自信と確信を持って憲法運動を発展させていきます 2010年7月3日

自信と確信を持って憲法運動を発展させていきます
2010年7月3日 [憲法9条ファンクラブ]結成6周年記念集会
2010 年は、いくつかの事柄に関して節目の年にあたります。第一は、日本軍国主義がア
今年ジア・太平洋戦争で敗北してから
65 年目にあたります。第二に、日本帝国が朝鮮を植民地
支配してから 100 年目にあたります。第三に、アメリカに命令されて自衛隊の前身の警察予備隊が
つくられ、日本の再軍備がはじまってから 60 年目にあたります。第四として、日本全国、とりわ
け沖縄に集中している米軍基地がおかれる根拠となっている新日米安全保障条約(以下安保条約)
が締結されてから 50 年目にあたります。
日本国憲法は上記第一・第二の痛恨の反省にたって、第9条に「戦争の放棄と戦力及び交戦権の否
認」を定めた平和主義の憲法をつくりあげました。だが、上記第三・第四の動きは、日本国憲法を
ないがしろにし、掘り崩す動きとなっています。日本国憲法が施行されてから以降、今年までの 63
年間は、日本国憲法の理念や精神を守り・育て・広げるか、あるいは安保条約がつくりだしている
日米軍事同盟を維持・強化する危険な改憲の道をすすむのかという、日本の将来・国民の未来を争
奪する厳しい抗争が続いています。
日本は戦後 65 年間、アメリカの強い要求にもかかわらず、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、
アフガン戦争と続いたいずれの戦争にも直接参加することなく、“ひとりも殺さず、殺されず”に
今日に至っています。イラク侵略戦争では、自衛隊は「非戦闘地域」に限って派遣され、一発の弾
丸も撃つことはありませんでした。9条の存在と憲法を擁護する国民の声が歯止めとなってこの状
況をもたらしているのです。
憲派の策動は現在大きく“けつまずいて”います。昨年の総選挙では、これまで憲法改悪運動
の先頭に立ってきた新憲法制定議員同盟の所属議員が 139 人から 53 人に激減しました。朝
日新聞社の憲法に関する全国世論調査では、戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法9条を「変えない
方がよい」は 67%で、「変える方がよい」の 24%を大きく上回っています。こうした国民世論の
大きな変化をつくりだしたのは、全国に 7500 以上つくられた[憲法9条ファンクラブ]などの「9
条の会」の声と運動の力です。私たちは運動に自信と確信を持っています。
また、昨年の総選挙で圧倒的多数の議席をにぎって成立した鳩山・民主党内閣は、普天間米軍基
地問題と「汚いカネ」の問題で、わずか 262 日で退陣しました。普天間基地問題では、「国外・県外
へ移設」するとしていた公約をアメリカから一喝されて、裏切り、沖縄県民・徳之島町民の声をまっ
たく無視して、5 月 28 日の日米共同声明で「名護市・辺野古に新基地をつくる。鹿児島県・徳之島
と本土にも米軍の訓練を分散する」とアメリカに約束したことが国民の怒りに火を付けました。
慌てて「表紙」を菅新首相に替えましたが、彼は鳩山政権で副総理をつとめており、鳩山政権の
“共同責任者”です。11 日の所信表明演説ではまったく鳩山政権の反省をせずに、「日米共同声明・
日米合意を踏まえる」と述べました。どのようにしてこれを実現しようというのですか? これは実
施不可能なことです。国民は、民意に背く政治を倒す方法を知り、その力に自信を持っています。
だが、改憲の策動は続いています。憲法改正の手続きを定めた国民投票法が 5 月 18 日に施行さ
れました。改憲派の「読売」新聞や「産経」新聞は「憲法改正案の国会提出が可能になる。これは
画期的なことだ」と改憲に向けて目の色を変えています。仮に菅政権であろうがその他の政権であ
ろうが、憲法を変えようとする政権が出てきた場合には、鳩山政権のように、あっという間にたた
きつぶそうではありませんか。
法9条ファンクラブは、2004 年 5 月に<日本国憲法前文と第9条をいっさい変更せず、日
本と世界の平和に生かすことを求めます>の一点で、共同して運動しようと市民に呼びかけ
て発足しました。この 6 年間、私たちは目標の実現をめざして多様な活動に取り組み、多くの市民
の共感と支持を獲得し、会員数は 650 名に達しようとしています。全国の「9条の会」、県下各地
の「9条の会」といっしょに、「9条変えるな署名連絡会」で共同活動をおこなってきました。
私たちは自信と確信をもって、◆憲法前文と9条の改変・削除を絶対に許さず、「戦争の放棄と戦
力及び交戦権の否認」
を定めている日本国憲法を、
日本の将来を担う子どもたちにきちんと手渡す、
◆FC 会員を増やす、◆すべての小学校区に「9条の会」を結成する活動をすすめる、◆県民の過
半数を超える<9条変えるな>の署名を集める、の実現をめざして、会員および県民の皆さんとと
もに毅然として前進していくことを決意しています。
改
憲