野菜と花の コンパニオンプランツを 19 楽しむ 農薬を 使わない 第 木原記念横浜生命科学振興財団 理事 木原 回 ゆり子 おしゃれなイタリアンレストランの店先のように、 個人の住宅でもオリーブの木が大きなテラコッタの鉢 ローレル)とナスターチュームを並べました。 月桂樹はオリーブと同じ地中海沿岸原産で、地植え に植えられたり、庭のシンボルツリーになっているの では高木になりますが、鉢で小さく育てることもでき を見かけます。流行の南ヨーロッパ調の外観の家に、 地中海沿岸育ちのオリーブの持つ雰囲気がよくマッチ ます。常緑で革質の葉がよく茂るので、一鉢あるとい つでも料理に使えて便利です。料理用のドライベイリ するからなのでしょう。 今回は、葉表のやわらかな緑色と葉裏の白さが特徴 ーフは、風通しのよい日陰に葉を広げて十分乾燥させ て作ります。自家製ならではの葉の緑と香りの高さを 的なオリーブの株元に、ワイルドストロベリーとチャ イブを植えました。この組み合わせは相性がよく、ワ イルドストロベリーは四季を通してほぼ休みなく花を 咲かせ、実をつけます。鉢の背後には、土壌障害や防 虫効果があるネギ類のチャイブを入れました。 イチゴのコンパニオンプランツといえば、春から夏 満喫することができます。 はボリジ、カモミール、ネギ類のトリオが定番ですが、 今回はボリジやカモミールがない季節でも栽培できる 組み合わせです。傍らには月桂樹(英名ベイ、または 栽培のポイント イチゴは決まった方向に実をつけるので、定植する 時は古いランナー軸を鉢の内側に向けましょう。花房 は逆方向に出てくるので、昆虫も花を見つけやすく、 実は揃って外側につきます。オリーブ、月桂樹は、寒 い地方では室内で冬越しさせましょう。 2005. 10. 園芸新知識 39 エンドウには若い莢を利用するサヤエンドウ、若い マメを利用する実エンドウ(グリーンピース) 、莢とマ ペチュニアは、アメリカではマメの葉を食べるテン トウムシ科の害虫防除のために利用されていますが、 メを一緒に利用するスナップエンドウの3種類があり この虫はメキシコからアメリカに移入したもので、幸 ます。 今回の栽培例は、秋に同じ鉢に場所を決めてサヤエ い日本には生息していません。私のささやかな経験で は、ペチュニアとマメ類の組み合わせは、マメの葉の ンドウとスイートピーのタネをまき、春になってから ペチュニアを仲間入りさせたものです。傾斜した開口 表面に白線で絵を描いたような痕跡を残すハモグリバ エ(通称エカキムシ)の被害が少なくなるようです。 部がユニークな鉢の形を生かして、縁高の部分に支柱 を立ててサヤエンドウを登らせ、スイートピーは矮性 種を選んで鉢の前面に垂らしました。 ペチュニアは、同じ鉢にタネをまいてもよい寄せ植 えにならないので、ポットで育てたものを花が咲いて から、そのまま予定しておいた中間のスペースに入れ 栽培のポイント ています。また、寄せ植えの鉢の傍らにも、ペチュニ アと周りの植物に活力を与えるといわれるカモミール を添えました。 40 2005. 10. 園芸新知識 マメ科の植物は、根粒菌の作用でチッソを作るので、 チッソ分の少ない肥料で育てます。エンドウの芽出し のころは早めに支柱を立て、鳥害予防にネットをかけ ましょう。マメ類は多肥、多潅水を嫌い、ペチュニア も湿潤を嫌うので、水やりの回数は控えめにします。
© Copyright 2024 Paperzz