ネットワーク仮想化プロジェクト の成果と今後の展開

資料 9
ネットワーク仮想化プロジェクト
の成果と今後の展開
中尾彰宏
2016/1/20
新世代ネットワーク推進フォーラム
総会
1
NICTネットワーク仮想化委託研究(2011-2014)
■ 課題ア・イ・ウの位置づけ
課題ウ:新世代ネットワークアプ
リケーションの研究開発
新世代
センサーネットワーク
アプリケーション
ネットワーク内にある各種リソースを利⽤し、これまでのインターネットでは実現困難であった
新世代ネットワーク時代に出現する代表的なネットワークアプリケーションを開発
新世代
コンテンツ配信
アプリケーション
課題イ:サービス合成可能なネット
ワークプラットフォームの研究開発
データ
複製
ネットワークサービス仮想統合管理
サービスC向け
仮想ネットワーク
ネットワーク仮想化基盤が提供するサービス部品を組み合わせて利活⽤することで、様々
なアプリケーションを開発・実⾏できるようにするサービスプラットフォームを開発
サービスプログラミング
サービスコンポーネント管理・実⾏
サービスB向け
仮想ネットワーク
サービスA向け
仮想ネットワーク
超低消費
電⼒指向ネットワーク
アプリケーション
新世代
トラスタブルネットワーク
アプリケーション
新世代
付加価値提供
アプリケーション
認証
放送
モニタ
リング
キャッ
シュ
暗号化
圧縮
位置
情報
QoS
統計
ネットワークプラットフォーム
仮想化GW
ネットワーク
サービス管理
仮想化ノード
仮想化ノード
ネットワーク
サービス管理
仮想化GW
サーバ
クラウド
仮想化ノード
仮想化GW
電気パケット
ネットワーク
光パス
ネットワーク
計算機
資源
課題ア:統合管理型ネットワーク
仮想化基盤技術の研究開発
(出典:NICT課題149委託研究 公募資料)
ストレージ
資源
仮想化ノード
電気パケット
ネットワーク
仮想化GW
光パス
ネットワーク
計算機
資源
端末
ストレージ
資源
ネットワーク仮想化基盤
サービスごとにカスタマイズされた複数⽅式のネットワークを同時に提供し、
安全性・信頼性・柔軟性等を⼤幅に⾼めつつ、⾼機能化、⼤容量化、及び超低
消費電⼒化を実現する新世代のネットワーク仮想化基盤を開発
2
課題ア
仮想化ノード(VNode/FLARE)のシステム全体図
異なる機能や構成を持つ複数のネットワークを独⽴に同時に⼀つの物理ネットワーク上に構築するネット
ワーク分離(Isolation)と、コンポーネントを⾃在に組み合わせて利⽤できるプログラム性
(Programmability) の機能を有する、仮想ネットワークの実⾏基盤の実現を⽬指す
全体アーキテクチャ(東⼤)
・コア/エッジ統合ネットワーク仮想化
・軽量化エッジネットワーク仮想化ノード〜FLAREの開発
・Deeply Programmabilityの追求
アクセスポイント
仮想化
エッジ端末仮想化(NEC)
・仮想化ノードスライスのエッジエリア
(無線NW及び無線端末)への延伸
・複数無線NW上でのスライス構築
エッジNW仮想化(東⼤)
・仮想マシンクラスター・エッジ端末エミュ
レーション
・仮想マシンのスライス多重・分離技術
・無線アクセスポイントのネットワーク仮想化
アクセスゲートウェイ(富⼠通)
・プログラマとゲートウェイの⼀体提供
・ネットワークエッジでのプログラマビリティ
活⽤の検討
・ゲートウェイのスケ―ラビリティ
エッジNW仮想化
(FLARE)
アクセスゲートウェイ
(AGW)
NWスライス収容
仮想化ノード
(プログラマ+リダイレクタ)
仮想化ノード
管理装置
クラウド
光インフラ
管理装置
光インフラ網
仮想化ノード
プログラマ(NEC)
・⾼いI/Oパフォーマンスとプログラマビリティ
の両⽴
・プロトコルに依存しない実験環境の提供
リダイレクタ(⽇⽴)
・NWリソースアイソレーション
・インフラのプログラマビリティ
NW仮想化基盤管理(NTT)
・既存インフラ(トランスポート)と仮想
NWとの連携管理
・スライス計測によるスライス状態のフィー
ドバック
・仮想NWのオペレーション、運⽤ノウハウ
・ベンチマーク開発
3
NICTネットワーク仮想化委託研究
研究開発体制
■ 開発体制と課題間連携会議の構成
NICT
課題ア・イ・ウ委託推進会議
委託研究
149 :「新世代ネットワークを⽀える
ネットワーク仮想化基盤技術の研究開発」
四半期
課題ア・イ連携会議
毎⽉+アドホック
<実施回数>
H24年度:9回
H25年度:4回
H26年度:4回
課題アSteering Committee (SC)
四半期+アドホック
⽬的:⽅針決定、調停
メンバ: 参加者の実施責任者、アドバイザ
課題ア推進WG
<実施回数>
H23年度:3回
H24年度:1回
隔週
⽬的:課題アの研究開発推進に関わる調整、
仕様整理、課題整理
メンバ: 参加企業
NW仮想化研究WG
<実施回数>
H23年度:13回
H24年度:19回
H25年度:20回
H26年度:11回
課題イ
課題ア
NTT
課題ウ
KDDI研
東京⼤学
東京⼤学
⽇⽴
NEC
NEC
⽇⽴
富⼠通
毎週
⽬的:仮想化基盤に関わる研究課題を議論、
各課題へのフィードバック
他の課題との議論の場としても活⽤
<実施回数>
H23年度:18回
H24年度:35回
H25年度:39回
H26年度:35回
4
(参考)委託研究課題ア 打ち合わせ実施回数
研究WG
2011年18回
2012年35回
2013年39回
2014年35回
127回
推進WG
2011年13回
2012年19回
2013年20回
2014年11回
63回
5
NICTネットワーク仮想化委託研究 成果
H23年度
⽬標
•  全体アーキテクチャの確
⽴
•  リソースアイソレーショ
ンの基本構成
•  プログラム性と性能を両
⽴するプログラマ構成法
•  アクセスゲートウェイの
⾼速化
•  トランスポートNWと仮
想NWとの連携管理
達成点
•  プログラマ・リダイレク
タ分離ノードアーキテク
チャ
•  緻密なリソースアイソ
レーション
•  アクセスゲートウェイの
収容多様化、⾼速化
(10G化)
•  トランスポートネット
ワーク制御との連携管理
H24年度
H25年度
H26年度
•  エッジNW向け軽量化
仮想化ノードの実現
•  アクセスゲートウェイ
へのプログラマビリ
ティ導⼊
•  スライス測定技術の確
⽴
•  エッジ端末でのNW仮
想化制御技術の確⽴
•  アクセスゲートウェイ
のスケーラビリティ
•  スライス計測結果から
のリソースの動的変更
•  海外連携したテスト
ベットの相互利⽤
•  外部情報発信・ユーザ
サポート
•  研究成果のJGN-X展開
•  JGN-Xでの統合実験
•  多数ノードを⽤いた性
能検証
•  複数の他仮想化⽅式と
の相互接続、ベンチ
マーク評価
•  FLAREの開発・実証
•  プログラマ⾼速化
(10G化)
•  プログラマとゲート
ウェイの⼀体提供検討
•  ⾼精度スライス測定シ
ステムの開発
•  ⽶国仮想化テストベッ
ドGENIとの相互接続
検討
•  研究開発成果のJGN-X
展開(β版)
•  動的リソース変更
•  AGW-VNode開発
•  エッジ端末NW仮想化
制御の設計
•  標準化(ITU-T),
Whitepaper公開
•  GENIとの相互接続実
験
•  研究成果のJGN-X展開
•  JGN-Xでの統合実験
•  多数ノードを⽤いた性
能検証
•  複数の他仮想化⽅式と
の相互接続、ベンチ
マーク評価
•  GENIとの相互接続実
験
これまで得られた成果(特許出願や論⽂発表等) 新世代ネットワークを⽀える
ネットワーク仮想化基盤技術
の研究開発
国内出願
外国出願
研究論⽂
その他研究発表
標準化提案
プレスリリース
報道
展⽰会
受賞・表彰
30
11
7
119
7
14
46
1
6
BestPaperAward
7
日米ネットワーク仮想化研究時系列
Japan
US
Worldwide
2002-PlanetLab
2008仮想化ノード共同研究 2008GENIKickOff($12M29insWtuWons)
(NICT/Utokyo/NTT/NEC/
Hitachi/Fujitsu)
2009GEC4(Mar)GEC5(Jul)GEC6(Nov)
2010GEC7(Mar)GEC8(Jul)GEC9(Nov)
plenary
2011仮想化ノード委託研究 2011GEC10(Mar)GEC11(Jul)GEC12(Nov)
plenary
(Utokyo/NTT/NEC/
Hitachi/Fujitsu/KDDI) 2012GEC13(Mar)GEC14(Jul)GEC15(Nov)
plenary
2013GEC16(Mar)GEC17(Jul)GEC18(Nov)
2014仮想化ノード委託研究 2014GEC19(Mar)GEC20(Jul)GEC21(Nov)
最終年度
BestDemo
2015GEC22(Mar)GEC23(Jul)GEC24(Nov)
SDN
NFV
8
国際連携
⽶国GENIだけでなく欧州のネットワーク仮想化プロジェクトとも連携し、世界的なネ
ットワーク仮想化テストベッドの相互接続を推進
⇒ 国際接続実験プロジェクト(Slice Around the World)の推進
⇒ 相互接続⽅式検討(International Federation):テレコンによる議論の実施
各国の仮想化テストベッドの特徴
⽇本(VNode)
Partitioning
Programmability
Federation
Architecture
その他の特徴
⽶国(GENI)
欧州(Federica, OFELIA,
OpenLab, Fed4FIRE,
OneLab)
GRE Tunnel
VLAN
VLAN(Federica)
L2以上のDeep
Programmability
L3以上のDeep
Programmability
Control Plane(Openflow
ベース)(OFELIA)
Slice Exchange Points
ProtoGENI AM API
SFA API(OneLab)
Resource Isolationを
サポート
仮想ノードとして
Network Processorも
利⽤可能
後発のGENI Rackは
VNodeを参考にしたと
思われる
いろいろなテストベッドを
結合(Openlab)
9
GEC22 ⽇⽶欧相互接続実験(課題ア、イ 連携)
SEP(Slice Excnange Point)を介した
北⽶(ProtoGENI)、欧州(Fed4FIRE)、⽇本(VNode)の3ドメイン相互接続実験
Developer
(Experimenter)
Fed4FIRE
Europe
AM
Europe
AM API
GK
Link Sliver
NS
NS
Common API
SEP
core
Control Japan
Servers
Trans Pacific
VLANs
Link Sliver
NS
GK
GK19
GK
VNode
API
NS
NS
GRE
ProtoGENI
Common API
VNode (JGN-X)
NS
SEP
GRE
NS
NS
Common API
Utah AM
AM API
Cross-domain
Data Plane
GW
University of Utah
USA
Link Sliver
NS
NS
VLAN
NS
NS
10
Network Functions Virtualisation
ETSI ISG NFV
世界を牽引するテレコムオペレータにより、2012年11月
に設立されたネットワーク機能の仮想化を議論する団体
設立提案メンバ
•  37 の通信事業者を含む 230 を超えるテレコム企業及びIT企業が参加し標準仕様
の議論
•  2016年3月にインタフェースの標準仕様が発行される予定
2013
2014
2015
▲(10/2013)
基本勧告の発行
▲(11/2012)
設立
Phase 1
○オペレータの要求条件の集約
○提供可能な標準のビジョン作り
○オープンなエコシステムを作る技術要件の開拓
2016
▲(01/2015)
Phase 1全勧告の発行
Phase 2
○相互接続を可能にする
標準仕様の策定
2015/9 電子情報通信学会総合大会 BT-3 仮想化技術の本格導入を見据えた運用管理の自動化技術 (NTT 清水氏資料)
11
Sliceable Software Defined Data Planes
Applications
Network
Applications
North-Bound Interface (NBI)
Control Plane
Control-Plane
Elements
Publish API
Data Plane
Programmable
Programmable
Data-Plane
Programmable
Data-Plane
Programmable
Elements
Data-Plane
Elements
Data-Plane
Elements
Elements
Slices
12
国内研究開発の連携・相乗による進化
5G/IoTonSDN/NFV
5GMF(NetworkSo_warizaWon)
DataPlaneProgrammability
InNetworkComplexProcessing
(FLARE)
DataPlaneProgrammability
InNodeComplexProcessing
(VNode)
ControlPlane
Programmability
MachineBase
(OpenFlow)
ControlPlane
Programmability
ProcedureBase
(SDN)
ControlPlane
Programmability
ObjectBase
(O3Project)
13
NetworkSo_warizaWonに関わる国内技術開発関係マップ
ExtremeEdgeNFVforIoT
NFV
5GMF
NetworkSoIwarizaKon
(IoT,M2M,Content,ICN/CCN)
FLARE
Project
ICNProject(s)
ControlPlane
Programmability
O3Project
ODENOS
Lagopus
SDN
DeepDataPlane
Programmability
ForIoT
VNode
Project
14
ネットワーク仮想化プロジェクトの成果まとめ
•  早期よりネットワーク仮想化の重要性を提唱
–  GENIと同時期・一部技術は我が国が先行
•  SDNとNFVを組み合わせた柔軟なプログラマブル通信基盤を
早期(2008年)に提唱し研究開発・運用まで遂行
•  代表的なプロジェクトの国際的なVisibilityを確立
–  VNode
–  FLARE
•  海外(米国・欧州)との密な連携
•  標準化勧告 •  研究開発から事業化へ
–  (株)FLARENETWORKSの設立
15
FLARE成果まとめ
•  Performanceと EasyProgrammabilityとLowCostを実現
–  ToyBlockNetworking
–  OSSを簡単に取り込みBlockとして表現可能
–  IA上64Bショートパケットで80Gbps超スイッチング処理実現
•  DeepProgrammabilityの実現
–  L2以上のCleanSlateDeepProgrammingをbaremetalで実現
–  POF,P4に2年以上先行し研究開発
•  ネットワークノードの仮想化(Slice)による独立の複数ロ
ジックを実現
•  商用化
P4:PatBosshart,DanDaly,MarWnIzzard,NickMcKeown,JenniferRexford,ColeSchlesinger,DanTalayco,AminVahdat,George
Varghese,DavidWalker,“ProgrammingProtocol-IndependentPacketProcessors”,hgp://arxiv.org/abs/1312.1719
FLAREFLARE:Nakao,Akihiro."So_ware-defineddataplaneenhancingSDNandNFV."IEICETransacWonsonCommunicaWons
98.1(2015):12-19.
POF:HaoyuSong,“Protocol-obliviousforwarding:unleashthepowerofSDNthroughafuture-proofforwardingplane,”
16
HotSDN’13,pp.127-132,Aug.2013
Toy-Block Networking GUI
500+ Network Functions
Lagopus
element
Drag & Drop & Connect
Data Plane Slice (LXC on NPU)
17
(参考)FLARENode商用網における実証実験
MVNOでの利用
1.A社
•  実証実験期間 :2014/11/20より現在まで
•  端末数 :アンドロイド端末 59台
•  エンドユーザー :本学学生・教職員
•  可用性(Availability):99.8%(2015/8/30大学
•  における予定停電と 2015/10/20MNOにおける設定変更に起因するもので障害
ではない)
•  トラフィック量 :約 1.7テラバイト (平均約 4.2GB/日)
2.B社
•  実証実験期間 :2015/9/18より現在まで
•  端末数 :IoTゲートウェイ 262台
•  エンドユーザー :公共交通機関
•  可用性(Availability):100%(現在まで)
•  トラフィック量平均約 6GB/日
3.C,D社は現在準備中
(2016/3電子情報通信学会 総合大会で発表予定)
29
End-to-End Programmable Network
仮想移動体通信事業者(かそういどうたいつうしんじぎょうしゃ、Mobile
Virtual Network Operator, MVNO)は、携帯電話やPHSなどの物理的な
移動体回線網を自社では持たないで、実際に保有する他の事業者から借りて
(再販を受けて)、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のこと。
自社網をMVNO事業者に提供する側を、移動体通信事業者(MNO)と呼ぶ。
TheInternet
ゲートウェイ
スマホ
MNO網
MVNO網
モバイル網
インターネット
http://ja.wikipedia.org/wiki/仮想移動体通信事業者
30
Software Defined Data Plane
FLARE(プログラマブルノード)
制御装置
トライラーを取り出しヘッダーとアプリ・デバイス情報をマッピング
同じ通信は同一ヘッダーを持つのでヘッダーを元に通信制御実施
ヘッダー
ヘッダーに基づく通信制御を実施
Header
ペイロード
Payload
トレイラー除去
制御装置
(So_ware-DefinedNetworkController)
PacketMarking
ゲートウェイ
スマホ
FLARE(東大開発プログラマブルネットワーク機器)
LTE キャリア網
(NTT Docomo)
MVNO網(東大実験網)
モバイル網
スマートフォン(ウェアラブル・M2M機器にも適用可)
アプリ・デバイスの情報を
(最初の)パケットのトレイラーに付加
ヘッダー
ペイロード
パケット
TheInternet
トレイラー
この部分に情報を付加
インターネット
従来技術の問題
通常パケット自体からは、どのアプリからからパケットが
発せられたかは「正確には」把握できない。
(通信の秘密の制限, 暗号化などにより情報取得が困難)
新規技術
プライバシーは保護しながらスマホからアプリの情報を提供し
31
ネットワーク機器上でそれを検出・通信制御に役立てる
エンド・ツー・エンド通信の遅延モデル
Upwards
Downwards
User Equipment
Mobile Network
Server
Application
(Incl. Sensors)
Control (MME, PCRF, etc)
Application
⑪
①
Platform
Radio IF
RRH
⑥
⑧
④
BBU S-GW P-GW
②
⑩
Platform
Network IF
③
Radio IF
MFH
⑤
⑨
⑦
MBH Transport Inter-Domain Network
One way latency defined in 5G: ②+③+④+⑤
MFH (Mobile FrontHaul)
RRH (Remote Radio Head)
MBH (Mobile BackHaul)
BBU (Base Band Unit)
MME (Mobility Management Entity)
S-GW (Serving Gateway)
P-GW (Packet Data Network Gateway)PCRF (Policy and Charging Rule Function)
AWG-18, Kyoto, Japan
今後の方向性
SDN
NFV
IoT
Apps
5G
Machine
Learning
“Thinking
Network”
50