(仮称)平泉町立平泉体育館建設基本計画 (案)

(仮称)平泉町立平泉体育館建設基本計画
(案)
平成24年12月
平泉町教育委員会
- 目次 -
1.
(仮称)平泉町立平泉体育館の施設構成及び規模 ················································1
(1)全体計画 ···································································································1
(2)施設規模 ···································································································1
(3)施設内容及びスペース構成 ···········································································2
2.施設計画 ·····································································································5
(1)建物の全体イメージ ····················································································5
3.施設運営計画 ·······························································································6
(1)他施設との連携 ··························································································6
(2)安全管理 ···································································································7
(3)利用促進のアイディア ·················································································7
4.今後の課題 ································································································ 10
(1)駐車場・駐輪場の確保 ··············································································· 10
(2)公園、遊び場の確保 ·················································································· 10
1.(仮称)平泉町立平泉体育館の施設構成及び規模
(1)全体計画
(仮称)平泉町立平泉体育館(以下「平泉体育館」という。
)は、建設地周辺との景観
形成の調和等を考慮しながら、全町的なスポーツ施設としての機能を確保しつつ、町民
の多様なニーズに対応可能な施設とします。特に21世紀のスポーツのあり方が地域の
総合的なスポーツクラブを中心とした生涯スポーツ活動に変わっていくことを考え、ク
ラブメンバーの交流の場を確保します。
施設は、各運動室の利用しやすさについて空間構成や動線を工夫すると共に、ホール
等の共用スペースの快適性を確保し、町民の交流の場を設置することも重要です。また、
安全性について十分な配慮を行うとともに、周辺環境に調和した建築とし、近隣への騒
音対策等についても十分考慮した計画とします。
(2)施設規模
基本構想の内容を基本とし、
「新平泉町立体育館建設検討委員会」の検討の中で新たに
必要と認められた項目を加えながら計画を設定します。
延べ床面積は、文部科学省の国庫補助金(社会体育施設整備費補助金:補助率 1/3)を
活用することから、2,000㎡~4,000㎡以内とし、補助対象諸施設を設置する
とともに、付置義務である駐車・駐輪スペースなどのスペースを確保します。また、景
観や近隣住環境を考慮して建物の高さをできるだけ低く抑えることが必要です。基本構
想では、延べ床面積は概ね2,100 ㎡程度を数値目標とすることが求められています。
基本計画では、町民や体育施設利用団体からの要望等が出ていることを考え合わせつ
つ、許容建築面積の条件から、必要諸室を確保するとアリーナの大きさは約1,280
㎡(40m×32m 程度、バスケットボール、バレーボールの競技コートが各2面)と
して計画する必要があります。
21世紀のスポーツのあり方は、地域のスポーツクラブを中心とした活動が大きな比
重を占めることになることを考え、平泉体育館内に「総合型地域スポーツクラブ」の設
立に向け検討していきます。
-1-
(3)施設内容及びスペース構成
平泉体育館の必要なスペース・諸室は、概略下図表のように分類されます。
スペース
スポーツ
活動
スペース
研修・会議
スペース
附属諸室
共用部
その他
図表1 平泉体育館の所要スペース(案)
室名
備考
アリーナ
バスケットコート(縦・公式1面、横・競技2面)
バレーボールコート(縦・公式1面、横・競技2面)
バトミントンコート4~6面(公式)
フットサルコート1面(競技)
テニスコート1面(公式)
※「公式」とは「公式試合ができるコートスペース」
を、「競技」とは「競技練習ができるコートスペ
ース」を意味します。
トレーニング・体力 マシンジム等
測定・健康相談室
研修室
可動間仕切りで2分割対応
器具庫
更衣室・シャワー室
事務室
設備機械室
トイレ
その他共用部
集中式
計
また、各スペースの内容は以下のとおりです。
①スポーツ活動スペース
ア)アリーナ
・町民大会等の各種スポーツ大会の会場として使用できるスペースと機能が必要で
す。競技フロア-の大きさは、バスケットボール、バレーボールは縦1面(公式
コート)・横2面(競技コート)、バドミントンは4~6面、フットサル、テニス
コートを1面を想定して、同時に練習が可能な面積(40m×32m 程度)を確
保します。
・通常利用時は、アリーナを防球ネットにより2分割して利用します。
・床構造は、弾性木床とし、天井高は、バドミントン公認の高さ12m以上を確保
します。
・各競技のコートラインは各種スポーツ大会に対応するため、中抜きラインとしま
す。
・フットサル利用のため壁や開口部などに防球処置を講じます。
・バスケットボールゴールは移動式(コート縦利用時)及び折りたたみ式(コート
横利用時)とします。
・バドミントン、インディアカが兼用できる支柱を備えます。
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・照明設備(水銀灯)は吊り下げ式とし、維持管理が容易に行えるようにします。
また、LEDタイプの照明を配備し、ランニングコストの低減を目指します。
・スポーツ以外の集会等の利用を考慮し、可動式ステージ、吊りバトン、折りたた
み椅子などを設置するほか、冷暖房対応の空調設備を付帯します。
イ)トレーニング・体力測定・健康相談室
・トレーニング・体力測定・健康相談室は、利用者の健康体力の保持増進を目的と
し、各種トレーニングマシンによる運動スペースを主として、一部にストレッチ
運動ができるスペースを確保します。
・また、健康や体力について、測定・評価を行い、健康やスポーツに関する様々な
相談に応じることができる施設とします。
②研修会議スペース
ウ)研修室
・町内のスポーツ指導者などの各種研修、会議に利用します。
・30人程度の利用に対応した規模とします。また、可動間仕切りで2分割できる
ように計画します。
・白板や AV 機器、長机(移動式)やイスを配備します。
・ダンスなどの利用のため壁面に鏡を配置します。
③附属諸室
エ)器具庫
・各運動室の利用内容に対応した用器具の収納と、集会等の利用のための折りたた
みイス等の備品の収納を可能とします。
オ)更衣室・シャワー室
・男女更衣室(ロッカー・シャワー)は延べ床面積の制約があることから、集中型
とします。
・シャワー室は2室、男女ロッカーは必要数を確保します。
・明るく清潔感のある室内とし、化粧カウンターを設置し、快適な利用に十分配慮
します。
④共用部その他
カ)管理関係諸室
・事務室は、体育館の運営形態などを勘案し、必要な人員構成に対応できるものと
します。
・設備機械室は全館空調を行うことを前提として計画します。
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キ)トイレ
・男女別トイレは、節水型など環境に配慮したものとします。
・多目的トイレは、車椅子利用者やオストメイト(人工肛門利用者)に対応したも
とします。
ク)その他共用部
・限られた延べ床面積の中で、ホールやロビー等は、町民が快適に施設利用できる
開放的なゆとりある空間を確保します。
・また、青少年の居場所を考慮した施設づくりを行います。
・利用者の利便性や安全性などに配慮するとともに、管理者が管理しやすく、ラン
ニングコストの低減を目指したものとして計画します。
・さらに、障がい者・高齢者利用に十分配慮し、体育館内や周辺外構計画ではユニ
バーサルデザインに配慮する必要があります。また、避難経路を適切に配置して、
すみやかな安全避難を実現します。
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2.施設計画
(1)建物の全体イメージ
平泉体育館は、全町的に機能する体育館であることから、平泉町のスポーツ振興の象
徴となることが望まれます。同時に、地域体育館として、地域住民に密着した、親近感
溢れる建築・空間づくりが必要となります。これらを実現すべく、以下の項目を設計の
検討事項として掲げます。
①多様な役割を備えた「新しい体育館」
単なるスポーツの場にとどまらず、ア)町民相互の交流拠点、イ)青少年が気軽に
利用できる施設、ウ)スポーツクラブの活動拠点、エ)健康づくりの場、オ)スポー
ツを楽しむことができる、カ)災害時の避難場所等を満足する役割を担う体育館とし
ます。
②ユニバーサルデザインによる「誰にでも利用しやすい体育館」
バリアフリー新法の施行により、内外部とも障がい者、高齢者を含む社会的弱者に
とって、物理的・精神的な障害のない施設とすることは勿論、見易さ、利用しやすさ、
安全性などに配慮した、誰にとっても利用しやすいユニバーサルデザインによる施設
づくりを行います。
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3.施設運営計画
(1)他施設との連携
平泉体育館は、生涯スポーツの中核施設であり、全町的な総合体育館です。町内の他
のスポーツ施設、学校施設との連携を密にし、町民の活動を支援できるネットワークを
構築する必要があります。競技会の開催に対しては、競技会開催の会場に適応したスポ
ーツ機能を具備します。柔道・剣道競技については、平泉中学校柔剣道場がこの機能を
有していることから、平泉体育館では考慮しないものとします。
この他、町内のスポーツ施設や学校体育施設との連携を図りながら、利用者のニーズ
に対応するよう施設の提供に努めるとともに、「みるスポーツ」の場と役割については、
近隣市の大型施設との連携を図ります。
さらに、
「スポーツ以外の大会・展示会などのコンベンション」の場と役割については、
町内社会教育施設や学校体育施設と相互に補完しあい、集客規模や人数に応じた施設の
提供に努めるとともに、併せて近隣市の大型施設との連携を図ります。
このように平泉町のスポーツを活性化させるためには、町内のスポーツ施設の連携・
協力と、スポーツ関係の各組織、団体等との事業的な連携についても積極的に考慮する
ことが重要になります。
図表2 平泉体育館の連携図
町内
スポーツ施設
連携
相互補完
平泉体育館
地域スポーツ振興拠点
連携
近隣市
スポーツ
生涯スポーツの推進
町立長島体育館
町営長島球場
町営テニスコート
町営ゲートボール場
協力
スポーツ活動拠点
健康意識啓発の場
健康体力相談の場
スポーツ情報収集、提供の場
競技力向上の場
町内
スポーツ指導者養成の場
体力トレーニングの場
町民交流の場
文化活動の場
災害時の緊急避難拠点
連携
近隣市
社会教育
社会教育施設
平泉文化遺産センター
施 設
連携
相互補完
連携
協力
学校体育施設
平泉小学校体育館
長島小学校体育館
平泉中学校体育館
平泉中学校柔剣道場
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協力
施 設
(2)安全管理
傷害事故防止対策は、日常の管理運営業務を行う上で、配慮が必要な事項です。事故
の発生の原因は、単一的なものだけでなく、スポーツを行う人の心構えや指導方法の問
題、何らかの施設的条件の不備等複数の要素が相関しているものであります。 重大な事
故では、施設管理者の責任を問われることにもなります。職員の事故防止への認識や、
対応マニュアルの整備が必要になります。
また、事故による被害者の補償、トラブルの回避、事故責任の明確化等に留意し、誠
意を持って適切な事故処理を行うとともに、絶えず事故判例を研究することや賠償責任
保険に加入する必要もあります。
事故対策としては、施設や用器具の定期的な安全点検・整備の徹底と、適切なスポー
ツ指導が有効であります。
事故対策
事故防止対策・・・安全のための対策
救急対策・・・応急救護処置、緊急連絡体制
補償対策・・・被害者補償、保険管理の重要性
安心の対策
(3)利用促進のアイディア
①活動意欲の誘導
国は、「国民のすべてが、健康で明るく生きがいある人生を送れる社会」を目指して、
スポーツ振興策を展開しています。平泉町においても、
「スポーツで 心豊かに たくま
しく」の実現をめざして、町民のスポーツ活動を支援し、スポーツの活性化に取り組ん
でいます。これまであまりスポーツしたことのない人にスポーツの楽しさや効用を知っ
てもらうために、スポーツに触れる機会をより多く設けることが必要です。
<活動意欲誘導のしかけ>
・誰もが入りやすい、賑わいの見えるアプローチの創造。
・体育館のオープンスペースから施設利用の状況が観られるような計画。
・
「する・みる・かたる・ささえる」など多様なスポーツニーズに対応した利用しや
すい施設。
・安全・安心の施設づくり。
・魅力的なプログラムサービス事業の展開。
②継続利用の促進
スポーツによって健康な体と心を保持増進するためには、活動を継続して行うことが
必要です。また、利用収入増の視点からも「継続利用」は重要な要素です。
<継続利用のしかけ>
・施設内容の充実。
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・快適な運動環境の確保。
(空調)
・適切な指導員の配置と指導。
(トレーニングメニュー)
・施設予約システムの整備。
・使用料の優遇措置。
(共通回数券制度)
・快いスタッフ対応。
③施設の高効率利用
多種目に対応できるアリーナといっても同時に多くの種目が行えるわけではありませ
ん。アリーナはバスケットボール、バレーボールの競技コートを各2面配置し、防球ネ
ットによる2分割利用とします。この場合、それぞれのコートに隣のコートのプレイを
妨げることなく出入りできるようにすることが大切です。クラブ利用時には、コートの
4分の1使用も考慮する必要があります。また、小グループや高齢者の利用に配慮し、
コートの8分の1使用など軽運動が行いやすい形態・仕様を考慮します。
図表3 アリーナの利用例
コートA
コートB
クラブ A が使用
(10~20 人)
クラブBが使用
(10~20 人)
④利用時間拡大
より多くの人が利用するために、従来のような午前9時から午後9時までの開館時間
に限定せず、必要に応じて早朝等の使用を検討します。なお、検討にあたっては、職員
のシフト体制や、近隣への影響等のいくつかの解決すべき問題もあることから、慎重な
検討が必要です。
⑤平日利用の促進
体育館の場合、時間帯によって比較的利用者層が分かれます。また、どの社会体育施
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設も平日の午前中の利用率が低いのが実態です。この時間帯の施設活用を促進する利用
方法を検討し、積極的なプログラムサービスを実施する必要があります。
図表4 平日・時間帯利用促進のイメージ
高齢者
9:00
・体操
・ダンス、ヨガ
・太極拳
・マシンジム
・語らい
親子連れ
12:00
・軽スポーツ
・体操教室
・語らい
主婦(夫)
小・中・高生
14:00
16:00
・チーム、
サークル活動
(バレー、卓球
バトミントン等)
・マシンジム
・語らい
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社会人
19:00
・部活動、
サークル活動
(各種スポーツ)
・マシンジム
・語らい
21:00
・マシンジム
・チーム、
サークル活動
(バレー、バスケット
バトミントン等)
・語らい
4.今後の課題
(1)駐車場・駐輪場の確保
平泉体育館の駐車場・駐輪場は、面積・予算的制約との均衡を図りながら、利用者の
ニーズに応えられる充分な駐車・駐輪スペースの確保する必要があります。
また、町立公民館等の移築など将来的な展望に立ち、駐車・駐輪スペースを充分に確
保することについても検討が必要となります。
(2)公園、遊び場の確保
町民の憩いと交流の場である公園や、親子が気軽に利用できる遊び場が町内に不足し
ていることから、平泉体育館建設と併せ、体育館周辺への整備について検討が必要とな
ります。
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