第13回ITS世界会議(13th World Congress on ITS)の概要

◆第13回ITS世界会議(13th World Congress ◆産学連携特集:名城大学のITS取り組み
on ITS)の概要
◆ (財)日本交通管理技術協会のITS取り
◆インターネットITS協議会が「成果発表会」を 組み
開催
◆幹事会報告
※写真、図等の著作権はITS Japan及び寄稿者に存するので、利用されたい場合は必ず承諾をとるようにしてください。
◆第13回ITS世界会議(13th World Congress on ITS)の概要
第13回ITS世界会議は10月8日から12日までの5日間にわたってイギリス・ロンドンで開催されます。
会議テーマに ITS: Delivering Transport Excellence を掲げて、盛大に開催される予定です。みなさま
の積極的なご参加をお願いします。
◎会議名称:13th World Congress on ITS
◎開催期間:2006年10月8日(日)-12日(木)
◎会場:ExCeL (エクセル)(英国・ロンドン)
◎会議テーマ: ITS: Delivering Transport Excellence
第13回ITS世界会議のロゴマーク
ExCeL (エクセル) の正面玄関
ExCeL (エクセル) の全景 (左後方は2012年オリンピック会場)
現在決定されている会議概要は以下の通りです 。内容は主催者の都合により今後変更となる可能
性もありますので随時公式ウェブサイトなどでご確認ください(なおPreliminary Program は5月頃発行予
定です)。
【会場】
今回の会場はExCeLというコンベンション・センターです。都心部から東へ地下鉄と列車で約40分
の運河沿いの広々としたロケーションにあります。近郊には2012年ロンドン・オリンピックのメイン会
場が望めます。
【Plenary Session】
Opening and Closing Ceremonies(開・閉会式)とPlenary Sessionでは、世界からITSのキーマンが登
壇し基調講演などを行います。
【Executive Sessions】
12のテーマを掲げたExecutive Sessions では、世界の官・民・学の分野からの有識者が、ITSの成
果・問題・課題などを取り上げ、グローバルな観点で講演を行います。
◎Executive Sessionsのテーマ
Paying for Mobility, the policy debate
ITS for Crisis and Event Management
Global eSafety
Achieving the Zero Vision
The Mobility and Safety Potential of Vehicle Communications
How ITS delivers environmental benefits?
Re-Inventing Telematics
A future vision for Intelligent Infrastructure Systems
New approaches to compliance-enforcement and beyond
Integrating different systems to deliver Cooperative Vehicle Safety
Making things real: barriers, enablers and business models
Fixed and Mobile Transport Security - The price and privacy of protection
【Special Sessions】
Special Sessionsでは、研究・実用段階のITSに関する個別のテーマについて深く掘り下げ、欧・米・
アジア太平洋の各地域の専門家が新たな意見を交えて議論します。
【Scientific and Technical Sessions】
世界中から投稿され審査を通過した約900編の学術論文・技術論文が発表されます。本年はさら
に、展示パネルを活用した対話形式のInteractive Session が計画されています。
【Exhibition】
会場内ホールでの展示会では、ITSに関するありとあらゆる最新技術が展示・紹介されます。出展
を表明した企業・団体はすでに世界中で100を超えており、にぎやかなネットワーキングが期待され
ます。
【Technical Tours and Demonstrations】
ITS技術を活用した施設・開発センターなどへの視察ツアー、ITSプロジェクトなどを実体験するデ
モンストレーション、英国内外へのプレ(ポスト)・コングレス・ツアーなどの計画が進められています。
◎計画中のおもなテクニカル・ツアー
ロンドン地下鉄オペレーションセンター
マルチモーダル・インターチェンジ
ルノー社F1サイト ほか
◎計画中のおもなプレ(ポスト)・コングレス・ツアー
・イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド、その他欧州
【公式ウェブサイト】
公式情報は下記URLのウェブサイトでご覧になれます。
www.itsworldcongress.org
なお後日、このウェブサイトで会議登録が可能となります。
(担当:国際グループ 花房・森)
◆ インターネットITS協議会が「成果発表会」を開催
インターネットITS協議会(会長:藤江一正 日本電
気株式会社 代表取締役 執行役員副社長)は、3
月28日(火)、29日(水)に東京都港区の虎ノ門パス
トラルで「成果発表会」を開催しました。
上枠をクリックすると、発表会の模様をスライドショーでご覧い
ただけます。
「成果発表会」は、インターネットITS協議会のこれまでの活動成果をまとめるとともに、新たな活動に
むけた準備を進めるため、開かれました。
具体的には、①これまでの成果 と②今後の活動方針・内容の2つをテーマとし、セミナーや展示およ
びデモ(実車走行)で紹介しました。
インターネットITS協議会は、2002年10月に「IPv6をベースとしたインターネットITS基盤の普及促進を
図り、車社会の安全、環境、快適、利便の向上を目的とする新たなビジネスを創出するための環境を整
備し、グローバルでのインターネットITS基盤標準化に寄与する」ことを目的に、発足しました。以後3年
間にわたり、「自動車のネットワーク事業の展開のための環境整備」に主眼を置き、会員による活動を
推進してきました。
2004年10月の「ITS世界会議 愛知・名古屋2004」や2005年3月∼9月の「愛・地球博」などにも積極的
に参加し、「インターネットITS」の認知度向上を図るとともに、ビジネスニーズに基づいた「プラットフォー
ム仕様の策定」とその検証などに多くの成果を上げてきました。
成果発表会の概要:
・3月28日(火)は、セミナー、展示、デモ(実車走行)
・3月29日(水)は、展示、デモ(実車走行)
以下に、写真でセミナー・展示・デモ(実車走行)を紹介いたします。
【①セミナー】
28日(火)のみ実施。前半、後半の2部構成とし、前半でこれまでの成果を中心とした報告、後半は
今後の活動およびパネルディスカッションで構成。
【②展示】
インターネットITS協議会のこれまでの活動の経緯(過去)、成果(現在)、今後の活動(未来)と会
員展示。
【③デモ(実車走行)】
プラットフォーム仕様を実装したシステムを実車に搭載し、新橋周辺を約1時間周回し、デモアプリ
ケーションを体験いただくツアー。以下がデモツアー実験内容です。
1.PCと車載機の目的地情報連携
自宅PCで検索した目的地情報をネット経由でサーバー上に登録。乗車時に車載機から自動
的にダウンロードし、目的地として設定される。
2.ヒヤリハット情報収集&配信サービス
「カーブ先の交差点付近に注意」などと、事故や飛び出しが多い危険箇所が近づくと、車載
機がダウンロードしたヒヤリハット地点情報を運転中のドライバーに知らせることで危険回避
を実現。
3.車両デジタル診断「故障デジタル診断サービス」
乗車中の車両不具合を、走行中に自動(または手動)で診断できる。不具合のある箇所を
「あなたの車から異常信号を検知、吸気温センサー系統です」などと伝えてくれると共に、修
理可能な周辺の整備工場を検索し、ナビする。
4.車両デジタル診断「スーパー劣化診断サービス」
乗車中の車両部品の劣化診断を、走行距離や時間経過などをもとに行い、メンテナンスのタ
イミングを例えば「フロントデイスクパッドとエンジンオイルの交換時期にきています」などと教
えてくれる。さらに、サーバー上にある自車の整備履歴を参照し、交換可能な工場をリストア
ップ。
5.ガソリン残量連動型 周辺SS検索サービス
ガソリン残量がある一定基準を超えてくると、自動的にSS検索アプリが立ち上がり、周辺の
SS検索が実行され、リスト化される。好みの店舗を選ぶとナビが始まり、「泡ムートン洗車も
安く提供しています」などのお得な情報も得られる。
6.SS会員向けアプリ(無線LANによる自動ユーザー認証・顧客向け情報提供サービス)
SSに入ると、無線LAN網へ自動接続。車両からIDを送信し、インターネットを利用して会員
認証を行う。会員情報にある車両情報により、給油所の左右位置を自動的に判断し空いて
いるレーンへの誘導を車載機上で行う。また、会員に向けたお得な情報を配信。車両情報へ
アクセスすることで、車の電圧やオイル残量などもチェックできる。
7.コンテンツ連携型リアルタイム情報検索サービス
各種情報がネットでリアルタイムに検索でき、一つの検索結果をもとに他の情報DBにアクセ
スし、連携した検索が可能。また、結果を車載機・携帯などで連携利用できる。例えば、お腹
がすいたら、リアルタイムにグルメサイトで店を検索し、さらにグルメサイトのDBを見て、駐車
場がない店なら自動的にパーク24の駐車場満空情報を見て、近くの空いている駐車場を教
えてくれる。
8.駐車場検索アプリ∼事前予約サービス
目的地近くに来ると、自動的に周辺で空いている駐車場を探してくれて、事業者に予約信号
を送ってくれるのでスムーズに駐車できる、しかも駐車場からお店までの地図が携帯電話に
届く。
9.駐車場からの地域連携・周辺情報配信
駐車場近くに行くと、駐車場近辺の店舗情報がポップアップで自動的に出てくる。初めての
場所でも、駐車場に停めたら自動的に近くの飲食店が紹介され便利。
10.プローブ収集情報によるエコドライブ診断
車からサーバーにアップされた走行データの診断結果を自宅のPCで確認できる。アクセル
の開け方など、自分の運転状況に応じたアドバイスがもらえる。
11.リアルタイム運転モニタサービス
自宅のPCから別デモカーの状況をリアルタイムモニタリングできるので、家族の現在位置や
運転状況・車の状態が自宅で把握できる。
なお、マスコミ向けには行事に先立ち、初日の3月28日(火)9:00から虎ノ門パストラル本館1F 葵
の間で、「マスコミ向け説明会(写真)」および、新橋周辺を周回する「マスコミ向けデモ(実車走
行)」を行いました。
インターネットITS協議会仕様基盤の概要は次のとおりです。
(画像をクリックすると、新しいウインドウが開き大きな画像が表示されます。)
(担当:総務グループ広報部 下之薗)
◆ 産学連携特集:名城大学のITS取り組み
名城大学(名古屋市天白区塩釜口1-501、兼松 顯学長)ではいくつかの学部学科においてITSに関
する研究・教育活動が行われており、その特徴は、ITSに対して全学的に取り組んでいる点にある。
2004年10月に名古屋で開催された第11回ITS世界会議では名城大学として展示を行い、会期中の最
先端技術発表セッションでは名城大学におけるITS関連研究について教授陣によるパネル討論を開催
している。2005年11月に開催された名古屋モーターショウでも、併設のITS展示に理工学部情報工学科
と建設システム工学科から出展している。ここでは理工学部のいくつかの研究室における最近の活動
を紹介したい。
[津川 定之]
■ 情報工学科 小川 明 教授
小川研究室では、通信技術、信号処理技術の観点からITSに関した研究を進めている。
○ 音響情報による接近車両の検出
近年の交通事故のうち、車両相互によるものを原因別に見ると、追突事故及び出会い頭衝突事故が
全体の約6割を占めている。この中でも、追突事故についで上位を占めているのが出会い頭衝突事故
であり、この種の事故を減らすことが望まれている。
私たちの研究では,出会い頭衝突事故の防止をするために相手車両の接近を検出する手段として、
接近してくる相手車両が走行時に発生する音、特にタイヤと路面との摩擦音を利用する方法に着目し
て研究を進めている。この方法では、見通しの悪い交差点で、視覚による判断が難しい場合において
も、音が物陰にも回りこんでくる性質を利用することにより、検出できると考えられるため、出会い頭衝
突事故の防止に有効な手段の1つになると考えられる。また,提案している方式では、自分の車両のみ
に、装置を搭載するだけで良く、他車に特別な発信源を搭載したり、交差点に社会的インフラを設置し
なくてもよいといった特徴がある。
本手法では、右図に示すように、相手車両からの音を自分の車
両に搭載した複数のマイクロホンにより拾い、適切な信号処理を
行うことにより、相手車両の接近とその方向を検出する。これま
での基礎実験では、交差点進入数秒前に接近車両を検出できる
との結果を得ている。
○ 発光ダイオード(LED)を用いた交通信号機による歩行者用光情報発信システム
現在、交通信号機は電球型からLED型へと移行しつつある。LEDには、高速に明滅が可能という特
徴があり、この特徴を利用して光による通信を行い、交通信号機から、歩行者が現在立っている交差
点の場所、周辺の状況などの情報が発信され、歩行者は音声によって情報を受け取るものとする。こ
の光情報発信システムを簡便かつ低コストに実現するため、歩行者は市販のAMラジオを用意し、簡単
な光検出器を追加するだけすむようにする。また、送信側は信号機内部に簡単な駆動回路を組み込む
ことで音声情報を発信することができる。
このシステムの最大の特徴は、前述のように低価格性にあるが、それ以外に光波を使うため、混信を
起こしにくいこと、電波法に関わる規制に関係なく使用できる、などの利点がある。 これまで行った基礎
実験で、信号機から10メートル程度離れた距離でも、受信できる見通しを得ている。
[小川 明]
■ 情報工学科 津川定之 教授
津川研究室では、(独)産業技術総合研究所と密接な連携をとってITSの要素技術とシステムの両面
で研究を進めている。現在行っている研究のうち車車間通信と高齢者の運転支援システムについて紹
介する。
○ 車車間通信に関する研究
車車間通信は、近年、車両安全通信として世界的に注目を集めているが、研究室では、車車間通信
装置普及率と応用システムの効果に関するシミュレーション研究、車車間通信応用システムに適したプ
ロトコルに関する研究、車車間通信応用システムのテストコース上における実証試験など、コンピュータ
シミュレーションから通信装置を用いた実験まで幅広く研究を行っている。
車車間通信に関するシミュレーション研究では、高速道路上でのインシデント伝達システムにおける
装置普及率とインシデント伝達距離の関係を明らかにした。たとえば、インシデント伝達距離(リレーす
ることによって情報が伝達される平均距離)を通信距離(通信装置からの情報を直接に受信可能な最
大距離)の3倍としたときに必要な通信装置の普及率と通信距離内の車両台数の関係から、通常の交
通量の場合、通信装置普及率が10%∼20%でシステムが機能することを明らかにした。このシミュレー
ションでは、併せて、CSMAに代わる効率的なプロトコルの設計と評価を進めている。
車車間通信装置を用いた実証実験では、5.8GHz帯
のDSRC、10mWの通信装置を使用し、テストコース
上ではあるが、安全運転支援システムへの応用(図
参照)だけでなく、多数の通信装置を用いてPER(パ
ケットエラー率)やホッピング性能などの測定を行って
いる。
図 車車間通信による動画の送受
(見通しが悪いカーブの先の渋滞の伝達)
○ 高齢者の運転支援システム
現在研究を進めている高齢者の運転支援システムの特徴は、車車間の協調によって支援を行う点に
ある。高齢者の運転特性や事故原因を考えると、車両単独での支援には限界があり、他車からの支援
が有効な場合がある。支援を必要とする高齢者が運転する車をゲスト車とし、支援する車をエスコート
車として、一時停止、車線変更、右折などの場面で支援を行うシステムを構築(図参照)し、テストコース
で実験を行っている。この支援システムでは、エスコート車とゲスト車の間の通信において車車間通信
が重要な役割を果たしている。
図 車車間の協調による運転支援(左がゲスト車,右がエスコート車)
○ 学生のITSに関する研究
津川研究室では大学院修士課程の研究テーマや卒業研究のテーマにITSに関したものを取り上げて
いる。たとえば、2005年度修士課程修了者のテーマには、ドライバアダプティブな運転支援のための情
報出力アルゴリズム、コンピュータビジョンを用いた自動運転・運転支援システムにおける視野の最適
化、車車間通信応用システムの評価などがある。また大学院生と学部学生が共同で試作した、ブレー
キ灯点滅をコンピュータビジョンで検出する車車間通信システムは、(社)自動車技術会主催の2005年
度学生安全技術デザインコンペティションにおいて最優秀賞(第1位)を受賞した。
[津川 定之]
■ 建設システム工学科 松井 寛 教授・松本幸正 助教授
松井研究室と松本研究室では、交通流と交通需要の分析や旅行時間の推定などの研究を進めてい
る。
○ 高度観測データを用いた交通流と交通需要の分析
VICS、AVIといった高度交通観測機器やプローブカーから得ら
れる位置データによって、車両の動きを時空間上で捉えること
が容易になってきている。これらのデータからは、個々の車両
の利用経路や所要時間に関する情報を得ることができる。一
方、車両感知器では道路の一断面における交通量や平均速
度に関する情報を得ることができる。本研究では、これら両者
のデータを統合的に利用し、交通流や交通需要を分析可能な
モデルの開発を目指している。代表的なものとして、プローブ
データと車両感知器データを用いて経路交通量の推定を行う
モデルがあるが、経路交通量の推定精度は一般的に入力デ
ータとなるOD交通量の精度に依存することが知られている。し
かしながら、観測機器の高度化に伴って観測精度が向上して
いることや、経路利用率に関する情報が得られるようになって
いることから、これらのデータを用いて、入力データとなるOD
交通量の更新と経路交通量の推定を同時に行うことができる 図 タクシープローブから得られた位置情報
モデルを開発している。このモデルを仮想ネットワークへ適用
した結果からは、OD交通量も同時に更新した場合の方が精度の高い経路交通量の推定値が得られる
ことがわかった。
○ 所要時間の推定精度向上と情報提供方法の高度化
都市間高速道路や都市高速道路で提供されている所要時間は、ドライバーが必要とする有用な情報
であるものの、その精度はまだ十分であるとは言えない。特に、渋滞時の所要時間提供には精度の面
のみではなく、提供方法にも多くの課題が残されている。そこで本研究では、はじめに、利用が容易な
車両感知器のデータを用いて、着時刻ベースの所要時間、すなわち、ドライバーが実際に体験すること
になる所要時間を精度良く推定できるモデルの開発を目指している。特に、渋滞時や渋滞解消時にお
ける所要時間の精度向上を目指している。このモデルの開発により、AVIなどが設置されていない区間
においても、精度の高い所要時間の推定が可能となる。さらに、所要時間の近未来の変化を予測し、
現在に比べて所要時間がどのような傾向にあるのかを付加的に情報提供することが可能なモデルの
開発に取り組んでいる。所要時間の増減傾向の情報提供のイメージを図に示す。このような付加的な
情報の提供は、ドライバーの経路や出発時間の変更を促し、道路ネットワークの有効利用につながるこ
とが期待できる。
平常時
増加傾向時
減少傾向時
図 所要時間増減情報の提供イメージ
[松本 幸正]
■ 建設システム工学科 藤田 晃弘 助教授
藤田研究室では、視覚障がい者の支援のためのITS技術について研究を行っている。ここでは、視覚
障がい者用歩行者信号機 IGSP (Intelligent Guidance System for Pedestrian)を紹介しよう。
○ 視覚障がい者用歩行者信号機
障がい者の社会・経済活動への積極的参加の実現が強く求められている今、視覚障がい者が外出
する機会も確実に増える事が予想される。そこで、開発のコンセプトを,視覚障がい者が最も危険と感
じている場所の1つである交差点に、視覚障がい者から認識しやすく、交差点内外で注意を確実に促
す事が可能な交通バリアフリー法に則した、安全な視覚障がい者用歩行者信号機を開発することにお
いた。
このシステムの特徴として以下の点が挙げられる。
z 視覚障がい者(弱視者)の利用(視認)し易い設置位置、LEDの輝度、発光面積、角度を分析し
最適な条件に製品設計を行う。
z ICタグ・タグリーダーを利用し視覚障がい者のみが使用できるサービス(音響信号機能、音声に
よる青赤及び所在地案内等)を提供する。
z 音響信号機の利用が止められている時間帯は視覚障がい者に対し振動で確認可能な付加機能
を持つ。
z 交差点内(歩道)に設置するため、緊急車両の歩道部乗り入れの妨げにならない様、フレキシブ
ルに折れ曲がり可能な構造。
z ゴムのリサイクル原料を信号柱に使用し環境に配慮すると同時にハイコストパフォーマンスを実
現。
z 現在、監視カメラを内臓し不測の事態やセキュリティーシステムとして画像を蓄積したり、ユビキタ
ス時代の情報発信サテライト基地としての利用等、幅広く拡張性を持たせた使用用途を検討中で
ある。
視覚障がい者の利用(視認)し易い歩行者信号機には以下のような仕様が必要である。
z 設置位置は立ち止まっている歩行者から0.5m∼5m離れた位置に設置。
z LEDの輝度は青色LED:光度:2000∼6000mcd/20mA 緑色LED:光度:2000∼6000mcd/20mA 赤
色
LED:光度:2000∼4000mcd/20mA で、ELの輝度は85cd/㎡以上を使用する。
z 発光面積は少なくとも50m㎡を発光させる必要がある。
z
ポールの長さは0.8m∼2mとしLEDの視認可能な角度は上下左右45度で視認可能とする。
[藤田 晃弘]
■ 情報工学科 中野 倫明 教授
中野研究室では、以下に紹介する山本研究室と共同で、高齢ドライバの運転能力の測定と教育・訓
練に関する研究を進めている。
○ 高齢ドライバのための運転視力測定システム
年々交通事故死全体は減少しているが高齢ドライバの
事故は増加しており、全死者数の40%を超える状況に
なっている。その多くは、高齢者が自分の運転能力(視
覚機能や認知・判断力)の低下に十分気づいていないこ
とが主原因と言われている。運転能力のうち運転中に必
要な視覚機能(視野、動体視力、深視力:まとめて運転
視力とよぶ)に着目し、これらの運転視力を運転模擬状
態で一括して測定するシステムを試作開発した(右図)。
このシステムは、運転操作系(ステアリング・アクセル・
ブレーキ)、円筒型スクリーン(水平視野角140度)、運転
模擬映像表示用プロジェクタ(1台)、運転視力の視標表
示用プロジェクタ(2台)、および処理装置から構成され
る。運転模擬映像は、通常のドライビングシミュレータと
同様に運転操作によって制御される。運転視力の視標
(運転視力を測定するためのマークやランドルト環など)
は、運転模擬映像に重畳して円筒型スクリーンに表示される。これらの視標は、2台のプロジェクタ(直
交する偏光フィルタ付)と偏光メガネを用いた立体視の原理で、視点の前後方向(奥行き方向)に表示
できる。
このシステムを用いて高齢者(60代)と若年者(20代)の運転視力を測定した結果、高齢者は若年者に
比べて運転操作したときの視野が著しく狭くなること、動体視力や深視力が有意に低下することを定量
的に示すことができ、高齢者に運転視力の低下を自覚してもらう上で極めて有効なシステムであること
が分かった。そこでメーカと共同で自動車教習所などへ導入するためのプロト機を開発する予定であ
る。今後は、健常な高齢者の事故に加えて認知症の高齢者の事故が増えており免許証の更新が大き
な問題になっていることから、認知症の早期発見を主眼として運転視力だけでなく運転での認知・判断
力を測定し、認知症を含む高齢ドライバの運転適性の判定に活用できるシステムを目指す予定であ
る。
[中野 倫明]
■ 情報工学科 山本 新 教授
山本 新研究室では、ドライバ適応型
の運転支援システムに欠かせないドライ
バの運転中の状態の検知・監視や個人
認識の研究開発を進めている。このドラ
イバの運転時の状態検知・監視の概要
を図1に示す。特に、(1)個人差に配慮し
た意識低下検知状態の推定と(2)携帯
通話に伴う意識集中状態の検知につい
て述べる。
図1 ドライバの運転時の状態検知・監視の概要図
○ 個人差に配慮した意識低下状態の推定
インナーミラー内に内蔵した撮像システムでドライバの顔画像を撮像し、図2に示す方法でまばたきを
検出する。そのまばたきの変化から、そのドライバの意識低下状態を推定する。意識低下状態は一般
に長いまばたきの比率に対応するが、個人によっては閉眼率や瞬目率に影響される人もある。
そのため、本研究では個人によって長いまばたき比率に加えて閉眼率や瞬目率を重み付けをして、
そのときの状態を推定する方法を開発している.
図2 まばたき検出の流れ
○ 携帯通話に伴う意識集中状態の推定
携帯電話の使用は2004年11月の道路交通法の改正で操作に関する運転への影響は避けられたが、
通話による問題点は相変らず残されている。本研究では画像処理による顔表情の変化から意識集中
状態を推定する。これまでの筆者らを含む研究結果から、通話に伴う意識集中の状態は、①視線の動
き ②まばたきの変化 ③口の動き ④会話に伴う左右両眼の注視点のギャップから検出する。
図3は現時点の意識集中状態検知の流れを示したもの
である。
今後の検討課題は、注視点ギャップに代わる顔部品の
変化の検出をより個人差に対応できる検知方法の開発で
ある。
その他、ドライバの顔方向や視線の検出、ドライバの年
代推定(特に60歳以降の高齢者の識別)などの研究も行
っている。
図3 意識集中状態検出の流れ
[山本 新]
■ あとがきにかえて
今回は紙面の都合で紹介できなかったが、名城大学には他にも多くの研究室、たとえば、理工学部
材料機能工学科、交通科学科、都市情報学部都市情報学科、人間学部人間学科などの研究室がITS
に取り組んでおり、学部横断的にそれぞれが連携を取りながら研究を進めている。
[津川 定之]
◆ (財)日本交通管理技術協会のITS取り組み
(財)日本交通管理技術協会は、警察庁の監督のもとに交通管理システムに関する技術開発を促進
するとともに交通管理施設、機器の維持管理技術その他交通管理に関する技術の調査研究、開発に
取り組んでいます。
研究開発の実施内容は、次の5項目に大別されます。
„ 交通管理システムに関する企画・設計
„ 交通管理システムに関する技術の研究開発
„ 交通管理施設及び機器に関する技術的研究及び開発
„ 交通管理に関する調査・分析
„ 海外の交通管理システムに関する調査、指導、提言、地術協力・援助等
(なお、当協会の事業として、「自転車の点検、整備に関する技能審査及び証明」及び「交通管理機器
の性能等の審査及び推奨」に関する事業を行っています。事業の内容等については、当協会のホーム
ページ http://www.tmt.or.jp をご覧ください。)
ITSを銘打った研究開発はありませんが、研究開発実施内容にある 交通管理システム に係る技術
及び機器などに関する研究として、ITSに関する事項を包含していると考えています。
協会設立時(1978年)から積極的に研究開発に取り組んでいますが、現在ITSの成功事例として掲げ
られているVICSシステムの基礎となる技術に関する研究も1979年頃から取組んでいました。
ATICS(Automobile Traffic Information and Control System)については、出発前に目的地までの交通
情況や所要時間の予測など、必要な交通情報を得ることで適正な運行計画に反映させることや、走行
中において行先経路の交通情況、渋滞原因などの情報、経路にある駐車場の案内をしてドライバーの
時間損失を小さくし、イライラや不安解消のために必要な情報を自動車内に表示するシステムの開発
など基礎的な研究を行っています。
現在あるカーナビの構想段階として「カーコン」と称するサブシステムがありました。カーラジオ又はカ
ーテレホンとATICSのコンピュータとを結びつけ、きめの細かい交通情報を常時受信できるシステムの
開発を目指した研究を行っていました。
現在のVICSに至る先験的プロジェクトにAMTICS(新自動車交通情報通信システム: Advanced
Mobile Traffic Information & Communication System)があります。当協会は、1987年からAMTICS開発
のメインコンダクタとして研究開発を開始しています。
AMTICSが目指したものは、自動車登載のディスプレイに表示される地図上に自車の位置、進行方
向、交通渋滞等の交通情報をリアルタイムで表示することです。情報は交通管制センター等によりオン
ラインで情報処理センターへ送信・処理されたのち、テレターミナルから各自動車に送信される方式を
採用しています。車載装置は、CD-ROMに記録された地図データに基づきディスプレイに表示される地
図上に、距離センサー及びサインポストにより位置情報とテレターミナルから送信された交通情報を表
示するものです。
平成2年に大阪で開催された 花の万博 期間中、AMTICSの大規模な実験を行っています。バス、タ
クシー及びパトカー等36台にAMTICSの車載機を登載すると共に、交通情報ガイド装置20台を主要タ
ーミナル駅及びガソリンスタンド等に設置しています。この間、走行実験、評価実験をはじめ展示会や
試乗会を行い有効性が確認され、今日のVICSにつながっています。
このように当協会では、ITSが世界的な取り組みとして進展する以前から交通管理にかかる研究開発
として多くの調査研究に取組んでいます。
また、VICSシステムにおける道路交通情報と地図(位置)を関連付ける現行の位置レファレンス方式
の基盤であるVICSリンクデータベースについて、一般道路分を(財)日本デジタル道路地図協会殿と共
同で作成しています。都道府県警察及び各道路管理者は毎年リンクの更新、見直しを行っています
が、これら各管理者からのリンク更新情報を元に所要のデータベース化の作業を行っています。
最近のトピックとして燃料電池による交通信号機非常電源の開発実証実験について紹介をいたしま
す。先のITSサンフランシスコ世界会議のテクニカルセッションにおける発表原稿をもとに概要を以下に
記します。
交通信号機非常用電源への燃料電池の適用
1 はじめに
1995年1月の阪神淡路大震災をきっかけとして、交通信号機に対する非常用電源設備が見直され
ている。災害発生時や停電時など商用電源が停止すると信号灯が消えてしまう。このような事態を避
けるため、重要な交差点には、従来から非常用電源装置としてディーゼルエンジン式発動発電機が
設置されてきた。
交通信号機非常用電源は停電時に起動するほか、機能を維持するための月1回の管理運転を行っ
ている。その際、ディーゼルエンジンから排出される黒煙や騒音が近隣への問題となることがあり、
環境への配慮が求められていた。
近年、エネルギー効率の高さや環境保全性の観点から燃料電池が着目されており、特に固体高分
子形燃料電池は自動車用、家庭用また携帯機器用として、商用化が急速に推進されている。水素を
燃料とする燃料電池は、原理的に生成物が水だけであり、発電に伴う騒音もなく環境保全性が非常
に高い。
(財)日本交通管理技術協会では平成16∼17年度に亘り㈱荏原製作所、警視庁の協力のもと交通
信号機非常用燃料電池発電システムを開発し実証実験を行った。以下、その概要について述べる。
2 非常用燃料電池システムの概要
2.1 非常用燃料電池システムの要件
交通信号機の非常用電源の必要条件は次の通りである。
① 短時間起動
② 良好な負荷追従性
③ 自動車排出物質等の影響による性能低下がないこと
④ 低温、高温・日射環境下でも確実な作動
⑤ 高い信頼性と安全性
⑥ 装置のコンパクト性
非常用燃料電池は非常時に使用されるため、短時間で確実に起動する必要がある。また、交
通信号機は灯色表示切替えに伴う負荷変動があり、良好な負荷追従性が必要である。
更に、高い信頼性と共に、自動車及び歩行者が行き交う公共の空間に設置されるため高い安
全性が要求される。
2.2システム構成
交通信号機非常用燃料電池システムの構成を図1に示す。
本装置の筐体構造は燃料電池と水素ボンベを同一筐体に収めた一体型となっているが、筐体内
部は燃料電池室と水素ボンベ室を隔壁で完全分離している。燃料電池は純水素を燃料とする空冷
式1Kw級固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte fuel cell)を使用している。
安全性の確保に関しては、燃料電池室および水素ボンベ室の完全隔離及び各室上部に水素セ
ンサーを設置し、水素漏洩を検知した場合、燃料電池の発電機能を停止するとともに水素ボンベ
直近の緊急遮断弁を閉止し水素の供給を瞬時に停止する。また、燃料電池室、水素ボンベ室とも
天井部は漏洩水素の滞留防止を図るため 開口 を設けている。
図1 非常用燃料電池システム構成図
当システムで使用している燃料電池は、荏原バラード㈱が製造している純水素1kW級PEFCユニ
ット(商品名FCBox)で、そのコアとなるPEFCモジュールはカナダのBallard Power Systems Inc.が量
産品として世界で既に数百台の販売実績があるNexaパワーモジュールである。
本システムの主要仕様を表1に示す。
表1 実証実験機の仕様
項 目
設置条件
仕 様
発電方式
屋外、周囲温度/湿度:−10∼40℃/40~80%
水素を燃料とする燃料電池発電
想定負荷
350(VA)
発電出力
最大 530(W)
発電時間
想定負荷で24時間連続運転可能
停電発生後1分以内に給電開始
起動・停止時間
復電後1分以内に商用電源に切替
管理運転
月1回 15分間の管理運転(自動/手動)
燃 料
純水素 99.99%(市販水素ガス)
筐体外形寸法 W0.8×D0.75×H1.8(m)
排出物
ドレン水:筐体下部から排水、最大0.5L/h
微量未燃水素:換気で希釈して排出
関連法規
電気事業法、消防法、高圧ガス保安法
3 実証試験
3.1 実証試験概要
(1)試験場所:環状七号線柿の木坂1丁目交差点
(2)試験開始日:2004年9月1日(長期信頼性の確認等のため2006年8月末までの予定)
(3)非常用燃料電池負荷
① 車両用信号灯器(LED式):×6台
② 歩行者用信号灯器(LED式):×8台
③ 信号制御機及びその他交通管理機器:1式
負荷合計 約350(VA)
実証試験装置の外観写真を図2に示す。
図2 実証実験装置の外観
3.2実証実験結果の概要
① 水素を燃料とする燃料電池は起動時間が短く、負荷追従性が良好で、交通信号機を負荷とす
る非常用電源として適している。
② SOx、NOx、PMなど自動車から排出される汚染物質の存在する雰囲気中であっても、非常用燃
料電池は性能低下等問題なく運転することができる。
③ 本システムの温度調節装置により、システムの温度は燃料電池本体の許容温度範囲に保持で
きる。
④ 安全性に関しても特に問題はない。
⑤ 今回の設置環境において、現状の構造寸法で問題となることはなかった。
4課 題
実際の交差点における実証実験により、交通信号機非常用燃料電池の基本性能はほぼ把握でき
た。
今後の課題として、ディーゼル式非常用電源装置と競争できる価格の燃料電池式非常用電源装置
実用機を開発する必要がある。また、本非常用燃料電池は防災用としても使用されることから、24時
間以上の連続運転を目指すことである。この方策として水素ボンベを更に高圧化したものにする方法
や信号灯器の光度を低下させるなど運用上の工夫も考えられる。燃料電池は高効率で環境負荷が
小さく、さまざまな種類の燃料に適用できることから、家庭用、業務用、自動車用など広く利用されよう
としている。
燃料電池は19世紀初頭の発明から時間を経て、近年、急速に商用化に向かって進んでいる。その
背景には、地球環境問題に端を発する水素エネルギー社会への移行があげられるが、民生用のみ
ならず公共用に対しても燃料電池の有効利用に配慮すべき時期にきていると考える。
(寄稿:(財)日本交通管理技術協会 宮城)
◆ 幹事会報告
NPO法人ITS Japan 平成18年3月度(第10回)幹事会
■開催日時:3月15日(水)10:30∼12:00
■場所 :日本女子会館ビル3階 ITS Japan 大会議室
■出席会社・団体:計30(理事会社20社、理事団体10団体)
Ⅰ.議題
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
ITS Japan平成18年度事業計画(案)
ICT Dream Festival 2006への出展
ITSの標準化2006パンフレット発行について
「第13回ITS世界会議 ロンドン2006」論文投稿状況報告
「第8回アジア・太平洋地域ITSフォーラム 香港2006」のご案内
釜山出張およびメルボルン出張概要
ITSに関連するニーズ並びに最先端技術調査結果
第5回ITSシンポジウム2006準備状況
ITS関連団体ご報告(各団体からの最近の話題について)
1. (財)道路新産業開発機構
2. (財)日本自動車研究所
1. ITS Japan平成18年度事業計画(案)
寺島専務理事から、ITS Japan平成18年度事業計画(案)について、下記の重点取り組
み事項を中心に報告すると共に、4月19日開催予定の常任理事会で審議いただくことになると報
告しました。
① 「ITS推進の指針」の促進/支援
・J−Safetyプロジェクトの推進
② ITSの実用化及び普及促進
・「環境ITS事業化プロジェクト(仮称)」の立ち上げと推進
・「海外(アジア・中国)への支援・貢献活動(中国VICS等)」
③ 国民・市民へのITS普及促進の広報/イベントの企画/推進
・ オールジャパン・ITSイベント プロジェクト企画の推進
2. ICT Dream Festival 2006への出展
事務局から、4月7日(金)∼9日(日)に名古屋市東区のオアシス21 銀河の広場及び展示スペ
ースA・Bで開催される「ICT Dream Festival 2006」に、出展すると共に会員募集活動も行なう計
画を報告しました。
3. ITSの標準化2006パンフレット発行について
事務局から、ITS標準化2006パンフレットについて、下記内容で報告しました。
① (財)日本自動車研究所からの委託事業として推進した。
② 標準化活動支援委員会を設立して作成した。
③ 内容は44ページ。
4. 「第13回ITS世界会議 ロンドン2006」論文投稿状況報告
事務局から、「第13回ITS世界会議 ロンドン2006」論文投稿状況について、下記を報告しまし
た。
① 応募件数は1,026件,内訳はアメリカ103件、ヨーロッパ539件、アジア・太平洋260件(中国
43件、日本142件、韓国33件他)他
② 採否については、IPC(3/27∼28ロンドンでの国際プログラム委員会)で最終判定され、後
日、投稿者へ直接連絡される。
5. 「第8回アジア・太平洋地域ITSフォーラム 香港2006」のご案内
事務局から、「第8回アジア・太平洋地域ITSフォーラム 香港2006」について、主催のITS香港に
対してITS Japanから提案している修正スケジュール案について報告しました。
併せて、理事団体・理事企業に対する「参加希望アンケート(会議登録者数や論文投稿者数の
予定や出展希望の意向をお伺いするもの)」へのご協力をお願いしました。
6. 釜山出張およびメルボルン出張概要
2010年のITS世界会議の候補地選定活動の一環として、2010年開催都市評価委員会の代
表として浮穴委員長と共に候補地の釜山およびメルボルンへ出張した菅常務から、下記を
中心に報告しました。
・ 両市ともに、会場設備、交通の便など好印象を持てた。
・ 今後の決定スケジュールは、2010年開催都市評価委員会の評価をまとめ4/19の常任
理事会へ報告した上で、評価をいただくことになる。
7. ITSに関連するニーズ並びに最先端技術調査結果
事務局から、ITSに関連するニーズ並びに最先端技術調査結果について、下記を中心に報告し
ました。
①背景と目的
・ セカンドステージに入ったわが国の普及を促進させるため、ITSに関連する個人・社会の
ニーズ、ならびに最先端の技術動向や開発課題等を把握し、今後のITSサービスの導入
シナリオの策定に資する。(財)機械システム振興協会からの調査研究委託「ITSサービス
導入シナリオ策定プロジェクトに関する調査研究」に関連して実施した。
調査手法と内容
・ ITS Japanのこれまでの活動を通じて得られた全国のITS関係の先生方との緊密なネット
ワークを活用して調査した。
・ 地域によるITSニーズやサービスの導入方策の相違を探るために行なう。特定地域の大
学として、北海道大学(寒地)、高知工科大学(山間部)、名古屋大学(都市部)を選定し、
先生方とのディスカッシヨンを通じてその地域でのITSニーズ、必要とされるシステム、要
素技術、開発課題を抽出した。
・ ITS関連技術分野として、「情報通信技術系」、「位置特定技術系」、「センシング技術系」、
「交通制御技術系」、「車両・システム制御技術系」、「HMI技術系」、「地図技術系」の7分
野を設定し、技術動向と課題の調査について文献や大学の先生方とのディスカッシヨンを
通じて行なった。
・ これらの調査から得られた材料を、導入シナリオに反映させることを検討した。
8. 第5回ITSシンポジウム2006準備状況
事務局から、今年12月7∼8日に東京大学生産技術研究所 駒場Ⅱ総合研究実験棟2階のコン
ベンションホールで開催予定の「第5回ITSシンポジウム2006」について、下記を中心とした準備状
況を報告しました。
① 体制
・ジェネラルチェアは津川 定之教授(名城大学)
・ジェネラルコアチェアは朝倉 康夫教授(神戸大学)
② 論文募集の詳細は4月末に発表する2nd CALL FOR PAPERSで案内します。
③ 今回の特徴
・民間企業や団体からの論文投稿を従来以上に推進したい。
④ 今後のスケジュール
・4月末 2nd CALL FOR PAPERSの発表
・7月末 拡張アブストラクトの締切
・8月末 採録通知の発送
・10月末 プロシーディングス用最終原稿の締切
ITS関連団体ご報告
下記の2団体から、最近の話題についてご報告がありました。
① (財)道路新産業開発機構(HIDO)
・「スマートウェイ公開実験Demo2006」報告
② (財)日本自動車研究所
・「DSRC普及促進検討会」の最終報告会(3/14)の報告
・「5/19 ITS標準化セミナー」について
・「ITS技術戦略マップ報告」について
【次回NPO法人ITS Japan平成18年4月度(第11回)幹事会日程について】
日 時 : 平成18年4月26日(水)10:30∼12:00
場 所 : ITS Japan 大会議室
◆ 人事異動
・ 4月1日付けで下記の異動がありました。
<帰任>柳橋 秀樹(総務グループ総務部長)→日本電気(株)
<帰任>大竹 敏一(企画グループ企画部長)→(株)デンソー
<帰任>小田 康雄(企画グループ担当部長)→KDDI(株)
<新任>村井
<新任>立松
<新任>中井
<新任>久保
<新任>藤井
康真 事務局長総務グループ長(日本電気(株)より)
淳司 企画グループ企画部長((株)デンソーより)
康雄 企画グループ担当部長(KDDI(株)より)
周夫 国際グループ部長(日産自動車(株)より)
宙征 実用化/連携促進プロジェクト担当部長(アイシン精機(株)より)
※実用化/連携促進プロジェクトは、従来のITS実用化促進プロジェクト
編集後記
・ 日本を代表する桜が見頃となりました。
桜前線も南から順次、北上し、気象庁による開花宣言が関東地域では3月20日頃から始まり、3月末
から桜が満開になりました。
皇居周りの千鳥ケ淵緑道と公園を一体的に整備した千鳥ケ淵公園は大正18年12月27日開園、以後、
多くの人々に親しまれてきました。今年も週末を中心に、花見客で賑わっています。
・ 写真下は皇居東御苑の桜です。
・ 写真下は国立劇場の駿河桜です。雌しべが無毛であるのが特徴で、ソメイヨシノより数日早く開花しま
した。
・ 新年度(平成18年度)がスタートしました。本年も倍旧のご支援をお願い致します。(T.S)
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