1−P−157 糖尿病性腎症患者における血清p一クレゾー ル,フェノール及びインドキシル硫酸濃度に 関する検討 東京女子医科大学糖尿病センター 1−P−160 難治性の糖尿病性早期腎症における血圧日内 変動の検討 東京急行電鉄株式会社東急病院内科 ,東京慈恵会医科大学糖 尿病代謝内分泌内科2 大田 真理,馬場園哲也,林 俊秀,坊内良太郎, 木内 由香,花井 豪,井上 愛子,田中 瑞保, 田中 伸枝,石井 晶子,岩本 安彦 【目的】糖尿病患者における血清p一クレゾール,フェノール及 びインドキシル硫酸濃度と腎機能の関係につき明らかにする. 【方法】糖尿病患者115名(男性81名,女性34名,平均年齢61± 14歳,透析患者を除く)を対象とし上記3者を測定,腎症病 期別にその値を比較検討した.また,血清クレアチニン,MDRD 簡易式から算出した推定GFRとの相関を検討した. 【結果】血清p一クレゾール,フェノール,インドキシル硫酸濃 度それぞれの対数値と推定GFRとの間には,r=一〇.606(p< 0.001),r=一〇.614(pく0.001),r=一〇.807(p<Oつ01)といず れも有意な負の相関を認めた. 【結論】糖尿病性腎症において,血清p一クレゾール,フェノー ル,インドキシル硫酸濃度は腎機能の低下に伴い上昇する. 相原 一夫1,松浦 憲一1,田瞑 尚子2 「目的」血糖,脂質,随時血圧などの危険因子を是正しても改 善しない難治性早期腎症に早朝高血圧(MH)や夜問高血圧な どの24時間血圧変動(ABP)の関与をABP測定にて検討[方 法]血糖,脂質,随時血圧を十分コントロール(C)後,尿ア ルブミンが50%以下にならない44例中,随時血圧でMHC可 能群(A群)22例,C不可能群(B群)22例のABPを検討[結 果]A群:non−dipper(日中血圧に比し夜間血圧下降度10% 未満)(ND)2例,dipper(下降度10〜20%)(D)8例,extrem− dipper(ED)(下降度20%以上)12例,riser(R)(夜間血圧 上昇)0例.B群はND8例,D8例,ED4例,R2例.モーニ ングサージ(就寝中最低血圧と早朝血圧と差が55以上)(MS) はA群10例,B群4例.[結論]難知性早期腎症にMHコ可 能例に夜間過剰降圧,MSにつながる例,コ不可能な症例に夜 間持続夜間上昇型が多い事が関与している可能性が示唆され た. 急速に腎機能悪化を来たした糖尿病性腎症一 腎生検にて糖尿病性腎症,ANCA関連腎炎と 膜性腎症合併を診断し得た興味ある一例 国立病院機構京都医療センター腎臓内科1,国立病院機構京都 1−P−161 医療センター糖尿病センター2 岡本 千夏1,安藤 理子2,中川内玲子2,今牧 博貴 , 瀬田 公一1,八幡 兼成1,菅原 照1 葉東病院内科2 ]一P−158 83歳男性.46歳時に糖尿病と診断73歳時にインスリン導入. 2006年4月初旬より下肢の浮腫が出現,糖尿病性腎症ネフロー ゼ症候群が疑われ,血糖,血圧,浮腫コントロールを行った. その時L6mg/d1であった血清クレアチニンが5月末に6.1mg/ dlと急速に悪化し,急速進行性糸球体腎炎を疑い腎生検を施行 した結果,糖尿病性腎症,半月体形成性糸球体腎炎,膜性腎症 の所見であった.MPO−ANCA陽性で,ステロイド治療により, 一旦導入した血液透析も離脱可能となった(その後敗血症を併 発し死亡).かかる糖尿病性腎症でも臨床経過から他の腎疾患 を疑い腎生検にて,治療方針の立つ他の腎疾患合併を診断しう ることを経験する.当院における糖尿病症例で,急速な腎機能 糖尿病腎症における,腎機能の予後予測指標 としての脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) の役割について 国立病院機構千葉東病院臨床研究センターエ,国立病院機構千 関 直人1,祖山 暁子2,西村 元伸1 [目的]糖尿病腎症における腎機能の予後予測指標としての脳 性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の役割について検討した. [対象・方法]外来通院中の早期・顕性腎症の2型糖尿病患者 を対象に,BNP測定時と1年後の推算糸球体濾過率(e GFR) を測定し,BNP値とe GFRの低下率との関連を検討した. [結果]重回帰分析で,BMI・HbAlc・総コレステロール・血圧 に比し,BNPがe GFRの低下率に有意に大きな影響を与える ことを認めた.BNPが高値の群でe GFRの低下率の有意な高 値を認めた.BNPとeGFRの低下率は有意な正の相関を認め, 腎症の病期ごとの解析では,その相関は,顕性腎症群に比し早 期腎症群で高い傾向を認めた. [考察・結論]早期腎症期より心負荷が存在し,腎機能の予後 に影響を与えていると考えられた.BNPは糖尿病腎症におい 障害,尿所見の変化などの臨床所見から,腎生検にて確定診断, 早期治療につながった症例もまとめて報告する. て腎機能の予後予測指標として有用であると考えられた、 卜P−159 ★[一P−162 2型糖尿病患者における尿中肝型脂肪酸結合蛋 白の臨床的意義一高脂血症合併例における検 討一 高松内科クリニック1,高知学園短期大学生活科学学科食品化学研究室2,別 府大学食物栄養科学部食物栄養学科3,高知赤十字病院健診部4,高知市赤十 字病院内科5 高松 吉本 和永1,中山 和子2,古屋 美知2,安房田司郎3,大黒 隆司4, 幸生5 <目的>高脂血症を伴う2型糖尿病患者において尿中肝型脂肪酸 結合蛋白(L−FABP)を測定し,他の臨床指標などとの関係を検 討した、<対象と方法>対象は,尿蛋白陰性で高脂血症を合併, 治療中の2型糖尿病男性患者60例(未治療(N)群15例,スタ チン(S)群27例,フィブラート(F)群18例)と健常対照群29 例である.尿中L−FABPは・酵素免疫測定法で測定した・<結果> 糖尿病患者群の尿中L−FABP濃度は,健常者群と比べて高値 (129±52vs7.6±34μg/g・cr,p<0・0001)でHbAlc濃度,尿中NAG 濃度と正相関を認め,N群,S群においては血清中性脂肪濃度と 正相関を認めたが,F群においてはこの関係はみられなかっ た.<結語>1.高脂血症を伴う2型糖尿病患者において尿中L− FABPは高値で,血糖コントロール不良,尿細管機能障害との関 連が考えられた.2.N群,S群とF群において,尿中L−FABP 濃度と血清TG濃度との関係が異なっており,薬剤の近位尿細管 に及ぼす影響の違いが推測された. 血糖コントロール不良な2型糖尿病患者にお けるピ才グリタゾンのインスリン抵抗性改善 効果の検討 福島県立医科大学内科学第三講座 長谷川浩司,佐藤 博亮,工藤 明宏,平井 裕之, 藤原 淳,中嶋 真一,渡辺 毅 【目的】血糖コントロール不良な2型糖尿病患者におけるピオ グリタゾン(Pio)投与におけるインスリン抵抗性改善効果を 検討した. 【方法】2型糖尿病患者12症例(男/女:6/6)に対して,Pio15 mg投与,前,6ヶ月後のインスリン感受性を高インスリン正 常血糖クランプ検査にて評価した. 【結果】Pio投与にてHoMA−Rは,36%(Pくo.05)有意に低下 し,インスリン抵抗性の改善が認められた.また,GIRは,約 66%(P〈α01)有意に増加し,末梢組織でのインスリン抵抗性 の改善が示唆された.一方,Suppression ofFFAとclamp FFA は,有意な変化は認められず,肝臓でのインスリン抵抗性改善 効果は認められない可能性が示唆された. 【考察】Pioにおけるインスリン抵抗性改善作用は,末梢組織で 作用が主である可能性が示唆された. 一S−115一
© Copyright 2024 Paperzz