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改正後の栗原市個人情報保護条例の条文と解釈

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改正後の栗原市個人情報保護条例の条文と解釈
目次
第1章 総則(第1条−第5条)
第2章 実施機関が取り扱う個人情報の保護(第6条−第17条)
第3章 開示、訂正及び利用停止
第1節 開示(第18条−第28条)
第2節 訂正(第29条−第34条)
第3節 利用停止(第35条−第38条)
第4節 不服申立て(第39条−第42条)
第4章 個人情報保護審査会(第43条−第55条)
第5章 雑則(第56条−第61条)
第6章 罰則(第62条−第68条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、実施機関が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める
権利その他の個人情報の保護に関し必要な事項を定めることにより、個人情報の適
正な取扱いの確保及び個人の権利利益の侵害の防止を図り、もって個人の人格と尊
厳の尊重に寄与することを目的とする。
【趣旨】
本条は、この条例の目的を明らかにしたものであり、条例の解釈及び運用の指針となるもの
である。したがって、「個人情報の適正な取扱いの確保及び個人の権利利益の侵害の防止」を
直接の目的とし、常に適切に運用されなければならない。
【解釈】
1 「実施機関が保有する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める権利」とは、実施機関
が保有する行政文書に記録されている個人情報について、当該個人情報の本人に対しその開
示を請求する権利を認めたものである。
また、開示を受けた個人情報について、事実と一致しないと認める場合には当該個人情報
の訂正を請求する権利を、実施機関の取扱いが不適切であると認める場合には当該個人情報
の利用停止を請求する権利を認めたものである。
したがって、実施機関は、条例で定める要件を満たした開示、訂正及び利用停止の請求に
応じる条例上の義務を負うものである。
なお、実施機関の開示、訂正及び利用停止をしない旨の決定に対し、請求者が不服を申し
立てた場合は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)及び行政事件訴訟法(昭和3
7年法律第139号)の規定に基づく救済の道が開かれるものである。
2 「その他の個人情報の保護に関し必要な事項を定める」とは、個人情報の収集、保有、利
1
用、提供又は消去という一連の個人情報の取扱いの過程において、社会通念上適正と認めら
れるような一定の取扱ルールを設けようとしたものである。具体的には、第2章の「実施機
関が取り扱う個人情報の保護」の中で、収集の制限、利用及び提供の制限、オンライン結合
による提供の制限、適正管理、個人情報の消去、委託等に伴う措置などの各々の条文におい
て示されている。
3 「個人の権利利益」とは、プライバシーとしての人格的な権利利益のほかに社会生活上の
権利利益や経済的な権利利益が含まれる。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところ
による。
⑴ 個人情報 個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その
他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合する
ことができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含
む。)をいう。
⑵ 実施機関 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資
産評価審査委員会、議会、消防長及び病院事業管理者をいう。
⑶ 事業者 法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個
人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)第2条第1項に規定する
独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体及び地方独立行政法人(地
方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独
立行政法人をいう。以下同じ。)を除く。以下「法人等」という。)及び事業を
営む個人をいう。
⑷ 行政文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真及び
スライドフィルム(これらを撮影したマイクロフィルムを含む。以下同じ。)並
びに電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識するこ
とができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関
の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。
⑸ 本人 個人情報によって識別される特定の個人をいう。
【趣旨】
本条は、この条例における基本的な用語の意義について定義したものである。
【解釈】
1 第1号「個人情報」
⑴ 本号は、条例の対象となる個人情報の範囲を定めたものである。
⑵ 「個人に関する情報」とは、通常個人を識別する際に用いられる氏名、住所、生年月日
等の基本的事項はもとより、思想、信条、心身の状況、病歴、成績、職歴、家族状況、親
族関係、所得、財産等の個人に関するすべての情報をいい、次の情報も含まれるものであ
る。
ア 事業を営む個人の当該事業に関する情報
事業を営む主体が個人であり、個人事業主の当該事業に関する情報と個人に関する情
2
報とを判然と区分することが困難であることなどから、保護対象になるものである。
イ 法人等の役員に関する情報
法人等の役員は、法人に代わって当該法人等の行為を行うことから、法人等の役員に関
する情報は、法人等の情報の一部と考えられるものの、個人に関する情報としての側面
も併せ持つことから、保護対象になるものである。
また、個人に関する情報であれば、住所、国籍にかかわらず、外国人を含むあらゆる
個人の情報が保護対象になるものである。
なお、実施機関は、保有する個人情報のすべてを適正に管理する必要があることから
、死者の個人情報についても保護対象になるものである。
⑶ 「その他の記述等」とは、氏名及び生年月日以外の記述(住所、電話番号、役職名など
の当該個人の属性等)又は各種免許証、保険証、カルテ等において個人別に付された番号
その他符号等をいう。また、映像や音声も、それによって特定の個人を識別することがで
きる限りにおいて、「その他の記述等」に含まれる。
⑷ 「特定の個人を識別することができる」とは、当該情報に含まれる氏名、住所、生年月
日、個人別に付された番号等により、当該情報の本人である特定の個人が誰であるかを識
別することができることをいう。
⑸ 「他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができる」と
は、当該情報のみでは特定の個人を識別できないが、他の情報と照合することにより、特
定の個人を識別することができることをいう。
2 第2号「実施機関」 解釈省略
3 第3号「事業者」
⑴ 本号は、この条例の対象となる「事業者」を定義するものである。
⑵ 「法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く
。以下「法人等」という。)」とは、法人のみならず法人格を有しないが当該団体の規約
及び代表者を定めている団体(自治会、商店会、消費者団体等)を含む。ただし、国、独
立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人については、その公共性にかんがみ、
法人等とは異なる取扱いが必要なことから、法人等の範囲から除外する。
なお、市の出資法人についても、本号の「事業者」に該当する。
⑶ 「事業」とは、地方税法(昭和25年法律第226号)第72条の2第8項から第10
項までに掲げる事業、農業、林業等のほか、およそ事業と称することができるすべてのも
のをいい、営利、非営利を問わないものとする。
4 第4号「行政文書」
⑴ 本号は、この条例における個人情報の記録媒体としての「行政文書」の範囲と概念をそ
の形態や文書事務の面から明らかにするものである。
⑵ 「実施機関の職員」とは、第2号に規定する実施機関の職務上の指揮監督権限に服する
すべての職員をいい、特別職か一般職かを問わない。
⑶ 「職務上作成し、取得した」とは、実施機関の職員が職務の遂行者としての公的立場に
おいて作成し、又は取得したという趣旨である。
「職務上」とは、実施機関の職員が、法律、条例、規則、規程、通達等により与えられ
た任務又は権限をその範囲内において処理することをいう。
3
⑷ 「組織的に用いるもの」とは、業務上必要なものとして職員が共有し、及び保有してい
るものをいう。したがって、職務に関連して職員が個人的に作成し、又は取得した備忘的
メモ、参考資料等は、原則として行政文書には含まれないものである。ただし、必要に応
じて起案文書等に添付された場合は、当該資料等を含め対象行政文書となる。
⑸ 「実施機関が保有しているもの」とは、実施機関がそれぞれ定める文書に関する規程等
の規定するところにより保管し、又は保存されるものをいう。
5 第5号「本人」
「本人」とは、第1号において定義される個人情報により識別されることとなる特定の個
人のことをいう。「本人」は、この条例では、例えば、個人情報の開示、訂正及び利用停止
の各請求の主体となる。
【運用】
本条第1号に規定する個人情報を例示するとおおむね別表のとおりである。
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は、この条例の目的を達成するため、個人情報の保護に関し必要な施
策を講じなければならない。
【趣旨】
本条は、この条例の目的達成のために実施機関が必要な個人情報の保護施策を講ずるよう一
般的責務を定めたものである。
【解釈】
「個人情報の保護に関し必要な施策」とは、この条例に定める具体的保護措置に限らず、こ
の条例の目的を達成するために必要と考えられる各種の普及、啓発、職員研修等のすべての施
策をいう。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、個人情報を取り扱うときは、個人情報の保護の重要性を認識し、個
人の権利利益を侵害することのないよう、その適正な取扱いに努めなければならな
い。
2 市が出資する法人のうち実施機関が定めるものは、前項に規定するほか、当該実施
機関がこの条例の規定に基づき実施する個人情報の保護に係る施策に留意しつつ、
個人情報の保護に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
【趣旨】
本条は、事業者が個人情報を取り扱う際に遵守すべき責務を明らかにしたものである。
なお、事業者については、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「
個人情報保護法」という。)第2条第3項に規定する個人情報取扱事業者に該当する場合には
、同法の規定が適用されるため、同法及び各省庁等が策定する「個人情報の保護に関するガイ
ドライン」に即して個人情報の保護に取り組む必要がある。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 「事業者」とは、第2条第3号の定義のとおりである。
4
⑵ 「適正な取扱い」とは、事業者が個人情報の収集、保有、利用及び提供を行う場合には
、個人の権利利益を侵害することのないよう個人情報の取扱いに関する規程を定めるとと
もに、自己に関する個人情報の開示等や内容の照会を受けた場合に応諾するなどの措置を
行うことをいう。
2 第2項関係
⑴ 「市が出資する法人のうち実施機関が定めるもの」とは、市が出資する法人のうち、事
業内容が市行政と密接な関連を持ち、市が行うべき事務事業の補完や代替的役割を果たし
ていることなどの理由で公共性や公益性が高いと判断して、実施機関が指定するものをい
う。
⑵ 「当該実施機関がこの条例の規定に基づき実施する個人情報の保護に係る施策に留意し
つつ」とは、第2章及び第3章各条の規定に基づき行う実施機関の施策を参考にすること
をいう。
⑶ 「個人情報の保護に関し必要な措置」とは、この条例の保護施策の内容に留意するとと
もに、独自に内部管理規程を設ける等の措置を講ずることをいう。これは、「市が出資す
る法人のうち実施機関が定めるもの」は、他の事業者と比較し、より積極的な対応が要求
されることによるためである。
(市民の責務)
第5条 市民は、個人情報の保護の重要性を認識し、自ら自己の個人情報の保護に努め
るとともに、他人の個人情報の取扱いに当たっては、その権利利益を侵害すること
のないよう努めなければならない。
【趣旨】
本条は、市民一人一人が個人情報保護の重要性を認識し、自己又は他人の個人情報の保護に
努める必要があることを明らかにしたものである。
【解釈】
1 「自ら自己の個人情報の保護に努める」とは、自己に関する個人情報は、自分で守るとい
う意識を持ちながら、日常生活において自己情報を不用意に他人に提供したりしないよう心
掛ける必要があるとする趣旨である。
2 「他人の個人情報の取扱いに当たっては、その権利利益を侵害することのないよう努めな
ければならない。」とは、他人の個人情報が記録されているようなものを安易に関係者以外
の者へ提供してしまったりした場合には、不都合な目的に利用されてその人の権利利益が侵
害されるようなことも起きるので、十分な注意が必要であるとする趣旨である。
第2章 実施機関が取り扱う個人情報の保護
(個人情報取扱事務の登録及び閲覧)
第6条 実施機関は、個人情報を取り扱う事務であって、個人の氏名、生年月日その他
の記述等により当該個人を検索し得る状態で個人情報が記録された行政文書を使用
するもの(以下「個人情報取扱事務」という。)について、次に掲げる事項を記載
した個人情報取扱事務登録簿(以下「登録簿」という。)を作成し、一般の閲覧に
5
供しなければならない。
⑴ 個人情報取扱事務の名称及び概要
⑵ 個人情報取扱事務を所管する組織の名称
⑶ 個人情報取扱事務の目的
⑷ 個人情報取扱事務の対象者
⑸ 個人情報の記録項目
⑹ 個人情報の処理形態
⑺ 個人情報取扱事務を実施機関以外のものに行わせることの有無
⑻ 個人情報の収集先
⑼ 個人情報の利用及び提供の状況
⑽ 個人情報取扱事務の開始年月日及び登録年月日
⑾ その他実施機関が定める事項
2 実施機関は、個人情報取扱事務を新たに開始しようとするときは、あらかじめ、当
該個人情報取扱事務について登録簿に登録しなければならない。登録した事項を変
更しようとするときも、同様とする。
3 実施機関は、前項の規定により登録した個人情報取扱事務を廃止したときは、速や
かに、当該個人情報取扱事務の登録を抹消しなければならない。
【趣旨】
本条は、実施機関が事務事業等を行うに当たり個人情報を取り扱うときには、その事務の名
称、概要、目的、取り扱う個人情報の対象者、収集先及び利用、提供の状況等を明らかにする
とともに、個人情報の開示請求等の円滑な実施に資するため、個人情報取扱事務登録簿の作成
及び閲覧に関する必要事項を定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、実施機関が行う事務において、個人情報を取り扱う場合には、その事務につい
て所定事項を記載した登録簿の作成義務があることを明らかにし、作成した登録簿は、一
般の閲覧に供することとしたものである。
⑵ 「個人情報を取り扱う事務」の範囲には、個人情報の取扱いを含む事務を委託し、又は
公の施設(地方自治法第244条第1項に規定する公の施設をいう。以下同じ。)の管理
を指定管理者(同法第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)に
行わせる場合で、実施機関自体が個人情報を有していない場合を含む。
⑶ 「一般の閲覧に供しなければならない」とは、登録簿を市民等が閲覧できるようにして
おくことをいう。
2 第2項関係
「あらかじめ」とは、事務の開始前又は登録事項の変更前に登録簿への登録又は変更を行
う必要があることを定めたものである。
3 第3項関係
本項は、実施機関が個人情報取扱事務を廃止したときの登録の抹消について定めたもので
ある。
6
4 前3項の規定は、次に掲げる個人情報取扱事務については、適用しない。
⑴ 市の職員又は職員であった者に係る人事、給与、福利厚生等に関する個人情報取
扱事務
⑵ 前号に掲げるもののほか、栗原市個人情報保護審査会(第45条第1項を除き、
以下「審査会」という。)の意見を聴いた上で実施機関が定める個人情報取扱事
務
【趣旨】
本項は、市の職員等に係る人事、給与、福利厚生等に関する個人情報取扱事務及び審査会の
意見を聴いた上で実施機関が定める個人情報取扱事務について、第1項から第3項までの登録
簿の作成等の義務を適用除外としたものである。
(利用目的の特定)
第7条 実施機関は、個人情報を収集するときは、その利用の目的をできる限り特定し
なければならない。
2 実施機関は、前項の規定により特定された利用の目的(以下「利用目的」という。
)を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認め
られる範囲を超えて行ってはならない。
【趣旨】
本条は、実施機関が個人情報を収集するときは、利用目的をできる限り特定しなければなら
ないこと、特定された利用目的は、その利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められ
る範囲に限って、変更ができることを定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
個人情報がみだりに取り扱われ、個人が不測の権利利益侵害を被ることを未然に防止する
ためには、まず、個人情報の利用目的が明確にされ、以後、その利用目的に沿って適切に取
り扱われることが必要である。
「その利用の目的をできる限り特定しなければならない」とは、個人情報がどのような事
務の用に供され、どのような目的に使われるかをできるだけ具体的、個別的に特定すること
を求める趣旨であり、利用目的の特定の程度を実施機関の恣意的判断に委ねるものではない。
2 第2項関係
⑴ 「変更前の利用目的と相当の関連性を有する」とは、当初の利用目的から、想定するこ
とが困難でない程度の関連性を有することであり、相当の関連性を有するかの判断につい
ては、当初の利用目的とされていた事務の内容や利用目的の変更理由などを勘案し、個別
に行う必要がある。
⑵ 「合理的に認められる範囲」とは、社会通念に照らして、客観的に合理的と認められる
範囲のことである。その範囲を超えた利用は、目的変更としては認められず、目的外の利
用となることから、原則として本人の同意を得る必要がある(第10条【解釈】参照)。
(収集の制限)
第8条 実施機関は、個人情報を収集するときは、利用目的を達成するために必要な範
7
囲内で収集しなければならない。
2 実施機関は、個人情報を収集するときは、適法かつ公正な手段により収集しなけれ
ばならない。
3 実施機関は、個人情報を収集するときは、本人から直接収集しなければならない。
ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
⑴ 本人の同意があるとき。
⑵ 法令(条例を含む。以下同じ。)に定めのあるとき。
⑶ 人の生命、身体又は財産の安全を確保するため、緊急かつやむを得ないと認めら
れるとき。
⑷ 出版、報道等により公にされたものから収集するとき。
⑸ 国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人から収集する場合
で、事務の執行上やむを得ないと認められるとき。
⑹ 他の実施機関から第10条各号のいずれかに該当する提供を受けて収集するとき
。
⑺ 事業を営む個人の当該事業に関する情報又は法人等に関する情報に含まれる当該
法人等の役員に関する情報を収集するとき。
⑻ 所在不明、心神喪失等の理由により、本人から収集することが困難であり、かつ
、本人の権利利益を侵害するおそれがないと認められるとき。
⑼ 争訟、選考、指導、相談、交渉等を伴う事務事業を執行するために個人情報を収
集する場合において、本人から収集したのでは当該事務事業の目的を達成するこ
とができず、又は当該事務事業の適正な執行に著しい支障が生じると認められる
とき。
⑽ 前各号に掲げる場合のほか、審査会の意見を聴いた上で、個人情報を取り扱う事
務の目的を達成するため相当な理由があると実施機関が認めるとき。
4 実施機関は、思想、信条又は信教に関する個人情報及び社会的差別の原因となるお
それのある個人情報を収集してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当す
るときは、この限りでない。
⑴ 法令に定めのあるとき。
⑵ 審査会の意見を聴いた上で実施機関が当該個人情報を取り扱う事務の目的を達成
するために必要と認めるとき。
【趣旨】
本条は、実施機関が個人情報を収集するときの原則を定めるとともに、収集目的、収集方法
及び収集する個人情報の種類別に制限を設けたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、実施機関が個人情報を収集するときには、利用目的を達成するために必要な範
囲内で行う必要があることを定めたものである。
⑵ 「収集」とは、前条第 1 項における解釈と同義である。
2 第2項関係
本項は、実施機関が個人情報を収集するときは、適法な手段によるとともに、社会通念に
8
照らし公正な手段によることが必要であることを定めたものである。
3 第3項関係
⑴ 「本人から直接収集」とは、実施機関が本人から直接収集する場合のほか、届出書、申
請書等を本人の使者等を介して、又は本人の所属団体や市町村等を経由して受け取る場合
も含むものである。また、法定代理人からの被代理人に関する情報の収集は、本人からの
直接収集とみなす。
なお、本人から提出されたものであれば、密封された内申書、学業成績証明書など本人
がそこに記録された情報の内容を承知していない場合でも、本人からの収集となるもので
ある。
⑵ 各号関係
ア 第1号関係から第6号関係まで 解釈省略
イ 第7号関係
「事業を営む個人の当該事業に関する情報又は法人等に関する情報に含まれる当該法
人等の役員に関する情報」は、個人に関する情報としての側面も持つものの、「当該事
業に関する情報」は、事業内容、事業用資産、事業所得など事業活動に直接関係する情
報であり、「当該法人等の役員に関する情報」は、法人等に代わって当該法人等の行為
を行う役員の情報で、法人等の情報の一部であり、これらについては、個人の権利利益
を害するおそれが少ないと考えられることから、本人からの直接収集の原則の例外とし
たものである。
ウ 第8号関係
(ア) 「所在不明」とは、本人が一時的な不在のため、所在が不明となっている場合も含
まれる。
(イ) 「心神喪失」とは、痴呆、知的障害、精神障害等により、物事の是非善悪の判断能
力を欠く状態をいい、意思能力を喪失したが、民法第7条の後見開始の審判を受けて
いない場合が該当する。本人自らが判断できる場合(軽度の痴呆症等)や酩酊等一時
的な状態の場合はこれに含まれない。
(ウ) 「所在不明、心神喪失等」とは、本人から個人情報を収集することが客観的に不可
能な理由を例示したものである。
(エ) 「本人の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認められる」とは、本人から個
人情報を収集できない事由があったことをもって、本人以外のものから個人情報を収
集することを無制限に認めようとするものではなく、本人以外のものから個人情報を
収集することにより本人の権利利益を不当に侵害することのないよう、収集先、収集
方法、収集する情報の内容が個別具体的な事情に応じて妥当なものでなければならな
いことをいう。
例えば、本人が一時的な不在のため、所在の確認に必要な情報を収集するこ
とにより、本人の個人情報を収集することが可能となる場合に、その他の情報
まで収集することを認めるものではない。
エ 第9号関係
本号は、争訟、選考、指導、相談、交渉等を伴う事務事業において、本人から個人情
報を収集したのでは、当該事務事業の目的を達成できない場合や、当該事務事業の適正
9
かつ円滑な執行に著しい障害が生ずる場合に、本人以外から収集できる旨を定めたもの
である。
オ 第10号関係
本号は、本項の適用除外の第1号から第9号までに該当しない場合で、審査会の意見
を聴いた上で、実施機関が本人以外から収集する必要があると判断したときは、本人か
らの直接収集の原則の例外とする趣旨である。
なお、「目的を達成するため相当な理由」があるかどうかの判断は、実施機関が審査
会に本人以外からの収集の必要性や理由を示し、意見を聴いた上で、行う必要がある。
4 第4項関係
⑴ 本項は、思想、信条又は信教に関する個人情報及び社会的差別の原因となるおそれのあ
る個人情報は、憲法上の内心の自由等の基本的人権にかかわるものであり、その取扱いが
不適正であるような場合には、個人の権利利益の侵害のおそれが大きいため、原則として
その収集を禁止するものであるが、法令に定めのある場合など一定の場合は、例外として
収集できることを定めたものである。
⑵ 「思想、信条」に関するものとは、支持政党などの個人の政治的な考え方に係るような
情報や倫理観などの精神的、内面的な内容に関する情報をいう。
⑶ 「信教」に関するものとは、信仰している宗教の宗派名等の情報をいう。
⑷ 「社会的差別の原因となるおそれのあるもの」とは、犯罪歴のように差別の原因となっ
たり、又はなるおそれのある個人情報をいう。
⑸ 各号関係
ア 第1号関係
「法令に定めのあるとき」とは、本条第3項第2号における解釈と同義であり、取扱
いの義務若しくは権限がある場合又は要件審査の際に収集することを法令が予定してい
る場合等がこれに該当し、具体例としては次のようなものがある。
(ア) 公職の候補者の所属政党等を届け出る義務がある場合(公職選挙法(昭和25年
法律第100号)第86条第1項及び第4項)
(イ) 職員採用の際に欠格事項の有無を確認する場合(地方公務員法第16条)
イ 第2号関係
「個人情報を取り扱う事務の目的を達成するために必要と認めるとき」とは、事務
の性質上、当該個人情報を収集しなければ事務の目的達成が困難になると認められる
場合である。
(利用目的の明示)
第9条 実施機関は、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人
の個人情報を収集するときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、本人に対し、
その利用目的を明示しなければならない。
⑴ 人の生命、身体又は財産の安全を確保するために緊急に必要があるとき。
⑵ 利用目的を本人に明示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その
他の権利利益を害するおそれがあるとき。
⑶ 利用目的を本人に明示することにより、市、国、独立行政法人等、他の地方公共
団体又は地方独立行政法人が行う事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれが
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あるとき。
⑷ 収集の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき。
【趣旨】
本条は、実施機関が本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人の個人
情報を収集するときには、利用目的をあらかじめ明示しなければならないことを定めたもので
ある。
【解釈】
1 本人から直接個人情報を収集する形態には、書面による場合や口頭による場合があるが、
口頭の場合には、必ずしも収集した個人情報のすべてが保有されるわけではない。これに対
して、書面による収集の場合には、申請書等、本人が書面に記載して提出するものは、その
多くが保有されることとなると考えられることから、本人から直接書面に記載された当該本
人の個人情報を収集する場合は、特に利用目的を明示することを定めたものである。
「電磁的記録を含む」とは、行政の情報化が急速に進展し、オンラインによる申請等も一
般化しつつあることから、このような情報通信ネットワーク等を介して取得する場合も含む
という趣旨である。
2 本条は、本人から直接書面等により個人情報を収集する際に、あらかじめ利用目的を明示
するものであるが、利用目的の明示を義務付けることが適当でない場合や、利用目的が明ら
かである場合にまで、一律に本条を適用することは合理的ではないことから、併せて本条の
適用が除外される場合を定めたものである。
⑴ 第1号関係
「人の生命、身体又は財産の安全を確保するために緊急に必要があるとき」とは、生命
、身体又は財産の安全を確保するための個人情報の収集であって、利用目的を明示する時
間的な余裕がない場合をいう。
⑵ 第2号関係
「本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがあるとき」と
は、利用目的を明示することにより、本人又は第三者の不利益になる場合や、結果として
本人又は第三者に損害を与えるおそれがある場合をいう。
⑶ 第3号関係
「事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき」とは、市や国等が行う事務
又は事業の内容は多様であるため、社会通念により個別具体的に判断せざるを得ないが、
例えば、利用目的を明示することにより、以後の個人情報の収集が困難になる場合、証拠
隠滅につながる場合、適正な判断・評価に支障を及ぼす場合等はこれに該当すると考えら
れる。
⑷ 第4号関係
「収集の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき」とは、例えば、特定
の許認可申請を行うため本人が自己の個人情報を記載した申請書を提出する場合であって
、当該許認可申請の事務処理のために当該個人情報を利用する場合などをいう。
(利用及び提供の制限)
第10条 実施機関は、利用目的以外の目的で個人情報を利用し、又は提供してはなら
11
ない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
⑴ 本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。
⑵ 法令に定めのあるとき。
⑶ 人の生命、身体又は財産の安全を確保するため、緊急かつやむを得ないと認めら
れるとき。
⑷ 出版、報道等により公にされているとき。
⑸ 専ら学術研究等の目的のために利用し、又は提供する場合で、本人の権利利益を
不当に侵害するおそれがないと認められるとき。
⑹ 同一実施機関内で利用する場合又は他の実施機関、国、独立行政法人等、他の地
方公共団体若しくは地方独立行政法人に提供する場合で、事務に必要な限度で使
用し、かつ、使用することに相当な理由があると認められるとき。
⑺ 前各号に掲げる場合のほか、審査会の意見を聴いた上で、個人情報を使用するこ
とに相当な理由があると実施機関が認めるとき。
【趣旨】
本条は、実施機関が個人情報を収集した後に、その利用又は提供を行うに当たって、個人の
権利利益を侵害しないよう制限を設けたものである。
【解釈】
1 本条は、実施機関が個人情報の利用又は提供をするときには、目的外の利用及び提供を禁
止するとともに、併せてその例外事項を定めたものである。
2 「利用」とは、実施機関が当該実施機関内で個人情報を取り扱うことをいう。例としては
、市長部局のある課で保有している個人情報を市長部局の他の課で使用する場合等があげら
れる。
3 「提供」とは、実施機関が当該実施機関以外のものへ個人情報を提供することをいい、次
のような例が挙げられる。
なお、実施機関が個人情報を取り扱う業務を委託し、又は公の施設の管理を指定管理者に
行わせるに当たって、委託先又は指定管理者に当該業務に係る個人情報を提供する場合は、
事業実施主体又は公の施設の設置者が実施機関であり、委託先は実施機関に代わって業務を
遂行し、又は指定管理者は実施機関の公の施設の管理の権限を代行するものであるとともに
、第16条で実施機関に委託先又は指定管理者に対する当該業務で取り扱う個人情報の監督
義務が課せられていることから、本条にいう「提供」には該当しないものとする。
⑴ 教育委員会事務部局のある課で保有している個人情報を市長部局の他の課で使用する場
合
⑵ 市長部局のある課で保有している個人情報を国、県又は他の市町村に提供する場合
4 「利用目的」とは、第7条第2項に定める利用目的と同義である。
5 各号関係
⑴ 第1号関係
イ 「本人の同意があるとき」とは、個人情報の目的外の利用又は提供が行われることに
ついて、本人が文書若しくは口頭により同意している場合又は客観的に同意しているこ
とが明らかになっている場合をいう。
なお、この場合は、事前に個人情報の目的外の利用又は提供の内容を具体的に明示し
12
て本人の同意を得る必要がある。また、本人の同意が限定的になされたときは、その限
定された範囲内で目的外の利用又は提供が認められるものである。
こうしたことから、目的外の利用又は提供については、あらかじめ個人情報の収集の
段階で予想される事項についての同意を得ておくことが適当である。
客観的に同意していることが明らかになっている場合の例としては、意思能力を有し
ない幼児又は成年被後見人の個人情報を法定代理人の同意のもとで目的外に利用又は提
供する場合等が挙げられる。
ロ 「本人に提供するとき」とは、実施機関の判断により本人に提供する場合をいい、第
16条の規定による本人からの開示請求に応じて開示する場合は含まれない。
ハ 本号は、あくまでも実施機関が保有する個人情報を目的外に利用し、又は提供できる
例外事項を定めたものであり、本人の同意があるときや本人に提供するときであって
も、当該本人や第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあるときは利用目的以外
に利用又は提供することはできない。例えば、本人の同意があったとしても、その同
意が強制されたものであったり、取引上の優越的な地位を不当に利用して本人に同意
させたりした場合、個人情報の中に本人の情報のほかに第三者の情報も含まれている
場合などは、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあるものと考えら
れる。
⑵ 第2号関係
イ 「法令」とは、第7条第3項第2号における解釈と同義である。
ロ 「法令に定めのあるとき」とは、法令の規定又は解釈により個人情報の目的外の利用
又は提供が義務付けられている場合等をいうが、「照会することができる」、「報告を
求めることができる」等提供に裁量の余地があるものについては、個人の権利利益を侵
害することがないかどうかを慎重に判断して対応する必要がある。
(ア) 提供が義務付けられている例
a 民事訴訟法(平成8年法律第109号)第223条に基づく裁判所の文書提出命
令に従い行政文書を提出する場合
b 会計検査院法(昭和22年法律第73号)第26条に基づく帳簿等の提出要求に
従い帳簿等を提出する場合
c 地方自治法第100条第1項に基づく記録の提出請求に従い行政文書を提出する
場合
d 栗原市情報公開条例(平成17年栗原市条例第7号)第5条に基づく請求に対
して行政文書を公開する場合
e 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第197条第2項に基づく犯罪捜査
のための
f 刑事訴訟法(昭和23 年法律第131 号)第197 条第2項に基づく犯罪捜
査のための必要事項の照会に対し報告する場合(平成16年8月10日の閣議決
定では、報告義務を課すものと解されている。)
(イ) 提供が強制的に義務付けられていない例
a 刑事訴訟法第507条(裁判の執行に関して必要な事項の照会)
b 民事訴訟法第186条(裁判のための必要な調査の嘱託)
13
c 弁護士法(昭和24年法律第205号)第23条の2(受任している事件につ
いて、弁護士の職務を行うための必要な事項の照会)
⑶ 第3号関係
「緊急かつやむを得ないと認められるとき」とは、第7条第3項第3号における解釈と
同義であり、県立病院等で保有する患者の診療録等を当該患者の診療等のために大学、研
究機関等に提供する場合などがこれに該当する。
⑷ 第4号関係
「出版、報道等により公にされているとき」とは、第7条第3項第5号における解釈と
同義である。
⑸ 第5号関係
ア 本号の「学術研究等」には、第57条第1項の規定の適用を受けない「統計」を含む
ものである。
イ 本号は、専ら学術研究や統計の作成などに限って利用される個人情報は、公共性が高
く、使用目的が明確であることから、利用提供の制限の例外事項としたものである。し
かし、この場合でも個人の権利利益の侵害のおそれが発生しないような配慮が必要であ
り、特に実施機関以外のものへの提供に当たっては、不必要な部分の個人情報を削除す
る等の方法を講じなければならない。
本号該当事例としては、医療機関で保有する患者の診療録等を疾病の予防等の研究の
ために実施機関内で利用し、又は大学、研究機関等に提供する場合等が挙げられる。
⑹ 第6号関係
ア 本号は、実施機関が行政事務の執行に当たりその効率化等を図り、住民の行政サービ
スなどの向上に資するため、相当な理由があるときに限り例外的に個人情報を同一実施
機関内で目的外に利用し、又は公の機関相互の目的外提供を認めることとしたものであ
る。
イ 「事務に必要な限度で使用し、かつ、使用することに相当な理由がある」ことの判断
は、公の機関相互の目的外利用又は提供が客観的にみて合理的な理由があると認められ
る場合で、個人情報が使用される目的、範囲及び個人情報の内容を個別に検討して行う
必要がある。例としては、広報資料の送付又は会議等の案内のため、保有する名簿等の
個人情報を実施機関内で利用し、又はイにいう公の機関に提供する場合等があげられる。
ウ 「相当な理由があると認められるとき」とは、実施機関の恣意的な判断を許容するも
のではなく、少なくとも、社会通念上、客観的にみて合理的な理由があることが求めら
れる。相当な理由があるかどうかについては、個人情報の内容や利用目的等を勘案して
、実施機関が個別に判断することになるが、例外的に目的外の利用及び提供が許容され
るという本号の趣旨に適合する理由であることが求められる。
⑺ 第8号関係
本号は、本条ただし書に規定する適用除外条項の第1号から第6号までに該当しない場合
であって、実施機関が個人情報を目的外に利用又は提供する必要があると判断したときは、
審査会の意見を聴いた上で目的外利用及び提供の禁止の例外事項とすることができることと
したものである。
14
(オンライン結合による提供の制限)
第11条 実施機関は、個人情報取扱事務を電子計算機を使用して処理する場合にあっ
ては、公益上の必要があり、かつ、個人の権利利益の侵害を防止するための措置が
講じられている場合を除き、通信回線を用いた電子計算機その他の情報機器の結合
(以下「オンライン結合」という。)により個人情報を実施機関以外のものに提供
してはならない。
2 実施機関は、オンライン結合による個人情報の実施機関以外のものへの提供を開始
しようとするときは、あらかじめ審査会の意見を聴かなければならない。ただし、
次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
⑴ 本人の同意があるとき。
⑵ 法令に定めのあるとき。
⑶ 人の生命、身体又は財産の安全を確保するため、緊急かつやむを得ないと認めら
れるとき。
⑷ 出版、報道等により公にされているとき。
3 前項の提供の内容を変更しようとするときも、同項と同様とする。
【趣旨】
本条は、通信回線を利用した電子計算機等の結合による実施機関以外のものへの個人情報の
提供を制限するために設けたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、公益上の必要があり、個人の権利利益が侵害されるおそれがないような保護措
置がとられている場合以外は、実施機関以外へのオンライン結合による個人情報の提供を
行うことができない旨を規定したものである。
⑵ 「実施機関以外のもの」とは、第2条第2号に規定する機関以外のものをいう。したが
って、実施機関内部又は実施機関相互の必要なオンライン結合は本条の対象となるもので
はない。
⑶ 「公益上の必要」とは、オンライン結合という方法を用いて提供することに関して、市
民等への行政サービス又は公共の福祉の向上等のための必要性をいう。
⑷ 「個人の権利利益の侵害」の判断を行うときには、個別の事案ごとに事務事業の内容及
び提供する個人情報の内容を検討する必要があるほか、提供を受ける側の個人情報保護措
置の実施の有無等に十分な注意を払う必要がある。
⑸ 「電子計算機その他の情報機器」とは、汎用電子計算機又はこれに類する機能を持つ機
器でオフィスコンピュータ、パーソナルコンピュータ若しくはワードプロセッサ等をいう。
⑹ 「オンライン結合」とは、相手方が必要に応じていつでも実施機関の保有する個人情報
を入手できる状態になっていることをいう。したがって、電子メール送信のように、通信
回線で結ばれていても、通常相手方からのアクセスができず、特定の時期に相手方にデー
タを送信するだけの場合は、該当しない。
2 第2項関係
⑴ 本項は、オンライン結合による個人情報の実施機関以外のものへの提供を開始しようと
するときに、あらかじめ審査会に意見を聴かなければならない旨を規定したものであるが
15
、本人の同意がある場合など一定の場合にのみ、本項の適用除外としたものである。
⑵ 「審査会の意見」は、オンライン結合による個人情報の提供が本条の規定に沿うものか
どうかを客観的かつ公正に判断できるようにするために聴くものである。
⑶ 審査会の意見を必要としないものについては、各号に定めるとおりである。
3 第3項関係
⑴ 本項は、第2項で審査会の意見を聴いたオンライン結合による提供の内容を変更した場
合にも、審査会の意見を聴かなければならない旨を規定したものである。
⑵ 「内容を変更」とは、提供する個人情報の項目の追加、提供先等を変更する場合をいう
。第2項の規定により審査会の意見を聴き、オンライン結合により提供していた個人情報
の項目の一部を削除する場合等は、新たに個人の権利利益を侵害するおそれは生じないの
で、内容の変更として改めて審査会の意見を聴く必要はない。
(提供を受けるものに対する措置要求)
第12条 実施機関は、実施機関以外のものに個人情報を提供する場合において、必要
があると認めるときは、個人情報の提供を受けるものに対し、当該提供に係る個人
情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又は
その漏えいの防止その他の個人情報の適正な管理のために必要な措置を講ずること
を求めなければならない。
【趣旨】
本条は実施機関が、実施機関以外のものに個人情報を提供する場合において、必要があると
認めるときは、提供を受けるものに対して、当該提供に係る個人情報の適正な管理のために必
要な制限又は必要な措置を講ずることを求めなければならない旨を定めたものである。
【解釈】
1 「実施機関以外のもの」とは、第2条第2号に規定する機関以外のものをいう。他の実施
機関に提供した個人情報は、この条例の規定の適用を受けることになるため、本条の対象と
なるものではない。
2 「個人情報を提供する場合」とは、第10条ただし書又は第11条の規定に基づきオンラ
イン結合により提供する場合も含み、個人情報を取り扱う目的の範囲内であるかどうかを問
わない。
3 「必要があると認めるとき」とは、提供する個人情報の内容、提供の形態及び提供先の利
用目的、利用方法、保護措置の状況等を勘案して、個人の権利利益の保護のために措置要求
が必要であると認められる場合をいう。
4 「その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限」とは、提供に係る個人情報に関
して、利用の目的、方法の限定、利用期間の制限、取扱者の範囲の制限、再提供の制限、消
去、返却等利用後の指示等、提供を受けるものの利用に係る必要な制限をいう。
5 「その漏えいの防止その他の個人情報の適正な管理のために必要な措置」とは、提供に係
る個人情報に関して、保管管理体制の確保、研修の実施、内部管理規定の整備等、き損、紛
失、漏えい等の防止措置をいう。
【運用】
1 措置要求を行うかどうかは、実施機関が個別に判断することになるが、提供を受けるもの
16
の管理体制を確認することが困難な場合には、提供を求められた個人情報の内容、提供先の
利用目的、方法、期間、管理体制等について書面で報告を求めるなどの対応が必要である。
また、提供を行った実施機関は、必要に応じ、提供先に措置要求を行った事項の利用、管
理体制等の報告を求め、その遵守状況を把握し、遵守されていない状況が認められた場合は
、その後の提供の停止、個人情報の返還を求める等、厳格に運用することが必要である。
2 措置要求を行う場合には、提供後に疑義が生じないよう書面により行い、必要に応じて、
措置要求内容に違反した場合には提供を中止し、違反事実を公表する等の条件を付すものと
する。
(適正管理)
第13条 実施機関は、個人情報の漏えい、滅失及びき損の防止その他の個人情報の適
切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
2 実施機関は、個人情報を取り扱う事務の目的を達成するために必要な範囲内で、個
人情報を正確なものに保つために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
【趣旨】
本条は、実施機関が保有する個人情報の管理を適正に行うためには、個人情報の漏えい、滅
失及びき損の防止等のための必要な措置を講じ、安全性を確保すること及び実施機関が適正に
事務を遂行するためには、保有する個人情報の正確性を確保することが必要であることから定
めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、実施機関に対し、保有する個人情報を管理するに当たり、その漏えい及び滅失
等が生じないよう安全措置を講じなければならないことを義務付けた規定である。
⑵ 「適切な管理のために必要な措置」とは、個人情報を管理する上での必要な管理規程の
整備、安全な保管施設設備の設置及び電子計算機処理に係るセキュリティーの確保等をい
う。また、これらを実効性のあるものとするための職員研修の実施も必要不可欠な措置で
ある。
2 第2項関係
⑴ 本項は、実施機関が個人情報を取り扱う場合には、その正確性(最新性を含む。)を保
つよう求めたものである。
⑵ 「正確なものに保つために必要な措置」とは、次のようなものなどをいう。
ア 個人情報を収集又は保有するときには、その情報に関する疑問点を解決しておく。
イ 個人情報の保有に至る記録又は入力の誤りが生じないようチェック体制を整える。
ウ 長期間保有している個人情報は、その情報の最新性を確保してから使用するとともに
、保有途中でのデータ更新等の適切な措置を講じる。
エ 目的外の利用又は外部提供の禁止の例外として使用する個人情報は、利用時に本人又
は情報提供元に内容の変更がないかどうかの確認を取るようにするなどの配慮が必要で
ある。
(個人情報の消去)
第14条 実施機関は、個人情報を取り扱う事務の目的に照らし、保有の必要がない又
17
は保有の必要がなくなった個人情報については、速やかに、かつ、確実に消去の措
置を講じなければならない。ただし、歴史的又は文化的資料として保存される行政
文書に記録されている個人情報については、この限りでない。
【趣旨】
本条は、実施機関が保有する個人情報の管理を適正に行うためには、個人情報の保有の必要
がなくなった個人情報については速やかに、かつ、確実な消去が必要であることから定めたも
のである。
【解釈】
1 本条は、個人情報を取り扱う事務の目的に照らし、保有する必要がない又は保有する必要
がなくなった個人情報を適正に消去(行政文書自体の廃棄を含む。)することを実施機関に
義務付けたものである。
2 「個人情報を取り扱う事務の目的」とは、第7条の利用目的のほか、消去の対象となる個
人情報と関連する事務の目的をいう。
3 「保有の必要がない」とは、実施機関に一方的に送付されてきた個人情報や、事務の遂行
上、何らかの理由により個人情報を保有している場合等で、当該個人情報と関連する事務の
目的に照らしても、実施機関が保有する必要性がないことをいう。
4 「保有の必要がなくなった」とは、保存年限が規定されている行政文書に記録されている
個人情報については、当該保存年限が経過したことをいう。また、保存年限が規定されてい
ないものに記録されている個人情報は、当該個人情報が事務の用に供されなくなったことを
いう。
5 「速やかに、かつ、確実に消去の措置」とは、個人情報が記録された行政文書にあっては
個人情報部分のみを黒塗りにすること、個人情報部分のみを消去し新たな行政文書を作成す
ること、行政文書自体の焼却又はシュレッダーによる裁断処分により磁気テープ等にあって
は、個人情報部分のみ又は全てのデータを磁気的消去の方法等により消去することをいう。
個人情報の消去は、当該個人情報の紛失及び盗用がないよう慎重に行う必要があるが、消
去又は個人情報が記録された行政文書の廃棄を業者に委託している場合は、確実な履行確認
等が必要である。
6 「歴史的又は文化的資料として保存される行政文書に記録されている個人情報」とは、歴
史的・文化的に価値のある文書として保存の指定を受けた行政文書に記録されている個人情
報をいう。
(職員等の義務)
第15条 実施機関の職員又は職員であった者は、職務上知り得た個人情報をみだりに
他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。
【趣旨】
本条は、実施機関の職員又は職員であった者に対して、職務上知り得た個人情報の適正な取
扱いを義務付けたものである。
【解釈】
1 「実施機関の職員」とは、第2条第4号における「実施機関の職員」の解釈と同義である。
2 「職務上知り得た個人情報」とは、職員が自己の職務の遂行に関連して知り得た個人情報
18
はもとより、担当外の個人情報であっても職務に関連して知り得たものを含む。
3 「みだりに他人に知らせ」とは、個人情報を他人に知らせることが自己の権限に属すか否
かにかかわらず、正当な理由なくして知らせる場合をいう。
4 「不当な目的」とは、自己の利益とすることを目的としたり、他人の正当な権利利益を侵
そうとする目的をいい、社会通念に照らして、妥当性を欠くものをいう。
5 地方公務員法第34条第1項の守秘義務と「職務上知り得た個人情報」との関係
⑴ 地方公務員法第34条第1項の守秘義務は、職員が職務上知り得た秘密を守るべき服務
規律を定めたものであり、守るべき「秘密」とは、「一般に了知されていない事実であっ
て、それを一般に了知させることが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものを
いう。」(いわゆる実質秘)とされている。
⑵ 本条にいう「職務上知り得た個人情報」とは、⑴の実質秘に該当するか否かにかかわら
ず、職務上知り得た個人情報のすべてをいうものである。これは、当該制度によって保護
されるべき個人情報の範囲を広くとらえ、個人情報の取扱いに伴う市民等の不安感を解消
し、個人の権利利益の保護に当たろうとする趣旨である。
(委託等に伴う措置)
第16条 実施機関は、個人情報を取り扱う事務を実施機関以外のものに委託するとき
、又は公の施設(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条第1項に規定
する公の施設をいう。以下同じ。)の管理を指定管理者(同法第244条の2第3
項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)に行わせるときは、個人情報の保護
に関し必要な措置を講じなければならない。
【趣旨】
本条は、実施機関が個人情報を取り扱う事務を実施機関以外のものに委託する場合又は公の
施設の管理を指定管理者に行わせる場合に、委託又は公の施設の管理に伴う個人情報の漏えい
等を防止するため、必要な個人情報の保護措置を講じなければならないことを定めたものであ
る。
【解釈】
1 「実施機関以外のもの」とは、第11条第1項の解釈と同義である。
2 「委託」とは、個人情報を取り扱う事務の処理のすべて又は一部を実施機関以外のものへ
依頼する契約のすべてをいい、一般に委託と称されるもののほか、印刷、筆耕及び翻訳等の
契約並びに使用料の収納の委託等の公法上の契約も含まれる。ただし、地方自治法第252
条の14から第252条の16までの規定により市の事務の一部を他の地方公共団体に委託
する場合は含まず、具体例としては、次のようなものなどがある。
⑴ 公金の収納又は徴収に関する委託
⑵ アンケート調査又は世論調査に関する委託
⑶ 電算処理業務の委託
⑷ 通知書等の封入又は封かん作業の委託
⑸ コンピュータ関連機器の保守管理業務等
3 「公の施設の管理を指定管理者に行わせるとき」とは、地方自治法第244条の2第3項
の規定により、実施機関が設置している公の施設の管理を、指定管理者に行わせることをい
19
う。
4 「個人情報の保護に関し必要な措置」とは、受託者又は指定管理者を選定するに当たって
は、個人情報の保護に関して安全確保措置が講じられているものを慎重に選定すること、委
託契約又は指定管理者と締結する協定において契約書、協定書、確認書、覚書その他これら
に類する書類(以下「契約書等」という。)に秘密の保持、安全確保、従事者への教育研修
等委託又は公の施設の管理に係る個人情報の保護について必要な事項を明記し、受託者又は
指定管理者に対して必要な個人情報の保護義務を契約書等で課すことなどをいう。
なお、具体的な保護義務の内容は、委託の場合にあっては「個人情報取扱事務の委託基準
」、指定管理者に公の施設の管理を行わせる場合にあっては「指定管理者が行う公の施設の
管理に係る個人情報保護基準」による。
(委託を受けたもの等の義務)
第17条 実施機関から個人情報を取り扱う事務の委託を受けたもの又は公の施設の管
理を行う指定管理者は、当該委託又は管理の事務を行うに当たって取り扱う個人情
報の保護に関し必要な措置を講じなければならない。
2 前項の委託又は管理の事務に従事している者又は従事していた者は、当該事務に関
して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはなら
ない。
【趣旨】
本条は、個人情報を取り扱う事務を実施機関から受託したもの若しくは公の施設の管理を行
う指定管理者又は当該受託又は管理の事務に従事している者若しくは従事していた者が、当該
事務を行うに当たって取り扱う個人情報に対して負わなければならない義務について定めたも
のである。
【解釈】
1 第1項関係
本項は、受託者又は指定管理者に対して、第16条の規定により実施機関から契約書等で
課された義務を負うことを明らかにしただけでなく、受託者又は指定管理者自らの責任で、
個人情報の漏えい、き損及び滅失の防止等の安全管理体制の確保、秘密の保持、従事者への
教育研修等個人情報の保護に関し必要な措置を講じなければならないことを条例上の義務と
して課したものである。
2 第2項関係
⑴ 本項は、実施機関から委託を受けた個人情報を取り扱う事務又は公の施設の管理の事務
に従事している者又は従事していた者は、実施機関の個人情報を取り扱うことについて実
施機関の職員と異なるところはなく、当該個人情報の保護に関し直接的な責任を有するこ
とから、第15条の実施機関の職員と同様の義務を負うことを明らかにしたものである。
⑵ 「従事している者又は従事していた者」とは、実施機関から委託を受けた個人情報を取
り扱う事務又は公の施設の管理の事務に直接従事している者又は従事していた者をいい、
雇用形態を問わず、直接又は間接に事業主の統制監督の下に当該事務に従事する者は従事
者に含まれる。例えば、派遣社員やアルバイト又は従事者がさらに自分の補助として使用
している者等受託者との契約によらない雇人であっても当該事務に従事している場合等は
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、従事者に含まれる。また、直接事務に従事していなくとも、指揮監督権限を有する立場
にあり、委託又は公の施設の管理に係る個人情報に関与することができる者は、従事者に
含まれる。
⑶ 「当該事務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用
してはならない」とは、第15条の解釈と同義である。
第3章 開示、訂正及び利用停止
第1節 開示
(開示請求権)
第18条 何人も、実施機関に対し、行政文書に記録されている自己を本人とする個人
情報の開示の請求(以下「開示請求」という。)をすることができる。
2 未成年者又は成年被後見人の法定代理人(次条第2項において単に「法定代理人」
という。)は、当該未成年者又は成年被後見人に代わって開示請求をすることがで
きる。
3 死者の個人情報については、次に掲げる者(以下「遺族」という。)に限り、開示
請求をすることができる。
⑴ 当該個人情報の本人の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事
情にある者を含む。)又は子
⑵ 前号に掲げる者がない場合にあっては、当該個人情報の本人の血族である父母
⑶ 前2号に掲げる者がない場合にあっては、当該個人情報の本人の血族である祖父
母、孫又は兄弟姉妹
【趣旨】
本条は、何人に対しても、行政文書に記録されている自己を本人とする個人情報の開示を請
求することを権利として認めるとともに、未成年者又は成年被後見人の法定代理人は、本人に
代わって個人情報の開示を請求することができること及び特定の遺族に限り、死者の個人情報
の開示を請求することができることを定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 「何人も」とは、自然人すべてをいい、実施機関において自己を本人とする個人情報が
保有されている限り、市民に限らず他の市町村の者や外国人も含まれる。
⑵ 「行政文書に記録されている」とは、第2条第4号の行政文書である文書、図画、電磁
的記録等に記録された個人情報が請求対象となることをいう。
なお、請求対象となる個人情報は、第6条に基づく登録簿の作成の有無にかかわらず、
行政文書に記録されているすべての個人情報である。
⑶ 「自己を本人とする個人情報」とは、自分がその情報の本人となっている場合の情報を
いい、開示請求をすることができるのは、自己に関する個人情報に限られる。したがって
、配偶者や家族等が個人情報の本人となっている場合は、開示請求をすることができない。
2 第2項関係
⑴ 本項は、代理で開示請求をすることができる者を未成年者又は成年被後見人の法定代理
21
人に限るとしたものである。これは、開示請求が個人情報の本人からの請求に対する当該
本人への開示を前提としたものであり、本人が請求し得る場合には、広く本人以外に代理
請求を認めることは、本人の権利利益を損なうおそれがあると認められることによるもの
である。
⑵ 「未成年者」とは、年齢が満20歳に達しない者をいう(民法(明治29年法律第89
号)第4条)。
⑶ 「成年被後見人」とは、民法第7条の規定により後見開始の審判を受けた者をいう。(
禁治産の宣告を受けている者を含む。)
⑷ 「法定代理人」とは、民法上の法定代理人をいい、未成年者の場合は第一次的には親権
者(民法第818条)、第二次的には未成年後見人(民法第839条)であり、成年被後
見人の場合は成年後見人(民法第843条)である。
⑸ 「当該未成年者又は成年被後見人に代わって開示請求をすることができる」とは、法定
代理人が当該未成年者又は成年被後見人に代わって行う開示の請求は、本人に代わって法
定代理人が意思表示をなすことをいい、結果として、その効果は、本人に帰属する。
なお、未成年者又は成年被後見人であっても、自ら開示請求をすることができる場合は
、これを妨げるものではない。したがって、本人と法定代理人が重複して開示請求をする
ことができるものである。
3 第3項関係
本項は、特定の遺族に限り、死者の個人情報について開示請求権を行使することができる
ことを定めたものである。これは、実施機関では、実際に死者の個人情報が取り扱われ、保
護対象となる個人情報であるところ、死者は開示請求権を行使する主体とはなり得ないこと
から、開示により実施機関の保有する個人情報に関与することができないものの、不適正に
取り扱われた場合には、遺族の権利利益が害されるおそれがあること、及び死者の個人情報
であっても、相続した財産、権利義務に関する情報や社会通念上遺族と密接に関連する情報
等遺族に帰属する個人情報とみなせる場合もあることから、遺族のうち、死者と縁故関係が
深く、生前密接な関係にあったと考えられる遺族の順に、開示請求ができることを認めたも
のである。
⑴ 第1号関係
ア 「当該個人情報の本人の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情
にある者を含む。)」とは、個人情報の本人である死者と法律上の婚姻関係にある配偶
者のほか、いわゆる内縁関係にあるものを含む。この場合の内縁とは、婚姻意思をもっ
て夫婦共同生活を行い、社会的には夫婦と認められているにもかかわらず、法の定める
婚姻の届出手続を了していないために、法律的には正式の夫婦とは認められない、事実
上の夫婦関係をいう。
内縁関係にある配偶者は、法律上の届出をしていないことから、開示請求の際に、死
者との関係を証明することが困難であることが予想される。そのため、第19条第2項
の規定に基づき必要な書類を提示し、又は提出した場合でも、当該書類から客観的に上
記要件を満たしていることが明らかでなければ、開示請求は却下されることになる。
イ 「子」とは、いわゆる法律上の子のことをいう。
⑵ 第2号関係
22
ア 「前号に掲げる者がない場合」とは、死者の配偶者及び子がいない場合に限り、開示
請求をすることができることを定めたものである。
イ 「血族である」とは、自然血族及び法律上血縁が擬制される法定血族(養親)をいう。
⑶ 第3号関係
ア 「前2号に掲げる者がない場合にあっては」とは、死者の配偶者、子、父母がいない
場合に限り、開示請求をすることができることを定めたものである。
イ 「血族である」とは、第2号と同義である。
(開示請求の手続)
第19条 開示請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示
請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。
⑴ 氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあっては、その代表者の氏名
⑵ 開示請求をしようとする個人情報の特定に必要な事項
⑶ その他実施機関が定める事項
2 開示請求をしようとする者は、自己が当該開示請求に係る個人情報の本人若しくは
その法定代理人又は遺族であることを証明するために必要な書類で実施機関が指定
するものを提出し、又は提示しなければならない。
3 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者
(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求める
ことができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考と
なる情報を提供するよう努めなければならない。
【趣旨】
本条は、個人情報の開示請求の際の手続を定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係 略
⑵ 各号関係
ア 第1号関係
「氏名又は名称及び住所又は所在地」は、実際に請求行為を行う者の氏名又は法人の
名称及び住所又は所在地をいう。したがって、法定代理人による開示請求の場合は、当
該法定代理人の氏名又は名称及び住所又は所在地をいう。
「法人」とは自然人のほか、法人も成年被後見人となることが可能(民法第843条
第4項)であるため、規定しているものである。
イ 第2号関係
「開示請求をしようとする個人情報の特定に必要な事項」とは、開示請求を受けた実
施機関の職員が、当該開示請求に係る個人情報を特定するために必要な事務の名称及び
内容等をいう。
ウ 第3号関係
「その他実施機関が定める事項」とは、具体的には、栗原市個人情報保護条例施行規
則(平成●年栗原市規則第●号。以下「規則」という。)に定める事項をいう。
2 第2項関係
23
⑴ 本項は、個人情報の開示請求が条例によりその権利を認められた本人若しくはその法定
代理人又は遺族以外の者により行われることを防ぐために、必要な手続を定めたものであ
る。
⑵ 「本人若しくはその法定代理人又は遺族であることを証明するために必要な書類で実施
機関が指定するもの」とは、規則第4条で定める次の書類をいう。
ア 本人が請求する場合 運転免許証、旅券その他これらに類する書類として市長が認め
るもの
イ 法定代理人が請求する場合 被代理人が未成年者又は成年被後見人であること及び請
求者がその親権者、未成年後見人又は成年後見人であることを証明する書類
ウ 遺族の場合 個人情報の本人が死者であること及び当該死者の遺族であることを証明
する書類
3 第3項関係
本項は、開示請求書に形式上の不備がある場合は、請求者に対し、その補正を求めること
ができる旨を規定したものである。
【運用】
1 開示請求の窓口(⑵を除いては、訂正請求及び利用停止請求も同じ。)
⑴ 本庁の実施機関の各課室等
⑵ 口頭により開示請求を行うことができる課室所
2 郵送による開示請求(簡易開示を除く。)
郵送による開示請求は、次の場合に限って認めるものとする。
略
3 略
(個人情報の開示義務)
第20条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る個人情報に次に掲げ
る情報(以下「非開示情報」という。)のいずれかが含まれている場合を除き、開
示請求者に対し、当該個人情報を開示しなければならない。
【趣旨】
1 本条は、実施機関は、行政文書に記録された個人情報の開示請求に対して、開示請求に係
る個人情報に非開示情報が含まれている場合を除き、当該個人情報を開示しなければならな
い義務について定めたものである。
2 本条の基本的な考え方は、開示請求する者の請求する権利と、開示請求に係る個人情報に
含まれる他の個人又は法人その他の団体の権利利益及び公益との調和を図ることにある。
【解釈】
1 本条各号は、原則開示の例外を規定したもので、合理的な理由のある必要最小限の情報を
可能な限り明確に類型化したものである。
2 「当該個人情報を開示しなければならない」とは、請求に係る個人情報に本条各号のいず
れかに該当する情報が含まれている場合を除き、実施機関に当該個人情報を開示しなければ
ならない義務を課すものである。
24
【運用】
1 本条と地方公務員法上の守秘義務との関係
⑴ 地方公務員法第34条第1項は、守秘義務を公務員の服務規律の一つと定めているが、
本条各号における非開示情報は、個人情報の本人への原則開示の例外として定めたもので
あり、両者は、その趣旨、目的を異にしているため、非開示事項と個人情報に関する守秘
義務が一致するものではない。
⑵ 地方公務員法第34条第1項等の守秘義務によって保護されるべき秘密は必ずしも公的
な秘密に限られるものではなく、市税の課税額等のような個人的な秘密も含まれる。しか
し、開示請求に係る個人情報が法律上の守秘義務に該当する場合であって、しかも、それ
が個人的秘密を保護するためである場合には、本人に対して開示を拒む理由がないことに
なる。したがって、本人の開示の請求を拒否できるのは、当該個人情報が公的秘密を保護
するために、たとえ本人であっても開示を禁止していることが明らかな場合をいう。
⑶ 開示請求があった個人情報を開示するかどうか検討する場合は、地方公務員法上の守秘
義務にいう秘密であるか否かにかかわらず、本条各号において列挙した非開示情報に該当
するか否かを個別に判断することになる。
⑴ 法令の規定により開示することができないとされている情報
【趣旨】
本号は、法令の規定により開示することができないとされている情報が含まれている個人情
報は、この条例においても個人情報の開示をしないことを定めたものである。
【解釈】
1 「法令」とは、第8条第3項第2号の解釈と同義である。
2 「開示することができないとされている情報」とは、法令が明文の規定をもって本人に開
示することを禁止している情報のほか、法令の趣旨、目的等に照らして、本人に開示するこ
とを禁止している情報と解釈される場合を含む。ただし、当該法令の規定が、個人情報の本
人以外の第三者に対する開示を禁止している場合は、本号には該当しないものである。
⑵ 開示請求に係る個人情報の本人以外の個人に関する情報(事業を営む個人の当該
事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その
他の記述等により当該本人以外の特定の個人を識別することができるもの(他の
情報と照合することにより、当該本人以外の特定の個人を識別することができる
こととなるものを含む。)又は当該本人以外の特定の個人を識別することはでき
ないが、開示することにより、なお当該本人以外の個人の権利利益を害するおそ
れのあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令の規定により又は慣行として当該本人が知ることができ、又は知ることが
予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると
認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1
項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)
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第2条第2項に規定する特定独立行政法人の役員及び職員を除く。)、独立行
政法人等の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条
に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人の役員及び職員をいう。)であ
る場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情
報のうち、当該公務員等の職、氏名及び当該職務遂行の内容に係る部分
【趣旨】
1 本号は、開示請求に係る個人情報の本人以外の個人の権利利益を保護する観点から、当該
本人以外の特定の個人が識別され、又は識別され得るような情報が含まれている個人情報に
ついては、開示をしないことを定めたものであり、併せて当該本人以外の特定の個人を識別
することはできないが、開示することにより、なお個人の権利利益が害されるおそれのある
情報が含まれている個人情報についても開示をしないことを定めたものである。
2 本号ただし書は、個人の権利利益を保護する観点からは非開示とする必要のないものや、
公益上開示する必要性が認められる情報又は当該個人が公務員又は独立行政法人等若しくは
地方独立行政法人の役員及び職員である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情
報であるときは、当該情報のうち、当該公務員又は独立行政法人等若しくは地方独立行政法
人の役員及び職員の職、氏名及び職務遂行の内容に係る部分については、非開示情報に該当
しないこととしたものである。
【解釈】
1 開示請求に係る個人情報の本人以外の個人に関する情報(本文)
⑴ 「開示請求に係る個人情報の本人以外の個人に関する情報」とは、開示請求に係る個人
情報に含まれている当該個人情報の本人以外の個人に関する情報をいう。
よって、法定代理人が本人に代わって開示請求をした場合に、「本人」とは、法定代理
人ではなく未成年者又は成年被後見人であり、死者の個人情報について、遺族が開示請求
をした場合に、「本人」とは、遺族ではなく死者である。したがって、この場合、当該開
示請求に含まれる法定代理人又は遺族の個人に関する情報は、「開示請求に係る個人情報
の本人以外の個人に関する情報」となる。
⑵ 「個人に関する情報」とは、第2条第1号の「個人に関する情報」の解釈と同義であり
、通常個人を識別する際に用いられる氏名、住所、生年月日等の基本的事項はもとより、
思想、信条、信心の状況、病歴、成績、職歴、家族状況、親族関係、所得、財産等の個人
に関するすべての情報をいう。また、個人に関する情報であれば、住所、国籍にかかわら
ず、外国人を含むあらゆる個人の情報が対象になる。
⑶ 「事業を営む個人の当該事業に関する情報」は、個人に関する情報としての側面を持つ
ものの、事業に関する情報であるので、法人等に関する情報と同様の基準により、非開示
情報に該当するか否かを判断することが適当であることから、本号の個人に関する情報か
ら除外したものである。
⑷ 「その他の記述等」は、第2条第1号の解釈と同義である。
⑸ 「当該本人以外の特定の個人を識別することができるもの」とは、当該情報から当該本
人以外の特定の個人が識別できるものであり、氏名を含んでいる場合のほか、住所、役職
名、個人別に付された番号等により本人が識別できる場合も含まれる。
⑹ 「他の情報と照合することにより、当該本人以外の特定の個人を識別することができる
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こととなるもの」とは、当該情報のみでは当該本人以外の特定の個人を識別できないが、
他の情報と照合することにより、当該本人以外の特定の個人を識別することができること
なるものをいう。
なお、「他の情報」には、公知の情報や、一般人が通常入手し得る情報が含まれるが、
特別の調査をすれば入手し得るような情報については含まれない。
⑺ 「当該本人以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお
当該本人以外の個人の権利利益を害するおそれのあるもの」とは、例えば、個人の著作物
であって個人識別性が認められない未発表の研究論文のほか、氏名を伏せたカルテや開示
請求に係る個人情報の本人との関係を記した反省文等でも内容によっては個人の人格と密
接に関連したり、開示すれば財産権その他の個人の正当な権利利益を害するおそれがある
ものがあり、これを非開示とする合理的な必要性が認められるので、加えて非開示情報と
して明示したものである。
2 第2号ただし書ア
⑴ 「法令の規定により当該本人が知ることができ、又は知ることが予定されている情報」
とは、法令の規定により何人に対しても等しく当該情報を開示すること又は公にすること
が定められている個人に関する情報のほか、法令の規定により当該本人が知ることができ
ると定められている個人に関する情報が、開示請求に係る個人情報に含まれているときは
、その情報については、当該本人は容易に知り得る情報であるから、非開示情報には該当
しないということであるが、実際に当該本人が知ることができることを内容とした規定に
限られる。
なお、法令に何人でもと規定されていても、請求の目的等により制限されている場合は
、実質的には何人にも閲覧を認めるという趣旨ではないと解されるので、この規定には該
当しない。
⑵ 「慣行として当該本人が知ることができ、又は知ることが予定されている情報」とは、
事実上の慣習として本人が知ることができ、又は知ることが予定されている情報のほか、
一般に公表されている又は公表することが予定されている情報であり、これを開示しても
、一般に個人の権利利益を侵害するものではないと認識される情報又は個人の権利利益を
侵害するおそれがあるとしても、受忍すべき範囲内にとどまると考えられる情報が該当す
るものである。たとえば、被表彰者の氏名、市主催で行われる懇談会等に出席した相手方
の職、氏名などがこれに当たるものである。その他この情報に該当するものとしては次の
ようなものがある。
ア 公表することを目的として作成された情報
イ 当該個人が公表されることについて了承し、又は公表されることを前提として提供し
た情報
ウ 個人が自主的に公表した資料等から当該本人が知り得る情報
エ 本人自らが記載して実施機関に提出した申請書中に記載された世帯の状況等、本人が
当然知り得ている情報
オ 従来から慣行上公表している情報であって、公表しても社会通念上、個人の権利利益
を侵害するおそれがないと認められるもの
3 第2号ただし書イ
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⑴ 開示することにより侵害される当該本人以外の個人の権利利益よりも、当該本人を含む
人の生命、健康、生活又は財産を保護する必要性が上回るときには、当該本人以外の個人
に関する情報を開示する必要性と正当性が認められることから、非開示情報から除くこと
としたものである。開示することが必要かどうかの判断は、非開示により保護される第三
者の利益と開示により保護される利益について、個別の事案に応じて慎重に比較衡量した
上で判断することになる。
なお、人の生命、健康等に現実に被害が発生している場合に限らず、将来的にこれらが
侵害される可能性が高い場合も含まれる。
⑵ 本号ただし書の規定により開示しようとする場合には、当該第三者の権利利益を保護す
るため、開示決定に先立ち、第25条第2項第1号の規定により、当該本人以外の第三者
に対して意見を聴かなければならない。
4 第2号ただし書ウ
⑴ 公務員等の職務遂行の係る情報のうち、当該職務遂行した者の職、指名及びその職務遂
行の内容を開示するものと定めたものである。
⑵ 「職」とは、公務員等の属する組織の名称及び職名をいう。
⑶ 「当該職務の遂行に係る情報」とは、公務員等がその機関の一員として、その担当する
職務を遂行する場合における当該活動についての情報をいうものであり、公務員等の住所
、電話番号、学歴、健康状態等明らかに個人に関する情報であるものや、勤務態度、勤務
成績、処分歴等職務に関する情報ではあるが職員等としての身分取扱いに係る情報などは
「職務の遂行に係る情報」には当たらない。
5 本号に該当する情報が含まれると考えられる情報の例
⑴ 市民からの対人関係に関する相談記録
⑵ 市政相談記録
⑶ 学校事故報告
【運用】
特定の個人が識別されうるのは、通常住所及び氏名により行われるので、これらが含まれて
いる個人情報の場合は、おおむね本号に該当すると考えられる。ただし、氏名、住所等を除く
ことにより、特定の個人が識別され得ることなく、さらに開示することにより、個人の権利利
益を害するおそれがない場合で、かつ、請求の趣旨が損なわれない程度に個人情報の一部を分
離することができるときは、当該住所、氏名等を除いたその他の部分について個人情報の開示
をしなければならない。
⑶ 法人等に関する情報又は開示請求に係る個人情報の本人以外の事業を営む個人の
当該事業に関する情報が含まれている場合であって、開示することにより、当該
法人等又は当該個人の競争上の地位その他正当な利益を損なうおそれのあるもの
。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要
であると認められる情報を除く。
【趣旨】
1 本号は、法人等又は事業を営む個人の事業活動の自由を原則として保障しようとする趣旨
であり、開示することにより法人等又は事業を営む個人の権利、競争上の地位その他正当な
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利益を損なうおそれがある情報が記録されている個人情報については、開示をしないことを
定めたものである。
2 本号ただし書は、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要で
あると認められる情報が記録されている個人情報については、法人等又は事業を営む個人の
事業に関する情報で本号本文に該当する場合であっても、非開示情報には該当しないことと
したものである。
【解釈】
1 「法人等」とは、第2条第3号における解釈と同義である。
2 「事業を営む個人の当該事業に関する情報」は、個人に関する情報としての側面を持つも
のの、事業に関する情報であるので、法人等に関する情報と同様の基準により、非開示情報
に該当するか否かを判断することが適当であることから、本号で規定しているものである。
当該情報に該当するものとしては、事業内容、事業用資産、事業所得等の事業活動に直接関
係する情報であり、当該事業活動と直接関係のない事業者個人に関する情報は、本項第2号
の規定により判断する。
3 「開示請求に係る個人情報の本人以外の」という限定が付されているのは、開示請求者自
身が、事業を営む個人であることがありうるが、その場合には、本人の「事業を営む個人の
当該事業に関する情報」を非開示にする必要がないためである。
4 「競争上の地位その他正当な利益を損なうおそれのある」情報としては、次のようなもの
がある。
⑴ 生産技術、営業、販売上のノウハウに関する情報であって、開示することにより、法人
等又は事業を営む個人の事業活動が損なわれるおそれがある情報
⑵ 経営方針、経理、人事等の事業活動を行う上での内部管理に属する情報であって、開示
することにより、法人等又は事業を営む個人の事業活動が損なわれるおそれがある情報
⑶ その他開示することにより、法人等又は事業を営む個人の名誉、社会的評価、社会的活
動の自由等が損なわれるおそれがある情報
5 第3号ただし書
⑴ 開示することにより侵害される法人等又は事業を営む個人の権利利益よりも、人の生命
、健康、生活又は財産を保護する必要性が上回るときには、当該情報を開示する必要性と
正当性が認められることから、非開示情報から除くこととしたものである。開示するかど
うかの判断は、非開示により保護される利益と開示により保護される利益について、個別
の事案に応じて慎重に比較衡量した上で、判断することになる。
なお、人の生命、健康等に現実に被害が発生している場合に限らず、人の生命等に対す
る危害又は侵害の未然防止、拡大防止又は再発防止のため、開示することが必要であると
認められる情報も含まれる。
⑵ 本号ただし書の規定により開示しようとする場合には、開示決定に先立ち、第25条第
2項第1号の規定により、当該法人等又は事業を営む個人に対して意見を聴かなければな
らない。
6 本号に該当する情報が含まれると考えられる情報の例
⑴ 訴訟関係資料
⑵ 消費生活相談の記録
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⑷ 市又は国等(国、独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人その他
の公共団体をいう。以下この項において同じ。)の事務事業に係る意思形成過程
において行われる市の機関内部若しくは機関相互の間又は市の機関及び国等の機
関の相互の間における審議、検討、協議等に関する情報であって、開示すること
により、当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に支障が生ずる
おそれのあるもの
【趣旨】
1 本号は、開示することにより、市、国等の事務事業に係る意思形成に支障が生ずるおそれ
のある情報が含まれる個人情報については、開示をしないことを定めたものである。
2 市、国等の最終的な意思は、機関内部での企画、調整、検討、調査、研究又は関係機関と
の審議、協議等を繰り返しながら形成されるのが一般的であり、このような最終的な意思決
定に至る過程における情報の中には、開示することにより、開示請求者本人に無用の誤解を
与え、又は無用の混乱を招くことがあり、また、機関内部の会議等における自由な意見交換
、情報交換が阻害されるものがある。
このような事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に支障が生ずるおそれがあ
る情報が含まれる個人情報については、開示しないこととしたものである。
【解釈】
1 「その他の公共団体」とは、次のものをいう。
⑴ 土地改良区、土地区画整理組合等の公共組合
⑵ その他国又は地方公共団体が出資し、又は構成員となっている法人で、その法人の設立
の趣旨、目的等からみて、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の行
う事務事業に準ずるような公共性の高い事務を行うもの
2 「事務事業に係る意思形成過程」とは、事務事業において、個別の事案については決裁等
の事務手続は終了しているが、いまだ当該事務事業の最終意思決定が終了していない段階を
いう。
3 「市の機関」とは、市の執行機関、議会及びこれらの補助機関のほか、執行機関の附属機
関を含むものである。
4 「審議、検討、協議等に関する情報」とは、市内部又は市と国等の間において実施してい
る事務事業の最終的な意思形成が終了するまでの間に行う機関内部の審議、検討、協議、調
査、研究等に関する情報のほか、会議、協議文書等による照会、回答等において実施機関が
作成し、又は取得した情報をいう。
5 「開示することにより、当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に支障が
生ずるおそれのあるもの」とは、次のような情報をいう。
⑴ 最終的な意思決定までの一段階にある情報であって、開示することにより、開示請求者
本人に無用の誤解を与え、又は無用の混乱を招くおそれのあるもの
⑵ 行政内部の各種会議、意見交換の記録等で、開示することにより、行政内部の自由な意
見交換又は情報交換が妨げられるおそれのある情報
⑶ 審議、検討、協議、調査、研究等の結果等又は統一的に公にする必要のある計画、検討
案等で、開示することにより、開示請求者本人等の特定の者に不当な利益又は不利益を与
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えられると認められる情報
⑷ 審議、検討、協議等のために収集した資料等で、開示することにより、行政内部の審議
等に必要な資料等を得ることが困難になるおそれのある情報
⑸ その他開示することにより、当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に
支障が生ずるおそれのある情報
6 本号に該当する情報が含まれると考えられる情報の例
⑴ 各種表彰候補者の選考に関する検討資料や選考調書
⑵ 生活保護の決定に関する調書類
⑶ 都市計画法(昭和43年法律第100号)の規定に基づく開発許可に係る協議
⑸ 市の機関又は国等の機関が行う事務事業に関する情報であって、開示することに
より、次に掲げるおそれその他当該事務事業の性質上、当該事務事業若しくは将
来の同種の事務事業の目的が達成できなくなり、又はこれらの事務事業の公正若
しくは円滑な執行に支障が生ずるおそれのあるもの
ア 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正
確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、
若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市又は国等の財産上の利益又は当事者
としての地位を不当に害するおそれ
ウ 指導、評価、選考、判定、診断等に係る事務に関し、当該事務若しくは将来の
同種の事務の目的が達成できなくなり、又はこれらの事務の公正若しくは円滑
な執行に支障が生ずるおそれ
エ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそ
れ
オ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障が生ずるおそれ
カ 市、国若しくは他の地方公共団体が経営する企業、独立行政法人等又は地方独
立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
【趣旨】
本号は、開示することにより、市又は国等が行う事務事業の公正又は円滑な執行の確保に支
障が生ずるおそれがある情報が含まれている個人情報については、開示をしないことを定めた
ものである。
【解釈】
1 「事務事業に関する情報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事
務事業の性質上、当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の目的が達成できなくなり、
又はこれらの事務事業の公正若しくは円滑な執行に支障が生ずるおそれのあるもの」(本文)
⑴ 「事務事業に関する情報」とは、アからカまでに例示した事務事業のほか、市又は国等
の機関が行う一切の事務事業に関する情報であり、当該事務事業に直接かかわる情報だけ
ではなく、当該事務事業の実施に影響を与える関連情報を含む。
⑵ 「次に掲げるおそれ」とは、市又は国等の機関が行う共通的な事務事業に関する情報に
ついて、開示することにより生ずる典型的な支障を具体的に示したものであるが、開示す
31
ることによる支障はこれらに限定されるものではなく、これらの事務事業についても「当
該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の目的が達成できなくなり、又はこれらの事務
事業の公正若しくは円滑な執行に支障が生ずるおそれ」の要件に該当する場合は、非開示
とされる。
⑶ 「当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の目的が達成できなくなり、又はこれら
の事務事業の公正若しくは円滑な執行に支障が生ずるおそれ」とは、次のような情報をい
う。
ア 開示することにより、当該事務事業を実施する目的、意味が失われるおそれのある情
報
イ 開示することにより、経費が著しく増大し、又は当該事務事業の実施が大幅に遅れる
など行政が著しく混乱するおそれのある情報
ウ 開示することにより、特定の者に不当な利益又は不利益を与えるおそれのある情報
エ 国等の事務に関して市に協議されている情報で、国等においても当該事務に関する情
報を開示していないもの
オ 国等からの依頼、委託等による調査等で、当該依頼、委託等の中に国等の承認なしに
公表してはならない旨の条件が付されているもの
カ 国等からの依頼、委託等による市町村等の行政の実態調査で、国等において公表する
まで公表してはならない旨の指示がある情報
キ 全国を通じて統一的に公表する必要性が認められる情報
ク その他開示することにより、当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の目的が達
成できなくなり、又はこれらの事務事業の公正若しくは円滑な執行に支障が生ずるおそ
れのある情報
2 「監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務」(ア)
⑴ 「監査、検査、取締り」とは、市又は国等の機関が権限に基づいて行う検査、指導監査
、取締り等をいう。具体的には、次の事務をいう。
ア 「監査」とは、主として監察的見地から、事務事業の執行又は財産の状況の正否を調
べることをいう。
イ 「検査」とは、法令の執行確保、会計経理の適正確保、物資の規格、等級の証明等の
ために帳簿書類その他の物件等を調べることをいう。
ウ 「取締り」とは、行政上の目的による一定の行為の禁止又は制限について適法及び適
正な状態を確保することをいい、巡視、監視等の事務も含む。
⑵ 「試験」とは、人の知識、能力等又は物の性能等を試すことをいい、市又は国等が行う
資格試験、入学試験、採用試験等がある。
⑶ 「租税の賦課又は徴収」とは、行政目的のために国税や地方税を割り当てて負担させた
り、取り立てたりすることをいう。
⑷ 当該事務に該当する情報の例
税務調査、滞納者に対する今後の処理方針、監査方針
3 「契約、交渉又は争訟に係る事務」(イ)
⑴ 「契約」とは、相手方との意思表示の合致により法律行為を成立させることをいう。
⑵ 「交渉」とは、当事者が、対等の立場において相互の利害関係事項に関し、一定の結論
32
を得るために協議、調整などの折衝を行うことをいい、具体的には、補償、賠償に係る交
渉、用地交渉、企業誘致に係る交渉、労務上の交渉等がある。
⑶ 「争訟」とは、訴訟及び行政不服審査法その他の法律に基づく不服申立てをいう。
⑷ 当該事務に該当する情報の例
公共用地等買収計画に係る処理方針、補償金の内容・金額等、争訟の方針(準備書面、
証人申請案等)
4 「指導、評価、選考、判定、診断等に係る事務」(ウ)
⑴ 当該事務には、民間の法人等が行い、実施機関が保有しているものも含む。
⑵ 「指導」とは、学力、能力、技術等の向上や生活状態、健康状態等の改善のために行う
指導又はこれらに類するものをいう。
⑶ 「評価」とは、学業成績、勤務状況、功績等、個人の能力、性格、適性等についての内
容を判断し、見定めることをいう。
⑷ 「選考」とは、個人の知識、能力、資質等の調査などに基づき、特定の職業等の適任者
を選任すること又はこれらに類することをいう。
⑸ 「判定」とは、個人の知識、能力、資力、適性、技術等について、専門的知識又は一定
の基準に基づき試験、審査、検査等を行い、その結果から判断を行うことをいう。
⑹ 「診断等」とは、診断、相談及び推薦をいう。
ア 「診断」とは、疾病や健康状態等について、医学的見地から診察、検査等を行うこと
をいう。
イ 「相談」とは、生活、健康等に関する照会を受け、専門的見地等から相談を行ったり
、所見を述べたりすることをいう。
ウ 「推薦」とは、個人に何らかの利益をもたらす目的で評価を行うこという。
⑺ 当該事務に該当する情報の例
ア 精神障害者関係記録
イ 採用試験等における面接者の心証等
ウ 生活保護ケースファイルその他社会福祉関係個別ファイルにおける担当者の意見、今
後の方針等
エ 選考試験における採点基準が分かる採点後の論文等
オ 調査書、内申書
カ カルテ、医師の意見書等
キ 面接関係書類
ク 各種貸付決定に関する書類
ケ 各種表彰等の推薦資料
5 調査研究に係る事務(エ)
⑴ 「調査研究」とは、試験研究機関等における技術開発及び発明等に関する調査、研究、
試験等をいう。
なお、一般的に実施機関において行われる審議等のための調査・研究は、第7号の「審
議、検討、協議等に関する情報」で判断し、取締りや契約、選考等の各種事務に付随して
行われる調査は、各種事務に該当する。
⑵ 当該事務に該当する情報の例
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遺跡等の発掘調査
6 人事管理に係る事務(オ)
⑴ 「人事管理」とは、職員の任免、懲戒、給与、採用・配置、評定、学歴、研修その他職
員の身分や能力等の管理に関することをいう。
⑵ 人事管理に関する情報の中には、勤務評定や、人事異動、昇格等の人事構想を開示する
ことにより、公正かつ円滑な人事の確保が困難になるおそれがあるものがあり、このよう
な情報を非開示とするものである。
⑶ 当該事務に該当する情報の例
職員の勤務評定
7 「市、国若しくは他の地方公共団体が経営する企業、独立行政法人等又は地方独立行政法
人に係る事業」(カ)
市、国又は他の地方公共団体が経営する企業に係る事業とは、地方公営企業法等の適用さ
れる事業をいい、独立行政法人等又は地方独立行政法人に係る事業と併せて、企業経営とい
う事業の性質上、第3号の法人等に関する情報と同様の考え方から、その正当な利益を保護
する必要があり、これを害するおそれがあるものを非開示とするものである。
⑹ 第18条第2項の規定による開示請求に係る個人情報であって、開示することに
より、当該個人情報の本人である未成年者又は成年被後見人の権利利益を害する
おそれのあるもの
【趣旨】
本号は、未成年者又は成年被後見人に代わって法定代理人が行った開示請求に係る個人情報
について、開示することにより、当該個人情報の本人である未成年者又は成年被後見人の権利
利益を害するおそれがある情報が含まれている個人情報については、開示しないことを定めた
ものである。
【解釈】
1 「当該個人情報の本人である未成年者又は成年被後見人の権利利益を害するおそれのある
もの」とは、当該個人情報の性質、開示に至る状況や経過などをから、客観的に判断して、
未成年者本人等と法定代理人との利益が相反するおそれがある情報をいう。
具体的には、次のようなものが考えられる。
⑴ 法定代理人から虐待を受けている未成年者の相談記録、調査記録及び一時保護した児童
の状況等の記録等
⑵ 法定代理人が未成年者等に対する権利侵害について刑事上の責任を問われている場合等
で、当該権利侵害に係る未成年者等の個人情報が記録されているもの
2 「権利利益を害するおそれ」があるかどうかの判断は、当該個人情報の性質、開示に至る
状況や経過などを総合的に勘案し、客観的に判断するものである。
なお、本号に該当する場合又は本号に該当しない場合であっても、他の非開示情報に該当
する場合には、非開示とされることとなる。
3 第27条の規定により口頭により開示請求を行うことができる個人情報については、開示
請求者の負担軽減等を図るため、開示請求等の特例とした個人情報であり、その内容も定型
的であらかじめ開示するかどうかの判断が行われているものであることから、法定代理人が
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未成年者等に代わって口頭により開示請求を行った場合でも、当該個人情報は、利益相反の
おそれはないものとして、本号は適用されないものである。
2 実施機関は、開示請求に係る個人情報に非開示情報に該当する個人情報とそれ以外
の個人情報とがある場合において、これらの部分を容易に、かつ、開示請求の趣旨
を損なわない程度に分離できるときは、当該非開示情報に該当する個人情報に係る
部分を除いて、開示しなければならない。
【趣旨】
1 本項は、開示請求に係る個人情報に非開示情報が記録されている場合において、非開示情
報が記録されている部分を容易に、かつ、開示請求の趣旨を損なわない程度に分離できると
きは、当該部分を除いて、開示しなければならないことについて定めたものである。
2 個人情報の開示請求に対しては、原則開示の趣旨から、開示請求に係る個人情報の一部に
本条第1項各号のいずれかに該当する情報が含まれている場合であっても、開示請求に係る
個人情報の全体について非開示とするものではなく、非開示情報が含まれている部分を除い
て、その他の部分について個人情報の開示をしなければならないとする趣旨である。
【解釈】
1 「容易に」とは、開示請求に係る個人情報の非開示情報が記録されている部分とそれ以外
の部分とを分離するに当たって、行政文書を損傷することなく、かつ、過大な経費や時間等
が必要にならないことをいう。
2 「請求の趣旨を損なわない程度に」とは、非開示とする部分の個人情報を除いて開示して
も、開示請求者の趣旨の一部又は全部が充足される必要があることをいう。
3 電磁的記録に記録されている個人情報は、保存している媒体の種類ごとに、閲覧、視聴又
は写しの交付等を行うが、開示することが技術的に困難なとき、又はプログラムの変更等に
多額の経費が見込まれるときは、可能な方法により行うものとする。
(裁量的開示)
第21条 実施機関は、開示請求に係る個人情報に非開示情報が含まれている場合であ
っても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求
者に対し、当該個人情報を開示することができる。
【趣旨】
本条は、開示請求に係る個人情報に非開示情報が含まれている場合であっても、個人の権利
利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該個人情報を開示
することができることを定めたものである。
【解釈】
1 「個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるとき」とは、実施機関は、開示
請求に係る個人情報に非開示情報が含まれている場合であっても、非開示情報の規定によっ
て保護される利益と個人の権利利益を保護する必要性を個別の事案に応じて慎重に比較衡量
して判断し、個人の権利利益保護上、開示することの利益が優越し、特に開示する必要があ
ると認めるときに、当該個人情報を開示することができることとするものである。
2 第三者の情報が含まれている個人情報について、本条に基づき開示しようとする場合には
35
、開示決定に先立ち、第25条第2項第2号の規定により、当該第三者に対して意見を聴か
なければならない。
(個人情報の存否に関する情報)
第22条 開示請求に対し、当該開示請求に係る個人情報が存在しているか否かを答え
るだけで、非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該個人情報の
存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
【趣旨】
開示請求に対しては、通常、当該開示請求に係る個人情報の存否を明らかにし、開示決定等
をすべきであるが、個人情報の性質により、個人情報が存在する、存在するが非開示情報に当
たる又は存在しないと回答しただけで、非開示情報として保護すべき利益が害される場合もあ
ることから、個人情報の存否を明らかにしないで開示請求を拒否する決定ができることを定め
たものである。
【解釈】
1 「当該開示請求に係る個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、非開示情報を開示
することとなるとき」とは、開示請求者に対し、個人情報が存在する、存在するが非開示情
報に当たる又は存在しないと回答するだけで非開示情報を開示した場合と同様の結果をもた
らし、非開示情報として保護すべき利益が害される場合をいう。
2 本条に該当する情報としては、次のようなものが考えられる。
⑴ 特定の病歴に関する情報
⑵ 表彰候補者に関する情報
⑶ 捜査関係事項の照会回答に関する情報
【運用】
1 本条により開示請求を拒否する場合は、第23条第1項の規定に基づき開示請求を拒否す
る決定を行うこととなる。当該決定は、行政処分に当たるものであるから、実施機関は、こ
の決定に際し、必要にして十分な拒否理由を提示することが義務付けられ、また、この決定
に不服のある者は、行政不服審査法の規定による審査請求、異議申立て及び行政事件訴訟法
の規定に基づく訴訟により救済の道が開かれているものである。
2 本条の規定は、例外的な規定であること、また、個人情報という情報の性質上、本人の関
与が予定されていることから、適用に当たっては厳格に解釈し、濫用することのないように
しなければならない。
3 当該拒否処分の誤用又は濫用を防止し、実施機関の判断の妥当性を確保していくため、本
条により開示請求を拒否する決定を行った場合には、個人情報保護審査会へ事後報告しなけ
ればならないこととする。ただし、事後報告前に不服申立てがあった場合(不服申立てが不
適正であり、却下する場合を除く。)には、事後報告があったものとみなすこととする。
なお、事後報告にかかる具体的な事務取扱いは、個人情報保護事務取扱要綱(以下「事務
取扱要綱」という。)に定めるところにより行うものとする。
(開示請求に対する決定等)
第23条 実施機関は、開示請求書が提出されたときは、当該開示請求書が提出された
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日から起算して15日以内に、開示請求に係る個人情報の全部若しくは一部を開示
する旨の決定、開示請求に係る個人情報を開示しない旨の決定、第22条の規定に
より開示請求を拒否する旨の決定又は開示請求に係る個人情報を保有していない旨
の決定(以下「開示決定等」と総称する。)をしなければならない。ただし、第1
9条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、
当該期間に算入しない。
2 実施機関は、開示決定等をしたときは、開示請求者に対し、速やかにその旨を書面
により通知しなければならない。
3 実施機関は、開示請求に係る個人情報の全部を開示する旨の決定以外の開示決定等
をしたときは、その理由(その理由がなくなる期日をあらかじめ明示することがで
きるときは、その理由及び期日)を前項の書面に記載しなければならない。
4 実施機関は、やむを得ない理由により第1項に規定する期間内に開示決定等をする
ことができないときは、当該期間を延長することができる。この場合において、実
施機関は、速やかに延長の期間及び理由を書面により開示請求者に通知しなければ
ならない。
【趣旨】
本条は、開示請求書の提出があった場合において、請求に係る個人情報について実施機関が
行う開示決定等及びその旨の通知に関して、その内容及び手続について定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、開示請求書が提出されたときは、当該請求書が提出された日から起算して15
日以内に実施機関が開示決定等を行わなければならない義務を負うことを定めたものであ
る。
⑵ 「提出された日」とは、窓口において開示請求書を受け付けた日をもって取り扱うもの
とする。
⑶ ⑴に規定する期間(以下「開示決定期間」という。)の末日が休日(栗原市の休日を定
める条例(平成17年栗原市条例第2号)第1条第1項に規定する休日をいう。)に当た
るときは、その翌日をもって満了日とする。
⑷ 実施機関は、個人情報の開示の請求があった場合、本項の規定によりいずれかの決定を
しなければならないことを義務付けたものである。
2 第2項関係
⑴ 「書面により通知しなければならない」とは、実施機関の決定は行政処分であり、個人
情報の開示請求を書面により提出させることとした第19条第1項の規定と同様の趣旨で
ある。
⑵ 通知は、決定の区分に応じ、規則等で定める様式により行うものとする。
3 第3項関係
⑴ 開示請求に係る個人情報の一部を開示する旨の決定又は開示しない旨の決定をした場合
には、第20条第1項各号の非開示情報の規定のいずれに該当するのか、具体的に理由を
記載した通知書によって、また、第22条の規定により開示請求を拒否する旨の決定をし
た場合、開示請求に係る個人情報を保有していない旨の決定をした場合についても開示請
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求者に具体的に理由を記載した通知書によって、通知しなければならないことを実施機関
に義務付けたものである。
⑵ 「その理由がなくなる期日をあらかじめ明示することができるとき」とは、おおむね1
年以内において一定の期間が経過することにより、第20条第1項各号に該当する理由が
消滅することが確実であり、開示請求に係る個人情報を開示することができるようになる
期日があらかじめ明示できる場合をいう。
なお、この期日の明示は、請求対象となった個人情報が開示できるようになる期日を教
示するものであり、その期日に当該個人情報を開示することを意味するものではないこと
から、請求者は、その期日以後に改めて当該個人情報の開示を請求しなければならない。
4 第4項関係
⑴ 本項は、第1項の開示決定期間の延長を定めたものである。
⑵ 「やむを得ない理由」とは、実施機関が誠実に努力しても、第1項に規定する期間内に
開示決定等ができない合理的理由をいい、おおむね次のような場合をいう。
アからウまで 略
⑶ 延長の期間は、⑵で記した事務処理上の困難その他正当な理由がやみ、開示請求に係る
個人情報についての開示決定等をするために必要とされる合理的なものでなければならな
い。
なお、この場合においても第1項の趣旨に沿って対応しなければならない。
【運用】
1 請求に係る個人情報の全部を開示する旨の決定以外の開示決定等をする場合の理由の記載
について
請求に係る個人情報の全部を開示する旨の決定以外の開示決定等をした場合の理由の記載
は、適法な決定及び拒否処分を行うための要件である。したがって、理由を記載していない
場合又は記載された理由が不明確な場合の決定及び拒否処分は、瑕疵ある行政処分とみなさ
れることがあるので、理由は明確に記載する必要がある。
2 開示決定等に関する具体的な事務取扱いについては、事務取扱要綱に定めるところによる
ものとする。
(開示請求に係る事案の移送)
第24条 実施機関は、開示請求に係る個人情報が他の実施機関から提供されたもので
あるとき、その他他の実施機関において開示決定等をすることにつき正当な理由が
あるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機関に対し、事案を移送
することができる。この場合においては、移送をした実施機関は、開示請求者に対
し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた実施機関において、当該
開示請求についての開示決定等をしなければならない。この場合において、移送を
した実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。
3 前項の場合において、移送を受けた実施機関が開示請求に係る個人情報の全部又は
一部を開示する旨の決定(以下「開示決定」という。)をしたときは、当該実施機
関は、開示の実施をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関
38
は、当該開示の実施に必要な協力をしなければならない。
【趣旨】
開示請求に係る個人情報が他の実施機関から提供されたものであるときなどは、当該他の実
施機関の判断に委ねた方が適切な処理に資すると考えられるので、開示請求を受けた実施機関
は、当該他の実施機関と協議の上、事案を移送することができることについて定めたものであ
る。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 「正当な理由があるとき」とは、本項で例示された「開示請求に係る個人情報が他の実
施機関から提供されたものであるとき」のほか、開示請求に係る個人情報に他の実施機関
の事務事業に密接に関連する情報が含まれている場合などであって、他の実施機関の判断
に委ねた方が適当な場合をいう。
⑵ 「当該他の実施機関と協議の上」とは、単に協議をしたという事実があれば移送できる
ということではなく、実施機関相互の協議が整った場合に移送できるとする趣旨であり、
協議が不調の場合には事案の移送は認められないものである。
⑶ 「開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない」とは、
請求者に知らせなければ移送された事実を開示決定の段階まで知り得ないことになるため
、説明責任の観点から移送した実施機関が事案を移送した旨を開示請求者に書面で通知す
ることを義務付けたものである。
⑷ 「書面」とは、規則に定める通知書をいう。
2 第2項関係
「移送前にした行為」とは、移送前にした開示請求書の補正の求めなど、この条例の規定
に基づき移送前にした全ての行為をいう。
3 第3項関係
「移送をした実施機関は、当該開示の実施に必要な協力をしなければならない」とは、開
示の実施は、移送を受けた実施機関の責任において行われるが、その開示が円滑に行われる
よう、移送をした実施機関の協力義務を明記したものである。
4 事案の移送は、実施機関相互間の関係であり、行政内部の問題であることから、開示決定
等の期限については、第23条第1項の規定により、当初の開示請求のあった時点から進行
する。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第25条 開示請求に係る個人情報に市、国、独立行政法人等、市以外の地方公共団体
、地方独立行政法人及び当該開示請求に係る個人情報の本人以外のもの(以下この
条、第40条第3号及び第42条各号において「第三者」という。)に関する情報
が含まれているときは、実施機関は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係
る第三者に対し、当該第三者に関する情報の内容その他実施機関が別に定める事項
を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 実施機関は、第三者に関する情報が含まれている個人情報を開示しようとする場合
であって、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、当該第三者
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に対し、当該第三者に関する情報の内容その他実施機関が別に定める事項を書面に
より通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三
者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
⑴ 当該第三者に関する情報が第20条第1項第2号イ又は第3号ただし書の情報に
該当すると認められるとき。
⑵ 第21条の規定により開示しようとするとき。
3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該第
三者に関する情報の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、
開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に2週間を置かな
ければならない。この場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、当該意見書
(第40条第3号において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、開
示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければ
ならない。
4 前項の規定にかかわらず、実施機関は、正当な理由があるときは、同項に規定する
期間を延長することができる。
【趣旨】
本条は、開示請求に係る個人情報に市、国、独立行政法人等、市以外の地方公共団体、地方
独立行政法人及び当該開示請求に係る本人以外の第三者に関する情報が記録されている場合に
おける当該第三者に対する意見書提出の機会の付与等、争訟の機会の確保等について定めたも
のである。
【解釈】
1 第1項関係
意見書の提出の機会の付与は、開示請求に係る個人情報に当該個人情報の本人以外の第三
者に関する情報が含まれている場合に、当該第三者の意見を聴取し、その結果を決定の際の
参考とすることにより、当該個人情報に対する開示決定等の判断の適正を期することを目的
とするものであり、実施機関に第三者の意見を聴くことを義務付けるものではなく、また、
第三者の意見に拘束されるものでもない。
2 第2項関係
⑴ 第三者に関する情報が記録された個人情報を「人の生命、健康、生活又は財産を保護す
るため、開示することが必要と認められる情報」として開示する場合、又は「個人の権利
利益を保護するため特に必要があると認められるとき」に裁量的に開示する場合にあって
は、当該第三者の権利利益を侵害するおそれがあるため、適正な手続を保障する観点から
、関係者との調整の必要性が認められるため、実施機関は、当該第三者に対し、意見書を
提出する機会を与えなければならないこととしたものである。
なお、実施機関の決定が第三者の意見に拘束されるものでないことは、第1項の場合と
同様である。
⑵ 「当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。」とは、同項が意見書の提
出の機会の付与を義務付けており、実施機関が合理的な努力を行ったにもかかわらず、当
該第三者の所在を探知できない場合に、手続が進まなくなることを避けるためのものであ
る。
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3 第3項関係
⑴ 前2項の規定により意見書提出の機会を与えられた第三者が反対意見書を提出した場合
であって、第三者の意に反して開示するときには、保護されるべき第三者の権利利益の救
済は極めて困難となり、当該処分は第三者に対する不利益処分となるため、争訟の機会を
保障するため、開示決定の日と開示を実施する日との間に2週間の期間を置くとともに、
開示決定後直ちに、当該第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由、開示を実施する
日を書面に通知しなければならないこととしたものである。
⑵ 第3項を適用する場合を、「前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三
者が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合」に限
定したのは、第1項又は第2項の規定により第三者に意見書を提出する機会を付与した場
合であっても、当該第三者が開示に反対の意思を表示しないときは、当該第三者に対して
事前の争訟の機会を確保する必要はないためである。
⑶ 「開示決定の日と開示を実施する日との間に2週間を置かなければならない」とは、開
示請求者の開示を受ける権利と第三者の争訟の機会の確保とを調整し、開示を実施するま
での期間を明確にしたものである。
なお、実施機関の開示決定等に不服がある場合の不服申立期間は、決定があったことを
知った日から起算して60日以内となっているが、「2週間」としたのは、事前に当該第
三者に意見書の提出の機会を与えていることを踏まえたものである。
4 第4項関係
「正当な理由があるときは、同項に規定する期間を延長することができる」も第3項関係
⑶と同様の趣旨である。
【運用】
個人情報の開示制度の性格上、第三者に意見照会を行うことによって、当該第三者に開示請
求者が誰であるか判明してしまうなどの場合もあり得るので、意見照会によって開示請求者の
権利利益を侵害することのないよう慎重に運用する必要がある。
(開示の方法)
第26条 実施機関は、開示決定をしたときは、開示請求者に対し、文書、図画又は写
真については閲覧又は写しの交付により、スライドフィルム又は電磁的記録につい
てはその種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関が別に定める方法により、
速やかに当該個人情報を開示しなければならない。
2 閲覧の方法による行政文書の開示にあっては、実施機関は、前項の規定により個人
情報を開示する場合に、当該行政文書を汚損し、又は破損するおそれがあると認め
るとき、その他正当な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その写しによ
り、これを行うことができる。
3 開示決定を受けた者は、第23条第2項の規定による通知があった日から90日以
内に開示を受けなければならない。ただし、当該期間内に当該開示を受けることが
できないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
4 第19条第2項の規定は、第1項の規定により個人情報の開示を受ける者について
準用する。
41
【趣旨】
1 本条は、実施機関が全部又は一部を開示する旨の決定をした場合の個人情報の開示の方法
及び手続について定めたものである。
2 第3項は、開示決定を受けた者は、開示決定通知があった日から90日以内に開示を受け
なければならないことについて定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、実施機関が全部又は一部を開示する旨の決定をしたときは、開示請求者に対し
て、速やかに個人情報を開示しなければならない旨及び開示の際の実施手続について定め
たものである。
⑵ 「開示請求者」とは、開示請求者の本人のほか法定代理人による開示請求である場合は
当該法定代理人、遺族による開示請求である場合は当該遺族をいう。
⑶ 「開示しなければならない」とは、決定に係る個人情報が記載された行政文書の原本を
閲覧若しくは視聴に供し、又はその写しの交付その他物品を供与することをいう。
2 第2項関係 略
3 第3項関係
⑴ 本項は、開示請求に係る個人情報の全部又は一部を開示する旨の決定を受けた者は、当
該決定通知を受けた日から90日以内に開示を受けなければならないことを義務付け、当
該期間内に開示を受けなかった場合には、開示決定により付与された個人情報の開示を受
ける権利は失効し、開示を受けることができなくなることについて定めたものである。
これは、開示決定は、当該決定を行う時点における個人情報に対しての判断結果である
が、条例上、実施機関には、その保有する個人情報について正確性の確保、不要な個人情
報の消去等の適正管理が要請されていることから、期間の経過とともに個人情報の内容、
取扱い等が変化する可能性があり、長期間経過後に開示を受けることは、開示を前提とす
る訂正請求、利用停止請求制度の円滑な実施に支障が生じるおそれがあること、本来消去
となるべき個人情報を開示するまで保管する必要があること、さらに当時の開示決定の判
断が、開示実施時点では変化している場合もあることなどを考慮したものである。
当該期間を経過したときは、開示を受けるためには、再度、開示請求を行うことが必要
になる。
⑵ 「通知があった日から90日以内に開示を受けなければならない」こととしたのは、開
示決定に係る個人情報の内容、取扱い、判断等が、開示時点と異なることにはならない相
当の期間と考えられることによるものである。
⑶ 「当該期間内に当該開示を受けることができないことにつき正当な理由があるときは、
この限りでない」とは、期間を制限して確保する利益と開示決定通知を受けた者の開示を
受ける権利利益との調整を図り、期間内に開示を受けることができないことにつき正当な
理由があるときは、90日経過後であっても開示を受けることができることとしたもので
ある。90日経過後に開示の実施について申出があった場合は、実施機関は、期間内に開
示を受けることができなかったことについての正当な理由の有無の審査をし、正当な理由
があると認められるときは、開示を実施する。また、「正当な理由」とは、災害、疾病な
ど社会通念上相当と認められる理由がある場合をいう。
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4 第4項関係
本項は、個人情報が開示請求者本人、その法定代理人又は遺族以外の者へ開示されること
を防ぐために、第19条第2項に規定する本人の確認を開示の実施の際においても行うこと
を定めたものである。
【運用】
1 個人情報の開示の方法に関する具体的な事務取扱については、規則及び事務取扱要綱に定
めるところにより行うものとする。
2 郵送による開示の実施は、原則として、郵送による開示請求に対してのみ認めるものとす
る。
3 郵送による開示請求に対する開示の実施に当たっては、郵送による開示請求の際と同様に
再度本人の確認を行うものとする。
4 実施機関は、開示決定を受けた者から何ら連絡もなく、開示を受けに来庁しないような場
合であっても、期間内に開示を実施することができるよう、開示決定を受けた者に連絡又は
通知するなど円滑な開示の実施に努めなければならない。また、実施機関は、90日以内に
正当な理由があるか否かを可能な限り確認しておく必要がある。
(開示請求等の特例)
第27条 実施機関が別に定める個人情報は、第19条第1項の規定にかかわらず、口
頭により開示請求を行うことができる。
2 実施機関は、前項の規定により口頭による開示請求があったときは、当該実施機関
が別に定める方法により直ちに開示しなければならない。
【趣旨】
本条は、開示請求者の負担軽滅等を図るため、第19条第1項の規定にかかわらず口頭によ
る開示請求を認めることを定めたものである。
【運用】
1 口頭による開示請求の場合の本人の確認は、試験結果等に係るものについては、受験票等
で行うものとする。
2 電話による開示請求は認められないものである。
3 口頭による開示請求の事務手続については、「口頭により開示請求を行うことができる個
人情報の事務取扱要領」に定めるところによるものとする。
(手数料等)
第28条 個人情報の開示に係る手数料は、徴収しない。
2 第26条第1項に規定する写しの交付その他の物品の供与を受ける者は、当該供与
に要する費用を負担しなければならない。
【趣旨】
本条第1項は、個人情報の開示に係る手数料は、徴収しないことを定めたものである。
第2項は、実施機関に対して個人情報の開示請求をした者が、当該個人情報を記載した行政
文書の写しの交付その他物品の供与を受ける場合に、当該供与に要する費用を負担しなければ
ならないことを定めたものである。
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【解釈】
第2項
「その他物品の供与」とは、電磁的記録等を複写した複製物を供与することをいう。
「供与に要する費用」とは、当該個人情報を記載した行政文書を乾式複写機等によって複
写することに擁する経費並びに写し及び物品の送付に要する郵送料等をいう。
【運用】
1 費用の徴収事務は、個人情報を開示した主務課が行うものとする。
2 費用の徴収等に関する具体的な事務取扱いについては、事務取扱要綱等の定めるところに
より行うものとする。
第2節 訂正
(訂正請求権)
第29条 何人も、開示を受けた自己に関する個人情報が事実と合致していないと認め
るときは、実施機関に対し、その訂正の請求(以下「訂正請求」という。)をする
ことができる。
2 未成年者又は成年被後見人の法定代理人は、当該未成年者又は成年被後見人に代わ
って訂正請求をすることができる。
3 死者の個人情報については、当該個人情報の開示を受けた遺族に限り、訂正請求を
することができる。
4 訂正請求は、個人情報の開示を受けた日から90日以内にしなければならない。
【趣旨】
本条は、実施機関から開示を受けた個人情報に事実の誤りがあると認める場合において、そ
の訂正を請求できる権利を定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 「開示を受けた自己に関する個人情報」には、開示請求者がこの条例に基づき開示請求
を行って開示を受けた個人情報のほか、他の法令により閲覧し、又はその写しの交付を受
けたものも含まれる。
⑵ 「事実と合致していない」とは、開示された個人情報が事実とされるべき個人情報と一
致していないことをいう。
⑶ 「事実」とは、住所、氏名、年齢、生年月日、学歴等の客観的に正誤の判断が行えるも
のをいう。
⑷ 「訂正」とは、事実に合致していない個人情報の記録を修正し事実に合致させることを
いい、一部の記録の加筆又は削除により記録内容をより正確にすることを含む。
2 第2項関係
本項は、開示請求の場合と同様に、未成年者及び成年被後見人の法定代理人が当該未成年
者及び成年被後見人に代わって訂正請求を行うことができる旨を定めたものである。
法定代理人が開示を受けた個人情報の訂正請求は、当該個人情報の本人も行うことができ
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るとともに、当該個人情報の本人が開示を受けた個人情報の訂正請求は、法定代理人も行う
ことができる。
3 第3項関係
本項は、開示請求の場合と同様に、死者の個人情報の開示を受けた遺族に限り、死者の個
人情報の訂正請求を行うことができる旨を定めたものである。
なお、本項は、死者の個人情報について開示を受けた遺族に対し訂正請求を認める趣旨で
あり、死者が生前に開示を受けた個人情報の訂正請求権を遺族が承継できることを認める趣
旨ではないことから、このような場合には、遺族は、改めて開示請求により死者の個人情報
の開示を受けた上で、訂正請求を行わなければならない。
4 第4項関係
本項は、訂正請求は、個人情報の開示を受けた日から90日以内にしなければならない旨
を定めたものである。これは、第26条第3項の解釈と同様、時間の経過とともに、開示を
受けた個人情報の内容が、開示時点の内容と異なっている場合があることを考慮したもので
ある。
なお、開示を受けた日から90日以内の起算日は、開示を受けた日の翌日からである。ま
た、期間の末日が休日(栗原市の休日を定める条例第1条第1項に規定する休日をいう。)
に当たるときは、その翌日をもって満了日とする。また、90日経過後に開示を受けた個人
情報の内容が事実と合致しないと認めるに至った場合には、再度開示を受けた上で訂正請求
することを妨げない。
(訂正請求の手続)
第30条 訂正請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「訂正
請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。
⑴ 氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあっては、その代表者の氏名
⑵ 訂正請求をしようとする個人情報の開示を受けた日
⑶ 訂正請求をしようとする個人情報の特定に必要な事項
⑷ 訂正を求める内容
⑸ その他実施機関が定める事項
2 訂正請求をしようとする者は、訂正を求める内容が事実と合致することを証明する
書類等を実施機関に提出し、又は提示しなければならない。
3 第19条第2項の規定は、前条第1項から第3項までの規定により訂正請求をしよ
うとする者について準用する。
4 実施機関は、訂正請求書に形式上の不備があると認めるときは、訂正請求をした者
(以下「訂正請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求める
ことができる。
【趣旨】
本条は、個人情報の訂正請求の際の手続を定めるものである。
【解釈】
1 第1項関係
45
⑴ 本項は、個人情報の訂正請求を行おうとする者は、本項各号に掲げる所定事項を記載し
た請求書を提出しなければならないことを定めたものである。
⑵ 各号関係
ア 第1号関係
「氏名又は名称及び住所又は所在地」は、実際に請求を行う者の氏名又は名称及び住
所又は所在地をいう。したがって、法定代理人又遺族による訂正請求の場合は、当該法
定代理人又は当該遺族の氏名又は名称及び住所又は所在地をいう。
イ 第2号関係
「訂正請求をしようとする個人情報の開示を受けた日」とは、訂正請求に係る個人情
報について、この条例に基づき開示請求を行って開示を受けた年月日をいう。また、他
の法令により閲覧し、又はその写しの交付を受けた場合には、その閲覧または写しの交
付を受けた年月日をいう。
ウ 第3号関係
「訂正請求をしようとする個人情報の特定に必要な事項」とは、訂正請求に係る個人
情報が記録されている行政文書を特定するために必要な事項をいう。
エ 第4号関係
「訂正を求める内容」とは、特定の行政文書に記録されている個人情報のうち訂正を
求める部分の記載内容をいう。
オ 第5号関係
「その他実施機関が定める事項」とは、具体的には、規則様式(様式第13号)中に
定める事項をいう。
2 第2項関係
⑴ 本項は、個人情報の訂正請求をしようとする者に対して、訂正を求める内容が事実と合
致することを証明する書類等の提出又は提示を行うことを義務付けたものである。
⑵ 「証明する書類等」とは、訂正を求める内容が事実に合致することを確信させ得る程度
の内容のものをいうほか、およそ事実らしいと推測できる程度のものが含まれ、例として
は、次のようなものなどがある。
ア 各種免許証(資格などの内容訂正を求める場合)
イ 戸籍謄本、抄本(氏名、住所、生年月日等の内容訂正を求める場合)
3 第3項関係
本項は、個人情報の訂正請求が条例によりその権利を認められた本人、その法定代理人又
は遺族以外の者により行われることを防ぐために、必要な手続を定めたものである。
【運用】
郵送による訂正請求は、開示請求の例による。
(個人情報の訂正義務)
第31条 実施機関は、訂正請求があったときは、必要な調査を行い、当該訂正請求に
係る個人情報が事実と合致していないと認めるときは、当該個人情報の利用目的の
達成に必要な範囲内で、当該個人情報の訂正をしなければならない。ただし、法令
に定めのあるとき、その他訂正しないことにつき正当な理由があるときは、この限
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りでない。
【趣旨】
本条は、実施機関は、訂正請求があったときは、法令に定めのある場合などを除いて、訂正
請求に係る個人情報が事実と合致しないと認めるときは、個人情報を取り扱う事務の目的の達
成に必要な範囲内で当該個人情報を訂正しなければならない義務について定めたものである。
【解釈】
1 訂正請求があった場合は、必要に応じて、訂正請求者が提出し、又は提示した「訂正を求
める内容が事実に合致することを証する書類」等を基に、訂正請求者が訂正を求めている内
容が事実に合致しているかどうか、実施機関に当該個人情報の内容を訂正する権限があるか
どうかなどについて調査を行った上で、「当該訂正請求に係る個人情報が事実と合致してい
ないと認めるとき」は、当該個人情報の訂正をしなければならない。
この場合の調査は、客観的な判断を行うことができるよう、できるだけ具体的な資料等に
基づいて行うものとし、必要に応じ第三者の意見を聴くことも含まれる。
2 「事実と合致していないと認めるとき」とは、訂正請求に係る個人情報について、実施機
関の調査の結果、提出又は提示された書類等のとおり、当該個人情報に誤りがあったことが
判明し、客観的に正誤の判断を行った上で、事実と合致していないと実施機関が認めること
をいう。
3 「個人情報の利用目的の達成に必要な範囲内」とは、個人情報を取り扱う事務の利用目的
に応じて、その達成に必要な範囲内で訂正をする必要があることをいい、例えば、過去の特
定時点における事実を記録しておく必要がある場合には、現在の事実に合致するように訂正
する必要はないことになる。また、請求者がより詳細に記載することを請求した場合であっ
ても、利用目的との関係において請求の趣旨に沿うまでの内容を記録する必要がない場合に
は、請求を拒否することができる。
4 「訂正しなければならない」とは、適法な訂正請求があった場合は、実施機関は、本条た
だし書に該当する場合を除き、個人情報を取り扱う事務の利用目的の達成に必要な範囲内で
、当該個人情報を訂正することを義務付けたものである。
5 ただし書
⑴ 「法令に定めのあるとき」とは、法令の規定により、訂正することが明らかに禁止され
ているとき、又は法令の趣旨、目的等から訂正することができないと認められる場合など
が含まれる。
なお、「法令」とは、第8条第3項第2号における解釈と同義である。
⑵ 「その他訂正をしないことにつき正当な理由があるとき」とは、次のような場合をいう。
ア 県が発行した証明書若しくは謄本又は医師が作成した診断書等のように実施機関以外
の第三者が自らの権限と責任で作成した書類等に記録されている情報であり、実施機関
の訂正権限が及ばないとき。
イ 実施機関が事実関係の調査を行った結果、記載内容に誤りがないと認められるとき、
又は正確な事実が何であるかが必ずしも明らかでないとき。
ウ 訂正することにより、本人や第三者の権利利益を害するおそれがあるとき。
エ その他訂正をすることにより、個人情報を取り扱う事務の適正な遂行に支障を及ぼす
おそれがあるとき。
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6 訂正は、実施機関が保有する個人情報の記載内容に誤りがある場合に、正確性の確保の観
点から行うものであり、その効果の及ぶ範囲は、訂正請求を受けた個人情報自体である。し
たがって、訂正請求がなされる前の時点において、当該個人情報に基づいてなされた行政行
為(処分)の効力に当然に影響を及ぼすものではない。
【運用】
実施機関には、第13条第2項の規定により、保有する個人情報の正確性を保つよう求めら
れていることから、訂正請求によらずとも、個人情報に誤りがあると認めるときは、利用目的
の達成に必要な範囲内で、随時、正確なものに訂正しなければならない。
(訂正請求に対する決定等)
第32条 実施機関は、訂正請求書が提出されたときは、当該訂正請求書が提出された
日から起算して30日以内に訂正請求に係る個人情報を訂正するかどうかの決定を
しなければならない。ただし、第30条第4項の規定により補正を求めた場合にあ
っては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 実施機関は、訂正請求に係る個人情報を訂正する旨の決定(以下「訂正決定」とい
う。)をしたときは、速やかに、当該個人情報を訂正した上で、訂正請求者に対し
、その旨を書面により通知しなければならない。
3 実施機関は、訂正請求に係る個人情報の全部又は一部を訂正しない旨の決定をした
ときは、訂正請求者に対し、速やかにその旨及びその理由を書面により通知しなけ
ればならない。
4 第23条第4項の規定は、前2項の決定(以下「訂正決定等」という。)について
準用する。
【趣旨】
本条は、訂正請求書の提出があった場合において、請求に係る個人情報について実施機関が
行う訂正決定等及びその旨の通知に関して、その内容及び手続を定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、訂正請求書が提出されたときは、当該請求書が提出された日から起算して30
日以内に実施機関が訂正の可否の決定を行わなければならない義務を負うことを定めたも
のである。
⑵ 「提出された日」とは、実施機関の窓口において請求書を受け付けた日をもって取り扱
うものとする。
⑶ ⑴に規定する期間(以下「訂正決定期間」という。)の末日が休日(栗原市の休日を定
める条例第1条第1項に規定する休日をいう。)に当たるときは、その翌日をもって満了
日とする。
⑷ 「訂正するかどうかの決定」とは、請求に係る個人情報の訂正、部分訂正(部分的削除、
加筆を含む。)又は非訂正の決定を行うことをいい、第29条の要件に該当するかどうか
を判断して行う必要がある。
2 第2項関係
⑴ 本項は、実施機関が訂正請求に係る個人情報を訂正する旨の決定をしたときは、速やか
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に当該個人情報を訂正するとともに、その旨を請求者に書面で通知する義務があることを
定めたものである。
⑵ 「訂正した上で」とは、実施機関が訂正を行う場合に、個人情報の内容及び個人情報が
記録されている行政文書の媒体に応じて適切な方法で訂正することをいい、たとえば、次
のような方法などが考えられる。
・ 誤っていた個人情報を完全に消去し、新たに記録する方法
・ 誤っていた個人情報の上に二重線を引き、余白部分に朱書き等で新たに記載する方法
・ 別紙等に個人情報が誤っていた旨及び正確な内容の記録を添付する方法
⑶ 「書面」とは、規則で定める通知書をいう。
3 第3項関係
⑴ 本項は、実施機関が訂正請求に係る個人情報の全部又は一部を訂正しない旨の決定をし
たときには、その旨及びその理由を具体的に記載した通知書によって知らせる義務がある
ことを定めたものである。
⑵ 「書面」とは、規則で定める通知書をいう。
4 第4項関係
本項は、第23条第4項の規定に準じて、第1項に規定する訂正決定期間の延長を定めた
ものである。
(訂正請求に係る事案の移送)
第33条 実施機関は、訂正請求に係る個人情報が第24条第3項の規定による開示に
係るものであるとき、その他他の実施機関において訂正決定等をすることにつき正
当な理由があるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機関に対し、
事案を移送することができる。この場合においては、移送をした実施機関は、訂正
請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた実施機関において、当該
訂正請求についての訂正決定等をしなければならない。この場合において、移送を
した実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。
3 前項の場合において、移送を受けた実施機関が訂正決定をしたときは、移送をした
実施機関は、当該訂正決定に基づき訂正の実施をしなければならない。
【趣旨】
訂正請求に係る個人情報が第24条第3項の規定に基づく開示に係るものであるときなどは
、訂正請求の要否の判断を他の実施機関に委ねた方が適切な処理に資すると考えられるので、
訂正請求を受けた実施機関は、当該他の実施機関と協議の上、事案を移送することができるこ
とについて定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 「正当な理由があるとき」とは、本項で例示された「訂正請求に係る個人情報が第24
条第3項の規定に基づく開示に係るものであるとき」のほか、訂正請求に係る個人情報の
重要な部分が、他の実施機関の事務事業に密接に関連するものである場合などであって、
他の実施機関の判断に委ねた方が適当な場合をいう。
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⑵ 「当該他の実施機関と協議の上」及び「訂正請求者に対し、事案を移送した旨を書面に
より通知しなければならない」とは、第24条第1項の解釈と同義である。
2 第2項関係
「移送前にした行為」とは、第24条第2項の解釈と同義である。
3 第3項関係
訂正の実施は、移送をした実施機関、すなわち訂正請求に係る個人情報を保有する実施機
関が行わなければならないことを定めたものである。
(個人情報の提供先への通知)
第34条 実施機関は、訂正の実施をした場合において、必要があると認めるときは、
当該訂正に係る個人情報を提供したものに対し、遅滞なく、その旨を書面により通
知するものとする。
【趣旨】
本条は、実施機関が訂正請求に係る個人情報の訂正を実施した場合において、必要があると
認めるときに、当該個人情報の提供先に対し、訂正をした旨及び訂正の内容等を通知すること
としたものである。
【解釈】
1 実施機関が訂正請求に係る個人情報について、訂正決定に基づき全部又は一部の訂正を実
施したときに、その旨を提供先に通知しなければ、提供先において訂正前の誤った個人情報
を基にした行為(処分)等がなされるおそれがあることから、当該個人情報の提供先に対し
て、必要に応じ、訂正内容等を通知することにしたものである。
2 「必要があると認めるとき」とは、訂正を実施した個人情報の内容、提供方法、提供先に
おける利用目的や利用方法等を勘案して、実施機関が個別に判断することとなる。
3 「書面」とは、規則で定める通知書をいう。
【運用】
1 訂正の実施をした個人情報を実施機関内部の別の所属で利用している場合においても、必
要に応じ、その旨を当該所属に対し連絡するものとする。
2 提供先に限らず、訂正を実施した個人情報を第8条第3項各号の規定により本人以外から
収集していた場合にも、必要に応じ、収集先にも通知するものとする。
第3節 利用停止
(利用停止請求権)
第35条 何人も、開示を受けた自己に関する個人情報が次の各号のいずれかに該当す
ると認めるときは、実施機関に対し、当該各号に定める措置を請求することができ
る。
⑴ 第8条の規定に違反して収集されたとき、第10条の規定に違反して利用されて
いるとき、又は第14条の規定に違反して保有されているとき 当該個人情報の
利用の停止又は消去
⑵ 第10条又は第11条の規定に違反して提供されているとき 当該個人情報の提
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供の停止
2 未成年者又は成年被後見人の法定代理人は、当該未成年者又は成年被後見人に代わ
って、前項の規定による利用の停止、消去又は提供の停止の請求(以下「利用停止
請求」と総称する。)をすることができる。
3 死者の個人情報については、当該個人情報の開示を受けた遺族に限り、利用停止請
求をすることができる。
4 利用停止請求は、個人情報の開示を受けた日から90日以内にしなければならない
。
【趣旨】
本条は、実施機関から開示を受けた個人情報がこの条例の規定に違反して取り扱われている
と認める場合において、当該個人情報の利用の停止又は消去、提供の停止を請求できる権利を
定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 「開示を受けた自己に関する個人情報」とは、第29条第1項の解釈と同義である。
⑵ 「次の各号のいずれかに該当すると認めるとき」とは、開示を受けた個人情報が、次の
いずれかに該当すると認めるときである。
ア 第1号関係
a 「第8条の規定に違反して収集されたとき」とは、第8条の利用目的の明示及び必
要な範囲内での収集(第1項)、適法かつ公正な手段による収集(第2項)、本人か
らの直接収集(第3項)、思想、信条又は信教に関する個人情報及び社会的差別の原
因となるおそれのある個人情報の収集禁止(第4項)の収集制限規定のいずれかに違
反して、収集されているときをいう。
b 「第10条の規定に違反して利用されているとき」とは、第10条ただし書の規定
により目的外利用ができる場合に該当しない場合であるにもかかわらず、第7条第2
項の利用目的以外の目的で、個人情報を利用しているときをいう。
c 「第14条の規定に違反して保有しているとき」とは、個人情報を取り扱う事務の
目的に照らし、本来保有の必要のない個人情報であるにもかかわらず保有していると
き、又は保存年限が経過したもの若しくは事務の用に供されなくなったにもかかわら
ず保有しているときをいう。
イ 第2号関係
a 「第10条の規定に違反して提供されているとき」とは、第10条ただし書の規定
により目的外提供ができる場合に該当しない場合であるにもかわわらず、第7条第2
項の利用目的以外の目的で個人情報が提供されているときをいう。
b 「第11条の規定に違反して提供されている」とは、公益上の必要があり、かつ、
個人の権利利益の侵害を防止するための措置が講じられていないにもかかわらず、オ
ンライン結合により実施機関以外のものに提供されているとき、又は第11条第2項
ただし書(第3項で適用する場合を含む。)に該当しない場合であるにもかかわらず
、審査会の意見を聴くことなく、オンライン結合により提供されているときをいう。
⑶ 「当該各号に定める措置」とは、次の措置をいう。
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ア 「利用の停止」とは、その個人情報の利用を止めることであり、この場合、個人情報
自体を消去することは要しない。
イ 「消去」とは、行政文書からその個人情報を消すこと又は個人情報が記録された行政
文書自体を廃棄すること等である。
なお、訂正請求における「削除」との相違は、誤っている部分だけを消すのが「削除
」であるのに対し、利用停止請求における「消去」は、正しい部分を含め情報の存在自
体を消してしまうことである。
ウ 「提供の停止」とは、継続的又は定期的に提供することを止めることである。
エ 請求者は、第1号の違反について請求する場合には、「利用の停止を求める」、「消
去を求める」、「利用の停止及び消去を求める」というように求める措置の内容を選択
することができる。
⑷ 本項にいう利用停止請求は、現に個人情報の取扱いがこの条例に違反する状態にあると
認められる場合にすることができるものであり、予防的な請求(将来の収集、保有、利用
又は提供の差止請求)は認められないものである。
2 第2項から第4項関係
第29条第2項から第4項の解釈と同義である。
(利用停止請求の手続)
第36条 利用停止請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「
利用停止請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。
⑴ 氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあっては、その代表者の氏名
⑵ 利用停止請求をしようとする個人情報の開示を受けた日
⑶ 利用停止請求をしようとする個人情報の特定に必要な事項
⑷ 利用停止請求の内容及び理由
⑸ その他実施機関が定める事項
2 第19条第2項の規定は、前条第1項から第3項までの規定により利用停止請求を
しようとする者について準用する。
3 実施機関は、利用停止請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用停止請求
をした者(以下「利用停止請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その
補正を求めることができる。
【趣旨】
本条は、個人情報の利用停止請求の際の手続を定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、個人情報の利用停止請求を行おうとする者は、本項各号に掲げる所定事項を記
載した請求書を提出しなければならないことを定めたものである。
⑵ 各号関係
ア 第1号から第3号関係
第30条第1号から第3号までの解釈と同義である。
イ 第4号関係
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「利用停止請求の内容」とは、開示を受けた特定の行政文書に記録されている個人情
報のうち利用停止を求める部分の内容をいい、利用停止請求に係る個人情報についてど
のような措置を求めるかを記載することをいう。
「理由」とは、利用停止請求の内容を裏付ける根拠として、実施機関の請求に係る個
人情報の取扱いがこの条例に違反して収集、保有又は利用若しくは提供していると認め
られる具体的な理由をいう。
ウ 第5号関係
「その他実施機関が定める事項」とは、具体的には、規則様式に定める事項をいう。
2 第2項関係
本項は、個人情報の利用停止請求が条例によりその権利を認められた本人、その法定代理
人又は遺族以外の者により行われることを防ぐために、必要な手続を定めたものである。
【運用】
郵送による利用停止請求は、開示請求の例による。
(個人情報の利用停止義務)
第37条 実施機関は、利用停止請求があったときは、必要な調査を行い、当該利用停
止請求に理由があると認めるときは、当該実施機関における個人情報の適正な取扱
いを確保するために必要な限度で、当該利用停止請求に係る個人情報の利用の停止
、消去又は提供の停止(以下「利用停止」と総称する。)をしなければならない。
ただし、当該個人情報の利用目的に係る事務の性質上、当該事務の適正な遂行に著
しい支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、この限りでない。
【趣旨】
本条は、実施機関は、利用停止請求があったときは、一定の場合を除き、利用停止請求に理
由があると認めるときは、個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な限度で、利用停止
請求に係る個人情報の利用停止をしなければならない義務について定めたものである。
【解釈】
1 利用停止請求があった場合は、請求に係る個人情報について、実施機関が各規定に違反し
た取扱いがなされているか否かの事実を利用停止請求者、実施機関の職員その他の関係者に
対して説明を求めること、又は必要な資料の提出若しくは提示を求めること等の必要な調査
を行い、できる限り具体的資料、事実を確認する必要がある。また、必要に応じ、第三者の
意見を聴くことも必要な調査に含まれるものである。
2 「利用停止請求に理由があると認めるとき」とは、当該利用停止請求に利用停止を行うに
足る正当な理由がある場合をいう。具体的には、実施機関が必要な調査を行った結果、利用
停止請求に係る個人情報の取扱いが、この条例の規定に違反して取り扱われていることが判
明したときをいう。
3 「実施機関における適正な取扱いを確保するため」とは、実施機関が個人情報を取り扱う
上で遵守しなければならない規律のことであり、「必要な限度で」とは、利用停止は、適法
でない個人情報の取扱いを是正するために必要な範囲内で行われることであり、請求者が個
人情報の消去を請求した場合であっても、利用の停止を行えば、適正な取扱いを確保できる
場合には、利用の停止を行えば足り、消去するまでの必要はないとのことである。
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4 「利用停止しなければならない」とは、適法な利用停止請求があった場合は、実施機関は
、利用停止請求に係る個人情報を原則として利用停止しなければならない義務があることを
明らかにしたものである。
5 「当該個人情報の利用停止をすることにより、当該個人情報の利用目的に係る事務の性質
上、当該事務の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるとき」とは、個
人情報の取扱いの実体のほか、利用停止を行うことにより保護される本人の権利利益と、利
用停止を行うことにより損なわれる公共の利益との比較衡量を行った上で判断されるべきも
のである。
なお「著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるとき」とは、単に事務上の支障があ
るだけでは足りず、利用停止をすることにより事務の目的が達成し得なくなってしまう場合
など、利用停止を行わないことが社会通念上正当であると客観的に判断される場合をいう。
6 利用停止は、適法でない個人情報の取扱いを是正するために必要な範囲で行うものであり
、その効果の及ぶ範囲は、利用停止請求を受けた個人情報自体である。したがって、利用停
止請求がなされる前の時点において、当該個人情報に基づいてなされた行政行為(処分)の
効力に当然に影響を及ぼすものではない。
【運用】
利用停止請求は、当該請求に係る個人情報についてのみ及ぶものであり、実施機関はその限
度において利用停止義務を負うことになるが、実施機関は、複数の個人情報を一斉に取り扱っ
ているのが通例であり、利用停止請求に基づき個人情報の利用停止を行った場合に、それと同
様に取り扱われている他の個人情報について当然に利用停止義務を負うものではないが、この
場合でも、実施機関は、当該実施機関における個人情報の適正な取扱いを確保する観点から、
自主的に他の個人情報の取扱いを見直す必要がある。
(利用停止請求に対する決定等)
第38条 実施機関は、利用停止請求書が提出されたときは、当該利用停止請求書が提
出された日から起算して30日以内に利用停止請求に係る個人情報の利用停止をす
るかどうかの決定をしなければならない。ただし、第36条第3項の規定により補
正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 実施機関は、利用停止請求に係る個人情報の利用停止をする旨の決定をしたときは
、速やかに、当該個人情報の利用停止をした上で、利用停止請求者に対し、その旨
を書面により通知しなければならない。
3 実施機関は、利用停止請求に係る個人情報の全部又は一部の利用停止をしない旨の
決定をしたときは、利用停止請求者に対し、速やかにその旨及びその理由を書面に
より通知しなければならない。
4 第23条第4項の規定は、前2項の決定(以下「利用停止決定等」という。)につ
いて準用する。
【趣旨】
本条は、利用停止請求書の提出があった場合において、請求に係る個人情報について実施機
関が行う利用停止決定等及びその旨の通知に関して、その内容及び手続について定めたもので
ある。
54
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 本項は、利用停止請求書が提出されたときは、当該請求書が提出された日から起算して
30日以内に実施機関が利用停止の可否の決定を行わなければならない義務を負うことを
定めたものである。
⑵ 「提出された日」とは、県政情報センター若しくは県政情報コーナーの個人情報窓口又
は実施機関が別に定める窓口において請求書を受け付けた日をもって取り扱うものとする。
⑶ ⑴に規定する期間(以下「訂正決定期間」という。)の末日が休日(栗原市の休日を定
める条例第1条第1項に規定する休日をいう。)に当たるときは、その翌日をもって満了
日とする。
2 第2項関係
⑴ 本項は、実施機関が利用停止請求のあった個人情報の利用停止をする旨の決定したとき
は、当該個人情報の利用停止をするとともに、その旨を請求者に書面で通知する義務があ
ることを定めたものである。
⑵ 「利用停止をした上で」とは、実施機関が利用停止を行う場合に、個人情報の内容及び
個人情報が記録されている行政文書の媒体に応じて適切な方法で利用停止することをいい
、たとえば、次のような方法が考えられる。
ア 利用の停止
・ 目的外に利用していた事務の範囲内で、当該個人情報の利用を中止する方法
イ 提供の停止
・ 定期的、継続的な文書の送付等を中止する方法
・ オンライン結合による提供の場合には、個人情報が記録されたデータベースへのア
クセスの禁止、ホームページ上又は各システム上への掲載を中止する方法
ウ 消去
・ 該当部分を黒塗りする方法
・ 電磁的に消去する方法
・ 個人情報が記録された行政文書ごと廃棄し、新たに当該個人情報が記載されていな
い行政文書を作成し直す方法
⑶ 「書面」とは、規則で定める通知書をいう。
3 第3項関係
⑴ 本項は、実施機関が利用停止請求に係る個人情報の全部又は一部の利用停止をしない旨
の決定をしたときには、その旨及びその理由を具体的に記載した通知書によって知らせる
義務があることを定めたものである。
⑵ 「書面」とは、規則で定める通知書をいう。
4 第4項関係
本項は、第23条第4項の規定に準じて、第1項に規定する利用停止決定期間の延長を定
めたものである。
第4節 不服申立て
55
(審査会への諮問等)
第39条 開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等について、行政不服審査法(昭
和37年法律第160号)による不服申立てがあったときは、当該不服申立てに対
する決定又は裁決をすべき実施機関は、当該不服申立てが不適法であり、却下する
場合を除き、審査会に諮問しなければならない。
2 前項の場合において、同項の実施機関は、審査会に対し、審議に必要な資料を提出
するものとする。
【趣旨】
1 本条は、開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等について、行政不服審査法に基づく
不服申立てがあった場合には、公正かつ客観的な判断を確保するため、当該不服申立てに対
する決定又は裁決をすべき実施機関に対し、審査会に諮問することを義務付けたものである
。
2 本条第2項は、説明責任の観点から実施機関は、審査会に対し諮問する場合、審議に必要
な資料を提出することとしたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 「不服申立てがあったとき」とは、開示、訂正又は利用停止決定等に対して開示請求者
が不服申立てを行った場合のほか、開示、訂正又は利用停止決定等に対して利害関係を有
するものが不服申立てを行った場合を含む。
⑵ 「決定」とは、病院事業管理者以外の実施機関が行った開示、訂正又は利用停止決定等
に係る異議申立てに対し、これらの実施機関が行う処分庁としての裁断行為をいう。
⑶ 「裁決」とは、病院事業管理者が行った開示、訂正又は利用停止決定等に係る市長に対
する審査請求に対し、市長が行う審査庁としての裁断行為をいう。
⑷ 「当該不服申立てが不適法であり、却下する場合」とは、次のような場合などをいう。
ア 行政不服審査法に基づく不服申立てが、審査の結果、不服申立人としての適格性のな
い者からの申立てであった場合
イ 不服申立期間の徒過による要件不備の申立てであった場合
2 第2項関係
「審議に必要な資料を提出するものとする」とは、実施機関の説明責任と審議の迅速化の
観点から、諮問する場合は、次に掲げる資料を提出するものとする。
⑴ 異議申立書(写し)又は審査請求書(写し)
⑵ 個人情報開示請求書(写し)若しくは個人情報訂正請求書(写し)又は個人情報利用停
止請求書(写し)
⑶ 開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等の通知書(写し)
⑷ 異議申立て又は審査請求に係る経過説明書
⑸ 当該諮問に係る事案の概要書
⑹ 開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等に係る行政文書に記録されている個人情報
の内容及び当該決定等を判断した理由を分類し、整理した資料
⑺ その他必要な書類(開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等に係る個人情報が記録
56
された行政文書の写し等)
(諮問をした旨の通知)
第40条 前条第1項の規定により諮問した実施機関(以下「諮問実施機関」という。
)は、次に掲げるものに対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
⑴ 不服申立人及び参加人
⑵ 開示請求者、訂正請求者又は利用停止請求者(これらの者が不服申立人又は参加
人である場合を除く。)
⑶ 不服申立てに係る開示決定等について、反対意見書を提出した第三者(当該第三
者が不服申立人又は参加人である場合を除く。)
【趣旨】
本条は、諮問実施機関が審査会に対し諮問をした場合は、説明責任の観点から、関係者に諮
問をした旨を通知することを定めたものである
【解釈】
1 通知すべき相手方の範囲は、不服審査手続に既に関与している不服申立人及び参加人のほ
か、参加人となり得ることが明らかな利害関係者(開示、訂正又は利用停止請求者及び不服
申立てに係る開示決定等について反対意見を提出した第三者)である。
2 「参加人」(第1号から第3号まで)とは、実施機関の決定又は裁決に利害関係を有する
ものであって不服申立てに係る審査手続に参加するものをいう。
【運用】
諮問をした旨の通知に関する具体的な事務取扱については、規則等に定めるところにより行
うものとする。
(答申の尊重)
第41条 諮問実施機関は、第39条第1項の規定による諮問に対する答申があったと
きは、その答申を尊重して、同項の不服申立てについての決定又は裁決を行わなけ
ればならない。
【趣旨】
本条は、諮問実施機関に対し、諮問に対する答申があったときは、審査会の答申を尊重して
、不服申立てに係る決定又は裁決を行うことを義務付けたものである。
【解釈】
「答申を尊重して」とは、諮問実施機関は、審査会が実質上の救済機関として機能するよう
設置されたものであることにかんがみ、その答申を尊重して不服申立てに対する決定又は裁決
を行わなければならないことをいう。
【運用】
1 答申どおり不服申立てに対する決定又は裁決を行わなかった場合は、諮問実施機関は、審
査会に対し、その理由を説明しなければならない。
2 不服申立てに対する具体的な事務取扱については、事務取扱要綱に定めるところにより行
うものとする。
57
(第三者からの不服申立てを棄却する場合における手続)
第42条 第25条第3項及び第4項の規定は、次の各号のいずれかに該当する決定又
は裁決をする場合について準用する。
⑴ 開示決定に対する第三者からの不服申立てを却下し、又は棄却する決定又は裁決
⑵ 不服申立てに係る開示決定等を変更し、当該開示決定等に係る個人情報を開示す
る旨の決定又は裁決(第三者である参加人が当該個人情報の開示に反対の意思を
表示している場合に限る。)
【趣旨】
本条は、第三者に関する情報が記載されている行政文書の開示決定に対する当該第三者から
の不服申立てを却下し、若しくは棄却する場合又は開示決定等を変更して当該開示決定等に係
る個人情報を開示する場合に、当該第三者に訴訟提起の機会を確保するために定めたものであ
る。
【解釈】
1 「第25条第3項及び第4項の規定を準用する」とは、実施機関は、本条第1号及び第2
号に掲げる決定又は裁決をする場合には当該決定又は裁決の日と開示の実施の日との間に2
週間を置かなければならないこと、正当な理由がある場合には期間を延長することができる
こと、及び開示決定後直ちに、当該意見書を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及び
その理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならないことをいう。
2 決定又は裁決で不服申立てに係る開示決定等を取り消し、実施機関が新たに行う開示決定
は、第23条の規定に基づくものであるので、第25条第3項及び第4項の規定が適用され
る。
58
第4章 個人情報保護審査会
(設置等)
第43条 市長又は実施機関の諮問に応じ、第6条第4項第2号、第8条第3項第10
号及び第4項第2号、第10条第7号、第11条第2項及び第3項又は第39条第
1項の規定による諮問事項その他の個人情報の保護に関する事項を調査審議するた
め、栗原市個人情報保護審査会を置く。
2 審査会は、前項に規定するもののほか、個人情報の保護制度の運営に関する重要事
項について、実施機関に建議することができる。
(組織)
第44条 審査会は、委員5人以内で組織する。
2 委員は、学識経験を有する者のうちから、市長が委嘱する。
(任期)
第45条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期
間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長)
第46条 審査会に会長を置き、委員の互選によって定める。
2 会長は、会務を総理し、審査会を代表する。
3 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめ会長が指名する委員
がその職務を代理する。
(会議)
第47条 審査会の会議は、会長が招集し、会長がその議長となる。
2 審査会の会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。
3 審査会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決する
ところによる。
(審査会の調査権限)
第48条 審査会は、必要があると認めるときは、実施機関の職員その他の関係者に対
し、出席を求めて意見若しくは説明を聴き、又は必要な資料の提出その他必要な協
力を求めることができる。
2 審査会は、第39条第1項の規定による諮問があった場合において、必要があると
認めるときは、諮問実施機関に対し、開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等
に係る個人情報が記録されている行政文書の提示を求めることができる。この場合
においては、何人も、審査会に対し、その提示された行政文書に記録されている個
人情報の開示を求めることができない。
3 諮問実施機関は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んで
はならない。
4 審査会は、第39条第2項の規定により提出された資料のほか、必要があると認め
るときは、諮問実施機関に対し、開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等に係
る個人情報の内容及び開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等を判断した理由
59
を審査会の指定する方法により分類し、又は整理した資料を作成し、審査会に提出
するよう求めることができる。
5 第2項及び前項に規定するもののほか、審査会は、不服申立てに係る事件に関し、
不服申立人、参加人又は諮問実施機関(以下「不服申立人等」という。)に意見書
又は資料の提出を求めること、適当と認めるものにその知っている事実を陳述させ
、又は鑑定を求めることその他必要な調査をすることができる。
(意見の陳述)
第49条 審査会は、不服申立人等から申立てがあったときは、当該不服申立人等に口
頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審査会がその必要がない
と認めるときは、この限りでない。
2 前項本文の場合においては、不服申立人又は参加人は、審査会の承認を得て、補佐
人とともに出席することができる。
(意見書等の提出)
第50条 不服申立人等は、審査会に対し、意見書又は資料を提出することができる。
ただし、審査会が意見書又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期
間内にこれを提出しなければならない。
(提出資料の閲覧等)
第51条 不服申立人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書若しくは資料の
閲覧又はそれらの写しの交付その他の物品の供与(以下この条において「閲覧等」
という。)を求めることができる。この場合において、審査会は、第三者の利益を
害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その
閲覧等を拒むことができない。
2 審査会は、前項の規定による閲覧等について、日時及び場所を指定することができ
る。
3 第1項の規定による写しの交付その他の物品の供与を受ける者は、当該供与に要す
る費用を負担しなければならない。
(調査審議の会議の非公開)
第52条 第6条第4項第2号、第8条第3項第10号及び第4項第2号、第10条第
7号、第11条第2項及び第3項又は第39条第1項の規定による諮問に応じて審
査会が調査審議する会議は、公開しない。
(答申書の公表等)
第53条 審査会は、諮問に対する答申をしたとき、又は第43条第2項の規定による
建議をしたときは、その内容を公表するものとする。
2 審査会は、前項の諮問が第39条第1項の規定によるものである場合においては、
答申書の写しを不服申立人及び参加人に送付するものとする。
(秘密の保持)
第54条 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、
同様とする。
(委任)
第55条 この章に定めるもののほか、審査会の運営に関し必要な事項は、会長が審査
60
会に諮って定める。
【趣旨】
1 本章は、審査会の設置、組織、運営等について定めたものである。
2 第43条は、第39条第1項の規定等による実施機関の諮問事項その他の個人情報の保護
に関する事項を調査審議するため、市長の附属機関としての審査会を置くとともに、個人情
報の保護制度に関する重要事項について、実施機関に建議できることとしたものである。
3 第44条から第55条までは、審査会の組織、任期、会長、会議、審査会の調査権限、意
見の陳述、意見書等の提出、提出資料の閲覧等、調査審議の会議の非公開、答申書の公表等
、秘密の保持及び会長への委任について定めたものである。
【解釈】
1 第43条関係
⑴ 「市長又は実施機関の諮問に応じ、第6条第4項第2号、第8条第3項第10号及び第
4項第2号、第10条第7号、第11条第2項及び第3項又は第39条第1項の規定によ
る諮問事項」とは、当該各規定に基づき、審査会への諮問又は審査会に意見を聴くことが
義務付けられている事項に関し、諮問されて審議する事項をいう。
審査会は、市長の附属機関として設置するものであるが、市長以外の実施機関からの諮
問に対しても調査審議を行うものである。
⑵ 「個人情報の保護制度の運営に関する重要事項」とは、個人情報保護制度の基本的な事
項の改正、制度運営上の基本的改善事項等をいう。
2 第48条関係
⑴ 第1項
条例において審査会の権限に属するとされている諮問事項や個人情報の保護制度の運営
に関する重要事項等に関し、審査会において、調査審議の上、迅速で適切な判断が行える
ようにするため、審査会は、必要があると認めるときは、実施機関の職員等に対し出席を
求め、審査会の会議の場で意見を述べ、又は説明をすることのほか、必要な資料の提出そ
の他必要な協力を求めることができることとしたものである。
⑵ 第2項
審査会は、開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等の不服申立てについて、第39
条第1項の規定により実施機関から諮問があった場合において、審査会において迅速で適
切な判断が行えるようにするため、審査会委員が不服申立てに係る個人情報が記録された
行政文書を実際に見て、非開示とする理由となる情報が記録されているかの判断や開示範
囲が適切であるか、非訂正とした実施機関の判断や一部訂正の場合の訂正範囲が適切であ
るか、又は非利用停止とした実施機関の判断や一部の利用停止をした場合の利用停止範囲
が適切であるか等について審理する(インカメラ審理)ことが適当であることから、審査
会は、必要があると認めるときは、「開示決定等、訂正決定等又は利用停止決定等に係る
個人情報が記録された行政文書」そのものについて諮問実施機関に対し、提示を求めるこ
とができることとしたものである。
⑶ 第3項
諮問実施機関に対し、審査会から前項の規定による求めがあったときは、審議の公平性
の観点から必ず当該行政文書を提出しなければならない義務を課したものである。
61
⑷ 第4項
「必要があると認めるとき」とは、当該行政文書に記録されている個人情報の性質、当
該個人情報を取り扱う事務の目的、当該事案の証拠等に照らし、審査会が当該個人情報が
記録されている行政文書を実際に見分したとしてもなお生ずる適切な判断の困難性がある
場合をいう。
なお、第4項については、第2項の場合と異なり第3項の適用がないが、このことをも
って、第4項による審査会の求めを拒否するか否かの判断を諮問実施機関の裁量に委ねる
趣旨と解することは適切ではない。条例が、審査会に第4項の権限を付与した以上、諮問
実施機関はその求めに応ずるべきである。
⑸ 第5項
「その他必要な調査」とは、専門家から意見を聴取するなど審査会が審議の参考とする
ためにする調査をいう。
3 第50条関係
「意見書又は資料を提出することができる」とは、不服申立人等が、審査会に対し、意見
書又は資料を提出することができる権利を付与したものである。
4 第54条関係
「職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」とは、審査会の機能にかんがみ、審査会の
委員に対し、守秘義務を課すことを条例上定めたものである。
5 第55条関係
第4章の個人情報保護審査会の運営に関し、第43条から第54条までの規定のほか、必
要な事項は、会長が審査会に諮って定めるということである。
第5章 雑則
(適用除外)
第56条 第2章、第3章及び第6章の規定は、図書館その他の市の施設において、一
般の利用に供することを目的として収集し、保有している図書、資料、刊行物等に
記録されている個人情報については、適用しない。
【趣旨】
1 本条は、条例の各章の規定の適用除外となる個人情報について定めたものである。
2 栗原市立図書館その他の市の施設において、市民の利用に供することを目的として収集し
、保有している図書、資料、刊行物等に記録されている個人情報については、当該施設の利
用規程等により管理され、閲覧等ができることから、第2章、第3章及び第6章の規定を適
用しないことを定めたものである。
【解釈】
1 「その他の市の施設」とは、図書、資料、刊行物等の一般への閲覧を事務事業として行っ
ている施設をいう。
2 「一般の利用に供することを目的として収集し、保有している図書、資料、刊行物等に記
録されている個人情報」には、市の図書館等が閲覧以外の一般行政事務で取得し、又は作成
した個人情報は含まれない。したがって、これらについては、第2章、第3章及び第6章の
62
規定が適用されることとなる。
(他の法令との調整)
第57条 次に掲げる個人情報については、第2章、第3章及び第6章の規定は、適用
しない。
⑴ 統計法(平成19年法律第53号)第2条第6項に規定する基幹統計調査及び同
条第7項に規定する一般統計調査に係る調査票情報(同条第11項に規定する調
査票情報をいう。以下同じ。)に含まれる個人情報
⑵ 統計法第2条第8項に規定する事業所母集団データベースに含まれる個人情報
⑶ 統計調査条例(平成4年宮城県条例第15号)第2条第1項に規定する県統計調
査に係る調査票情報に含まれる個人情報
2 第3章第1節の規定は、他の法令(栗原市情報公開条例(平成17年栗原市条例第
7号)を除く。)の規定により、開示請求者に対し開示請求に係る個人情報が第2
6条第1項に規定する方法と同一の方法で開示することとされている場合(開示の
期間が定められている場合にあっては、当該期間内に限る。)には、当該同一の方
法で開示することとされている個人情報については、適用しない。ただし、当該他
の法令の規定に一定の場合には開示をしない旨の定めがあるときは、この限りでな
い。
3 他の法令の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、当該縦覧を第26条第1
項の閲覧とみなして、前項の規定を適用する。
4 第2項の規定により開示を受けた場合には、第29条第1項から第3項まで又は第
35条第1項から第3項までの規定の適用については、開示を受けたものとみなす
。
5 他の法令の規定により自己に関する個人情報の訂正又は利用停止をすることができ
る場合には、第3章第2節及び第3節の規定は、適用しない。
6 第3章の規定は、第1項各号に掲げる個人情報を除き、法律の規定により行政機関
の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)の規定の適用
を受けないこととされる個人情報については、適用しない。
【趣旨】
1 第1項は、統計法等に基づき取り扱われる個人情報については、必要な個人情報の保護措
置が十分とられていることから、第2章、第3章及び第6章を適用しないことを定めたもの
である。
2 第2項は、この条例と他の法令による開示の実施との調整について定めたものであり、他
の法令の規定により、開示請求者に対し第26条第1項に規定する方法と同一の方法で開示
することとされている場合には、当該同一の方法による開示に係る個人情報については、適
用しないことを定めたものである。
3 第3項は、他の法令の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、第26条第1項に規
定する閲覧とみなして、前項の規定を適用することを定めたものである。
4 第4項は、本条第2項の規定により、閲覧等をした場合には、この条例による開示を受け
たものとみなし、訂正請求又は利用停止請求ができることを定めたものである。
63
5 第5項は、他の法令の規定により自己に関する個人情報の訂正又は利用停止をすることが
できる場合には、第3章第2節の訂正、同章第3節の利用停止に関する規定は適用しないこ
とを定めたものである。
6 第6項は、登記簿、訴訟に関する書類等、法律の規定により行政機関の保有する個人情報
の保護に関する法律の適用除外となる個人情報については、一般の行政文書とは異なる独自
の完結した体系的な開示等の制度が定められていることから、第3章の規定を適用しないこ
とを定めたものである。
【解釈】
1 第1項関係
⑴ 統計法等においては、次のような保護措置がとられている。
ア 個人が識別されない方法で個人情報が取り扱われている。
イ 秘密の保護が図られている。
ウ 目的外利用が禁止されている。
エ その他適正管理の措置等がとられている。
⑵ 各号関係
ア 第1号関係
「統計法(平成19年法律第53号)第2条第6項に規定する基幹統計調査」とは、
国勢統計、国民経済計算及び国の行政機関が作成する統計のうち重要なものとして総務
大臣が指定する基幹統計の作成を目的とする統計調査をいい、「同条第7項に規定する
一般統計調査」とは、国の行政機関が行う統計調査のうち基幹統計調査以外のものをい
う。
イ 第2号関係
「統計法第2条第8項に規定する事業所母集団データベース」とは、事業所に関する
情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるよう
に体系的に構成したものをいう。
ウ 第3号関係
「統計調査条例(平成4年宮城県条例第15号)第2条第1項に規定する県統計調査
」とは、県が統計の作成を目的として個人又は法人その他の団体に対し事実の報告を求
めることにより行う調査をいう。
⑶ 本項で各章の適用を除外しているのは、専ら統計調査に使用される場合に限っているの
で、統計以外の行政目的などに使用される場合には、各章の規定が適用されるものである。
2 第2項関係
⑴ 「法令」とは、第7条第3項第2号の解釈と同義である。
⑵ 「栗原市情報公開条例(平成17年栗原市条例第7号)を除く。」とは、本条例と情報
公開条例のいずれの制度においても、自己に関する個人情報が記録された行政文書の開示
請求ができることを教示したものである。ただし、両制度はその趣旨、目的を異にしてい
ることから、請求者は目的に応じた使い分けが必要となるものである。
⑶ 開示請求に係る個人情報について、他の法令の規定により、開示請求者に対し第26条
第1項に規定する方法と同一の方法で、開示することとされている場合には、同一の方法
による開示に係る個人情報については、適用しないこととするものである。ただし、他の
64
法令の規定で閲覧等の期間、対象者を開示請求に係る個人情報の本人以外の者に限定して
いる場合、開示の方法又は閲覧等をすることができる個人情報の範囲等を限定している場
合において、他の法令が直接定めていない事項については、この条例の定めるところによ
ることとなるが、当該他の法令の趣旨を踏まえて、開示請求に係る個人情報を開示するか
どうかの決定をすることになる。
⑷ 他の法令の規定により開示を行う主体には、開示請求に係る行政機関のみならず、他の
行政機関、独立行政法人、特殊法人、認可法人その他の主体も含まれる。
⑸ 本項における開示の例としては、行政不服審査法第33条第2項による処分庁から審査
庁に提出された書類及びその他の物件の閲覧などの例がある。
3 第4項関係
本項は、他の法令により閲覧等をした場合には、この条例による開示を受けたものとみな
し、訂正請求又は利用停止請求ができることを定めたものであるが、他の法令の規定により
訂正請求又は利用停止請求をすることができる場合には、第5項の規定により、この条例は
適用されないほか、他の法令の規定により開示請求に係る個人情報の訂正又は利用停止が明
らかに禁止されているとき、又は法令の趣旨、目的等から訂正することができないと認めら
れる場合においては、請求を受理した上で非訂正又は非利用停止決定を行うことになる。
4 第5項関係
他の法令の規定により自己に関する個人情報の訂正又は利用停止をすることができる場合
には、他の法令の規定によることとし、この条例の訂正又は利用停止に関する規定は、適用
しない。
5 第6項関係
法律の規定により行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の規定の適用を受けな
いこととされる個人情報には、当該法律の規定が準用され、関係公簿等について登記、特許
制度と同様の仕組みがとられることとなるものを含むものである。
【運用】
1 第3章第1節開示との調整
第2項における他の法令の規定による閲覧等においては、閲覧等の請求者の範囲、閲覧等
の期間、閲覧等をすることができる個人情報の範囲について限定している場合、又は閲覧又
は縦覧の手続について定めているだけで、個人情報が記録された謄本、抄本等の交付につい
て何ら規定していない場合があるが、このような場合における法令と第3章第1節との調整
は、次により行うものとする。
⑴ 請求者の範囲を限定している場合
ア 他の法令に定められている請求者が、開示請求に係る個人情報の本人、その法定代理
人又は遺族である場合については、当該法令の規定により閲覧等をすることができるの
で、第3章第1節の規定は、適用されない。
イ 他の法令に定められている請求者が、自己に関する個人情報の開示請求をすることが
できる者以外のものである場合については、他の法令の規定により閲覧等をすることが
できる場合に該当しないから、第3章第1節の規定により行政文書に記録された個人情
報の開示請求をすることができる。
⑵ 閲覧等の期間を限定している場合
65
ア 他の法令で閲覧等の期間を限定している場合には、当該期間内については、当該法令
の規定により閲覧等をすることができるので、第3章第1節の規定は、適用されない。
イ 当該期間の前後については、他の法令の規定により閲覧等を受けることができる場合
に該当しないから、第3章第1節の規定により行政文書に記録された個人情報の開示請
求をすることができる。
⑶ 閲覧等ができる個人情報の範囲を限定している場合
ア 他の法令で閲覧等ができる個人情報の範囲を限定している場合には、限定して認めら
れている個人情報の閲覧等については、当該法令の規定により閲覧等ができるので、第
3章第1節の規定は、適用されない。
イ 限定されている範囲以外の個人情報の閲覧等については、他の法令の規定により閲覧
等を受けることができる場合に該当しないから、第3章第1節の規定により個人情報の
開示請求をすることができる。
⑷ 閲覧又は縦覧の手続についてのみ定められており、謄本、抄本等の交付に関する規定の
ない場合
ア 個人情報が記録された行政文書の閲覧については、他の法令の規定により手続が定め
られていることになるので、第3章第1節の規定は、適用されない。
イ 個人情報が記録された行政文書の写しの交付については、他の法令の規定により閲覧
等をすることができる場合に該当しないので、第3章第1節の規定により当該個人情報
が記録された行政文書の写しの交付を申請することができる。
2 1の場合において、実際に開示請求に係る個人情報を開示するかどうかについては、非開
示情報(第20条第1項各号)に該当するかどうかにより判断するものであるが、特に、法
令が請求者の範囲、閲覧等の期間、閲覧等が可能な個人情報の範囲を限定して定めている趣
旨について、十分に検討する必要がある。
(苦情の処理)
第58条 実施機関は、当該実施機関の個人情報の取扱いについて苦情があったときは
、適切かつ迅速な処理に努めるものとする。
【趣旨】
本条は、実施機関が保有する個人情報の取扱いに関する苦情について、実施機関は適切かつ
迅速に対処すべきことを定めたものである。
【解釈】
1 本条における苦情とは、実施機関の個人情報の取扱い全般に関するものであり、その申出
者については制限がない。
2 苦情の申出は、その方法を問わず書面でも口頭でもよく、また、その形式も問わない。
3 「適切かつ迅速な処理に定める」とは、苦情の個別具体的な内容に沿うような方法で調査
等を行い、より早い解決に努めることをいう。
(運用状況の公表)
第59条 市長は、毎年度、各実施機関におけるこの条例の運用状況を取りまとめ、こ
れを公表しなければならない。
66
【趣旨】
本条は、個人情報保護制度の運用状況を市民に公表することにより、今後の制度の適正な運
営と健全な発展を図ろうとするもので、これを市長の責務として定めたものである。
【解釈】
運用状況の公表は、規則及び事務取扱要綱の定めるところにより行うものとする。
(国又は他の地方公共団体との協力)
第60条 市長は、個人情報の取扱いに関し、個人の権利利益を保護するため必要があ
ると認めるときは、国若しくは他の地方公共団体に協力を要請し、又は国若しくは
他の地方公共団体の協力の要請に応じるものとする。
【趣旨】
本条は市長が必要に応じて国若しくは他の地方公共団体に協力を要請し、又は協力の要請に
応じるべきことを定めたものである。
【解釈】
1 国又は他の地方公共団体との協力は、次のようなことなどから必要となるものである。
⑴ 事業者が行う個人情報の取扱いが市の区域を超えて広範囲に及んでいる実態があること。
⑵ 条例の効力に地域的限界があること。
2 「協力」が必要となる内容には、次のようなものなどがある。
⑴ 国に対するものの例
ア 事業者団体等に対する関係省庁の指導等
イ 必要な情報交換
⑵ 他の地方公共団体に対するものの例
ア 他の地方公共団体の区域内に事務所又は事業所を有する事業者に関する調査
イ 他の地方公共団体の区域内に事務所又は事業所を有する事業者に対する不適正な行為
の是正指導等
ウ 必要な情報交換
(委任)
第61条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。
【趣旨】
本条は、この条例の施行に関し必要な事項は、各実施機関がそれぞれ規則等により定めるこ
ととしたものである。
【運用】
1 各実施機関が規則等を制定し、又は改正する場合は、実施機関相互間で十分に連絡調整を
図るものとする。
2 本条により市長又は実施機関が定める規則等は、次のとおりである。
⑴ 栗原市個人情報保護条例施行規則
⑵ 口頭により開示請求を行うことができる個人情報(告示)
⑶ 市が出資する法人のうち実施機関が定める法人(告示)
⑷ 個人情報保護事務取扱要綱
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⑸
⑹
⑺
⑻
⑼
⑽
⑾
口頭により開示請求を行うことができる個人情報の事務取扱要領
個人情報取扱事務登録簿記入要領
個人情報取扱事務の委託基準
指定管理者が行う公の施設の管理に係る個人情報保護基準
事業者が取り扱う個人情報の保護に関する事務取扱要綱
事業者が保有する個人情報の適切な取扱いに関する指針(告示)
個人情報保護条例の解釈及び運用基準
第6章 罰則
第62条 実施機関の職員若しくは職員であった者又は第17条第1項の委託若しくは
管理の事務に従事している者若しくは従事していた者が、正当な理由がないのに、
個人の秘密に属する事項が記録された行政文書であって、個人の氏名、生年月日そ
の他の記述等により当該個人を容易に検索することができるように体系的に構成さ
れたもの(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したと
きは、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
【趣旨】
本条は、実施機関の職員若しくは職員であった者又は実施機関から委託を受けた個人情報を
取り扱う事務若しくは公の施設の管理の事務に従事している者若しくは従事していた者が、個
人の秘密に属する事項が記録された行政文書のうち、個人の氏名、生年月日、その他の記述等
により当該個人を容易に検索することができるように体系的に構成されたものを、正当な理由
なく提供したときに、罰則を科すこととしたものである。
【解釈】
1 本条で定める罰則は、刑法第38条第1項の規定により、故意による行為のみを対象とし
、過失による行為は対象としない。
なお、第6章で定める本条以外の罰則についても同様である。
2 「実施機関の職員又は職員であった者」とは、第2条第4号の職員の解釈と同義であり、
「第17条第1項の委託若しくは管理の事務に従事している者若しくは従事していた者」と
は、第17条第2項の解釈と同義である。
3 「第17条第1項の委託若しくは管理の事務」とは、第16条の解釈と同義である。
4 「正当な理由がないのに」とは、当該個人情報を取り扱う事務又は業務の性質上、当該業
務とは何ら関わりがないものへ提供する等、提供した理由に社会通念上妥当と認められる理
由がないことをいう。具体的には、実施機関の職員が第10条の規定に違反して提供した場
合のうち、個人情報を取り扱う事務の性質上、業務とは全く関連がないものへ提供した場合
や、受託業務又は公の施設の管理の事務に従事する者が第17条第2項の守秘義務又は委託
契約における契約事項に違反して提供した場合等をいう。
5 「個人の秘密に属する事項が記録された行政文書」とは、第15条に規定する「秘密」の
解釈と同義であり、「一般に了知されていない事実であって、それを一般に了知させること
が一定の利益の侵害になると客観的に考えられるもの。」(いわゆる実質秘)に該当する個
人情報が記録された行政文書をいい、実質秘か否かの判断に当たっては、当該個人情報の内
68
容、収集及び利用目的、個人情報が記録されている行政文書の性質等に照らし、個別に判断
することになる。
6 「個人の氏名、生年月日、その他の記述等により当該個人を検索することができるように
体系的に構成されたもの」とは、一定の基準又は一定の様式に基づき個人情報が記録され、
個人情報が集合している状態にあり、氏名、生年月日及び役職名等の当該個人の属性のほか
、必要に応じて個人情報を整理するために使用される番号や記号その他の符号などの特定の
事項により、又は電子計算機処理により電磁的記録化されているもので、電子計算機を用い
ることにより、特定の個人情報を検索することができる状態又は直ちに検索できるよう検索
条件等を設定するなどの工夫を施し整理されている状態にある行政文書のことをいう。
具体的には、記録項目の内容、配列等が同一である個人情報からなる集合物であり、各種
名簿、台帳、一覧表やリスト化されているものなどが該当することになる。また、そのよう
な集合物が更にいくつか集められた物であって、多目的のデータとして管理し、複数業務に
利用するため、個々の集合物が一体的にあるいは相互に関連して利用されることにより全体
として特定の事務を処理するもの(データベース)も含む。
7 「(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)」とは、コピー機による複
写、電磁的記録をフロッピー等に複写又は紙媒体に出力した場合、一部分を削除するなど内
容を加工した場合でも、既存の行政文書との同一性が認められる場合には対象となる。また
、体系的に構成されている相当数の個人情報から、数名分を抜き出し、提供した場合であっ
ても本条の対象となり得る。
8 「提供」とは、差し出して相手の用に供することをいい、行政文書を渡す場合のほか、閲
覧させることなど、事実上第三者が利用できる状態にある場合も含まれる。
9 本条と地方公務員法との関係について
地方自治法第14条第3項で普通地方公共団体が、条例で違反した者に対して科すことが
できる最大の量刑である。これは、個人の秘密に属する事項が記録された行政文書の中でも
、特定の個人を検索することができるように体系的に構成されている行政文書は、他の行政
文書と比べ、漏えいした場合には、被害の広範性を招き、個人及び社会に与える被害、影響
は最も甚大なものとなるとともに、実施機関の個人情報の適正な取扱いに対する信頼を著し
く損なうことになるため、地方公務員法第60条の守秘義務違反に対する罰則の量刑を加重
した罰則を科すこととしたものである。
第63条 前条に規定する者が、正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記
録された行政文書(前条に規定するものを除き、その全部又は一部を複製し、又は
加工したものを含む。)を提供したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰
金に処する。
【趣旨】
本条は、前条に規定する者が、正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記録され
た前条の行政文書以外の行政文書を提供したときに、罰則を科すこととしたものである。
【解釈】
1 本条における対象主体、対象行為は、前条と同様である。
2 本条の行政文書とは、個人の氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を検索す
69
ることができるように体系的に構成されたもの以外の行政文書であり、個人情報が散在的に
記録されているものをいい、一般的な起案文書等が該当する。
3 本条と地方公務員法との関係について
本条においても、前条と同様、個人の秘密に属する事項が記録された行政文書を正当な理
由がなく提供する行為は、体系的に構成されているものでなくとも、個々人に与える被害及
び実施機関の個人情報の適正な取扱いに対する信頼を損なうことになるため、地方公務員法
第60条の守秘義務違反に対する罰則の量刑を加重するものである。
第64条 第62条に規定する者が、その業務に関して知り得た行政文書に記録されて
いる個人情報を自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したと
きは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
【趣旨】
本条は、実施機関の職員等が、その業務に関して知り得た行政文書に記録されている個人情
報を自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用した場合に、罰則を科すこと
としたものである。
【解釈】
1 本条は、前2条の罰則と異なり、個人の秘密を要件としない。また、行政文書の提供とは
異なり、その業務に関して知り得た行政文書に記録されている個人情報自体に関し、不正な
利益を図る目的で提供、盗用した場合を要件とするものである。これは、実施機関の職員及
び受託業務従事者等には、第15条及び第17条第2項により職務上知り得た個人情報には
適正取扱い義務が課せられていることから、個人情報の範囲を広く捉え、そのうち特に悪質
な行為を処罰することとしたものである。
2 「その業務に関して知り得た行政文書に記録されている個人情報」とは、実施機関の職員
又は受託業務従事者等が、自己の業務の執行に関連して知り得た行政文書に記録されている
個人情報はもとより、担当外の個人情報であっても業務に関連して知り得た行政文書に記録
されている個人情報を含むものである。
3 「不正な利益を図る目的」とは、金銭を受領するため、退職後の起業の顧客情報とするな
どの自己の利益のため又は特定の個人を誹謗中傷するためなど、他人の正当な利益や社会公
共の利益を侵そうとする目的などをいい、社会通念に照らして、妥当性を欠くものをいう。
4 「提供し、又は盗用した」とは、実施機関の職員又は受託業務従事者等が当該業務の目的
以外の目的で自らが利用すること、又は他人が利用できる状態とすることをいう。
第65条 実施機関の職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する
目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画、写真若しくはスライドフ
ィルム又は電磁的記録を収集したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
に処する。
【趣旨】
本条は、実施機関の職員が職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人
の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合に、罰則を科すものである。
【解釈】
70
1 本条は、職権濫用行為を対象とすることから、前3条の罰則と異なり、その主体は、実施
機関の職員のみが対象となる。
2 「職権を濫用して」とは、実施機関の職員が、職務上の権限を用い、職務の執行に仮託し
て職務でない行為を行うことをいう。
3 「専らその職務の用以外の用に供する目的で」とは、収集した目的が個人的な利益、興味
、欲求等を満たす目的である場合など、職務のために使用する目的以外の目的で使用するこ
とをいう。
4 「文書、図画、写真若しくはスライドフィルム又は電磁的記録を収集したとき」とは、実
施機関内又は各実施機関相互間での収集に限らず、国、県、他市、関係機関又は第三者等か
ら収集した場合も含み、行政文書であるか否かを問わず、有形的な物件を収集する行為で、
収集する意思をもって収集することをいう。
第66条 第54条の規定に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は50万
円以下の罰金に処する。
【趣旨】
本条は、個人情報保護審査会委員の守秘義務違反に対する罰則を定めるものである。
【解釈】
1 「秘密」とは、第62条の解釈と同義である。
2 審査会の委員は、その審議の場合において、不服申立事案では、個人の秘密に属する事項
に係る個人情報やその他の非開示情報をインカメラで審査することになるとともに、条例の
各諮問事項等の審議でも、その審理の過程において、職務上様々な秘密を知り得ることにな
ることから、この場合の「秘密」は個人の秘密のみならず、職務上知り得た秘密が対象とさ
れる。
第67条 第17条第1項の委託若しくは管理の事務を行う法人(法人でない団体で代
表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若
しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又
は人の業務に関して第62条から第64条までの違反行為をしたときは、行為者を
罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人
が、その訴訟行為につきその法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被
疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
【趣旨】
1 本条は、実施機関から個人情報を取り扱う事務を受託した法人等又は公の施設の管理の事
務を行う指定管理者の従事者等が、当該業務に関して第62条から第64条までの違反行為
をした場合には、事務を受託した法人等又は指定管理者に対し、注意義務違反として第62
条から第64条までの罰金刑を科すこととしたものである。
2 第2項は、法人でない団体を処罰する場合の訴訟行為について、その代表者又は管理人が
、当該団体を代表するほか、それ以外の事項について刑事訴訟法の規定を準用することを定
めたものである。
71
【解釈】
1 本条は、いわゆる両罰規定を定めたものである。実施機関から個人情報を取り扱う事務を
受託した法人等又は指定管理者には、第17条第1項により当該個人情報の保護に関し必要
な措置を講ずることが義務付けられていることから、現実に違反行為を行った従事者等のほ
かに、事業者の選任及び監督上の責任を問うものである。
2 本条の両罰規定は、現実に違反行為を行った従事者等に対する事業者の選任及び監督上の
過失を推定する趣旨であることから、事業者においてそれらの注意を尽くしたことの証明が
なされない限り、事業者も刑事責任に問われるものである。
3 「法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む」とは、実施機関から個人
情報を取り扱う事務を受託するものは、法人格を有するものに限られないため、法人でない
団体でも代表者又は管理人の定めのあるものを含むこととしたものである。
4 「代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者」
⑴ 「代表者」とは、法令等により法人を代表する権限を有する者をいい、株式会社の代表
取締役が典型例である。
⑵ 「管理人」とは、法令等により他人の財産を管理する地位にある者をいう。
⑶ 「代理人」とは、法令等により事業を代理する権限を有する者をいい、たとえば支配人
(会社法(平成17年法律第86号)第11条)がこれに当たる。
⑷ 「使用人」とは、事業者との雇用関係に基づいて業務に従事する者をいう。
⑸ 「その他の従業者」とは、法人又は人の代理人、使用人以外の者で、組織内にあって直
接又は間接に事業者の指揮監督の下にその業務に従事している者をいい、事業者との間の
雇用関係の有無を問わない。
5 「業務に関して」とは、従業者等の違反行為が実施機関から受託した個人情報を取り扱う
業務又は公の施設の管理業務に関して行われた場合に限られる。
第68条 偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく個人情報の開示(第27条
第2項の規定による開示を含む。)を受けた者は、5万円以下の過料に処する。
【趣旨】
本条は、この条例で定める個人情報の開示請求権の適正な行使を担保するため、偽りその他
不正の手段により、開示決定に基づく個人情報の開示又は第27条の規定に基づく口頭による
開示請求により開示を受けた者に対して、過料を科すこととしたものである。
【解釈】
1 「偽りその他不正の手段」とは、個人情報の開示を受ける手段で真実でない又は不正なも
のをいい、たとえば、第19条第2項又は第26条第4項の規定に基づく本人等であること
を証明するために必要な書類を偽造又は盗用する等により、他人になりすまして、個人情報
の開示を受けた場合などが想定される。また、その他の不正手段には、脅迫、賄賂を渡すな
どにより開示を受けることなども含まれる。
2 「開示決定に基づく個人情報の開示(第27条第2項の規定による開示を含む。)を受け
た者」とは、この条例の規定により開示請求を行い、当該請求に係る個人情報の全部又は一
部を開示する旨の決定に基づき、実際に当該個人情報を閲覧し、又は写しの交付を受けた者
若しくは口頭による開示請求により、直ちに個人情報の開示を受けた者のことをいう。
72
3 偽りその他不正の手段により開示を受けた場合には、第三者へ開示されることなどによる
個人の権利利益の侵害を防止するために、条例で定められた厳格な開示制度の目的を侵害す
るものであり、開示手続の適正化を担保する必要性が認められることから、行政上の秩序違
反行為に対する制裁としての秩序罰である「過料」を科すこととしたものである。
73
別表(第2条の【運用】関係)
個人情報項目の例示
情報項目
基
本
的
事
項
1
2
3
4
5
6
7
識別番号
氏名等
性別
年齢、生年月日等
住所、電話番号等
本籍、国籍等
その他
思
想
・
信
条
等
家
庭
生
活
1
2
3
4
支持政党
宗教
主義、主張等
その他
1
2
3
4
親族関係
婚姻歴
家庭状況
その他
心
身
の
状
況
社
会
生
活
1 健康、病歴等
2 障害
3 その他
1
2
3
4
5
6
職業、職歴等
学業、学歴等
資格
賞罰
成績、評価等
その他
資
産
・
収
入
等
そ
の
他
1
2
3
4
財産、収入等
納税額
公的扶助
その他
1 趣味
2 その他
項目別内容
1 整理番号、受験番号、免許番号、許可番号など
2 氏名(氏又は名のみの場合も含む。)、通称(芸名)、
ペンネームなど
3 男女を区別の表示
4 年齢、生年月日、干支など
5 住所、電話番号、居所、居住区域名、住所歴など
6 本籍、本籍所在地、国籍、外国人であることなど
7 指紋、声紋、顔写真、印鑑など
1 支持政党名、政治団体名など
2 信仰する宗教、嫌いな宗教、家の宗教、宗教的習慣など
3 政治的信条、政治理念、政治的信念、政治活動歴、世界
観、人生観など
4 座右の銘、投書、苦情、相談内容、応募の動機など
1 養子縁組、離縁、認知、姻族関係など
2 婚姻の事実・時期、離婚の事実・時期、婚姻期間など
3 世帯主との関係、同居・別居の別、父子・母子家庭であ
ること、扶養関係、家族構成、里親・里子であることなど
4 食生活の内容や衣食住に関することなど
1 健康診断結果、血圧、血液型、傷病名、傷病の程度・原
因、看護記録、訓練記録、治療の内容・方法、病歴など
2 障害の有無、障害の種類・部位・程度、補装具の有無な
ど
3 身長・体重、容姿、体力、運動能力、精神的悩みなど
1 会社名、勤務先、所属、就職・退職年度(年月日)、在
職期間、昇格・降格、配置転換、解雇・停職等の処分、事
業名、職位、職名など
2 卒業・在学校名、退学・休学・停学等、入学・卒業年度
、在学年度、卒業成績、クラブ活動など
3 理容師、調理師等の資格など
4 叙位叙勲、表彰、反則金、犯罪歴など
5 各種試験の結果、勤務評定など
6 役職名、自治会等での活動状況など
1 年間収入の額、月収、不動産の所在・評価額、債権又は
債務額、預金の額など
2 各種税の納税額など
3 生活保護受給の有無など
4 絵画、骨とう品、彫刻等の保有状況など
1 旅行、読書、釣り等の趣味や色彩、インテリア等の好み
、酒・コーヒー・たばこなどの嗜好など
2 癖など
74
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