News Release

2013 年 1 月 24 日
株式会社ケアネット
News Release
報道関係各位
ケアネット、女性医師 1,000 人に“出産後の復職”に対する意識を調査
不安要素は「技術・知識の遅れ」「現場感覚の薄れ」そして「保育所・病児保育」
―フルタイムで働きたいが“綱渡り”生活に疲弊も―
医師・医療従事者向け情報サービスサイトを運営する株式会社ケアネット(本社:東京都千代田区、代
表取締役社長:大野元泰、証券コード:2150)は 2012 年 12 月 19~29 日、当社会員のうち女性医師 1,000
人に対し、“出産後の復職“に対する意識調査を実施しました。
妊娠・出産した際に、職場環境の未整備や周囲の理解がないことなど、本人の意思以外の理由から
女性医師が退職するケースがありますが、医師全体での女性比率が毎年高まる中で、医師不足に今後
いっそう拍車がかかるとも言われています。一方こうした現状を踏まえ、女性医師に対し出産後の復職
に関する意識を調査したところ、全体として悲観的なコメントが多数を占めると同時に、制度の利用、上
司・同僚の反応、仕事と家庭生活の両立、キャリア形成の壁などいくつもジレンマを抱えることが垣間見
える結果となりました。以下、詳細をご報告いたします。
【結果概要】
◆ 約 7 割の女性医師が時短・非常勤の勤務を望むが、経験者の半数近くがフルタイムで復帰
今後出産を考えている女性医師のうち、施設の別を問わず『短時間あるいは非常勤で復帰したい』と回
答したのは約 7 割。一方、実際に出産した医師の経験で最も多い回答は『同じ施設にフルタイム勤務』
で 37.7%。『別の施設でのフルタイム勤務』(8.4%)と併せると約半数がフルでの復帰という結果となった。
50 代以上では「時短勤務どころか育休すらなかったため」「妊娠中・授乳中も当直した」「夜間の呼び出
しに子どもを連れて行った」といったエピソードが多く寄せられた。経験者のうち『時短・非常勤』を選択し
た医師は若い年代ほど増えるが、30~40 代においても「フルで復帰するか退職かを迫られた」「上司の
理解がなく、制度があっても使えなかった」といった声が多数見られた。
◆ いちばんの不安材料は『子どもを預ける施設』、病院に勤務しながら病児保育探しに奔走
産後の生活を検討する際の不安材料について上位3つまで選択してもらったところ、経験者から最も多
く挙がったのが『保育所・病児保育など施設の利用』で 48.9%に上った。「自院の保育所は看護師しか
利用できない」「自分が手術中に、発熱した子どもをすぐ迎えに来るよう保育所から連絡がきて途方にく
れた」といったコメントが寄せられ、通常の保育所の確保に加え、病院勤務にも関わらず病児保育探し
に奔走していることを嘆く声が多く挙がった。一方「子どもはペットではない、長時間預けっぱなしにでき
れば解決する問題ではなく、医師全体での勤務時間短縮が必要」といった意見も寄せられた。
(次頁に続く)
産後数年間の働き方、希望と実際
0%
20%
40%
37.7%
出産前と同じ施設にフルタイム勤務
25.2%
27.0%
出産前と同じ施設に短時間あるいは非常勤で勤務
49.8%
22.1%
18.3%
一度退職し、別の施設で短時間あるいは非常勤で勤務
一度退職し、別の施設でフルタイム勤務
その他
退職し、医師としての仕事はしない
子どもあり(当時の働き方を回答)
60%
8.4%
2.7%
2.8%
2.4%
2.0%
1.5%
子どもなし(将来的な希望を回答)
ケアネット調べ
Q2.「子どもをもうけるつもりは
ない」回答者を除く
n=943
◆ 同僚の厳しい視線、精神的に耐えかねて退職・転職も
産後の復帰形態を大きく左右する要因として、“上司・同僚の理解”を挙げる声が多く寄せられた。「施
設の制度が整っていても、『所属科の前例がない』と言われる」「産後の当直免除について男性医師か
ら『オレにも子どもはいる』などと反対された」などのほか、子どものいない女性医師の視線がいちばん
厳しいといった意見もあった。周囲の冷遇に加えて、同僚の負担が増えることへの申し訳なさから退職
を選んだとする回答も。子どものいる女性医師だけの問題ではなく、医師全体が過重労働であることの
改善が必要との声も挙がった。
◆ 家族の協力の有無に大きく左右される復帰形態
特にフルタイム勤務の継続に関し、家族(特に実母)の育児協力の有無が大きいとした意見が多かった。
実家から遠いその他の理由で協力が得られない状況の場合、時短・非常勤勤務を選ばざるを得ない医
師が多いこともコメントからうかがえる。一方、「子どもはほとんど母が育てたようなもので、それでよか
ったのか疑問」といった声も。また夫も医師という場合は特に家事・育児への協力が得られない場合が
多く、「夜中に患者が急変し、寝ている子どもをおいて出かけざるを得ず、綱渡りのような生活」など、周
囲の環境と子ども、自分の心身のバランスに疲弊する日々を“綱渡り”と表現する医師も複数見られた。
◆ 描いていた将来像に必要な知識・経験の不足から、やむなくキャリア転換も
今後出産したいとする医師の最大の不安点として、『現場感覚の薄れ』『技術・知識の遅れ』が挙げられ
た。実際に経験者からは、「勉強や学会参加など自己研鑽に充てられる時間が大幅に減った」「病棟を
担当できず知識・経験を蓄積できないため専門医取得ができないまま」、その他、本来の専門をあきら
め転科あるいは産業医や公衆衛生関係などに転向したというケースも寄せられた。
出産後の生活に関する不安材料(上位3つまで選択)
0%
10%
20%
30%
40%
託児所・保育所・病児保育など
子どもを預ける施設の利用について
39.6%
41.0%
臨床現場の感覚が薄れること
仕事と家庭生活との両立について
31.5%
職場の同僚・上司の
理解・協力が得られるかどうか
38.4%
16.1%
12.6%
専門医など資格取得について
7.2%
自分の働き方に対する
夫・家族との考えの違い
子どもあり
48.0%
22.8%
27.0%
勤務施設内で、先輩女性医師の
実例があまりないこと
その他
48.9%
34.9%
33.0%
勤務施設内で、短時間・非常勤勤務などの
仕組みが整備されていないこと
特にない
60%
42.8%
46.8%
医療技術・知識が遅れること
診療科選択、留学の有無など
キャリア形成について
50%
12.8%
7.2%
9.3%
4.6%
4.2%
1.6%
2.7%
1.1%
1.2%
子どもなし
ケアネット調べ
Q2.「子どもをもうけるつもりはない」
回答者を除く
n=943
調査タイトル
:“出産後の復職“に対する意識調査
調査方法
:インターネットリサーチ
調査対象
:医師・医療従事者向け専門サイト「CareNet.com」会員の女性医師
有効回答数
:1,000 サンプル
調査日時
:2012 年 12 月 19 日(水)~29 日(土)
60代以
20代
上
4.0% 7.5%
その他
7.9%
50代
14.4%
一般診
療所
18.8%
30代
40.2%
40代
33.9%
大学病
院
19.2%
ケアネット調べ
n=1,000
配偶者
なし、子
どもなし
24.7%
一般病
院
54.1%
ケアネット調べ
n=1,000
配偶者
あり、子
どもなし
14.1% 配偶者
なし、子
どもあり
5.7%
配偶者
あり、子
どもあり
55.5%
ケアネット調べ
n=1,000
【設問詳細】
女性医師の出産後の復職についてお尋ねします。
12 月 3 日の長崎新聞によると
『厚生労働省の2010年の調査によると、医師は全国に約29万5千人おり、そのうち女性は18・9%の約5万6千人。県内でも医師
4062人のうち、15・3%の621人が女性で、1996年の327人からほぼ倍増した。20年後には医師の4人に1人が女性になるの
ではないかともみられている。
しかし、医師不足などを背景に産休や育児休暇を取りにくいなど、職場環境が整備されていないために妊娠、出産を機に辞めてし
まうケースもある。女性医師が増える中でそうした課題を放置しておくことは、医療崩壊を招く原因にもなるという(略)』
とのこと。そこで先生にお尋ねします。
Q1.ご自身について当てはまるものをお選び下さい。
1.配偶者あり、子どもあり
2.配偶者あり、子どもなし
3.配偶者なし、子どもあり
4.配偶者なし、子どもなし
Q2.出産後数年間について、どういった働き方を選びたいですか?出産された方は当時の選択に近いものをお答え下さい。
1.出産前と同じ施設にフルタイム勤務
2.出産前と同じ施設に短時間あるいは非常勤で勤務
3.一度退職し、別の施設でフルタイム勤務
4.一度退職し、別の施設で短時間あるいは非常勤で勤務
5.退職し、医師としての仕事はしない
6.子どもをもうけるつもりはない
7.その他
(Q2で「子どもをもうけるつもりはない」を選択した方以外)
Q3.出産後の生活をどうするか検討するにあたり、特に不安に感じることはありますか?出産された方はその当時の考えをお選び下
さい(3つまで選択可)
1.医療技術・知識が遅れること
2.臨床現場の感覚が薄れること
3.勤務施設内で、短時間・非常勤勤務などの仕組みが整備されていないこと
4.勤務施設内で、先輩女性医師の実例があまりないこと
5.職場の同僚・上司の、理解・協力が得られるかどうか
6.託児所・保育所・病児保育など子どもを預ける施設の利用について
7.専門医など資格取得について
8.診療科選択、留学の有無などキャリア形成について
9.自分の働き方に対する、夫・家族との考えの違い
10.仕事と家庭生活との両立について
11.特にない
12.その他
Q4.コメントをお願いします(Q2.3 の選択に関して思うこと、周囲の方を含め具体的なエピソード、出産された方は想像していたことと
現実とのギャップ、施設や社会に望むことなどどういったことでも結構です)
◇ 医師からのコメント抜粋 ◇
(勤務施設は現在のもの。一部割愛・編集しています)
【子どものいる医師】
「託児所等は子供が病気になったとき預かってくれません。医療施設に勤めているのだから、そうなった時のサポートを配慮してくれ
たらいいのにと思いました。」(40 代,内科,その他)
「男性医師の感覚では、最も理解のある方々でさえ、子供を長時間預かる施設や病児保育所さえ開設すればよいと考える人が多い
ですが、子供はペットではないので勤務時間の短縮は不可欠。また、そして勤務時間短縮によってまず諦めなければいけないのは
学会活動や研究、自己研鑽の時間となります。今の状況で子育て中の医師がバランスのよいキャリアを築くことはほぼ絶望的です。」
(50 代,麻酔科,一般病院)
「17 年前に第 1 子を出産。先輩女医の実例がほとんどなく、妊娠判明と同時に退職、医局に戻らされる状態でした。医局でも特に仕
事に対する義務や強制はなく、自然と仕事の割合が減り家庭に入っていくという状態でした。しかしそれが前例となり、どんどん後輩
達も出産後は当直なし・パートと負の連鎖となり、むしろ医局崩壊の一原因になったように思います。組織としての女医の未来のビジ
ョンがあったらと思います。」(40 代,小児科,一般病院)
「医師としてキャリアを積むには病棟管理は必要。となると緊急呼び出しにも対応せざるを得ないが、子供が小さいうちは、夜間でも
いつでも頼める人がいないと難しい。年老いた母に気軽に毎回お願いするのも気が引ける。信頼できる第三者にはなかなか巡り会
えず、結局自分が非常勤でみている。外来だけで専門医の知識・経験の蓄積は難しいです。本当はフルタイム勤務したい。家事育児
のサポートが必要。」(40 代,腎臓内科,一般病院)
「出産は女性にしかできないが、育児、家事は男性でもできる。男性の家事育児への積極的な参加が必要と思われる。男性は参加し
ているつもりでも、女性にしてみればまだ不十分と思うことはたくさんある。育児についての支援は、女性ばかりでなく、男性にも反映
されるものである。」(40 代,内科,一般病院)
「出産前後で勤務先を変えるかどうかは出産前の勤務先が短時間勤務でも可能か、自宅から通いやすいか、職場での理解が得られ
るかなど、様々なことに影響されると思います。実際に産後、復帰に向けて勤務先と調整をしていく中では、事前に話し合っていた条
件と少しずつずれる場合もあり、育児をしながらの復帰についてはまだまだ理解が得られにくいと感じています。保育園は長時間預
かってもらえますが、小学校は下校が早い日も多く、仕事と育児の両立がより難しい。地域によって、学童保育の終了時間も様々な
ようです。」(20 代,精神・神経科,一般病院)
「勉強をする時間がない、病棟を持ちづらくなる、家事の負担は大きくのしかかる、加えて、とくに教育機関病院の場合診療時間を超
えた仕事(研究会発表、学生の勧誘、指導など)ができないことで、年齢を重ねフルタイムで働いていても立場は研修医と同じ、それ
が現実です。」(40 代,血液内科,大学病院)
「祖父母の応援がない、子供が病気がちなど、どうしても突発での休み・早退が避けられないことがあります。特に医師は男性的社会
なので育児に関して理解のない人が多い。『男性社会』でなく『男性的社会』というのは女性医師であっても理解のない人が数多くい
ることを指します。意識改革をしなければ働きにくい職場が減らず、復職しない又はフルタイムで働かない女性医師が増え、医師不足
はどんどん加速すると思います。」(40 代,放射線科,一般病院)
「当時は院内保育所はあっても女医は利用できず、看護師さんのためだけのものでした。病院から一番近い保育所に預けましたが、
手術中に保育所から電話がかかり、子供が発熱したのですぐに迎えに来て欲しいと言われ途方にくれたことがありました。「あと 3 時
間何とかみていて欲しい、責任は自分が取るから」とお願いしたことが忘れられません。結局 5 時間後となり、保母さんたちから白い
目で見られ針の筵のように感じました。病児保育がなかったことが一番つらいことでした」(50 代,皮膚科,一般病院)
「院内保育に預け、時短で勤務しています。時短ゆえ主治医免除なのですが、主治医制なので、担当がなく手持ち無沙汰なことも。
周りは担当患者の仕事で忙しくしている中、どう観られているのだろうと気になります。手術も第 2 助手程度で、後輩たちが助手や執
刀医として手術するのに焦りを感じます。かといって、主治医になって、こどもがインフルエンザにでもかかろうものなら遅刻、早退と
なりかねず・・・キャリアは頑張ればいつでも積めるが、子育ては今しかできない、そう言い聞かせて毎日仕事に向かっています。朝 6
時から夜 11 時、12 時まで仕事をしているときにはつらいと思ったことはありませんが、今の勤務の方が精神的につらい。意外でした」
(30 代,産婦人科,大学病院)
「勤務先は女性に優しい職場で、出産後は復帰を考えていました。 が、つわり時に半休を月 1-2 回取った時点で、”今後絶対に休ま
ないという 100%の保証ができないなら、年度末に辞めてもらう”と言われました。結局、妊婦検診のときの代診も他科 Dr に頼んで、
必死で産休までつなげて職場を去ることになりました。産前、産後に使える制度があっても上司、同僚がそれを認めなければ何の意
味もないと思いました。」(40 代,腎臓内科,その他)
「近くに頼れる親類がいないため、子供の急な病気の時や休日出勤、出張などで困る。自分はバリバリ働くタイプだと思っていたが、
子供の病気の際などは置いて出たり病児保育に預けるのもはばかられ、結局比較的自由のきく研究職にとどまっています。一番仕
事のできる 30 代をこのように過ごしてしまい、今後自分が医師としてどうやって生きていけばいいのかわからなくなることが多い。」
(40 代,消化器科,その他)
「子供は急に病気をします。事前に急病時の体制を依頼し事務長も了解との事でしたが、実際は『代替えの医師はいない』と言われ
困った記憶があります。診療所出向時は、3歳児と一緒に出勤した事があります」(50 代,内科,一般病院)
「子育てというと『3 歳あるいは就学まで』ととらえられがちですが、子供の成長を見守る上では少なくとも大学入学までは親の目(見
守り)が必要。子供一人あたり約 20 年間という長い目での支援が望まれます。具体的には小学生・中学生をひとり置いて、宿泊を伴
う学会参加はかなりの困難が伴います。 未就学児であれば学会で託児が可能ですが、小学生以上はそれもありません。いざという
時に子供を夜間、安心して任せられるサービスがあればと思います。保育園・学校・職場・学会活動、いつも「すみません」と謝ってば
かりでちょっと疲れます。(心の中では「悪いことをしている訳ではないのに…」と独り言を言っていますが)」(50 代,神経内科,一般病
院)
「どんな形でも働き続けていれば、いつかは貴重な戦力となりうる。子育ても社会貢献であり、プライベートなこととして切り捨てない
社会であってほしい。子育ての経験は、患者に共感できる医師になるために大切」(50 代,内科,診療所)
「法的に産休があっても、教師の産休用員のような補填システムがないため同僚に多大な迷惑をかけることになり、精神的に非常に
つらい。また産休は 6 週(今は 8 週)しかないが、0 歳児を預かる認可保育所でも 4 月時点で 6 カ月になっていなければ入れず、無認
可保育所で浪人しなければならない。そういう制度の矛盾が障壁」(60 代以上,内科,その他)
「産休以外は働いてきました。子守りは両方の親に助けてもらいながら、2 人目の出産後は夫の実家に同居。当時は出産した女性 Dr
が復帰すること自体珍しく、出産前後の当直を免除する規定さえ院内にはありませんでした。妊娠 4 カ月目で当直の夜中に DOA がき
て心マッサージをしながら病棟に挙げ、その後お腹が張って具合が悪くなり、やっと診療部長に当直免除を申し出たことを覚えていま
す。今はだいぶん環境が整備されてきましたが、女性側から妊娠出産に関連する要望を主張しにくい雰囲気は続いていると感じます。
また現在の女性医師復帰援助の流れ自体、『医師が不足しているから』であって、女性医師の生涯の負担の大きさについて本当に
理解し改善しようとしているわけではないのではと皮肉に考えてしまいます。」(50 代,神経内科,一般病院)
「復帰に向けての研修制度のようなものがあれば利用したかった。フルタイム=朝から夜まで(残業有)の勤務・病棟主治医(休日回
診、呼び出し有)と、パート=時短・外来のみの格差がありすぎ。もっと負担を軽減しながらも臨床の仕事が可能な制度の確立が必要
と感じる。」(30 代,消化器科,一般病院)
「周囲の環境整備もとても大切ですが、一番大事なのは、子育てを楽しみながら、医者として第一線でよい仕事がしたいという高いモ
チベーションだと自分の経験上、確信しています。」(60 代以上,眼科,大学病院)
「専門医取得準備期間中に産休になりました。年齢的にも女性は専門医取得と出産は重なりやすいと思う。認定機関に連絡したとこ
ろ、『産前6週、産前8週以上休むと専門医取得要件を満たさないため1年遅れになる』とのこと。産後8週の時点でまだ帝王切開の
傷が痛んだし、歩くだけで痔になる状態での復帰をしましたが、産前産後の体調は全員が良好とは限らない。母乳も出ていたのにあ
きらめました。専門医を同級生が取っていく中で自分だけ遅れたくないとの思いで頑張りましたが、産休期間の取り扱いについてもう
少し選択肢の幅を持たせてほしい」(30 代,泌尿器科,一般病院)
「女性医師は転地・休職・復職を余儀なくされがちである。その是非はさておき、キャリアが途切れがちであるからこそ資格取得は必
須と考えられます。産休中の自宅学習についてプランニング・指導など厚生労働省が主導となり e-learning,各大学、大学院との連携
モデルを確立していただきたい。男性の育児休業取得に繋がるよう確固なシステム構築をお願いしたい。医師はその人口問題に介
入すべき職種と考える」(50 代,内科,一般病院)
「周囲におられる年配の女医は家政婦を雇って開業医を続けている人が多く、比較的若い女医さんは実家のお母様が同居され手助
けをうけつつ勤務医を続けている人が多いように思います。逆に親のサポートがない女医さんは、子供を保育園に預けて勤務時間を
短くされています。常勤で勤務しようと思ったら両親(特に実母)のサポートが不可欠のように思います。」(40 代,耳鼻咽喉科,診療所)
「育児と大学でのキャリアの両立を目指している。第 1 子出産時は産休のみの取得で復帰したが、キャリア上に受けた不利益を思い
出すとなかなか第 2 子妊娠に踏み切れない。」(30 代,神経内科,大学病院)
「優秀でかつ人間的にも申し分ない女医の知人の多くが子どもをあきらめている。 こうした女性が子供を産まないことは社会にとって
損失だと思う。」(40 代,眼科,大学病院)
「今は良い時代になったと思います。私はこどもと一緒に当直もしましたし、重症の患児がいるときは自分のこどもと小児科病棟で寝
泊まりもしました。病児保育も未だそれほどなかった。核家族で、夫が産婦人科医で、私がフルタイムで働くことは無理で、2 人目から
非常勤に。ロールモデルもいなかったし、なにより孤独でした。」(40 代,小児科,一般病院)
「周囲の人々の協力なくしては、女性医師が仕事を続けていくことは不可能。保育園、自分の親、兄弟、知人、近所のおばちゃんなど、
子育てに総動員。悩む時間すらもなかった、あのころが懐かしいなあ・・・」(50 代,整形外科,診療所)
「勤務医では周囲の理解が得られず、結局開業医をえらびました。」(40 代,内科,診療所)
「Q3 は全部選びたいぐらいでしたが、上位 3 つにしました。 医師は“卒後○年目”で見られるので、年数だけ経ってしまい、復職した
際の研修・指導が十分ではないのでは、などの不安があります。 医局などでの位置も産前より低いところに置かれているように感じ
ます」(30 代,代謝・内分泌科,一般病院)
「しばらくは義母に子どもを預けて当直もしていましたが、どうしても帰宅時間が遅くて家事ができなくなり、当直なしの外来のみの個
人病院へうつりました。そこで数年間働きましたが、自分の専門の患者さんを診る機会がなくなって技術も知識も古くなってしまいまし
た。もう本来の専門分野の一線では働けないとあきらめています。」(50 代,小児科,その他)
「いわゆる「昇進」は遅れましたが、出産後研究生活で学位取得、専門領域での研究、学会発表等、得るものはたくさんありました。た
だ、専門外来で予約制でしたので、子供が具合悪くても休めず、朝早く実家の母に 1 時間半かけて出てきてもらうことがあり「自分の
子供は診られないの」と言われたのが、辛く、申し訳なかったです。」(50 代,内科,診療所)
「医師になるまでに、多くの税金や学費が使われている。女医は、出産育児などある一定の時期は、仕事をペースダウンせざるをえ
ない。しかし、どのようなかたちであれ仕事を継続しやめないことが、社会への還元として重要と考える。そういう覚悟をもって、現在、
育児と仕事を継続している。」(40 代,耳鼻咽喉科,大学病院)
「勤務先に病児保育室が併設されているのでとても便利です。保育園も勤務先から徒歩数分圏内。 発熱などで、園から連絡があっ
たら、10 分だけ仕事を中断し迎えに行き、そのまま病児保育室へ入れてます。恵まれた環境だと思います。育児が落ちつく数年間は
お給料の安さや仕事の内容関係なく、今の環境で仕事する予定」(30 代,小児科,一般病院)
「当時は、フルタイムでの勤務でしたが、当直や病棟から外れて、外来、検査を中心とした仕事内容にかわりました。 周囲に女性医
師が多く、経験した先輩に相談しながら、仕事を続けました。検査(心エコー)を中心に仕事をしましたが、のちにその仕事から、留学
や論文に結び付き、帰国後の就職にも心エコーを中心の仕事に就くことができました。 出産を機に自分のできることが新たに見つか
ることもあるのだと思います。 若い先生にも、希望を持って仕事を続けていただきたいです。」(40 代,循環器科,診療所)
「就学前までは保育所やシッターサービス等、子供が病気の時や時間外、休日など保育をサポートしてくれる方法が複数ありました。
むしろ小学校に入学し、1 人で過ごさせるのが心配な 1,2 年生の頃、学童になじめなかったり、学童自体がなかったりして短時間勤務
や休職を余儀なくされるケースが散見されました。低学年児童を抱えるワーキングマザーを支える方策(ワークシェアリングなど)がも
う少しあった方がよいと思います。」(40 代,産業医,その他)
「私の働いている病院はとても制度も文化も恵まれていて、出産後、産休、育休をとって、娘が1歳から家庭医療の後期研修をスムー
ズにスタートし、育休中も給与はある程度保障されていましたし、働き始めても、こどもの急な病気などでの急な欠勤なども問題なく過
ごすことができています。今後第2子も考えていますが、後期研修も途中で途切れても継続できる仕組みになっています」(20 代,総合
診療科,一般病院)
「まだ勉強したいことも多いのにドロップアウトしそうで怖かった。大学院+パート勤務で復帰したが、子供の体調変化等で穴をあけが
ちで、気持ちと現実のギャップを感じました。周囲も忙しいし、身近に頼れる環境もなく皆さんに迷惑をかけた」(40 代,内科,診療所)
「看護師からの見えない意地悪に翻弄させられましたが、自分が先陣をきっているので、後輩たちが仕事をしやすいよう頑張り続けま
した。男性医師の三倍は仕事をしました。ひたすら根性です。子供の寝顔で救われました。」(50 代,精神・神経科,一般病院)
「出産まではほかの先生達とも問題なく仕事をしており、第1子出産後職場に復帰したところひどいいじめにあい、退職しました。その
後もっと責任を持って働きたいのですが、近くの病院に適切な病院がなく、つらい思いをしています。子供をもつと他の医師と全く同じ
ように働くことは不可能であり、 病院として枠組みをきちんと整備されていない現在、自分のような医師が多数いると思う」(30 代,皮
膚科,一般病院)
「『夫も医師で経済的にも困っていないのにどうしてそんなに頑張るの?』と聞かれると心が折れそうになります。身近な友人や親戚
から『子供がかわいそう』とか『しつけや教育が行き届かないのでは』と無神経な言葉を投げかけられることも。 そんな中、上司や同
僚の励まし、夫の就業に前向きな姿勢に助けられています。」(30 代,麻酔科,一般病院)
「第2子出産後、仕事育児に関しての夫との考えの違いが広がった。第3子の妊娠中、育児と仕事に頑張りすぎ肉体的精神的無理が
たたり、死産となった。この子の死をきっかけに夫と子育てについての歩み寄りができた。」(50 代,小児科,一般病院)
「実は、女性同士のほうがつめたい」(40 代,腎臓内科,大学病院)
「意外だったのは、独身女性の同僚や子育て経験のある 15〜20 年上の女性医師の視線が 1 番厳しいこと。もっとも理解があるのは、
同じ境遇か子育て世代の男性医師(特に奥様が女医の家庭)。」(20 代,麻酔科,大学病院)
「職場では、当時出産した女医はほとんどいなくて、こどもが 1 歳過ぎたら当直は当然という風潮がありました。が、こどもによって、母
がいなくても夜寝られるかどうかは全く違い、私の場合は全く不可能でした。1 年~小学校低学年の現在まで、当直でなく日直に振り替
えてやらせてもらい、フルタイムの勤務を続けることができています。必要に応じて選択できるとありがたいです。 発熱時は、幸い主
人の職場に病児保育があったので、外来に穴を開けずに済みましたが、働き続けるには、病児保育は必須と思います。」(40 代,血液
内科,一般病院)
「出産前は大学病院に医員で勤めていました。出産時は当然のように一旦退職し、1 年後に復帰しました。看護師は産休、育休など
がきちんとあるのに、医師はやめてもらわなければ補充できないとのこと。すこし不満に感じました。」(40 代,内科,一般病院)
「大学院で研究をする・・という選択は時間的や精神的には非常に居心地がよかった。研究のペースを子供の病気などで都合するこ
とができたし、臨床に多忙を極める同僚にもあまりあてにされずに楽だったように思う。ただし、経済的な部分や臨床のスキルはどう
してもペースダウンしたが、その後非常勤として戻り、リハビリすることができた。」(40 代,麻酔科,その他)
「周囲は『働くのであれば前と同様に』って感じ。当直や緊急の呼び出しは無理なので、結局仕事をあきらめざるを得ない状況。健康
診断ばかりで専門的な知識を活かす場所がない。周囲は別に頑張らなくてもいいんじゃないかという雰囲気。働きたいのに。」(40 代,
血液内科,一般病院)
「短時間、非常勤のシステムがなく、自分のできないことをほかの医師に押し付けてしまう(当直、入院の受け持ち、救急など)ことに
罪悪感を感じ、職場をやめた。」(40 代,その他,その他)
「大学病院勤務だが、附属の保育園が看護師しか利用できない。医師、検査技師、放射線技師、栄養士、医療事務など多数の女性
職員がいるのに全く理解できない。一番困るのが病児保育や病後児保育の手配。せっかく病院が隣にあり、小児科も充実しているの
だから是非とも院内保育園で病児保育を導入してほしい。」(30 代,神経内科,大学病院)
「多様な就労形態を許容するシステム作りが必要.例えば当直は一切しないが昼間は OK,という人と,当直も昼間の勤務もするとい
う人との基本給が全く同じでは不公平感が生ずる可能性がある.基本給が同じで当直手当を手厚くするなど工夫が必要. 出産後の
女性医師側も,日和らないでまずはフルで戻ることを考え,何が障害なのか,何ができないのかを考えて,戻るためにはどういう配慮
が必要なのかを申し出るべき.最近は,出産したらフルで働きたくないから非常勤,という後ろ向きな人がいて不愉快かつ残念. 復
帰は早い方がいい.時短でもいいから早く復帰する.育休が長い方がいいということは絶対ない.」(40 代,産婦人科,大学病院)
「いかに意識を維持するかが大切で、家族の考えも大きい。医師を妻にするという意義を良く考えていただきたいと思います。男性に
も責任があります。」(50 代,呼吸器科,大学病院)
「働く母親にとっては自分の母親(もしくは実家)がしっかりとサポートしてくれている場合は比較的キャリアも子育ても安定しているケ
ースが多いと思います。そうでなければ(自分含む)、自分が 3 役こなさなければならず、フルの仕事は厳しい。特に夫も医師で多忙
である場合は余計困難 」(40 代,腎臓内科,一般病院)
「来年度から復職予定ですが、働き先は大学病院しかないと言われました。通勤にかなり時間がかかるため一歳の子供を一日 12 時
間も保育園に預けることになり、心が痛みます。」(30 代,代謝・内分泌科,大学病院)
「上司が理解のある人で、その方のおかげで続けてこられたようなものだったと思う。今と比べ保育所も少なく、綱渡りのような生活だ
ったが、続けてきてよかった。若い先生にも、短縮勤務でもいいから続けて欲しいと思うし、そのための助力としたいと願っています。
医師会でも相談窓口を作っているので、困ったときには相談してみてください。医師会に加入していなくても構いません。」(50 代,耳鼻
咽喉科,その他)
「実母と姑の全面的な応援により、仕事をすることができました。つらいことは沢山ありましたが、こどもは母が必死に仕事していたこ
とをきちんと理解していました。 ただ、私のようなつらい思いは、娘や嫁にはさせたくありません。」(50 代,耳鼻咽喉科,その他)
「勤めていた施設に託児所がなく、別の病院に転勤しました。そこで二人目も出産しましたが、同僚の先生方が協力してくださるので、
非常に快適に仕事を続けられました。職場の人間関係と院内保育園この二つが大事だと感じます」(40 代,小児科,一般病院)
「第1子妊娠時に痛烈な嫌味を言う上司がおり、大学では産後復帰は無理だなと思いました。復帰はアルバイトに行っていた先(保育
所あり)の外来時短勤務を直接交渉してお願いしました。第2子出産後は家族のサポートが必要となるため転居し、以前お世話にな
っていた先輩に相談して新しい職場(保育所あり)で外来時短勤務で復職しています。実際に子供のことで急にお休みをせざるをえな
いことがあるので自分がやすんでも助けていただける環境を探しました。人の好まない仕事を率先してすることで他の先生方とのバ
ランスをとって働いています。子供をもつまで救急対応をずっとしてきていたのでかなり違う状況になっているのが現状です。子供の
成長をみつつ過ごせる時間をもつためには仕方がありません。」(30 代,循環器科,一般病院)
「独身の頃と同じように働きたいと思って努力したが、難しかった。身近な同僚、所属大学の医局は理解があったが、派遣先の病院で
は他科の男性医師から嫌味や陰口を言われ、辛かった。」(40 代,眼科,一般病院)
「主人も勤務医(中間職)で、子供が病気になった時も夜間の面倒はみられないと言われました。私も産前同様に仕事をしたかったが、
夜間呼び出しに応じられないこともあり、短時間・非常勤勤務としました。」(40 代,内科,診療所)
「出産するまでは、育児中で当直をしない時短勤務の人が同じ職場にいると、働くモチベーションが激しく低下していました。自分が出
産後に同様の勤務体制となったとき、同僚たちが同様に考えるのではないかと思い、時短勤務は自分としてしたくありませんでした。
現在当直は免除させてもらってますが、それ以外はフルタイムで働いています。 周囲の人の理解とは言いますが、こちらが理解して
欲しいと思っても、不公平と思ってしまうのは事実で、そう思われてまで働きたいとは思えません。」(30 代,小児科,一般病院)
「3 人目を出産後、体力的にも精神的にもきつくなって、退職しました。一度退職してから、復職するのは大変でした。また、離職期間
が長かったので、以前と同じような働き方はできなくなり、また専門医取得もできませんでした。」(50 代,内科,診療所)
「医師になった息子から『乳児期から何故自分を他人に預けてまで仕事をしたのか』と非難されました。仕事、育児、家事で息つく暇も
無かった30年ほど前の自分の生活は、子供にとっては憎むべき姿だったのかと」(60 代以上,内科,一般病院)
「病院併設の保育園の充実が大切だと実感しました。当時無認可保育園でしたので保育士や職員のボーナスの獲得にバザーを開
いたり寄付をお願いしたりしてなんとかしのぎました。技術的な遅れは後からとりもどせます。 最初はあせりましたが、63 歳の現在も
まだまだ勉強は続けています。家族や医局の先輩、後輩の理解があったこともラッキーだったと思います。娘たちも同じ職業を選んで
くれました。大変な時は一時です。 恐れず、腐らず一生懸命やればなんとかなります。」(60 代以上,循環器科,診療所)
「職場で時間外勤務を免除してもらい、常勤で仕事を続けることができている。 しかし子供の病気の時に病児保育や親に頼らざるを
得ず、場合によっては仕事を休まなければならないのでいつも綱渡りの状態。」(30 代,代謝・内分泌科,一般病院)
「出産前は脳神経外科専攻だったので、両立困難であった。私の場合は母親が子供をほとんど育ててくれたが、それはそれで寂しい
思いもしたし、これでいいんだろうかとずいぶん迷った。結局は内科系に移らざるを得なかった」(60 代以上,神経内科,一般病院)
「子育てしながらフルタイムで働いていて、子どもの急な病気の時に、自分の外来を代われる医師がおらず、休むことが難しかった。
ベビーシッター、病児保育、県外の祖父母など子どもをみてくれる人・場をやりくりしたり、夜中に患者さんが急変した時も、寝ている
子どもだけを家において出かけることもあり、今から思い起こしても綱渡りのような生活だった。 一人で責任を負う形ではなく、仕事を
同僚とシェアできたり、労働時間も個人の状況に合わせ、フレキシブルに選択できるような働き方ができると子育て中の女性医師は
働きやすくなると思う。」(40 代,小児科,一般病院)
「単独主治医制でなく、複数主治医制になっていくことがこれからは必要と思う。」(40 代,内科,一般病院)
「臨床特有の「勘」が薄れてしまって、取り戻せるのかどうかがとても怖かったです。 出産して職場復帰して思うのは、「早めの復帰に
限る」これに尽きます。 ただそれには、周囲の理解や環境整備がまだまだ必要だと思います」(30 代,精神・神経科,一般病院)
「出産後、大学勤務を退職し、夫の留学についていったが、子供が小さかったため自分はセミナーにしか参加できず、せっかくの海外
留学の機会もうまく活かせなかった。また夫は医師であるため、育児を分担することはほぼ不可能で、帰国後も保育所、一時保育の
問題から、常勤勤務、研究会、学会への参加は難しく、アルバイト生活を続けた。そのため、自分のキャリアは出産前から著しく後退
してしまった。常勤復帰後、出産前に技術がもどるまで約2年がかかり、さらに専門医取得は同期男性と比べると4年以上遅れた。
常勤の職場や研究会にも保育所または学童等の施設を併設しなければ、女医が常勤で働くことは難しいと思われる。」(40 代,基礎医
学系,大学病院)
「どんなに頑張っていてもつわりによる仕事の量激減で周囲の評価が下がる(出産経験のある女性医師からは理解が得られるが)。
子供の突然の発熱などでの早退、休診の場合のフォロー体制、子供の迎え時間に制限があることなどなかなかまだ理解が得られに
くい。『わかるけど、あとの仕事は誰がするの?』って感じです」(30 代,外科,大学病院)
「同僚に女性医師がいなかったので、その科の医局会(20 名程度出席)で、『出産後はいつから当直が可能か』などその時点では答
えることが困難な質問をいくつもされ、誰も助け舟を出してくれず、セクハラ・パワハラにあたるのではないかと思われる状況でした。
若い医師であったならば退職に追いこまれていたかもしれません」(40 代,内科,一般病院)
「現在、子供2歳。フルタイムで夜間・休日呼び出しありの勤務であるが、正直きつい。近くに住む祖父母の助けを借りて何とかこなし
ているが、綱渡りのような日々である。そろそろ、勤務形態を変えようと思っている。」(30 代,耳鼻咽喉科,一般病院)
「保育園は子ども 3 人合わせて 15 年間通いました。毎朝診療前に保育園に送り届けるという戦争のような日々は、体力・気力が必要
でとても疲れます。しかしこれなしには仕事も続けられず、フレキシブルな保育園の存在が大切」(50 代,代謝・内分泌科,診療所)
【子どものいない医師】
「上司に来年度子供を作る予定だから妊娠中は当直業務からはずしてほしいというと『他の医師にしめしがつかない、今の働き方が
できないなら辞めてもらう』といわれました。私だって働きたいけど、先輩たちの流産、切迫早産を見ているので退職することにしまし
た。仕事を継続している医師でも、小学校に上がると子供を預けるシステムがなくなるためそこでやめざるを得ない、という人も。妊
娠・育児しながら働きたい、けれども上司との意見の相違・医療界のシステム(36時間労働など)の問題でやめていく女医は本当に
沢山いると思います。」(20 代,心療内科,大学病院)
「残念なことですが、女性が男性と対等になるには、同じではだめで、それ以上の働きを示す必要があります。 例え 2~3 か月の産
休でさえ、劣ってみなされてしまいます。 そう考えると産む気になりません」(40 代,形成外科,診療所)
「出産適齢期に不妊治療を受けられるようにしてほしい」(40 代,神経内科,その他)
「出産後の女医が働きやすければ離職せず、独身女医や男性医師の負担も軽減するので、出産後の女医が働きやすい環境はすべ
ての人にとって重要だと考えます。私の属する医局は今大変な人手不足ですが、職場環境が整備されていないため、医局を離れ民
間病院に転職する女医が後を絶たないという悪循環。そういった女医のために、私たち後輩まで「女医はいつ妊娠してやめるかわか
らない」という目で見られて、非常に迷惑しているのも事実です。産後の女医ばかりに目が行って、独身女医や男性医師にしわ寄せ
が行くことはあってはならないと思います。この高齢社会では、男性医師も家族の看病や介護をする可能性は十分にあります。職場
の全員が働きやすく、必要時は休みやすい環境を整えていくことが大切だと考えます。」(20 代,産婦人科,一般病院)
「医学部増設よりも女医の復職環境を整備する方が、医師不足の解決に繋がる」(40 代,循環器科,診療所)
「出産はしていませんが、介護でも結局同じことだと思います。経過さえ順調なら、ある意味出産のほうが気持ちの上での準備ができ
るだけよいのかも。患者から、医師は時間外対応も休日がつぶされても当然と思われているような状況では、一般病院は男女とも単
身で親も元気というときでないと勤務は無理なのでは?」(40 代,産業医,その他)
「高齢となり、妊娠は難しそうです。当直して流産したことが悔やまれてなりません。」(40 代,精神・神経科,一般病院)
「今妊娠中ですが、不妊治療など含め理解を得ることが難しく、一生懸命働くことも一人の女性としての幸せも両方という選択肢を選
ぶのが難しく感じてしまう。病院側は大事な戦力を最終的には失う方向になるのではないでしょうか。」(30 代,消化器科,一般病院)
「育児を理由に働かない先輩医師がいます。純粋に能力給が支払われるなら良いのですが。週 4 日外来のみ・入院診ない・オンコー
ルや当直免除にも関わらず常勤扱いを受けている人をみると、働く意欲を失う」(30 代,小児科,一般病院)
「私は結婚しませんでした。どうしても医師として、しっかりした仕事をしたかった為です。周りの出産後の女医を見ていると、嫌な面が
多くどうしても好きになれません。せっかく多くの税金を使って、あるいは親の金を使って医師になったのに辞めてしまう女医、そのた
めに医学部に入れずに医師になれなかった人がでるんですよ、と言いたい。税金を、親の苦労を無駄にしている。仕事に出てくる人
にも言いたい、仕事をするのなら、他医に甘えるな、負担をかけるな、どれだけ同僚に迷惑を掛けているかわかっているのか、と。」
(60 代以上,小児科,診療所)
「キャリア・収入・勤務内容、これらに優先順位をつけて周囲と折り合っている女医さんは応援したいと思う。正直、自分のキャリアアッ
プに繋がる仕事、収入に繋がる仕事はする、だが医局の皆でまわしている雑用は子持ちだからしない、という母親医師は応援したく
ない。周囲が納得して協力できるような体制も考えてもらえたらと思う。」(40 代,内科,一般病院)
「私の年代では育児をしながら仕事を続けている女性医師のロールモデルが身近にありませんでした。私自身こどもを持たない人生
を選択しました。」(40 代,精神・神経科,一般病院)
「女性医師の出産や子育てを考えていくのはいいが、一方で結婚しない女性医師、子供を産まない女性医師、子供が産めない女性
医師の気持ちは置き去りになっている気がする。ある意味、逆差別のような・・・。そう考えるのは、子供が産めない女のひがみでしょ
うか。」(40 代,代謝・内分泌科,一般病院)
「医師の世界は男性を中心に回っているので、結婚・妊娠・出産は考えられない状況にある。」(40 代,代謝・内分泌科,診療所)
「私の勤務先では女性医師の待遇改善を積極的に進めており、診療部長の先生や事務長が率先的に週 30 時間以上で常勤扱い、
夜間オンコールや当直免除などを導入しているので、そういった病院を探して転職するのもよいかと思います。産婦人科のくせに医
局員は妊娠出産禁止と言っていた大学病院とは大違いです。」(30 代,小児科,一般病院)
「女医さんが多ければ理解を得て働きやすいかと思いきや、若い女医さんが産休や当直免除に入ると晩婚の女医さんが妊娠出来な
くて大変そう。男性と女性のバランスが大事。人手不足の診療科、医員を守れる医局かどうかは大事と思う。施設の整備(遅い時間
の保育、病児保育)を進めて欲しい。」(30 代,内科,大学病院)
「欧米のように当たり前に働き方が選べたり、勤務時間の調整が受けられ、それに対して後ろめたさを感じないでいいようになればい
いと思います。 男性医師がフルタイムで働けるのも、妻が女性医師の場合、そうやって時間をやりくりしているおかげだと思うから。
子育てで一時的に休職することは、とても大切なことだと思いますが、以後完全に医師をやめてしまう人に関しては少し憤りも感じま
す。 何のために医師になったのか。だったら、その人の代わりにずっと医師を続けられる人を合格させた方が社会にとって良かった
のではと思います。」(30 代,その他,一般病院)
「出産後の女医が働きやすければ離職せず、独身女医や男性医師の負担も軽減するので、出産後の女医が働きやすい環境はすべ
ての人にとって重要だと考えます。私の属する医局は今大変な人手不足ですが、職場環境が整備されていないため、医局を離れ民
間病院に転職する女医が後を絶たないという悪循環。そういった女医のために、私たち後輩まで『女医はいつ妊娠してやめるかわか
らない』という目で見られて、非常に迷惑しているのも事実です。産後の女医ばかりに目が行って、独身女医や男性医師にしわ寄せ
が行くことはあってはならないと思います。この高齢社会では、男性医師も家族の看病や介護をする可能性は十分にあります。職場
の全員が働きやすく、必要時は休みやすい環境を整えていくことが大切だと考えます。」(20 代,産婦人科,一般病院)
「2 回の流産歴があり、通院しながら常勤で働いています。通院時間の都合もあり、専門病院の消化器内科から地域病院の内科に転
職しました。無事に妊娠・出産する方も仕事を続けるにあたり苦労があると思いますが、不妊・不育症の場合は周りが気づかなかっ
たり理解してもらえなかったりするので、本当のことを上司や同僚に伝えられず肉体的にも精神的にもつらかったことがあります。 専
門分野は続けられないと思い半分あきらめていますが、非常勤でも勤務ができるところがないかまた探そうと思っています。 仕事は
続けたいので、ワークシェアや非常勤など、ある程度自由の利く勤務体制が広まるといいなと思います」(30 代,消化器科,一般病院)
「家庭の協力がある先輩は上手に両立していて、独身の医者より活動的に働いていた。周囲の状況と本人自身の意思が、結果を左
右すると思う。」(40 代,麻酔科,診療所)
「今妊娠中ですが、不妊治療など含め理解を得ることが難しく、一生懸命働くことも一人の女性としての幸せも両方という選択肢を選
ぶのが難しく感じてしまう。病院側は大事な戦力を最終的には失うのでは」(30 代,消化器科,一般病院)
「両立という言葉はどちらも中途半端という意味に聞こえる」(30 代,循環器科,一般病院)
「外科医であるため妊娠から産後の落ち着くまでの期間は第一線を退かざるを得ないということが一番不安。現場に少しでも携われ
るように外来などにはできる限り関わっていたい。」(20 代,外科,一般病院)
「子供がいるという理由で、周りに何の配慮もなく早く帰り自分の論文を仕上げていた時には許せないと思った」(40 代,内科,診療所)
「診療体制としては主治医制度をやめていく方向とし,夫側は育児休暇を取りやすくする,本人側としては病児保育・24 時間保育のあ
る病院(もしくは確保できる病院環境)で出産・育児したり職場内で出産・育児期間が重ならないように計画するなどの工夫が必要。ま
た両親・親族などの協力が得られない状況での出産・育児は無計画と言わざるを得ない。」(40 代,その他,一般病院)
「家庭を持ち、出産あるいは子供のいる同僚の手助けはもちろんしたいと考えています。しかし、「手助けされて当然」という受け身は
納得いきません。全てではないが、そういった方に対しては、手助けするのも躊躇されます(終日の講習会や夜の飲み会などには出
席するのに、午前中のみ 1 日のみの出勤を拒否される、とか)。」(30 代,救急医療科,一般病院)
「現在勤めている病院では、産休をとった先輩女性医師がおらず、自分が将来出産したり、復職したりする際、立場や勤務体制がま
ったく分からない。病院側からは、「将来出産しても勤務を継続してほしい」とのことだが、口約束であり心配である。出産・育児もした
いが、フルタイム勤務は難しいだろうし、親も年をとってきておりどれだけ子供を預かってもらえるか分からず、保育所の確保も難しそ
うで、不安だらけである。」(30 代,眼科,一般病院)
【『CareNet.com』(ケアネット・ドットコム)について】
11 万人の医師会員を含む、18 万人の医療従事者向け臨床医学情報専門サイトです(会員制、無料)。日々の診療に役
立つ情報、“臨床力”の向上に役立つ医学・医療コンテンツを提供しています。コモンディジーズの診療アップデートを実
践的に簡潔にまとめあげた『特集』、多忙な医師がスピーディーに医薬品情報(病態・作用メカニズムなど)を習得できる
『e ディテーリング®』、世界の主要医学ニュースを紹介する『ジャーナル四天王』、各種学会レポート、動画インタビューな
ど、医師・医療従事者の効率的な情報収集を支援するサービスとなっています。
【株式会社ケアネット 会社概要】 http://www.carenet.co.jp
◇所在地
〒102-0074 東京都千代田区九段南 1-5-6 りそな九段ビル
◇設立
1996 年 7 月 1 日
◇代表者
代表取締役社長 大野 元泰
◇公開市場
東証マザーズ (証券コード : 2150)
◇事業内容
製薬企業向けの医薬営業支援サービス、マーケティング調査サービス
・インターネットによる医薬営業支援サービス 『MRPlus®』
・インターネットによる市場調査システム『eリサーチ™』
医師・医療従事者向けの医療コンテンツサービス
・臨床医学情報専門サイト 『CareNet.com』(ケアネット・ドットコム) 会員制・無料
http://www.carenet.com
・医学教育研修プラットフォーム 『CareNet CME』
http://cme.carenet.com/
・調剤薬局の薬剤師向け教育メディア 『Pro ファーマ CH』
http://www.pro-pharma.jp/
・開業医向け医薬情報・動画サイト 『医楽座』
http://irakuza.carenet.com
・医学映像教材 『ケアネット DVD』
◆お問い合わせ先◆
株式会社ケアネット 管理本部 広報担当
TEL:03-5214-5773
FAX:03-5214-5801
e-mail:[email protected]