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News
JIKEN CENTER
自研センターニュース
2
February 2004
平成16年2月15日発行 毎月1回15日発行(通巻341号)
昭和51年5月27日 第三種郵便物認可
C
O
N
T
E
N
T
S
テクノセミナー:自動車アセスメントについて ・・・・2
リペアリポート:最近の車のフロントバンパ構造の紹介 ・・・6
リペア インフォメーション S:ボルボV70の作業事例 ・・・・・8
輸入車インフォメーション:アウディA4(8EALT)の
合成樹脂部品の補給形態 ・・・・13
リサーチング ザ スケルトンズ:トヨタ アベンシス(250系)
・・・・・14
海外情報の紹介q:2003年RCAR会議において注目された発表
(概要)・・・・・・・・・・・・・16
「構造調査シリーズ」新刊のご案内・・・・・・・・・19
海外情報の紹介w :RCARニュースリリース:2003年11月-低速
衝突テスト
(和訳)・・・・・・・・・20
指数テーブルマニュアル作業項目の解説 _ 49 _ ・・・・21
お客様相談室レポート:フロントのエッジ部に板金修正
作業が不要な小さな傷が付いた
場合について ・・・・・・・22
第17回自研センター「一般提案」募集 ・・・・・・・23
日本アウダテックス社 指数テーブル
「2004年2月号」発行のご紹介 ・・・・・・23
自研センター来訪者一覧 ・・・・・・・・・・・・24
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
別冊 新型車情報:ダイハツタント
1 ∼□
8
(L350S、L360S系)
・・・・・・□
□
TECHNO SEMINAR
テクノセミナー
自動車アセスメントについて
国土交通省と自動車事故対策センターは、安全対策の
より安全な自動車の開発を促進することによって、安全な
一つとして、現在市販されている自動車の安全性能につい
自動車の普及を促進しようとするものです。
て試験による評価を行い(自動車事故対策センターにおい
ここでは、平成15年度に新設された、歩行者頭部保護
て実施)、
「自動車アセスメント」として公表しています。
「自
安全性能試験の紹介と現行の安全性能試験の概要ならび
動車アセスメント」の目的は、自動車ユーザーの安全な車
に各評価方法(表1)
と用語(表2)
について、それぞれ抜粋
選びをしやすい環境を整えるとともに、自動車メーカーの
して掲載します。
1. 歩行者頭部保護安全性能試験の概要
大人の頭
子供と大人の頭部を模擬したダミー(頭部インパクタ)
を衝撃装置
子供の頭
により対象車両のボンネット
(フード)
に向け時速35km(自動車の走
行速度では、時速44km相当)で発射させ、衝撃点における頭部傷
害値(HIC)
を計測する試験。歩行者の交通死亡事故では、頭部傷
時速35km
害の要因が大きいことから、自動車が歩行者に衝突した際の頭部
の傷害程度を評価し、車両の歩行者保護対策の促進を目的として
実施するものです。
インパクタのイメージ
¡頭部インパクタ
大人頭部インパクタ
(直径165mm、質量4.5kg)
子供頭部インパクタ
(直径165mm、質量3.5kg)
¡衝撃試験エリア
衝撃試験エリアを車両(試験対象部位)の前後方向に大
人インパクタ試験エリアと子供インパクタ試験エリアに分割
し、さらに後者を車両前後方向に2分割して、前者をエリア
Ⅰ、後者の車両後方部分をエリアⅡ、車両前方部分をエリ
アⅢと、大きく3つの評価エリアを設定しています。
〈細分化〉
エリアⅠとエリアⅡについては、横方向に6分割、エリア
Ⅲについては、横方向に3分割。
〈再細分化〉
細分化した各エリアをさらに4つの再細分化エリアに分
割。また、メーカの希望により、すでに試験を行った箇所
を含む再細分化エリア以外のエリアで試験を行うことがで
きます。
2
自研センターニュース 2004年2月号
TECHNO SEMINAR
評価エリアの分割イメージ
¡評価方法(表1の4参照)
歩行者頭部保護安全性能試験は、平成14年9月下旬より実施(試験開始)
し、平成15年度中を目途に公表の予定です。
2. 現行の自動車安全性能等試験の概要
(3)高速ブレーキ安全性能試験(表1の1参照)
(1)対象車種
自動車を乾燥路面および湿潤路面において時速100km
¡直近6カ月の販売実績が上位の車種から選定します。た
から急制動をかける試験。
だし、最近モデルチェンジしたものについては前のモデ
ルの販売実績なども考慮しています。
¡早期にモデルチェンジが行われる予定の車種は選定し
時速100km
3.5
m
幅
ていません。
乾燥および湿潤路面
¡1メーカあたり6車種を上限としています。
¡これまでに実施した車種は除きます。
¡自動車製作者などから申し出による車種も予定しています。
以上の原則に沿って選定。
(2)評価項目
(4)自動車衝突安全性能試験
¡フルラップ前面衝突安全性能試験(表1の2参照)
運転者席および助手席にダミーを搭載した自動車を時
速55kmでバリヤ前面に垂直に正面衝突させる試験。ダ
¡高速ブレーキ安全性能試験(制動性能)
ミーに与える衝撃が大きいため、その衝撃を緩和するた
¡フルラップ前面衝突安全性能試験
めにシートベルト、エアバッグなどの乗員拘束装置および
¡オフセット前面衝突安全性能試験
車体の衝撃吸収性能の評価に適しています。
¡側面衝突安全性能試験
¡歩行者頭部保護安全性能試験(新設)
¡チャイルドシート安全性能等試験
(年少者用補助乗車装置)
前面衝突安全性能と使用性の評価
他に自動車の安全装置の装備状況等を公表しています。
時速55km
コンクリート
自研センターニュース 2004年2月号
3
TECHNO SEMINAR
¡オフセット前面衝突安全性能試験(表1の2参照)
などの評価に適しています。
運転者席および助手席にダミーを搭載した自動車の運
¡側面衝突安全性能試験(表1の3参照)
転席側の一部(車幅の40%)
を時速64kmでバリヤ前面に
運転者席にダミーを搭載した自動車の運転席側の側面に
垂直に正面衝突させる試験。車両の一部で衝撃を受け、
時速55kmで台車を衝突させる試験。側面衝突は、前面
車体変形が大きくなる傾向にあるため乗員の生存空間
衝突に続き傷害程度の大きくなる傾向の衝突形態です。
アルミハニカム
アルミハニカム
40%
時速64km
時速55km
コンクリート
(5)公表方法
子として取りまとめるとともに、インターネットなどを
国土交通省(国土交通大臣)は、公表すべき事項を冊
用い広く一般に公表しています。
自研センターとしては、歩行者頭部保護にともなう変更点(パネルの材質や構造)
を把握し、損傷修理性など効果
的な修理方法の調査研究に取り組んでいきたいと思っています。
表1 評価方法について(抜粋)
1
2
試験項目
評価方法
高速ブレーキ安全性能試験
乾燥路面(路面温度条件35.0±10.0℃)
、湿潤路面(路面温度条件27.0±5.0℃)における停止距離を測定
して評価します。幅3.5mの車線からのはみ出しの有無も確認します。
フルラップ前面衝突安全性能試験
および
オフセット前面衝突安全性能試験
ダミー各部位の傷害値と車体の変形量を計測して評価します。
〈ダミーの傷害値〉
頭 部:頭部傷害値(H
I
C)
頸 部:引張荷重、剪断荷重、伸張モーメント
胸 部:胸部傷害値、胸部変位
下肢部:大腿部荷重、脛骨指数
〈車体変形両〉
ステアリング上方・後方変位量
ブレーキペダル上方・後方変位量
計測結果は、運転者席および助手席毎にダミー傷害値および車体変形量の計測値に基づき各部位につい
て4点満点で点数化し、事故実態を勘案した重み付けを行い、それを合計して総合点数を算出の上、5段
階評価指標で公表します。さらにドアの開扉性、乗員の救出性ならびに衝突後の燃料漏れの有無につい
て評価し公表します。
3
側面衝突安全性能試験
ダミー各部位の傷害値を計測して評価します。
〈ダミーの傷害値〉
頭 部:頭部傷害値(HPC)
胸 部:胸部変位
腹 部:腹部荷重
腰 部:恥骨荷重
計測結果は、運転者席のみダミー傷害値の計測値に基づき各部位について4点満点で点数化し、事故実
態を勘案した重み付けを行い、それを合計して総合点数を算出の上、5段階評価指標で公表します。さら
にドアの開扉性、乗員の救出性ならびに衝突後の燃料漏れの有無について評価し公表します。
*自動車衝突安全性能試験の総合評価
運転者席に関しては、フルラップ前面衝突安全性能試験、オフセット前面衝突安全性能試験、側面衝突安全
性能試験の3種類の衝突試験の各々の点数を合計した上、一定の安全レベルを考慮した基礎点を設けて、6
段階評価指標(☆☆☆☆☆☆)
で公表します。また助手席に関しては、フルラップ前面衝突安全性能試験、側
面衝突安全性能試験(運転者席の点数を流用)
の点数を合計し、運転者席と同様の方法で公表します。
4
歩行者頭部保護安全性能試験
q大人頭部インパクタおよび子供頭部インパクタによりボンネット(フード)の各衝撃点における頭
部傷害値(HIC)を計測します。
w各衝撃点の頭部傷害値を4点満点で点数化し、再細分化エリア毎に5段階に色分けします。再細分化
エリアでの試験結果から、各細分化エリアの得点を決定します。
e各評価エリア(エリアⅠ∼Ⅲ)の得点は、各細分化エリアの得点の平均値で決定されます。また、
各評価エリア得点の総合平均値を求め、一定の安全レベルを考慮した基礎点を設けて格付けを行うこ
とも検討します。
*上記は、道路運送車両法の道路運送車両法施行規則および道路運送車両の保安基準に定めるところによる
4
自研センターニュース 2004年2月号
TECHNO SEMINAR
表2
実施要領の用語について(抜粋)
用 語
説 明
用 語
説 明
恥骨荷重
バリア
フルラップ前面衝突安全性能試験およびオフ
セット前面衝突安全性能試験において、評価
の対象とする自動車を衝突させる壁面。
側面衝突安全性能試験において、衝突時の
ダミーの骨盤の恥骨結合部に加わる荷重。
開扉性
衝突安全性能試験の後における試験自動
車の扉の開けやすさの程度。
救出性
衝突安全性能試験の後における試験自動
車からのダミーの取り出しやすさの程度。
年少者用
補助乗車装置
国土交通大臣の認定もしくは指定を受けた
装置またはそれに準ずる装置のうち、乳幼
児ベッドおよび幼児用シート。
年少者
新生児、乳児、幼児または学童のうち体重
が三十六キログラム以下の者。
乳幼児ベッド
主として乳児を連続した面上に寝かせた状
態にして、自動車の進行方向に対して横向
きに拘束または定置するようにする装置。
幼児用シート
主として幼児を座席ベルトによって直接拘
束しないものであって、インパクト・シール
ド、インパクト・シールドと補助シートとの
組み合わせ、インパクト・シールドと補助シ
ートと年少者用ベルトとの組み合わせ、年
少者用ベルトと補助シートとの組み合わせ
のいずれかによって後向きまたは前向きに
拘束または定置するようにする装置。
前向き
自動車の進行方向に対して同方向の向き。
後向き
自動車の進行方向に対して逆方向の向き。
年少者用ベルト
帯部、バックル、長さ等調節具などで構成
し、年少者を拘束する装置。
装置本体
年少者用補助乗車装置のうち、年少者用ベ
ルト以外の装置。
ダミー
HIC
(Head Injyury Criteria)
胸部合成加速度
胸部変位
大腿部荷重
試験自動車に搭載する人体模型。
フルラップ前面衝突安全性能試験およびオ
フセット前面衝突安全性能試験におけるダ
ミー頭部傷害の程度を示す指数。
フルラップ前面衝突安全性能試験およびオ
フセット前面衝突安全性能試験におけるダ
ミーの胸部に発生する合成加速度。
フルラップ前面衝突安全性能試験、オフセ
ット前面衝突安全性能試験および側面衝突
安全試験におけるダミー胸部の最大変位。
フルラップ前面衝突安全性能試験およびオ
フセット前面衝突安全性能試験におけるダ
ミーの左右それぞれの大腿骨に相当する
部分に加わる大腿骨軸方向の荷重。
脛骨指数
フルラップ前面衝突安全性能試験およびオ
フセット前面衝突安全性能試験におけるダミ
ーの脛部に加わる傷害の程度を示す指数。
かじ取り
ハンドル変位
フルラップ前面衝突安全性能試験およびオ
フセット前面衝突安全性能試験におけるかじ
取りハンドルの後方および上方への変位。
ブレーキペダル変位
フルラップ前面衝突安全性能試験およびオ
フセット前面衝突安全性能試験におけるブ
レーキペダルの後方および上方への変位。
シート・クッション
バリヤフェイス
HPC
(Head Performance Criteria)
腹部荷重
側面衝突安全性能試験において、試験自動
車に衝突させる台車の衝突面に取り付ける
衝撃吸収材。
腰部を収容する座面の部分。
シート・バック
頭部および胴部を収容する背もたれの部分。
合成加速度
衝突時にダミーの頭部または胸部に発生す
る加速度。
カットボデー
試験時にチャイルドシートを固定する実
際の自動車の一部を切り出して製作され
た試験台。
側面衝突安全性能試験におけるダミー頭
部傷害の程度を示す指数。
側面衝突安全性能試験において、衝突時の
ダミーの衝突側の腹部に加わる荷重。
*上記は、道路運送車両法の道路運送車両法施行規則および道路運送車両の保安基準に定めるところによる
自研センターニュース 2004年2月号
5
REPAIR REPORT
リペア リポート
最近の車のフロントバンパ構造の紹介
最近の車は、フロントバンパとボデーを一体化させたデ
ザインが多くあり、いざフロントバンパの取外し作業を行お
スチール製
サイドバンパ
バンパステー
うとした時、何処から外したらいいのか迷ったことは有りま
せんか。そのため、作業自体が以前より時間が掛かるよう
に感じた事はないでしょうか。
だいぶ古い話しになりますが、80年代前半頃までのフロ
スチール製
センタバンパ
ントバンパと言えば、メッキしたスチール製が主流で、その
取付方法はフロントバンパにスチール製のバンパステーを
組付けてフロントサイドメンバに取付け、フロントバンパの端
部はフロントフェンダと連結させていた頃もありました。
この頃のフロントバンパと車体との取付けボルト点数はフ
バンパステー
ロントフェンダ部分も含め6点程度、構成部品点数は
(センタ)
バンパフェース、左右サイドバンパ、左右バンパーステーの5
点程度で、その組付け構造も非常に分かり易いものでした。
現在では、外観上の見栄えや車両重量の軽減から、フ
ロントバンパは樹脂製が主流となり、これに衝突安全性の
観点からエネルギー吸収部材となるエネルギーアブソーバ
樹脂製バンパフェース
やリインホースメントなどが装着されるようになりました。こ
れに伴いフロントバンパと車体との取付け方法にも変化が
みられ、フロントバンパの脱着作業時間は過去のバンパ構
造と比較し増加しています。
しかし、作業時間の増加以上に、
「作業が以前より時間
が掛かるように感じる」のは何故でしょうか。
エネルギー
アブソーバ
(発泡ウレタン製)
これは、最近の車のフロントバンパは一見しただけでは
その組付け構造が把握できないため取外し作業に迷いを
生じることが多く、このことが「感覚的に時間が掛かる」と
感じる大きな要因となっているようです。
そこで、最近の車のフロントバンパ取付け方法の特徴と
フロントバンパ脱着作業の手順事例を紹介します。
6
自研センターニュース 2004年2月号
樹脂製
バンパフェース
バンパ
リインホースメント
REPAIR REPORT
1. 最近の車のフロントバンパ組付けの特徴
(1)図中の4部位で結合されていることが多く、その締結にはクリップが多用されている。
(2)ヘッドランプを外すことなく取外すことが出来る。
q上面の締結
r側面の締結(バンパ
ブラケットに端部部分
を勘合させ締結)
e正面の締結
w下面の締結
2. フロントバンパ脱着作業の手順事例(日産 キューブ)
r
q
e
w
e
q
w
(1)
フロントグリルを取外す。
(2)上下各2個の取付クリップ(図中No.q)
を取外す。
(3)左右フロントフェンダプロテクタの前側半分(クリップおよびボルト
(左右:図中No.w))
を取外す。
(4)
フロントフェンダへの取付スクリュー(左右:図中No.e)
を取外す。
(5)バンパサイドブラケット
(左右:図中No.r)からフロントバンパを水平に引き、クリップのかん合を外す。
(6)
フロントバンパを取外す。
ここまでがフロントバンパの取外し作業。取付けは、取外しの逆の手順で行う。
(なお、作業の詳細や作業上の注意事項については、自動車メーカー発行の整備マニュアルを参照願います。
)
バンパの構造は時代とともに変わってきています。例え
ら作業時間は多く掛かってしまいます。日頃から自動車メ
ば脱着の容易なクリップの多用やバンパブラケットの採用
ーカー発行の整備マニュアルや弊社発行の車種別構造調
により作業の効率化も図られています。その反面、その取
査シリーズなどに目を通し、効率的な作業が行なえるよう
付位置や取外し方法をよく知らなければ、当然のことなが
心掛ける習慣をつけてはいかがでしょうか。
自研センターニュース 2004年2月号
7
REPAIR Information S
リペア インフォメーション S
ボルボV70の作業事例
自研センターニュースでは昨年から輸入車について積極的に情報提供をしてまいりました。国産車には無い組み付け構造
や使用される部材の違いによって、当然のことながら行われる作業は国産車と異なってきます。今回はボルボV70(平成14年
式 LA―SB5244W)で3つの作業事例をご紹介します。
1.ルーフパネルの取り外し作業
ボルボ70Vのルーフパネルはルーフサイド部をレーザー溶接
で取り付けていますので作業手順をご紹介します(
。写真1)
(2)ルーフパネルの粗切り
作業性を良くするためには、エアーチゼルやエアシャーを
使ってルーフパネルの粗切り作業を行います。
(写真4)
写真1
ルーフパネル
写真4
エアーシャー
(1)溶接部のボデーシーラ除去
溶接部が見えるようにCNSグラインダーやスクレッパーを使
用してボデーシーラを剥離します。
(写真2)
ボデーシーラを剥
離するとレーザー溶接が確認できます。
(写真3、黄色線部)
(3)ルーフサイドレールとルーフパネルの切り離し
防振・防音向上の為にルーフサイドレールとルーフパネ
写真2
ルの間にはボデーシーラ
(写真5、黄色線部)が入っていま
す。これをガストーチであぶったり、ピアノ線やL型カッター
CNSグラインダー
を使用してルーフパネルを切り離します。
写真5
写真3
レーザー溶接
8
自研センターニュース 2004年2月号
REPAIR Information S
(4)スポット溶接部の取り外し
ルーフパネル前側・後側はスポット溶接で取り付いてい
ます。
(写真6)スポットカッターなどドリルを利用して溶接部
を取り外します。
(6)残部の取り外し
レーザー溶接部研磨後、タガネなどを使用してルーフパ
ネル残部を取り外します。
(写真8)
写真8
写真6
スポット溶接
(5)
レーザー溶接部の取り外し
グラインダーやベルトサンダーを使用して溶接部を研磨し
(7)ルーフパネルが外れた状態(写真9)
写真9
ます。
(写真7)
なお取り替えるルーフパネル側を研磨し、ボ
デー側を傷付けないよう注意をする必要があります。
写真7
グラインダー
2.ドアの配線縁切り作業
フロント、リヤドアは比較的容易な作業ですが、バックド
アについては電装品個々に縁切り作業が必要でやや手数
を要する作業となります。
フロントドア配線は写真2の状態で取り付いています。
(ド
ア全開状態で確認できます)
写真2
(1)フロントドア
(写真1)
写真1
自研センターニュース 2004年2月号
9
REPAIR Information S
室内トリムを外す必要は無く、カバーを外し、○部のツメ
を外すだけで容易に配線を縁切ることが可能です(
。写真3)
写真3
(3) バックドア
(写真7)
バックドア配線(配管)の縁切りは、バックドア内の電装
品個々に縁切りする必要があるのでバックドアトリムを取り
外す必要があります。
(写真8)
その上でバックドア側のグロ
メットを外せば縁切りが可能となります。
写真7
(2)
リヤドア
(写真4)
リヤドア配線は写真5の状態で取り付いています。
室内トリムを外す必要は無く配線の縁切りが可能となり
ます。
(写真6)
写真8
写真4
配管
配線
ただし、今回の車両にはリヤスポイラー(ハイマウントラ
ンプ付き)が取り付いており
(オプション)
、作業上以下の点
写真5
に注意が必要になります。
<リヤスポイラー(ハイマウントランプ付き)
まで配線を延
長しています>
*リヤスポイラー側のハイマウントランプへはバックドア
に取り付いている標準仕様のハイマウントランプ配線
(写真9、青配線)から、コネクタ
(配線延長用)
を介し
てスポイラー側ハイマウントランプへと接続する配線
となっています。
(写真9、赤配線)
(写真1
0)
写真6
写真9
バックドア側
ハイマウントランプ
通常(スポイラー無)配線
割り込まれた配線
10
自研センターニュース 2004年2月号
REPAIR Information S
写真10
通常の配線
写真11
スポイラーへ
グロメット
スポイラーへ
割り込ませた配線
バックドア配線
これによってスポイラー装着車のバックドア側ハイマウン
写真12
コネクタ分解
トランプは点灯しない構造になっています。
<作業上の留意点>
グロメットと
配線の分割
*標準仕様のバックドアに取り付いているハイマウント
ランプ用までの配線はグロメットを外すことで縁切り
が可能となりますが、リヤスポイラー側ハイマウントラ
ンプへの配線はグロメット部に別に専用の穴を開けて
延長用配線を貫通させているので、グロメットから配
線を引き抜くにはコネクタ部(配線延長用)
を分解し単
線にした上で引き抜く必要があります。
(写真11,12)
3.リヤバンパビームとリヤセクションの取り外し作業
国産車では通常バックパネル等と呼称される部位です。
写真1
(写真1)
(1)
リヤバンパビーム取り外し作業
通常使用しているチタンコーティングコバルトカッター(以
Rrバンパビーム
下スポットカッターと呼びます)でスポット溶接点を切削し
Rrセクション
たところ、スポット溶接点1点を切削するとスポットカッター
の刃が磨耗してしまうほど硬度の高い鋼板でした。
(写真2)
なお詳細な硬度調査はしておりません。
*国産車に通常使用されている鋼板であればスポットカ
ッター1本で多くのスポット溶接点を切削することが可
能です。
写真2
スポットカッター
自研センターニュース 2004年2月号
11
REPAIR Information S
スポットカッターではスポット溶接点を切削することが困
ベルトサンダーによる作業はリヤバンパビームの場合と同
難なため、ベルトサンダーでスポット溶接点を研磨しスポ
じですが、
(写真6)
リヤセクションには裏側に大量のボディ
ット溶接点を剥がしていきました。スポットカッターと比較す
ーシーラが入っておりガストーチであぶりながら作業を行
ると作業性は向上しますが、一点一点溶接点を研磨する
い、リヤセクションを取り外すこととなりました。
(写真7)
こととなりますのでスポットカッターによる作業より多くの時
リヤバンパビームとリヤセクションを取り外した状態。
(写真8)
間を要します。
(写真3)
写真6
写真3
ベルトサンダー
ベルトサンダー
写真7
リヤバンパビームに関する全ての溶接点を研磨した後タ
ガネ等を使用して外します。
(写真4)
写真4
Rrバンパビーム
裏側
写真8
(2)リヤセクション取り外し作業
リヤセクションもリヤバンパビーム同様、硬度の高い鋼板を
使用しているためスポットカッターによる作業は困難でした。
(写真5)
写真5
Rrセクション
12
自研センターニュース 2004年2月号
輸入車インフォメーション
アウディ A4(8EALT)
の合成樹脂部品の補給形態
今回はアウディ A4(8EALT)のプラスチック部品の材料と補給形態情報をお知らせします。
なお、来月2004年3月発行予定の「No.J-362構造調査シリーズ」アウディ A4にも他の情報と共に掲載されていますの
で是非ご利用ください。
合成樹脂部品の使用個所
5. リヤビューミラーキャップ
4. ラジエータグリル
6. プロテクションストリップ
7. サイドメンバエクステンション
3. ライセンスプレート
ブラケット
2. スポイラ
1. フロントバンパカバー
8. リヤバンパカバー
9. スポイラ
番号
部品名
材料記号
材料
補給形態
1
フロントバンパカバー
PP-EPDM
ポリプロピレン-EPDMゴム
未塗装
2
スポイラ
PP-EPDM
ポリプロピレン-EPDMゴム
未塗装
3
ライセンスプレートブラケット
PC-PBT
ポリカーボネート-PBT樹脂
未塗装
4
ラジエータグリル
PA-GF
ポリアミド-ガラス繊維
未塗装
5
リヤビューミラーキャップ
ABS
ABS樹脂
未塗装
6
プロテクションストリップ
PP-EPDM
ポリプロピレン-EPDMゴム
未塗装
7
サイドメンバエクステンション
PVC-PP
ポリ塩化ビニール-ポリプロピレン
未塗装
8
リヤバンパカバー
PP-EPDM
ポリプロピレン-EPDMゴム
未塗装
9
スポイラ
PP-EPDM
ポリプロピレン-EPDMゴム
未塗装
*EPDMは、エチレンプロピレンジエン三元共重合体のことで、耐老化性、耐オゾン性、耐寒性、熱安定性に優れる合成ゴムです。
エチレンプロピレンゴムとも言われます。
自研センターニュース 2004年2月号
13
Researching The Skeletons
リサーチング ザ スケルトンズ
トヨタ アベンシス(250系)
この「Researching The Skeletons」は外部から確認する
似ています。中央部に大型の「リインホースメント」を配置
ことができないフロントサイドメンバおよびリヤサイドメンバ
し剛性を確保するとともに、また先端部は衝突の際の耐荷
内側のリインホースメント等の位置や板厚を分かりやすく
重性を確保する六角断面形状となっています。
紹介していくもので、データは実際に自研センターで調査し
たものを記事にしたものです。
今回はトヨタ アベンシス
(250系)
を取り上げます。
このフロントサイドメンバの基本構造はカローラ
(120系)
と
リヤフロアサイドメンバには左右共に板厚の厚い(2.6mm)
の「リインホースメント」が配置されています。
先端部のカット位置はトヨタのボデー修理書に記載され
ているカット位置です。
フロントサイドメンバ
左外側
左内側
カット位置
1.0mm
1.0mm
2.0mm
2.0mm
六角断面形状
1.6mm
リヤ
セダン正面(ボデーロワーバックパネル取付状態)
リヤフロアサイドメンバ位置
14
自研センターニュース 2004年2月号
セダン正面(ボデーロワーバックパネル取外し状態)
リヤフロアサイドメンバ位置
Researching The Skeletons
ワゴン正面(ボデーロワーバックパネル取付状態)
ワゴン正面(ボデーロワーバックパネル取外し状態)
リヤフロアサイドメンバ位置
リヤフロアサイドメンバ位置
上側(リヤフロアパン取付状態)
上側(リヤフロアパン取外し状態)
1.6mm
2.6mm
下側
自研センターニュース 2004年2月号
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海外情報の紹介q
2003年RCAR会議において注目された発表(概要)
2003年9月に開催された2003年RCAR会議において注目された海外センターの発表の概要をお伝えします。
取り上げた発表テーマは: 1.IIHSの側面衝突テスト
IIHS
2.鞭打ち症に関する最新情報:優れたシート設計
Thatcham
3.IIWPG(国際保険業界鞭打ち症防止グループ)の最新情報 IIHS
4.後退時視認性に関するプログラムの結果と一般公表
IAG
5.歩行者保護 対 低速衝突性能
Thatcham
6.RCAR衝突テスト結果の比較
AZT
7.特別な鋼板
CESVI France
1.IIHSの側面衝突テスト- IIHS(アメリカ)
たものとする。
¡1995年から始まったIIHSにおける前面衝突安全性の
−2009年9月1日以降は新型の乗用車とトラックの全
評価は、2003年には殆どの車がGoodとなり、また
てをIIHSのディフォーマブル・ムービングバリア側面衝
Marginal以下の車はなく、非常な向上が見られる。
突テストの基準に適合したものとする。
¡しかしドラーバーの死亡事故における側面衝突の比
2.鞭打ち症に関する最新情報:優れたシート設計
- Thatcham (イギリス)
率は高い。
¡ドライバー側に側面衝突された車におけるドライバー
¡フォルクサムのクラッシュパルスレコーダー調査データ
の死亡危険度の低減率は、トルソー保護だけのエア
に基づいて鞭打ち症の発生に関係するダミー傷害値
バッグが10%程度であるのに対し頭部保護+トルソー
を調査した。
保護は40%以上である。
¡頭部保護エアバッグは安全上の効果が大きいが、多
くの車でオプション設定となっており、標準装備化を
促進させる必要がある。
¡2003年から始めた側面衝突安全性の評価結果は、
突を模擬したスレッドテストによる再現を行った。
¡事例の選定は、クラッシュパルス、首の傷害状況、同一
車種、以前からの傷害がないこと、多重衝突でないこ
と、クラッシュパルス再現の正確性などの条件による。
Goodが2車種、Acceptableが1車種、Marginalが2車
¡ダミーはBioRID Ⅱcを使用。
種、Poorが7車種であった。
¡平均Gに対するNIC、Nkm、ネックテンションおよびネッ
¡この評価結果は53の全国放送、2,239の地方放送で
報道され2.32億の人が見た。
¡IIHSと米国自工会が協力して、乗用車とライト・トラッ
クの間のコンパティビリティを高める対策の開発を進
めている。
¡現在以下の事が提案されている。
−FMVSS201項の側面ポール・テストあるいはIIHSの
ムービング・ディフォーマブルバリア側面衝突テストの
評価基準を使って側面衝突の際の頭部保護性能を高
める。
16
¡フォルクサムのデータベースから25例を選び、後面衝
クシェアフォースなどの分布から傷害発生の閾値(いき
ち:ある系に注目する反応を起こさせるとき必要な作
用の大きさ、強度の最少値)
を検討した。
¡NIC=16およびNkm=0.4がシート評価の閾値として使
用可、ネックテンション=500Nおよびネックシェアフォー
ス=200Nが長期傷害の閾値として使用可という結果
を得た。
¡しかしGood∼Poorのように性能を括るためには、僅
か25ケースでは適切な閾値が決定できない。
¡次にシート評価の先行テストを行った。
−2007年9月1日以降は新型の乗用車とライト・トラッ
テスト車種は、プジョー307、ルノー メガーヌ、ボルボ
クの少なくとも50%を上記いずれかの基準に適合し
V70、
ダッジ イントレピッド、
フォルクスワーゲン ツアラン、
自研センターニュース 2004年2月号
フォード Cマックス、トヨタ カローラ2003、日産マイク
ラⅢ、ヴォクゾール ベクトラⅡ、サーブ93Ⅱ。
¡テストの仕様は以下
−自動車メーカーとの協働および情報交換促進
¡2000年12月以降7回の会議を持った。
2003年9月の第7回会議の議論では、格付け方法の骨
−各車種3脚の新品シートをテスト。
子を以下とすることとなった。
−IIWPGの3つの衝撃波形、すなわちΔV=10km/h、
−RCARの幾何学的なヘッドレスト格付け基準をベー
16km/hおよび25km/hでテスト。
スに動的評価結果を加味する。
−高さ調整式のヘッドレストは中央位置。シートスライ
−リアルワールド事故において鞭打ち症傷害を低減す
ドは中央位置。
る新しいシート設計の採用が促進されものとすべき。
−全ての傷害値を収集、計算して比較。
¡シート評価に適した評価基準を整理すると以下。
¡動的テストの基本的な考え方
幾何学的な評価を中核的な要件として残す。
−NIC:T1に相対的な頭部の加速度と速度の組合せ。
その上で:
−Nkm:ネックモーメントとシェアフォースの組合せ。
−幾何学的な格付けが“marginal”および“poor”の
−Fx:頚部のシェアフォース
(前後方向の剪断力)
シートはそのままの格付け。
−Fz:頚部の圧縮力/張力
−幾何学的な格付けが“acceptable”および“good”
−エクステンション:ネックモーメント
のシートは、その格付のままで良いか否かを見るため
¡全体的な結論は以下。
の動的テストを実施。
−クラッシュパルスレコーダー調査により傷害に関す
−幾何学的な格付けが“good”のシートの動的な性能
る閾値が示唆された。
が非常に良い場合は“excellent”に格上げ。
−先行テストを行い今後のテストプログラムが確立でき
¡動的テストの評価尺度
るかを見たが、良好な結果を得た。
以下の4項目:
−10km/hテストは不必要なことが示唆された。
−シート設計
−一連のテストにより良好なヘッドレストの位置・寸法、
q 胸部の加速度(例:ボルボのWHIPS)
シートの倒れが少ないことおよび頭とヘッドレストの早期
w 頭部がヘッドレストに支持されるまでの時間(例:
接触が性能の良いシートに必須なことが例証された。
サーブのアクティブH/R)
−シートは、傷害値とは直接的には関係のない機能
−頚部の仕事量の低減
上の尺度によってランキングされる。
e 頚部剪断力(ネックシェアフォース)
3.IIWPG(国際保険業界鞭打ち症防止グループ)
の最新情報- IIHS (アメリカ)
¡メンバー:
r 頚部引っ張り力(ネックテンション)
¡格付けへの動的テスト結果の反映
−4つの評価尺度に対する合格の閾値は、最新設計の
アリアンツ技術センター(AZT)ドイツ
シートの中から良好な性能を示すものによって決める。
ドイツ保険協会(GDV)
ドイツ
−ネックフォース
(eandr)およびシート設計評価の最
道路安全保険研究所(IIHS)
アメリカ
低1項目(qorw)が合格したシートは、幾何学的評価
サッチャム(Thatcham)
イギリス
による“good”あるいは“acceptable”の格付けを変
フォルクサム(Folksam Auto) スウェーデン
えない。
ICBC(参加呼びかけ中)
−幾何学的評価が“good”の場合、動的テストの4
カナダ
¡活動の目的
−シートとヘッドレスト設計の優劣を比較して格付け
つの評価尺度全てに合格したシートは最高ランクの
“excellent”と格付けされる。
するための動的テスト法と評価尺度を開発する。
−ネックフォース(eandr)が不合格でシート設
−消費者に情報提供
計評価の最低1項目(qorw)が不合格のシートは
− 幾つかのマーケットでは、車種毎の保険レーティン
1 ラ ン ク 格 下 げ さ れ る 。( g o o d → a c c e p t a b l e 、
グを予備調整
acceptable→marginal)
自研センターニュース 2004年2月号
17
¡動的テストの仕様
ターレーティングした。
−テスト方法:後面衝突を模したスレッドテスト。
(台車
にシートを取り付け、ダミーを坐らせる。
)
せで行った。なお、付加的な駐車支援機構は考慮
−テストダミー:BioRID Ⅱe
の対象とした。
¡2002年10月31日に結果をプレスリリースした。
−衝撃波形:
−ΔV:16km/h、 加速時間:90ms以上、 ピー
¡その際にテスト車の展示、テスト・ビデオの映写、
クG:20ms時に10G
ニュース用にビデオのカットを用意、メディアが
−上記より厳しい条件の2次的なテストの追加を検
映像化する機会の設定などを行った。
討中(ΔV:25km/h、加速時間:90ms以上、
ピ
¡メディア公表の結果、大きな反響があった。
ークG:20ms時に12G)
5.歩行者保護 対 低速衝突性能- Thatcham(イギリス)
−調整式ヘッドレストはRCARの格付けテストの位置
¡イギリスでは自動車関係保険の請求額の内、歩行者
¡今後の予定
−次回会議を12月に開催し、評価尺度と閾値およ
び2次的テストの追加要否を決定する予定。
−2004年型の車をテストし、2004年4月∼5月に結
果公表の予定
−国際的な結果公表には以下のセンターが参加する。
AZT, GDV(ドイツ); Thatcham(イギリス);
IIHS(アメリカ)
の傷害に関する請求額は1%以下。
¡しかし2000年にはイギリスで42,000人の歩行者が重
傷を負い、800人の歩行者が死亡している。
¡そのような背景からユーロNCAPで歩行者保護性能
のテストが行われている。
¡ホンダ・シビックはユーロNCAPの歩行者保護性能は
3つ星である。
¡ホンダ・シビックには、フロントクロスメンバの150mm後
退、ボンネットラインの上昇、エネルギー吸収機構、エ
4.後退時視認性に関するプログラムの結果と一般公表
- IAG(オーストラリア)
ネルギー吸収式ボンネット、引き込み式ボンネットヒン
¡SUVの安全性に関して、衝突の際の攻撃性、ロール
ジ、剪断式ワーパーピボットなどの対策が組み込まれ
オバーの危険性、操縦性一般、衝突安全性、後退時
の視界が認識されている。
¡SUVはオフロード用の車と考えられているが、実際に
ている。
¡質量1,200∼1,300kg、保険がグループ4でユーロNCAP
前面衝突が4つ星の車を見ると、
は便利な家族の移動車あるいはその寸法・高さ・重
−A車は歩行者保護2つ星、損傷性テストの見積修理
量から安全性の高い車と認識されている。
費2483.95ユーロ
¡SUVの視界と私道での死亡事故がマスメディアで問
題として取り上げられた。
−B車は歩行者保護1つ星、損傷性テストの見積修理
費2345.70ユーロ
¡IAGは後方視界テストを行った。
−シビックは歩行者保護3つ星、損傷性テストの見積
¡その手順は、
修理費2304.09ユーロ
−信頼できる研究に基づいて基準を作った。
¡損傷性がクラス最高のホンダ・シビックの例から、フロ
−テスト対象物の高さは600mm(2歳児の肩の高さ)
と
ントエンドの設計を注意深く行い、部品価格を抑えれ
した。
ば歩行者保護と損傷性は両立可能なことが分かる。
−ドライバーの目の位置から市販のレーザー装置で測
6.RCAR衝突テスト結果の比較- AZT(ドイツ)
定した。
¡2002年型VWパサートの左側と右側に対してRCAR前
−ドライバーの目の位置はヒップポイントマシンを使って
決定した。
面衝突テストを行い比較した
¡損傷状況の主な違いは、
−平均的な身長のドライバーを想定した。
−ヘッドランプ:右側…ケーシングが破損 左側:クリ
−販売台数の多い車をテストした。
ップが破損
¡車種間の比較を容易にするためにテスト結果をス
18
¡レーティングは見える領域と水平方向距離の組合
自研センターニュース 2004年2月号
−機能部品:右側…エアコンコンプレッサーのプーリ
かった。
ーが変形
左側…クーリングファンのスピンドルが変形
¡高張力鋼板の部品の補修について、
−フロントパネル:右側…全体が破損 左側…クラック
−修正:冷間での補修は可能だが難しい
−サイドメンバー:右側…先端部および後方で座屈
−引きは応力除去にのみ有効で、部品形状の修復
左側…先端部だけが座屈
には有効でない。
上記の差の理由はトーイングフックが右側サイドメン
−部品の切断:部品の切断やドリリングが可能な工
バーの前端に溶接のため。
具はある。
¡サイドメンバー修理時に、右側衝突ではエンジン下
ろしが必要。左側衝突では不要。
¡サイドメンバー補修部品の設定は、右側は全体。左
−MIG溶接部分:高張力鋼板部品はMAG溶接で問
題なく補修できるか?
¡MAG溶接した3グレードの鋼板(180MPa 280MPa
450MPa)
を金属学的に分析。
側は分割されているので安価。
¡合計修理費は、右側衝突の5,381ユーロに対し左側
衝突は4,045ユーロと大幅に低い。
¡結論−トーイングフックのボルト止めは絶対必要。
−どの鋼種も金属学的変化を生じるが、結晶サイズ
の点から初期との差は高張力鋼板の場合の方がず
っと大きかった。
−保険業界は左右の補修部品価格が同等か比
−すなわち材料の機械的特性はもろくなり、靱性が
較する必要がある。
低下して溶接部全域(熱影響がある領域)は「弱い
−右側衝突の場合と左側衝突の場合で保険レ
鋼板」の特性に戻ってしまった。
ーティングが変わる可能性がある。
¡MAG溶接により、サイドメンバーの280MPaの部分と
7.特別な鋼板- CESVI France (フランス)
450MPaの部分を切り継ぎ修理した車の15km/h衝突
¡スポット溶接の主な問題は板厚の厚い鋼板の溶接
テストを行った。
および4枚以上の重ね溶接。
結果的には、動的圧壊に関しては鋼板のグレードに
高周波発生装置付き、インバータ制御など多くの新
よる溶接部への影響は見られなかった。
型溶接機でテストしたが、溶接電流強度と電極加圧
力の点で新型の溶接機しか必要な性能が得られな
¡従来の色々な研究結果から、重要な問題は金属疲
労の面ではないかと思われる。
「構造調査シリーズ」新刊のご案内
自研センターでは新型車について、損傷した場合の復元修
No.
車 名
型 式
理の立場から見た車両構造、部品の補修形態、指数項目
とその作業範囲、ボデー寸法図など諸データを掲載した「構
BK3P,BKEP,
J-353
マツダ アクセラ
J-354
マツダ アクセラスポーツ
J-355
スバル レガシィB4
BL5
J-356
ボルボ ボルボV70
SB5244W
J-357
トヨタ アベンシス
AZT250,255
J-358
トヨタ アベンシスワゴン
AZT250W,255W
BK5P
造調査シリーズ」を発刊しておりますが、今月は右記新刊を
ご案内しますので、ぜひご利用ください。定価は各1,120円
BK3P,BKEP,
BK5P
です(税込み、送料別)ただし、J-356のみは、2,160円です
(税込み、送料別)。
お申し込みは自研センター総務企画部までお願いします。
TEL
047-328-9111
FAX
047-327-6737
自研センターニュース 2004年2月号
19
海外情報の紹介w
(和訳)
RCARニュースリリース:2003年11月 − 低速衝突テスト
RCAR衝突テスト基準の改定に関する題記ニュースリリースの和訳をお伝えします。
最近シドニーで開催されたRCAR年次会議において、RCAR会員は低速衝突
10度傾けたバリアの配置図
テスト基準(RCAR衝突テスト)に小変更を加えることを合意した。現在RCAR
では衝突テスト基準の見直しを行っており、この変更はその一部となる。今回
の変更は前面衝突に関するもののみであり、その改訂内容は以下である。
¡バリアの基本構造は変更しないが、衝突方向に対して90度であった衝突
面を10度傾け80度とする。
(右の配置図を参照)
¡各テスト機関における新しいテスト法の採否あるいは採用時期について
は、各国の状況に基づいてそれぞれが決定することが合意された。
衝突速度(15+1-0 km/h)を含め、その他全てのテスト条件は変更されない。
併せて車の構造特性の左右非対称性を評価するために、各テスト機関は反
対側にオフセットしたバリアでテストをしても良いことが合意された。
背景
ワーキンググループの作業のもう1つの重要な側面は、
1980年代の初めにアリアンツ技術センターが導入し、そ
バンパーの乗り上げと潜り込みの問題についての検討
の後RCARが採用した低速衝突テストは経済性の面にお
である。現時点のRCARテストでは損傷性におけるこの
いて車両構造特性を改善する際の極めて有効な目標と
重要な領域の評価ができないため、ワーキンググループ
なってきた。低速衝突テスト導入の前後を比較すると、部
はそれを再現する方法を検討している。
品価格の上昇、車両仕様の向上あるいは約50%の車両
現在は未だ新しいテスト法は何も決まっていないが、
重量の増加にもかかわらず修理費は30%低減している。
RCAR会員は将来の損傷性テストではバンパー性能の
しかし従来の低速衝突テストとリアルワールドの事故
この重要な側面を評価すべきであることを原則的に合
損傷の関連性がうすれてきているとの懸念が増大してき
意した。初期の検討により独立したテストが必要なこと
た。その理由のひとつとして自動車メーカーがRCAR低
が示されており、そのテストはバンパー性能の改善促進
速衝突テストで良い結果となる特別な対策を採用して
を意図したものとなるであろう。最良のテスト法を決定
きたことが挙げられる。バリアに角度をつけることによ
するために更なる研究が計画されている。やはりこの領
ってテスト結果の損傷はよりリアルワールドの衝突と関連
域においても何らかの変更が追々報告されるであろう。
性が高いものとなるであろうと考えられる。
説明:
RCARは2年前に低速衝突テストを見直すためのワーキ
AZT:
(ワーキンググループ議長)
ンググループを発足させた。ワーキンググループはCESVI
France(フランス)
、AZTとGDV(ドイツ)
、CESVIMAP(ス
CESVI France: セスビフランス,フランス
ペイン)
、IIHS(USA)
、Thatcham(イギリス)
、IAG(オース
CESVIMAP:
セスビマップ,スペイン
トラリア)およびJKC(日本)
の自動車エンジニアで構成さ
GDV:
ドイツ保険協会,
ドイツ
れている。2年間にわたり数多くのテストが行われ、現在も
IAG:
オーストラリア保険グループ技術研究
センター,オーストラリア
作業は進められている。今回の発表はテスト全体の中で
20
アリンツ技術センター,
ドイツ
前面衝突に関する部分である。今後のテストによって後面
IIHS:
道路安全保険研究所,USA
衝突に対する要件が変更されるであろう。そしてこの作業
JKC:
自研センター,日本
に関しては追々報告されるであろう。
Thatcham:
サッチャム,イギリス
自研センターニュース 2004年2月号
指数テーブル マニュアル作業項目の解説
−49−
今回は指数テーブルマニュアル(2003年10月発行)を
基本に、ボデー系の作業項目『B140 ラジエータサポート
図1
B140
Assy(左右ラジエータサポートおよびフロントクロスメン
バ)取替』について解説します。
(図1)
ラジエータサポートAssy(左右ラジエータサポートおよびフロント
クロスメンバ)取替
1台
●網掛けの部品は当該作業範囲
左右ラジエータサポート
およびフロントクロスメンバ取替
(含)アッパサポート
ラジエータサポートASSY
ラジエータアッパサポート
ラジエータサポート
フロントクロスメンバ
前提条件および作業内容
*フロントパネルグループ、クーラコンデンサおよびラジエータを取外した状態から行う作業
指数に含まれる主な作業
*ラジエータアッパサポート脱着または取替
*主体部品取替に伴う関連部品の脱着または取替
主な関連部品
・フロントサイドメンバエクステンション
*主体部品に取付く付属品の脱着または取替
主な付属品 ・ボンネットロックブレース
・ボンネットロックAssy
・ホーン
(ボンネットロックブレースに取付くタイプ)
・フック(ボルト付)
*アンダーコート塗布(必要な車種)
・ボンネットサポートロッド
・コーションプレート
除く作業
*エンジンルーム内配線・配管および付属品の脱着または取替
補 足
*シーラ塗布に関してはP12〈留意事項〉
(4)
シーラ塗布を参照
1.前提条件作業および作業内容
*フロントパネルグループ、クーラコンデンサおよびラジ
エータを取外した状態から行う作業
主な付属品
¡ ボンネットロックブレース
¡ ボンネットロックAs
sy
2.指数に含まれる主な作業
¡ ボンネットサポートロッド
* ラジエータアッパサポートの脱着または取替
¡ ホーン(ボンネットロックブレースに取付くタイプ)
* 主体部品取替に伴う関連部品の脱着または取替
¡ コーションプレート
主な関連部品
¡ フック
(ボルト付)
¡ フロントサイドメンバエクステンション
*主体部品に取付く付属品の脱着または取替
¡ エンジンアンダカバー
*アンダーコート塗布(必要な車種)
自研センターニュース 2004年2月号
21
装作業工程時(プラサフ塗り後)に行う塗布がある
除く作業
* 作業項目No.M140エンジンルーム内配線・配管および
「脱着・取替指数」に含まれるシーラ塗布部位は次の通り
q アンダコート塗布後ではシーラ塗布できない部位
付属品の脱着または取替
* エンジンセンタメンバ・サスペンションメンバの脱着また
は取替
¡ フロントサイドメンバとダッシュパネル、センタフロア
との溶接接合部等
* 各種クーラ機構(インタクーラ・パワーステアリング・ハ
w サイレンサシート貼り付け後ではシーラ塗布できない
イドロリックモータオイルクーラ・A/Tオイルクーラ・クー
部位
リングファン)の脱着または取替
¡ リヤフロア取替時のサイレンサシート貼付部等
e パネル取替作業でパネルを取付けると塗布できなくな
補足
*車種によりボルト・ナットで取付けられているラジエー
タアッパサポートが取外し状態で作成されている車種
がある。
(ラジエータを取外す前にラジエータアッパサ
る部位
¡ クォータパネルのホイールアーチ部内部等
*事故歴が有りの再修理場合、指数はそのまま適用でき
ポートを取外すことが必要な車種もあり
「車種別編指
ないケースが多い。その理由は、ラジエータサポート、
数テーブル」を参照
ラジエータアッパサポート等、溶接系部品がカーメーカ
* シーラ塗布に関して
ーの新車時の溶接状態と異なるため。
当該作業は、損傷パネル取替作業時に行う塗布と塗
Customer Relations Department REPORT
お客様相談室レポート
フロントのエッジ部に板金修正作業が
不要な小さな傷が付いた場合について
事故でフロントフェンダが押されフロントドアのエッジ部に板金修正作業が不要な小さな傷が付いた場合、
Q
補修塗装指数ではどのように考えればよいのですか?
損傷の大きさにより対応が異なってきます。損傷の大きさに応じた下記qwのケースを参考にしてください。
A
エッジ部の損傷:大
qフロントドアの損傷が補修作業時に下処理面積1/9程度であれば、補修塗装指数の適用となり、塗装面
積はパネルの1/3となります。
エッジ部の損傷:小
wしかし、ほとんどのケースが下処理面積1/9以下の損傷の発生であり、その場合は補修塗装指数の適
用外になります。
塗装の種類がメタリック・2コートパール・3コートパールの場合は、隣接パネルへのボカシ作業が補修塗装
に含まれるため、損傷したドアのエッジ部への下処理作業(補修塗装指数の下処理とは、フェザーエッジ
→金属表面処理→ポリパテ付け→ポリパテ研ぎをいいます)
と、プラサフ
(プライマサフェーサ)の塗布と
研ぎ作業を工数で計上してください。
塗膜の種類がソリッドの場合は、ドアパネルの下処理作業∼上塗りのぼかし塗装作業を工数で計上して
ください。
22
自研センターニュース 2004年2月号
第17回自研センター
自研センターでは、2004年「一般提案」募集を行います。
募集
合理的な修理方法、工具、機具、治具などの改善案など。
日頃、損害調査業務を進める上で、損傷車の復元修理に
(4)損傷性、修理性の向上に関する提案
関連して気づかれた改善策、創意工夫、アイデア、実際の
補給部品の形態、取り付け方法など。
取り組み例などをご提案願います。皆さんの現場の体験
w 募集期間
に基づいたあるいは日頃お考えになっているアイデアを
平成16年1月5日∼2月末。
お待ちしております。
送付先
q テーマ
e 応募資格
損害保険会社の社員、損害調査会社のアジャスターお
(1)自由課題
ただし、損傷車の復元修理に関することに限ります。
よび社員。
r 送付先
(2)立会い・見積技法の改善提案
損傷部位・範囲の確認方法、見積の適正化、迅速化
〒272-0001 市川市二俣678-28
などに関するもの。
(株)
自研センター提案事務局
TEL 047-328-9123
(総務企画部内)
(3)損傷車の復元修理についての改善提案
*詳細につきましては本誌2003年12月号をご覧ください。
日本アウダテックス社
指数テーブル「2004年2月号」発行のご紹介
●2004年2月号 国産車・指数テーブル(6メーカー・8車種)
メーカー名
車 名
型 式
《ご注意》2004年度版より、指数テーブルを「国産車」セット、
「輸入車」セット、「国産車・輸入車」セットと別けて取り扱う
アベンシス(セダン)
250系
ようになりました。
アベンシス(ワゴン)
250系
※ 「2004年2月号」のみの単独販売は行っておりません。
キューブキュービック
GZ11系
¡国産車セット<商品番号:2004 価格:¥18,000> アクセラ
BK3P・BK5P・BKEP系
¡輸入車セット<商品番号:3004 価格:¥6,500> アクセラスポーツ
BK3P・BK5P・BKEP系
¡国産車・輸入車セット<商品番号:4004 価格:¥22,000>
ホンダ
ライフ
JB5・6・7・8系
スバル
レガシィB4
BL5系
年版」のみとなります。 なお、在庫がなくなり次第販売を
スズキ
スイフト スポーツ
HT81S系
終了させていただきますのでご了承ください。
トヨタ
日 産
マツダ
●2004年2月号 国産車・指数テーブル(2メーカー・2車種)
メーカー名
車 名
ダイムスラー・クライスラー
メルセデス・ベンツVクラス
638230
ボルボ V70
SB5244W
ボルボ
※ バックナンバー「2002年版」は、完売しましたので、
「2003
※ ご購入の際のご不明な点は、下記にお問い合わせください。
型 式
◆「指数テーブル」のご注文およびお問い合わせ◆
日本アウダテックス株式会社
TEL:03-5351-1900(代)
FAX:03-5350-6305
自研センターニュース 2004年2月号
23
http://jikencenter.co.jp/
自研センター来訪者一覧
2003年12月19日(金) NPO交通事故解析士認定協会
24日(水) マツダ(株)
伊佐早理事 他2名
金井執行役員
共栄火災損害調査(株)
齋藤代表取締役
25日(木) JFEスチール(株)
松本主任 他1名
2004年 1月8日(木) JFEスチール(株)
松本主任
(株)
ヤシマ
吉野取締役営業部長
(株)
あいおい保険自動車研究所
古林取締役企画部長 他2名
●編集後記●
ある雑誌に目を通していたら、交通信号灯の整備計画に関する記事が掲載されていました。その中で、我が
国の電気式交通信号機は昭和5年(1930年)、東京日比谷交差点に設置されたのが最初だそうです。知りませ
んでした。
現在、東京には約14,700箇所に信号機が設置され、車両用信号灯は82,000灯にも及んでいるそうです。知り
ませんでした。
ところで最近、新たに設置される信号機(信号灯)全体がちょっと変わったと思いませんか、この新しい信号
灯はLED(発光ダイオード)式の信号灯だそうです。このLED式信号灯が中々の優れもので、第1には視認性が
従来の信号灯と比較して優れている。第2には消費電力が従来型に比較して1/6で済むそうです。第3には従来
型における電球は1年に1回(黄色は3年に1回)は交換しなければならないのが、LEDでは12年程度の耐用年
数が予定されているそうです。何とLEDとは優れものなのでしょう。特に消費電力が1/6で済むとは今日的課題
である地球温暖化防止に向け大いに役立つのでは期待ができます。試算によると、都内全車両用信号灯が電
球式からLED式に転換されることによって削減発熱量は397億kcalとなり、これは東京ドームでのナイターの約
34,000試合分の照明発熱量に相当するそうです。そんなに効果的なのであれば、是非全国レベルで取り組ん
でもらいたいものです。
もう一つ気づいたことは、昭和5年の昔から信号機は青・黄・赤ですが、以前の青信号は青というより緑色を
していなかったでしょうか。緑色にも拘らず青信号、子供心に「何か変だな」と思っていましたが、このLED式
信号灯は違います、紛れもなく青信号は青色をしています。こんなことを思うのは私だけでしょうか。
自研センターニュース 2004.2(通巻341号)平成16年2月15日発行 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可 定価336円(消費税込み、送料別途)
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