第3章 将来の環境像及び基本目標 第3章では、第2章で記載した西条市の環境の現状や課題をもとに、将来の西条市をど のような環境のまちにしていくかについて、環境サポーターと西条市が話し合って定め た、 「将来の環境像」と「環境基本計画の基本目標」を記載しています。 基本目標は、それぞれの環境分野において「こういう環境のまちにしたい」という目標 であり、それらの基本目標をまとめて一つのキャッチフレーズとして表したものが「将来 の環境像」です。 加茂川源流 第1節 将来の環境像 環境基本計画策定に当たっては、将来の環境をどのようなものにすべきかを定めるとともに、そ れを支える基本目標を掲げ、総合的な環境づくりを行うための方向性を示します。 西条市は、石鎚山や瀬戸内海などの豊かな自然環境及び水資源の恵みを受けて発展してきた都市 であり、 「西条市総合計画」でも、全ての人々が豊かな水と緑の恵みを受けながら安心して幸せな生 活を送ることができる都市、自立と自活を実現した都市、人・もの・情報が集う魅力ある都市を創 出していくこととしています。 これらを踏まえ、計画が目指す将来の環境像(全体目標)を次のように定め、その実現を目指し ます。 石鎚に育まれ 水も緑も人も輝くまち西条 ~子どもから大人までみんなでつなぐ豊かな自然~ 第2節 環境基本計画の基本目標 「将来の環境像(全体目標)」の実現に向けて計画を推進していくための基本目標を、第2章で 検討した「生活環境」「水環境」「自然環境」「社会環境」「地球環境」及び「環境教育」のそれぞれ について掲げることとします。第1の基本目標は、あらゆる環境分野の取り組みの基本となる環境 教育について定め、以下、生活環境から地球環境の順に、第2~第6の基本目標を定めることとし ます。 また、基本目標をより具体化した「個別目標」を、6つの基本目標それぞれについて定め、「将 来の環境像」と併せて、図 3.2.1 に示します。 - 56 - 基 1 子どもから大人まで 本 目 標 みんなで学び・考え・行動するまち(環境教育) 限りある資源や豊かな自然環境を守り未来へと引き継いでいくためには、市民・事業者・ 行政が一体となって、より一層環境への意識を高め、自然環境の保全及び環境負荷の低減 に配慮した循環型社会の構築を目指していく必要があります。 このため、子ども、市民、事業者それぞれの環境意識を高揚し、環境保全活動を推進し ていくとともに、環境教育を行うための拠点づくり及び指導者の育成が必要です。 2 豊かで清らかな水環境 いつまでも誇りにできるまち(水環境) 西条市は、名水「うちぬき」をはじめ加茂川や中山川など、飲料水・生活用水としての 役割にとどまらず、良好な生態系を支え市民生活にうるおいをもたらす水環境に恵まれ、 その恩恵を受けてきました。貴重な資源である水に対して市民の関心も高まっており、限 りある資源であるとの認識を持って、 「水」を守っていく必要があります。 3 石鎚山の源流から燧灘まで 自然の表情豊かなまち(自然環境) 西条市は石鎚山から燧灘まで、山岳、里山、農作地、河川、海域や干潟など多様で豊か な自然環境に恵まれています。これらの自然環境はそれ自体が貴重なものであるとともに、 自然とのふれあいを通じて市民生活にうるおいをもたらしてくれます。西条市の財産であ るこれらの豊かな自然環境を保全し、次の世代に引き継いでいく必要があります。 4 健やかで快適な環境をいつまでも守り育むまち(生活環境) 西条市は著しい公害問題こそ抱えてはいませんが、自動車による大気汚染や騒音、ごみ 排出量の増加、ごみの散乱など、都市・生活型公害の改善が課題となっています。 快適な暮らしを守るために、騒音、大気汚染、悪臭等の公害防止に努めるとともに、3 Rの促進による循環型社会の構築、不法投棄の防止、化学物質による環境汚染の未然防止 等といった環境に係る施策を総合的に講じていく必要があります。 5 水と緑に育まれ 自然と調和した文化のまち(社会環境) 西条市の恵まれた自然環境を生かし、市民が美しさとうるおいを感じるまちづくりを推 進していく必要があります。このため、公園や緑地など拠点となる施設や空間の充実を図 るとともに、景観形成の一翼を担ってきた歴史・文化遺産を保全しながら、まちの景観や 美観を良好に維持していく必要があります。また、快適性だけではなく大雨や地震など大 規模な自然災害にも適切に対応できるよう、安全・安心なまちづくりが必要です。 6 青い地球の緑の西条 地球にやさしく暮らすまち(地球環境) 地球規模での温暖化現象に代表される今日の環境問題は、人類の生存基盤そのものへの 脅威となっていますが、これらの原因は、私たちの日常生活や企業活動から生じた過大な 環境への負荷であるといわれています。これらの解決のためにも、市民・事業者・行政が 一体となって、環境負荷の少ない脱温暖化社会の構築を目指す必要があります。 - 57 - 石鎚に育まれ 水も緑も人も輝くまち西条 ~子どもから大人までみんなでつなぐ豊かな自然~ 基 本 目 個 標 【基本目標1:環境教育】 子どもから大人まで みんなで 学び・考え・行動するまち 【基本目標2:水環境】 豊かで清らかな水環境 いつまでも誇りにできるまち 【基本目標3:自然環境】 石鎚山の源流から燧灘まで 自然の表情豊かなまち 【基本目標4:生活環境】 健やかで快適な環境を いつまでも守り育むまち 別 目 標 子どもへの環境教育 明るいあいさつと豊かな自然が環境を大切にする子どもを育てます 市民への環境教育 市民一人ひとりが環境意識を高め、手を取り、声をかけあい行動します 事業者等への環境教育 市民・行政と協力し環境保全活動を推進します 環境教育の拠点 人が集い、身近なところで西条の環境が学べるまちを目指します 指導者の育成 環境を守り、知識を深めるリーダーを育成します 地下水 市民の誇りうちぬきを守り、それを支える水源の森を育てます 水 水と親しみ、水を大切にしながら市民一体となって美しい水を守ります 山岳地域 生き物を守り、育む石鎚山系を未来へつなぎます 林業地域 多くの生き物と共生できる持続可能な森づくりを目指します 里山・社叢林 みんなが活用できる身近な森を育てます 市街地 たくさんの生き物が暮らせる水と緑のまちづくりを目指します 農作地 カエルが鳴き、トンボが群れ飛ぶ水田を目指します 河川・水路 ホタルが舞い、メダカが泳ぎ、カジカが棲む豊かな水辺を守ります 海域(干潟) カブトガニが暮らせ、多くの生き物を育む豊かな燧灘を守ります 大気・騒音・振動・悪臭 さわやかで澄んだ空気、静かな環境を目指します 土壌・有害化学物質 安全で安心な水・食べ物で健康な暮らしを守ります ごみの減量 Reduce・Reuse・Recycleを徹底し、循環型社会を目指します ごみのポイ捨て・不法投棄 ごみのない美しいまちをみんなで目指します 緑地 緑がいきいき、木がのびのび、緑豊かなまちをつくります 景観 広い空と海が見えるまち、水と緑と調和した美しいまちを目指します 防災・安心・安全 自然と調和した、災害に強い安全なまちづくりを推進します 歴史・文化 西条の伝統文化や歴史遺産を守り、将来の世代に継承します 【基本目標5:社会環境】 水と緑に育まれ 自然と調和した文化のまち 【基本目標6:地球環境】 青い地球の緑の西条 地球にやさしく暮らすまち 地球のことを考え、足元から見つめるまちを目指します 図 3.2.1 将来の環境像と計画の基本目標等 - 59 -
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