。
留数定理
さぁやってきました留数定理!(あれ?さっきも同じこと言ってたような…。どちらも重要なんだから仕
方ないです) これが分からないと、期末試験で必ず泣きを見ます。そんなに難しいことは言ってません
ので、一つ一つ確実にものにしていきましょう。
30
¶
留数定理
³
留数
ローラン級数の中の
1
の係数 c−1 の事を z0 における f の留数という
z − z0
I
1
Res(f, z0 ) ≡ c−1 ≡
f (z)dz
2πi C
留数の計算法
方法 1 ローラン級数に展開して直接読み取る
方法 2 特異点 a が 1 位の極であるとき
Res(f, a) = lim (z − a)f (z)
z→a
また、f (z) =
g(z)
(g, h は解析関数) と表わされ、h(a) = 0, h0 (a) 6= 0, g(a) 6= 0 を満たす
h(z)
とき
Res(f, a) =
g(a)
h0 (a)
方法 3 特異点 a が m 位の極であるとき
Res(f, a) =
1
dm−1
lim m−1 {(z − a)m f (z)}
(m − 1)! z→a dz
留数定理
f は孤立特異点を除き G で解析的であるとする
また、C は G 内の正の向きをもつ単純閉曲線で、有限個の特異点 a1 , a2 , …, aN を囲んでいるとす
る (C が特異点を通ってはいないことに注意)
このとき
I
f (z)dz = 2πi
C
N
X
Res(f, ak )
k=1
µ
´
見るからに計算がかったるそうな複素積分や、なんでこんな積分やらせるんだと思わず愚痴をこぼした
くなるような実積分まで、留数定理がズバッと解決してくれます。…ちょっと言い過ぎですね。まぁ、
とにかく積分計算にとてつもなく役に立つと理解しておいてください。
留数の計算法ですが、一番素直なのはローラン級数の係数 c−1 から読み取る (定義そのまんま) 方法で
すが、わざわざ級数に展開しなくてはならず、楽して生きたいという私のポリシーに反しますので (働
いたら負けかなって思ってる)、これは最終手段としてとっておきましょう。基本的には方法 2 と方法
3 の方法で済ませましょう。特に、Res(f, a) =
g(a)
は思わぬところで役に立ってくれますから覚え
h0 (a)
ておきましょう。
留数定理に関してですが、つい勢いあまって、C に含まれていない特異点の留数まで足してしまわない
31
ように注意しましょう。せっかくの努力が水の泡となります。C が特異点を通ってはならない点にも注
意です。
また、C の向きが決まっていることにも注意しましょう。正の向き (内部に含む特異点を左手に見るよ
うに回る向き、反時計回り) に回る場合は問題ありませんが、負の向きに回る場合には右辺に負号がつ
きます。
留数定理の応用
留数定理を複素積分だけに限定しておくのももったいないので、実積分にも使いましょうという内容で
す。過去問を見ると留数定理の実積分への応用は毎年出題されています。実積分への応用は、積分路 C
をどのように選ぶかが難しかったりするんですが、幸いなことに実際の試験では積分路に関しては誘導
されてますから、少なくともどういう原理で計算ができるのかだけはしっかり理解しましょう。
¶
留数定理の実積分への応用
Z
³
2π
応用例 1
R(cos ϕ, sin ϕ)dϕ 型
0
cos ϕ =
1
1
1
1
1
(z + ), sin ϕ = (z − ), dϕ = dz,
2
z
2i
z
iz
Z
I
2π
→
0
と置き換え、z に関する複
|z|=1
素積分に変換する。
1 k
1
1
1
(z + k ), sin kϕ = (z k − k ) と置き換えればよい。
2
z
2i
z
その後、単位円 |z| = 1 の内部にある特異点に関して留数定理を適用する。
Z ∞
応用例 2
f (x)dx 型
一般には cos kϕ =
−∞
f (z) の特異点のうち、Imzk > 0 にあるものを z1 , z2 , …, zN とする
f (z) が上記の特異点を除いて上半平面、実軸を含む領域で解析的であり、 lim zf (z) = 0 のとき
z→∞
Z
∞
f (x)dx = 2πi
−∞
Z
応用例 3 フーリエ積分
∞
N
X
Res(f (z), zk )
k=1
eiωx F (x)dx 型
−∞
応用例 2 における条件 lim zf (z) = 0 が緩くなり、zF (z) が有界でありさえすればよい。
z→∞
このとき ω > 0 に対して
Z
∞
eiωx F (x)dx = 2πi
−∞
N
X
Res(eiωz F (z), zk )
k=1
応用例 4 コーシーの主値 (実軸上に F(z) の孤立特異点が存在する場合)
32
実軸上に関数 F (x) の孤立特異点 x0 があるとき
Z
∞
P
∞
Z
F (x)dx = lim {
δ→0
Z
x0 −δ
∞
F (x)dx +
−∞
F (x)dx}
x0 +δ
をコーシーの主値という。
留数定理により積分計算をする際には、複素積分経路 C が特異点 x0 を通らないようにするため
に、x0 を中心とする半径 ρ の半円周を積分路としてとる。その上で R → ∞, ρ → 0 の極限計算
をすればよい
µ
´
これまでだらだら複素関数論を学んできて、複素数すげーみたいな、ある意味夢見心地的なところも
あったかと思いますが (いや、それは単に俺が徹夜ばっかしてるからか…)、ここに来ていきなり実数の
積分が出現し、一気に現実に引き戻された感が否めません。あ、そういやまだ洗濯物残ってたな…
Z
2π
R(cos ϕ, sin ϕ)dϕ 型に関しては、単純な変数変換で済んでしまいますので、特に説明する必要は
Z 2π
I
ないかと思います。
の実積分 ⇒ 変数変換 ⇒
の周回複素積分 ⇒ 留数定理という計算の流
0
Z|z|=1
2π
0
れをしっかり理解しましょう。それだけの話です。
の積分範囲になっていないと周回積分になり
0
ませんから、この点には注意です。
Z
∞
型の実積分の方が出題確率は高いような気がします。
−∞
Z
R
計算の流れを説明しますと、とりあえず実積分範囲を
−R
に限定してみるか ⇒ 何となく積分路足して
やって、閉曲線作ってみるかな ⇒ あれ、この積分って留数定理使えば簡単じゃね?⇒ なんと、R 無限
大に飛ばしたら、さっき足した積分路に沿った複素曲線積分 0 になっちまったよ。別に足しても足さな
くても一緒だったんだな ⇒ あ、いつのまにか実積分計算できてる。一体誰が…(ふざけた説明ですみま
せん。長時間 PC の前で作業してるとテンションおかしくなるんです。)
Z
∞
この方法を用いた実積分としては
とした積分だとか、いろいろパターンがあるようですが、基本
0
方針は一緒です。とりあえず積分路足して閉曲線を作り、(留数定理や複素曲線積分など駆使して) 複素
周回積分を計算する。R を無限大に飛ばした時に余分な積分路に沿った曲線積分の値が 0 や有界な値を
とることが分かれば、後は単純に方程式を解いてやるだけで実積分が計算できますよね。
ただ、この”とりあえず積分路を足す”という作業、意外と悩みどころだったりします。例えば、留数定
理を使って複素周回積分を計算する場合、R を大きくしていくと当然閉曲線も大きくなっていきます
が、その途中で閉曲線の中に新たに特異点が入ってきちゃったりするとまずいわけです。まぁこの点
に関しては、(上の応用例 2 のところでわざわざ”上半面にある特異点”といっているように) 始めから
R → ∞ にしたときのことを想定して留数定理を使えばいいだけの話ですがね。積分路の取り方によっ
ては留数計算が楽になったりしますから、閉曲線作りは結構大事です。
あ、あとこれも言っておきたかったんだった。一応、応用例 2 や応用例 3 の公式をみると関数がある
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条件さえ満たしていれば、いきなり留数計算するだけでいいみたいな書き方してるんですが (実際そう
なんですが)、ちゃんと後から足した積分路についてもさぼらないで線積分してくださいね。公式に頼
りっきりじゃ駄目ですよ。実際過去問を見ると、単なる公式への当てはめだけでは解けない問題になっ
てますしね。
終りに
¶
³
お、お、終わった∼…祝!シケプリ完成!はぁ…ここまで長かった…TEX のインストールにまず
手こずり、使い方勉強するのに手こずり、数学勉強するのに手こずり、内容まとめるのに手こず
り、…まぁ結果的には Word で書くよりは格段に楽になったわけですが。
ホントは今回も Word で済ませようと思ってたんですが、友人の一人から「お前の中間試験のシケ
プリ印刷したら、添え字が巨大化したぞ。あれは俺に対する挑戦状と受け取っていいんだな?」的
な事を言われ、家に帰って自分でも印刷してみたらあら不思議!ことごとく添え字がビックになっ
てるではありませんか!恐らくこれを読んでいる皆さんの中にも同じ不幸が降りかかった人がい
るのではないでしょうか。決して悪気があったわけではありません。ですが、この場をお借りして
謝罪したいと思います。申し訳ありませんでした。
というわけで、Word で書くと前回の二の舞になる恐れがあったため急遽 TEX の勉強をしたわけ
です。多分今回は大丈夫なはずです。安心してご使用ください。
これで数学演習シケ対としての役目はとりあえずは全うしたつもりです。シケプリの出来の方は
いかがでしたでしょうか?皆さんの感想が聞けないのが非常に残念です。「おお!心の友よ!お前
のシケプリは最高だ!最高だから次の学期もシケ対よろしく頼むぜ!」という有難迷惑なガキ大
将から、
「お前のシケプリは最悪だった。とりあえず一発鼻殴らせろ」という自分に正直な方まで、
何でもいいですので声掛けてくれると喜んだりします (まぁ俺人見知りする方なので、態度がそっ
けなかったりしますが気にしない方向で)。
あと、気づいた方もいらっしゃるかと思いますが、今回のシケプリもやはり後半に行くにつれてク
オリティが下がってます (前半は具体例とか書いちゃったりして頑張ってたのにね)。実践的な解
法の説明を大幅カットするという英断 (いえ、単なる手抜きです。すいません。) をしたわけです
が、ご安心を。気が向けば過去問の解答例上げます。上げないかもしれません。自分の答えに自信
ないですしね。まぁ乞うご期待。
だらだら無駄話してすいません。最後になりましたが皆さん、俺の分まで試験勉強頑張ってくださ
い!…いや、俺もちゃんと勉強しますけどね。単位落とすと仕送り止まりかねないし…。まぁ試験
まで 3 週間以上ありますから何とかなるとは思いますけどね∼。(他のシケ対の方々に期待してま
す。助けてください。)…ん、これ以上書くと 1 ページ増えちゃいそうだな。それではお名残り惜
しいですがこの辺で。早ければ過去問解答例で、遅ければ来年度学校でお会いしましょう。
来年度もどうぞよろしくお願いします
µ
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