平成27年度SSH研究開発実施報告書

目次
巻頭言
○SSH研究開発全体構成図
○SSH講演会
○サマーセミナー、サイエンスリサーチ
○サイエンスリサーチ、課題研究発表会
○海外研修
○SSH成果発表会
○楽しい実験教室
○SSH部の活動
○ポスター発表
Ⅰ
平成27年度SSH研究開発実施報告書(要約)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅱ
平成27年度SSH研究開発の成果と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
Ⅲ
平成27年度 研究開発(第4年次)
1 研究開発課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
2 研究開発の内容
第1章 教育課程の研究開発
1-1 現状の分析と仮説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
1-2 研究内容・方法・検証
(1)SS地球環境科学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(2)SS生命環境科学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
(3)SS物質環境科学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
(4)SS情報コミュニケーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
(5)SS総合コミュニケーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
第2章
2-1
2-2
1
2
3
4
地域や大学等との連携による専門的知識、探求する能力の育成の研究
現状の分析と仮説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
研究内容・方法・検証
課題研究指導と課題研究発表会・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
サマーセミナー、サイエンスリサーチ、アドバンスリサーチ、大学訪問・・・・・20
地域の特色ある理数教育の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
SSH部の活性化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
第3章
3-1
3-2
1
2
3
コミュニケーション能力とグローバルな科学的倫理観を養う研究
現状の分析と仮説
研究内容・方法・検証
SSH講演会
SSHシンガポール・マレーシア海外研修
SSH成果発表会
第4章 研究開発実施の効果とその評価
4-1 活動評価のアンケートの分析とその評価
Ⅳ
関係資料
1 平成27年度入学生教育課程表
2 平成27年度SSH分掌別活動記録
3 運営指導委員会
年度別紙様式1-1
福岡県立鞍手高等学校
指定第1期目
24~28
❶平成27年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発実施報告(要約)
① 研究開発課題
「水」をテーマとした総合的研究活動とプログラム開発
② 研究開発の概要
(1)「水」をキーワードとして活用し、情報-科学-環境を結びつけ、科学的な知識と技術を幅広く
身につけさせるための学校設定科目を設定し、広い視野を持ち、地球規模の諸課題に対応する思考力
を育成するためのカリキュラム研究
(2)情報、科学、環境等に関する問題を共有するための地域の「理数教育ネットワーク」と、それぞ
れの分野の課題研究を大学と提携して発展的に研究できるシステムの構築を行うことで、科学的諸課
題の解決に向けての専門的知識と生徒の探究する能力及び態度を育成する研究
(3)人類の未来や地球環境を見据え、科学技術英語を活用したコミュニケーション能力を高めるとと
もに、学会や国際会議等への参加や発表を目指して、グローバルな科学的倫理観を養うためのプログ
ラム研究
③ 平成27年度実施規模
全校生徒対象:SSH講演会、企業訪問、学部学科研究発表会
等(1,2,3年705名)
普通科生徒対象:学校設定科目「SS地球環境科学」、「SS情報コミュニケーション」
(1,2年477名)
理数科生徒対象:課題研究、学校設定科目「SS地球環境科学」「SS物質環境科学」「SS総合コミ
ュニケーション」、「SS生命環境科学」、ジョイントリサーチゼミ、ジョイントラボ等
(1,2,3年119名)
理数科・SSH部選抜:コミュニティープロジェクト、学会発表、論文コンクール、世界水フォー
ラム等(1,2年60名)
④ 研究開発内容
○研究計画
【平成27年度(第4年次)】
①学校設定科目
②高大連携等 ③校外研修活動 ④国際性の育成
⑤SSH生徒研究発表会・交流会等への参加 ⑥地域貢献 ⑦運営指導委員会の開催
⑧成果の公表・普及 ⑨事業の評価、報告書の作成
の事業を定着・深化させる。
○教育課程上の特例等特記すべき事項
研究開発課題の研究を進めるため、次項に示す学校設定科目を設置する。いずれも、既存の理数化
学、理数生物、情報C、社会と情報、課題研究、化学基礎、地学基礎を再構成して、探究的な学習を
効果的に実施する。
○平成27年度の教育課程の内容
平成27年度1学年に対しては、次表の「SS地球環境科学」(普通科、理数科)、「SS生命環境
科学」(理数科)、「SS総合コミュニケーション」(理数科)を実施した。第2学年に対しては、次
表の「SS物質環境科学」(理数科)、「SS情報コミュニケーション」(普通科)、「SS総合コミュニ
ケーション」(理数科)を実施した。
既存の科目
設置する
設置の理由
教科・科目
化学基礎
SS地球環 情報機器を効果的に用い、水に関
地学基礎
境科学
する基礎的な学習を地学基礎、化
2
対象学年・単位
1年 2年 3年
4
対象規模
(人数)
普通科
(200)
社会と情報
理数化学
理数生物
社会と情報
学基礎、理数化学を通して学習す
る
SS生命環
情報機器による検索などを用い
境科学
て、理数生物の内容を発展させ、生
3
理数科
(40)
理数科
3
(40)
物と水の関わりや、様々な課題や
問題を考察する
理数化学
社会と情報
SS物質環
理数化学の内容を発展させ、水に
境科学
関する様々な課題や問題を、科学
理数科
3
(40)
的解析方法を用いて考察する
社会と情報
社会と情報
課題研究
SS情報
情報発信のスキルや英語コミュ
コミュニケーション
ニケーション能力を活かして、学
SS総合
習成果や課題研究の発表や意見
コミュニケーション
交換を行う
普通科
1
(197)
理数科
1
1
(80)
○具体的な研究事項・活動内容
(1)学校設定科目
理数科対象の「SS地球環境科学」「生命環境科学」「SS物質環境科学」は、従来の「理数化学」、
「理数生物」をさらに発展させて、SSH活動全般に渡る知識の基礎作りを行うという主旨で実施し
た。同じく理数科の「SS総合コミュニケーション」では「情報」の内容と「課題研究」を組み合わ
せてSSH事業全般で役立つ研究方法やまとめ方、及び発表方法などに関する実践的な能力の育成を
図った。普通科では教育課程における理科の3科目履修を念頭に入れて、「SS地球環境科学」の実
施によって地学と化学の内容を組み合わせた幅広い環境科学を学び、
「SS情報コミュニケーション」
では情報処理の技術をSSH活動の目標に沿った形で活用できることを目標として実施した。
(2)高大連携等
SSH実施4年目となり、初年度からの実施内容の検討によって職員、生徒がより積極的に大学と
の連携に取り組めるようになった。福岡教育大学、九州工業大学、福岡女子大学、福岡工業大学、近
畿大学産業理工学部等と連携して生徒が研修会や講演会に参加した。課題研究に関しては、生徒を引
率して大学で実習を行なう等、高校では出来ない経験を積ませることが出来ている。理数科1年生の
課題研究講演会に関しては、目標を明確にするために内容を2年次からの課題研究の準備になるもの
とし、福岡教育大学から定期的に講師を招いて実施している。年間に数回本校で行う全校生徒対象の
SSH講演会では、農場から講師を招き、環境に関する考えを聞いたり、河川作りに関する自治体の
取り組みの話などを聞くことで、生徒が社会の実情により広く接する良い機会となった。2学期に行
う大学訪問は、進路部の事業と連携して普通科も含めた2年生全クラス対象の事業として、地域の大
学との連携を深めている。
(3)校外研修活動
SSH事業の開始時(平成24年度)から毎年、理数科ではサイエンスリサーチとして、夏季休業
中に「筑波東京研修(理数科2年生)」や「九州地区研修(理数科1年生)」を実施している。
理数科1年生はサマーセミナーとして、近畿大学産業理工学部で夏季研修を行った。また、福岡
教育大学での講義聴講は、今年度より全校生徒希望者へと対象を広げた。普通科でも、進路部主催
の大学訪問等の校外研修や理系の卒業生による講演会を学校行事に組入れる機会を増やすことで、
全校体制による取組を行っている。
(4)国際性の育成
平成27年度より海外研修の目的地をシンガポール・マレーシアとし、本校SSHのテーマである
「水」に関する研修を多く取り入れられるようにした。25名の生徒が6日間の研修を行い、平成2
8年2月の成果発表会で、在校生だけでなく保護者や地域の中学校も対象とする成果発表を行った。
3
海外研修の事前・事後の指導も校内だけでなく、九州産業大学と連携して行っており、理系の研究活
動と英語教育を結びつける取組が進み、英語科の教員をはじめとした全校的な活動となっている。平
成28年度も同じ時期の実施の計画が進んでいる。
(5)SSH生徒研究発表会・交流会等への参加
理数科の生徒を中心として、大学や研究施設での研修会や研究指導に参加してレベルの高い研究活
動を行い、理数科の代表グループが福岡県理数科課題研究発表会(平成27年6月)やSSH生徒発
表会(平成27年8月)でその研究成果を発表した。SSH部は物理班、化学班、生物班で独自の研
究を行い、高文連主催の生徒理科発表大会で優秀な成績を収めた。また、「東京理科大学坊ちゃん科
学賞」「高校化学グランプリ」等のコンクールに多くの論文を提出し、発表会への参加や多くの表彰
を受ける実績を残した。日本化学会が主催する日本農芸化学会などにも積極的に参加して、高校生と
して大きな学術発表の場に臨む経験を積んだ。
(6)地域貢献
「コミュニティープロジェクト」の一環として、平成24年から地域の子供たちの理科への興味・
関心や鞍手高校SSH事業の理解を高めることを目的として、中学生対象の「楽しい科学実験教室」
を実施した。その内容が地元の新聞に記事として取り上げられたこともあって参加希望者が増え、平
成25年度からは小学生対象の「楽しい理科実験教室」が加わり、活動の幅が広がった。平成27年
度はSSH部の生徒も参加者への指導を行い、事後アンケートでも参加者の評価が高かった。地域の
施設や活動団体や小中学校との連携、地域イベントへの参加などを通じて、地域の理科教育ネットワ
ークの構築へ向けた取組も進んでいる。
(7)運営指導委員会の開催
大学関係者や本校卒業の企業関係者、地域の教育ネットワーク関係者を中心に運営指導委員を委嘱
し、平成27年6月と平成28年2月の運営指導委員会で活動の報告と検討を行って、適切な助言を
受けた。運営指導委員会の検討事項は、SSH事業の方向性をマネジメントする上で有効に活用して
いる。
(8)成果の公表・普及
年間数回行われる中学生や地域対象の学校説明会で、SSH活動の全体的な説明を行った。理数科
の課題研究のうち校内選考で優秀なものは平成27年6月の福岡県理数科課題研究発表会で発表し、
地域の中学校訪問でも校外研修、海外研修等の内容とともに公表している。学校のホームページでS
SH活動の内容を掲載し、内容を毎月更新している。校内作成の広報誌や通信にもSSH活動の内容
や生徒の感想などを掲載し、幅広い普及活動も行っている。
(9)事業の評価、報告書の作成
学校設定科目では定期的な授業アンケートを行い、各SSH事業後の生徒アンケートの結果も
集約している。SSH全体に関わる年間のアンケート結果などをもとに校内のSSH担当者会議
で活動評価を行い、その内容を「学校自己評価」に掲載することで校外にも公表し、運営指導委
員会でそのまとめを報告した。また、その年間のまとめの内容は毎年「SSH活動報告書」とし
て、公表している。
⑤ 研究開発の成果と課題
○実施による成果とその評価
学校設定科目に関しては、特に「SS総合コミュニケーション」の成果の発表に関して、質、量とも
にレベルアップした研究内容を紹介することができた。特に今年度は、プレゼンテーションなど
の情報発信に関する評価が高かった。
高大連携と校外研修活動については、従来の理数科の活動をSSH事業として新しく発展させるこ
とができ、行事ごとの事後評価も生徒、教員ともに高いものが得られた。サイエンスリサーチゼミの
対象を普通科にも広げ、生徒全員によるSSH事業への興味・関心や進路意識が向上した。
4
海外研修の実施は、単に参加した生徒の能力や意欲の向上、視野の拡大といった成果だけでなく、
その指導に関わる教員の意識の改革にもつながり、国際性の育成に取り組む学校全体の姿勢も向上し
た。海外研修に参加した生徒の意識の向上は明らかで、その成果は海外に対する生徒の意識の変化に
も現れ、海外研修への参加希望者も平成27年度は前年度に比べて増加した。海外研修の内容は成果
発表会で発表し、英語表現力の必要性を全校生徒にアピールしている。参加した生徒の変容だけでな
く、理数科を中心とした多くの生徒の日常生活においても、国際感覚の向上に向けて積極的に取り
組む姿勢が見られるようになっている。
SSH部の課題研究については担当教員の地道な取組や校外からの指導の充実によって確実に成
果が上がっており、校内、校外でも発表や表彰の機会が増えた。
地域貢献の取組は、地域の科学教育に従来本校が果たしてきた役割の重要性を再認識させられ
る結果となった。
○実施上の課題と今後の取組
学校設定科目のうち、普通科の学校設定科目に関しては、人文コースや文系選択者と理系選択者と
のとらえ方に差があり、生徒への理解をさらに進める必要がある。学校設定科目の内容の検討を続け
るとともに、他の教科、科目でもSSH事業の主旨を活かした取組を盛り込むことを考えたい。高大
連携や校外研修活動に関しては、3年間で培った理数科での成果を、学校全体に普及させるような具
体的な企画作りをさらに進める必要がある。国際性の育成では、科学英語を活用した新しい授業展開
や英語による表現力の向上を図り、参加者だけでなく、全生徒の更なる意識向上を目指したい。科学
系部活動や課題研究の指導では、年度を越えた継続研究を進め、レベルアップを図りたい。SSH事
業で始まった地域に対する新たな取組は確実に成果を生みつつあるが、地域の科学教育ネットワーク
作りという大きな目標へ向けて、更に活動範囲を広げたい。
全体を通して、行事や取組が安定してきたが、個々の活動に関してはさらに充実させる余地がある。
また、行事が集中する時期があることなどを反省し、全体的な視野での活動の見直しと、新しい取組
の検討を続ける必要がある。
5
別紙様式2-1
福岡県立鞍手高等学校
指定第1期目
24~28
❷平成27年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発の成果と課題
① 研究開発の成果
(根拠となるデータ等を報告書「❹関係資料(平成27年度教育課
程表、データ、参考資料)」に添付すること)
(1)教育課程の研究開発
ア 平成27年度実施の学校設定科目
平成27年度の学校設定科目に関する成果は、次のようにまとめられる。
①「SS地球環境科学」(普通科1学年
4単位、理数科1学年
3単位)
普通科では実施4年目となり、単なる教科の融合から水に関わる総合的な環境教育の内容を増やし
た年間指導計画が定着し
6
っ た 発 展 学 習 も で き た 反 面 、授 業 進 度 が 遅 れ る 結 果 と な っ た 。科 学 英 語 の 指 導 に 関 し て 、A
LTとの連携も進めて、SSH事業を支える基盤となる授業を目指したい。
(2)SS生命環境科学 3単位(理数科1年生必修)
○指導目標
生 物 や 生 物 現 象 に お け る 水 の 役 割 や 、水 環 境 の 問 題 に つ い て の 観 察 、実 験 な ど を 行 い 、自
然 に 対 す る 関 心 や 探 究 心 を 高 め 、生 物 学 的 に 探 究 す る 能 力 と 態 度 を 育 て る と と も に 、生 物 学
の 基 本 的 な 概 念 や 原 理・法 則 の 系 統 的 な 理 解 を 深 め 、科 学 的 な 自 然 観 を 育 成 す る こ と が で き
る。
○年間指導計画
学期
単
元
学習内容
1
学
期
2
学
期
第1部 生物の特徴
1章 生 物 の 共 通 性 と 多 様 性
2章
細胞とエネルギー
第2部
1章
遺伝子とその働き
遺伝子とDNA
2章
3章
遺伝情報の分配
遺伝情報とタンパク質の
合成
第3部
1章
2章
生物の体内環境の維持
体内環境と恒常性
体内環境の維持の仕組み
3章
第4部
1章
3
学
期
2章
第1部
1章
2章
免疫
生物の多様性と分布
植生の多様性と分布
生態系とその保全
生命現象と物質
生命と物質
代謝
1
3
4
5
1
2
多様な生物
2 生物の共通性
生物共通の単位
細胞の構造の共通性と多様性
生物の構造の共通性と多様性
生命活動とエネルギー
光合成と呼吸
1
3
1
1
2
3
遺伝子 2 DNAの構造
遺伝子とゲノム
遺伝情報の複製 2 遺伝情報の分配
遺伝情報とRNA
遺伝情報の発現とタンパク質の合成
遺伝情報の維持と発現
1 体液とその成分
2 体液の恒常性
1 自律神経と内分泌系 2 ホルモンに
よる調節 3 自律神経による調節
4 自律神経とホルモンの共同作用
1 体液性免疫
2 細胞性免疫
1
3
1
2
さまざまな植生 2 遷移
気候とバイオーム
物質循環とエネルギーの流れ
生態系のバランスと保全
1 生体物質と細胞
2 生命現象とタンパク質
1 呼吸
2 炭酸同化
3 窒素同化
○成果と課題
理 数 科 を 対 象 と し 、生 物 基 礎 お よ び 生 物 の 内 容 を よ り 深 め な が ら 授 業 を 行 な っ た 。問 題 演
習 や 実 験 な ど も 取 り 入 れ 、時 間 を か け て 進 む こ と が 出 来 た 。実 験 や 実 習 を 通 し て 、科 学 的 な
考察力を更に身につけさせる方法を考えて行きたい。
(3)SS物質環境科学 3単位(理数科2年生)
○指導目標
SSH設定科目の特性を活かし、1年次に引き続き化学の基礎的事項を確実に習得させ、
さらに生徒実験や探究活動に積極的に取り組むことで、発展的な知識や科学的思考力を身
に つ け さ せ る 。そ れ を 通 し て 、生 徒 の 興 味・関 心 を 喚 起 し 、主 体 的 に 学 ぶ 姿 勢 を 育 み 、応 用
力と実験考察力を養成する指導を行う。
○年間指導計画
学期
単
第3章 無機物質
1節 周期表
2節 非金属元素
元
学習内容
1 周期表と元素の種類
1 水素と希ガス
2 ハロゲンとその化合物
14
1
学
期
2
学
期
3
4
5
1
2
3
4
5
1
酸素・硫黄とその化合物
窒素・リンとその化合物
炭素・ケイ素とその化合物
アルカリ金属とその化合物
2族元素とその化合物
1,2族以外の典型元素とその化合物
遷移元素とその化合物
金属イオンの分離と確認
金属と人間生活 2 セラミックスと
人間生活 3 無機物質の活用
第4章 有機化合物
1節 有機化合物の特徴
と分類
2節 脂肪族炭化水素
3節 酸素を含む脂肪族化合物
1
2
1
1
4節
構造式の決定
1
5節
芳香族化合物
1
6節
有機化合物と人間生活
1
有機化合物の特徴
有機化合物の分類
飽和炭化水素 2 不飽和炭化水素
アルコールとエーテル 2 アルデヒド
とケトン 3 カルボン酸とエステル
構造式を決定する手順 2 分離・精製
と元素分析 3 分子式・構造式の決定
芳香族炭化水素 2 酸素を含む芳香族
化合物 3 窒素を含む芳香族化合物
エネルギーと人間生活 2 食品と人間
生活 3 医薬品や洗剤と人間生活
染料と人間生活
3節
金属元素
4節
無機物質と人間生活
4
第5章 高分子化合物
1節 高分子化合物
2節 合成高分子化合物
3節
4節
3
学
期
天然高分子化合物
高分子化合物と人間生活
第1章 物質の状態と平衡
1節 状態変化
2節
気体の性質
3節
4節
固体の構造
溶液
1
1
2
5
1
1
高分子化合物の分類と特徴
合成高分子化合物の分類
合成繊維 3 合成樹脂 4 ゴム
機能性高分子化合物
糖類 2 タンパク質 3 核酸
合成樹脂と人間生活 2 繊維と人間
生活 3 資源の再利用と人間生活
1
2
1
2
1
1
4
物質の構造と融点・沸点
状態間の平衡
ボイル・シャルルの法則
気体の状態方程式
結晶の構造 2アモルファス
溶解 2 溶解度 3 溶液の性質
コロイド溶液の性質
○成果と課題
1 年 次 か ら の 継 続 で 、よ り 発 展 的 な 授 業 を 行 う こ と が で き た 。実 験 も 予 定 通 り 行 な う こ と
が で き て い る 。応 用 力 が 身 に つ い て い る と 感 じ て お り 、大 学 受 験 に も 対 応 で き そ う で あ る 。
より広い範囲での知識と考察力を身に付けることができるよう、授業内容を吟味したい。
(4)SS情報コミュニケーション 1単位(普通科2年生)
○指導目標
実 験 や 観 察 の 結 果 を 集 約 、発 表 す る 上 で 必 要 な 情 報 処 理 の 方 法 を 学 ぶ 。さ ら に 、プ レ ゼ ン
テーション能力を高め、情報発信の技術を身につける。
○年間指導計画
学期
単
元
学習内容
1
学
期
第1章
①エクセル関数の基礎知識
②エクセル関数の基礎演習
第2章
①エクセル関数の発展・応用
②エクセル関数の発展・応用演習
第3章
①グラフ作成の基礎知識
表計算の関数
合計(sum)、平均(count)平均(avg)、
対 象 関 数 ( vlookup) 等
成績表・家計簿等の作成
物理・化学・生物等の理論値
計算式の作成
棒グラフ・線グラフ・レーダーグラフ等
15
2
学
期
3
学
期
の作成練習と利用法
物理・化学・生物等の理論値と計算値か
らグラフを作成する
パワーポイントの基礎
ワード文書・エクセル・表・グラフ等の
貼り付け ネットからの引用・添付等
物理・化学・生物等の実験レポート作成
を体験する。
第5章
物理・化学・生物・数学等の実験や演習
p c を 活 用 し た プ レ ゼ ン テ ー シ ョ 課 題・調 べ 学 習 の 結 果 を 、p c を 用 い て 発 表
ン
させる
パ ワ ー ポ イ ン ト・エ ク セ ル を 用 い た 資 料 の 印
刷とまとめ作業を行う
②グラフ作成の発展・応用演習
第4章
①パワーポイントの基礎知識
②パワーポイントの発展・応用演
習
○成果と課題
表 計 算 ソ フ ト を 用 い て 、デ ー タ 分 析 や グ ラ フ 化 な ど の 技 術 を 身 に 付 け る こ と が で き た 。さ
らにプレゼンテーションソフトを用いての情報発信や、ポスター作成への応用なども行な
っ た 。相 互 発 表 を 通 じ て 、情 報 発 信 へ の 意 識 付 け や 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 習 得 を 行 わ
せ る こ と が で き た 。技 術 に 差 が あ り 、満 足 で き る 結 果 を 出 せ な か っ た 生 徒 も い る の で 、対 応
を検討したい。
(5)SS総合コミュニケーション
【理数科1年生】1単位
○指導目標
理 数 科 サ マ ー セ ミ ナ ー や サ イ エ ン ス リ サ ー チ な ど 、様 々 な 研 究 機 関 と 連 携 を 図 り 、水 に 関
す る 理 数 科 課 題 研 究 を 進 め る 。更 に 、そ の 成 果 を 発 表 す る た め プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン や 論 文 を
作成することで、情報発信やコミュニケーションスキルを育成する。
○年間指導計画
学期
単
元
学習内容
指数の拡張
1
学
期
夏季
休業
中
2
学
期
整数の指数
累乗根
有理数の指数
静電誘導と電磁誘導と浮力の実験 電磁気 静電誘導と電磁誘導
単振り子による重力加速度の測定 力学 浮力 力学 単振動
顕微鏡実習1
顕微鏡の使い方について習熟させ、より良い顕
化 学 実 験 の 基 本 操 作 (1)
微鏡像を得られるように、技術の向上を図る。
化 学 実 験 の 基 本 操 作 (2)
主に扱うガラス器具等の基本的な扱い方を身に
つける。
対数とその性質
対数、対数の性質、底の変換公式
フックの法則と連結ばね定数の測定 力 学 フ ッ ク の 法 則 合 成 ば ね 定 数
顕微鏡実習2
原形質分離の観察を行い、スケッチの方法など
についての技術向上を図る。
滴定操作の基本
滴定の基本的な操作方法、知識を学習する。メ
滴定操作の応用
スフラスコ、ビュレット等の正確な扱い方を身
につける。
サマーセミナー
近畿大学産業理工学部にて、物理・化学
・生物の各講座を受講する。
サイエンスリサーチ
企業の設 備 を 見 学 す る 。
平面上のベクトル
ベクトルの演算
測定法(体積・質量・密度)ノギスの使 基 礎 的 な 測 定 法 に つ い て
用法
コードの切断・結線、電球の電圧電流 は ん だ づ け
測定
電磁気 電流と電圧
水生プランクトンの観察
プランクトンネットを使い、水生プランクトン
を集め、観察・同定を行う。
周期表の基礎
周期表と元素の分類
平面上のベクトル
ベクトルの成分と内積
凸レンズの焦点測定
波動 レンズ
顕微鏡実習3
ミクロメータを用いて、さまざまな観察対象の
大きさを正確に測る技術を学習する。
16
無機化合物の性質
プレゼンテーション
3
学
期
非金属・金属元素
理数科サイエンスリサーチおよびサマーセミナ
ーの内容に関してプレゼンテーションを行う。
はねかえりの係数の測定
力 学 反 発 係 数 (は ね か え り の 係 数 )
顕微鏡実習4
スンプ法を用いた植物の気孔の観察を行い、大
気汚染の検証における信頼度を推定する。
気柱共鳴の実験(おんさの振動数測定) 波 動 気 柱 の 共 鳴
顕微鏡実習5
体細胞分裂の観察を行い、高倍率での顕微鏡操
作に習熟する。
有機化合物の性質
有機化合物の特徴と分類
まとめ
○成果と課題
科学に必要な基礎講座や基礎実験を通じて、理数系科目や実験観察への興味関心を高め、
実 験 操 作 の 技 術 を 向 上 さ せ る こ と が で き た 。大 学 や 企 業 と の 連 携 に よ り 、応 用 分 野 で の 実 習
も行なった。7限の時間内では収まらないこともあり、時間調整に苦労した。
【理数科2年生】1単位
○指導目標
理 数 科 の「 課 題 研 究 」と S S H の 他 の 行 事 を 組 合 わ せ て 、総 合 的 な 研 究 指 導 を 行 い 、理 系
らしい探究能力や研究技術、さらには研究内容のまとめ方や発表の仕方まで幅広く指導す
る 。大 学 や 他 の 研 究 機 関 と の 連 携 を 重 視 し つ つ 、教 科 と し て の 特 性 を 活 か し た 指 導 計 画 を 立
て、課題研究発表会で成果を発揮できる指導を行う。
○年間指導計画
学期
単
元
指導内容及び方法
1
学
期
課題研究オリエンテーション
課題研究準備
福岡教育大学による課題研究指導
課題研究のデータ収集と整理
校内実験
2
学
期
3
学
期
福岡教育大学による課題研究指導
課題研究のデータ収集と整理
【SSH課題研究発表会】
課題研究の記録
ポスター、報告書の作成
実験・実習に対する安全指導を行う。
インターネットを用いた情報の収集や整
理について習熟させる。
訪問先での実習に関しては、普段操作し
ない器具などがあるので、十分に説明を
聞いて、慎重に行わせる。
データの整理を、考察につながる形に
なるように指導する。
実験・実習に対する安全指導を行う。
データの整理を進め、具体的なポスター
やプレゼンテーション作成の指導をする。
研究のまとめを行い、わかりやすい形に
して発表させる。
1年間の課題研究の総まとめとして、考
察や意見を発表させる。
次年度以降のために、課題研究の内容を
ポスターやレポートの形にまとめさせる。
課題研究の内容をわかりやすい形で次年
度以降に残す。
○成果と課題
テ ー マ 設 定 か ら 生 徒 に 行 な わ せ 、研 究 を 進 め た 。教 科 書 レ ベ ル で の テ ー マ も あ っ た が 、全
員参加型の課題研究としてはよかったと思う。プレゼンテーションの内容も良くなってい
る と 感 じ て い る 。大 学 へ の 引 率 な ど も 行 い 、先 端 の 研 究 に も 触 れ る こ と が で き た 。教 員 か ら
の働きかけをどの程度行なうのかを協議し、よりよい研究を行なわせたい。
17
第2章
地域や大学等との連携による専門的知識、探求する能力の育成の研究
2-1
現状の分析と仮説
現状の分析
現代社会では急速な科学技術の進歩、特に多様な学問分野の融合による新しい学際的な
領 域 の 形 成 が 起 こ っ て お り 、こ れ ら の 変 革 に 対 応 し 、常 に 最 先 端 で 活 躍 で き る 人 材 の 育 成 が
必要とされる。
そ の た め に は 、大 学・大 学 院・企 業 と 連 携 し 、体 系 的 、継 続 的 な 発 展 的 学 習 プ ロ グ ラ ム を
構 築 す る 必 要 が あ る 。具 体 的 に は 、理 数 に 関 し て 卓 越 し た 意 欲・能 力 を 有 す る 生 徒 に 対 し て 、
大 学 等 と 連 携 し 、大 学 レ ベ ル を 視 野 に 入 れ た 高 度 で 発 展 的 な 学 習 環 境 を 、年 間 を 通 し て 継 続
的に提供するプログラム開発の研究を行い、卓越した生徒の能力をさらに伸ばす必要があ
る。
研究の仮説
大 学 や 企 業 、行 政 の 研 究 機 関 と 連 携 を 図 る と と も に 、「 コ ン ソ ー シ ア ム・福 岡 」な ど の 既
存 の ネ ッ ト ワ ー ク を 活 用 す る こ と で 、新 た な「 理 数 教 育 ネ ッ ト ワ ー ク 」を 構 築 し 、ス ー パ ー
サ イ エ ン ス ゼ ミ( 大 学 と の 共 同 研 究 )を 実 施 し 、研 究 を よ り 組 織 的 に 発 展 さ せ る こ と を 研 究
の テ ー マ と す る 。先 端 技 術 や 先 進 的 な 学 問 分 野 に 触 れ さ せ 、課 題 研 究 の テ ー マ の 設 定 、実 験
の 方 法 や 進 め 方 、実 験 の ス キ ル を 身 に つ け る な ど 、科 学 的 な 実 践 力 や 課 題 解 決 に 向 け た 論 理
性 を 養 う こ と が で き る と 考 え る 。特 に 、研 究 活 動 に 秀 で た 優 秀 な 生 徒 に つ い て は 、個 別 の 指
導 を 充 実 さ せ 、早 期 に よ り 高 い レ ベ ル の 研 究 活 動 へ と 繋 げ る こ と が で き 、卓 越 し た 科 学 的 思
考力・創造力が育成されると考える。
さ ら に 、理 数 教 育 ネ ッ ト ワ ー ク を 活 用 し 、教 員 に 対 す る 研 修 を 実 施 す る こ と で 、課 題 研 究
における教員の指導力の向上が期待できる。
2-2
1
研究内容・方法・検証
課題研究指導と課題研究発表会
(1)課題研究指導
ア 目的
大 学 と の 連 携 を 深 め 、将 来 の 理 系 の 研 究 者 と し て 必 要 な 基 礎 知 識 、科 学 的 探 究 心
を 育 成 す る 。ま た 、大 学 や そ の 関 連 施 設 と 積 極 的 に 関 わ る こ と で 、将 来 の 研 究 へ の
礎と展望を持たせ、技術者や研究者としての夢を育む。
イ 対象者
理数科2年1組40名(男子26名、女子14名)
ウ 連携大学
福岡教育大学
エ 教科・科目担当者
数学:中山 英治
化学:梶山 志帆 平田
舞
生物:幤
憲治 村上
滋
物理:草野知一郎 高倉
維
オ 内容
2 年 1 組 の 生 徒 を 7 班 に 分 け て 、研 究 テ ー マ を 設 定 す る 。大 学 と 連 携 し 助 言 を 受
け な が ら 、木 曜 日 7 限 の 授 業 を 中 心 に 研 究 を 続 け る 。ま た 、必 要 が あ れ ば 大 学 の 設
備を使用させていただく。その成果を12月に行われる課題研究発表会で発表す
る。
カ
課題研究に関するその他の指導
○化学クラブ研修会
テーマ:研究のまとめと発表方法
指 導:九州大学 各研究室の教授
実 施 日 : 平 成 2 7 年 1 1 月 7 日 (土 )
参加者:安部健人 坂口優馬 舟山彦太
18
宮本颯太
太田真緒
安村響生
大場朋大
キ
小屋松裕馬
本多潤也
金子裕介
計
10名
成果と課題
課題研究に関して福岡教育大学と連携した指導体制を作り、木曜7限の授業を
中心とした年間指導計画に従って活動を進めた。福岡教育大学の指導の先生方に
は 、年 間 を 通 し て テ ー マ 設 定 と 実 験 方 法 の 打 合 わ せ か ら 具 体 的 な 研 究 指 導 、さ ら に
は発表会に向けての研究のまとめと発表準備について細かな助言をいただいた。
生 徒 は 、基 礎 知 識 や 研 究 内 容 に 関 す る 専 門 知 識 の 習 得 が で き 、研 究 の 面 白 さ を 学 ぶ
こ と が で き た 。電 子 顕 微 鏡 な ど 、高 等 学 校 で は 扱 わ な い 機 器 や 試 薬 等 を 使 っ て 実 験
が で き 、と て も 良 い 経 験 を 積 む こ と が で き た 。生 徒 の 感 想 で も 科 学 的 な 探 究 心 の 発
展は十分うかがえたが、学校設定科目などの授業内容と研究内容の連携をさらに
検 討 し て 、研 究 が 単 独 で 終 わ ら ず 、そ こ で 得 た 刺 激 な ど を S S H 活 動 全 般 に 広 げ る
工 夫 が 必 要 で あ る 。一 方 で 、週 一 回 の 時 間 割 内 で 行 う 研 究 活 動 で は 、時 間 が 足 り な
かったという指導者の反省から、テーマ設定の時期をさらに早くすることや長期
休業中の時間設定の改善、年間指導計画の見直しなどを行いたい。
(2)課題研究発表会
ア
実施日時
平成27年12月4日(金) 12:30~15:20
イ 場 所
鞍手高校 コモンホール
ウ 次 第
(1) 開 会 の こ と ば
(2) 校 長 挨 拶
(3) 発 表 会 〔 各 班 1 0 分 以 内 ( 7 分 発 表 、 3 分 質 疑 応 答 ) 〕 準 備 5 分
(4) 助 言
(5) 審査結果発表 講評
(6) 閉 会 の こ と ば
エ 発表テーマと要約
〈1班:物理1〉
テーマ 「そうだったのか!サイクロイド曲線!」
発表者 朝原 望
辛島 光紀
公門 優斗
田村 直樹
林 航
山口 航輝
要 約 同 じ 高 さ か ら 物 体 を 斜 面 に 沿 っ て 転 が し た 場 合 、サ イ ク ロ イ ド 曲 線 を 用 い た 場
合 が 最 も 早 く 最 下 点 に 到 達 す る 。そ の 事 実 を 検 証 す る た め に 、実 際 に サ イ ク ロ イ
ド 曲 線 の 斜 面 を 作 成 し 、真 っ 直 ぐ の 斜 面 と 比 べ る 実 験 を 行 っ た 。ま た 、サ イ ク ロ
イ ド 曲 線 に は 、曲 線 上 の ど の 地 点 か ら 物 体 を 転 が し て も 、必 ず 同 時 に 最 下 点 に 到
達する性質があるため、その検証も行った。
〈2班:物理2〉
テーマ 「Pendulum Waves」
発表者 清水 千広
水津 陽介
中山 右京
松尾 岳史
岡内 美澪
香月 友菜
竹田 有紀
要 約 私 た ち は 授 業 で 単 振 り 子 の 周 期 Tの 公 式 を 学 ん だ 。 周 期 Tと 振 動 数 fは 逆 数 で 、
長 さ lと fの 二 乗 の 逆 数 は 比 例 関 係 に あ る 。 す な わ ち 、 糸 の 長 さ lの 調 節 は 、 各 振
り 子 の 振 動 数 f の 関 係 を 用 い て 設 定 す る こ と が 可 能 で あ る 。こ の こ と か ら 、あ る
条件の下で糸の長さの異なる数個の単振り子を用いて全ての振り子が同時に振
動を始めると、ある時刻にすべての振り子の位置が揃うのではないかと考えた。
〈3班:化学1〉
テーマ 「Let’s make white fire」
発表者 井上 正弥
西田 匠汰
吉田 大純
有田 和加菜
石川 愛実
高島 彩華
要 約 化 学 の 授 業 で 炎 色 反 応 に つ い て 学 習 し た 。各 元 素 の 示 す 色 に つ い て は 学 習 し た が 、
そ の 他 の 色 の 炎 を 見 た こ と が な か っ た 。そ こ で 、赤 、青 、緑 の 光 を 混 ぜ る と 白 に な る
のではないかと考えた。
〈4班:数学〉
テーマ 「4和音認知の心理物理モデルの構築に挑戦」
19
発表者
三角 周平
吉田 信将
竜円 颯汰
赤間 愛美
池口 玲愛
林 恵
平塚 愛美
村岡 文音
盛坪 雪乃
要 約 「 和 音( ハ ー モ ニ ー )」は「 メ ロ デ ィ 」「 リ ズ ム 」と と も に 音 楽 の 3 要 素 と い
わ れ て い る 。藤 澤 氏 ら は 、不 協 和 度 、緊 張 度 、モ ダ リ テ ィ と い う モ デ ル を 提 案 し 、
3 和 音 に つ い て の 印 象 を 数 値 化 す る 研 究 を 行 っ た 。我 々 は 、こ れ ら の モ デ ル を も
と に 、4 和 音 に つ い て の モ デ ル を 構 築 し 、そ の 計 算 結 果 と 音 楽 理 論 や 実 験 結 果 と
の 比 較 を 行 っ た 。結 果 、多 く の 部 分 で 期 待 通 り の モ デ ル を 作 成 す る こ と に 成 功 し
た。
〈5班:化学2〉
テーマ 「草木染めを用いた金属イオン濃度の測定に挑戦」
発表者 大場 朋大
小屋松 裕馬
本多 潤哉
要 約 私 た ち は 遠 賀 川 の CODの 測 定 を し て お り 、試 薬 と し て 過 マ ン ガ ン 酸 カ リ ウ ム を
使 用 す る た め 、マ ン ガ ン の 廃 液 が 出 て し ま う 。ま た 銅 や 鉄 な ど の 金 属 を 用 い た 実
験 を 行 う と そ れ ぞ れ の 金 属 イ オ ン を 含 ん だ 廃 液 が 出 る 。こ れ ら の よ う に 私 た ち の
身 の 回 り に は 多 く の 金 属 イ オ ン が 存 在 し て い る 。そ こ で 、こ れ ら の 金 属 イ オ ン の
濃 度 を 手 軽 に 測 定 で き る 、pH試 験 紙 の よ う な も の を 開 発 し た い と 思 い 、草 木 染 め
の原理を応用できないかと考えた。
〈6班:生物1〉
テーマ 「生物(節足動物)の水中歩行について」
発表者 相原 有輝也
飯尾 康弘
加藤 祐也
亀谷 光識
沼口 桃花
要 約 私 達 は テ ン ト ウ ム シ が 水 中 を 歩 く 様 子 を 見 て と て も 驚 き 、そ こ で 他 に も 同 じ よ
う に 歩 け る 節 足 動 物 が い る の で は な い か と 考 え た 。歩 け る 節 足 動 物 と 歩 け な い 節
足 動 物 に は ど の よ う な 違 い が あ る か と い う 疑 問 か ら 、私 達 は 歩 く の に 一 番 関 わ る
部分である足(脚)の構造の違いに着目した。
〈7班:生物2〉
テーマ 「苦くないホウレンソウをつくろう」
発表者 亀谷 好曠
長原 玄弥
星丸 直輝
藤井 珠希
要 約 私たちは植物体内の特定の物質の総度を変えることができるのではないかと
考 え た 。ホ ウ レ ン ソ ウ を 、土 を 使 用 し な い 水 耕 栽 培 と い う 方 法 で 育 て 、培 養 液 中
の カ リ ウ ム イ オ ン や 硝 酸 イ オ ン の 濃 度 を 変 え 、ホ ウ レ ン ソ ウ 体 内 の カ リ ウ ム イ オ
ンや硝酸イオン、シュウ酸の濃度を測定した。
オ 参加者
○ 理 数 科 1 年 生 (4 0 名 )・2 年 生 (4 0 名 )
○指導助言者
三谷
尚(福岡教育大学 教授)
○審査委員
森
英一(九州産業大学 フェロー)
神野 健二(SSH運営指導委員)
菅野 憲一(近畿大学 教授)
校長・副校長
以上、5名
カ
結
果
最優秀賞
「Pendulum Waves」
清水 千広 水津 陽介 中山 右京 松尾 岳史 岡内 美澪
香月 友菜 竹田 有紀
優秀賞
「生き物の水中歩行について」
相原有輝也 飯尾 康弘 加藤 祐也 亀谷 光識 沼口 桃花
優良賞
「草木染めを用いた金属イオン濃度の測定に挑戦」
大場 朋大 小屋松裕馬 本多 潤哉
※ 最 優 秀 賞 は 、来 年 度 福 岡 県 高 等 学 校 理 数 科 課 題 研 究 発 表 会 に 出 場 す る 。ま た 、最
優秀賞・優秀賞は、本年度SSH成果発表会にて発表する。
2
サマーセミナー、サイエンスリサーチ、アドバンスリサーチ、大学訪問
(1)理数科1年生サマーセミナー
20
ア
イ
ウ
エ
オ
期日
平成27年8月3日(月)・4日(火)
実施場所
近畿大学産業理工学部
参加者
理数科1年1組40名(男子31名、女子9名)
引率教員 担任 村上
滋
教科担当 草野知一郎 丸山亜希子 平田
舞 中村 直美 瀬戸 渓太
目的
大 学 で 実 際 の 実 験 や 講 義 を 体 験 す る こ と で 、自 然 科 学 に 関 す る 幅 広 い 知 識 と 考 え
方 を 身 に つ け 、科 学 的 思 考 力 や 問 題 解 決 能 力 を 養 い 、将 来 の 進 路 目 標 や 理 系 の 自 覚
を 確 立 す る 。さ ら に 集 団 学 習 を 行 う こ と で 、自 ら 学 ぶ 意 欲 と 態 度 を 育 成 し 、理 数 科
への帰属感を深める。
日程
8 月 3 日 (月 )
10:00~11:30
11:30~12:00
12:00~13:00
13:00~15:00
8 月 4 日 (火 )
10:00~12:00
12:00~13:00
13:00~15:00
カ
全体説明、科学講演
実験等の説明
昼食
物理・化学・生物実験講座Ⅰ
物理・化学・生物実験講座Ⅱ
昼食
物理・化学・生物実験講座Ⅲ
成果と課題
昨年に引き続き近畿大学産業理工学部での実施で、大学の施設での実習体験は理系
の研究者としての将来像を描く際の大きな手助けになった。今年も科学講演を設定し
た 。『 数 学 で 世 界 を 切 り 取 る 』と 題 し て の 講 演 で 、経 済 学 や 経 営・会 計 、社 会 学 と 科 学
と の つ な が り を 理 解 す る こ と が で き た 。サ マ ー セ ミ ナ ー 後 は 、数 名 の 生 徒 が 統 計 学 に 興
味を持つことができたと感想を述べていた
(2)理数科1年生サイエンスリサーチ
ア
イ
ウ
エ
オ
期日
平成27年7月31日(金)
実施場所
(株)ルミカ
九州大学大学院生物資源環境科学府附属水産実験所(アクアフールド科学研究室)
参加者
理数科1年1組40名 (男子31名、女子9名)
引率教員 担任 村上
滋
副担任 柴垣 尚孝
目的
近 年 、情 報 化 と 科 学 技 術 の 急 速 な 発 展 の な か で 、科 学 的 思 考 力・判 断 力・表 現 力
を 持 つ 人 材 の 育 成 が 必 要 不 可 欠 と な っ て い る 。そ の た め 、本 校 で は こ れ ま で 、サ マ
ー セ ミ ナ ー や サ イ エ ン ス リ サ ー チ を 通 し て 、大 学 や 企 業 を 訪 問 し 、基 本 的 な 実 験 ス
キルの習得や身近な産業に触れる体験的な研修を行ってきた。これは最先端技術
に 触 れ る こ と で 、生 徒 の 知 的 好 奇 心 お よ び 科 学 的 探 究 心 、高 い 志 を 育 て る こ と を 狙
い と し て い る 。ま た 、将 来 の 日 本 を 担 う 科 学 者 と し て の 知 識・技 術・倫 理 観 を バ ラ
ンスよく伸張させるとともに、技術の発展と環境保護の両面から現代及び未来に
関わる諸問題に主体的に取り組む姿勢を育成する機会となると考えている。今年
度 は 、地 元 の 研 究 所・企 業 を 訪 問 し 、周 辺 地 域 の 産 業 や 様 々 な 取 り 組 み を 知 る 機 会
とする。
日程
7 月 3 1 日 (金 )
10:00~12:30
九州大学大学院生物資源環境科学附属水産実験所
吉国教授講義「海産無脊椎動物の生殖」
21
12:30~14:00
14:00~16:00
鬼倉助教講義「野生生物について」
移動・昼食
(株)ルミカ 講義・実習
カ
生徒の感想
九州大学吉国教授の講義では無脊椎動物のナマコに関する生態や生殖方法について
学 ん だ 。ナ マ コ は 日 本 で は 正 月 な ど に し か 食 べ る こ と は な い が 、中 国 で は 大 変 高 い ニ ー
ズ が あ る と 知 っ た 。日 本 の ナ マ コ は 高 品 質 で 高 値 で 取 引 さ れ て い る と い う 。無 脊 椎 動 物
の研究は十分に進んでおらず養殖は効率が悪いということであった。その有用性のあ
る ナ マ コ に つ い て 生 態 を 解 明 し 、実 用 化 で き る ま で に し た 、教 授 の 研 究 は 大 変 偉 大 で あ
ると感じた。研究の価値というものがとても重要だと感じた。
株式会社ルミカではケミカルライトの構造や原理に無知な自分でも多くの実験や機
器を使っての説明でとてもよく理解できた。科学の発達により作られた便利な物は
様々な知識を併用していることを実感できた。
キ
成果と課題
九州大学大学院生物資源環境科学附属水産実験所では吉国教授、鬼倉助教の講義に
より、無脊椎動物であるナマコの生態や水産実験所の役割など生徒たちは多くのこと
を 学 ぶ こ と が で き た 。ま た 、生 徒 の 中 に は 感 想 に「 何 の た め に 研 究 す る の か 」と い う 問
いを自分自身の中に持つことの重要性をだと感じたと記述していた生徒もいた。将来
の 研 究 職 に 就 く に あ た り 、「 志 」の 大 切 さ を 知 る う え で 大 変 貴 重 な 研 修 で あ っ た と 感 じ
る。今後も様々な活動を通して生徒の主体性を育むことが重要である。
(3)理数科2年生サイエンスリサーチ
ア
イ
ウ
エ
オ
東京・筑波研修
期日
平成27年8月3日(月)~8月6日(木) 3泊4日
実施場所
早稲田大学先端生命医科学センター
理化学研究所、宇宙航空研究開発機構、国土地理院、産業技術総合研究所、
防災科学研究所、国土交通省国土技術政策総合研究所
日本未来科学館
参加者
理数科2年1組40名(男子26名、女子14名)
引率教員 担任 中山 英治 副担任 梶山 志帆
目的
本 校 で は こ れ ま で 、サ マ ー セ ミ ナ ー や サ イ エ ン ス リ サ ー チ に お い て 、大 学 や 企 業
を訪問し、基本的な実験スキルの習得や身近な産業に触れる体験的な研修を行っ
て き た 。近 年 、情 報 化 と 科 学 技 術 の 急 速 な 発 展 が 進 む な か で 、科 学 的 思 考 力・判 断
力・表 現 力 を 持 つ 人 材 の 育 成 が 必 要 不 可 欠 と な っ て い る 。最 先 端 技 術 に 触 れ る こ と
で 、生 徒 の 知 的 好 奇 心 お よ び 科 学 的 探 究 心 、高 い 志 を 育 て る こ と を 狙 い と す る 。ま
た 、将 来 の 日 本 を 担 う 科 学 者 と し て の 知 識・技 術・倫 理 観 を バ ラ ン ス よ く 伸 張 さ せ
るとともに、技術の発展と環境保護の両面から現代及び未来に関わる諸問題に主
体的に取り組む姿勢を育成する機会とする。
日程
8月3日(月)
13:30~15:30 早稲田大学先端生命医科学センター
17:00
ホテル(筑波)到着・夕食
8月4日(火)
7:30
学校出発
10:00~12:00 防災科学技術研究所
13:30~14:30 国土地理院 地図と測量の科学館
14:50~16:30 国土交通省国土技術政策総合研究所
18:00
ホテル(筑波)到着・夕食
8月5日(水)
9:30~11:30 理化学研究所バイオリソースセンター
22
13:30~15:30
15:50~1 7:00
18:30
8月6日(木)
9:30~13:00
15:30
19:30
21:30
JAXA 筑波宇宙センター
産業技術総合研究所 地質標本館サイエンススクウェア
ホテル(東京)到着・夕食
日本科学未来館
羽田空港到着
福岡空港到着
学校到着
カ 内容
(ア)宇宙・産業
① 研修内容
・無重量環境試験棟、宇宙飛行士養成棟、「きぼう」運用管制室の見学
・地球の歴史、鉱物資源、地質現象等について
・ロボット、エネルギー、医療等の産業技術について
② 研修方法
・施設見学、研究者との交流
③ 連携先
宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センター、日本未来科学館、
国土地理院地図と測量の科学館、
産業技術総合研究所地質標本館・サイエンススクウェア
(イ)自然科学・医学・工学
① 研修内容
・微生物材料の保存、提供について
・環境と健康のための研究に貢献する微生物リソースの整備、研究開発について
・最先端ロボット工学と医療等への応用について
② 研修方法
・講義、研究施設見学、研究者との交流
③ 連携先
理化学研究所バイオリソースセンター、早稲田大学先端生命医科学センター
(ウ)環境・防災
① 研修内容
・防災科学技術に関する研究概要や研究結果について
② 研修方法
・施設見学、研究者との交流
③ 連携先
防災科学研究所、国土交通省国土技術政策総合研究所
キ
生徒の感想
・東 京 、筑 波 の 研 修 で は 、日 頃 普 通 に 生 活 し て い る と 触 れ る こ と の で き な い 最 先 端 技 術
を見ることができたのでとても好奇心をそそられました。さまざまな職業の人たちと
話 す こ と で 、こ の 職 業 に な る に は 高 校 の 時 何 を す れ ば よ い か 、ど の よ う な 大 学 へ 行 け ば
よいかなどを知ることができました。私が一番印象に残ったのは早稲田大学で見学し
た ロ ボ ッ ト 、KOBIAN-RⅡ で す 。歩 行 時 に 、ま ず か か と を 地 面 に つ け 、最 後 に つ ま 先 を 地
面から離すという人間と同じ動きを再現できていたことには感動しました。今回の研
修 で は 、自 分 の 知 ら な い 分 野 に つ い て 深 く 知 る こ と が で き ま し た 。自 分 が 受 験 を 迎 え る
とき、科学者や研究者という道も考えていきたいと思いました。
・工 学 の 研 究 所 に 行 っ て 、物 理 が 重 要 で あ る と い う こ と が わ か り ま し た 。工 学 に は 今 ま
で 興 味 が あ り ま せ ん で し た が 、少 し 興 味 が わ き ま し た 。ま た 、ど ん な 小 さ な こ と で も 疑
問に思って検証することが大切だということにも気づきました。
・ 1日 目 の 早 稲 田 大 学 で は 、 ロ ボ ッ ト の 説 明 を 聞 い た り 、 実 際 に 見 せ て い た だ い た り し
て 、 今 ま で あ ま り 興 味 を 持 っ て い な か っ た も の に 興 味 を 持 て る よ う に な り ま し た 。 3日
目 に 行 っ た JAXAは 、私 が こ の 研 修 で 一 番 楽 し み に し て い た 施 設 で 、た く さ ん の ロ ケ ッ ト
の 模 型 や 宇 宙 服 な ど を 実 際 に 見 る こ と で 、さ ら に 興 味 が わ き ま し た 。ま た 、こ の 研 修 で
クラスの団結が深まったと感じています。これまでの行事を通して少しずつ団結力が
強くなっている気がしていましたが、今回の行事でより一層団結できた気がいます。
23
ク
成果と課題
4 日 間 の サ イ エ ン ス リ サ ー チ で は 、早 稲 田 大 学 先 端 生 命 医 科 学 セ ン タ ー や 、筑 波 学 術
研 究 都 市 の 様 々 な 研 究 施 設 の 見 学 を 行 っ た 。最 先 端 の 科 学 技 術 に 触 れ る こ と で 、興 味・
関 心 が 高 ま っ た と い う 感 想 を 述 べ た 生 徒 が 多 か っ た 。ま た 、ロ ボ ッ ト 工 学 、自 然 災 害 、
土 木 工 学 等 、生 徒 た ち が こ れ ま で 知 ら な か っ た 分 野 に つ い て 実 際 に 触 れ る こ と で 、自 ら
の進路についてより幅広く考えようとする態度が身についたのではないかと感じてい
る 。具 体 的 に は 、医 療 に 関 心 が あ る が 、理 工 系 に は ま っ た く 関 心 が な か っ た と い う 生 徒
が 、医 療 と 工 学 の 関 連 を 学 び 、そ の 大 切 さ に 気 付 い た り 、漠 然 と 公 務 員 に な り た い と 考
え て い た 生 徒 が 、事 故 や 災 害 へ の 対 策 に つ い て の 研 究 に 興 味 を 持 ち 、理 系 の 進 路 を 視 野
に入れて改めて自分の進路について考えてみたりといった例が挙げられる。
交 通 事 情 に よ り 移 動 に 時 間 が か か り 、宿 泊 先 へ の 到 着 が 遅 れ る こ と も あ っ た が 、見 学
については、ほぼ予定通り実施することができた。
(4)アドバンスリサーチ(福岡教育大学講座聴講)
ア
イ
ウ
エ
オ
カ
期日
平成27年12月15日(火)、16日(水)、17日(木)、18日(金)、
21日(月)
実施場所
福岡教育大学
参加者
希望者
引率教員 橋本 亜弥、丸山 亜希子、高倉 維
目的
S S 地 球 環 境 科 学 や 物 理 、化 学 、生 物 等 で 学 習 し た 内 容 の 発 展 さ せ た 内 容 を 福 岡
教育大学の講義を見学することによって、今後の進路選択や授業に対するスキル
アップを図る。
日程
12月15日(火)
解析方法論
松崎 昌之 12:45-14:15(3限) 参加人数 12名
12月16日(水)
動物生理学
白石 昭雄 12:45-14:15(3限) 参加人数 9名
12月17日(木)
量子物理化学
小杉健太郎 12:45-14:15(3限) 参加人数 1名
12月18日(金)
熱・統計力学演習
橋本 侑三 12:45-14:15(3限) 参加人数 3名
12月18日(金)
植物生態学
神野 展光 12:45-14:15(3限) 参加人数 7名
12月21日(月)
固体地球科学
鈴木 清一 12:45-14:15(3限) 参加人数 10名
成果と課題
今 年 度 は 、全 学 年 の 理 数 科 や 理 系 の 多 く の 希 望 生 徒 が 受 講 し た 。高 校 の 授 業 が よ り 発
展 し た 内 容 と い う こ と で 、高 校 の 教 科 書 、図 説 、問 題 集 を 自 分 で 準 備 し 、真 剣 に 講 義 を
受 け て い た 。ま た 、講 義 後 に は 大 学 の 先 生 に 質 問 を 行 い 、積 極 的 に 学 ぶ 姿 勢 が 見 受 け ら
れ た 。そ の 他 に は 、大 学 生 が 先 生 の 話 を 聞 き な が ら 、そ の 内 容 を 自 分 な り に 整 理 し 、ノ
ー ト に ま と め て い る 姿 に 驚 い て い た 。今 後 の 授 業 を 通 し て 、ノ ー ト の 取 り 方 を 改 め よ う
と意気込む生徒の姿が見られた。
受 講 し た 生 徒 は 非 常 に 意 欲 的 で 、大 学 の 先 生 だ け で な く 、大 学 生 か ら も 多 く の こ と を
吸収しようする姿勢が見られた。
24
(5)大学訪問
ア
イ
ウ
エ
オ
カ
期日
平成27年11月5日(木)
目的
身 近 な 理 系 の 大 学 を 見 学 し 、施 設 見 学 や 講 義 体 験 を 行 う こ と に よ り 、大 学 の 具 的
な 状 況 や そ こ で の 研 究 内 容 に つ い て の 知 識 を 得 て 、理 系 と し て の 進 路 選 択 、進 路 実
現に生かす。
訪問先と参加生徒数
北九州市立大学ひびきのキャンパス(国際環境学部) 18名
九 州 大 学 伊 都 キ ャ ン パ ス ( 工 学 部 ) 40名
福岡大学(医学部・薬学部、看護学部) 30名
引率教員
瓜生 道代 坂口 守人 中田 優一 西
剛 梶山 志帆
模擬授業担当者
大学名
大学担当者
北九州市立大学ひびきのキャンパス
情報メディア工学科
山崎 進 講師
九州大学伊都キャンパス
大学院工学研究院機械工学部門工学博士
井上 卓見 教授
福岡大学
医学部
工 学 博 士看護科
井上卓見教授
塚原ひとみ 教授
「妊娠に影響を及ぼす因子」
生徒の感想
・「 受 験 生 に な っ て か ら 勉 強 を 始 め る と い う こ と は と て も 苦 労 す る の で 、高 校 2 年
生 で あ る 今 の う ち か ら 勉 強 を 始 め て お い た ほ う が よ い 」と い う 先 輩 の 言 葉 が 心 に 残
った。
・先 輩 は 最 初 E 判 定 だ っ た が 、勉 強 し て A 判 定 ま で い っ た と い う こ と を 聞 い て 、私
に も 少 し な が ら 希 望 が 持 て た 。大 学 院 に 入 り 、自 分 の 研 究 が で き る の は 良 い と 思 っ
た。
キ
成果と課題
2学年の進路事業である大学訪問の理系生徒対象の部分をSSH事業として実
施 し た 。例 年 本 格 的 な 大 学 訪 問 は 初 め て と い う 生 徒 が ほ と ん ど で あ る が 、大 学 側 が
模擬講義や研究室訪問等企画していただき積極的に受け入れてくださり、成果を
あげている。特にこれから本格的に進路選択を迫られる2年生のこの時期に大学
の 詳 し い 状 況 を 身 を も っ て 体 験 で き た こ と は 、進 路 指 導 の 一 環 だ け で な く 、理 系 進
学 者 へ の 具 体 的 な 動 機 付 け と し て 大 き な 意 味 を 持 つ 。ま た 、大 学 に 在 学 中 の 本 校 卒
業生との懇談を設けたことで、研究内容や学生生活について生の声を聞くことが
出 来 た 。今 後 は 学 部 学 科 の 研 究 内 容 の 理 解 や 学 問 ・ 大 学 に 対 す る 興 味 ・関 心 を さ ら
に広げるために、さらに訪問先を開拓することや訪問後の継続的な進路研究とう
ま く 結 び つ け て 、生 徒 自 身 が 主 体 的 に 学 び た い と 思 え る 学 問 分 野 や 大 学・学 部 を 探
せる行事として定着させたい。
3
地域の特色ある理数教育の推進
研究内容
(1)楽しい科学実験教室(中学生対象)、楽しい理科実験教室(小学生対象)
ア 実施日
小学生 受付
9:30、講座10:00~12:00
中学生 受付 13:00、講座13:30~16:00
25
月
日
平 成 2 7 年 8 月 2 2 日 (土 )
平 成 2 7 年 9 月 2 6 日 (土 )
内
容
対象
第1回理科実験教室
物 理 : 身 近 な 空 気 ・液 体 窒 素 実 験
化学:炎色反応の観察
生 物 : 物 の 見 え 方 ・酵 素 に つ い て
工作:紙コップスピーカーの作成
小学生
第 1 回 科 学 実 験 教 室 (物 理 )
液 体 窒 素 実 験 ・紙 コ ッ プ ス ピ ー カ ー
中学生
第 2 回 科 学 実 験 教 室 (化 学 )
銀 鏡 反 応 ・合 金
中学生
体 細 胞 分 裂 の 観 察 ・酵 素 の 実 験
中学生
平 成 2 7 年 1 1 月 1 4 日 (土 ) 第 3 回 科 学 実 験 教 室 (生 物 )
イ
実施場所
会議室、コモンホール、視聴覚室、社会科講義室、化学実験室、生物実験室
ウ
応募者数・学校名
学年 男子 女子
合 計
学年 男子 女子
合 計
4年
1
0
1
1年
2
3
5
小学生 5年 21 13 34 55
中学生 2年
1
6
7 27
6年
8 12 20
3年 10
5 15
合 計
30 25
55
合 計
13 14
27
〔小学校〕
伊方小学校、池田小学校、市場小学校、植木小学校、感田小学校、小竹北小学校、
小竹南小学校、木屋瀬小学校、下境小学校、新入小学校、直方北小学校、直方西小学校、
直方東小学校、直方南小学校、星ヶ丘小学校、宮田東小学校、室木小学校、山口小学校、
吉川小学校、若宮小学校
(五十音順 計20項)
〔中学校〕
赤池中学校、飯塚日新館中学校、伊田中学校、金田中学校、小倉日新館中学校、
小竹中学校、木屋瀬中学校、添田中学校、千代中学校、直方第二中学校、
方城中学校、宮若東中学校
(五十音順 計12校)
エ
オ
実施担当者
教諭 草野知一郎 教諭 幤
憲治 教諭 村上
滋 教諭
教諭 高倉
維 講師 梶山 志帆 講師 平田
舞、
実習助手 中村 直美 実習助手 瀬戸 渓太 実習助手 合屋
丸山亜希子
幸奈
概要
基 礎 的 な 科 学( 物 理・生 物・化 学 )に つ い て 、分 か り や す く 解 説・実 験 演 示 を し
な が ら 理 解 し て も ら う こ と 、自 ら 実 習・実 験 や 工 作 す る こ と に よ り 、楽 し み な が ら
身 近 な も の と し て 理 解 し て も ら う こ と を 目 的 と す る 。中 学 生 は 第 1 1 学 区・第 1 2
学 区・第 1 3 学 区 内・木 屋 瀬 中 学 校 の 1 ~ 3 年 生 の 物 理・生 物・化 学 に 興 味・関 心
が あ る 生 徒 を 対 象 と し た 。小 学 生 は 第 1 1 学 区・第 1 2 学 区・第 1 3 学 区 内・木 屋
瀬校区内の小学5年~6年生を対象に理科に興味・関心がある児童を対象とした。
内 容 は 、中 学 生 は 物 理・生 物・化 学 を そ れ ぞ れ 一 回 ず つ 実 施 し た 。小 学 生 は 、物
理・生 物・化 学・工 作 の 4 講 座 を 約 3 0 分 ず つ 実 施 し 、3 グ ル ー プ に 分 か れ て そ れ
ぞ れ の 講 座 を 順 番 に 回 っ て も ら っ た 。ま た 、工 作 し た も の を そ の ま ま 持 ち 帰 る こ と
ができるため、小学生は夏休みの自由研究にもできる点をアピールした。
カ
参加者の感想
(ア)小学生のための理科実験教室
〈児童感想〉
・理科の実験が楽しくなった。
・ 30分 ず つ だ と 短 か っ た 。
26
・短時間でいろんなことを知れた。
・楽しかったので来年も参加したい。
・理科が苦手で興味がなかったが、参加して理科に興味がわいた。
・工作があわてたのでもう少し長くしてほしい。
・自分でできる実験を家でやってみたい。
〈保護者感想〉
・昨 年 に 引 き 続 き 参 加 さ せ て い た だ き ま し た 。理 科 が 大 好 き で 毎 年 楽 し み に し て い ま
す 。教 室 を 巡 る こ と や 、先 生 が 変 わ る こ と 、野 外 実 験 等 、子 ど も 達 に は 十 分 な 経 験
をありがとうございます。校内も見られて良かったです。
・と て も 楽 し い 教 室 だ っ た の で 、2 回 く ら い 行 っ て ほ し い と 思 い ま す 。そ し て 夏 休 み
の 初 め (7月 中 )に あ る と 、 そ れ か ら 色 々 実 験 し た り で き る の か な と 思 い ま し た 。
・最 初 は 戸 惑 っ た 表 情 を し て い ま し た が 、次 々 と 実 験 を 見 て い く う ち に「 次 は ど ん な
ことをするのだろう」と大変興味深く参加していくようになりました。理科に対
する興味も深まったと思います。また次回も参加したいと思います。
(イ)中学生のための科学実験教室(物理)
〈生徒感想〉
・光の色のところや水蒸気爆発のところはすごく感動した。
・最後の実験の火山の噴火に例えた実験にすごく驚いた。
・こ れ ま で に 見 た こ と が な い 実 験 の 連 続 で 、目 が 離 せ ま せ ん で し た 。し か も 、説 明 等
もわかりやすく、スッと頭に入ってきました。
・わかりやすい説明と自分自身が体験することで、新たな興味を持つことが出来、嬉しか
ったです。
(ウ)中学生のための科学実験教室(化学)
〈生徒感想〉
・自 分 が 不 器 用 で う ま く い か な い と き も あ っ た が 、先 輩 方 が フ ォ ロ ー し て 下 さ っ た の
でうまくできた。
・今までやったことがない実験だったので楽しかった。
・中学生にも鏡や金メダルができる理由がわかる内容でよかった。
(エ)中学生のための科学実験教室(生物)
〈生徒の感想〉
・中学校で習った体細胞分裂を実際に観察できてよかった。
・中 学 校 で 習 っ た こ と に も 触 れ な が ら 、一 段 階 上 の こ と を 教 え て い た だ い て も っ と 興
味が持てた。
・顕微鏡のピントを合わせるのが難しかったけれど、合わせられたときは嬉しかっ
た。
キ
成果と課題
小 学 生 の 講 座 は 、約 3 0 分 を 4 講 座 回 る と い う ス ケ ジ ュ ー ル で も う 少 し 長 く 行 っ
て ほ し い と い う 要 望 も あ っ た が 、時 間 は 適 切 で あ る と 考 え る 。昨 年 か ら の 改 善 点 と
し て は 、時 間 内 に 終 わ れ る よ う 内 容 を 吟 味 し た こ と で 、余 裕 を も っ て 回 っ て も ら う
ことができた。
中 学 生 の 講 座 で は 、学 校 行 事 と 日 程 が 重 な っ て い た こ と も あ り 参 加 予 定 数 よ り か
な り 少 な い 講 座 も あ っ た が 、人 数 が 少 な い 方 が 一 人 一 人 に 関 わ る 時 間 が 増 え 受 講 者
も満 足という意見 もあった 。本年度で4 年目とな るが、昨年度 から物理・化学・生
物 の 3 講 座 を 1 回 ず つ 行 う こ と で 、内 容 面 に 関 し て マ ン ネ リ 化 を 防 ぐ こ と が で き た 。
(2)サマーサイエンスフェスタin北九州
ア 実 施 日: 平 成 2 7 年 8 月 2 日 ( 日 )
イ 実施場所: 九 州 工 業 大 学 戸 畑 キ ャ ン パ ス
ウ 参加生徒: S S H 部 5 名
エ 実施内容: S S H 校 を 中 心 と し た 県 内 の 高 校 生 が 集 ま り 、 研 究 発 表 会 ( プ レ ゼ ン
テ ー シ ョ ン 、ポ ス タ ー )と 地 域 の 小 中 学 生 対 象 の 科 学 実 験 講 座 を 開 催 し た 。
生徒の研究意欲をより高めるとともに、科学の楽しさを高校生の手で地域
27
に広める事業として定着している。
(3)サイエンスモールin飯塚 2015
ア 実 施 日: 平 成 2 7 年 9 月 2 0 日 ( 日 )
イ 実施場所: イ イ ヅ カ コ ス モ ス コ モ ン
ウ 参加生徒: S S H 部 9 名
エ 実施内容:科 学 広 場 実 行 委 員 の 主 催 で 、S S H 校 や 大 学 、市 役 所 、N P O 団 体 な ど
と共同で、小中学生対象の科学実験講座などを開催する、地域で恒例の事
業である。遠賀川の河川環境保全のための取組なども紹介して、子供たち
の科学技術や環境への興味を高めることができた。
(4)鞍高祭SSH事業
ア 実 施 日: 平 成 2 7 年 6 月 6 日 ( 土 )
イ 実施場所: 鞍 手 高 校 特 別 教 室 、 及 び 中 庭
ウ 参加生徒: S S H 部 7 名
エ 実施内容:鞍 手 高 校 文 化 祭「 鞍 高 祭 」の イ ベ ン ト の 一 環 と し て 、S S H 部 に よ る 科
学実験講座を開催した。物理班は液体窒素を用いた実験、生物班はドライフ
ラワーを使った装飾品の作成、化学班は化学マジックと研究成果のポスター
発表などを行い、来場した生徒、保護者、地域住民などに対してSSH部の
日頃の活動状況と研究成果を発表するとともに、多くのSSH事業の紹介も
行い、その成果をわかりやすく地域へ伝える取組となっている。
(5)鞍高見学会
ア 実 施 日: 平 成 2 7 年 1 0 月 3 日 ( 土 )
イ 実施場所: 鞍 手 高 校 化 学 、 生 物 、 物 理 実 験 室 及 び 体 育 館
ウ 参加生徒: 理 数 科 、 S S H 部 5 0 名
エ 実施内容:地 域 の 中 学 生 対 象 の 学 校 説 明 会 の 中 で 、特 に 理 科 に 興 味 を も つ 生 徒 の た
め に 中 学 生 対 象 の 特 別 授 業 を 主 に 生 徒 が 主 体 と な っ て 行 っ た 。鞍 手 高 校 の 教
育 活 動 全 体 の 説 明 の 中 で 、S S H 事 業 の 位 置 づ け を 明 ら か に し 、中 学 生 の 科
学 に 関 す る 興 味・関 心 を 高 め る と と も に 、鞍 手 高 校 S S H 事 業 の 成 果 を 参 加
者に実感してもらうイベントになっている。
成果と課題
S S H 事 業 の 目 的 の 一 つ で あ る「 事 業 成 果 の 地 域 へ の 広 報 」と し て 、い く つ か の 地 域 活
動が定着している。SSH事業を通した地域や校外の様々な組織との連携は広がりを見
せ る と と も に 深 化 し て い る 。活 動 の 中 で 、「 S S H の 鞍 手 」と い う イ メ ー ジ は 地 域 に 浸 透
し、地域の科学教育の中心としての役割も果たせている。校外のイベントと校内行事と
の調整には毎回苦心するが、その成果は確実に上がっている。今後も実施時期や連携機
関 な ど と 協 力 し て 、継 続 的 な 取 組 に し て い く 必 要 が あ る 。さ ら に 、「 福 岡 コ ン ソ ー シ ア ム
委 員 会 」な ど の 組 織 を 活 用 す る こ と で 、小 学 校 、中 学 校 、高 等 学 校 、大 学 、研 究 機 関 を 総
括 し た 取 組 を よ り 円 滑 に 進 め 、「 地 域 の 科 学 教 育 ネ ッ ト ワ ー ク 」の 構 築 と い う 大 き な 目 的
を見失うことなく活動を続けたい。
4
SSH部の活性化
研究内容
平 成 2 4 年 度 か ら「 科 学 部 」を「 S S H 部 」と 改 編 し 、従 来 科 学 部 で 行 っ て き た 基 礎 的
な 化 学 、生 物 、物 理 の 研 究 や 地 元 の 河 川 環 境 改 善 等 の 活 動 を 発 展 さ せ た 活 動 を 始 め た 。本
年 度 は 、化 学 、生 物 の 各 班 で 部 員 が 増 え 、取 組 を 新 し く し た 課 題 研 究 と も 連 動 し た 活 動 が
できた。研究テーマのレベルも上がり、次に示すような様々なコンクールや発表会でそ
の研究成果を発表することができた。
○発表会、コンクール、学会等への参加と論文提出
本年度の発表会や論文コンクール等への参加状況と結果を次の表に示す。
①
②
③
④
名称
SSH生 徒発 表 会
第 7回 坊 ちゃん科 学 賞
第
高コンテスト(高
校化 学 グランドコンテスト
研 12回
究論文
校部門)
日 本 学 生科 学 賞
主催者
JST
東京理科大学
大阪府立大学他
読売新聞社
28
結果
ポスター発 表 (生 物 班 )
入選
ポスター発表(化学班)
福岡県入賞
成果と課題
S S H 部 と し て 物 理 、化 学 、生 物 の 各 班 に 再 編 し 、指 導 体 制 や 部 活 動 の 組 織 改 善 を 行 う
こ と で 、分 野 別 の 専 門 的 な 研 究 が 深 ま り 、研 究 の 幅 も 広 が っ た 。物 理 班 は 物 体 の 運 動 等 に
関する地道な研究を行っている。化学班は実験器具や検査器具の充実によって研究の質
も向上し、新たに草処染めを用いた金属イオン濃度の測定研究に着手した。生物班は爬
虫類のアルビノの遺伝子解析を行い、原因遺伝子の特定を試みた。各分野の研究を課題
研究やサマーセミナー、サイエンスリサーチの研修内容と連携することで、より研究の
レベルアップができ、SSH事業として行うことで部活動の活性化が進んだ。今後は部
員数をさらに増やして研究の底上げを図るとともに、生徒が主体的に研究に取り組むテ
ーマの設定、大学や研究機関との連携をさらに深めたレベルの高いバックアップ体制の
構築、一般生徒や地域に対する活動内容や成果のよりわかりやすい発信等を進めて、さ
らなる部活動の活性化を図りたい。
29
第3章
3-1
コミュニケーション能力とグローバルな科学的倫理観を養う研究
現状の分析と仮説
現状の分析
日 本 が 知 識 基 盤 社 会 の 中 で 国 際 競 争 力 を 高 め て い く た め に は 、情 報 ・ 技 術 を 活 用 す る 力
や 、先 端 技 術 ・ 先 進 的 な 学 問 分 野 を 切 り 拓 く 積 極 的 実 践 力 に 加 え 、国 際 的 な 分 野 で 活 躍 で
き る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 や 、グ ロ ー バ ル な 科 学 的 倫 理 観 な ら び に 社 会 性 を 備 え た 人 材
の 育 成 が 不 可 欠 で あ る 。そ の た め に 、様 々 な 国 々 の 同 世 代 の 若 者 と 議 論 す る こ と が で き る
た め の プ ロ グ ラ ム 開 発 が 必 要 で あ る と 考 え る 。そ う し た 中 、近 年 、本 校 科 学 部 に よ る 地 域
の水環境に関する研究報告が高く評価され、多くの科学コンクールで表彰を受けてきた。
その 成果として、過去2回、メキ シ コとトルコで 行われた「世界水フォ ーラム」にも生徒
が 参 加 す る こ と が 出 来 た 。こ れ ら の 国 際 会 議 に 参 加 し た い ず れ の 生 徒 も 、地 域 環 境 や 水 問
題 に 強 い 興 味 ・ 関 心 を 持 ち 、 問 題 意 識 を も っ て 研 究 や 活 動 を 行 い 、国 際 社 会 に 向 け て 力 強
いメッセージを発信した。卒業後もそれぞれの分野に進学し、調査や研究を続けており、
現在も高い評価を受けている。
研究の仮説
課 題 研 究 や 理 数 教 育 ネ ッ ト ワ ー ク の 成 果 は 、多 く の 国 々 の 同 世 代 の 若 者 と 議 論 し 共 有 で
き る も の と 考 え る 。そ こ で 、各 国 の 高 校 生 と イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し た ビ デ オ ミ ー テ ィ ン
グ を 行 う こ と で 、国 際 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 育 成 す る プ ロ グ ラ ム を 研 究 の テ ー マ
と す る 。 さ ら に そ れ を 充 実 し た も の と す る た め に 、「 ア ジ ア 水 フ ォ ー ラ ム 」 や 「 世 界 水 フ
ォ ー ラ ム 」等 の 国 際 会 議 で 発 表 す る こ と も 到 達 目 標 と す る 。英 語 で 課 題 研 究 の 論 文 や プ レ
ゼ ン テ ー シ ョ ン を 作 成 す る こ と 、さ ら に 英 語 で 意 見 交 換 や 質 疑 応 答 を 行 う こ と で 、国 際 的
な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 能 力 が 育 成 さ れ る も の と 考 え る 。ま た 、様 々 な 世 代 や 異 な る 国 の
人 々 と の 会 議 や メ ー ル の や り 取 り を 通 し て 互 い に 議 論 す る こ と で 、国 際 的 な 情 報 発 信 の 手
段 、倫 理 観 や 社 会 性 な ど 総 合 的 な 能 力 を 身 に つ け 、国 際 社 会 に お い て 自 分 た ち の 主 張 を 正
しく行う能力が育成されるものと期待できる。
3-2 研究内容・方法・検証
1 SSH講演会
研究内容
全 校 生 徒 を 対 象 と す る 講 演 会 を 開 催 す る こ と で 、科 学 と 身 近 な 生 活 と の 関 係 や 先 端 科 学 の
現 状 を 知 り 、科 学 に 関 す る 興 味・関 心 を 高 め る 。文 系 志 望 の 生 徒 に も 興 味 を 持 て る 内 容 、ま
た 、本 校 S S H 事 業 の テ ー マ「 水 」と 関 連 す る 内 容 と し 、S S H 事 業 に 対 す る 理 解 を 学 校 全
体に広げる。
(1)第1回SSH講演会
ア 日時
平成27年7月3日(金) 13時30分 ~ 15時20分
イ 実施場所
鞍手高校体育館
ウ 講師
「古野農場」
古野 隆雄 氏
エ 参加者
全 校 生 徒 7 0 8 名 (男 子 3 7 8 名 、 女 子 3 3 0 名 )、 本 校 職 員 6 0 名 、 保 護 者
オ 目的・内容
本校SSH事業は本年度で4年目を迎え、SSH事業の取組を理数科または理系志
望の生徒にとどまらず文系志望の生徒にも還元できるものとすることが求められて
いる。
そ こ で 、有 機 農 業 を 通 し た 社 会 貢 献 の 取 組 を テ ー マ に 選 ぶ こ と で 、環 境 保 全・資 源 節
約・技 術 指 導 に よ る 国 際 協 力 な ど 、文 系 の 生 徒 に も 興 味・関 心 を 持 つ こ と が で き る 内
容とし、幅広い知識を身につけるきっかけとする。
カ 生徒の感想
・今日の地球問題は、「温暖化よりも人間の生き方にある」という言葉が心に残りま
した。人間の生き方について、どの国でも考えていくべきだと思いました。
30
・「百姓」は「百の仕事ができる(色々なことをバランスよくやることができる)」
という言葉が印象に残りました。
・「失敗をしたということはそこに問題が あるということ。問題を分析し解決するこ
と で 、先 に あ る も の が わ か る 。」と い う 言 葉 を 聞 き 、「 持 続 性 」「 失 敗 を チ ャ ン ス と
捉える」ことの大切さを知りました。
・外国での合鴨農法の指導や講演を通じて、教えるだけでなく色々な情報を得ること
ができるという話を聞き、外国へ行ってみたいという意欲が湧きました。
(2)第2回SSH講演会
ア 期日
平成27年10月23日(金)
イ 実施場所
鞍手高校体育館
ウ 講師
国土交通省 遠賀川河川事務所 工務課長 原 和久 氏
エ 参加者
1 ・ 2 学 年 全 生 徒 4 7 9 名 (男 子 2 5 7 名 、 女 子 2 2 2 名 )、 保 護 者
オ 目的・内容
本 校 S S H 事 業 は「『 水 』を テ ー マ と し た 総 合 的 研 究 活 動 と プ ロ グ ラ ム 開 発 」を メ
イ ン テ ー マ と し 活 動 し て き た 。本 年 度 は こ れ ま で の 3 年 間 の 取 組 を 見 直 し 、次 年 度 の
総括に向けた再編の年にあたることから原点に立ち返り、筑豊と深い関わりを持つ
「遠賀川」をテーマに研究を進めていく。
そこで、私たちの身近にありながら知らないことの多い遠賀川の歴史や魅力につ
いて学び、地域活性化にも活かす機会とする。
カ 生徒の感想
・私 た ち の 生 活 に 不 可 欠 な 遠 賀 川 の 歴 史 と 現 状 を 詳 し く 知 る こ と が で き ま し た 。マ ラ ソ
ン大会のときには今日の話を思い出して、遠賀川の自然の大切さを意識しながら走
りたいです。
・今 日 の 講 演 の 話 を 親 や 兄 弟 、他 校 の 友 だ ち に も 教 え た り し て 、私 自 身 も 遠 賀 川 の 環 境
の向上に貢献していきたいと思います。
・遠 賀 川 が 昔 は 石 炭 の 汚 れ で「 ぜ ん ざ い 川 」と 呼 ば れ て い た こ と を 初 め て 知 り ま し た 。
・今 日 の 講 演 で 一 番 印 象 に 残 っ た の は「 多 自 然 型 川 づ く り 」で す 。本 来 の 生 物 の 生 育 環
境に配慮することはとても大事で、川を自然に近い姿にすることは良いことだと 思
いました。
成果と課題
S S H 事 業 を 学 校 全 体 の も の と す る た め に 、文 系 志 望 の 生 徒 に も 興 味 を 持 て る 内 容 、科
学 の 分 野 に 偏 り 過 ぎ な い 内 容 で の 実 施 を 心 掛 け た 。 本 年 度 の 講 演 会 は 、農 業 と 環 境 、国 際
協力、私たちの生活に身近な「遠賀川」をテーマとしたこともあり、事後の感想文では、
農 業 へ の 興 味・関 心 、自 然 環 境 と そ の 保 全 管 理 の た め の 技 術 に 対 す る 意 識 が 高 ま っ て い た 。
今 後 も 、文 系 志 望 の 生 徒 に も 興 味 を 持 て る 内 容 、科 学 の 分 野 に 偏 り 過 ぎ な い 内 容 で の 実 施
といった工夫が必要である。
2 SSHシンガポール・マレーシア海外研修
(1)シンガポール・マレーシア海外研修
研究内容
本校の希望生徒19名がシンガポール、マレーシアで研修を行った。
○実施目的
本校の SSH の目的のひとつである「国際社会で貢献できる科学技術系人材の育成」に向けて、
グローバルな視点で物事を捉え、積極的に英語を使ってコミュニケーションをとる能力・態度を高
めるために海外研修を実施する。
本校は、昨年までの2年間アメリカでの海外研修を行い、最先端研究に触れながら国際社会で活
躍する科学者としてのセルフ・イメージを高めさせるとともに、英語によるコミュニケーション能
力の育成に努め、一定の成果を挙げてきた。本年度は研修場所をシンガポール、マレーシアに変更
31
し、本校の SSH のテーマである「水」について、より関連性の深い研究に触れながら、アメリカ研
修の時と同様に、海外の研究機関の雰囲気を肌で感じさせ、英語によるコミュニケーション意欲を
高めたい。シンガポール・マレーシアでは、水資源を非常に貴重なものとしてとらえ、環境問題に
ついても先端的な研究がなされている。これは本校 SSH で研究テーマとしている分野に関連性が
高いものが多くあり、生徒たちが問題意識を持って大学や研究機関での講義を受けることが期待さ
れる。また、日本で調査研究した内容をプトラ大学で発表し、海外の大学生と研究テーマについて
意見交換することで、実践的な英語コミュニケーション能力を育成したい。
日本とは異なる環境の中で様々な科学技術や研究に接し、国際コミュニケーションを実体験する
ことで、学習・研究に対する意欲を向上させたい。
○日
月日
(曜)
12/15
(火)
12/16
(水)
12/17
(木)
12/18
(金)
程
訪問先等
(発着)
現地時刻
10:00
福岡空港発
15:35
シンガポール
17:50
クアラルンプール着
9:00
ホテル発
プトラ大学(九州工業大学 MSSC) 午前
午後
ホテル発
クアラルンプール発
シンガポール着
早稲田バイオオフィス訪問
8:30
10:25
11:25
14:30
ホテル発
シンガポールサイエンスセンター
シーアクアリウム
9:00
9:30
12:30
12/19
(土)
実施内容
宿泊地
クアラルン
プール
入国手続き後、ホテルへ
クアラルン
白井教授による講義
プール
プトラ大学生との交流
(SSH 研究発表)
シンガポー
ル
研究施設見学・講義・研修
コスメティック化学実験
見学・海洋生物、海流、水
質に関する講義
シンガポー
ル
9:30
ホテル発
シンガポー
研究施設見学・講義・研修 ル
ニューウォータービジターセンター 10:00
14:30
研究施設見学・講義・研修
マリーナバラッジ
12/20
1:20
シンガポール発
9:30
(日) 福岡空港着
入国手続き後、貸し切り
11:00
バスにて学校へ
福岡県立鞍手高等学校
ア マレーシアプトラ大学(UPM)/九州工業大学 MSSC
①研修内容
・
「バイオマス」について講義を受ける。
・鞍手高校で課題研究を実施したホウ酸水溶液の濃度について、プトラ大学の学生に発表し、
意見交換を行う。
②手法
・マレーシアプトラ大学の構内にある九州工業大学 MSSC を訪問し、生命体工学の第一人者
である白井義人教授から講義を受けた後、バイオマステクノロジーセンターで UPM 院生の指
導のもと簡単な実験を体験する。
・UPM の学生(現地のマレーシアの高校生も参加する可能性もある)に対してホウ酸水溶液
の濃度についての研究発表をする。その後、現地学生と交流する。
③効果
海外で活躍する白井教授の講義を聞くことで生徒の学習意欲の向上を図る。また、現地指導員
の指導による実験、課題研究のプレゼンテーション、現地学生との交流を通して、科学英語の
実践の機会を提供でき、生徒の英語力・伝達力の向上を図る。
イ
早稲田大学バイオサイエンスシンガポール研究所
①研修内容
32
生物学・化学・情報科学を融合させた戦略的研究機関を訪問し、本校で行われている課題研究
に活かす。
②手法
大学教授による「海洋生物」「バイオテクノロジー」とその政策についての対話型講義を受け
た後、ナノバイオテクノロジーの医療展開に関する大学の研究室での調査活動を紹介してもら
う。また、実際の大学の講義を訪問し、DNA 摘出実験にも参加する。
③効果
大学での研究の様子を知り、国境を超えて連携・共同・融合研究を展開することの重要性が認
識し、新しい学問領域の開拓者になろうとする意欲を持たせる。また、日本と諸外国での資源
に対する考え方の違いを明らかにすることで国際的視野が広がる。
ウ
シンガポールサイエンスセンター
①研修内容
本校の課題研究を実施している水溶液の研究に関連の深い分野であるコスメティック化学実
験に参加する。
②手法
現地研究員による、英語での化学実験及び講義を通して、活性成分について学び、それぞれの
化粧成分の効果について学ぶ。
③効果
実験を通して、科学的知識が実社会でどのように役立っているかを知るとともに現在研究して
いる水溶液に関するさらなる学習意欲の向上を図る。また、英語での実験を通して、科学英語
の実践の機会を提供でき、生徒の英語力・伝達力の向上を図る。
エ
シーアクエリアム
①研修内容
現地キュレーターによる海洋環境保護に関する講義を受ける。
②手法
南アジアからアラビア海に渡る海洋生物の飼育の方法に関する説明を受け、海洋環境の保護に
関する講義を受けることで、生物多様性とその保護について学ぶ。
③効果
海洋の生物多様性の保護のため、多様な環境要因の研究が必要であることを学び、向学心の向
上を図る。また、英語で質問をし、説明を受けることで、生徒の英語力の向上を図る。
オ
ニューウォータービジターセンター 及び マリーナバラッジ
①研修内容
本校の課題研究の中心的なテーマである水の浄化について、ニューウォータービジターセンタ
ー 及び マリーナバラッジ貯水池を訪問し、高度な水浄化フィルターと紫外線による消毒技
術についての講義を受ける。
②手法
下水を浄化して飲料水を始め、生活用水として活用しているシンガポールの様子について、ニ
ューウォータービジターセンターで研究員による「紫外線による消毒技術や浄化過程」に関す
るマルチメディアを使った対話型講義を受けた後、マリーナバラッジ貯水池を訪れ、実際の施
設を見ながら、講義を受ける。
③効果
貴重な水資源をなんとか確保しようと研究し、実用化している様子を体験し、水を研究するこ
との重要性を再認識させるとともに、日本と諸外国での資源に対する考え方の違いを明らかに
することで国際的視野を広げ、国境を超えて連携・共同・融合研究を展開することの重要性を
認識させる。
○生徒の感想
・ マ レ ー シ ア プ ト ラ 大 学 で の 研 修 で 、 自 分 た ち の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の Q& Aや そ の 後 の
ディスカッションを通して、マレーシアの大学院生はその研究が何に役立つかを考え
て、国のために役だてるとか自分の将来に役立てるといった明確な意識をもって勉 強
33
していることを知り、とても刺激を受けた。
・マレーシアでのプレゼンテーションを通して、完璧ではなくても、勇気をもって英語
で自分の学習した内容を伝える体験ができた。質疑応答で質問が聞き取れなかったの
で自分たちの課題がわかり、もっと英語を学習しなければならないと感じた。
・シンガポールのバイオポリスでは、全世界から集まった研究機関が協力をしながら研
究をしていて、結果を求められる緊張感を感じ、科学研究のシビアな一面を知ること
ができた。
・シーアクエリアムのバックヤードツアーやシンガポールサイエンスセンターでの実 験
では、実物を見たり、実際に作業をしたりしながら英語で説明を受けたので、説明文
を読むのと違って、分かりやすく、英語を身近に感じることができた。内容も水生生
物や水溶液に関するもので興味深く、分かった時の感動があった。
・ニューウォータービジターセンターやマリーナバラッジに行って、シンガポールでは
私たちが普段何気なく使っている水を確保するために様々な工夫をしていることを知
った。その科学技術に感心するとともに水を大切にしなければならないと思った。
・ニューウォータービジターセンターに行く前に、汚水を処理して、飲用 水にしている
ことなど予習していったが、ニューウォーターは水道水に比べて、何も含まない純粋
な 水 な の で 、 ICチ ッ プ な ど を 作 る 工 業 用 水 と し て 適 し て い る の で ほ と ん ど 飲 用 に は 使
わ れ て い な い と い う こ と を 知 っ た 。ま た 、飲 用 水 と し て 使 う 場 合 、貯 水 池 に も ど し て 、
雨水とおなじ処理をしているのは、汚水のイメージを消すためではなく、ミネラルな
どを添加するためだと学んだ。汚水をリサイクルして飲用水にしているという点で有
名になっているが、現地で学ばないとわからないことがあると実感した。また、ここ
で学んだのはニューウォーターの水道水にはない特性についてのことであり、リサイ
クルしたもののほうが価値が低いという偏見をもっていると見逃してしまうことなの
で、科学的な視点でアンバイアスにものごとを見ることの大切さを学んだ。
成果と課題
・プ ト ラ 大 学 で は 、東 南 ア ジ ア の 現 状 と 日 本 と の 科 学 技 術 的 な 交 流 に つ い て 学 び 、現 地
の 大 学 生 と の 交 流 も 行 っ た こ と で 、生 徒 が 将 来 大 学 で 研 究 し た い こ と や 海 外 で 働 く 自
分 の 姿 を 思 い 描 く な ど 充 実 し た 内 容 の 深 い 研 修 と な っ た 。次 回 は 、現 地 学 生 と の 交 流
の 時 間 を も っ と 増 や し て 、講 義 内 容 を も と に プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 作 る な ど 演 習 の 時
間も持ちたい。
・シ ン ガ ポ ー ル で 水 資 源 に 関 す る 施 設 2 つ を 訪 問 し た が 、予 習 し て い っ た こ と を 実 際 に
確 認 が で き 、さ ら に 深 く 学 べ た こ と は 、非 常 に 効 果 的 な 研 修 だ っ た 。ま た 、英 語 で 積
極的に質問ができ、英語によるコミュニケーション力も向上した。
・シ ー ア ク エ リ ア ム や サ イ エ ン ス セ ン タ ー で の 研 修 は 、実 際 に も の や 実 演 を 見 な が ら 英
語 だ け で 解 説 さ れ た が 、見 て 聞 い て 体 験 し た こ と で 達 成 感 を 感 じ な が ら 研 修 を 終 え る
ことができた。
(2)事前指導と事後指導
研究内容
S S H シ ン ガ ポ ー ル・マ レ ー シ ア 海 外 研 修 参 加 者 を 対 象 に 、研 修 効 果 を 高 め 、研 修 成 果 を
整理、共有するために以下の要領で事前・事後指導を行った。
ア
海外研修準備ミーティング
平成27年 9月9日、16日、24日、30日
10月 7日、21日、28日
11月 4日、11日、18日
各グループに分かれて、次の週までに準備しなければならないことの確認と準備できた事柄
についての発表、指導。月に1度、九州産業大学からの ALT が参加。
イ
九州産業大学との連携
理系を専門とする ALT を派遣してもらい、英語による授業を実施。
第1回 平成27年9月 18日(金) 本校にて、「水」に関する基礎単語の学習
34
17:00~17:50
第2回 平成27年10月23日(金)
17:00~17:50
第3回 平成27年11月14日(土)
9:30~13:30
Mr. Timothy Pritchard 他
本校にて、「NEWater」の学習
Mr. Timothy Pritchard 他
九州産業大学にて Intensive English Camp
土井一生 教授、Mr. Timothy Pritchard 他
ウ
事後研修ミーティング
実 施 後 、研 究 内 容 を ま と め 、日 本 語 で の レ ポ ー ト を 作 成 。さ ら に 、成 果 を 発 表・報
告するための準備。(日本語版、英語版)
平成28年 1月15日(金)、22日(金)、2月1日(月)、2日(火)
エ
SSH成果発表会
保 護 者 や 近 隣 校 の ALTを 招 待 し 、 英 語 に よ る 報 告 を 行 う 。
平成28年2月3日(水)
成果と課題
・九州産業大学での事前指導ではマレーシアからの留学生に文化的な話をしてもらった
り 、土 井 教 授 か ら マ レ ー シ ア・シ ン ガ ポ ー ル の 経 済 的 な 側 面 の 講 義 を 受 け た り と い っ た
科 学 英 語 以 外 の 研 修 も 多 か っ た が 、現 地 で の 研 修 で は 、科 学 が い か に 社 会 に 役 立 っ て い
るか考える機会が多く、大変役立った。
・事 後 研 修 を ま と め て 、成 果 発 表 会 に お い て 英 語 で 発 表 を し た 。研 修 し て き た 内 容 が 多 く 、
短 時 間 で う ま く よ く ま と め る の が 難 し か っ た が 、生 徒 た ち に と っ て 英 語 を 話 す こ と の ハ
ー ド ル が 低 く な っ て い る こ と を 感 じ る こ と が で き た 。来 年 度 以 降 は 、い く つ か の ポ イ ン
トを絞って、丁寧に説明するとともに、英語での質疑応答に対応できるようにしたい。
3
SSH成果発表会
ア
日時
平成28年2月3日(水) 13時00分 ~ 15時40分
イ 実施場所
ユメニティのおがた 大ホール
ウ 参加者
1,2年生全クラス生徒・本校職員・関係高等学校職員・保護者
地域中学校関係者・一般
エ 来賓
JST・福岡県教育委員会・運営指導委員・九州産業大学英語講師
近隣高等学校ALT・同窓会役員・PTA役員
オ 助言者
福岡教育大学
カ 目的
SSH指定4年目を迎え、年間のそれぞれの活動の総合的な成果や課題研究等の探
究 活 動 の 成 果 を 発 表 す る こ と に よ っ て 、全 校 生 徒 へ 向 け た 活 動 の 総 括 を 行 う 。ま た 、全
校 職 員・全 校 生 徒 で 取 組 ん だ 内 容 を 地 域 や 保 護 者 に 公 表 す る こ と で 、本 校 の S S H の 研
究開発の成果を校外へ還元し、今後の更なる発展へ向けるきっかけとする。
キ 日程
第1部 開会行事
13:00~13:20
(1)開会のことば
(2)校長挨拶
(3)来賓挨拶
(4)来賓紹介
(5)生徒会長挨拶
第2部 SSH全体説明
13:25~13:35
(1)鞍手高校のSSHの主旨と目的
(2)平成27年度事業内容説明
第3部 生徒発表会
13:40~15:00
35
(1)研修報告 理数科2年東京・筑波研修、SSH海外研修
(2)課題研究報告 理数科2年課題研究より2班
(3)探求活動報告 SSH部活動報告化学班
(4)ALT感想発表
(5)助言
第4部 閉会行事
15:00~15:15
(1)全体講評
(2)閉会のことば
第5部 ポスターセッション 15:20~16:00
ク 生徒の感想
・発 表 を 聞 き な が ら 、実 験 中 の 様 子 な ど が 見 え て く る よ う だ っ た 。科 学 と い う も の を 通
して、団結力や行動力などの能力を感じることができた。
・同 級 生 が が ん ば っ て い る 姿 を 見 る こ と が で き て よ か っ た 。も っ と S S H に つ い て 知 り
たいと思った。
・福 岡 教 育 大 学 の 先 生 が 、研 究 テ ー マ の 着 眼 点 が 面 白 い と お っ し ゃ っ て い た こ と が 印 象
に残った。自分たちも今回以上の面白い研究をやってみたいと思った。
・私 は 文 系 な の で 、普 段 こ の よ う な 実 験 に は あ ま り 関 わ ら な い け ど 、分 か り や す く 、楽
しそうな報告を受けて、興味がわいた。たくさんの努力をしたことが伝わってきた。
・ス ラ イ ド や 実 験 の 再 現 な ど が あ っ て と て も 分 か り や す か っ た 。来 年 は 自 分 が ス テ ー ジ
に立つかもしれないので、研究や英語などの学習を頑張ろうと思った。
36
第4章
研究開発実施の効果とその評価
4-1
活動評価のアンケートの分析とその評価
従 来 、本 校 で は 校 内 独 自 の ア ン ケ ー ト を 表 1 の よ う に 行 っ て き た 。ア ン ケ ー ト 項 目 は 、こ
れ ま で 以 下 の 2 項 目( ①・② )を 行 っ て い る 。昨 年 度 よ り「 ③ 国 際 理 解 と 環 境 問 題 に つ い て 」
の項目を加えた。
「①あなたは以下の分野についてどの程度進学したいと思いますか」
「②現在のあなたについて自己評価してください」
「③国際理解と環境問題について」
表1
平成 24 年度
(指定1年目)
平成 25 年度
(指定2年目)
平成 26 年度
(指定3年目)
平成 27 年度
(指定4年目)
5月
2月
5月
2月
6月
3月
6月
1 学年
67 期
2 学年
66 期
68 期
69 期
69 期
70 期
67 期
68 期
68 期
69 期
3 学年
67 期
備考
2,3 年生人間文科コース未実施
68 期
ア ン ケ ー ト は 、以 下 の 5 段 階 で 回 答 し 、今 回 の 比 較 は 、「1 強 く そ う 思 う 」と 「2 や や そ
う 思 う 」の 割 合 を 合 計 し た 数 値 で 比 較 し た 。
1強くそう思う 2ややそう思う 3どちらでもない 4あまりそうは思わない 5全くそうは思わない
( 1 )「 ② 現 在 の あ な た に つ い て 自 己 評 価 し て く だ さ い 」に つ い て 、6 8 期 2 年 次( 平 成 2
6年6月実施)と3年次(平成27年6月実施)で、理数科と普通科を比較した。
【自己評価の質問項目】
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
科学に興味関心がある。
疑問に思ったことに対して自分なりに考えようとしている。
実験・観察結果をもとに疑問点を挙げることができる。
実験観察に用いられる方法を知っている。
科学に関する基礎(実験器具・試薬などを含む)知識が身についている。
相手の話を聞いて、そのポイントをつかむことができる。
相手の話を聞きながら疑問点を見出し、質問することができる。
自分の考えをわかりやすく相手に伝えるように意識している。
意見を交わしながら、自分の考えをよりよいものに修正しようとしている。
英語を使って表現できる。
結論を導くために必要な情報収集の方法を知っている。
複数の情報やデータを比較検討している。
情報やデータから必要な点を取り出すことができる。
自分とは異なる意見を想定しながら自分の考えを組み立てている。
自分が調べたことや考えたことを、筋道を立ててまとめることができる。
す べ て の 項 目 に 対 し て 理 数 科 の 評 価 が 高 い の は 一 目 瞭 然 で あ り 、ま た 、2 年 次 か ら 3 年 次
の 伸 び に つ い て も 理 数 科 の 方 が 高 い 。理 数 科 に お い て 、情 報 処 理 能 力 に 関 す る 項 目( 表 3 -
1 )に お い て 評 価 が 伸 び て い る の は 、課 題 研 究 や 校 外 研 修 の ま と め で 、ポ ス タ ー を 制 作 し た
り、パワーポイントを用いて発表したりする経験の積み重ねであると考える。
ま た 、理 数 科 ほ ど で は な い が 普 通 科 に お い て も 評 価 が 伸 び て い る こ と に 関 し て 、S S H 講
演会や大学訪問、海外研修等理数科だけでなく全体に事業の拡大を進めてきた結果と考え
る。
37
○68期理数科2年次と3年次
表1-1
自己評価 68期理数科2年次と3年次の比較
知識・興味関心に関する項目
科学に興味関
心がある
63
68
74
疑問に
思ったこ
とに対し
て自分な
りに考え
ようとし
ている
74
表2-2
43 50
29
47
51
25
17
22
33
相手の話
を聞きな
がら疑問
点を見出
し、質問
すること
ができる
16
13
35
自分の考えをわかりやす
く相手に伝えることがで
きる
26第1回2年
普通(68期)
27第1回3年
普通(68期)
21
17 27
34
相手の話
を聞きな
がら疑問
点を見出
し、質問
すること
ができる
49
意見を交わしながら、自分の考
えをよりよいものに修正できる
38
疑問に
思ったこ
とに対し
て自分な
りに考え
ようとし
ている
自己評価 68期普通科2年次と3年次の比較
コミュニケーション能力に関する項目
41
自分の考
えを英語
を使って
表現でき
る
63
実験・観察結果をもとに
疑問点を挙げることがで
きる
49
71 66
意見を交わしながら、自分の考
えをよりよいものに修正できる
27
相手の話を聞いて、そ
のポイントをつかむこ
とができる
27第1回3年
理数科(68期)
27
18
34
32
実験観察に用いられる方
法を知っている
26第1回2年
理数科(68期)
66
26第1回2年
普通(68期)
27第1回3年
普通(68期)
26
自己評価 68期理数科2年次と3年次の比較
コミュニケーション能力に関する項目
相手の話を聞いて、その
ポイントをつかむことが
できる
自分の考
えを英語
を使って
表現でき
る
科学に関
する基礎
知識が身
について
いる
実験・観察結果をも
とに疑問点を挙げる
ことができる
実験観察に用いられる
方法を知っている
自己評価 68期普通科2年次と3年次の比較
知識・興味関心に関する項目
科学に興味関
心がある
89 98
66
61
63
表2-1
表1-2
26第1回2年
理数科(68期)
27第1回3年
理数科(68期)
87
77
科学に関
する基礎
知識が身
について
いる
○68期普通科2年次と3年次
自分の考えをわかりやす
く相手に伝えることがで
きる
表3-1
自己評価 68期理数科2年次と3年次の比較
情報処理能力に関する項目
26第1回2年
理数科(68期)
27第1回3年
理数科(68期)
結論を導くために必
要な情報収集の方法
を知っている
58
50
自分が調
べたこと
や考えた
ことを、
筋道を立
ててまと
めること
ができる
表3-2
74
66
45
63
65
79
自分とは異なる意見を想定し
ながら自分の考えを組み立て
ることができる
26第1回1年
普通科(69期)
結論を導くために必
要な情報収集の方法
を知っている
27第1回2年
普通科(69期)
40
自分が調
べたこと
や考えた
ことを、
筋道を立
ててまと
めること
ができる
72
34
自己評価 69期普通科1年次と2年次の比較
情報処理能力に関する項目
複数の情
報やデー
タを比較
検討して
判断でき
る
情報やデータから必要な
点を取り出すことができ
る
27
50
37
36
27
30
36
33
53
自分とは異なる意見を想定し
ながら自分の考えを組み立て
ることができる
複数の情
報やデー
タを比較
検討して
判断でき
る
情報やデータから必要な
点を取り出すことができ
る
(2)国際理解と環境問題について、68期2年次(平成26年6月実施)と3年次(平
成 2 7 年 6 月 実 施 )・6 9 期 1 年 次( 平 成 2 6 年 6 月 実 施 )と 2 年 次( 平 成 2 7 年 6 月 実 施 )
の理数科・普通科それぞれ比較した。
【国際理解と環境問題についての質問項目】
1
2
3
4
日本以外の国の事情を知り、世界の中の日本を意識することができる。
外国人たちと積極的に交流して、コミュニケーション能力を高めたい。
地域の身近な環境問題を理解し、その保全に興味関心を持っている。
環境問題に関して、世界的な視野で問題点や改善策を考えることができる。
○68期理数科2年次と3年次
環境問題に関
して、世界的
な視野で問題
点や改善策を
考えることが
できる
日本以外の国
の事情を知
り、世界の中
の日本を意識
することがで
きる
53
45
37
27
45
49
○68期普通科2年次と3年次
日本以外の国
の事情を知
り、世界の中
の日本を意識
することがで
きる
26第1回2年
理数科(68期)
27第1回3年
理数科(68期)
外国の人たち
と積極的に交
60
流して、コ
71
ミュニケー
ション能力を
高めたい
環境問題に関
して、世界的
な視野で問題
点や改善策を
考えることが
できる
39
27第1回3年
普通(68期)
38
31
58
58
27 23
33
42
地域の身近な
環境問題を理
解し、その保
全に興味・関
心を持ってい
る
地域の身近な
環境問題を理
解し、その保
全に興味・関
心を持ってい
る
26第1回2年
普通(68期)
外国の人たち
と積極的に交
流して、コ
ミュニケー
ション能力を
高めたい
○69期理数科1年次と2年次
日本以外の国
の事情を知
り、世界の中
の日本を意識
することがで
きる
環境問題に関
して、世界的
な視野で問題
点や改善策を
考えることが
できる
51
50
40
27
45
55
○69期普通科1年次と2年次
日本以外の国
の事情を知
り、世界の中
の日本を意識
することがで
きる
26第1回1年
理数科(69期)
27第1回2年
理数科(69期)
外国の人たち
と積極的に交
60
流して、コ
69
ミュニケー
ション能力を
高めたい
環境問題に関
して、世界的
な視野で問題
点や改善策を
考えることが
できる
地域の身近な
環境問題を理
解し、その保
全に興味・関
心を持ってい
る
50
37
25
16
34
41
26第1回1年
普通(69期)
27第1回2年
普通(69期)
外国の人たち
と積極的に交
65 流して、コ
64
ミュニケー
ション能力を
高めたい
地域の身近な
環境問題を理
解し、その保
全に興味・関
心を持ってい
る
6 8 期( 現 3 年 生 )は 、全 て の 項 目 に お い て 理 数 科 と 普 通 科 の 差 が 見 ら れ る が 、6 9 期( 現
2 年 生 )で は 、環 境 問 題 に つ い て の 項 目 に 差 が み ら れ る も の の 世 界 に 目 を 向 け 、コ ミ ュ ニ ケ
ー シ ョ ン 能 力 を 高 め た い と い う 項 目 に つ い て は 、差 が 見 ら れ な か っ た 。理 数 科 の 評 価 が 高 い
の は 、S S H 事 業 で 取 組 ん だ 国 際 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 の 成 果 と い え る 。評 価 が
学 年 進 行 に 応 じ て 順 調 に 上 が り 、学 校 設 定 科 目 、課 題 研 究 、講 演 会 、校 外 研 修 な ど の 総
合的な効果が現れていると考える。今後もSSH事業の 全体化に取り組む。
40
○
運営指導委員会
【第1回運営指導委員会】
1 実施日時
平成27年7月4日(土) 13時30分~16時00分
2 場所
福岡県立鞍手高等学校・会議室
3 出席者
(1)福岡県教育委員会
氏 名
所
属
熊谷 暢浩
福岡県教育振興部高校教育課
(2)平成27年度 SSH 運営指導委員
氏 名
所
属
森
英一
九州産業大学 国際文化学部
梶山 千里
福岡女子大学
神野 建二
九州大学
野瀬 重人
岡山理科大学
伊藤 克治
福岡教育大学
渡辺 亮太
福岡工業大学
野見山 ミチ子 特別非営利活動法人(直方川つくりの会)
(3)本校職員
山下
進(校長)
長尾俊太郎( 主 幹 教 諭 )
神﨑かおる(教諭)
中山 英治(教諭)
平田
舞(講師)
中村 直美(実習助手)
職 名
指導主事
職 名
フェロー
理事長・学長
名誉教授
非常勤講師
教授
FD推進室長
理事長
大村 弘之(副校長)
幤
憲 治 ( SSH 課長)
鈴木 敬輔(教諭)
丸山亜希子(教諭)
前田 直子(教頭)
橋本 亜弥(理数科主任)
村上
滋(教諭)
高倉
維(教諭)
合屋 幸奈(実習助手)
瀬戸
渓太(実習助手)
4 内容
(1)開会行事
①開会のことば
②校長挨拶
③運営指導委員長挨拶
④教育委員会挨拶
⑤参加者紹介(自己紹介)
⑥諸連絡
(2)全体説明(本校の SSH の取組、平成 27 年度事業計画等について)
①本校の SSH の主旨と目的
②5年間の活動計画
③平成27度事業計画
(3)分野説明Ⅰ(学校設定科目、地域連携について)
①学校設定科目の成果と課題
②コミュニティプロジェクト(楽しい実験教室)
(4)分野説明Ⅱ(校外研修、高大連携について)
①理数科課題研究発表会
②サマーセミナー
③サイエンスリサーチ
(5)分野説明Ⅲ(国際コミュニケーション能力育成、海外研修について)
①校内の活動状況
②海外研修
(6)研究協議( 運営指導委員からの指導・助言)
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(7)閉会行事
①教育委員会講評
②校長謝辞
③閉会の言葉
5
教育委員会講評
今日の運営指導委員会では、運営指導委員の方々から貴重な意見を頂いた。SGHの取り組み
も入ってきたため、SSHと共に協力しながら教育活動を行って行きたい。また、
「水」をテー
マに続けてきたSSHの活動のまとめを行ってもらいたい。
【第2回運営指導委員会】
1 実施日時
平成28年2月3日(水) 15時50分~17時00分
2 場所
ユメニティのおがた 会議室
3 出席者
(1)福岡県教育委員会
氏 名
所
属
工藤 宏敏
福岡県教育振興部高校教育課
職 名
指導主事
(2)国立研究開発法人科学技術振興機構
氏 名
所
属
宮崎
仁
理数学習推進部先端学習グループ
職 名
主任調査員
(3)SSH運営指導委員
氏 名
森
英一
梶山 千里
野瀬 重人
伊藤 克治
菅野 憲一
幸田 好和
職 名
フェロー
理事長・学長
非常勤講師
教授
教授
社長
所
属
九州産業大学 国際文化学部
福岡女子大学
岡山理科大学
福岡教育大学
近畿大学産業理工学部
株式会社BCC
(4)本校職員
山下
進(校長)
幤
憲治(SSH課長)
鈴木 敬輔(教諭)
丸山亜希子(教諭)
平田
舞(講師)
中村 直美(実習助手)
大村 弘之(副校長)
前田 直子(教頭)
橋本 亜弥(理数科主任) 神﨑かおる(教諭)
草野知一郎(教諭)
村上
滋(教諭)
高倉
維(教諭)
梶山 志帆(講師)
合屋 幸奈(実習助手)
瀬戸
渓太(実習助手)
4 内容
(1)開会行事
①開会のことば
②校長挨拶
③福岡県教育委員会挨拶
④運営指導委員長挨拶
(2)補足説明
(3)運営指導委員会協議及び指導・助言
(進行:運営指導委員長)
①成果発表会及びSSH事業全般に関する質疑応答
②今後に向けての意見交換
(4)福岡県教育委員会(管理機関)からの指導・助言
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(5)国立研究開発法人科学技術振興機構講評
(6)閉会行事
①校長挨拶
②閉会の言葉
5 JST講評
成果を上げるためには、生徒たちの主体性を高める自由度と事業実施の枠(時間的なもの等)
とのバランスが必要である。そういったところでの指導の工夫・教員の手腕が問われる。
今回の成果発表を見させていただき、英語の取組等チャレンジされていることはわかるが、原
稿読みのプレゼンテーションは聴く人に伝わらないので、内容を理解し自分の言葉で伝えるとい
う段階になるよう取り組まれることを望む。また、SSHの本校のテーマである「水」について
のことが触れられていないのではないか。
今後もSSH事業を学校全体に広げていくことを進めていただきたい。
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