I. グローバル化の一般的な理解 II. グローバル化をめぐる論争

国際関係論(1 年生)/国際関係論 II (2 年生以上) 第 02 回 11 月 27 日
「グローバル化とは何か」
http://islamandeconomy.web.fc2.com/2015chuis/
I.
グローバル化の一般的な理解
グローバル化(グローバリゼーション)
イメージ:
近年のヒト・モノ・カネ・情報の移動・越境(現象)
無意識な前提:
空間軸=欧米中心。時間軸=冷戦崩壊/21 世紀。ロジック=達成⇔未達成
無意識な前提への批判:
無意識な前提:
批判:
←各学問の視点・手法
①空間軸
欧米がグローバルなフローの起点、中心的なハブ
地理的・文化的多様性。欧米以外の地域。欧米由来以外のものを受容
無意識な前提への批判:
無意識な前提:
批判:
②時間軸
相対的に短期間なタイムスパンを想定
長期にわたる歴史的背景。移動は 21 世紀のはるか以前から起きている
無意識な前提への批判:
無意識な前提:
③ロジック
二分法
(例)グローバル化のインパクト⇔ローカルなレスポンス。欧米など
の中心地⇔その他の周辺世界
批判:
一方方向ではなく双方向的。欧米発信だけではなく各地で発信。二分法の理解は不可
多様なグローバル化の想定:
空間軸:
欧米由来・発信
時間軸:
現代的な現象
ロジック:
二文法
前提の変更
→どの地域由来のものでも発信できる
→いつの時代でも存在しうる
→多様性の存在
「グローバル化」の定義の再考
一般化:
グローバル化とは、一般的な事象である
個別化:
欧米中心とする今現在起きている現象は、一つの個別事例である
グローバル化の従来の定義
レヒナーとボイル(2008):
「大きな距離で隔てられた人々がより多く、多様な方法で結び付
けられるようになる(こと)」
伊豫谷登士翁(2002):「政治、経済、文化、社会で起こっているさまざまな事象の越境的過程」
II.
グローバル化をめぐる論争
多様な論争
グローバル化の評価をめぐる論争:
①是非、②影響の度合い、③起源(いつ、どこから?)
「グローバル化は現代的な現象である」との立場に対する論争:
①空間、②時間、③システム
グローバル化の評価をめぐる論争
【論争①】
グローバル化は社会経済にどのような影響を与えるか?
肯定論(positivism)
: グローバル化によって社会経済に恩恵を与える。
(例)貧困問題の改善。
経済・文化の地域間格差解消
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否定論(negativism):
グローバル化の結果、むしろ社会経済の状況が悪化する。(例)貧富の
格差拡大。テロの脅威の拡散。ローカル文化・社会の破壊
【論争②】
現代のグローバル化の影響は大きいか?
急進論(radicals):
現代のグローバル化は、前例を見ない規模と形態で世界が大きく変化。移
動・通信手段の発展→変化の範囲・スピードがこれまで以上に速い
懐疑論(skeptics)
: 現代のグローバル化は、全くの新しい現象とみなすのは誇張。歴史上、断
続的に起きており現代の現象も過去の現象と
【論争③】
グローバル化の起源はいつ・どこにあるか?
論者:
グローバル・ヒストリー・スタディーズ
論点:
グローバル化は起点から時空間を拡散
代表的な意見:
現象:
本質的には変わらない
(Global History Studies)
←起点はいつ・どこにある?
①欧米を中心とする近年の新しい現象。②欧米以外で、近代以前から存在する
欧州・インド・東南アジア・中国。13 世紀~現代
グローバル化を現代的な現象とみなす立場に対する論争
現代的現象とみなす立場の主張:
「絶え間ない資本主義経済の浸透とテクノロジーの進歩によ
る大量輸送システムや情報革命が、これまでは閉じられていたローカルな共同体や国家の境界を
越えて、世界を単一のグローバルなシステムへと結びつける」
グローバル社会の位置づけ:
直近の過去との連続性
経済:
資本主義
→最終段階である情報資本主義
産業:
産業社会
→ポスト産業社会
文化社会:
連関:
【論争①】
主張:
モダン社会
→ポストモダン社会
16 世紀の欧州に端を発した世界システムが拡大・解体・包摂
空間について:
中心・周辺関係
欧州=中心⇔その他の地域・国々=周辺。欧州発のモノ・人→周辺による受動・需要、
反応・レスポンス
反論:
【論争②】
グル―バルとローカルの間のリージョン内での流動。下からのグローバリゼーション
時間について:
グローバル化の時間的範囲
主張:
歴史認識=ウェストファリア体制→植民地→冷戦→冷戦崩壊。グローバル化は冷戦後
反論:
上記の歴史認識の各段階でグロール化が発生しているのではないか
【論争③】
システムについて:
地域ごとのシステムの存在と変化
共有される前提: 地域ごとにシステムが存在。
(例)東洋/西洋、アジア/アフリカ、先進/途
上国、西側(資本主義)/東側(社会主義)
主張:
現代グローバル社会は欧米システムが中心
反論:
現代=地域ごとのシステムが保持
←近代以前は多中心的な世界
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III.
グローバル化の定義
グローバル化の定義策定のための 2 つの前提条件
前提の必要性:
【条件①】
グローバル化の概念は、時代・地域に限定されない一般的な概念とみなす
一つの全体のシステムが形成される過程に注目。新しいシステムの形成、古いシス
テム同士の融合・内包
【条件②】
←世界規模
近現代の西洋を中心として時空間を「中心/周辺」に分けない
→従来の議論で見
過ごされたアジア・アフリカも範囲に
グローバル化の要件
地域・時代を問わず「グローバル化」の状況を測定する基準:
脱埋め込み(Disembedding):
8つ
抽象化され地理的なローカルの文脈から切り離されても成立
加速化(Acceleration): 輸送、コミュニケーションで、速度が速まること。加速化が継続
画一化(Standardization):
かつては存在していなかった、共通の基準が登場すること
相互連結(Interconnectedness)
: 大陸間を跨ぐような人々のネットワークが濃密化。相互依存
やトランスナショナルな結びつきが増大
動き(Movement):
混淆(Mixing):
世界中が移動している状態。移住、出張、国際会議、観光、など
異なる文化の人々の出会い
脆弱性(Vulnerability):
境界の弱体化
再埋め込み(Re-embedding):
グローバリゼーション:
脱埋め込み化
→ローカルな力で再度コミュニティに統合
3 つの分類
グローバリゼーション: 近代~現在。西洋を中心とする「中心~周辺」を想定した固有の事例。
一般的に理解されている、今現在起きているグローバリゼーション
プライマリー・グローバリゼーション:
近代以前~現在。必ずしも欧米中心ではないグローバ
リゼーション。イスラーム圏・イスラーム化、モンゴル帝国、中華圏、など複数存在
トランスナショナルなフロー: 近代以前~現在。
「中心~周辺」関係が存在せず。地域間の交流
(1)グローバリゼーションの特徴
空間軸:
欧米とそれ以外。第一世界と第三世界。南北問題における南北
時間軸:
論者によって起源と時期が異なるが、「現代まで続いている」という点では共通認識
政治、経済、社会、文化への影響:
論者によって影響とローカルのリアクションの見方異なる
グローバリゼーションへの評価に対する評価:
(2)プライマリー・グローバリゼーション:
時空間的特徴:
論者によって評価が異なる
特徴
近代以降に登場した新規な現象ではない。欧米を起源・中心とはしない
起源: ユーラシア大陸~北アフリカの経済交流・交易ネットワーク。複数の存在(中東、中国、
モンゴル)。8-9 世紀に始まり、12-13 世紀にピークを迎える
グローバリゼーションとの関係:
先行するが同時代的に存在。レイヤーのように存在
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(3)トランスナショナルなフロー:
特徴
中心・周辺性
グローバリゼーション:
中心→周辺
トランスナショナルなフロー:
の関係を想定
周辺世界相互の、内部の多様な交流・流れ。中心・ハブがない
指向性
グローバリゼーション:
中心→周辺への一方的な流れと、周辺の反応
トランスナショナルなフロー:
地域間で多方向に生成・展開
グローバリゼーションの複数性
3 種類のグローバリゼーションの関係:
現実の状況:
研究上の分類概念 or 現象それ自体の実態的な差?
3 種類のグローバリゼーションに分類して理解することが可能。一つの現象も複
数のグローバリゼーションが相乗りしている事例もあり、厳密に区分が難しい例も
IV.
グローバル化としての現象
グローバル化とみなさる各種の現象
(1)脱領土化と再領土化:
ヒトの流れと出身地(国)との結びつき。脱領土化⇔再領土化
(2)ディアスポラ:
出身地(国)に戻れない/戻らない民族集団。本土から離散、帰還の見込みがない人々
(3)ナショナル/ローカルな枠組みやアイデンティティの再生産
国家/地域と民族/国民(意識)の役割・構造の変化
脱領土化・再領土化とディアスポラ:
民族意識の維持・醸成⇔国民意識の希釈化。国家による
民族集団の認識
(4)脱人間中心主義:
グローバル化:
モノの流れ
モノの流れの活発化とそれによる地域の反応
人間以外のモノ:
物品、生態環境、動植物、など・プライマリー・グローバリゼーションでは
中心的
(5)複数のグローバリゼーション:
人・モノ・カネ・情報:
特定地域をめぐる人・モノ・カネ・情報の流動とその動き方
流出と流入。それらに対する地域の反応
地域の反応:
受容、反発、折衷
動きの種類:
今現在のグローバリゼーション、プライマリー・グローバリゼーション、トラン
スナショナルなフロー
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国際関係論(1 年生)/国際関係論 II (2 年生以上) 第 03 回 11 月 27 日
「グローバル化と国民国家」
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I.
グローバル化と政府の役割
政府の役割
政府は国民の経済・生活に対し、どの程度介入すべきか?
積極的に介入すべき=政府主導の経済発展
⇔
介入すべきではない=市場に委ねる
1980 年代:
大きな政府(社会民主主義)
1990 年代:
社会主義諸国の崩壊。第三の道。EU の誕生
大きな政府:
立場:
別名
⇔
社会民主主義(social democracy)
政府、マクロ経済や国民生活に介入
手法・政策:
小さな政府(新自由主義)
→国民の平等・均衡を図る。高負担・高福祉
政府による財政出動。幅広い行政機能。市場の創出。規制・監督
ケインズ的政策:
政府主導の共事業の実施
→インフラ整備、雇用創出、地方経済の活性化
有力・巨大事業の国営化。各種福祉政策(健康保険、年金、教育)
批判:
政府による財政支出が増大
小さな政府:
立場:
別名
→国民負担も増大
→破綻?
国民の生活の自由度が低下
新自由主義(neo-liberalism)
政府はマクロ経済や国民生活には介入しない。警察と国防のみ(夜警国家)
経済発展:
民間の市場に委ねる
手法・政策:
←競争・市場原理の重視。低負担・低福祉
大きな政府から小さな政府へ。1980 年代に財政赤字→大規模な財政出動が困難
政府:①財政出動減少→財政赤字削減。②権限縮小・規制緩和→市場の活性化による経済成長
米のレーガノミクス、英のサッチャリズム、日の臨調行革路線
1980 年代の日本の例: 「増税なき財政再建」=行政のスリム化、公社(①日本専売公社、②国
鉄、③日本電信電話公社)の民営化
批判:
→歳出削減。独占から競争により商品/サービスの向上
政府による行政サービスの低下。国民による自己負担の高まり。国民間の格差拡大
東側諸国の崩壊
計画経済:
資源の配分・生産量を市場(の価格調整メカニズム)に委ねず、国家が決定
社会主義諸国で採用された経済システム
東側諸国の崩壊のインパクト:
1991 年、ソ連崩壊
→資本主義経済に移行
「資本主義の勝利」「市場経済の優位性」「市場万能主義」
第三の道
(Third Way)
立場:
大きな政府(社会民主主義)と小さな政府(新自由主義)を折衷した政府
国家:
社会が必要とするもの全ては準備できない
市場:
全てを委ねることはできない
英ブレア政権(1997-2007 年):
市場の効率性+国家の補完
→社会公正・機会の平等の確保
【小】:
所得税・法人税の減税、公共サービスの PFI、最低賃金法、地方分権
【大】:
就労支援、公立校改革、ポジティブウェルフェア(自立型福祉)
代表的な政権: ブレア・労働党(英)、ジョスパン・社会党(仏)、シュレーダー・社民党(独)、
クリントン・民主党(米)
「小さな政府」論者からの批判:
新自由主義の富裕層→大きな政府を志向している。ケインズ
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「グローバル化と国民国家」
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派(公共投資重視派)→公共投資による雇用創出(弱者救済)がない
「大きな政府」論者からの批判:
労働組合→弱者への直接的な支援(型福祉)が減少。左派→
社会民主主義からの離反
グローバル化と政府の役割
⇔
EU:市場・規制・政策の統一
政府:国内経済政策を放棄
EU 市場におけるマクロ経済政策の統一=各国政府が欧州委員会へ譲渡した政策・権限:
の統制。利率・為替レートの統制。通貨政策と通貨発行権
依然として残る政府の役割:
国家の統治と対外交渉
規制緩和=政府の権限の縮小
⇔
古い政府の姿:
(欧州中央銀行)
規制緩和の実施主体は政府自身
中央集権、ヒエラルキー型権力構造、権威・権限・許認可権
新しい政府の姿:
II.
物価
政府のあるべき姿が変容。利害調整
←アクターとの協働的政治の必要性
グローバル化と世界市民
グローバル化によって、世界市民が誕生したか?
グローバリゼーション否定論:
①グローバル化に反対する NGO の活動を通じてのグローバル
な連帯の形成、②各国政府の統一ではなく、解体して市民が政世界府を作る、③グローバル化以
前からの NGO の活動
国際社会と NGO の関係: ①国連、世銀との関係、②NGO による国際社会参加の問題点、③市
民社会と国家の関係
コスモポリタニズム(cosmopolitanism)
理想的な結びつき:
世界市民(コスモポリタン)=人種・宗教・言語などの違いを超えて、対
等の立場で連携・連帯。世界政府=世界市民の手による政府の建設
現実の結び付き:
①国連=各国政府を前提とした結びつき。国家の利害の対立⇔市民無視、②
旧西側/東側諸国=陣営同士は結びついているが、中心的な国への隷属、③グローバリゼーショ
ン=市場経済に組み込まれることへの否定的な見方
反グローバリゼーション運動
グローバリゼーション否定論:
グローバル化=各国・地域の社会経済に対し悪い影響
→貿易
(モノ)・金融(カネ)の移動で貧困・格差が南北間、一国の地域間で拡大
NGO:
運動の連帯。地域・一国内の規模のものから、国境を越えたグローバルなものまで
NGO の活動とグローバル化: インターネットの利用=活動の実践・拡大にグローバル化が寄与
NGO 活動:
グローバル化の恩恵を浴している側面あり
グローバル化以前の NGO の活動
グローバル化=NGO の活動促進
NGO・市民活動家:
19 世紀末~20 世紀:
1960 年代:
⇔
グローバル化以前=活動は限定的?
グローバル化、インターネット普及以前より活動実施
労働者運動→社会主義諸国。
NGO は数十ほど
現在も活動を行っている主要 NGO の誕生。NGO は 1,000 を超える
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21 世紀:
多分野・地域での活動。NGO は 5,000 近く存在
1960-70 年代に誕生した主要 NGO
アムネスティ・インターナショナル(1961 年設立、本部:ロンドン)
:
軍事政権下のポルトガ
ルによる市民の不当逮捕に反対。紛争、貧困、差別、拷問・死刑制度の中止・廃止
国境なき医師団(1971 年設立、本部:スイス)
:
ナイジェリア内戦(ビアフラ戦争)で赤十字
から派遣された医師。貧困地域や第三世界、紛争地域での緊急医療援助
グリーン・ピース(1971 年設立、本部:オランダ)
: 各国の活動グループが合流。海洋生態系、
森林、原子力、化学物質汚染などの諸問題
有力 NGO:
グローバル化以前から活動
→グローバル化で活動範囲・対象が拡大
国際機構と NGO
国連:
人道的分野で協力を実施。国連諮問機関=国連の会議に参加できる NGO の資格。総合
諮問資格、特殊諮問資格、ロスター
世界銀行:
世銀・NGO 間の対話。市民社会フォーラム=市民社会(NGO)との政策対話
NGO への批判
①NGO の主張への批判: 途上国の視点=先進国で誕生、活動する NGO は先進国・企業の別の
姿。先進国の代弁者。NGO は先進国の焼き直しに過ぎない
①国際社会の政治参加の手法への批判:
代表は選挙で選出
⇔
ロビー活動で NGO が政府や国際機関と交渉。政府=
NGO=代表は非民主主義的で決定。一般市民は NGO でも政府関係者で
なければ国際社会に関与できない
地球市民と国家の関係
地球市民の国際政治の参加: 地球規模の課題は国際機関、政府とともに地球市民・NGO も参加
国家の役割: 固有の利害を超え協力する能力を引き続き保持⇔
地球市民・NGO は国家に圧力
をかけて主張を実現することが目的
2 つの世界フォーラム
世界経済フォーラム: 1971 年設立、別名:ダボス会議。各国首脳・政治家、経営者・ビジネス
マン、ジャーナリスト、研究者が参加。グローバリゼーションを肯定・推進する立場の者が中心
世界社会フォーラム: グローバリゼーション否定論、反グローバリゼーション運動。NPO、NGO、
社会団体などが参加。世界経済フォーラムと同時期に開催
III.
米中心のグローバル化
グローバル化とは、アメリカ(のもの)が世界を席巻することか?
アメリカの覇権主義=帝国主義:
地球で唯一の全体的な権力を持つ超大国?
⇔
各分野で中
心的存在ではあるが、グローバル化の一要素にすぎない
グローバリゼーション下のアメリカ:
①国内は一枚岩ではない、②分野ごとに異なる状況
アメリカの覇権
二つの勝利: ①第二次世界大戦→ファシズム(日独伊)に対する勝利。②大戦後→共産主義(ソ
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連中心の東側諸国)に対する勝利。∴民主主義、自由主義、資本主義(を担うアメリカ)の勝利
ソ連崩壊後のアメリカ:
アメリカ帝国主義
アメリカ帝国主義
意味・概要:
帝国主義:
かつての欧州諸国と同様、現代アメリカも帝国主義にあること
軍事・政治・経済力等をもって他国を支配下に置くこと。覇権主義
①独裁的な政権に対する支持・援助
米と独裁政権の関係:
&
②他国への政治的・軍事的介入
資金援助、武器供与など
事例①:
イラク・フセイン政権への支援
事例②:
アフガニスタンをめぐる支援
←米の権益や安全を守ることを目的
③人権や環境問題に対する無視・無関心
京都議定書(1997 年):
米不参加:
二酸化炭素の排出量を減らす
→地球の温暖化を防止する
①先進国だけでなく途上国も義務を負うべき、②排出権取引を使えば、実際に二酸
化炭素減らさなくても目的が達成できるよう、骨抜きになっている
④自国に有利な貿易ルールの押し付け
TPP:
関税や非関税の障壁の撤廃・緩和で貿易活発化。米に都合いいルールが制定される疑念
⑤米発の映画、テレビ番組、スポーツの世界的な浸透
「米の覇権」という認識への反論:
「アメリカ」であるもの:
米の外からの視点:
全ての要素:
①1 枚岩ではないアメリカ
米政府、多国籍企業、大学・研究機関、米軍・軍需産業
同一の利害関係に則り、統一行動を行っているとみなす
対外に協力・強化
⇔
絶対的決定権を持つ中心がない
多様な人びと・組織の活動を全て調整できる明確に同一化した利害関係は存在しない
「米の覇権」という認識への反論:
②分野ごとに異なる状況
経済分野: 大戦後はアジア=規模極小、西欧州=再建途上、米=世界の総生産の 1/4→東側諸国
=崩壊、アジア=途上国の台頭、米=2 割程度に低下。通貨は米ドルが国際基軸通貨として機能
外交・軍事分野:
国防概念は、世界平和とその維持ではなく、外からの侵害に対する国家・国
民防衛。国防予算は 90 年代に減少→その後増加。国内の安全保障への懸念
グローバル化の中のアメリカ
文化的側面:
米発の文化
⇔
米以外発祥の文化。ハイブリッドな文化。世界中の文化が米中
心で画一化するとは考えにくい
経済的側面: 米、欧州、日とともに主要プレーヤー
⇔
NIEs・BRISs の台頭。これら均衡を
完全に崩すほどの力は弱い
政治的側面:
ファシズム、社会主義諸国に勝利、地上唯一の大国。領土拡大を目指す古典的な
「帝国」として行動しているわけではない。同盟国・国連の尊重
×
グローバリゼーション=アメリカの世界帝国化
〇
グローバリゼーション=どの側面でもアメリカは重要な要素。ただし、それがグローバリゼーショ
ンの全てではない
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