市民と連携した持続的農業の推進に関する研究

市民と連携した持続的農業の推進に関する研究
−カバ−クロップを利用した土作りを中心として−
最近,冬に何も作付されていない畑が増えてき
ました。冬春季の土壌乾燥と強風により土壌が
舞い上がる土壌風食が地域の問題となってい
ます。
これは,冬作に栽培したカバ−クロップです。カ
バークロップは、土壌の飛散が防ぐほかに、有害
線虫の防除、残留窒素の回収、後作物への窒素貢
献など様々な効果があります。
環境保全的な農業技術の導入が政策として
進められ,「土づくり」「化学肥料の削減」お
よび「農薬の削減」を満たす個別の農業技術
の導入が進められています。その中でカバ−
クロップの利用は、近代農法のもつ様々な環
境負荷を軽減し、農業生産システムを作付体
系全体からの改善することで,地域環境の保
全と農業生産性の維持向上との調和という視
点からきわめて重要な土作り技術です。
今までの研究成果から、カバークロップを
利用することで、化学肥料の施肥量を半減で
きること、地下へ溶脱する窒素を抑制できる
こと、土壌の中の炭素量を増加させることで
温暖化抑制に寄与できること、有害線虫を抑
制できることなどを明らかにしています。
このような土作りを市民の方々との理解の
元にすすめるために、家庭菜園講座や園芸療
法を通じて、持続的農業の普及も行っていま
す。
附属農場で開講する家庭菜園講座では、約 50 家
族の方々が参加され、体験的に農業を学びます。
環境保全に資する最新の農業技術を学びます。
米ぬかぼかしの利用について市民の方々に体験
的な理解を促しています。有機質肥料のもつ様々
な効果を学びながら、地域農業の重要性や土作り
の重要性を一緒に考えています。
参考文献:
畑作でのカバ−クロップ利用,農作業研究,39(3),2004,157-163.
教員名:小松崎将一(茨城大学農学部附属農場助教授)
TEL:029-888-8707
E-mail:[email protected]