ドイツ研修スピーチ 5年1組20番 野地 舞花 Guten Tag. Ich bin Maika Noji. Bitte nennt mich Maika. 私 は 先 月 16 日 か ら 29 日 に か け て 石 沢 先 生 、 現大学一年生の菊地先輩と、ドイツ研修に行 ってきました。冒頭の挨拶はドイツ語での自 己紹介です。シュレースヴィヒ・ホルシュタ イン州にある、バルト海にほど近い北ドイツ の町に滞在しました。 1 年以上前から楽しみにしていたドイツ研修。 あまりにも楽しみにしていたため、日にちが 近づいていくにつれて逆に行きたくないと思 ってしまいました。行けば必ず帰らなければ ならないからです。出発前日には初めて興奮 で眠れないという体験をしました。 ハンブルクまではヘルシンキを経由して約 14 時 間 か か り ま し た 。 機 内 で も ほ と ん ど 眠 りませんでしたが、これから私を待ち受けて いるだろう素晴らしいことを想像すると、眠 くなるということはありませんでした。ハン ブ ル ク 空 港 か ら 北 東 へ 移 動 す る こ と 90 キ ロ 、 現 地 時 間 午 後 9 時 ご ろ 、 つ ま り 日 本 時 間 午 前 5 時ごろにホームステイ先に到着すると、家族全員が笑顔で私を歓迎してくれました。 絵に描いたような素敵な家と家族。ドイツ滞在初日から私は幸せでいっぱいでした。 5 時 間 ほ ど 眠 り 、学 校 に 通 う た め に 起 床 し ま し た 。 到着翌日から私はホストシスターと共に、彼女が通 う学校、オステーギムナジウムの授業に参加しまし た 。校 舎 か ら バ ル ト 海 が 望 め る 、5 年 生 か ら 13 年 生 までが通う公立学校です。特に自己紹介をすること もなく、まるでクラスの一員のようにドイツ語の通 常授業に参加しました。 学校に着いてまず始めに違いを感じたのは、当然 かもしれませんが人が大きいということです。ドイ ツは平均身長が世界トップクラスであり、男性は 181 セ ン チ 、女 性 は 167 セ ン チ が 平 均 と の こ と で す 。 圧倒されるほど大きい人もたくさんいましたが、日 本にいるのとは違い、自分よりもずっと大きい人た ちに囲まれているということが新鮮に感じられまし た。 授業でも日本との違いが数多くありました。まず生徒の授業に対する姿勢です。全員が 先生の目を見て話を聞き、常に誰かが挙手・ 発言していました。ほとんど板書はなく、参 加型の授業でした。先生のシステムも日本と は異なっていて、1 人の先生が何教科も担当 を持っていました。例えばある先生は生物と 地 理 を 教 え 、ま た あ る 先 生 は ラ テ ン 語 、英 語 、 哲学、歴史を教えていました。 ドイツの英語事情に関してお話ししますと、 生徒は流暢にアメリカ風の英語を話します。 たまに言葉につまる程度で、こちらが英語が できれば会話に困ることはありません。です が親世代になると、イギリス英語風の話し方 でゆっくり考えながら話すというかんじにな り、たまにお互いの意図が伝わらないことも あります。それ以上年配の方たちは全く英語 が話せない可能性が高いです。ドイツでは 3 年生から英語の学習を開始するそうですが、 それにしても英語力の水準が高いと感じました。学生たちの高い英語力、学習後長い年月 が経過しても一定程度の英語を話せるというのは、やはりドイツ語と英語が言語的に近い 関係にあることが大きいのではないかと思います。 次にドイツの食文化についてお話しします。ドイツに行く以前は、私はドイツ人はソー セージとジャガイモを主に食べているのだと思っていました。ですがソーセージはあまり 食べませんでしたし、ジャガイモよりもパンを主 食とする方が多く、ジャガイモと同じくらいの頻 度でお米も食べました。日本では馴染みのないパ ンが多く、たくさんの種類がありました。朝食は パンをハムとチーズをメインにして食べます。昼 食、夕食には必ずと言っていいほどたくさんの彩 り豊かな野菜料理が出されます。また海に近い町 だったせいか、魚もよく食べました。こうした食 事の内容は、私がホームステイさせていただいた 2つの家庭両方に共通して言えることです。外食 や買って食べるものは一人前の量が多く塩辛いも のも多かったですが、家庭料理はとても美味しか ったです。 私が滞在させていただいた町の近くにリュ ーベックという町があり、そこはマジパンが 名産品の町でした。マジパンはアーモンドか ら作られるお菓子なのですが、マジパン以外 のドイツ菓子にもアーモンドが多く使われて いるようでした。 次に学校外での体験についてお話ししたい と思います。私は両ホストファミリーからと てもよくしていただき、様々な経験をするこ ができました。バルト海海岸の散歩、民族衣 装の試着、乗馬などをしたほか、運良く日食 も観測することができました。ハンブルク、 ベルリン、ティメンドルファー・シュトラン ド、ラテカウ、シャルボイツ、ホルスタイニ シェ・シュヴァイツ、フェーマルン島など、 本当にいろいろな場所に連れて行っていただ き 、農 場 、お 城 、戦 争 遺 跡 、U ボ ー ト 博 物 館 、 ベ ン ツ 博 物 館 、NIVEA ハ ウ ス 、テ レ ビ 塔 、大 聖堂、ドイツ連邦議会議事堂なども見学しました。 中 で も 私 が 一 番 お す す め す る 街 は 、リ ュ ー ベ ッ ク で す 。 「 ハ ン ザ 同 盟 の 女 王 」と 讃 え ら れ た美しい街並みを誇り、世界文化遺産に指定されています。数々の歴史的建造物を目にす ることができ、それらに施された細部にまで至る彫刻は大変見応えがありました。教会の 展望台からの眺めは、涙が出るほどの絶景でした。 このように様々な場所での様々な体験を通じ て、私はドイツという国の様子をほんの少しで すが垣間見ることができました。ドイツはペッ ト先進国と言われていますが、確かに動物に対 する待遇の良さが目に見えてわかりました。犬 は海岸ではリードなしで走り回り、電車でもカ バンに入ってではなく当たり前のように乗って いました。またドイツはエコ先進国でもあり、 照明は学校でも家でも最低限しか使いません。 スーパーにビンを持っていくとお金に換えられ るといったリサイクルの制度も整っているよう でした。 ドイツ研修であったこと全てが夢だったので はないかと思える一方で、料理の味から会話の 内容まで全てが詳細に、昨日のことのように思 い 出 さ れ ま す 。 約 11 日 間 を 共 に す ご し た 私 の ホストファミリーは、どんなワガママでも叶え てくれるような、温かで優しさに満ちた人々でした。私のホストファミリーだけでなく、 菊地先輩のホストブラザーにもとても良くしていただき、常に笑って過ごすことができま した。私がドイツ研修をここまで楽しめたのは、そのような素晴らしい人との出会いがあ ったからに他なりません。たくさんの場所に連れて行っていただいて改めて感じたこと、 それはどこに行くのかと同じくらい誰と行くのかが重要だということです。一緒にいて楽 しいと感じる人がいてこそ、その場所を楽しむことができるのです。楽しい時間を一緒に 過ごした分だけ別れのときは辛くなり、私は突然溢れてきた涙を止めること ができません で し た 。今 回 出 会 っ た 人 々 の こ と 、彼 ら に し て も ら っ た こ と を 私 は 決 し て 忘 れ ま せ ん 。2、 3 年のうちにまた会いに行きたいと思います。そしてこのドイツ研修という機会を与えて いただき、支えてくださった先生方に感謝申し上げます。 最後に、今年度ドイツ研修に行く人へアドバイスを残したいと思います。意思疎通でき るだけの英語力があること、ドイツの文化を知っておくこと、自分のことを説明できるの はもちろんですが、日本についてや国際的な時事問題についての知識もある程度頭に入れ て 行 っ て く だ さ い 。例 え ば 日 本 の 食 文 化 や 宗 教 、東 日 本 大 震 災 と 原 発 問 題 、IS と テ ロ な ど について話しました。カフェに入るなど長時間おしゃべりをする状況になれば、そういっ た話題も避けられません。ドイツの人たちも興味を持って話を聞いてくれますし、話題が 多いに越したことはないので、いろいろなことを話せるように準備していってください。 そ し て 来 年 度 ド イ ツ 研 修 に 行 け る チ ャ ン ス の あ る 高 1・ 高 2 の 皆 さ ん 、 ド イ ツ 研 修 は 1 年間学校の勉強を頑張り続けるだけの価値があります。私はドイツ研修に行くために学年 1 位を目標にしていたと言っても過言ではありません。頑張った分だけ大きなご褒美 が待 っています。ドイツ研修獲得目指して頑張ってください。 ご静聴ありがとうございました。
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