**2010 年 9 月 1 日改訂(第 4 版) *2010 年 1 月 1 日改訂(第 3 版) 医療機器承認番号 20500BZY00912000 機械器具(30) 結紮器及び縫合器 JMDN コード:18135004 吸収性消化器用吻合連結器 高度管理医療機器 バルトラック 再使用禁止 【警告】 1. 本品を使用する前に、この添付文書のすべてを熟読すること。 2. 本品は、医師のみが使用すること。 <使用方法> 1. 適切なサイズの吻合リングを選択すること[吻合リングが大きす ぎる場合、粘膜や漿膜が裂傷する可能性があり、また吻合リング が小さすぎる場合、腸管の内腔を最大限に確保できないため] 。 2. 浮腫のある腸管では血行を妨げないように、ギャップが大きいサ イズの吻合リングを使用すること。 3. キャップ内に最小限の組織が完全に巾着縫合されているか確認 すること。 4. 巾着縫合糸をしっかり結ぶこと。ただし、きつく締めすぎないこと。 5. 汚染された機器は院内で定められた手順に従い廃棄すること。 **【禁忌・禁止】 1. 再使用禁止。使用後は廃棄し、再滅菌したり再使用したりしない こと。 2. 本書の【使用目的、効能又は効果】に記載された適用以外の用途 への適用禁止。 <適用対象(部位)> 1. 本品は、1 箇所または複数箇所の腸管吻合での使用可能。ただし、 胃や食道の吻合への適用禁止。 <併用医療機器> 1. 他社製のパーストリングと併用しないこと[腸管を切離した時に 2mm のマージンがとれない可能性があったり、非吸収性の縫合 糸やステープルを使用したりしているため]。 2. 非吸収性縫合糸の適用禁止。 <使用方法> 1. 吻合リングが正しく向き合っていない(山と谷が合っていない) 場合は使用しないこと。別の新しい適切なサイズを選択するか、 縫合糸またはステープルなど、他の手技により吻合を行うこと。 2. 一度吻合した本品を外したり、再使用したりしないこと。 **【形状・構造及び原理等】 1. 形状・構造等 本品は、腸の吻合部において腸の断端同士を密着させ機械的に固定 するために使用する、生体内分解性の器具である。吻合リングは、 X 線不透過剤として硫酸バリウムを添加したポリグリコール酸製で あり、適切に使用した場合、腸の両端の確実な漿膜接合を作製し、 接合部が治癒するまで内腔の開通性を維持する。その後、吻合リン グは分解されて小片に崩壊するか、そのままの形状で排出される。 吻合リングは 12~22 日(平均 18.2 日)で分解するが、まれに分解 されなかった吻合リングの排泄を補助することが必要になる場合が ある。吻合リングは腸管の断端を機械的に接触させ維持して内反吻 合させるものとして使用され、生体内で分解されて小片となり排泄 される。 (1) 吻合リングの状態 A) 開いた状態 B) 閉じた状態 (2) 吻合リングの種類 吻合リングは、寸 法により以下の 9 種類がある。直 外 径 [閉じた状態] 径と閉じた状態 (mm) 2 つのリング間の間隔(mm) のリングの間隔 は以下の通り。種 類(mm) 25mm/1.5mm 25.0 1.5 25mm/2.0mm 25.0 2.0 25mm/2.5mm 25.0 2.5 28mm/1.5mm 28.0 1.5 28mm/2.0mm 28.0 2.0 31mm/1.5mm 31.0 1.5 31mm/2.0mm 31.0 2.0 34mm/2.0mm 34.0 2.0 34mm/2.5mm 34.0 2.5 (3) 原材料 吻合リング:硫酸バリウム添加ポリグリコール酸 ホルダ:ポリスルフォン、ABS 樹脂 2. 原理 本品は、腸管の断端を物理的に接触させ続けることにより腸管の吻 合を行う。腸管に巾着縫合器または手縫いで巾着縫合を掛け、一方 の腸管断端の内腔に本品を挿入し、吻合リングからホルダを外した 後、縫合糸を結紮する。もう一方の腸管断端も同様に結紮する。両 方の吻合リングに等しく力を加えることで吻合リングが閉じ、腸管 を吻合する。術後は吻合の治癒までこの状態が維持され、12~22 日 程度で吻合リングは分解され小片となり排泄される。 *【使用目的、効能又は効果】 消化管の吻合 **【操作方法又は使用方法等】 1. 切離予定線から 1cm 幅の腸管の漿膜の表面を処理する。一般的 な外科手術と同様にグルカゴンで腸管を滑らかにすること。 2. 巾着縫合を行う場合、切離予定線で巾着縫合器のエッジを合わせ て掛ける。非吸収性縫合糸は使用しないこと。腸管を切離した時 に 2mm のマージンがとれないことや、非吸収性の縫合糸やステ ープルを使用していること等から、他社製の巾着縫合器は使用し ないこと。直針付吸収性モノフィラメント縫合糸を巾着縫合器の 2 つの穴に通し、巾着縫合器の断端に沿ってメスを入れ、腸管を 切離する。腸管を切離している間は、腸管に力を加えないこと。 吻合予定の腸管を注意深く調べ、巾着縫合器が反対側の粘膜にか かっている場合は注意して外すこと。巾着縫合器が漿膜筋層と粘 膜下層の両方を正しく通っていることを確認する。 3. 手縫いで巾着縫合を行う場合は、最初に腸管を切離し、余分な粘 膜を切除すること。 キャップ内に最小限の組織を挟んで適切に内反して、確実な巾着 縫合形成を行うため、以下の手技を推奨する。吸収性モノフィラ メント縫合糸を断端から 2mm で腸の漿膜表面に入れ、斜めに筋 層と粘膜下層へ 8mm 幅で通して断端面から出す。次に針を出て いる断端の位置から 4mm 離して漿膜表面に通す。通常これを切 り離した腸管の各断面に対し 4 回行い、腸管の全周に渡って巾着 縫合を掛ける。 3 4. 縫合器または手縫いにより腸管の両断端に巾着縫合糸をかけ終 えたら、吸収性のモノフィラメント糸や鉗子(アリス鉗子または バブコック鉗子)を用いて腸管を三点支持する。 5.「 ス テ ン レ ス EEA サ イ ザ ー 」( 医 療 機 器 届 出 番 号 : 13B1X00069US011A)で吻合部の内径、メジャーで腸管の厚さ を計る。計る際は腸管を伸長させないこと。腸管の内径が 2 つの サイズの中間の大きさの場合は、小さい方のサイズの吻合リング を選択する。異なる内径の腸管に使用する場合は、小さい内径の 腸管に合わせて吻合リングを選択する。 注意: 適切なリングサイズを選択すること。サイズが大きすぎる 場合は、粘膜や漿膜が裂傷することがある。小さすぎる場 DG-A5VAL01(04) 1/2 13. 吻合が確実に行われているかを確認するために、目視し、静かに 持ち上げることを推奨する。吻合リングを閉鎖する際のカチッと いう音がしても、リングが確実に閉鎖していない場合がある。 14. 吻合部で漿膜と漿膜の周辺がきちんと接触していることを確認 することが重要である。もし接触が不十分な場合は吸収性のモノ フィラメント縫合糸を使用してレンベルト(漿膜・筋層)縫合を 追加すること。吻合に不安があるときは次の方法で確認すること。 (1) 生理食塩液に浸すことにより吻合部の空気漏れの有無をチェッ クする。 (2) 内視鏡検査により吻合部を直接観察する。 (3) 過剰な組織をチェックし、認められた場合はその組織を除去する。 合は、腸管の内腔が確保できないことがある。 6. 吻合リングを選択後、通常の厚さの腸管に対しては、閉じた状態 のリングの間隔が 2.0mm、厚い腸管には 2.5mm、薄い腸管には 1.5mm のリングを選択する。使用前に、2 つのリングが正しく向 き合っているか(山と谷)、誤った向き(山と山、谷と谷)にな っていないか、を確認すること。 注意: 浮腫のある腸管では、血行を妨げないようにギャップの大 きいリングを使用すること。 C)正 D)誤 E)山-谷 F)谷-谷 G)山-山 6 【使用上の注意】 1. 重要な基本的注意 (1) 本書は、バルトラックの添付文書であり、手術手技を解説するも のではない。 (2) デリバリーシステムがないため、直腸下部での本品の使用は制限 される。 (3) 吻合リングに巻き込む組織は最小限にすること。 (4) パーストリングの縫合糸は締め付け過ぎないようにすること。 (5) 汚染物やパッケージは、院内の基準に従って廃棄すること。 (6) パーストリングには吸収性の縫合糸を使用すること。 2. 不具合・有害事象 本品は使用に際し、以下のような不具合・有害事象が考えられる。 (1) サイズの合わない吻合リングを使用した際の漿膜、粘膜の裂傷 (2) 巾着縫合糸を過度に締めすぎた際の腸管の損傷、壊死 (3) メスによる腸管切離の際、腸管を引っ張ったことによる腸管の損 傷 (4) 吻合リングを組織にセットする場合に下部の腸管を引き上げた 際の腸管の裂傷 (5) 巾着縫合の間の余分な組織を除去あるいは追加結節を行わずに 吻合リングを閉じた場合の吻合不全 3. その他の注意 (1) 本品は滅菌包装されており、同一症例に限り使用可能。使用後は 必ず廃棄し、再滅菌はしないこと。また、未使用であっても、一 旦開封した製品は廃棄すること。 (2) 本品は、滅菌有効期限内であっても、パッケージが破損または開 封していた場合は、製品の滅菌状態を保証できないので使用しな いこと。 7. 吻合リングを腸管の近位端の内腔に挿入する。最初に縫合糸を交 差させ、吻合リングの中央部付近で結ぶ。 注意: ギャップ内に最小限の組織を完全に巾着縫合しているか 確認すること。 7 8. 外科結びの最初は、巾着縫合糸上で行い、吻合リング上に結び目 を送る。腸管の壊死を避けるために、巾着縫合糸を締めすぎない ようにすること。 注意: 巾着縫合が安全に結紮されており、縫合糸を締めすぎてい ないことを確認する。 8 【臨床成績】 国内で実施された臨床試験の成績は以下の通りである。 1. 使用状態 回腸、結腸、直腸等の吻合 2. 期間 平成 2 年 12 月-平成 3 年 12 月 3. 症例数 74 症例(2 施設) 4. 有効率 1 症例を除いて有効であるとの評価を得た。1 症例は 9. ホルダの 2 つの突起部分を握り吻合リングからホルダを取り外す。 副作用(腹膜炎)が発現した。 10. 吻合リングを装着した腸管の近位端を、遠位端の腸管内腔に挿入 し、巾着縫合糸を結ぶ。腸管の先端部を引き上げると腸管が裂傷 **【貯蔵・保管方法及び使用期間等】 する可能性があるため避けること。巾着縫合糸の周りの過剰組織 1. 貯蔵・保管方法 は吻合リングを閉じる前に切除する。巾着縫合糸の断端に組織が (1) 高温、多湿、直射日光および水濡れを避け、清潔な換気のよい場 はみ出していた場合は、腸管の断端を取り込み、巾着縫合糸を切 所に保管すること。 除しながら吸収性縫合糸で結節縫合を追加して補正する。 (2) 包装材料に傷をつけたり、ピンホールを生じさせたりしないよう に取り扱うこと。 10 9 (3) 製品は使用期限があるため、先入れ先出しを励行すること。 (4) 製品に記載してある使用期限を確認し、使用期限を過ぎたものは 廃棄すること。 2. 有効期間・使用の期限 外装表示参照 【包装】 11. 吸収性縫合糸で漿膜の裂傷を補正する。吻合部分を注意深く見て、 1 パック 1 個入・1 箱 1 パック入 吻合リングが確実に挿入されていること、巾着縫合が安全になさ 【製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称及び住所等】 れていること、腸間膜がねじれていないことを確認する。吻合リ *製造販売元: ングは一度閉じた後は開くことはできない。 12. 吻合リングは次の手順で閉じること。 a) 吻合リングの一端に両手の親指を 180°に向かい合わせる。 〒158-8615 東京都世田谷区用賀 4-10-2 b) 吻合リングのもう一端に他の指を合わせる。 お問合わせ先:TEL 03-5717-1240 c) カチッという音がして吻合リングが閉じるまで、両方の吻合 リングに等しく力を加える。 **外国製造業者名: d) 指を 90°動かして再度力を加え、吻合リングが閉じたことを Covidien 確認する。 (コヴィディエン) 12 アメリカ合衆国 DG-A5VAL01(04) 2/2
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