神田外語大学 卒業論文ガイド (平成 17 年度[2005 年度]以降入学者用)

神田外語大学
卒業論文ガイド
(平成 17 年度[2005 年度]以降入学者用)
神田外語大学教務委員会作成
KUIS 卒業論文ガイド
1
【本ガイドを利用するにあたって】
■本冊子は、神田外語大学の卒業論文に関するガイドです。研究演習(ゼミ)ならびに卒業論文担当の教員の
指導を受ける際、参考にしてください。とくに注釈のつけ方などには、様々な例があるので、指導教員とよく
相談して、論文執筆に取り組んでください。本冊子の作成にあたり、教務課ならびに附属図書館、メディア教
育センター(MEC)の協力を得ました。
■本冊子とともに、神田外語大学「基礎演習ガイドブック」もあわせて参考にしてください。
【目次】
Ⅰ 卒業論文の心得
…………………………………………………………………………… ………………… 3
1 卒業論文とは何か?
2 卒業論文の位置づけ
3 卒業論文を執筆するためには
4 留学する場合
5 卒業論文の提出と返却について
6 卒業論文の審査・講評
Ⅱ 卒業論文の書き方
………………………………………………………………………………………….12
1 原稿の形式(12)
2 原稿の分量(12)
3 卒業論文完成までの道のり(13)
(a)テーマ (13)
(b)リサーチ (14-17)
①図書 ②雑誌論文 ③新聞記事 ④動画・映像資料・音声資料 ⑤インターネット資料
(c)ノート (17)
(d)アウトライン (17-18)
(e)執筆
■盗作・剽窃は不正行為 (19)
■文章は推敲する (19)
■執筆の際の注意点 (20-29)
①文体について
②表記について
③図・表について
④注(脚注)について
⑤参考文献の書き方
III 本学卒業論文の書式例
………………………………………………………………………………………..30
IV 過去の卒業論文について
………………………………………………… ……………………………………...31
V 神田外大ゼミ情報 …………………………………………………………………………………… ……………...31
VI もっと読みたい人のために―お勧め参考文献 ……………… …………………………………………………... 31
KUIS 卒業論文ガイド
2
Ⅰ 卒業論文の心得
1 卒業論文とは何か?
■ 卒業論文は、大学生としての「学問」の集大成
皆さんは基礎科目や研究科目を通じて様々な分野について幅広い知識を身につけることでしょう。そうした知識
を統合し、自ら研究課題を設定し、それについて調べ、探求することのできるのが、3年次から履修できる「研究
演習」
(通称「ゼミ」
)です。担当教員の指導のもと、ゼミの仲間とともに討論を重ね、自分の研究テーマについて
表現・発信することのできる大学ならではの「学び」の場、それが「ゼミ」なのです。そして、ゼミでの学習の仕
上げとして、また大学生として学んだことを改めて「問う」=「学問」の集大成として、
「卒業論文」に取り組むこ
とができます。
■卒業論文は、レポートとはちょっと違う
卒業論文は、レポート執筆などで培ってきた能力を土台に、さらにそれを発展させて、自ら「創る」論文です。
レポートは、教員が、授業内容に応じて、問いや課題を設定し、資料を提供するなどして、学生がそれを受けて書
くものです。それに対して、卒業論文は、自由研究型の「論文」です。つまり、自ら問題を設定し、それに応じて
情報収集、すなわちリサーチを行い、目次をつくり、文章にまとめていく、オリジナルな作品づくりとなります。
このような自由研究型の論文は、他の授業でも書いていると思いますが、その多くは分量が限られた「小論文」で
しょう(例えば 4,000 字程度)
。卒業論文は本学の場合、12,000 字以上です。卒業論文のような分量の論文執筆は
初めての経験でしょうから、担当教員の指導を受けながら進めることになります。
■卒業論文執筆の経験は、社会人になって役に立つ
卒業論文はテーマの設定からリサーチ、執筆と仕上げまで、ほぼ 1 年間(ゼミによっては 2 年間)の作業となり
ます。先輩に聞いても「卒論は大変だったよ」という声がかえってくるでしょう。しかし、同時に「書き上げてよ
かったよ」という感想も聞くことでしょう。
たしかに卒業論文を書くためにはそれなりの覚悟が必要です。
(少なくとも)1 年間、一つのテーマに取り組むと
いう作業になるからです。しかし、その作業を経れば、その経験者だけにしか得られない、情報収集力、考察力、
分析力、表現力を身に付けることができます。そのような能力は、社会人になっても役に立つことでしょう。
例えば、会社に入れば、企画発表、報告書を作成するスキルが要求されます。多種多様な情報の中から真に有用
なものを吟味・精査する力、これは社会人として必要不可欠な力なのです。つまり、卒業論文の執筆経験がある人
とない人では社会人としてのスタートラインが違うのです。こうした「大卒」として求められる力を、卒業論文と
いう経験を通じて身につけることができます。
また、大学院進学などを考えている学生にとっては、卒業論文(あるいは、それに代わるような論文)を書くこ
とが望ましいとされています。
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3
2 卒業論文の位置づけ -履修上の注意点
■卒業論文は、卒業要件としての研究科目に充当できる
神田外語大学では、卒業論文の単位を卒業要件 124 単位の研究科目の単位に充当することができます。ただし、
卒業論文を書く予定だったものの、4 年次の途中で(あるいは最後で)執筆を断念した場合、研究科目の卒業要件
不足分 4 単位を研究科目で充当しなければなりません。下の表で卒業論文の位置づけを確認してください。
国際
国際
学科名 英米語 中国語 スペイン語 韓国語
コミュニケーション
言語文化
科目群名
(IC 専攻)
英語科目
48
12
12
12
24
40
――
40
40
40
28
――
4
――
――
――
――
――
――
――
――
――
――
12
基礎科目
12
12
12
12
12
12
研究科目
※32
※32
※32
※32
※32
※32
16
16
16
16
16
16
研究演習
※4
※4
※4
※4
※4
※4
卒業論文
※4
※4
※4
※4
※4
※4
20
20
20
20
20
20
124
124
124
124
124
124
外国語科目 地域言語科目
選択外国語科目
特別演習科目
(うち学科指定)
自由選択科目
合計
※(1)研究演習(4 単位)を修得するだけで卒業論文(4 単位)を執筆しない場合、研究科目の卒業要件は 36 単位になります。(2)研究演習を履修せず、卒業論文
を執筆しない場合には、研究科目の卒業要件は 40 単位となります。
(出所)神田外語大学『学生便覧』
■卒業論文は研究プログラム修了単位に充当できる
卒業論文にはもう一つの意味があります。神田外語大学の卒業要件である「研究プログラム」24 単位を修了する
ためには、
「プログラム指定研究科目」を修得しなければなりません。卒業論文はそのうちの 4 単位に充てることが
できます。つまり、研究プログラムを修了するのに必要な 24 単位の中に、卒業論文の 4 単位がカウントされるとい
うことです。
ただし、卒業論文が書けなかった場合には、卒業要件である研究プログラム 24 単位はすべて研究プログラム指定
4
KUIS 卒業論文ガイド
の研究科目で充たさなければなりません。このような事態にも備えて、余裕をもって、
「プログラム指定研究科目」
を履修するよう計画を立てましょう。
表 研究プログラム決定の流れと卒業論文の位置づけ
(出所)神田外語大学『学生便覧』
■研究プログラムの組み立て方
研究プログラムについてもう少し詳しく説明することにしましょう。研究プログラムを修了するために必要な 24
単位以上は、
「プログラム指定研究科目」
、
「研究演習」
、
「卒業論文」を組み合わせて、充たすこともできます。よっ
て、卒業論文を履修するか否かによって様々なパターンが考えられます。以下に研究プログラムの履修モデルを表
にまとめてみました。この表を参考にして、あなたにとってどの履修パターンが適しているのか、早めに考えてお
くことが大切です。
研究演習・卒業論文 履修パターン
研究プログラム修了要件(24 単位)
研究演習
卒業論文
研究科目
① 研究演習・卒業論文をともに履修しない場合
0
0
24
②研究演習1つ(4 単位)履修で卒業論文は履修しない場合
4
0
20
③研究演習2つ(4 単位×2)履修で卒業論文は履修しない場合
8
0
16
④研究演習1つ(4 単位)と卒業論文(4 単位)を履修した場合
4
4
16
⑤研究演習2つ(4 単位×2)と卒業論文(4 単位)を履修した場合 ※1
4
4
16
⑥研究演習3つ(4 単位×3)履修で卒業論文は履修しない場合 ※2
8
0
16
⑦研究演習3つ(4 単位×3)と卒業論文(4 単位)を履修した場合 ※1
4
4
16
※1 卒業論文の単位を修得した場合、2つ目以降の研究演習はプログラム修了要件にならない。
※2 卒業論文の単位を修得していない場合、3つ目以降の研究演習はプログラム修了要件にならない。
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3 卒業論文を執筆するためには
■卒業論文の執筆条件
卒業論文を執筆するには、4 年次に「研究演習」と「卒業論文」の両方を履修登録しなければなりません。
「研究
演習」の担当教員に卒業論文指導を受けながら執筆することになります。具体的な卒業論文執筆条件は以下の 3 点
です。
①「研究演習」の履修登録
②「卒業論文」の履修登録
③ 卒業論文「仮題目」の決定
■ 卒業論文提出までの流れ
4月
「演習科目」および「卒業論文」の履修登録
6 月上旬
履修登録中止期間(前期)
6 月中旬
卒業論文「仮題目」の決定
※ 担当教員と相談の上、卒業論文「仮題目」を決定する。
11 月上~中旬
教務課掲示板にて卒論表紙、製本部数など、提出に関する指示を確認。
担当教員(主査)より副査教員について通知。
11 月中旬
履修登録中止期間(後期)
12 月中旬
卒業論文提出
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6
4 留学する場合
■留学する場合でも卒業論文は執筆できる。ただし、以下の点に注意。
留学する学生が卒業論文の執筆を希望する場合、次の要件を充たす必要があります。
(1)4 年次の前期もしくは後期の半年間のみ、海外留学する者で、3 年次と同一の研究演習を履修登録している
学生を対象とします。
(2)3 年次前期に研究演習を履修し、海外留学のため、研究演習の継続履修手続きを行い、3 年次後期から 4
年次前期まで留学し、4 年次後期に帰国、同一の研究演習を履修する学生を対象とします。
詳しくは教務課にて確認してください。ただし卒業論文を執筆しなかった場合には、上記の特例措置による研究
演習の単位も発行されなくなるので、注意してください。
卒業論文執筆に関する手続きは、時間割や掲示板のお知らせに記載されている日時や掲示を必ず遵守してくださ
い。
①演習科目・卒業論文の履修登録
②担当教員への仮題目の報告
※ ①については、海外滞在中であっても教務課の留学単位認定担当者を通じて手続きを、②については、
担当教員へ直接メールにて報告を行ってください。
③卒業論文の提出
(
『時間割』参照)
。
5 卒業論文の提出と返却について
■卒業論文の提出―形式と期限厳守
最後に卒業論文の提出となりますが、最も大切なことは、期限を守ることです。提出期限は絶対です。遅れない
ようにしましょう。そしてもう一つ大切なことは形式です。表紙はつけましたか。要約はつけましたか。提出用に
2部用意しましたか。正しく綴じていますか。電子データは最終版のファイルですか。ウイルスチェックを行いま
したか。
11 月上~中旬に、教務課より、卒業論文の提出期日と表紙の形式についての指示が掲示されます。掲示板をよく
チェックしましょう。KUIS CAMPUS WEB の「お知らせ」にも掲示されています。
教務課の掲示(
「卒業論文の提出について」
、
「提出表紙の形式について」
)の参考例を次のページに載せておきま
す。当該年度の掲示が出されますので、その指示に従ってください。
■卒業論文の返却
卒業論文の返却は、教務課窓口にて行なわれます。提出した卒業論文 2 部のうち、1 部は執筆者に返却されます。
その際、主査の講評も渡されます。主査講評は自分の成果とともに今後の課題なども明記されている大切なもので
す。これらを受け取って、みなさんの卒業論文をめぐる作業が終わります。卒業論文と主査講評は、必ず取りにい
くようにしてください。
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※以下は参考例です。当該年度の掲示に従ってください。
掲 示①
平成○○年度 (20○○年度) 卒業論文の提出について
今年度の卒業論文執筆登録者は、下記の要領で提出すること。
記
1.
執筆要領:
「時間割」
(P.● D.卒業論文及び科目コードについて)をよく確認すること。
2.
体 裁 :次の順序で作成すること。
① 表紙(指定の必要事項を明記。掲示②を参照のこと)
② 要約
③ 目次(本文についてだけ記載すれば良い。要約についての目次は不要)
④ 本文
上記の通り冊子2部を作成し、指定ファイルに綴じて提出すること。
指定ファイル:学内丸善で卒論用指定ファイルを購入。
(ファイルの留め具部分が赤と青のものを一部ずつ)
3.
要約の提出 :上記冊子2部のほかに、本文から要約部分(上記2.の②)のみをコピーし、
下記の「データに入れる事項」の①~③を加えて、USB メモリ(本体に必ず名前、学籍番号
を明記)に以下の通り保存し、提出すること。
要約のフォーマットを KUIS Campus Web の授業用ページ「卒業論文要約フォーマット」
(電
子データ提出用卒業論文要約フォーマット)からダウンロードし、使用すること。
(掲示③を
参照のこと。
)
データに入れる事項:①氏名 ②論文題目 ③要約内容(冊子の要約と同じものでよい)
保存ファイル名:
「学籍番号氏名」 例) 2XXXXXX 神田花子
↑
↑
半角
全角
4.
提出期間:平成○○年 (20○○年) 12月○日(○曜日)
・○日(○曜日)
事務取扱時間内(9:30~11:30・12:30~17:15)
* 上記の日時に提出できない場合は、必ず事前もしくは、提出日時内に連絡をすること。上
記期間外の提出及び連絡は、理由のいかんを問わず(追試験の理由に準ずる場合であって
も)
、受け付けないので十分注意すること。
なお、追試験の理由に準ずる場合は、証明書の提出が必要となる(学生便覧の「試験及び
学力評価について」を確認のこと)
。
5. 提出場所:教務課カウンター
* 指定ファイル・表紙形式の見本は教務課カウンターまたは丸善売店で確認できる。
以上
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※以下は参考例です。当該年度の掲示に従ってください。
掲 示②
提出表紙の形式について
表紙については下記の通りとする。
(下記必要事項が書かれていれば英文での表記も可。
)
《表紙》
平成○○年度(20○○年度)卒業論文
論文題目
神田外語大学
外国語学部
○ ○語学科
研究演習クラス番号
と卒業論文担当の
○○研究プログラム
教員名を書く。(時
間割 P.● 「卒業論
文及び研究演習と
卒業論文の科目コ
学籍番号
氏
名
○○研究演習-△
担当教員(主査):×× ×× 先生
副
KUIS 卒業論文ガイド
査
ードについて」を参
照のこと。)
副査教員名は卒
業論文担当教員
に確認して明記
すること。
:×× ×× 先生
9
掲 示③
電子データ提出用 卒業論文要約について
卒 業 論 文
氏
名: 神田 花子
論文題目: 『
要
要 約
』
約:
要約本文はここから
上記の要約のフォーマットは、以下の学内ページからダウンロードできます。
KUIS Campus Web
https://camjweb.kuis.ac.jp/portal/top.do
メニュー ⇒ 授業用ページ ⇒ 卒業論文要約フォーマット
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10
6 卒業論文の審査・講評
■卒業論文に対する成績評価
主査である指導教員が、副査教員の評価を勘案し、最終的に成績をつけます。通常の科目と同様に、A+、A、
B、C、Fで成績がつきます。
■講評―担当教員によるコメント
卒業論文が提出された後、主査である担当教員が卒業論文を読み、それに対して講評を書きます。ただし、みな
さんの卒論を読む教員はもう一人います。それが副査教員です。こうして、卒論は二人の教員によって審査される
のです。講評の書き方は教員によって異なりますが、審査の対象となる項目はおおまかにいえば、次の点です。参
考にしてください。
①形式・構成
-分量(12,000 字以上)が守られているか、表紙、要約、目次、本文、注(注釈)
、参考文献などがついて
いるか。
(詳細は次のパート「II 卒業論文の書き方」を参照)
。
②テーマの明確さ、意義
-研究テーマとその意義が分かりやすく説明されているか。
③論理性・説得力・分析力
-問いに対する答えが、証拠をもって、論理的に導かれているか。
④文献・資料の収集と整理
-十分なリサーチは行われているか。情報は吟味されているか。一次・二次資料が利用されているか。
⑤文章表現
-主語・述語など文法には問題ないか、誤字脱字はないか。
⑥独創性
―論文を通してどのような新しい知見を提供しているのか。テーマ、分析手法、資料などにおいて、自分の
論文が先行研究とどのように異なるのか。オリジナリティはどこにあるのか。
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Ⅱ 卒業論文の書き方
次に、卒業論文の書き方について、具体的に説明します。特に上記の中で、本学の卒業論文の形式・構成につい
ては共通条件があるので、気を付けてください。
1
原稿の形式
(1)卒業論文は、表紙、要約、目次、本文、参考文献、という順序で作成することとします。注、図表、資料は
適宜入れてください。
(2)論文は2部作成し、指定ファイルに綴じて提出すること。
(3)論文の要約及び必要事項の入った電子データ(Word 文書)を 1 部、論文2部とともに提出すること。要約は
本文の要約部分からコピーしたものでよいが、その他の必要事項については必ず掲示を確認して入れること。
(電子データは、規定に基づいて保存し、学内で閲覧できるようにします。
)
(4)上記のとおり、電子データの提出が求められているため、原則として、ワープロによる執筆を義務づけます。
図表については Word 文書の中に挿入して埋め込むこと。A4 版用紙を使用することとします。
(5)要約は、日本語ならびに外国語ともに、A4 版用紙 1 枚以内で作成することとします。
(6)注は脚注あるいは文末脚注とします。参考文献は論文末尾にまとめて記してください。
(7)詳細については「神田外語大学 卒業論文ガイド」を参照してください。
「卒業論文ガイド」は、KUIS Campus Web https://camjweb.kuis.ac.jp/portal/top.do の授業用ページ
の「卒業論文ガイド」から、電子版を閲覧・ダウンロードできます。
2
原稿の分量
(1) 日本語(横書き・縦書き)の場合、本文については次のとおりとします。
(本文には、要約、目次、注、
参考文献、図表、資料は含まれません。
)
ワープロによる執筆:A4 版用紙 12,000 字以上(本文末に字数を明記すること。
)
(2)外国語の場合、本文については次の通りとします。
(本文には、要約、目次、注、参考文献、図表、資料は
含まれません。
)
ワープロによる執筆:A4 用紙(横書き)ダブルスペースで 15 枚以上。
(3) アルファベット表記以外の外国語の場合は別に定めます。
(以上、
『時間割』を参照)
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3 卒業論文完成までの道のり
卒業論文の執筆は 1 年間(ゼミによっては 3 年次からはじめる 2 年間)を通しての作業となります。以下に、卒
業論文完成までの1年間のスケジュールを表にしてみました。これはあくまでも一例です。ゼミによってスケジュ
ールが異なるので、基本的には担当教員の指示にしたがってください。
網掛け部分には、説明をつけています。
第 1 段階
テーマ(主題)*(a)の
①
予備リサーチ* (b)
4月~6 月
確定
②
ノート*(c)作りと参考文献表の作成
③
第 1 次アウトライン*(d)作成(リサーチ項目を整理する)
→★6 月中旬、卒業論文「仮題目」を担当教員と相談の上、決定。
第 2 段階
本リサーチ*(b)および
①
第 1 次アウトラインに基づき、さらに情報収集・整理を行う。
7 月~夏休み
執筆計画の作成
②
第 2 次アウトライン*(d)の作成(章立てをつくる)
第 3 段階
執筆*(e)と仕上げ
夏休み~11 月
① 第 2 次アウトラインに基づき、執筆をはじめる。執筆の
ために更なる追加情報収集・整理を行う。
② 原稿を推敲し原稿を仕上げる。
第 4 段階
提出(締め切り厳守)
決められた形式に則って期限までに教務課に提出
12 月中旬
(a)「テーマ(主題)
」
卒業論文は、スポーツにたとえるならば、マラソンです。完走するためには、十分に体を整えて、競技に臨む
ことが大切なのです。上の表にあるとおり、卒業論文完成までには、テーマを決めて(第 1 段階)
、それについて
リサーチを行い(第 2 段階)
、そして執筆に臨み(第 3 段階)
、期限までに提出する(第 4 段階)という道のりを
経なければなりません。走るためにはまず計画を立てることが大事です。それが卒業論文の場合、第 1 段階のテ
ーマの確定です。
テーマを決める上で考えなくてはならないのは、①なぜそのテーマについて論じたいのか(問題意識、テーマ
の意義)
、②資料が十分にあるかどうか(実現可能性)
、③卒業論文を通してどのような新しい知見を適用できる
のか(独創性)
、です。これらの点に注意して、卒業論文のテーマを確定してください。
ここまで「テーマを決める」といってきましたが、とくに重要なのは「テーマを絞り込む」ことです。あまり
大きなテーマではよい卒業論文は書けません。例えば「日本外交について」というテーマはどうでしょう。 おそ
らくこのテーマで資料を探せば、膨大な数の参考文献やインターネット資料が入手できて、いかにも執筆できそ
うな気がします。しかしながら実際は逆です。資料がありすぎて、とても全部は読めないでしょうし、問題意識
のないまま、そうした資料を頭から読んでも意味はありません。したがってテーマを絞る必要があるのです。
KUIS 卒業論文ガイド
13
(b)
「リサーチ」
リサーチ(research)とは、言葉のとおり、再び探すという意味で、卒論では、選んだテーマについて資料や文
献があるかどうかを調べる作業のことをいいます。卒業論文を含めレポートや論文は自分の意見だけで書くもの
ではなく、既存の研究成果(先行研究)をベースに、そのテーマについて自分の視点で論じる作業です。まずは
卒業論文で扱うテーマを決めるために、自分のテーマについて、どのくらい資料があるのか、
「リサーチ」を行っ
てみましょう。この段階のリサーチのことをここでは「予備リサーチ」と呼びます。あとで出てくる「本リサー
チ」とは、テーマに基づきアウトライン(第一次アウトライン)が作られた後に、さらに詳しく行うリサーチの
ことをいいます。
以下、皆さんが卒業論文を書くにあたって利用できる文献・資料の中から、①図書、②雑誌、③新聞、④動画・
映像資料・音声資料、⑤インターネット資料 、について説明します。
①図書&②雑誌:
「図書」は書店で購入できるものだけでなく、各研究機関や団体などの「報告書」
(非売品)も含まれます。ま
た「雑誌」は、いわゆる市販されている雑誌、各大学や研究機関が定期的に刊行するもの(逐次刊行物)
、多くの
大学が発行する「紀要」などが雑誌の部類に入ります。こうした雑誌に掲載された論文を雑誌論文と呼び、図書
と並んで、卒業論文を書く際に役に立つ文献です。
図書や雑誌論文を探す場合、神田外語大学図書館のホームページ(http://www.kuis.ac.jp/toshokan)で
検索することからはじめてみましょう。卒業論文用の「文献検索案内」を受講することも効果的です(詳しくは
図書館カウンターで問い合わせてみてください)
。分野によっては本学図書館に所蔵されていない文献・資料もあ
ります。そういう時は、自分が書きたいテーマの図書や雑誌論文があるかどうか(資料の有無)
、そしてあるとす
れば、どこにあるのか(資料の所在)を大学図書館のホームページの「オンライン・データベース」で調べてみ
ましょう。まず皆さんに利用してほしいデータベースは、NDL-OPACあるいは Webcat Plus です。そして雑
誌記事・論文を検索する場合は、
CiNii や MAGAZINEPLUS、
英字雑誌論文ならば、
EBSCOhost や Lexis Nexis Academic
がお勧めです。詳しくは神田外語大学図書館のホームページの「オンライン・データベース」をよく読んでくだ
さい。
③ 新聞
新聞記事を検索するときは、新聞社のオンライン版のみならず、新聞社のオンライン・データベース(例:朝
日新聞 DNA「聞蔵」
、
「読売新聞ヨミダス文書館」
、英字新聞ならば Lexis Nexis Academic など)
、
『○○新聞縮刷版』
が利用できます。
[オンライン・データベースへのアクセスの手順]
以下は神田外語大学図書館のオンライン・データベースにアクセスする方法です。まずは図書館のホームペー
ジに入り、メニュー画面の「オンライン・データベース」をクリックします(左画面)
。オンライン・データベー
スの画面を開きます。例えば「読売新聞ヨミダス」を使いたい場合、画面上部のツールバーから「新聞」をクリ
ックし、
「読売新聞ヨミダス文書館」をクリックします(右画面)
。
KUIS 卒業論文ガイド
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オンラインデータベースメニュー画面から
「読売新聞ヨミダス文書館」を選択します
アクセスの手順①
神田外語大学附属図書館ホームページにアクセスし、
「オンラインデータベース」メニュー画面を表示させます
「新聞」をクリックし、
「オンラインデータベース」
をクリックします
「読売新聞 ヨミダス文書館」
をクリックします
4
4
出所)神田外語大学図書館「図書館利用のコツ」から抜粋。
④ 動画・映像資料・音声資料
以上は、文書の資料ですが、そのほかにも皆さんが利用できるものとして、動画・映像資料や音声資料があり
ます。ドキュメンタリー、ニュース、インタビューなどは、動画・映像資料(テレビ放送、映画、DVD)
、ある
いは、音声資料(ラジオ放送、CD―ROM)としてアクセスできるものもあります。インターネットでも入手
可能です。利用する際は、番組情報(タイトル、放送日・録音日、作成者など)を明記しておくことを忘れずに。
[1 次資料と 2 次資料について]
文献・資料には 1 次資料、2 次資料という区別もあります。
「1 次資料」(primary
source)とは、リサーチの対象となる主体が直接発信している情報です。それに対
して「2 次資料」(secondary source)とは、リサーチの対象について、その他の主
体がそれについて分析・調査した、リサーチ対象に関する間接的な情報です。何が
1 次資料となり、2 次資料となるかについては、リサーチするテーマ・対象によっ
て異なりますが、例えば、日本政府の外交政策について論文を書く場合、首相演説、
外務省の政策文書など、日本政府ないし関連政府機関が直接発行した文献は 1 次資
料となります。日本の外交政策について分析した学者・研究者の図書、雑誌論文記
事、あるいは、新聞記者が書いた新聞記事などは、2 次資料になります。
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15
⑤ インターネット資料
キーワードや関連語句を入れれば、自動的に検索エンジン(google や yahoo など)が必要な情報を選んで提示
してくれるインターネットはなんとも便利なツールです。しかし、それが必ずしも信頼できるものかどうかはわ
かりません。自分がアクセスしたホームページの情報は果たして正確でしょうか。
卒業論文を書くにあたって参考・引用資料として適切なインターネット情報とは、著者・所属もしくは発行元
が明らかである公式のホームページ、学会誌の論文をネット上で PDF 化して掲載されているもの、などです。ウ
イキペディア(Wikipedia)のようなフリー百科事典は、あくまでも情報を探すための一つのてがかりであり、直接
引用したり、参考文献として挙げることは適切ではありません。そこで得た情報は必ず他の文献などで事実関係
を確認することを原則としてください。
とにかくインターネット情報は誰でも自由にアクセスできます。自由である分、悪く言えば、
「なんでもあり」
の世界となるので非常に危険です。だからこそ、信頼できる情報かどうか、十分に吟味することが、利用者の責
務です。
以下に、ハワイ大学ポラード教授のサイトのインターネット情報の信頼性を評価するための「13 の質問」を紹
介します。参考にしてください。”Evaluate Internet credibility” from ”Asia, U.S., Hawai’i Global Politics,” Professor Vincent K.
Pollard( University of Hawaii)Site,http://www2.hawaii.edu/~pollard/critical.htm(参照日 2007 年 11 月 27 日)(以下、適宜、編訳。
)
13 の質問
1.ウェブサイト(ないしは電子メール)の
責任者(個人または組織・機関)はどの程度、
その情報を、責任をもって提供できる資格が
あるのか。
2.サイトの作成者(個人、組織)と連絡は
とれるのか。それとも作成者は匿名になって
いるのか。
3.事実として提供されている情報の出典、
すなわち1次資料や2次資料は明確になって
いるか。閲覧者もその出典資料にアクセス
することは可能か。
4.サイト情報の作成者(著者)は、賛否
両論がある事実や論争について、自分と異
なる見解を紹介するまでの見識、誠実さは
あるのか。
5.サイトでは、論理的かつ体系的に情報
を整理できているのか。
6.すべての情報が更新される必要はない
が、このサイトの情報は定期的に更新され
るべき情報なのか。そうであるならば、掲
載されている情報は最近のものなのか。
8.サイト情報などに依拠して、作成者(著
者)が導き出す推論は、どの程度、説得力が
あるのか。
9.多言語サイトの情報の中で、例えば、英
文(訳注:ないしは和文)のページを見てい
る場合、全訳が提供されているのか。それと
も要約のみなのか。
10.リンクされた他のウェブサイトは、公
平かつ正確に説明が加えられ、紹介されてい
るのか。
11.
閲覧しているサイトの中の情報に不備
があるため、他に、印刷資料、口頭資料、映
像資料、音声資料などを探さなければならな
いのか。
12.閲覧しているサイトは、サイト内の情
報について疑義を唱えることができる、
すべ
ての人(障害者も含む)がアクセスできるの
か。
13.以上を考慮して、閲覧しているサイト
の情報には、総じてどの程度の信頼をおける
のか。
7.他方、ウェブ情報は容易に書きかえ
ることができる。論文の参考文献や引用
資料として利用できるような、確かな文
書なのか。サイト作成者は勝手に掲載情
報を書き換えていないか。
KUIS 卒業論文ガイド
16
以上、様々な種類の資料がありますが、専門分野によって利用できる資料は多種多様です。指導教員、図書
館スタッフとよく相談し、必要なものを紹介してもらってください。
(c)
「ノート」
いくら資料・文献を読んでも、そのままではいつかはその内容を忘れてしまいます。必ずメモ(すなわちノー
ト)をとるようにしましょう。その際、自分が読んでいる資料について次の点を必ず記録しておきましょう。後
に、
「参考文献表」を作る時に必要になります。
1. 著者名(翻訳の場合には訳者名も)
2. 文献題名
3. 出版社名(外国語文献の場合には出版地も)
、刊行年
4. 保存場所(図書館所蔵の文献は)請求番号
資料・文献を読みながらノートをとる方法は、①自分の手で書く(ノート、ルーズリーフ、カードなど)
、②パ
ソコンに打ち込む、があります。自分にあった方法を見つけてください。
なおノートをとる場合、資料の情報源(どの本の何ページか、など)を忘れずに書いておくことが大切です。
後で注をつけるときに必要になります。
(d)「アウトライン」
資料を集め、読み、ノートも徐々に出来上がってきました。今皆さんの頭の中には、卒業論文を書くために必
要な情報で一杯のはずです。次はいかにそれらを順序良く(論理立てて)論文としてまとめていくかです。
卒業論文の分量は 12,000 字(400 字詰め原稿用紙に換算して 30 枚)です。決して少ない量ではありません。
これだけの分量をアウトラインなしに書き出せば、いずれ行き詰まってしまいます。海図なしに海を航行する船
はありません。目指す港(=結論)にたどりつくまでにはいくつかの航海(=章、節)を重ねなければならない
でしょう。
出発に際して、どの航海ルートをとり、そこで何をすべきか、何が必要か、予め準備をしなければなりません。
論文にたとえるならば、
「どの章で何を書くか、予め決めておくこと」に他なりません。こうした準備がよくでき
ていれば、卒業論文という皆さんの旅はある程度安定したものになると思います。それでも航海と同じく、卒業
論文の作成の過程で何が起こるかわかりません。期せずして書くことに詰まることもあるでしょう。途中で読ん
だ新しい資料から新しい情報を加えたくなることもあるでしょう。その場合は再度仕切り直しで航海ルートすな
わちアウトラインを修正してもいいわけです。
以上に述べたように、書きたいことをどの順番で書いていくか、その道筋がアウトライン(=概要)です。
予備リサーチが終わり、テーマ(主題)が確定した段階で「第 1 次アウトライン」を作ってみましょう。今後本格
的なリサーチ(表内では「本リサーチ」
)を行うために、大まかな卒論の構成を作ってみてください。
本リサーチを終えた後、いよいよ「第 2 次アウトライン」
、すなわち、執筆のためのより具体的なアウトライン
を作成します。卒業論文の「章立て」です。この章立てに沿って皆さんは卒業論文を完成させていくことになり
ます。
ところで、
「章立て」を考える際に、まずは論文の本体(次のページのフローチャートの「本文」
)が 3 つの部
分(序論、本論、結論)によって構成されていること、そして、これら 3 つの部分にはある程度決められた役割
があることを確認しておきましょう。以下簡単にこれらを説明します:
KUIS 卒業論文ガイド
17
序論:ここは、
「はじめに」ともいって、問題、すなわち論文の「問い」を提示するセクションです。通常、
一つの章でまとめます。なぜ自分がこのテーマについて卒論を書こうとしているのか、すなわち皆さんの問題意
識や、あるいはこのテーマを取り上げる意義などを表明する部分です。また、これから述べようとする内容を簡
単に説明することもできます(=論文構成や章立ての説明)
。
本論:序論の「問い」を受けて、ここは、議論を展開し、論証する部分です。自分が扱いたいテーマを章立て
に沿って展開していく部分です。通常、複数の「章」を持ちます。さらに各章は複数の「節」によって成り立っ
ています。
結論:
「おわりに」
、
「結び」ともいいます。ここは、序論の問いと本論での論証を踏まえて、議論を総括し、
結論を述べるセクションです。つまり、序論の「問い」に対する「答え」をまとめる場所です。通常、一つの章
でまとめます。本論で展開した内容から得られた結論のほかに、今回の論文では十分に議論できなかった点を今
後の課題として述べることもできます。
以上、序論、本論、結論からなる本文に加え、本学の卒業論文では要約、目次、注、参考文献表をつけること
になっています。参考までに、過去に提出された学生の卒業論文の章立て(本論のみ)を紹介します。
要約
目次
本文
序論
本論
第1章
第1節
第2節
第3節
第1章 歓迎されるエタノール
第1節 石油にかわる未来の燃料
第2節
第3節
ブラジルでのバイオエタノール導入状況
バイオエタノール先進国―ブラジル・米国
結論
注
参考文献
第2章
第1節
第2節
第…章
第2章
バイオエタノールの抱える問題点
第1節
第2節
トウモロコシは食物か、燃料か
「再生可能・持続型」の限界
第3節
枯渇しなければ、安定供給されるのか
第4節
…
第3章
経済発展への貢献とその代償
…
KUIS 卒業論文ガイド
18
(e)「執筆」
以下のことに気をつけて卒業論文を書いていきましょう。
■盗作・剽窃(ひょうせつ)は不正行為
・盗作あるいは剽窃 (plagiarism)は、試験のカンニングと同様に重大なルール違反=不正行為です。
図書、論文、小説、映画、音楽などの作品には、それが作者以外の人に勝手に利用されることがないようにす
るための権利、すなわち著作権(著作を保護する権利)があります。したがって、他人の作品を無断で、あたか
も自分の作品のように利用した場合、すなわち盗作ないし剽窃(無断引用)を行った場合、一般的にはそれは著
作法違反という違法行為=犯罪に匹敵するものです。
神田外語大学の『学生便覧』では、次の通り記載されています。
「レポートや論文は自分で書く文章であり、他人が書いたものやインターネットでの記述を丸写ししたり、
資料や情報の出典を明記せずに使用してはいけません。それは盗作に当たり不正行為となります。引用する
場合は出典と引用部分を明記しなければなりません。
」
{
「試験及び学力評価について」
「レポート」より。強調文字追加。
}
以上のような不正行為が起こった場合、神田外語大学の規則に準拠し、処分の対象となる可能性があります。
盗作は絶対にしないでください。
盗作とは、レポートや論文などにおいて適切な引用を行わずに(あるいは参考文献としてもあげずに)
、他人の
考えをあたかも自分のものとして公表することをいいます。
「独自性のある意見について、初めにそれを公表した
人のオリジナリティを尊重して敬意を払うことは学問をする者として当然の義務」です。
「敬意を払う」とはすな
わち他人の著作をクレジット(credit)するということです。よって、レポートや論文などでは、
「自分の考えたこと
」内は、慶應義塾大学日吉メディアセンター「著
と他人が考えたことを明確に区別しなければなりません。
」
{以上、「
作権を理解する―剽窃とは」KITIE<http://project.lib.keio.ac.jp/kitie/cite/copyright/15.html>より引用。その他、「著作権を理解する」
<http://project.lib.keio.ac.jp/kitie/cite/copyright>「引用について理解する」<http://project.lib.keio.ac.jp/kitie/cite/basics/16.html>も参照する
ことを勧める。}
他人の考えと自分の考えを区別するためには、本文中に注をつけたり、論文末尾に「参考文献表」をつくること
が必須です。注のつけ方、参考文献表のつくりかたについては、下記「④注(脚注)について」
「⑤文献表記の方
法」を参照してください。
■文章は推敲(すいこう)する
一度原稿を書いたら何度も推敲すること、すなわち自分が書いた文章を読み返し、改めていくことも忘れないで
ください。その際、まずは自分で、声に出して読んでみることを勧めます。文章のつながり、不自然な言い回しな
どに気がつきます。続いて第三者に読んでもらってコメントをもらってください。論文は、自分のためというより
は、自分の考えを他人に伝えることが目的であり、他人に読んでもらうために書くものです。他人が読んでわかり
やすいように文章をまとめるよう心がけてください。
KUIS 卒業論文ガイド
19
■執筆の際の注意点
執筆については、基本的に指導教員の指示を受けてください。ここではいくつかのポイントを取り上げます。
①
文体について
・「である」調で書くこと。
「です・ます」調は原則として使いません。
・
「私」
「自分」は原則として使いません。自分の意見を述べる際は「筆者」とします。個人的な感情
ではなく、客観的に物事を述べるのが論文であることを忘れないでください。例:
「筆者の考えは・・・」
・段落を適宜、つくること。しばしば 400 字詰め原稿用紙で一度も段落がない文章を見受けますが、読
者にとって読みづらいものです。
・シンプルな文章を心がけること。必要以上に修飾語や大げさな表現は使わないこと。書き手である
筆者はあくまで客観的に事実を述べ、分析・考察する役割に徹することが大切です。
②
表記について
・誤字・脱字のないように気をつける。とくにワープロなどの変換ミスに気をつける。
例:誤>100 カ国の代表がバリ国際環境会議に傘下した。 正>・・参加した。
・用字・用語は的確に統一すること。つまり「表記のゆらぎ」に気をつけること。
例:
「とくに」と「特に」
、
「ひとつ」と「一つ」
、
「取り組み」と「取組み」
・漢数字、算用数字(アラビア数字)
、ローマ数字などの使い方には原則を決めて、首尾一貫させる。
例:
「第二の問題は・・」
「第 2 の問題は・・」
「50 歳」
(半角)あるいは「50歳」
(全角)
※横書きの場合、単位の大きい数字については以下の通り。
例:300 名(三百名ではない)
、6540 箇所(6 千五百四重箇所ではない)
。
・単位などの記号も統一する。日本語読みも初出の際に併記する。
例:
「%(パーセント)
」とし、以後、
「%」あるいは「パーセント」のいずれかに統一する。
・アルファベットの略語:初めて本文で使う際(初出の際)には、日本語名称もしくは内容解説を記
し、カッコ内に原語名称およびその略語を明記すること。なお次から使う場合は、略語のみとする。
例:
「関税と貿易に関する一般協定」
(General Agreement on Tariffs and Trade: GATT)(2回目以降は、
GATT)
世界貿易機関(World Trade Organization: WTO)
北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement: NAFTA)
※略語が頻出する場合は、別のページ(目次の後が望ましい)に、略語表を作成してもよい。
③
図・表について
・必ず使わなければならないということではありませんが、図表を利用することで説明がさらにわか
りやすくなり、また読者に対して説得力が増します。そのためにも読者が見て、すぐ理解できる明瞭
な図表の作成が大切です。
・図表に関する解説を前後の段落で行うこと(例:
「上[下]で記した図は○○である」
、
「この表から
□□が読み取れる」など)
。しばしば図表のみを挿入し、前後で何も説明がない論文がありますが、
図表を使う意味はあくまで論文をさらに分かりやすくするためです。図表だけ掲載し、その前後では
別の内容が論じられるということは好ましくありません。
・図表にはタイトル(表題)
、単位、出所(あるいは「出典」
)をつけること。オリジナル・データを
使って筆者自身が作成した場合は、
「○○の資料を基に筆者が作成」という文言を入れてください。
・図、表ごとに通し番号をつける(例:[表 1])
。
KUIS 卒業論文ガイド
20
例:
表1 南米主要国の 1990 年代の経済指標
消費者物価指数(%)
GDP 成長率(%)
都市部失業率(年平均、%)
1991-95
1996-2000
1991-95
1996-2000
1991-95
1996-2000
ブラジル
1012.8
6.1
2.8
2.2
5.1
6.7
べネズエラ
47.2
40.8
3.5
0.2
8.6
12.7
ボリビア
11.1
5.1
4.1
3.2
4.7
5.2
南米平均
129
14.8
4.6
1.9
7.7
10.3
(10 カ国)
出所)恒川惠一「南米の古い政治・新しい政治」
『ラテン・アメリカ時報』48 巻 9 号(2005 年 9 月号)3-4 頁。
図 1 公務員年金会計の収支―1997-98 年
40
30
20
10
1
0 0
億-10
レ
ア-20
ル
-30
-40
市町村公務員
州公務員
連邦公務員
収入
支出
1997
赤字
収入
支出
赤字
1998
出典)Ministério do Planejamento, Orçamento e Gestão, Secretária de
Recursos
Humanos, Boletim Estatstico de Pessoal (Brasília, julho de 2000), p.70 より筆者作
成。
KUIS 卒業論文ガイド
21
GDP成長率(%)
15
10
5
0
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
GDP成長率(%)
-5
-10
-15
図 1 アルゼンチンのGDP成長率(1990-2007 年)
出典)国際通貨基金(IMF)ホームページより筆者作成。
④
注(脚注)について
・注とは何か
注の主な役割は次の3点です。
(1)補足説明(本文の内容を補足するもので、本文中に入れると文章のリズムがくずれてしまうもの)
(2)引用(資料や文献からそのまま引用。短い引用であれば「 」で、長い引用の場合、
「引用文」
であることを際立たせるために、引用文の前後1行分、同じく引用文の左を1マス空けること)
、
(3)参考(そのまま引用はしないが、重要な情報や意見として執筆の際に参考にした文献情報)
・ 注のつけ方・表記方法:
本文中にその箇所を示し、通し番号をつけます。その通し番号に呼応して、ページ末、章末もしく
は論文末に必要な情報を記載していきます。ワープロソフトの「脚注」機能を使えば、自動的に本文
内の番号をつけてくれるので、非常に便利です。
引用、参考ともに記すべき情報は、著者名(翻訳者名)
、
『タイトル』
、出版社名、出版年、ページ
(引用の場合、引用したページ数を、参考の場合、その文献の最初と最後のページを明記)
、です。な
お引用文献・参考文献の表記末尾には「。
」
(外国語文献の場合は「.」
)をつけましょう。
なお、注の表記方法は一つではありません。指導教員と相談の上、決めてください。ここではいく
つかの例を紹介します。
KUIS 卒業論文ガイド
22
例1:注のつけ方・表記方法
(本文)
注
こうした数字を支えてきたのが、「ジェネリック薬」と
1. さまざまな成分を混合して作る薬のため「カ
よばれるエイズ(HIV)治療薬の無料配布プログラムで
ある。・・・ブラジルでは 2001 年現在、12あるエイズ
クテル」と呼ばれる。
2. Almanaque Abril- Brasil, Editora Abril,
2003, p.201.
1
(HIV)治療薬 のうち 8 つまでが国内で生産可能に
なっている。
3. ブラジル日本商工会議所編『現代ブラジル
…..
事典』(新評論、2005 年)、1-501 ページ。
ブラジルはラテンアメリカ諸国で最も深刻なエイズ
4. ....
問題を抱えた国であり、1996 年以降、国内のエイズ
....
(HIV)患者に対して無料で治療薬を配布している。...
7. 掘坂浩太郎「中進国ブラジルの対外政策―
すなわち 2000 年は 4036 人と 50 パーセント以上減
現実路線の自主外交」(細野昭雄・畑惠子編『ラテ
2
少し、2001 年は 9 月末現在で 1435 人になっている
ンアメリカの国際関係』新評論、1993 年)、280 ペ
….
ージ。
….民主化後、外交イシューが多様化するなかで、外
相ポストは「キャリア外交官にとっての指定席」7では
必ずしもなくなる傾向にあるとされたが…
例 2:短い引用文の表記
例 3:長い引用文の表記
(
「 」でくくる)
(引用文の前後 1 行、引用文の左側 1 マス空ける)
….ランプレイアからラフェルの交代については、ブ
2001 年 9 月 11 日にニューヨークで起きた同時多発テロ後に開か
ラジルが「今後ますます多角的な貿易交渉を重視す
れた第 56 回国連総会で、当時のカルドーゾ大統領は以下のような演
る姿勢であることを示すものであった」24 といわれて
説を行った。
いる。
グローバリゼーションは公正さを増すことによってその意義を深
めるのである。われわれは格差を生むようなグローバリゼーション
ではなく、「連帯するグローバリゼーション」をめざす15。
カルドーゾ大統領はブラジルがグローバリゼーションに・・・
KUIS 卒業論文ガイド
23
⑤
参考文献の書き方
次の1から3には、社会科学・人文科学で一般に用いられる「参考文献」の書式を示してあります。
言語研究分野で一般に用いられる書式については、5 (p. 29.)を参照してください。
論文の末尾に、使用した文献の一覧を「参考文献」として明記します。
文献は必ずしも図書とは限りません。新聞、雑誌、動画・映像資料、インターネット資料など多様です。
以下、和書と洋書に分けて、参考文献表の書き方の例を挙げておきます。注のつけ方・表記方法について
は、
「④注(脚注)について」を参照してください。
※参考文献の書き方も一つではありません。専門分野によっても異なるので、指導教員の指示を受けて、
作成してください。ここではいくつかの例を紹介します。以下の分類についてはとくに佐藤望ほか
『アカデミック・スキルズー大学生のための知的技法入門』(慶應義塾大学出版会、2006 年)を参照。
なお、他の言語の文献については指導教員の指示にしたがってください。
1 和書の文献表記
1)単行本
書式)著者名『書名』出版地(※)
、出版社、出版年。
例)須藤季夫『国家の対外行動』東京大学出版会、2007 年。
※出版地は、国内の場合、省略しても構わない。
2)翻訳書
書式)原著者(翻訳者)
『書名』出版地、出版社、出版年。
例)A.アギレ、J.ターナー(神田外語大学アメリカ研究会訳)
『アメリカン・エスニシティ』明石書店、
2008 年。
3)雑誌論文・記事
>プリント版
書式)執筆者名「論題」
『雑誌名』掲載巻号、出版年月、掲載ページ(※)
。
例)斉藤元秀「ブッシュ政権と『九・一一』後の米露関係」
『国際政治』第 150 号、2007 年 11 月、
135-149 頁。
>ウェブ版
書式)執筆者名「論題」
『雑誌名』掲載巻号、出版年月、掲載ページ、入手先:サイト名
(あるいはオンラインデータベース名)
、URL(閲覧日)。
例)小池洋一「ブラジル・ポルトアレグレの参加型予算―グッド・ガバナンスと民主主義の深化
KUIS 卒業論文ガイド
24
(特集ラテンアメリカの変化と課題)
」
『海外事情』第 52 巻第 12 号、2004 年 12 月、68-80 頁(※)
、
入手先:CiNii, http://ci.nii.ac.jp/naid/4006546337(2008 年 2 月 17 日)
。
※「ページ」あるいは「頁」と記してよい。
※しばしば雑誌名だけ(例えば『ラテン・アメリカ時報』
)を書く学生がいますが、参考文献と
しては、その雑誌の中で「誰が」
「いつ」
「何というタイトルの論文」を書いているのかという情
報を明記することが不可欠です。著者者名、論文名、雑誌発行日なども必ず明記してください。
4)新聞記事
>プリント版
書式)著者名(分かる場合)
「記事タイトル」
『新聞名』掲載日付、(朝夕刊の別)、版(地方版など)
、
ページ(頁)
、面(※)
。
例)
大石格「絶対平和への様々な道筋」
『日本経済新聞』2007 年 10 月 28 日(朝刊)
、2 頁。
「
『ポスト京都』へ目安 温暖化対策、IPCC が統合報告書」
『朝日新聞』2007 年 11 月 18 日
(朝刊)
、2 頁。
※版や面は、確認できる場合に明記。
>オンライン版
書式)著者名(分かる場合)
「記事タイトル」
『新聞名』掲載日付、
(朝夕刊の別)
、版(地方版など)
、
ページ(頁)
、面、入手先:サイト名、URL(閲覧日)。
例)
「森林伐採面積 5 ヶ月で東京都の 3 倍 アマゾン」
『朝日新聞』2008 年 2 月 7 日、入手先:
asahi.com, http://www.asahi.com/international/update/0207/TKY200802070279.html
(閲覧日:2008 年 2 月 15 日)。
>オンライン・データベース版
書式)著者名(分かる場合)
「記事タイトル」
『新聞名』掲載日付、
(朝夕刊の別)
、版(地方版など)
、
ページ(頁)
、面、入手先:オンライン・データベース名、URL (閲覧日)。
例)「温室効果ガスの排出量市場を共同研究 東証と工業品取引所」
『朝日新聞』2008 年1月 14 日
( 朝 刊 ) 、 1
頁 、 入 手 先 : 朝 日 新 聞
DNA( 聞 蔵
http://database.asahi.com/library/simple/s-detail.php (閲覧日:2008 年 2 月 19 日)。
),
5)編著、論文集(アンソロジー)の一論文
書式)著者「論文名」編者『書名』 出版社、出版年、掲載頁。
例)廣田拓「グローバリゼーション下のアルゼンチンにおける市民社会の政治化―ピケテーロス運動
に焦点を当てて」野村亨・山本純一編『グローバル・ナショナル・ローカルの現在』慶應義塾大学出
版会、2006 年、69-94 頁。
KUIS 卒業論文ガイド
25
6)事典項目
>執筆者が明らかな場合:
書式)著者「項目名」
『事典名』版次、出版社(刊行年)
、URL(閲覧日:年月日)
。
例)エリック・シュミット「特別レポート 国勢調査結果にみる現代アメリカ人」
『ブリタニカ国際年
鑑 2002 年版』ブリタニカ・ジャパン、2002 年。
>執筆者不明の場合
書式)
「項目名」
『事典名』出版社、巻次、掲載頁。
例)
「バイオエタノール[環境]」
『情報・知識 imidas』
(集英社、2007 年)入手先:Japan Knowledge,
http://na.jkn21.com(閲覧日:2008 年 2 月 18 日)
。
8)ウェブ上の文書
書式)著者・発行者「文書名」
、サイト名、URL(閲覧日:日付)。
例)
「就職希望状況調査(確報) 平成 14 年 10 月・11 月期平均結果の概要」
(平成 15 年 3 月 28 日公
表)
、入手先:総務省統計局 http://www.stat.go.jp/data/kibou/1011/kakuhou/pdf/index.pdf
(閲覧日:2007 年 12 月 12 日)。
2 洋書の文献表記
※洋書の場合、書名、雑誌名はイタリック体(斜字体)で記し、論文名、記事名は、“
”内に入れる。
1) 単行本
例)
Morgenthau, Hans J. (revised by Kenneth W. Thompson and W. David Clinton), Politics Among
Nations: The Struggle for Power and Peace, 7th edition. New York, NY: McGraw Hill,2006.
2) 雑誌論文・記事
>プリント版
例)Collins, Alan, “Forming a Security Community: lessons from ASEAN,”International Relations of the
Asia-Pacific (Tokyo), Volume 7, Number 2(あるいは 7:2)(2007): pp.203-225.
>ウェブ版
例)Hurrell, Andrew, “Lula’s Brazil: A Rising Power but Going Where,” Current History, Volume 107,
Issue706(February2008):pp.51-57, EBSCOhost, http://web.ebscohost.com/ehost
(accessed: February19, 2008).
3)論文集(アンソロジー)の一論文
例)
Soeya, Yoshihide “Trilateralism and Northeast Asia,” in Asia-Pacific Security: US, Australia and Japan
and the New Security Triangle. pp.87-100.Ed. by William T. Tow, Mark J. Thomson, Yoshinobu
Yamamoto, Satu P. Limaye New York, NY: Routledge, 2007.
KUIS 卒業論文ガイド
26
4)新聞記事
>プリント版
例)”Aborigines to get official apology: New Australia government will make it first item of business,”
International Herald Tribune, January 31, 2008, p.3.
>オンライン版
例)“Chávez warns Nestlé and Parmalat,” Financial Times, February 10, 2008,
FT.com, http://www.ft.com (accessed: February15, 2008.)
>オンライン・データベース版
例)Jeffrey Sachs, ”Nobel message to humanity,” The Korea Herald, October 19, 2007,
Lexis-Nexis Academic, http://www.lexis-nexis.com (accessed:February 19, 2008).
3 動画・映像資料・音声資料
例)
「BS ドキュメンタリー 日韓条約―知られざる交渉の内幕」BS7 チャンネル、2005 年 6 月 18 日放送
『NHK スペシャル 映像の世紀 第 7 集 勝者の世界分割-東西の冷戦はヤルタ会談からはじまった』
NHK エンタープライズ、2005 年。
「メイキング:メッセージ・フォー・ピース」
『ホテル・ルワンダ―プレミアム・エディション』
メディア・スーツ/インターフィルム、2004 年。
「海上保安庁 特殊救難隊」2007 年 10 月 18 日、政府インターネット・テレビ
http://nettv.gov-online.go.jp/channel.html?c=24(閲覧日:2008 年 2 月 18 日)
4 インターネット資料
・インターネット上のウェブ文書を利用する場合は、その文書の著者(作成者)
、公表機関(サイト名)
、
文書名に加えて、URL(インターネットのアドレス、通常は http:// ではじまる)、および閲覧日(参照日)
を記す。インターネットの情報は日々更新されるので、自分がいつその情報にアクセスしたのか、つまり
「閲覧日」
(参照日)を明記することは重要です。
書式>著者名「文書名(Webページの題名)
」
、Webサイト名称(発行者、公表機関)<URL>(閲覧日:年月日)
例)上記項目参照。
5
言語研究分野では、次のような書式が用いられことが多いので、その一例を記しておきます (詳し
くは、日本言語学会、日本英語学会などのスタイルシートを参照のこと)。
「参考文献」
・
「参照文献」
(本文または注で引用または言及されたもの)を次の形式で論文末尾にま
とめる。
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27
(1) 第1著者のアルファベット順に並べる。英文表記の場合、第1著者は姓・名の順で書き、第2著書
からは、名・姓の順で書く。
(2) 同一著者の文献は発表年の順に並べる。
(3) 同一著者の同一年の文献には、a, b, c などの添字を付ける。
(4) 著(編)者名、発行年、論文名、頁数の順に記す。
1)単行本
書式)
第1著者名・他の著者名 (発行年) 書名 シリーズのタイトル(必要な場合),出版社, 出版地
欧文の書名は、イタリック体、和書は、
『
』に入れる。
例)
井上和子 (1976)『変形文法と日本語』
(上・下), 大修館書店, 東京.
柴谷方良 (1978)『日本語の分析』, 大修館書店, 東京.
西垣内泰介・石居康男(2003)
『英語から日本語を見る』, 研究社, 東京.
例)
Bloomfield, Leonard (1933) Language, Holt, New York.
Chomsky, Noam and Morris Halle (1968) The Sound Pattern of English, MIT Press, Cambridge, MA.
Jakobson, Roman, Gunnar Fant and Morris Halle (1963) Preliminaries to Speech Analysis: The Distinctive
Features and Their Correlates, MIT Press, Cambridge, MA.
2)雑誌論文
書式)
第1著者名・他の著者名 (発行年)
「論文名」
(欧文のものは “
る)
『雑誌名』
(欧文の場合はイタリック体) 巻数, 頁数.
”(ダブルクォーテションを用い
例:
服部四郎 (1976) 「上代日本語の母音体系と母音調和」
『言語』5 (6), 2-13.
佐久間鼎 (1941)「構文と文脈」
『言語研究』9, 1-16.
例)
Chomsky, Noam (2005) “The Three Factors in Language Design,” Linguistic Inquiry 36, 1-22.
Kay, Paul and Chad K. McDaniel (1978) “The Linguistic Significance of Basic Color Terms,” Language 54, 610-546.
3)論集などに所収の論文
書式)
第1著者名・他の著者名(発行年)
「論文名」
(欧文のものは “ ”(ダブルクォーテションを用いる)
編者名(編)
『論文集名』
(欧文の場合はイタリック体),頁数, 出版地, 出版社
*欧文の論文集は、
“論文名,” 論文集名(イタリック体), ed.by 編者名, 頁数, 出版社, 出版地.
例)
金田一京助 (1955)「アイヌ語」市川三喜・服部四郎(編)
『世界言語概説』, 727-729, 研究社, 東京.
KUIS 卒業論文ガイド
28
例)
Kiparsky, Paul (1968) “Linguistic Universals and Linguistic Change,” Universals in Linguistic Theory, ed by Emon Bach
and Robert T. Harms, 171-202, Holt, Rinehart and Winston, New York.
4)博士論文
書式)著者名(提出年)
『論文名』
(欧文の場合はイタリック体), 学位論文の種類, 大学名
例)
福地肇 (1991)『英語における統語的局地化現象』, 博士論文, 大阪大学.
例)
Bresnan, Joan (1972) Theory of Complementation in English Syntax, Doctoral dissertation, MIT.
以上をアルファベット順に配列すると次のようになります。
参照文献
Bloomfield, Leonard (1933) Language, Holt, New York.
Bresnan, Joan (1972) Theory of Complementation in English Syntax, Doctoral dissertation, MIT.
Chomsky, Noam (2005) “The Three Factors in Language Design,” Linguistic Inquiry 36, 1-22.
Chomsky, Noam and Morris Halle (1968) The Sound Pattern of English, MIT Press, Cambridge, MA.
服部四郎 (1976) 「上代日本語の母音体系と母音調和」 『言語』5 (6), 2-13.
井上和子 (1976) 『変形文法と日本語』 (上・下) 大修館書店, 東京.
Jakobson, Roman, Gunnar Fant and Morris Halle (1963) Preliminaries to Speech Analysis: The Distinctive
Features and Their Correlates, MIT Press, Cambridge, MA.
Kay, Paul and Chad K. McDaniel (1978) “The Linguistic Significance of Basic Color Terms,” Language 54,
610-546.
福地肇 (1991) 『英語における統語的局地化現象』, 博士論文, 大阪大学.
金田一京助 (1955) 「アイヌ語」 市川三喜・服部四郎(編) 『世界言語概説』, 727-729, 研究社, 東京.
Kiparsky, Paul (1968) “Linguistic Universals and Linguistic Change,” Universals in Linguistic Theory, ed. by
Emon Bach and Robert T. Harms, 171-202, Holt, Rinehart and Winston, New York
西垣内泰介・石居康男 (2003) 『英語から日本語を見る』 研究社, 東京.
佐久間鼎 (1941) 「構文と文脈」 『言語研究』 9, 1-16.
柴谷方良 (1978) 『日本語の分析』, 大修館書店, 東京.
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III 本学卒業論文の書式例
(※以下は参考例です。本学規定に従い、指導教員の指示を受けて、作成してください。
)
※用紙は A4サイズの用紙を使用し、原則として横書きとする。以下、目安として:余白は、上部 30 mm、左右 25mm、下 20mm 以上
取ること。1 ページの字数は 1,200 字程度、1 行 40 字 X30 行程度で統一し、行間を十分に取ること。1 文字 10.5 サイズとする。
平成○○年度(20○○年度) 卒業論文
論文題目
神田外語大学
外国語学部
【要約】 (A4 用紙 1 枚)
【目次】
氏
論文題名
名: 神田 花子
論文題目:『
要
』
約:
はじめに
第1章
要約本文はここから
・・
第1節
○○○(語)学科
第2章
・・
○○研究プログラム
第3章
・・
おわりに
学籍番号
氏
名
注(脚注ないしは文末注)
研究演習―△
担当教員(主査):XX XX 先生
副
図表
:XX XX 先生
査
参考文献
(本文)
第 1 章・・・
はじめに
おわりに
第1節
・
・・である。
(20 ,125 字)
(*文字数を本文末に明記。卒
業論文の分量に関する本学規
定では、12,000字以上。文字
1
2
数は、はじめに、から、おわり
に、まで。)
(本文1枚目からページ数を打つ。)
【図・表】
【参考文献】
(*図表は本文内に挿入しても構
図書:
【あとがき】 (任意)
(卒業論文を作成する上でお世話
わない。)
政府刊行物:
になった人々への謝辞、感想など
を書くことができる。)
雑誌記事・論文:
新聞記事:
動画・映像資料・音声資料:
KUIS 卒業論文ガイド
30
IV 過去の卒業論文について
・
過去の卒業論文の要約はKUIS CAMPUS WEB https://camjweb.kuis.ac.jp/portal/top.do の授
業用ページより、閲覧できます。なお、本文の閲覧を希望する場合は、卒業論文を指導した教員(研究演習
担当教員)が卒業論文を保管しているので、教員へ申し出の上、閲覧することができます。
・
著作権の関係上、原則として複写は禁止となります。
V 神田外大ゼミ情報
・神田外語大学ゼミ情報については下記参照。
神田外語大学ゼミナール委員会 公式ウェブサイト http://www.kuis.ac.jp/zemi/
KUIS CAMPUS WEB https://camjweb.kuis.ac.jp/portal/top.do
メニュー ⇒ KUIS ゼミナール委員会 からもアクセスできます。
VI もっと読みたい人のために―お勧め参考文献
以下は、卒業論文ならびにレポートの書き方に関する参考ガイドの例です。その他、専門分野によって様々な参考書があ
りますので、指導教員と相談してください。
■日本語論文
斉藤孝・西岡達裕『学位論文の技法(新訂版)
』日本エディターズ出版部、2005 年。
小笠原喜康『大学生のためのレポート・論文術』
(講談社現代新書 1603)講談社、2002 年。
小笠原喜康『インターネット完全活用編 大学生のためのレポート・論文術』
(講談社現代新書 1677)講談社、2003
年。
河野哲也『レポート・論文の書き方入門 第 3 版』慶應義塾大学出版会、2002 年。
慶應義塾大学日吉メディアセンター
―KITIE Keio Interactive Tutorial on Information Education <http://project.lib.keio.ac.jp/kitie>
-『情報リテラシー入門』慶應義塾大学出版会、2002 年。
佐藤望ほか編『アカデミック・スキルズー大学生のための知的技法入門』慶應義塾大学出版会、2006 年。
戸田山和久『論文の教室-レポートから卒論まで』NHKブックス、2006 年。
藤沢晃治『
「わかりやすい文章」の技術』講談社ブルーバックス、2004 年。
花井等・若松篤『論文の書き方マニュアル-ステップ式リサーチ戦略のすすめ』有斐閣、2003 年。
KUIS 卒業論文ガイド
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『上智大学外国語学部シリーズ 地域研究のすすめ ポルトガル語圏』
(2003 年版[第 3 版])上智大学外国語学部
ポルトガル語学科、ポルトガル・ブラジル研究センター、2003 年。
Claremont McKenna College. “About CMC’s Senior Thesis” http://www.claremontmckenna.edu/thesis
専修大学出版企画委員会編『知のツールボックス-新入生援助(フレッシュマンおたすけ)集』専修大学出版局、2006
年。
木下是雄『レポートの組み立て方』ちくま学芸文庫、1994 年。
■英語論文
英語論文の場合も専門分野によって様々な方式があります。以下はいくつかの例です。それぞれの最新版を利用す
ることを勧めます。
The University of Michigan Documents Center/Citation Guides <http://www.lib.umich.edu>
―以下の Turabian 方式を含む、多数の文献表記の方式をオンラインで紹介している。
―Search Box に“citation guides”と入力すると閲覧できる。
Turabian 方式
Kate L. Turabian (revised by Wayne C. Booth, Gregory G. Colomb, Joseph Williams, and the University of Chicago
Press Editorial Staff). A Manual for Writers of Research Papers, Theses, and Dissertations. Chicago Style for
Students and Researchers, 7th edition. The University of Chicago Press, 2003.
MLA 方式(とくに人文科学)
The MLA Handbook for Writers of Research Papers
Modern Language Association <http://www.mla.org>
(邦訳:J.ジバルディ/W.S.アクタート編著(原田敬一 訳編)
『MLA 英語論文の手引き 第 3 版』北星堂書店、1990
年。)
APA 方式(とくに心理学)
The Publication Manual of the American Psychological Association
<http://webster.commnet.edu/apa/index.htm>
(以上、英語論文の文献表記について Claremont McKenna College, Course Syllabus, “Senior Thesis-2007-2008”
<http://www.claremontmckenna.edu/thesis/syllabus>を参照。
)
磯貝友子『アカデミック・ライティング入門―英語論文作成法』慶應義塾大学出版会、2000 年。
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