LPG−200の導入ポイント ( ポーリングとバインド動作 ) LPGシステムでは、Lonデバイスを使用したシステム構築の経験やプロジェクトの構成に合わせて運用モードの選択が可能です。 Lonデバイスを使用したシステム構築の経験が浅いエンジニアでもLonを意識せずスムーズに初期導入するためのポーリングモードと、 Lonの特徴を活かした高度な自立分散システムを構築するためのバインドモードが選択可能です。Lonデバイスのインストール、動作モ ードやポーリング・バインド設定などのLPG設定情報は、専用ソフトウェアのLPGツールにて設定しプロジェクトデータをLPGに転送 します。上位システムは、FinsやMCプロトコルのメモリアクセスコマンドにてLPG内の仮想メモリを読み書きすることによりLon デバイスの制御・監視を可能とします。 以降、LPGをご理解して頂くためにポーリングモードとバインドモードでの大まかな動作・導入イメージとなります。 ●ポーリングモードの動作 LPGは、プロジェクトデータで設定されたネットワーク変数に対して一定周期でフェッチ命令を発行し応答値を仮想メモリに格納します。 ネットワーク変数の参照処理は、LPGをマスター機としたポーリング処理で行われるため Lonworks 側のパケット衝突やバインド設定の必 要がないためシステム設計が容易となります。 ①デバイスの監視(読み込み) LPGは、ポーリング設定で選択した監視対象のネットワーク変数に対して設定周期でフェッチ命令を発行しデバイスからの応答値をネッ トワーク変数に割り付けられたLPG内の入力変数用の仮想メモリに格納します。 上位システムは、LPG内の仮想メモリに格納されているネットワークデータをメモリコマンドにて読み出し状態の監視を行います。 ②デバイスの制御(書き込み) 上位システムからLomデバイスを制御するには、メモリコマンドにてLPG内の仮想メモリに割れ当てられたアドレスに更新データを書 き込みます。デバイス制御用の仮想メモリは2つの出力変数用のデータエリアがありデータ書き込み後の動作が異なります。 ・比較出力エリア(EM4∼7) ・・・仮想メモリと更新データを比較して異なる場合のみ対象ノードへパケット送信します ・強制出力エリア(EM8∼B) ・・・仮想メモリと更新データの比較を行わずに、対象ノードへパケット送信します Ethernet ( Fins / MC Protocol ) LPG LonWorks Network 仮想メモリ(CH 別) NVフェッチMSG PLC SCADA メモリリード(リクエスト) メモリリード(レスポンス) メモリライト(リクエスト) 入力変数用 入力変数用 ( EM0 – EM3 ) ( EM0 – EM3 ) 比較出力変数用 比較出力変数用 ( EM4 – EM7 ) ( EM4 – EM7 ) 強制出力変数用 強制出力変数用 ( EM8 – EMB ) ( EM8 – EMB ) Lon Node #1 スイッチ NVライトMSG ( DM ) ( DM ) Lon Node #2 ランプ ※メモリ名称は Fins モード時の例となります 【 ポーリングモードの設定手順 】 ①デバイスファイルの登録・・・ システムを構成するLonデバイスのデバイスファイルをプロジェクトに登録します。 LPG内の仮想メモリにネットワーク変数を自動でマッピングします。 ②ポーリング設定・・・ 監視対象のネットワーク変数のポーリング設定を有効にしてポーリング周期を設定します。 ポーリング周期は10個の周期タイマが設定できNV毎に周期タイマを選択します。 ③インストール・・・ Lonデバイスを使用するには設定情報をデバイスにインストールする必要があります。 LPGでは、サービスピンボタンによるデバイスインストールが可能です。 ●バインドモードの動作 バインドモードは、LPGツールにてバインド登録することによりポーリングモードの動作機能に加えてLonデバイスからのイベントメッ セージの取得やネットワーク変数毎のローカル通信を可能とし応答性の高い高度な自立分散型システムを構築することが可能となります。 ①イベントメッセージについて(状態変化通知) ポーリングモードでは、監視するネットワーク変数が増えると監視サイクルが長くなりデバイス監視にライムラグが生じる可能性がありま したが、バインドモードではバインド登録されたネットワーク変数の状態が変化するとLonデバイスからイベントメッセージが発行され、 LPGおよび同一グループにバインド登録されたグループメンバーのみイベントメッセージを受領します。イベントメッセージを受領した Lonデバイスは対象となるネットワーク変数を更新し、LPGは対象となる仮想メモリの値を更新するためポーリングモードのシステム より応答性が高いシステムの構築が可能となります。 LonWorks Network Ethernet ( Fins / MC Protocol ) LPG 仮想メモリ(CH 別) PLC SCADA ( ローカルバインド ) イベントメッセージ 入力変数用 入力変数用 ( EM0 – EM3 ) ( EM0 – EM3 ) 比較出力変数用 比較出力変数用 ( EM4 – EM7 ) ( EM4 – EM7 ) 強制出力変数用 強制出力変数用 ( EM8 – EMB ) ( EM8 – EMB ) メモリリード(リクエスト) メモリリード(レスポンス) メモリライト(リクエスト) ( DM ) ( DM ) Lon Node #1 ON スイッチ Lon Node #2 ON ランプ ※メモリ名称は Fins モード時の例となります 【 バインドモードの設定手順 】 バインドモードの基本設定は、ポーリングモードの流れにバインド登録の操作手順が追加されます。 バインド登録は、登録したいネットワーク変数を通信グループ毎に登録しインストールを実行すると設定情報がノードに反映されます。 特定バインドモードで、ローカルバインドは必要としないがLPGへの通知のみ必要とするネットワーク変数の場合は対象のネットワーク変 数のみをバインド登録することにより状態変化時にイベント通知が有効となります。 ●全バインドと特定バインドモードの違い LPGのバインドモードは、全バインドモードと特定バインドモードがあります。 全バインドモードは、LPGと構成済みノードのネットワーク変数を自動でバインド接続します。バインド接続されたネットワーク変数は、 状態が変化するとノードからLPGに更新データがイベント通知されるため、システムの構成によっては監視対象でないネットワーク変数の イベントメッセージが常に発生しネットワークの帯域を占有する可能性があります。 特定バインドでは、全バインドモードとは違いバインド登録する手順が増えますがバインド登録されたネットワーク変数のみイベントメッ セージの発行対象となるため不要パケットでネットワークの帯域を占有する可能性がありません。 ※上位システム−LPG間通信のサポートプロトコル 三 菱 (MCプロトコル 3E互換) : QnA / Qn (MQUDP)シリーズ オムロン(FINSプロトコル) : CS1 / CV / C (OCSUDP)シリーズ
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