日本動物高度医療センターは 「高度医療」 「人材教育」 「臨床研究」 の3つの理念から動物医療を実践しています。 JARMeC NEWS Japan Animal Referral Medical Center ジャーメック・ニュース 2012 Spring No.6 日本動物高度医療センター 「日本動物高度医療センター 名古屋」 の開業にあたって ご挨拶 日本動物高度医療センター 名古屋 院長 昨年12月19日に名古屋市天白区に 「日本動物高度医療センター 名 続き、 昨年4月には90名を超え 古屋」 を開業しました。 平成19年6月に 「日本動物高度医療センター た経過がこの過程の厳しさを示 (JARMeC) 」 を川崎市に開業してから間もなく5年の歳月が過ぎよう しています。 最近、 各診療科で3 としています。 この間、 若い獣医師を採用し、 経験の乏しい動物看護士 年、 4年の経験を積んだ勤務医が 小川 博之 を育てながら、 病院内部の組織を一つ一つ固め、 紹介病院との連携を 力をつけ、 頼もしくなってきたこ 緊密にしてゆく努力を重ねてきました。 多額の借り入れ金の重荷を背 とを事あるごとに感じています。 負いながら、 いかに経営を軌道に乗せるかも大きな課題でしたが、 昨年 JARMeCは50名の獣医師 (常勤40名、 非常勤10名) を擁しています 3月には黒字化を達成し、 二次診療のみで動物病院の経営が成り立つ が、 1日の初診件数はわずか10件前後です。 二次診療とはそれだけ手間 ことを実証しました。 名古屋にサテライト病院を開業するにあたり、 あ 暇、 経費がかかる作業であり、 一次診療とは収益構造も全く異なります。 らためてJARMeCが歩いてきた4年半を整理し、 これから進むべき道 私たちはホームドクターの先生方から託された症例を高額の設備や専 筋を考えてみたいと思います。 門分野で経験を積んだ獣医師のもと、 診断し、 治療方針を立て、 できる JARMeCは40億円以上の資金を投じて最新の施設、 設備を整備し だけ速やかにお返しすることを旨としています。 二次診療は基本的に一 ましたが、 これを使いこなすスタッフを集めるためには長く厳しい道 次診療が背負いきれない医療を引き受けることを目的としており、 一次 のりを辿らなければなりませんでした。 大学等から名のある人材を引 病院と協力、 協調はしても、 競争することはありえません。 き抜くことは許されませんし、 専門医制度が整っていないわが国で、 私自身は長い大学での経験から、 臨床獣医師の研修制度が不備であ 「専門医」 と言える獣医師は数えるほどしかいません。 残された道は、 若 ることを強く感じてきました。 日本動物高度医療センター 名古屋が半 く、 意欲と能力のある獣医師を院内で育ててゆく以外にありません。 ス ば公的な施設として、 二次診療、 臨床研修の核として活用いただけるよ タッフ26名で開業し、 1年半後には70名に、 そして70名台が2年以上 うに願っています。 12月22日に行った 内覧会風景 来賓:竹原秀行先生 川崎市獣医師会長 金重辰雄代表取締役 北村直人取締役 小川博之取締役 東日本大震災支援、 福島原発事故にともなう動物救済支援について 日本動物高度医療センター 院長 放射線科 科長 夏堀 福島原発事故で警戒区域内の置き去りにされた動物救済のために、 雅宏 より感謝状をいただきました。 その他、 日米の獣医師が集まった専門家 放射線に関する研究会参加やメディア 会議メンバーの一人として、必 を通じた情報発信、 また、 センターとし 要な対応に関する提言をまとめ て東北地方に消毒剤15,000本の提供 官邸に届けました(11年5月)。 をさせていただきました。 また、福島警戒区域内動物救援 東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます 獣医師チームの代表として、実 とともに、原発事故におけるペットや家畜の対策は、動物愛護の問 際の警戒区域内の動物保護活動 題や長期にわたる影響調査など、今後の対応の充実が必要であり、 にも参加し(11年7月)、この活 動に対しては、福島県獣医師会 写真左は福島県獣医師会吉田昭副会長, 右は島崎昌三常務理事 引き続き当センターで出来ることを実施し、動物医療の観点から、 社会に貢献していきたいと考えております。 JARMeC NEWS 1 日本動物高度医療センター 名古屋の紹介 名古屋第2高速沿い、 鴻の巣交差点そば。 交通 名古屋高速 高針IC または 東名高速 名古屋ICより車で5∼10分。 14 主な医療機器・検査 はじめに 二次診療専門の動物病院で、 かかりつけ病院からの完全予約制です。 こう す 場所 愛知県名古屋市天白区鴻の巣1-602 ホームページ 各種資料 名古屋の案内用資料として、 次の資料を 用意しております。 飼い主様への説明な どにご利用ください。必要な方は、 セン ターまで、 ご請求ください。 あ た らしくホ ー ム ページを立ち上げま した。 予約方法、 紹介 いただく際の注意事 項 の 他 に 、各 セ ミ ナー情報、 採用情報 がございます。 ご覧 ください。 MRI、 CT、 X線/CR、 内視鏡、 超音波診断装置、 Cアーム、 心電計、 PACS、 各種血液生 化学・止血系・遺伝子検査、 血 球診、 組織診、 病理検査、 輸血 体制(犬・猫)、手術室、入院 室、 ICU設備 消化管間質腫瘍 (GIST) と診断された 症例 の イヌの臨床的特徴ついての検討 症例紹介 1 ●パンフレット ● 症 例 予 約 申し 込み用紙(ホー ムページから ダ ウ ン ロ ード できます) ●料金概算表 http://www.nagoya.jarmec.jp 日本動物高度医療センター 検索 ☎ 052-933-9901 まとめ 腫瘍科医長 市川 1 二次診療の定義・求めること 消化管間質腫瘍 (Gastrointestinal stromal tumor:GIST) とは、 14症例のうち13例は外科治療 (小腸吻合または盲腸切除) を施し、 うち1例は追加治療として術後内科治療 (メシル酸イマチニブ投薬) を つで、病理組織学的に免疫組織学的検査によって確定診断されてい 行った。 1例は飼い主が外科治療を希望せず、 内科治療のみを行った。 外 る。カハール介在細胞は消化器の蠕動運動に関与し、人医療において 科治療症例は周術期の死亡例はなかった。 生存期間は2009年1月31 は、 GISTの70%は胃に発生し、その発生には肥満細胞腫などと同様 日から2010年5月31日までに来院し、 他疾患が死因であることが明 にc-kit遺伝子発現の変位が関連すると c-kit らかな2例を除外した9例で評価した (外科治療8例、 内科治療1例) 。 1 されている。 そのため、 メシル酸イマチニ 年生存率は77.7%(7/9) 、 2年生存率は77.7%(7/9)であった。 ブ(グリベック®) による内科療法が奏功 調査期間は319日から807日で、調査期間終了までに死亡が確認 するとされ、臨床的にも診断意義が高く されているものは2例(63日、 63日)であり、 残り7例は調査終了時も なっている。 犬では、 1997年に初めて病 生存が確認された (807日、 319日、 344日、 666日、 662日、 419日、 20.8% 高度な検査機器 (MRI・CT) がある施設 20.4% MRI検査 5.7% 救急体制が整っている施設 その他 0 5 15 20 25 30 (%) 2 二次診療に紹介している年間頭数 13頭∼20頭 9.0% 0頭 0.5% 1頭∼2頭 12.2% 〈臨床徴候〉・消化器疾患・腫瘍疾患の臨床徴候あり(11/14) 消化器徴候 (嘔吐・下痢・腹痛など) (4) 4.3% 0.4% 0 4 6 8 10 12 なし 344 死亡 5 なし あり 6 なし なし 666 63 7 なし なし 662 8 なし なし 419 9 なし あり 446 考察 るものの腸閉塞を認めた例はなかった。 この結果は消化管の筋層に発 多く認められず、 人と犬での病態や発現メカニズムは異なるものと推 例、 腸穿孔が確認されたものが3例、 腸重積が1例、 消化管腫瘍からの出血に 察され、 イマニチブ投与の有無と予後は関連しない可能性があると推 よる貧血を認めた例は3例であった。 他疾患 察された。また、発生部位も人が胃で発見されるのと異なり腸で多く で来院し、 偶発的に発見されたものが3例で 認められた。 今回の調査により判明した犬における臨床的意義として あった。 は、腹腔内播種または転移を認める例でも、治療により長期生存する 賛成 腫瘤の特徴および発生部位としては、 超音 可能性があるものと考えられる。他の消化管腫瘍より予後が良いた 74.0% 波検査により、 消化管または消化管外側に発 め、 飼主へのインフォームドコンセントの際により正確な予後情報を 生する腫瘤が確認され、 比較的大型化してい る傾向があった。 発生部位は、 小腸発生が8例 (うち1例は十二指腸) 、 盲腸発 2 なし 357 ヒトのGISTの特徴と類似していた。また、人と異なる点としては、今 19.8% JARMeC NEWS 4 319 死亡 生し、消化管内側ではなく外側に向かって増殖するためと考えられ、 臨床的特徴;各検査所見 35.5% 空腸発生 (超音波検査像) 示すことが出来ると考えられた。これらの点については、引き続き症 例情報を蓄積していきたい。 生が6例だった。 確認方法としては、 超音波検査およびCT検査にて確認で エリア 回答数 賛 成 必要ない 反 対 北海道・東北 29 66% 28% 7% きた症例が7例、 外科手術時に発生部位を確認できた例が7例であった。 286 73% 22% 5% 遺伝子検査では、 75 88% 7% 5% 14例のうち、 9頭で 北 陸 22 82% 9% 9% 遺伝子検査を実施、 近 畿 80 70% 25% 5% そのうち3頭で 国 33 76% 21% 3% 州 38 79% 16% 5% c-kit遺伝子変異 c-kit (30%) があった。 九 なし ように消化器症状を伴い大型化することが多かったが、 腸穿孔例はあ 必要性を 感じない 四 なし 807 症例の来院理由の調査結果から、 本腫瘍は既存の症例報告にもある 6頭∼12頭 中 3 生存期間 (日) 回検討した限りでは、 人で報告されているように、 c-kit 遺伝子変異が 42.9% 中 部・東 海 なし 700 臨床的特徴としては、 消化器疾患や腫瘍と関連する臨床徴候のあったも 3頭∼5頭 東 なし あり 500 のが11例、 このうち腹囲膨満を伴う腹腔内巨大腫瘤が確認されたものが4 4.7% 関 あり 300 無回答 1.0% JARMeCがサテライ ト病院を開業することに 賛否を伺ったところ、 右 表のような結果となり、 大学や二次診療施設が 無い地域を中心に、 二次 診療施設の設立要望が 高いことが伺えました。 1 2 100 0.5% 反対 紹介されている頭数としては、 年間3頭∼5頭 (約3∼4か月に1頭) が 最も多く、 年間6∼12頭 (約1∼2か月に1頭) 、 平均すると年間6.6頭を 二次診療施設に紹介されています。 4年前の同様のアンケートと比較 してこの数は増加しており、 この背景には、 飼主のニーズの多様化によ り愛犬愛猫に人と同様の高度な医療をうけさせてやりたいというニー ズの高まりと、 紹介病院も手におえそうにないものは、 自院で抱え込ま ず紹介するという傾向にあるためと思われます。 今後受け入れ施設が 出来れば、 より多くの紹介が二次診療にされるものと推察しています。 イマチニブ 投与 腫瘍からの出血による貧血・下血 (3) 14(%) 3 JARMeCサテライト病院設立に対する賛否(地域ごと) 関心ない・ どちらでもない 変異 c-kit 腹囲膨満 (腹腔内巨大腫瘤) (4) ・臨床徴候なし (偶発的に発見) (3/14) 2 症例 10.5歳 (6歳∼13歳) だった。 臨床徴候の有無は以下の通りであった。 2.5% その他 10 ル、 ヨークシャー・テリア、 雑種が各1頭 (各7.1%) であった。 性別は雄 5.3% 臨床研究 0.5% 症例 7頭(内未去勢雄3頭)、雌7頭(内未避妊雌1頭)で、年齢の平均値は 6.4% 社会性倫理観ある獣医師の対応 1.4% 十二指腸発生のGIST カン・コッカー・スパニエル、 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエ 6.9% 飼主・動物本位の治療 獣医師が沢山いる大きな病院 の要因と生存期間の相関については、 顕著な差は見られなかった。 および柴が各2頭 (各14.2%) 、 その他スタンダード・プードル、 アメリ 7.8% 地域の先生を受入れる研修・実習 1.8% (*) R.G. LaBock et al.:Immunohistochemical Staining Characterristics of Canine Gastrointestinal Stromal Tumors.:Vet Pathol 34:303-311(1997) ゴールデン・レトリーバー5頭 (35.7%) 、 ミニチュア・ダックスフント 10.6% 夜間病院機能 3.2% 夜間病院機能がある施設 療か、 浸潤転移が認められたかどうか、 c-kit変異が発現しているか等 c-kit 12.5% 7.9% 救急医療体制 セミナー・講習会の実施 紹介先はすべて二次診療施設 また、各治療要因と生存期間の相関については、外科治療か内科治 成績、 今後の治療戦略について検討した。 し、病理組織学的にGISTと診断された14症例を調査した。犬種は 11.1% 放射線治療 7.6% 中央生存期間には到達しなかった。 12.6% 11.7% CT検査 地元病院との十分な連携 13.6% ワクチンや予防薬など 一次診療を行わない施設 織学的にGISTと診断され、 主に外科的切 除された14例の臨床的特徴および予後 内科治療 大学病院 存が確認され(666日、662日、419日、 344日)、期間内においては 浸潤・転移 専門性の高い獣医師がいる施設 死亡が確認されたものは1例 (357日) であり、 4例は調査終了時も生 い。そこで、今回我々は、当施設で病理組 2009年1月31日から2010年4月3日までに当センターを受診 高度な手術 25.1% 専門性の高い治療技術がある施設 446日) 。 c-kit遺伝子変異がなかった5例のうち調査期間終了までに c-kit 外科治療 【二次診療施設に求めること】 【二次診療施設の定義】 免疫組織学的検査による KIT蛋白陽性例 完全切除 二次診療の定義としては、 「専門性の高い獣医師」 が 「高度な検査機器」 をもちいて 「高度な治療」 をおこなうことと認識されていることが分かりま す。 「高度な治療」 とは高度な手術や放射線治療、 「高度な検査」 とはMRI、 CTをさしていることが伺えます。 また、 「一次診療を行っていないこと」 が 二次診療の定義に上がっており、 地域の病院との連携を重視されていることが伺えました。 美佳 消化管筋層内にあるカハール介在細胞が腫瘍化した粘膜下腫瘍の一 床的な特徴については明確になっていな 前回JARMeCニュース5号にて二次診療に関する全国アンケート調査を全国9,000の動物病院に対して実施し、 563件からご回答をいただきま した。 ご協力いただきました先生に感謝申し上げますとともに、 その結果の一部をご報告いたします。 2011年 科学会 獣医麻酔外 治療および予後 理組織学的な報告(*)がされたが、 その臨 二次診療に関するアンケート調査結果 二次診療に関するアンケート調査結果 優秀賞受賞 ご紹介いただいた際には 消化管内の巨大腫瘤の場合、 飼主の中には、 あきらめてしまう ケースがあります。 犬のGISTでは、 巨大腫瘤として発見されるこ とがほとんどですが、 生存期間は比較的長く、 術後の予後も比較的 良好であることから、 飼主に対し、 治療をあきらめないように今後、 インフォームドコンセントに役立てていきたいと考えています。 CTでは発生部位が確認できなかった空腸発生の腫瘍 JARMeC NEWS 3 背側椎弓切除術と脊椎固定術を行った 症例 の 胸腰椎骨折・脱臼・亜脱臼の回顧的研究 症例紹介 2 症例紹介 3 15 20 まとめ 脳神経整形科 勤務医 稲垣 武彦 脊椎骨折・脱臼に対する脊椎固定術 (X線写真) はじめに 手術前 犬の肺ヘルニアにおける回顧的研究 まとめ 放射線科 勤務医 坂大 智洋 画像所見の特徴 肺ヘルニアは胸膜腔内からの肺組織 FPDにて通常呼吸時を観察した き起こされることが多く、 脊椎および骨折部位の変位により脊柱管の の逸脱と定義され、 先天的あるいは後天 ところ、 呼気時に頸部へ突出する肺 脊椎骨折や脊椎(亜)脱臼は交通事故などの急激な強い外力により引 2011年 科学 日本獣医内 アカデミー 症例 の はじめに 手術後 アワード受賞 狭窄が引き起こされ、脊髄障害を生じる。脊椎の固定方法や脊髄保護 的要因によって発症する。後天的には、 前葉が認められると同時に気管気 を目的とする減圧術にはこれまで様々な方法が報告されており、 その 気管・気管支虚脱による気道閉塞等に起 管支虚脱が観察される場合がある。 改善率についても様々だが、 近年ではピンと骨セメントによる固定が 因すると一般的に考えられている。 犬で また、 FPDの通常呼吸では異常は確 強固な固定を得ることができるとして、最も多く選択されている。ま の肺ヘルニアに関する報告は、 1982年 認されない場合でも、 FPDにて発咳 た、 背側椎弓切除術については症例に合わせて実施しているケースが に外傷性肺ヘルニアの1例として初め 刺激を与えたところ動的肺ヘルニ 多い傾向にある。 て報告され、透視検査が容易に可能に ア (左右肺前葉) を発見されるとき 当センターでは、脊椎骨折・脱臼に対する外科的治療方針として陽 なった近年 (2005年以降) では、 自然発 がある。 性スレッドピンと骨セメント(PMMA)を用いた脊椎固定術および背 症の動的頚部肺ヘルニア数例の報告が 脱出肺は、 両側肺前葉が多く、 左肺前葉が大きく突出しやすい傾向に あるのみである。今回、当センターに導入されているパルス撮影が可 あった。 今回確認された肺ヘルニアの20例中18例が動的なものだっ 側椎弓切除術を実施しており、2007年6月から2011年3月までに 当センターを来院し、脊椎骨折・脱臼・亜脱臼と診断し、背側椎弓切除 評価方法 予後診断として、歩行機能の改善が認められた場合に「改善あり」、 呼吸困難を主訴に来院。 FPDにて動的肺ヘルニ ア (左右肺前葉) を確認。 基礎疾患として気管気 管支虚脱が認められた。 (黄色の矢頭が気管虚 脱、 緑の矢頭が肺ヘルニアを示す。 ) 能なフラットパネルディテクター (FPD: flat panel detector) を中 た。 肺ヘルニアのモダリティ別の検出率です。 動的肺ヘルニアの検出に 術および脊椎固定術を実施した15症例について、 治療方針の成績 (予 それ以外を 「改善なし」 とした。 心としたX線画像診断機器で確定診断された犬の肺ヘルニア20症例 はX線検査のみでは不十分であり、 FPDが有用だった。 特に発咳刺激に 後、 合併症) について調査した。 神経学的検査は、 Scottらの分類法による来院時の神経学的Grade についてその概要を報告する。 より、 通常では40%にとどまっていた検出率が更に上昇したことがわ 脊椎骨折・脱臼に対する脊椎固定術 1. 椎体のプレーティング(Swaim et al.,1971) 2. ルブラプレート(Trotter et al.,1975) 3. ピン(スムースピンあるいはスレッドピン)とPMMA(骨セメント) (Blass et al.,1984) かった。 (通常時観察可能6頭、 咳と両方で観察可能2頭、 発咳のみ11 を用いた。 病態(脊椎骨折のみ、脊椎骨折に脊椎(亜)脱臼を伴うもの、脊椎(亜) 脱臼のみ)、 受傷部位、 来院時の神経学的Gradeが予後に与える要因を 解析した。 また、 合併症についても調査した。 Grade 総数 基礎疾患としては、 気管支軟化・気管虚脱を基礎疾患が半数以上を占 2008年7月 から2010年 改善なし 死亡 肺水腫・肺気腫・無気肺などが認められた。 血液検査ではCRPは18頭中 12月まで日本動 10頭に異常値が確認され、 炎症性疾患を伴うものが半数以上であった。 4. 創外固定(Lanz et al.,2000) Grade2 1 1 0 0 物高度医療セン Grade3 2 2 0 0 ターに紹介来院 Grade4 4 3 0 1 Grade5 8 3 4 1 いるケースが多い めた。 合併症は、 6頭に心疾患が併発し、 呼吸器疾患では肺炎・気管支炎・ 改善 5. テンションバンド (Voss et al.,2004) 椎弓切除術(背側あるいは片側)については必要に応じて実施して 頭) 症例および診断基準 検出率 (%) 100 し、肺ヘルニアと ②年齢、 性別、 体重; あり、 Grade5症例における37.5%と比較して、 高い傾向にあった。 ま 年齢 9ヶ月齢∼14歳4ヶ月齢(平均5歳9ヶ月齢)。 た、受傷部位による改善率では、第3分節を受傷した症例の改善率 性別 オス9例 去勢オス1例 メス1例 避妊メス4例。 37.5%(8例中3例)に対し、第4分節を受傷した症例の改善率は 体重 2.1kg∼27.5kg(平均9.9kg)。 85.7% (7例中6例) と高かった。 病変の状態 (病態) による改善率に差 ③受傷原因としては、 交通事故が最も多く (7頭) 、 続いて、 落下事故 (3 は認められなかった。 頭) 、 転倒事故 (1頭) 、 原因不明 (4頭) であった。 ④病変の状態 (病態) としては、 脊椎脱臼あるいは亜脱臼をともなう脊 椎骨折が最も多く (10頭) 、 続いて、 脊椎骨折のみ (2頭) 、 脊椎脱臼あ 手術の合併症としては、 死亡2例 (ピンの折損に関連した再脱臼1例、 併症として手術部位における漿液の貯留が2例で認められた。 ⑤受傷部位は第3分節(T3-L3)が8頭、 第4分節(L4-S2)が7頭であった。 ⑥初診時の後肢の神経学的GradeはGrade2が1頭、 Grade3が2頭、 Grade4が4頭、 Grade5が8頭であった。 術式および術後管理 考察 これまでの報告と同様、今回使用した固定法は受傷部位を問わず、 8 6 2 4 40 え、FPD(直接変 1 2 8 20 換型FPD搭載デジタルレントゲン、SONIAL VISION Safire、島津 社製)は、3.75フレーム/秒(最大10秒間 最大38枚)のパルス撮影 0 2 Xray にて呼吸状態(吸気・呼気)を観察した。症状に応じて頚部刺激による FPD FPD (通常) (発咳) 0 1 1 発咳の誘発時も観察、必要に応じてCT検査も実施した。診断基準と して、肺ヘルニアの診断基準として第一胸椎および第一胸骨より前 方の胸腔入口外へ一時的または恒久的に肺組織が突出しているもの とした。 治療方針 基礎疾患 (気管支軟化・気管虚脱) があり、 それらが慢性化すると、 肺 術中の骨折断端における腹大動脈損傷からの大量出血1例) 、 一時的合 るいは亜脱臼のみ (3頭) であった。 13 気管低異物 的Gradeごとの改善率では、 Grade4以下の症例の改善率は85.7%で 10 鼻咽頭狭小 ルドッグ) (3頭) 、 チワワ (2頭) であった。 のX線検査に加 17 気管低形成 頭(術後死亡2例を含む)であり、 全体の改善率は60%であった。 神経学 60 軟口蓋肥厚 チュアダックスフンド (3頭) 、 短頭種 (パグ、 フレンチブルドッグ、 ブ 11 定診断には通常 気管虚脱 予後成績は、 改善した症例が9頭、 改善の認められなかった症例が6 12 12 80 気管支軟化 ①動物種;品種 犬14例、猫2例で、複数症例であった犬種は、ミニ 16 15 14 頭数 成績 気道の基礎疾患 検出可能 診断した犬20頭 を対象とした。確 症例 検出不可 ヘルニアが認められる傾向にあり、重度な呼吸困難に陥る場合があ 主訴 る。 早期に診断できれば、 内科治療やステント留置術により、 呼吸器疾 呼吸困難・咳、抜気処置をしても消失しない頚部の腫脹などを主訴 患の悪化や進行を遅らせることが出来るのではないかと考える。 に来院しました。呼吸器症状(咳・呼吸困難など)が大部分であるが消 こんな時にご紹介ください 化器症状 (嘔吐・吐出) を伴う症例もある。 奇形に関連しているような場合でも適応が可能であり、脊椎骨折・脱 肺ヘルニアは、 ポメラニアンを中心とした気管虚脱好発犬種に 臼に対して良好な固定を得ることができると考えられた。ただし、術 多く認められ加齢とともに増加します。 咳や呼吸困難などの呼吸 前、 神経学的にGrade5の後躯麻痺を呈している例では、 受傷時により 後発品種および年齢 器症状を呈す症例以外にも、 嘔吐・吐出といった消化器症状でも 1) 背側椎弓切除術を実施し、 脊髄の状態を確認した後、 骨鉗子にて頭側 強い外力が加えられたことも予想され、 予後成績が悪かった。 第4分節 品種においては、 ポメラニアンが6頭と一番多く、 ヨークシャーテリ および尾側の脊椎をそれぞれ把持し、 牽引しながらアライメントを整 が傷害された症例は術中に死亡した1例を除く全例で歩行機能の改善 ア・パグ・チワワを含めると気管虚脱好発犬種の小型犬やフレンチブ 支軟化に随伴することの多い動的肺ヘルニアは、 通常のX線撮影 が認められ、 傷害が重度であっても第4分節の頭側部分に正常な脊髄 ルドッグやシーズーのよ では観察が困難であり、FPDのパルス撮影が有用であることが 領域が残存していたことによって歩行機能が改善したことによる可 うな短頭種に多い傾向に 能性が考えられた。 これらの術前状態を踏まえ、今後症例を積み重ね ありました。年齢分布は、 適切な適応基準を検討していきたい。 術中に死亡した1症例は、 骨折断 少数ながら若齢でも肺ヘ 端による大動脈損傷が死後の剖検により明らかになった。 受傷後の安 ルニアは確認されました 全症例において術前より抗生剤およびステロイド剤を投与し、 ステロ 静、 早期の観血的固定術、 術中の慎重な手術手技の重要性を再認識し、 が、加齢に伴い症例が増 イド剤は漸減して入院中に投与を中止した。 また、 安静を維持するととも このような術中リスクについて事前に飼主に対して十分なイン 加する傾向があった。 に、 屈伸などのリハビリを早期から積極的に実施した。 フォームを行うことが重要と考えられた。 復した。 2) 陽性スレッドピンを頭側および尾側の椎体にそれぞれ複数本、 合計4 3) 背側で骨セメントを用いて固定した後、 定法通り閉創した (X線写 真) 。 JARMeC NEWS 4 9 10 示されましたので、 一般X線撮影やCアーム、 CT検査に加え、 ぜ 8 頭数 本以上挿入し、 胸腔内圧上昇に伴い合併症として確認されます。気管虚脱・気管 ひご利用ください。 5 6 4 4 2 0 〈参考文献〉 2 0-3 4-7 8-11 年齢 12-15 • • • • • • Carlo Guglielminiら(2007):Veterinary Radiology Ultrasound, Vol.48,No.3:227-229 A.D.Wever(1982): Veterinary Record, 111:505 Michael G.Colemanら(2005) : J Vet Intern Med, 19:103-105 Nelson AW(1985): Textbook of veterinary surgery. Lesley G.King(2004):Textbook of respiratory disease in dogs and cats. White RASら(1994):J Small Anim Pract, 35:191-196 JARMeC NEWS 5 外科治療を行った先天性門脈体循環シャント 症例 の の症例について 症例紹介 4 33 まとめ 消化器科 勤務医 遠藤 2012年 JARMeCでのセミナーの開催 隼人 セミナーの詳細はJARMeCのホームページでご確認いただき、 お申し込みください。 各地域のセミナーへの講師派遣も受けたまわります。 お問い合わせください。 成績およびまとめ はじめに 門脈体循環シャント(Portosystemic shunt:PSS)は、 門脈系と体 全体的な成績としては、 今回、 当センターにて治療した33例のうち、 良 循環系の間に生じた異常な側副血管による連絡である。近年、診断技 好な予後が得られたのは24例 (治癒率73%)、 現在経過観察中であるが、 術の向上により、先天性PSSが疑われる機会は非常に多くなってお 臨床症状が改善されているのが7例 (治癒および改善をあわせると り、 様々な施設で数多くの診断、 治療が行われている。 今回、 2009年1 94%) であった。 術後合併症については、 死亡が2例 (術後発作症候群、 月から2011年12月までに当センターに来院し、 先天性PSSと診断 術後突然死) 、 重大な合併症が1例 (術後腹腔内出血) に認められた。術 し、 外科手術を実施した33例について調査した。 後発作症候群は、 術後3日目に発症し、 最終的に安楽死となった。術後 突然死は術後24時間以内に発生したが、 原因は不明であった。 術後腹 症例 腔内出血は、 再手術により止血し改善が得られた。 ● 動 物 種:犬33例…トイ・プードル (7例) 、 ヨークシャー・テリア (6例) 、 パピヨン (4例) 、 シーズー (3例) 、 チワワ (3例) など ●性 (10例) 、 去勢オス (5例) 、 メス (15例) 、 避妊メス (3例) 。 別:オス ●年 (4例) 、 6∼12ヶ月 (9例) 、 1歳 (6例) 、 2歳 (7例) 、 3歳 齢:6ヶ月未満 総頭数 改善 死亡 治癒 治癒率 治癒&改善率 33 7 2 24 73% 94% 手術成績については、 手術方法、 年齢、 血管走行パターンが予後因子と 考えられた。 (4例) 、 4歳 (2例) 、 5歳 (1例) 。 1)手術方法と予後 ● 放射線科カンファレンス (夏堀雅宏)無料 20:00∼ @JARMeC ◆ 2012年 3月 16日 (金) … 腹部超音波検査① 4月 20日 (金) … これからのX線検査のスタンダード ◆ 2012年 5月 18日 (金) … 胸部画像診断 (X線、 CT、 エコー) ① ◆ 2012年 6月 15日 (金) … 胸部画像診断 (X線、 CT、 エコー) ② ◆ 2012年 ● JARMeC談話会 無料 20:00∼ @JARMeC ◆ 2012年 3月 26日 (月) ◆ 2012年 5月 28日 (月) ◆ 2012年 7月 30日 (月) ◆ 2012年 9月 24日 (月) ◆ 2012年11月 26日 (月) 1回の完全結紮で手術を終了した症例数は23例で治癒率は91%で 診断 あった。 一方、 段階結紮を行った症例数は10例で、 段階結紮による改善 ● 臨床症状 &治癒率は100%であったものの完治した治癒率は30%と成績は悪い 肝性脳症症状(流涎、 痙攣、 異常行 傾向にあった。 これは、 結紮後に門脈高血圧となり段階結紮が必要であ 動など)、 肝不全症状(低血糖、 低アル るにもかかわらず、 まだ2回目を実施していない症例が含まれている (完 ブミン血症、 腹水など)、 泌尿器症状 治見込み) ため、 または、 肝臓が段階結紮を行っても発育せず治療不能 (血尿など)、 非特異的症状(元気消失、 な先天疾患 (原発性門脈低形成) を合併しているためと考えられた。 食欲低下、 嘔吐、 下痢など)、 無症状な ど様々であった。 ● 血液検査、 尿検査、 X線検査、 腹部超 2)年齢と予後 左胃静脈−横隔静脈のCT画像 音波検査、 食餌負荷試験(絶食12時 間および食後2時間)をスクリーニン グ検査として行った。 スクリーニング 検査にて先天性PSSが疑われた症 例に対して全身麻酔下でのCT造影検査を行った。 ● CT造影検査の結果、 シャント血管の走行パターンについて以下に分 類した。 ①肝外シャント:32例、 肝内シャント(左区画):1例 ②肝外シャントの走行パターン 左胃静脈−横隔静脈( 11例) 、 右胃静脈−後大静脈( 7例) 、 左胃静脈−奇 静脈( 5例) 、 左右胃大網静脈−後大静脈( 3例) 、 左胃静脈−後大静脈、 右 胃静脈−横隔静脈、 左右胃静脈−後大静脈、 左結腸静脈−後大静脈、 脾静 脈−後大静脈、 脾静脈−奇静脈( 各1例) 2歳未満の改善&治癒率は100% (19頭中19頭) 、 2歳以上の改善& 治癒率は85% (14頭中12頭) であった。 2歳未満では、 術後門脈高血圧 に注意が必要なため部分結紮を行った症例が10頭と多く、 これは、 若齢 犬のPSSは肝内門脈枝の発達も悪いためと考えられる。 また、 今回死亡 した2例はいずれも2歳以上であった。 2歳以上の症例は肝内門脈枝が 比較的発達しているが、 術後発作症候群等の致死的な合併症を起こしや すい可能性が考えられた。 3)血管走行タイプと予後 今回、 シャント血管の走行パターンのうち、 最も多かったのが左胃静 脈−横隔静脈であり、 その予後成績は、 治癒率100%と高い成績を示し た。 これは初回手術時の完全結紮が可能であったことが要因と考えられ た。 一方、 後大動脈が関与しているシャントの場合、 改善/治癒率は85% (14頭中12頭) であったものの、 死亡が2頭(14%)、 治癒率が57% (14 頭中8頭) と完治した割合が少ない傾向となった。 これは、 門脈高血圧に より2回目3回目と段階結紮手術が必要であったことが要因と考えら れ、 このシャント血管走行の場合、 死亡のリスク、 肝臓機能が十分回復し 手術 ない (原発性門脈低形成) のリスクと同時に、 2回目の手術の必要性につ シャント血管の外科的閉鎖は、 全例に対し、 結紮糸を用いた結紮術を いて、 インフォームドコンセントを通じて飼主に示す必要があると考え 行った。 結紮に先立って、 結紮前および仮遮断後の門脈造影、 門脈圧測 られた。 定を行い、 可能な場合には完全結紮を施した。 結紮後に門脈高血圧の可能性が疑われる場合 には部分結紮を施し、段階的にシャント血管 を閉鎖することとした。門脈高血圧発症の可 能性は、 仮遮断時の門脈圧、 全身動脈圧、 膵臓 のチアノーゼ、 消化管のチアノーゼおよび異常蠕動運動、 肝内門脈枝の 発達の程度、 などを総合的に評価することにより判断した。 部分結紮を 施した症例に対しては2∼4ヶ月後に再手術を行い、 完全結紮を試み た。 また、 全例に対し、 肝臓の病理組織学的検査を同時に行った。 33例の手術における結紮方法は、 完全結紮 23例、 部分結紮(2回目で完全結紮) 3例、 部分結紮(2回目待機 中) 4例、 部分結紮(2回目で完全結紮できず3回目待機中) 3例であった。 JARMeC NEWS ● 腫瘍科セミナー (廉澤 剛)無料 21:00∼ @JARMeC ◆ 2012年 4月 7日 (土) … 放射線治療① ◆ 2012年 6月 2日 (土) … 放射線治療② 6 総頭数 改善 死亡 治癒 治癒率 左胃静脈-横隔静脈 11 11 100% 右胃静脈-後大静脈 7 1 2 4 57% 左胃静脈-奇静脈 5 1 4 80% 右(左)胃大網静脈-後大静脈 3 2 1 33% 右(左)胃静脈-後大静脈 1 1 100% 右胃静脈-横隔静脈 1 1 100% 肝内シャント 1 1 0% 左胃静脈-後大静脈 1 1 100% シャント血管走行タイプ 左結腸静脈-後大静脈 1 1 100% 門脈-奇静脈(後大静脈欠損) 1 1 0% 門脈-後大静脈 1 1 0% ● JARMeC眼科談話会 参加費1回3000円 20:00∼ @渋谷 ◆ 2012年 2月 7日 (火) … 角膜疾患② ◆ 2012年 5月22日 (火) … 眼瞼疾患① ◆ 2012年 8月 7日 (火) … 眼瞼疾患② ◆ 2012年 11月 6日 (火) … 前房内疾患① ● 海外講師講演 (2012年2月3日)無料 ◆「外科手術後の栄養管理」 (Dr. Angela Lusby、 テネシー大学DVM PhD) アメリカペットフード協会共催@JARMeC ● けやき臨床研究会・外科研修会 参加費1回1万円 手術のDVDを見ながら解説します。 ◆ 第4回 膝蓋骨脱臼整復術 (2012年2月5日) @JARMeC ● 農林水産省事業獣医療体制セミナー (2012年2月29日) @JARMeC ◆「診療現場におけるコンプライアンスとインフォームドコンセント」 (岩上悦子 日本大学医学部、 中森あづさ 獣医師カウンセラー) ※セミナーの日程、 演題は変更される場合がございます。 ホームページでご確認下さい。 JARMeC業績発表 2011年4月∼2011年12月 ● 獣医麻酔外科学会/日本獣医循環器学会/日本獣医画像診断学会 (6月11日12日 埼玉) ・教育講演:腹部のCT撮影技術 (夏堀) ・消化管間質細胞腫瘍 (GIST) と診断された犬の臨床的特徴につ いての検討 (市川) ・背側椎弓切除術と脊椎固定術を行った胸腰椎骨折・脱臼・亜脱 臼の16例における回顧的研究 (稲垣) ・肝外胆管閉塞を引き起こした38症例についての検討 (山崎) ・口腔内より刺入した棒状異物により頚髄障害を生じた猫の1例 (松葉) ・多相CT撮影を実施した腎・尿管腫瘍の一例 (坂大) ・感染徴候を呈した犬糸状虫症の猫7例 (星) ● 獣医神経病学会 (6月25日) ・急性四肢不全麻痺を呈したミニチュアシュナウザーの一例 (桑原) ● 獣医がん学会 (7月9・10日 麻布大) ・教育講演:画像診断学 (夏堀) (7月30・31日 那覇市) ● 沖縄県獣医師会 ・教育講演:画像診断学 (夏堀) ● 静岡県獣医師会開業部会講習会―JARMeCにおける治療戦略 (8月21日 静岡) ・PETCTを用いた癌検診と悪性黒色腫に対する細胞免疫療法 (小野) ・胆嚢粘液嚢腫 (山崎) ・嘔吐と吐出からみる消化器疾患 (遠藤) ・口腔内腫瘤 (冨永) ● 日本小動物獣医学会・関東/東京 (9月11日 日大) ・術後化学療法が奏功した消化管肥満細胞腫の犬の1例 (山下) ・猫の椎間板ヘルニアの8症例 (中畑) ● 五月会(11月6日 九州) ・動物眼科疾患の診断と治療(外眼部、 角結膜領域)(福島) ● 動物臨床医学会 (11月18日∼20日 大阪) ・犬の組織球性肉腫51例における回顧的研究 (山下) ・腰背部に発生した巨細胞性線維肉腫の猫の1例 (冨永) ・放射線療法を実施した先端巨大症の猫の1例 (菅井) ・FDG PET/CTがん検診にて発見された多発性骨髄腫の 犬の一例 (坂大) ・十二指腸潰瘍により消化管出血および消化管閉塞を呈した 犬の1例 (山崎) ・バルーン拡張により治療した食道狭窄の猫の1例 (遠藤) ・Inflow occlusionによる開心術を実施した犬の三心房心の 1治験例 (星) ・ 「もしも、 私の病院だったら」 伴侶動物、 ご家族、 病院スタッフの ためのホスピタリティーを考える (山下真) ・理学療法について (山下真) (10月30日 名古屋) ● 中部小動物臨床研究会 ・鼻腔悪性黒色腫の1例 (菅井) ・感染徴候を呈した猫の犬糸状虫症 (星) ● 2011 Cross Straits International Conference of Companion Animal Medicine (11月15-16日 台湾) ・招待講演: 『小動物の心臓血管外科』 (平尾) ・招待講演: 『小動物の放射線治療』 (夏堀) (11月17-19日 神戸市) ● 日本放射線腫瘍学会第24回学術大会 ・パネリスト:動物における放射線治療の現状 (夏堀) ● けやき臨床研究会−DVD外科研修 ・胆嚢切除術 (山崎) 6月5日 ・椎間板ヘルニアに対する片側椎弓切除術 (松永) 8月7日 ・前立腺膿瘍に対する大網被覆術について (平尾) 12月4日 ● 獣医麻酔外科学会/日本獣医循環器学会/日本獣医画像診断学会 (12月3日・4日 名古屋国際会議場) ・教育講演:横隔膜の外科疾患 (平尾) ・重症筋無力症を併発した胸腺腫のネコの1例 (市川) ・浅趾屈筋腱内方脱臼のウェルシュ.コーギーの一例 (桑原) ・会陰ヘルニアの整復術 (山崎) ・環椎軸椎不安定症と診断した36例における治療法による 予後比較 (稲垣) ・開心術を施行した犬の三心房心の1治験例 (星) ・ランチョンセミナー 猫のフィラリア症の最新知見 JARMeC NEWS 7 スタッフ募集 川崎本院、 名古屋分院にて獣医師・動物看護師を募集しています! 職種:勤務医 (常勤) ●応募資格:臨床経験3年以上。 循環器科、 呼吸器科、 泌尿生殖器科、 消化器科、 脳神経科、 整形科、 腫瘍科、 麻酔科、 眼科 (麻酔 科、 眼科は川崎本院のみの募集) などの専門領域に関心のある獣医師 ●給与:月30万円∼70万円(経験・能力に応じて) 職種:動物看護師 (常勤) ●応募資格:動物看護師としての勤務経験1年以上 ●給与:月18万円∼(経験・能力に応じて) 獣医師・動物看護士共通 ■お問い合わせ先 日本動物高度医療センター 事務局/玉越 (タマコシ) Tel : 044-850-1320 E-mail : [email protected] お気軽にお問い合わせ下さい。 今回は次の企業様にご協力いただき、 広告掲載をしております。 同封のパンフレットをご覧下さい。 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