1. 代理処罰 - 日本模擬国連関西事務局

日本模擬国連神戸研究会
平成 24 年 7 月 21 日(土)
第 2 回後期 BG スタッフミート
文責:松岡孝
プレゼンの目的
・会議で使いそうな知識の補充
・BG の章割の参考
目次
1.
代理処罰
2.
インターポール
3.
世界の死刑の状況
4.
存置・廃止の主張
5.
死刑の保護措置
6.
アムネスティインターナショナル
1. 代理処罰
・代理処罰の目的
「(1. 引き渡すか罰するかせよ )1」by グロチウス
19 世紀以降…自国民の不引渡しに代わるもの。内国の刑法を適用して罰する。2
↓
(2. 死刑
)が引渡しの拒絶事由になることがある。
伝統的に外国人が外国で犯した罪を裁く規定はない。
↓
国際刑法に不可避的なこのような隙間を埋めることによって、
いかなる逃亡犯罪人も逃亡先の国で不処罰のままに置かれることをしない。
・代理処罰の規定を置いている国
イタリア、ドイツ、オーストリア、スウェーデン、
アルゼンチン、トルコ、ポーランド、ルーマニアなど
※代理処罰の規定を置いている国はごくわずかしかない。
1
extradite or prosecute/aut dedere aut judicare
2
属人主義(犯人の国籍の国の裁判所が裁く原則)に基づく。ちなみに犯罪地の国が裁く原則を属地主義
という。
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平成 24 年 7 月 21 日(土)
第 2 回後期 BG スタッフミート
・代理処罰規定が適応された例
平成 6 年、東京で日本人女性がイラン人に殺害され、スウェーデンで身柄
が拘束された事例。
スウェーデンは被疑者を死刑にしないという保障が得られなければ引渡し
に応じないとした。日本はその保障を十分に行うことを拒否3。引渡しはな
されず、スウェーデンの刑法により罰せられた。
2. インターポール
・概要
国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization / ICPO)
別名 Interpol インターポール
1956 年設立
加盟国 190 か国
4
フランスのリヨンに本部を置く
・目的と原則
ICPO 憲章第 2 条(目的)
各国の国内法の範囲内で、かつ、
「(3. 世界人権 )宣言」の精神に基づき、
すべての刑事警察間における最大限の相互協力を確保し、及び推進するこ
と。一般法犯罪の予防及び鎮圧に効果があると認められるあらゆる制度を
確立し、及び発展させること。
ICPO 憲章第 3 条(原則)
機構は、政治的、軍事的、宗教的又は人種的性格を持ついかなる干渉又は
活動もしてはならない。
・活動
1.安全な世界規模の警察通信サービス
2.捜査情報サービス及び捜査データベース
3.警察活動支援5
4.トレーニング及び能力向上
3
4
5
三権分立の観点より
インターポールのロゴマーク
代表的なものに国際手配がある
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5.国際会議の開催
3. 世界の死刑の状況
・死刑廃止国…(4. 141
)か国
あらゆる犯罪に対して死刑を廃止している国6…97か国
通常の犯罪に対してのみ死刑を廃止している国7 …8か国
事実上の死刑廃止国 …36か国
主に(4. ヨーロッパ
)と(5. 南米
)に集中
世界の死刑廃止国が占める割合…(6.
・死刑存置国…(7. 57
)%
)か国
主にアジア太平洋、
(8. 中東
)、北アフリカ、米国に集中
特に死刑執行が多い国
(9. イラン )
(360 人以上) (10.
イラク
)
(68 人以上) (11.サウジアラビ
ア )
(82 人以上)
(12. 米国 )
(43 人) 北朝鮮(30 人以上) ソマリア(10 人) (13.
中国 )
(数字不明 数千人にのぼる)
4. 存置・廃止の主張8
廃止国
存置国
・生命権は絶対である。
・殺人者の生命権は制限されても仕方がな
・死刑は国家の矛盾である。
い。
・死刑は残虐である。
・死刑には犯罪抑止力がある。
・死刑は更正の機会を奪ってしまう。
・死刑は世論の支持を受けている。
・死刑は誤判の可能性のある挽回不可能刑で
・死刑は被害者感情を癒す効果がある。
ある。
・国際法上死刑を廃止しなければいけない理
由はない
6
軍法下の犯罪のような、通常と異なる裁判手続きによって裁かれる例外的な犯罪についてのみ、法律で
死刑を規定している国
7 死刑制度はあるものの、10 年以上死刑執行がない国
8 伊藤和貴編 第 11 回関西大会 BG「人権の促進と保護―死刑問題と性的指向・性自認の観点から」参考
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5. 死刑の保護措置
1984 年に(14. 経済社会理事会
)において死刑囚の権利保護規定9が話し合われた。
概略10
死刑を廃止していない国においては、死刑判決は以下の場合にのみ言い渡すことができる。
・
「もっとも重大な犯罪」すなわち、人の死を伴う故意の犯罪の場合
・訴追された人の有罪が、明白かつ説得力のある証拠に基づき、事実について他の説明の
余地がない場合
・少なくとも自由権規約に定められた公正な裁判基準を満たしている裁判による場合
死刑判決は以下の者に言い渡してはならない。
・犯行時(19. 18
)歳未満の者、精神障碍者、妊産婦
・上訴中の者または原形若しくは恩赦を求める手続きが進行中の者
6. アムネスティインターナショナル
11
・概要
AMNESTY INTERNATIONAL
1960 年誕生
世界 150 の国と地域に 300 万人以上のメンバーを有する、世界最大の人権 NGO
1977 年 ノーベル(20. 平和
)賞
受賞
人権の促進のために様々なテーマ12に取り組む
・死刑廃止の取り組み
設立当初から死刑の廃止を主張
1977 年ストックホルム会議13で「死刑廃止のためのストックホルム宣言」を発表
一部引用
「死刑がこの上もなく、残虐、非人道的かつ屈辱的な刑罰であり、生きる権利を侵すもの
である」
9
経済社会理事会決議 1984/50
京都研究会 2012 年前期会議 BG「死刑問題」参照
11 アムネスティインターナショナルのロゴマーク
12 死刑廃止、子どもの権利、女性の権利、企業の社会的責任、難民と移民の権利など
13 アジア、アフリカ、ヨーロッパ、中近東、南北アメリカおよびカリブ地域からの 200 名以上の代表と参
加者からなる
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第 2 回後期 BG スタッフミート
「死刑の廃止がこれまで宣言された国際的な基準の達成にとって不可欠のものである」
「国際連合に対して、死刑が国際法違反であると明白に宣言することを要請」
→死刑廃止の潮流をつくる
他にも…キャンペーンの実施
情報の収集→毎年レポート
BG 執筆、関西大会、テストがんばってください!(^^)/
参考文献&サイト
・森下忠『新しい国際刑法』2002 信山社
・北村泰三『わが国における犯罪人引渡法の現状と課題』
・警視庁
http://www.npa.go.jp/interpol/index.htm
・Interpol http://www.interpol.int/
・伊藤和貴編 第 11 回関西大会 BG「人権の促進と保護―死刑問題と性的指向・性自認の観点から」
・京都研究会 2012 年前期会議 BG「死刑問題」
・国際人権 NGO アムネスティ日本 AMNESTY
http://www.amnesty.or.jp/
・Amnesty International
http://www.amnesty.org/
・経済社会理事会レポート E/2010/10 Social and human rights questions: crime prevention and criminal
justice
・三原憲三『死刑廃止の研究』成文堂
2001
・中村長史編 第 19 回模擬国連会議全日本大会 BG 国際犯罪の規制に関する死刑問題
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