ABB at work in Japan

ABBジャパンの今をお伝えするニュースレター
Dec 2002
マツダから、初の塗装ロボット本格受注
精緻な制御で有害物排出をミニマムに
国境なき激しい競争を繰り広げる自動車業界。本当の競争力を実現す
るため、従来の納入実績の枠を超えた「構造改革」が進んでいます。
ABB ジャパンはこのほど、塗装ロボット約 60 台を核とする最先端
の自動車塗装システムをマツダから受注しました。ABB はこれまで約
30 年間、静電塗装関連の機器を同社の各工場に納めてきましたが、塗
装ロボットの本格受注は初めてです。今回、受注の決め手になったの
は、塗料と溶剤のロスを最低限に抑えた塗装作業を可能にする ABB ロ
ボットの優れた制御性能です。マツダでは環境にやさしい新塗装技術
「3
ウエットオン塗装技術」を開発し、2002 年 7 月に世界へ向けて発表
しました。環境保全への真摯な取り組みを続ける同社の生産技術陣に、
ABB のロボットは高い評価をいただきました。
マツダの「3 ウエットオン塗装技術」は、塗装ラ
今回の入札でマツ
インの途中にある中塗り乾燥焼付け工程を省き、
ダの生産技術陣の
有機溶剤を使いながら欧州の VOC(揮発性有機
注目を集めたのは、
化合物)規制水準(35g/m2)をクリアできる
ABB ロボットの優れた制御性能でした。
「3 ウ
の性能はもとより、制御ソフトウエアと拡張性・
という優れた技術です。すでに、防府第一工場に
エットオン塗装技術」を完成させた環境への熱意
操作性に優れたコントローラーによって、他社の
から、環境に負荷を
追随を許さない作業速度とワークの精度を実現し
与える塗料や有機溶
ています。さらに ABB の塗装ロボットは、複雑
ABB 塗装ロボットによる自動車外板塗装システム(このCGはイメージです)
「3 ウエットオン塗装技術」を完成させた環境保全への熱意から、
剤を 大気中へムダ
な塗装のパラメーターもロボットのコントロー
環境負荷を最小限にできるかどうか、
に放出するオーバー
ラーで統合して制御できます。つまり塗装とロ
厳しいチェックの目が ABB の仕様書に注がれました
スプレーを最小限
ボットを統合した緻密な制御によって、塗料や溶
に抑えられるかどう
剤のロスをミニマムに抑えた効率よい塗装作業を
か、厳しいチェック
可能にしています。その性能がマツダの技術陣の
の目が ABB の仕様書に注がれました。
高い評価を得て、今回の受注が決まりました。
ABB が今回受注した塗装システムは、この第二
ABB は欧米でトップシェアを誇る産業用ロボッ
ABB 広島営業所は 1972 年に開設以来、静電塗
工場の更新に納めるものです。
トのリーディングカンパニーです。ロボット本体
装用のアトマイザー(塗料を帯電させて噴霧し、
この技術による塗装ラインを導入しており、続い
て防府第二工場の設備更新に取り組んでいます。
静電気で効率よく吸着させる塗装装置)を中心と
30 年間同じ姿勢で、時々のニーズに応じたソリューションを提供してきました
する塗装関連製品を納めてきました。ABB のア
トマイザーは同社の塗装ラインのほぼ 90%にご
ABB ジャパン自動車産業部門(INAI)
広島営業所所長 中原和夫
「今回の受注のお礼に行ったときは、実に感慨深かったですね。今まで塗装関係の機器でおつきあ
いいただいていたときも、機会があるごとに塗装ロボットでチャレンジをしてきました。しかし、
いつも『いい製品なのは分かっているんだけど、
値段が・・・』とロボットは受注できなかったのです。
30 年間同じ姿勢で、時々のニーズに応じたソリューションを提供してきました。そんな ABB の
姿勢が、今回の受注をいただいたことにつながったのかもしれません」
利用いただいています。そして今回の受注によっ
て、ABB の新たなチャレンジが始まりました。
ABB で は、 世 界 に 広 が る グ ル ー プ の 技 術 力 と
サービスを結集し、よりご満足していただけるソ
リューションを提供してまいります。
「お客様の
競争力を高め、価値を創造する」・・・これがビジ
ネスの使命であると ABB は考えています。
Dec 2002
多国籍プロジェクトを日本でコーディネート
カタールのインフラ事業でケーブルを受注
このプロジェクトに納めたケーブル類(下)
ABBスウェーデンの工場で、出荷前に最終
的な試験を行いました(右)
ABB ジャパンの受配電営業グループはこのほど、
ムを組んでプ
千代田化工建設とギリシャの CCIC 社が、カター
ロジェクトを
ル・ペトロリアム(QP)社から共同受注したカ
積極的にバックアップ。コンペティターである国
タール国のラスラファン共用冷却水供給プ
内の大手他社と競り合った末に、今回の契約を手
ロジェクトで、約7km、220 kV の電力
にすることとなりました。
ケーブルを受注しました。同プロジェクト
は、引き込んだ海水を冷却水にして都市全
日本企業が主体となって海外で行う建設プロジェ
体に供給するという地域共用冷却水供給シ
クトのサポートは、ABB ジャパンが最も得意と
ステムを建設するというものです。
するビジネスのひとつです。ABB ジャパンが日
本で承った指示を、世界 100 カ国に拠点を持つ
ABB ジャパンは、日本で千代田化工と行っ
ABB ならではのネットワークで現地の ABB に
た綿密な打ち合わせをもとに、ケーブルを
的確に伝え、時差のない高品質なサービスで顧客
製造する ABB スウェーデンや、現地での
のご満足をいただいております。
コーディネートを行う ABB ドバイとチー
京都での温室効果ガス制御国際会議をABBが後援
ホンダ環境担当と燃料電池車の意見交換も
ABB グループが後援する「第 6 回温室効果ガス
スティナビリティー、地球変動(グローバル・チェ
制御技術国際会議」(GTGH-6)が 2002 年 10
ンジ)担当であるバルデュール・エリアソン博士
月1日から 4 日まで、国立京都国際会館で行わ
が来日し、最終日のパネルディスカッション「世
れました。この会議は IEA(国際エネルギー委員
界規模での地球温暖化の緩和計画における産業界
会)と日本の財団法人・地球環境産業技術開発
での役割」に、議長として参加しました。会議全
機構(RITE)などが主催し、温室効果ガス削減
体の詳細な内容については、2003 年 3 月に刊
のための最新技術について討論を行うものです。
行予定の報告書(英語版)をご覧ください。
ABB は BP、TOTAL FINA ELF と い っ た 国 際
企業や、研究機関、財団などと共にこの会議を後
エリアソン博士は会議終了後の 10 月 8 日、東京
援しています。
青山にあるホンダの東京本社を ABB ジャパンの
スタッフと共に表敬訪問しました。環境問題への
今回も地球温暖化問題のスペシャリストが世界中
先進的な取り組みで知られる同社は、ABB ジャ
から京都に集結して、連日 20 件あまりの分科会
パンの重要な顧客の一社です。同社の環境安全企
を行い、最終的に「エネルギー使用の最小化」
「代
画室の皆さんとミーティングを行い、ホンダが実
替エネルギーの開発」「CO2 の固化・貯留」の 3
用化した燃料電池車「FCX」について、熱心な意
つのテーマに沿った約 300 件の提言を採択しま
見交換を行いました。
題にかかわる国際プロジェクトを技術的・人的に
した。
お手伝いすることで、私たちにできる持続可能性
ABB は環境効率の高い製品やソリューションを
この会議のために ABB からはエネルギー及びサ
顧客にご提供するだけでなく、さまざまな環境問
(サスティナビリティー)を追求していきたいと考
えています。
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〒 150-8512
東京都渋谷区桜丘町 26-1 セルリアンタワー
ABB は世界 100 カ国に広がるネットワークを擁する、電力とオートメーション技術の
リーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながら業務効率を最適化するソ
リューションの数々を、産業界や公益事業のお客さまへご提供しています。
Tel: 03 (5784) 6000
Fax: 03 (5784) 6276
ABB は日本で 100 年以上の長きにわたり、ビジネスのおつきあいをいただいてまいり
e-mail: [email protected]
www.abb.co.jp
を日本のお客さまへご案内するとともに、独自の研究開発によるユニークな製品群を世
ました。現在は、オートメーション、送配電・変電設備などの分野で最新のテクノロジー
界の ABB グループへ供給しています。