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矢作先生にインタビューさせていただきました。
『StarPeople』Vol. 45
(2013 年 5 月 31 日発行)
理想的な生き方とは、愛と調和と足るを知ること
現代の医師としては異色な、あの世や見えない世界まで視野に入れた提言をしている矢作直樹医師。救急医療の現場で活躍をしながら、終末
期医療や臨死体験、降霊、生き方に対しても言及することが多く、人々の意識変革の一翼を担っている。その矢作氏が、この春新刊を上梓。
この本のことも含め、話を聞いた。
死とは、がんばれば
誰でももらえる勲章
――3月に『
「あの世」と「この世」をつなぐお別れの作法』という本を出されましたね。
私が医療の現場に出た 30 数年前と違って、核家族化が進み、病院で亡くなる比率が高まって、他者の死が生活から縁遠くなってきました。
そんななかで、病院に来たら死なないと思われる方が多くなり、近親者が亡くなると、われわれの親世代だったら考えられないような嘆き悲
しみをする方、近親者の死を受容できない方がずいぶん増えたのです。そこで、悲しみが少しでも和らぐようにと、この本を書きました。
死とは何かというと、単純に次元移転だと言えます。目に見えている肉体を失い、次元が上がるだけなんです。少なくとも次元が上になる
ほど、間違いなくいいと思います。私の両親のような普通の人間が行くレベルでも、格段にいいみたいですから、どうかご心配なく。
死に対する恐怖には2つあると思います。ひとつは未知の世界に対する恐怖。もうひとつは、死のプロセスで苦痛があるのではないかとい
う恐怖です。重要なのは、心のもちようがすごく大きいということ。死に対してネガティブな感覚をもっていると、亡くなったあともそれを
引きずってしまうようですね。死とは、キリスト教で言うところのゴッド(愛)や仏教の慈悲、そういう世界に戻っていくという理解でいい
と思います。唯物論の共産主義社会では「神はいない」と言いますが、そうなると本当の意味での愛がないとも言え、大変なことですね。
新約聖書のなかで、イエス・キリストが“第2の死”と表現しているところがあるのですが、ご存知でしょうか。本来エネルギー体としての
意識は、行き着くところはひとつです。個としての部分は、本来、次元が上がれば全部つながるはずなのですが、驚くべきことに、21 世紀
になってから、消される魂も出てきたんです。“第2の死”とはそのことを言っています。この世界は、エンジェルとルシファーの二項対立で
見せている、代理戦争のようなものです。善悪というのは、本当はありません。二項対立は、真理を学ばせるための神の方便でしかないと思
いますが、ただやりすぎてはいけない、ということでしょう。
――死に対する心構えとして、逝く人にも残る人にも、お別れの作法があったほうがいいわけですね。
お別れに際して、死ぬプロセスとしての終末期医療の問題と、財産分与や葬式をどうするかといった整理の問題、この2つの側面があると
思います。私は医療従事者の立場から、終末期のほうに重点をおいて本を書いています。というのも、終末期医療のときに、判断がスムーズ
にいかない場合があるんですね。ご本人がリビング・ウィル(生前の意思)を残しておらず、ご家族も昔と違ってまとまりが悪いので、責任
の所在がはっきりせず、意志決定ができないことが多いものですから。
戦前の人たちは、生活規範として、武士道精神のような、何が起きても慌てない心得というものがあったと思います。私の親の世代は、死
の場面で、いまのテレビドラマのような湿っぽい感覚はありませんでした。冠婚葬祭でしか親族で会えないから、話が盛り上がったりしてい
ましたが、いまはだいぶ違います。やはり修羅場になってから何かするのではなく、日々の生活での道徳教育も含めて、普段の生活における
教えが必要です。
死はめでたいゴールです。マラソンのときにゴールがなかったら、走り続けることができますか? 一生走っていろ、と言われたらつらい
ですよね。死はがんばれば誰でももらえる勲章みたいなものですから、それよりもどう生きるかという話をしないといけません。
理想的な生き方は、内なる声を聞いて、愛、調和、感謝、自利利他と、足るを知ること。ほかには難しいことは必要ないと思います。
われわれが生きている目的は
意識の進化をするため
――先生はヒーリングもなさるとのことですが、大学生の時に登山で滑落して死とすれすれのところに行ったから、霊的なものとつながりや
すくなったのでしょうか。
1回目の墜落が昭和 54 年3月 25 日なんですが、臨死体験したあと、そういうふうになる人がときどきいますね。ダニオン・ブリンクリ
ーさんは、心肺停止になったあと、透視や予知ができるようになりましたよね。
肉体のチャクラに対して、見えない身体のチャクラのことを霊的チャクラと言います。それが開いているかどうかを、私は目で見るのでは
なく感覚で知ります。たとえば人に会ったとき、その魂がどの次元から来たのか、ある程度わかります。そういったことを、自動書記ができ
る友人にチェックしてもらっています。量子力学の科学者は7番のチャクラ、芸術家は3番のチャクラが開いている傾向がありますね。私が
スピリチュアルヒーリングをする場合、3番、4番、6番のチャクラが影響します。
どうして霊能力のようなものがあるかというと、守護霊団の質や量が格段に違うんです。それが差になって出てきます。ですから、霊能力
と言った場合、実は個体の能力ではなく、守護霊団の能力なんです。その有名な人はイエス・キリストやお釈迦さまです。いまは有名人では
ありませんが、転生しています。
――霊的チャクラを開発する方法はあるのでしょうか。
アボリジニの人たちは、いまでもテレパシーを使うのだそうです。お祭りなどの特別なとき以外は、言葉が必要ないらしい。テレパシーを
使えるには条件があって、嘘をつかないことと利己心をなくすことだそうですから、文明人には難しいかもしれません。でも、心をきれいに
して、日々の生活を良心的に生きるということでいいのではないでしょうか。そのときに重要なのは、この世界の仕組みを知ることです。つ
まり、われわれがなぜ生きているかというと、意識の進化をするためです。そういうことを意識していないと、霊的チャクラは絶対開かない
んですよ。
この世界に多くの人々がいるのは、神さまもそれが必要だと思って、そういうスタイルで修行させているわけです。一足飛びに高いところ
を狙うことは、考えないほうがいいと思います。あの世に行った人が言うことのひとつに、「この世はいろいろな次元の人がいるから、競争
意識とか利己的な感覚をもつけれど、あの世に戻ると、おのおのの次元に戻ってしまうので、よくも悪くもみんないい人になってしまう」と。
だから、もっと高い次元があると知っていても、いい意味で嫉妬したりしないらしいです。不思議ですよね。ですから、この肉体が競争意識
や利己心を起こさせる、非常によくできた修行の道具なんでしょうね。
【プロフィール】
矢作直樹
Naoki Yahagi
1981 年、金沢大学医学部卒業。その後、麻酔科を皮切りに、救急・集中治療、外科、内科、手術部などを経験。1999 年、東京大学大学院新
領域創成科学研究科環境学専攻および工学部精密機械工学科教授。2001 年より東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授および医学部
付属病院救急部・集中治療部部長。現在に至る。著書に『人は死なない』
(バジリコ)がある。