耐熱用フェライト系ステンレス鋼

これだけは知っておきたい
日新商品図鑑
自動車の排ガス処理用機器や
暖房用燃焼機器、工業用オー
ブン炉など、一般的に600℃を
超える「高温環境」で使用され
る用途では、材料選択で注意
が必要です。高温強度や耐高
温酸化性が要求される「高温
環境」で使用できる「耐熱性に
優れた独自ステンレス」をご紹
介します。
Vol.
9
DNA-SUS(その3)
耐食性 加工性 高強度
耐熱性に優れた独自ステンレス
耐熱性 表面
処理
他
NSS EM-2/EM-3 〜耐熱用フェライト系ステンレス鋼
NSS 442M3 〜MOフリーの耐熱用フェライト系ステンレス鋼
NSS HR-1 〜高耐熱用フェライト系ステンレス鋼
18.5Cr-1Mn-2Mo-Nb
19Cr-0.5Cu-Nb-LCN
14Cr-1Si-1Mn-Nb
主な用途 自動車排気ガス経路部材
(エキゾーストマニホールド、
コンバーターケース、
フロントパイプ他)
■ フェライト系耐熱鋼。オーステナイト系に比べ、熱膨張係数が小さく、熱疲労特性、
耐スケール剥離性に優れる。
NSS ER-4 〜耐熱用オーステナイト系ステンレス鋼
NSS ER-1 〜耐熱用オーステナイト系ステンレス鋼
NSS 302B 〜耐熱用オーステナイト系ステンレス鋼
17Cr-12.7Ni-2.5Si-2.2Mo
19Cr-13Ni-3.3Si-Nb
18Cr-9Ni-2.5Si
主な用途 自動車排気ガス経路部材(フレキシブルチューブ、二重構造エキマニ内側材他)
マニホールド
コンバータ
【耐高温酸化性】
エギゾースト
マニホールド
テール
パイプ
「日新の遺伝子の入った
戦略独自ステンレス」
センターパイプ
フレキシブルチューブ
床下コンバータ
【商品名の由来】
「EM」=Exhaust Manihold
(エキゾースト・マニホールド)
「HR」=Heat Resistance(耐熱)
「ER」=Exhaust Reactor
(排ガス浄化装置)
「NCA」=Nisshin Cr-Al alloy
(日新クロム-アルミ合金)
NSS EM-2
0
850
900
950
1000
0.2%耐力(N/mm2)
【高温強度】
高温強度がある
400
:NSS EM-2
:NSS HR-1
:NSS 409M1
:NSS ER-1
:SUS310S
:SUS304
300
200
100
0
0
200
400
600
800
1000
温度(℃)
エキゾーストマニホールド
NCA-1
NCA-2
高温引張試験結果(0.2%耐力)
18Cr-3Al-Ti
〜耐高温酸化用フェライト系ステンレス鋼
12.5Cr-1Al-1.5Si-Ti
〜同上(NCA-1よりも特性は1ランク下)
主な用途 ストーブ、
バーナー等の燃焼機器、
面状発熱体、抵抗体、燃焼筒
添 加により、耐 高
温酸化性に優れる。
■ 加熱・冷却を繰り
返してもスケール
剥離が少ない。
■ 高温強度は低く、
強い力の加わらな
い箇所に適用。
600
:NCA-1
:SUS430
:SUS304
500
■ Al、あるいはSiの
20
酸化増量(mg/cm2)
・エキゾーストマニホールドの
…… 950℃
エンジン付近
NSS HR-1
大気中連続酸化試験結果(大気中、200h)
自動車排ガス処理用機器への適用部位
<高温酸化>
・赤くなったストーブの燃焼筒 …… 800℃
NSS 409M1
5
温度(℃)
一般に高温環境下では金属の組織や粒子が変
化し、強度が低下します。
「0.2%耐力」は、試
験片を引張って、長さが0.2%伸びたときにか
かった力、
「引張強さ」は試験片が切れるまで
引っ張ったときにかかった力の最大値で、いず
れも大きいほうが強い材料です。
【参 考】
10
0
<高温強度>
高温環境下で金属と酸素の結合が進み、酸化物
ができてもろくなる現象。できた酸化物はもと
の金属よりも重いため、酸化の度合いを「酸化
増量」として測定できます。ステンレス、
中でも「耐
熱性に優れたDNA-SUS」が酸化に強いのは、
安定で緻密なスケールに守られているからです。
酸化が
進む
15
サブマフラー
フロントパイプ
金属は高温環境下にさらされると、①強
度低下、②高温酸化という現象が発生し、
機能が低下します。
マフラー
20
SUS321
15
SUS302B
SUS316
10
SUS309S
5
1000
SUS310S
NCA-1
1100
1200
1300
温度(℃)
高温酸化挙動(空気中連続加熱、50h)
引張強さ
(N/mm2)
Dynamic
Nisshin
Advanced
Strategic
Unique
Stainless
■ オーステナイト系耐熱鋼。フェライト系に比べ、高温強度、高温高サイクル疲労特性に優れる。
■ 溶接加工性が良好。
酸化増量(mg/cm2)
★DNA SUSとは…
耐
熱
性
に
優
れ
る
400
300
200
100
0
高温環境で
強度に差が
ある
常温
400
500
600
700
800
温度(℃)
高温短時間引張試験結果
耐
熱
性
に
優
れ
る