平成 17 年度 国立日高少年自然の家調査研究事業報告書 北海道教育大学 子どもの基本的生活習慣に関する調査研究 夢の冒険大陸「自然塾」の実践に着目して 平成 18 年 3 月 国立日高少年自然の家 調査研究事業共同研究者 城後 豊 (北海道教育大学) 小山 忠弘 (札幌国際大学) 大西 祥子 (北海道工業大学) 杉山 健 (日高少年自然の家) 長谷川 孝 (日高少年自然の家) 二階堂 洋子(日高少年自然の家) 城後 豊 Ⅰ 研究計画の概要 1. はじめに 国立日高少年自然の家では,「子どもの基本的生活習慣の実態」を明らかにする取組を 展開している。この取組では,主催事業をとおし,集団生活や自然体験活動が基本的な 生活習慣を身に付けるために有効であることを検証している。 基本的生活習慣については,中央教育審議会への文部科学大臣諮問理由の中で,青少 年の意欲を高めるための方策として,体験活動をとおして徹底することを説明している。 また,「子ども白書“戦後 60 年・日本の子どもたちの今”」 (2005 日本の子どもを守る 会)には,命と健康の視点から実態について報告している。これら今日的な課題として, 独立行政法人国立少年自然の家では,中期目標の前文に「基本的な生活習慣を身に付け る」ことを掲げている。 そこで,本調査研究では,子どもたちを取り巻く生活環境の実態を把握し,主催事業 『夢の冒険大陸「自然塾」』参加者の基本的生活習慣の実態と変容について若干の分析を 行ったので報告する。 2. 調査の内容 体験学習では,モノ・コト・ヒトの内容から心身の健康が育まれ,各カテゴリーの相 互補完により効果を生むことができる。 「児童生徒の心と健康と生活習慣に関する調査報 告書」(平成 14 年 3 月文部科学省)では,「食生活」「家族の役割」「運動習慣」「休養・ 睡眠習慣」により健康状況を調査している。また,モノグラフ・小学生ナウでは 40 項目 からなる詳細な設問(挨拶・衛生・身だしなみ・規則性・礼儀・きまり・リズム・学習・ 健康・安全・自立・社会性・整頓)について調査し,報告をしている。 本調査研究事業では,先行的なこれらの調査資料を参考に,次の 4 つのカテゴリーか ら 50 の質問紙を作成した。 (1) 健 康:健康な体をつくること (2) 規則性:規則正しい生活 (3) 社会性:人と交わること (4) 公共性:ものを大切にすること 調査内容は,これら 4 つのカテゴリーの設問紙を用い,主催事業『夢の冒険大陸「自 然塾」』に参加した子どもたちの生活習慣に関する調査を行い,心身の健康を育成する効 果的なプログラムとその指導法について分析を行った。 3. 調査分析の方法 『夢の冒険大陸「自然塾」』の参加者を対象に,春夏秋冬の各プログラムの終了直後に 質問紙法による 4 段階等尺度評価法(4∼1 点)により実施した。分析は,全プログラム 継続して参加した18名について集計し, ヒューリンクス社製の多変量解析ソフト Stat View 4.0 for Windows により結果を求め,多変量解析法を用いて分析した。 5
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