Corporate Profile / CSR Report 2014-2015 会 社 案 内 CSR レポート あなたのカーライフを 豊 かにする 企 業 を 目 指 して 2 014 -2 015 企 業 理 念 アルパインは、 人々の心を大切にし、 仕事の質を高め、 アルパインは企業としての価値観を社員全員が共有しながら、 トップメッセージ ― ――――――――――――――――――――― P4 1「個性の尊重」 アルパインは社員一人一人の誇りと情熱を大切にし、 人を育て、 人を活かし、 相互信頼の絆を築きます。 アルパインは時代をリードする先進技術に挑戦し、 人々に喜びをもたらす新しい価値を創造します。 3「社会への貢献」 企業が永続していくための 不変の価値 アルパインは品位ある製品の提供を通じ、 明日の豊かな社会作りに貢献します。 到達すべき 目標/姿 企業ビジョン 行 市場環境 変化 経営戦略/ 計画・目標 目標と実績 の比較 日常行動 VISION2020 ビジョンステートメント 動 中期経営計画/ 事業予算 指 針 経営管理/マネジメント アルパインは、 あなたのカーライフを豊かにする 社員全員が共有する 行動基準 モービルメディア・イノベーションカンパニーを目指します。 日常業務 行動指針 創造・情熱・挑戦 私たちは、 新たな価値の創造・ものづくりに 日常業務 商品紹介 ――――――――――――――――――――――――――――― P6 会社概要/財務ハイライト ――――――――――――――― P8 2「価値の創造」 アルパインにおける マネジメントフレーム 企業理念 C O N T E N T S 活力に溢れた魅力ある企業を目指します。 人と組織の力で目標と夢の達成に挑戦します。 情熱を持って果敢に挑戦しつづけます。 企業ビジョン VISION2020 ― ――――――――――――― P10 アルパインのCSR ― ――――――――――――――――――― P12 特集1 ~新しい技術でより豊かな社会へ~ ― ―――― P14 特集 2 ~次世代の成長を支える~ ― ―――――――――― P16 アルパインの事業活動 ― ―――――――――――――――― P18 マーケティング ――――――――――――――――――――――― P19 研究開発 ――――――――――――――――――――――――――― P20 資材調達 ――――――――――――――――――――――――――― P22 生産 ― ――――――――――――――――――――――――――――― P23 サプライチェーン ― ―――――――――――――――――――― P24 品質 ― ――――――――――――――――――――――――――――― P25 CSR 活動ハイライト2013 ―――――――――――――― P26 コーポレートガバナンス ―――――――――――――――― P30 ISO26000とアルパイン ― ――――――――――――――――――― P31 経営管理/マネジメント 針 コーポレートロゴ 変化 市場環境 事 業 予 算コーポレートメッセージ 指 中期経営計画/ 動 行 企業ビジョン 企業理念 編集方針 この冊子は、 アルパインの事業をステー 対象範囲 ● 対象範囲:連結 35 社 ただくために作成しました。Corporate 参考としている ガイドライン ● 環境省 「環境報告書ガイドライン 2012 年度版」 ● GRI「サスティナビリティ・レポーティング・ガイドライン第 3 版」 ● 国際標準化機構 「 ISO26000 」 Profile ( 会社案内) とCSR (企業の社会 本報告書 基本的な管理体制と 2013 年度の新しい取り組みを中心に紹介しています。 的責任)Reportをひとつにし、 事業活動 ホームページ 本報告書の内容を含む、 活動全体の情報を公開しています。 Web サイト CSR /環境 http://www.alpine.com/j/csr/ を通じた、 人や社会、 地球環境との関わ 関連するレポート りを紹介しています。 次回発行予定 クホルダーの皆様により深く理解してい アルパインの事業、CSR に関する情報は、 本冊子と Web でご紹介しています。 2 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 CSR 情報について ● 対象期間: 2013 年 4 月1日~ 2014 年 3 月31日 「アニュアル・レポート」 にて、 詳しい財務情報を開示しています。 2015 年 6 月を予定しています。 (注意)本冊子には、当社グループの過去と現在の事実だけでなく、発行日時点における計画や見通し、経営計画・経営方針に基づいた予 測が含まれています。これらは、現時点で入手できた情報に基づいた仮定ないし判断であり、世界経済の動向、地球環境の変化などに 影響を受けるため実際とは異なる可能性があります。 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 3 トップメッセージ Top Message ト ッ プ メ ッ セ ー ジ 「 革 新 」を 創 造 する 企 業 として 持 続 的 なモビリティ社 会 に 貢 献 する 。 代表取締役社長 変化する世の中で、自らも進化する 社員一人ひとりが CSR の主役になる サービスの創出を目指しており、自動車メーカーをはじ るため、 新たに定義し、 既存のオーディオ・ビジュアル・ナ め、カーエレクトロニクス分野の様々な企業・団体の皆 ビゲーション・コミュニケーション・ドライブアシスト領 近年、アルパインを取り巻く事業環境は、劇的な変化 様と共に、 ITS (高度道路交通システム)や自動運転など 域を深耕しながら、より高度な HMI (ヒューマンマシン 企業には今、社会や地球環境への責任を果たすだけで を続けています。スマートフォンやクラウド技術を利用 に関わる先進技術の開発に積極的に取り組んでいます。 インターフェース) や運転支援の領域へ踏み出します。 なく、自社を取り巻くすべてのステークホルダーと一体 この VISION2020 の基盤には、経営活動において人 となって、持続的な社会のための新しい価値を生み出す を軸とするアルパインの思想があります。策定にあたっ 存在となることが期待されています。 ては、次世代を担う国内外の幹部・中堅社員が中心とな アルパインは以前から、CSR 活動を 「企業理念―個性 した新しい IT サービスの急速な普及が、人とエンター テイメントの関係を大きく変貌させています。そうし 社会にイノベーションをもたらす企業へ た中でアルパインは、お客様の多様なカーライフをとら えながら、世界各地の市場において差別化された製品・ とどまることを知らない技術革新によって「人と自動 り、 「 事業」 「 商品・技術」 「 組織・構造」の面から、アルパイ の尊重、価値の創造、社会への貢献―を具現化する経営 サービスの提供に努めています。北米・欧州においては、 車のつながり」が新たな次元へと進化を遂げつつある中 ンがどのような企業として持続的な成長を目指すか検 活動そのもの」と位置づけて、日々の事業活動による社 最新技術をいち早く取り入れながら車載機器・システム で、このたびアルパインは、 2020 年をターゲットとした 討を重ねました。また VISION2020 の推進においても 会価値の創造を志向してきました。今後も、社員一人ひ への高付加価値化・複合化ニーズに対応しています。一 企業ビジョン『 VISION2020 』を策定しました。 人材が軸となります。人材すなわち社員全員が、3 つの C とりがそれぞれの日常業務を通して、アルパインの CSR 方、成長著しい中国や新興市場においてはマーケティン VISION2020 では、2020 年のアルパインの姿を 「あ ( Connect, Change, Cost )をポリシーとすることで、 グ活動、サービス体制の充実に力を注ぎ、アルパインブ なたのカーライフを豊かにするモービルメディア・イノ VISION2020 が着実に達成に向かいます。人と人、技術 事業所を構える福島県いわき市をはじめとする各地 ランドの訴求を進めています。そして日本では、個人に ベーションカンパニーを目指します」と定めています。 と技術など、様々な連携を示す Connect、変化へ対応し の地域社会、そしてお客様、サプライヤー、株主・投資家 最適化した製品づくりを打ち出し、より高い顧客満足の これは、 「お客様の課題を解決するだけでなく、これから 自らも変化する Change、有効な投資で競争力を強化す といった皆様との結びつきを大切にしながら、また協業 獲得をはかっています。 の自動車社会やカーライフに向けた「革新」を創造する る Cost。これら 3 つの C を掲げながら、アルパインは皆 をするパートナーの皆様とお互いを磨きながら、アルパ また現在、アルパインでは 「コア技術の深化」や 「固有 企業になる」というアルパインのメッセージです。 様にイノベーションを提供する企業として成長してい インは世界中の人と地球環境にとって豊かなカーライ 技術の拡大」による次世代のカーライフを支える製品・ 事業領域についても、市場・経済などの変化に対応す きます。 フを切り拓いていきます。 を実践していきます。 2014 年 6 月 4 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 5 商品紹介 Products 品 安 全 で 楽しいカーライフを 提 供 する 。 商 N avigation ニーズをとらえて、市 場 に先 駆 けて カーナビ 紹 X009【北米】 BIG X【日本】 介 「特定の車種へのパーフェクトフィット」 を Audio・Visual・Navigation・Communication・Drive Assist の コンセプトとした 「車種専用」 市場を初めて 事業領域から、 多彩な機器 ・システムを発信しています。 開拓しました。業界最大サイズのモニター で展開し、 大きな支持を獲得。2013年から は、 海外でも提供を開始しています。 スマートフォンアプリ AV ヘッドユニット TuneIt IVE-W555BT IVE-W585BT IVE-W554EBT 【北米・欧州・アジア】 【北米・欧州・アジア】 的カスタマイズサウンドと高画質画面で。 一台で、 最高の音楽・映像体験を提供します。 BIG X C ommunication V isual DVDもiPhone/iPodも、 アルパインの本格 X009 アルパインのスマートフォンアプリ 「 TuneIt 」 リアビジョン とリンクし、 クラウドを使った様々な PCX-R3500B【日本】 サービスを受けることができます。 地デジやDVDを、後席からも色鮮やかな 10.2インチ大画面で楽しめます。車室内の 空気をきれいする業界初のプラズマクラ スター搭載製品です。 D rive Assist マルチビューカメラ A udio HCE-C212FD【日本】 前方視野を確保するフロントカメラ・サイド カメラと後方死角を表示するリアカメラを組 み合わせることで、 マルチビューを実現。安全 な運転やスムーズな駐車をアシストします。 スピーカー アンプ DDL-R170S【日本】 PDR-M65【北米・欧州・アジア】 アーティストの息遣いまで伝わるベス 優れたダンピングファクター(パワー トヴォーカルスピーカー。部品、 素材の アンプのスピーカーに対する制動力) 一つ一つにこだわり、 スピーカーの で引き締まった低音を 基本性能を徹底 実現する最新のデジ 追求しています。 タルアンプです。 S y s t e m S o l u t i o n アルパインは、 機器同士をリンクさせドライブの楽しさを広げます。たとえば、 カー ナビと後席向けのモニターを連携させ、 「後席からカーナビを操作する」 「前席で音 楽、 後席でDVDを個別に再生する」 といった使い方を可能にしています。 6 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 7 会社概要/財務ハイライト Profile / Financial Highlight 会 社 概 要 / 財 務 ハ イ ラ イ ト 地 域売上げ 状 況 仕向け別売上げ 状 況 (億円) 販 売・生 産・開 発 のグローバルネットワークを 基 盤 に 1400 1,209 1200 企 業 価 値 の 最 大化 に 取り組 みます。 1000 音響機器事業 928 25% 800 600 情報・通信機器事業 430 400 75% 291 200 0 米州 欧州 アジア他 日本 主要財務データ S S D S S D S S S S S D D H S S M S H S D H S S S S H M S M M S S H 2,858 3000 2500 S 2000 S M 売上高 (連結) (億円) S S 2,012 2,290 2,223 60 1000 40 500 20 0 0 11/3 H 統括拠点( Headquarters ) 25 S 販売拠点( Sales Base ) 20 M 生産拠点( Manufacturing Base ) D 開発拠点( Development Base ) 12/3 111 98 80 1500 13/3 14/3 (年/月) 配当金 (円) 30 S 120 100 1,685 10/3 営業利益 (連結) (億円) 56 23 2 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 (年/月) 自己資本比率 (%) 70 25 20 20 20 62.7 63.7 10/3 11/3 64.9 65.1 60.4 60 15 50 10 5 0 0 10/3 アルパイン株式会社 設立年月日 1967 年 5 月 10 日 社員数 259 億 2,059 万円 東 京:〒 141-8501 東京都品川区西五反田 1-1-8 本社 所在地 株式上場 東京証券取引所市場第一部 発行済株式総数 8 160,000,000 株 69,784,501 株 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 12/3 13/3 14/3 (年/月) 12/3 13/3 14/3 (年/月) いわき:〒 970-1192 福島県いわき市好間工業団地 20-1 従業員 グローバル分布 11,608 アジア ヨーロッパ 10000 アメリカ 12% FAX:0246( 36 )6898 3% 中国 43% 12% 日本 30% 8000 代表取締役社長 宇佐美 徹 常務取締役 常務取締役 森岡 洋史 甲斐 政志 6000 常務取締役 梶原 仁 取締役 取締役 取締役 片岡 政隆 遠藤 浩一 田口 周二 社外監査役 柳田 直樹 0 役員 会社が発行する 株式の総数 10,913 10,835 11,058 11,107 (連結ベース 35 社合計:2014 年 3 月 31 日現在) 車載音響機器事業、車載情報通信機器事業 従業員数推移(連結) (人) 12000 FAX:03( 3494 )1109 電話:0246( 36 )4111(代表) 11,608 名 事業内容 11/3 従 業員関連データ 電話:03( 3494 )1101(代表) 資本金 0 社外取締役 長谷川 聡子 取締役 小林 俊則 取締役 水野 直樹 取締役 池内 康博 常勤監査役 飛田 勝美 社外監査役 小島 秀雄 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 (年/月) アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 9 企業ビジョン VISION2020 Corporate Vision -VISION2020企 業 ビ ジ ョン V I S I O N 2 0 2 0 アルパインが 2020 年をターゲットに描く企業ビジョンです。 激しい環境変化の中で着実な成長戦略を描くために、目指す方向 性、新たな事業領域、ビジネスコンセプトの策定を行いました。 事業領域 アルパインは 2005 年より、事業領域を AVNCD (オーディオ・ビジュアルを中 心としたエンターテイメント領域、 ナビ ゲーション・コミュニケーションを中心 としたテレマティクス領域、 ドライブア シスト領域)と定義しています。2014 年 3 月に策定した企業ビジョンでは、 AVNCD を進化させ、車室内と外部を結 ビジョンステートメント ぶ 「クラウド」 、 未来のクルマづくりの高 度なニーズに応える 「統合コックピッ ト」 へと対象を広げています。 アルパインは、 あなたのカーライフを豊かにする モービルメディア・イノベーションカンパニーを目指します。 ビジネスモデル コーポレートメッセージ ビジネス規模 の拡大 アルパインの事業は、 世界の自動車メー 新製品展開 カーからの高度な要求に、多彩な機器・ システム提案で応える 「 OEM ビジネス」 と、 ドライバーの皆様に顧客価値の徹底 追求からうまれたアルパインブランド 受注 自動車メーカー様向け OEM 製品 開発サイクル 新技術 先行導入 市販製品 開発サイクル アルパインが市販製品 市場の創造 で具現化した先進技術、 あるいは創出した価値を OEM製品へ。OEM製品 を提供する 「市販ビジネス」を 2 つの軸 で培った品質、信頼性を としています。 市販製品へ。OEMビジ 共同 ワークショップ OEMへ 先行提案 ネスと市販ビジネスの相 乗効果が、 ブランド価値 の向上と事業拡大を加 速させます。 10 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 11 アルパインのCSR Alpine CSR を検証するために国際標準規格 ISO26000 を手引きと 企業の価値を 企 業 理 念 を 具 現 化 する し、アルパイン独自の CSR ガイドラインを策定してい ます。CSR 委員会と CSR ガイドラインによって、アル 両立するために 事 業 活 動 そのものです。 パインは経営活動、社員の日常業務を通じた CSR 活動 のサポート体制を構築しています。 アルパインは、CSR 活動を『「企業理念」を具現化する ための経営活動そのもの』と位置づけています。アルパ インが永続していくための不変の価値である 「企業理 アルパインの CSR 活動の位置づけ 念」 、それを実現するために目指すべき姿 「企業ビジョ ン」を全社員で共有。一人一人が、それぞれの日常業務 アルパインの企業価値と社会価値を両立する CSV ( Creating Shared Value:共有価値の創造) が日常業務の中で推進され、 CSR ガイドライ ンを基軸とした CSR 委員会が活動の達成をサポートします。 企業理念 CSR ガイドライン 達成 中期経営計画/ 事業予算 CSV 経営管理/マネジメント 活動 サポート 行 動 的な価値と、アルパインとしての企業価値の両立、CSV 変化の激しい時代においては、社員が目標を明確化し 共有することこそが、社会的責任を果たすと同時に企業 としての成長を達成していく基盤になると確信してい ます。 引き続き、 アルパインは 「企業理 念」と一体となったCSR 活動 の継続的なレベルアップに 取り組んでいきます。 アルパインでは、全グループの CSR 活動を支えるマ ネジメント体制の中心として 「 CSR 委員会」を設置して CSR 委員会 います。8 つの部会で構成された CSR 委員会は、各専門 分野においてステークホルダーの皆様からの要求や社 会問題にどう答えていくかを議論し、取り組み方針を打 指 針 日常業務 においてステークホルダーの皆様と関りあう中で、社会 ( Creating Shared Value ) への進化を目指します。 企業ビジョン ア ル パ イ ン の C S R アルパインの C S R 活 動 は 、 ます。そこで、グローバルな視野から自社の CSR 活動 社会的な価値と ち出すことで、 社員個人の判断や行動を導きます。 CSR委員長 常務取締役 甲斐 政志 また、 15 ヶ国に 42 拠点を展開するアルパインの CSR 活動は、歴史や文化、価値観などの違いを越えて行われ アルパイン CSR ガイドライン CSR 推進体制図 内部統制部会 コミュニティ参画 人権 ALPSグループ CSR関連部署 全体原則 消費者課題 企業統治 公正な事業慣行 情報管理部会 連携 ・説明責任 ・透明性 ・倫理的な行動 ・ステークホルダーの利害の尊重 ・法の支配の尊重 ・国際規範の尊重 ・人権の尊重 RC部会 労働環境・社会部会 労働慣行 CSR委員会 リスクマネジメント部会 CSR推進 事務局 環境管理部会 サプライチェーン部会 環境 消費者部会 ISO26000 が定める事項を網羅する、各部会によって構成されていま グループとしての方針の明確化とグローバルステークホルダーからの 12 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 す。部会ごとに年次目標、 アクション計画を策定し、 PDCA サイクルをま 要求に対応するため、企業理念/ ISO26000 をベースに作成した CSR わしています。海外現地法人、 ALPS グループとも連携をとりながらグ 活動の重点課題ごとに 「ありたい姿」 を表した指針です。 ローバルに活動しています。 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 13 特集1 新 しい 技 術 で よ り 豊 か な 社 会へ 1 Feature 特集 新しい技術で より豊かな社会へ 先進 IT企業との協業によるカーライフの革新 アルパインは、 世界をリードする IT 企 の巨大企業や新進のベンチャー企業と 業が集積する米国カリフォルニア州サン 積極的に交流し、車載クラウド領域での ノゼにカーエレクトロニクスメーカーと ビジネス創出やスマートフォンを介した しては最も早く、 アルパイン・シリコンバ サービスの進化、 ウェアラブル端末に代 レーを構えました。スマートフォンやタ 表される新しいデバイスへの対応などを ブレット型端末、クラウドサービス分野 テーマに、 様々な活動を行っています。 最先端のIT領域のリサーチ機能を持つ アルパイン・シリコンバレー クルマ社会が抱える課題を解決する新 たな価値を創造する企業であるために。 ち早くお届けする企業であるために。ア ルパインが様々な皆様と連携しながら進 める研究開発活動を紹介します。 エネルギー問題に車載機器メーカーとして挑む 走行中の人と車載機器の関係を科学的に評価する 「ドライビングシミュレーター」 による実験風景 市場から期待される製品・サービスをい 安全・快適を実現するドライバー心理の研究 車載機器を操作するのは、いうまでも と産学共同で 「ドライブシミュレーター」 なく人です。人が安全・快適に操作でき を使った研究を進めています。走行中の る機器、 あるいは音や映像を通じて感動 様々な状況を再現しながらドライバーの や喜びを提供する機器をつくるには、ク 状態を計測し、 それを分析することで、 革 ルマの中での人の心理に精通する必要 新的なヒューマンマシンインターフェー があります。そこでアルパインでは、 大学 スの開発などに役立てていきます。 多彩な情報を誰もがスムーズに扱えるコックピット アルパインが参加する EV (電気自動車) プロジェクトの新型車 アルパインは EV (電気自 しています。EV ナビは、エコルート案 動車) の普及をテーマとする 内、電気を大量に消費するエアコンの制 株式会社 SIM-Drive の開発 御などにより航続走行距離延長に貢献し プロジェクトに参加。より速 ます。また省スペーススピーカーは、小 くて 燃 費 ( 電 費 ) の 良 い EV 形軽量で低消費電力でありながら、アル を目指した SIM-Drive の新型車に、 「 EV パインならではの上質な音響空間を実現 ナビ」 と 「省スペーススピーカー」 を提供 するものです。 「 技 術 の 価 値 」を「 お 客 様 の 価 値 」に 商品企画部部長 八木 賢 アルパインは、人とクルマをつなぐ 発しています。たとえば、情報を表示す 様々な新技術を取り入れた未来のカー るディスプレーは、 「インテリアと融合す コックピットを提案しています。ドライ るシームレスディスプレー」 になり、 そこ ません。私たちは、 「技術の価値」 はもちろんですが 「お客様の価値」 をより重視します。お客様のユー バーの視線や手の動きをとらえたり、行 に手を近づけると、 「メニューボタンが操 スケース (システムの利用例) の研究やグループインタビューを含めた膨大なユーザーリサーチを徹 動を予測したりすることにより運転をサ 作しやすいように拡大される」 といった 底して行うことで、 お客様の潜在ニーズを超えた商品づくりを目指しています。 ポートする今までにないシステムを開 コックピットの革新を描いています。 アルパインはどこにもない技術をいち早く市場へ、 すなわち業界 No.1の商品に取り組んでいる会 社です。しかし、 業界 No.1の技術・性能であっても、 お客様の心に響かなくては、 まったく意味はあり 次世代の車載機器を組み込んだ 「プレミアムコックピット」 14 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 15 特 集 2 になりたい」といった声が あがりました。 もう一つの学校は、ワッ 次 世 代の 成 長 を 支 える トゴーパイ小学校。こちら も 「女性教員 5 名に対し生 徒 110 名 」と い う、教 師 不 足 で、2 学 年 を 1 ク ラ ス に して授業を行うなど、良い といえない教育環境でし アルパイン製品が搭載された デモカーを体験する子供たち 2 た。また子供たちを取り巻 ケーションが広がってよかった」という く経済環境も厳しく、学費 前向きな声が多数あがりました。アルパ は政府の補助、給食は農家 イン・アジアパシフィックでは今後の継 続的な支援についても検討しています。 からの支援で成り立っていました。そ お菓子を渡して子 供たちとの交流 Feature 特集 次世代の 成長を支える うした状況の中で、毎年洪水に見舞われ るために、水に浸かり錆ついて、壊れか 教材にしているものの、映像を記録する かった遊具が社員たちの目に入りまし 情報機器の不足のため、十分に学習がで た。そこで、新しい遊具の寄付と古い遊 きていませんでした。そこで、データ記 具のペンキの塗り替えを行うことにし 録用のハードディスクドライブ 2 台を ました。子供たちには、 「登校したら新し 寄付し、あわせて、子供たちとの交流会 い遊具があり、夢かと思った」 「古い遊具 も開催しました。アルパインを知って もきれいに色が塗られていて、新しい遊 もらうため、製品を装着したデモカーを 具かと思った」と喜んでもらうことがで 持ち込み、体験してもらうイベントも開 きました。 催しました。子供たちは、 「アルパインと 2つの学校との交流を通して、社員か 言う会社は知らなかったけれど、大きく らは 「自分たちが少しでも役に立つこと なったらこの車 ( デモカー ) のように音 ができ、子供たちがどこかでアルパイン 楽が聞ける車に乗りたい」 「お兄さん、お とつながってくれたら嬉しい」 「 支援自 姉さんたちのように英語が話せるよう 体もさることながら、同僚とのコミュニ 各 アルパインが事業所を展開する中で、地 地 の 次 世 代 支 援 ワットゴーパイ小学校の 子供たちといっしょに 錆びた遊具をペン キ塗りで蘇らせる 活 動 域コミュニティとの様々な関わりが生 まれています。世界各地の社員が主体と なって行われている、未来の主役となる 子供たちやリーダーとなる学生たちとの 交流をピックアップしました。 タイ アユタヤ 16 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 アユタヤ地方の小学生とのふれあい ワッタプー小学校 への教材の寄贈 世界的社会教育団体に参加 無償で運営される児童施設をサポート アメリカでは、多くの社員が YMCA 中国では、労 働組合が 主体となり、 ( Young Men's Christian Association) 恵まれない子どもたちの成長を衣食 アルパイン・アジアパシフィックで あった団体ダルニー奨学金を通して、 2 は、拠点とするタイにおいて、2013 年、 つの学校を選定しました。 地域の小学生への支援活動に積極的に ひとつは、ワッタプー小学校。地理的、 献、 設備の寄付、 チャリティへの参加 す。2013 年も 30 名のメンバーが村 取り組みました。活動の発端は、社内の 気候的な条件により毎年ほぼ 1 ヶ月間 など、長年にわたる取り組みに対し を訪れ、文房具や生活用品を寄付し 小集団活動を通して 「もっと地域との共 は洪水で校舎が水に浸かり、その間、子 て、 2010年 には“Community Partner たほか、施設内の果樹 6 本の購入、収 生を進めていくべきではないか」という 供たちは登校することができないとい Award”を受けています。 穫物の寄付などを行いました。 意見が持ちあがったことでした。 う環境でした。 具体的な活動を検討した社員たちは、 2013 年 7 月、メンバーが学校を訪問 「 2011 年のタイの大洪水で大きな被害 し校長先生と面会したところ、 「 規模が を受けたアユタヤ地方の人たちに支援 の活動に参加しています。YMCAの 住、医療、教育など全面的に支える 会員やリーダーとしての団体への貢 施設 「太陽村」 の運営を支援していま ものづくり体験教室 アルパインマニュファクチャリング 資金の不足する幼稚園に PC を寄贈 ハンガリーでは、子供たちの学習の 小野町工場では、ものづくり企業の 促進を願い、チャリティ組織と協力 小さく、教師の確保が難しい」という問 特徴をいかした地域交流を行ってい して充分な資金のない教育施設への ができないか」と考え、同地域の小学校 題も抱えていることがわかりました。理 ます。2012 年より、 地元の小学校へ 支援を行っています。2013 年 2 月 への寄付活動を行うことにしました。そ 科などの教科の専門教師は不在のため、 の出前授業 「ものづくり体験教室」 を には、 Tabajad にある幼稚園に 10 台 して、奨学金支援を通じてつながりの 大きな学校の授業を映像に撮り、それを 実施しています。2013 年の開催は のノート PCを贈りました。 計 13 回となりました。 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 17 アルパインの 事 業 活 動 アルパインの事業活動 ア ルパ イ ンの 事 業 活 動 マーケティング Marketing マ ー ケ テ ィ ン グ 未来価値を創りだしていく人と技術のネットワーク アルパインは、 世界中に拠点を展開しながらお客様のカーライフ を豊かにする革新的で独創的な製品・サービスの創造を目指して います。事業活動のすべてにおいて、 お客様視点を徹底しながら、 そして地球環境や社会との関わりを重視しながら、 アルパインに しか提供できない価値を追求しています。 マーケ ティン グ 研究開 発 資材調 達 生産 ーン ェ チ ライ プ サ 品質 多様なカーライフをとらえて、 モービルメディア市場を切り拓く。 Marketing 各国のモーターショーに出展 多くの皆様にアルパイン体験を アルパインプレミアムの追求 圧倒的に差別化された価値を創造する アルパインは、 日本、 北米、 欧州、 中国・アジア、 さらに新興国を含め お客様からみたアルパインにしかない魅力を、 「アルパインプレ た世界各国のモーターショーやエレクトロニクス関連の展示会 ミアム」 と名づけ、 その創造に挑戦しています。お客様とそのクル に出展。最新の製品・サービスやアルパインのテクノロジーを体 マ、 そしてカーライフの徹底理解をもとに、 モービルメディアのス 験していただくと同時に、 お客様の生の声を伺える場、 自動車メー ペシャリストの技術を発揮しながら、 独自のバリューやプライス カーの皆様と交流する機会としても活用しています。 を持つ製品・システムを提供していきます。 活動 事例 お客様を知るマーケティングパーソンを育成 クルマやライフスタイルなど、 お客様に精通してこそ、 満足度の高い商品・サービス の提供が可能になります。またビジネスパートナーであるクルマメーカーからも、 お客様を起点とした提案が期待されます。こうした考えのもとアルパインは、 お客 様を知るマーケティングパーソンの育成を目指しています。 18 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 19 研究開発 Research and Development ア ルパ イ ンの 事 業 活 動 Research and Development アルパインの事業活動 研 究 開 人とクルマの関係を革新するために コア技術の進化に挑戦し続ける。 発 高機能であることはもちろん信頼性の高い商品をつくりだすための技術基盤 の強化へ、そして市場をリードする最先端技術のスピーディーな取り込みへ。 アルパインは、 常にコア技術を変化させ、 磨きをかけていきます。 クラウド領域へのアプローチ クルマの中から多彩な情報を活用する クルマの中でもスマートフォンなどから外部 情報を取り込んで活用することが一般的に なっています。アルパインでも 2013 年 4 月、 スマートフォンのアプリを介して、クラウド 上に公開された設定データを入手してカー オーディオのサウンド調整ができる 「 TuneIt (チューンイット) 」 をリリースしています。 TuneItに対応したアルパイン製品 お客様のカーライフや価値観を分析 「車種最適」 「個人最適」 を目指す クルマや個人の特性に焦点をあてた製品開発 に取り組んでいます。ある車種のクルマを購 入するお客様のカーライフや価値観を分析。 クルマの魅力を引き出す専用デザインの大型 ナビやリアビジョンシステムを中心に、 それぞ アルパインのR&D 市場をリードするための技術領域 れのお客様にマッチした楽しい移動空間を提 案しています。 HEADS アルパインは先進的な商品を創出するための技術領域を設定し、 研究開発を進めています。 Human Machine Intereface 人と車載機器の快適なコミュニケーション Evaluation フィールド評価とシミュレーションの融合 Acoustic 車載音響スペシャリスト Digital Media & Mechatronics 市場をリードするメディア/メカニズムオリジナリティ System Integration 20 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 多機能大規模製品 アルパイン製品が導入されたプレミアムカー 特定車種に最適化されたアルパインナビ ・ドライバーフレンドリー ・ビッグデータ活用 ・サーバー連携パーソナルHMI ・車室内高画質表示 ・車載機評価ナレッジ ・Driver Distraction 評価 ・高信頼性シミュレーション ・車載音質の追求 ・音質処理技術 ・多重情報サウンド ・車内外の操作・動作音 ・先端メディアの車載機取り込み ・クラウド車載機連携 ・高品位稼働メカニズム ・コスト追求メカニズム ・安全文化・品質マネジメント進化 ・顧客/市場別高品質要求の実現 ・車載機と車両BUS 取り込み連携 ・車車間通信キャッチアップ 活動 事例 製品のライフサイクル全体での環境負荷低減に取り組む 環境配慮設計の成果を表す指標として、 環境負荷を定量的に評価するLCA (ライフ サイクルアセスメント) を進めています。特に搭載される車の燃費に大きな影響を 与える製品の重量を重視し、 回路や製品構造、 素材や部品の選定に至るまで徹底的 に地球環境に配慮した設計を追求しています。 「ICS-X7」 のライフステージ別CO₂ 排出量(当社調べ) 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 総排出量:64,218(g) 51,396 電力起源 9,517 重量起源 41,879 8,435 3,431 資源部材 製品の の製造 組み立て 947 輸送 使用 9 廃棄 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 21 アルパインの事業活動 アルパインの事業活動 生産 Material Procurement ア ルパ イ ンの 事 業 活 動 資材調達 Manufacturing 資 材 調 達 / 生 産 高品質で環境負荷の低い部品を求めて 世界のサプライヤーと連携。 世界の各地で、環境負荷に配慮しながら 高品質なものづくりを追求。 求められる品質を確保するために。あるいは、従来にない機能を生み出すため アルパインは、日本、北米、欧州、中国、アジアを五極とした生産のグローバル に。またある時は、 もっと環境負荷の低い製品を目指して。部品をはじめとする ネットワークを構築。 「お客様にとっての利便性」 「地球環境への負荷」 などを考慮 資材の調達部門は、 様々な課題に取り組んでいます。 しながら、 様々な製品を、 最も適した拠点で生産しています。 Material Procurement 先行開発の購買活動 最適なクオリティ&コストで新製品を 資材調達のリスク対策 安定した製品提供を約束するために グローバルな生産ネットワーク グループ内の一貫体制 市場に密着したメリットを生かす アルパインらしさを形にする 新たな部品が必要となる、新製品の開発では、部品の調達を担う 部品切れにより生産ラインをストップさせることがないように、 Made In Market を基本方針に、世界各地の市場に密着して、グ アルパインは、製品の信頼性やデザインを担う部材を自らのグ 購買部門と新製品の開発・設計を担う技術部門のメンバーが連携 サプライヤーの皆様と協力しながら、 365 日体制で万が一の災害 ローバルに生産拠点を構えています。これにより、環境変化や需 ループ内で生産することにより、 品質の向上や市場ニーズへの対 し、検討が行われます。製品に求められる機能を確実にしかも効 や事故に備えています。サプライヤーから購買部門への緊急連絡 要動向をタイムリーに反映した製品供給が可能になります。ま 応を実現しています。たとえば製品の顔となるノーズ (外装部分) 率よく実現するために、 お互いの知識をいかしながら、 クオリティ 体制、災害用メールアドレスの設定などに加えて、発生した事態 た、市場の近くでの生産活動は、お客様に届けるための輸送に関 については、 ものづくりの根幹ともいえる金型から手掛けること &コストのバランスがとれた部品を選定します。 へ速やかに対策をとるシステムも整えています。 わる環境負荷、 コストの低減にもつながります。 で、 お客様から求められる質感を緻密につくりだしています。 活動 事例 グリーン 調 達 環境に優しい資材の調達に努める に 2011年度は、 日本自動車部品工業会 ( JAPIA ) が推奨する基準に則り、材料や含 有物質の調査をより詳細に行なっていきます。 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 活動 事例 サプライヤーの企業評価 ・ISO14001認証取得状況 ・環境保全取り組みの内容 サプライヤーとの強力な連携のもと、環境に優しいものづくりを進めています。 2010 年度までにすべてのサプライヤーに ISO14001を取得いただきました。さら 22 Manufacturing サプライヤー 環境に優しい資材 サプライヤーの企業評価 ・使用禁止物質の不使用 ・含有物質情報 アルパイン 全社員が一体となって地球環境に配慮した事業活動を推進 生産を担うグループ会社アルパインプレシジョンでは、全員参加型の活動で地球 環境に配慮した事業活動を目指しています。工場では有害化学物質の削減、 またオ フィスでは業務のペーパーレス化、節電の徹底など、省資源・省エネに努めていま す。その他、 事業所周辺の美化・緑化活動も積極的に行っています。 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 23 アルパインの事業活動 アルパインの事業活動 Quality 「地球環境への配慮」 「顧客課題の解決」 や に 全社をあげて取り組む。 様々な流通店舗や国内外の自動車を通じてエンドユーザーの皆様に届けられる アルパイン製品。自社の生産工場からお客様のもとに至るまでのロジスティク ス、 さらに販売後のサポートについて継続的な改善を図っています。 顧客満足度調査 総合的にサプライチェーンを評価 貿易管理 コンプライアンスを遵守した国際物流 車載環境に特化した評価体制のもと 信頼性の高い製品をお届けする。 走行中の振動や衝撃、 日照や温度変化などの過酷な環境下での安定動作や、 ユーザーの使 Quality いやすさを実現するために、 「総合評価センター」 や 「テストコース」 での実地試験を行い、 そこから得られた貴重なデータと高精度解析を元にした品質評価体制を確立しています。 独自の品質定義 お客様の期待を超える 「魅力品質」 へ 過去の問題を社員で共有 重要品質問題展示室を設置 「品質」 「システムサプライ力」 「ビジネススピード」 「アフターサー 輸出する貨物や海外へ提供される技術については、 DB システム アルパインは、 理想とする製品の品質を 「魅力品質」 と定義してい 過去の品質問題を風化させず、 同じ失敗を繰り返さぬよう問題を ビス」 など、 アルパインは自社のサプライチェーンに関わるあらゆ を活用して法規制への該当/非該当を精確にチェックしていま ます。魅力品質とは、 製品機能の優劣だけで無く、 お客様のカーラ 共有するために、 「重要品質問題展示室」を設置し、 これを活用し る要素について顧客満足度を調査しています。リサーチ結果から す。さらに国内子会社へも、 輸出の際の適正な手続き・運用の指導 イフに期待以上の価値を提供することで、 満足を超えた 「感動」 を た研修が全社員に義務付けられています。そこでは過去の品質問 浮かび上がった課題への対策は、 部門の中期計画へと落とし込ま を徹底するなど、アルパイン・グループを挙げて安全保障貿易管 体験していただける製品が持つ特性です。アルパインは、 魅力品質 題に起因する事故内容やその現物、 ご迷惑をおかけしたお客様の れて、 取り組み状況は、 定期的にチェックされます。 理を踏まえたコンプライアンス体制の確立に取り組んでいます。 を備えた製品でアルパインファンを増やしていきます。 声を展示し、 製品開発やものづくりへの教訓としています。 活動 事例 梱包方法の改善で積載効率を向上させ環境負荷を低減 2013 年は、 OEM向けディスプレイ製品について梱包のコンパクト化により1カー 活動 事例 非破壊検査の導入 品質評価センターに、 高感度赤外線カメラとロックイン技術※を融合した 「非破壊 トンの搭載個数が 5台から12台となり、 輸送1回あたりの積載量を増加することが 検査」 を導入し、 目に見えない領域での不具合を正確・スピーディーに解析し、 品質 できました。こうした梱包の改善は、 「カートンのサイズ変更」 や 「梱包部材の変更」 と 改善へとつなげていく業界トップレベルの検査体制が整えられています。 いった面でお客様にも協力をいただくことで実現しています。 24 Supply Chain サ プ ラ イ チェー ン / 品 質 Supply Chain ア ルパ イ ンの 事 業 活 動 品質 サプライチェーン アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 ※ロックイン技術…ターゲットに微小電圧をパルス状に加えることにより、発熱箇所および発熱源の深さを高解像度で特定することができる技術。 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 25 C S R 活 動 ハ イ ラ イ ト CSR活動ハイライ ト CSR activity highlight 地球環境や社会と共生し、 持続的なモビリティ 社会の実現に貢献する企業を目指して。アル パインは、 CSR 中期計画に基づき、 世界の各地 で様々な活動を行っています。2013 年の主 な動きと継続する取り組みを紹介します。 地 球 環 境 クリーンエネルギーの導入 地域の清掃活動への参加 山中散歩 & ゴミ拾い 地球温暖化の主要因となるCO₂の排出量を削減するため、 ハンガリーでは、 事業所の所在地であるビアトルバージ 中国では、 2010 年より 「自然に愛を表そう」というイベ アルパインは、 電力などのエネルギー使用量を削減すると同 市の春の清掃活動に継続して参加しています。2013 年は、 ントを継続して行っています。 「山道を歩き自然と親しみな 時に、 クリーンエネルギーの積極的な導入をはかっています。 総勢 30 名の従業員が市から要望のあった幹線道路脇の空 がら、 途中で見つかるプラスチックなどのゴミを拾う」 とい 現在、 いわき本社のほか、 アルパイン技研、 アルパインマニュ き地のゴミ拾いを行いました。一時間以上にわたって行わ う活動です。2013 年は 6 月に実施され、 社員とその家族、 ファクチャリング (好間工場) の3つの事業所で太陽光発電 れ、 想定していた以上の量のゴミが集まり、 終了後、 参加者 約 100 名が参加しまし システムを設置し、 使用電力の一部をまかなっています。 たちは充実感と次年度への意欲を口にしていました。 た。その他にも、植樹活 動や桜樹寄付など、 自然 を大切に思う人材の育 成を目指して、 様々な活 動を行っています。 事 業 活 動 の 全 般 において 環 境 保 全 への 取り組 みを 進 めています 。 太陽光パネル (いわき本社) 化学物質に配慮した製品づくり ハンガリーの清掃活動 第3回 「自然に愛を表そう」 環境取り組みに対する自治体からの表彰 欧州をはじめ世界の各地で、 特定の化学物質に関する規 日本では福島県の地球温暖化防止事業 「福島議定書」 で、 制が強化されてきています。製品の生産という面では有用 アルパイン アルパイン技研がオフィス部門で最優秀賞※1、 でも、 環境汚染や人体への影響が懸念される化学物質の使 プレシジョンが製造業部門で最優秀賞を受けました※ 2。 用を削減するため、 アルパインは調達した資材や開発中の 実際の CO₂ 削減効果に加え、社員への啓蒙活動、全社員 製品が含有する化学物質を管理するデータベースを構築、 参加型の省エネ活動といったポイントが評価されました。 運用しています。 ※1 アルパイン技研は 4 年連続の最優秀賞受賞 ※ 2 計 2,030 団体中 小 さなことの 徹 底 を 大 切 にする アルパイン電子 (中国) 有限公司 大連開発センター 製品開発部 穆 乃春( MU NAICHUN ) 将来のために地球環境を守ることは、 今を生き る人々の義務であり、 そのために全ての人が自覚 を持って行動すべきだと考えます。私たち中国の 開発拠点では、紙使用量削減の取り組みや、 ごみ の分別等、 小さなことから徹底することで一人一 人の環境への意識を高めています。そしてこの意 識の高まりが、 環境配慮型製品開発にもつながる 蛍光X線分析装置 26 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 表彰式の様子 と考えています。 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 27 従 業 員 満 足 より信 頼 いただける企 業 を目指して 一 人 ひとりが 輝く職 場 づくりのために 事業継続計画 (Business Continuity Plan) を強化 震災後の安全・安心 グローバル人材育成 ワークライフバランス アルパインでは自社を取り巻くあらゆるリスクを分析 東日本大震災に伴う原発事故の影響が残る福島県にお アルパインでは、 世界中で活躍する人材の育成に力を入 社員の柔軟な働き方の促進を目的として人生の節目と し、 事業の信頼性と継続性の確保に取り組んでいます。 「災 いて、 社員と家族が安心して生活できる環境づくりを継続 れています。 なる出産 ・ 子育て支援、 また今後の需要の高まりが見込ま 害リスク」 「感染リスク」 「事業リスク」 「情報管理」 を対策の しています。安全が目に見える形でわかるように、敷地内 2012 年度から、 主要拠点の人事責任者が一堂に会し、 幹 れる介護支援のため、 産前産後休暇や育児休暇、 介護休暇、 柱に位置付け、問題発生を未然に防止、万が一発生した場 に放射線モニタリングポス 部候補生の 「現地法人人材開発プログラム」 を開始してい 短時間勤務制度を設けています。2012 年度から、家族の 合でも被害を最小限に抑えるよう努めています。 トを 設 置。さらに、バ ス 搭 ます。2013 年度は、 この会議内容に基づいた幹部育成研 看護 ・ 介護、 自己啓発やボランティアなど、 自由に使用可能 いかなる緊急事態においても、 従業員とその家族の安全 載型ホールボディーカウン 修を米国で開催しました。2014 年度はドイツで開催し、 な多目的休暇を時間 を確保し、お客様への影響を最小限に留めるため、環境変 ターを購入し、内部被爆量 今 後 世 界 中の 単位で取得できるよ 化に対応した事業継続計画 (Business Continuity Plan) を 測定を実施しています。測 拠 点 へ 展 開し うに改定し、より柔 ていきます。 策定しています。2013 年度は、東日本大震災の経験を踏 定結果をもとに、放射線を まえ、 IT インフラと施設に関する事業継続計画の拡充を行 専門とする大学教授による いました。 相談会も行っています。 C S R 活 動 ハ イ ラ イ ト リスクマネジメント 軟な制度として運用 しています。 幹部育成研修 アメリカのボランティア活動 (食料支援) 放射線モニタリングポスト お 客 様 満 足 地 貢 献 期 待 を 超 えて 感 動 をお 届 けするために 地 域 コミュニティの 発 展とともに 顧客満足度調査とフォローアップ巡回 チャリティ支援活動 カスタマーサポート業務を担うアルパインカスタマー 修 理 における 最 高 の 満 足 を目 指 す ズサービスでは、 製品修理などでご利用いただいたお客様 の声や、販売店様のご要望に応えようと満足度調査 (年 1 回) を実施。収集した意見の中から、 改善すべきポイントを アルパイン・カスタマーズサービス・アメリカ Direct AFT department, Lead Technician 抽出し、その対策を検討、実行しています。2013 年度は、 Matthew Young いただいた意見を反映し、修理部品の供給スピード向上、 修理品輸送システムの見直し等、 5項目に対して改善を実 施しました。 また、 それら施策の説 明や、 展開後のフォロー アップのため、 販売店様 への巡回訪問を行って、 さらなる改善に結び付 けています。 顧客満足度調査票 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 イギリスでは、これまで多くのチャリティへの寄付を 通じて、地元のスイミングスクールやホスピス、特別支援 学校などを支援してきました。2013 年には、会社が行う 寄付にすべての社員が申し込むことができる仕組みをス タート。対象となるチャリティの決定に社員の意思も反映 されようになり、 より地元のニーズに沿った支援活動へと スイミングスクール との 交 流 アルパイン・UK Project / CAD Design Engineer Nicholas Hook レベルアップしました。 製品の不良によりご迷惑をおかけしてしまっ 長年、 アルパイン・UK は地域コミュニティを寄 たお客様に、できるだけ早く修理済み製品を戻 付という形でサポートしています。寄付先は病 し、 二度と故障が起きないようにすることが私ど 院、 学校、 アルツハイマー患者支援団体等、 多岐に もの仕事です。 わたります。先日は、市のスイミングスクールへ 常に最新の情報・知識・ツールを活用し、 常にお 協賛金を提供しました。アルパインロゴの T シャ 客様の視点に立ち、 「この対応で自分なら満足する ツを着てぐんぐんと力をつけたメンバーたちは、 か?」 ということを自問することで、 修理における 最高の満足を目指しています。 「最高の製品+最高 のサービス=お客様満足」 が私のポリシーです。 28 域 スイミングスクールとの交流 全国大会に出場するまでになりました。自分たち も一緒に戦っているような気分になれ、 私たちに とっても良い経験となりました。 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 29 ISO26000とアルパイン コーポレートガバナンス Corporate Governance お客様や社会から信頼される企業へ。 アルパインはグローバルな視点から CSR 活動の継続的な改善をはかるため、 アルパインは、 法令、 社内規定、 社会規範、 倫理などの遵守を ISO26000 を指針として活用しています。 グループを横断して徹底しています。 2013 年度に新たに実施・拡充した取り組みとISO26000 の関連を紹介します。 コーポレートガバナンス体制 アルパインは、経営上の意思決定、職務執行の監視 ・ 監 査機関として取締役会を設置しています。取締役を機能別 に設置し、 経営責任の所在を明確にすることで適正かつ効 率的に職務執行が行われる体制をとっています。また、ア ルパインは取締役会を監査する機関として監査役会を設 置している監査役設置会社です。経営の健全性を守るため 2013 年度 主な取り組み項目 コーポレートガバナンス体制図(2014 年 6 月現在) 株 主 選解任 監査役会 監査役3名 (社外監査役2名) 総 通報 倫理ホットライン 監督・監査 組織統治 選解任 取締役会 取締役11名 (社外取締役1名) 選解任 人権 業務執行 部門 業務執行 部門 業務執行 部門 労働慣行 リスクマネジメント部会 情報管理部会 社 会 の 一 員として 公 正・適 切な 行 動をとるために 環境管理部会 従業員が守るべき基本ルールを 「 ア ル パ イン 倫 理・法 サプライチェーン部会 令 遵守方 針 」としてまとめて、全 社に展開しています。 人 差別の禁止 物 製品の安全 ※Control Self Assessment 環境 コンプライアンス教育 展開しています。 暴力・暴言・性的嫌がらせ・不当な 2013 年教育実績 差別を行わない 財産 会社財産 会社の財産を私的に使用しない 知的財産権 他社の知的財産を侵害しない 情報 企業秘密 企業秘密の漏洩や私的利用をしない インサイダー取引の 禁止 会社情報の公表前に 取引 公正な取引の推進 贈与と接待 取引先から贈物・接待を受けない 中国 独禁法、汚職腐敗防止法、自動車リコール制度、 契約管理などの教育活動を行いました。 ー 温暖化効果ガスのグローバル目標設定 環境に優しい物流 梱包材・梱包方法と流通ルートの改善 24 グリーン調達の実施 サプライヤーへの環境配慮依頼及び現状調査の実施 22 環境試験室内の外気入替による空調改善 / 排熱利用開始 ー 社有車へのカーボンオフセット制度導入 ー 世界各地における植樹活動の拡充 ー 従業員参加型の環境活動拡大と、 コンプライアンス教育の徹底 27 国内外主要拠点における地域特性に応じた 30 コンプライアンス教育の実施 新興国お客様・サプライヤーを対象とした誓約書の改訂 高品質製品の実現 アフターサービスの強化 お客様データの保護 ウェアのリスク管理、国際契約管理などの社員 向けセミナーを開催しました。 グローバル環境管理体制の構築と、 14 消費者課題 独禁法、英国賄賂防止法、オープンソースソフト 欧州 ー SIM-Drive 4 号車への参画 お客様とのつながりの強化 転の妨げになる機能規制)、人権・ハラスメント コミュニティへの 参画及びコミュ ニティの発展 28 環境に優しい製品開発 の教育活動を行いました。 法令・ルールを遵守する 常識の範囲を超えて 労働委員会が中心となった職場改善プログラムの開始 ー カーディーラー・販売店と メント教育、海外赴任者向けにはエリア別ケー 管理、ドライバーズディストラクション規制 (運 ー ホールボディカウンター活用による放射能被害不安の緩和 営業部門へ独禁法教育を行いました。 米国 ー NPO法人・大学教授との連携、 公正な競争の徹底 ススタディ(独禁法、贈収賄など)、部門別には 当社の株式取引をしない 独占禁止法など 公正な事業慣行 独禁法、オープンソースソフトウェアのリスク 主要法人にて現地法人人材育成会議を実施 (フレックスタイム制プログラム等) ジャー向けには契約管理、独禁法、人権・ハラス 日本 29 各地域特性に合わせた制度の導入 働きやすい環境整備 24 主要拠点にて幹部候補生人材育成プログラムを開始 それに対する自治体からの表彰 ( 3 拠点) 新入社員向けには技術者倫理教育、新任マネー 製品の安全性・品質に十分配慮する サプライヤー向け情報セキュリティ調査と フォローアップミーティングによるセキュリティレベルの向上 従業員の環境活動 法務部門が、 地域の特性に応じたコンプライアンス教育を 個人情報を漏洩しない 環境に十分配慮する 24 環境にやさしい事業所 アルパインでは日本・米国・欧州・中国の各拠点に置かれた 環境への配慮 国内外主要生産拠点におけるサプライヤー向け業況報告会の実施 サプライチェーンを通した 環境活動の枠組みづくり 消費者部会 項目を加えて、 より日常の行動と密着した指針として運用 個人情報 ー 労使対話の場の設置 しています。また、 「 具体的な法務知識の浸透」や 「個人の アルパイン倫理指針(アルパインの十戒) 構内バリアフリーの促進 自己チェック (CSA※) 世界の各拠点では、 各々の国の法律などを反映した規定 でいます。 人的多様性への配慮 従業員の健康増進 労働環境・社会部会 ニュースなどの社内メディアを活用し、 積極的に取り組ん 28 グローバル人材育成 RC委員会 意識強化」といった課題に関しても、 e- ラーニングや法務 IT インフラと設備に関する BCP の拡充 代表取締役社長 内部統制部会 コンプライアンス体制 事業継続計画 (BCP) の構築と展開 CSR 推進 CSR委員会 30 内部統制システムの維持 会計監査人 内部監査室 に、 経営面、 会計面、 法務面等から監査を実施しています。 関連ページ 適切なコーポレートガバナンス ・ 会 忠実義務 善管注意義務 出席・ 意見陳述義務 2013 年度 新規 / 拡充取り組み 社会問題解決を目的とした 活動の実施 ISO26000とアルパイン / コー ポレー ト ガバナンス ISO26000 and Alpine カスタマーサービスオフィスを Web でつなぐ新ツールの導入 ー 主要拠点におけるお客様相談窓口の強化 (スタッフ増員等) ー 解析力向上に向けた非破壊検査の導入 25 顧客満足度調査の実施と、 結果に基づく 5 項目の改善 28 米国カスタマーサービス会社の子会社化によるサービス強化 ー 外部記憶媒体に関する情報管理方針と手段の改善 ー アルパイン構内勤務者全てを対象にした情報倫理教育の実施 ー 生産拠点における学生向けものづくり教室の拡大 ー フィリピン台風等の災害への物資提供・募金による支援 ー チャリティ参加制度の拡充 29 CSR 活動全体と ISO26000 の対照表は Web サイトに掲載しています。http://www.alpine.com/j/csr/iso26000/ 30 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 アルパイン 会社案内/CSRレポート 2014/2015 31 www.alpine.com 2014 年 6月発行
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