1 平成28年千代田区議会第1回定例会議事速記録(第1360号)(未定稿)

平成28年千代田区議会第1回定例会議事速記録(第1360号)(未定稿)
◎日
時
平成28年2月25日(木)午後1時
◎場
所
千代田区議会議事堂
◎出席議員(25人)
1番
岩
田
かずひと
議員
2番
秋
谷
こ う き
議員
3番
岩
佐
りょう子
議員
4番
寺
沢
文
子
議員
5番
大
串
ひろやす
議員
6番
米
田
か ず や
議員
7番
大
坂
隆
洋
議員
8番
池
田
とものり
議員
9番
山
田
丈
夫
議員
10番
飯
島
和
子
議員
11番
牛
尾
耕 二 郎
議員
12番
木
村
正
明
議員
13番
小
枝
す み 子
議員
14番
小
林
た か や
議員
15番
戸
張
孝 次 郎
議員
16番
永
田
壮
一
議員
17番
内
田
直
之
議員
18番
嶋
崎
秀
彦
議員
19番
たかざわ
秀
行
議員
20番
は や お
恭
一
議員
21番
林
則
行
議員
22番
河
合
良
郎
議員
23番
松
本
佳
子
議員
24番
小
林
や す お
議員
25番
桜
井
た だ し
議員
◎欠席議員
な
し
◎出席説明員
区
長
石
川
雅
己
君
長
山
口
正
紀
君
保 健 福 祉 部 長
松
本
博
之
君
副
区
1
高齢者総合サポートセンター担当部長
門
口
昌
史
君
地域保健担当部長
千代田保健所長
田
中
敦
子
君
地 域 振 興 部 長
立
川
資
久
君
オリンピック・パラリンピック担当部長
河
合
芳
則
君
コミュニティ振興担当部長
吉
村
以 津 己
君
環境まちづくり部長
細
越
正
明
君
まちづくり担当部長
坂
田
融
朗
君
政 策 経 営 部 長
政策推進担当部長
歌
川
さ と み
君
特 命 担 当 部 長
須
田
正
夫
君
会 計 管 理
者
高
橋
誠 一 郎
君
総
長
清
水
章
君
企 画 調 整 課 長
古
田
毅
君
財
長
亀
割
岳
彦
君
長
島
崎
友 四 郎
君
長
保
科
彰
吾
君
教 育 担 当 部 長
小
川
賢 太 郎
君
阿
部
寿
君
長
大
矢
栄
一
君
事 務 局 次
長
纓
片
淳
一
君
議
事
主
査
桐
谷
孝
行
君
議
事
主
査
長
田
美
樹
君
議
事
主
査
平
尾
丈
治
君
議
事
主
査
吉
田
匡
令
君
務
課
政
課
(教育委員会)
教
育
子 ど も 部
(監査委員事務局)
監査委員事務局長
◎区議会事務局職員
事
務
局
2
午後1時01分
開議
○議長(戸張孝次郎議員)
ただいまから平成28年第1回千代田区議会定例会継続会を開会し
ます。
昨日に引き続き一般質問を続けます。
初めに、7番大坂隆洋議員。
〔大坂隆洋議員登壇〕
○7番(大坂隆洋議員)
平成28年第1回定例会に当たり、自由民主党議員団の一員として一
般質問をいたします。
今定例会の招集挨拶において、区長は、来年度の予算編成に関する重点項目の1つ目に次世代
育成に関する取り組みを掲げられました。安倍政権においても、次世代育成については「夢を紡
ぐ子育て支援として」昨年11月に発表された新3本の矢の2本目に位置づけられ、現在の合計
特殊出生率1.4から希望出生率1.8の実現を目指すことが示されました。希望どおりに結婚が
できない状況や、希望どおりの人数の子どもを持てない状況を抜本的に改善するために若者の雇
用、経済的基盤を改善するとともに、仕事との両立ができる環境づくりと、結婚から妊娠、出産、
子育てまで、切れ目のない支援を行う必要があるという認識のもとさまざまな施策が検討されて
います。子育て世帯の支援を行うことは女性の社会での活躍を後押しすることにもつながり、ま
さに成長戦略の中核となっていくものであります。
区長は、今回の招集挨拶において、平成26年中の本区の合計特殊出生率が1.34と、23区
平均より高く、当区の5年前の水準と比べても高くなっているという点を強調されましたが、平
成26年の全国の合計特殊出生率は1.42です。今後、目標とする数値が1.8になるわけです
から、確かに都内では比較的高い水準ではありますが、1.34という数値に満足することなく、
今後も持続的に合計特殊出生率を上昇させられるように努力をしていかなければならないという
ことは改めて認識しておかなければなりません。
次世代育成に関する取り組みは日本全体が抱える大きな課題の1つとして認識されてきている
だけでなく、一億総活躍社会の実現に向けても、子育て世帯の家庭を支える意義の重要性は日ご
とに増してきています。
平成24年8月に、子ども・子育て支援法を初めとする子ども・子育て関連三法が成立し、昨
年4月から新たな子ども・子育て支援制度が始まりました。本区においても、子どもが健やかに
育つための環境の確保に関する条例を制定したところであります。
次世代育成に関する取り組みは多岐にわたっておりますが、今回は保護者が仕事等により昼間
家庭にいない小学校に就学している児童に対して、放課後適切な遊びや生活の場を提供して児童
の健全な育成を図るための施設である学童クラブについて質問したいと思っています。
現在、千代田区における学童クラブは区立が4、アフタースクールとして区立小学校などに設
置された民営のクラブが7、そのほかに民営学童クラブが3つあり、あわせて14カ所の学童ク
ラブが運営されています。平成27年5月時点で合計757人の児童が在籍をしています。通常、
学校の授業が終わった後クラブで過ごすわけですが、夏休みなどの長期休業期間中は朝から夕方
3
までクラブで過ごすことになり、年間トータルで考えると授業が比較的早く終わる低学年の児童
などは学校で過ごす時間よりも学童クラブで過ごす時間のほうが長くなるケースもあります。し
たがって、子どもたちに安全で安心な生活を保障する学童クラブの役割と、それに携わる指導員
の責任は非常に大きなものとなっています。学童クラブは毎日長時間生活をする施設にふさわし
く整備・運営されていかなければなりません。
そこで質問いたします。千代田区では、学童クラブの役割をどのように捉え、施設を整備して
きたのでしょうか、その考え方をお聞かせください。
次に、学童クラブの適正規模について伺います。
区長は招集挨拶において、平成28年度においてはまずは仕事と子育てを両立するための保育
園、学童クラブの待機児童ゼロの継続を目指すということを述べられました。今後、保育園と同
様に学童クラブの利用者は一層の増加が見込まれています。しっかりと必要な数の施設を確保し
ていかなければなりませんが、その一方で、学童クラブの大規模化という問題も出てきています。
学童クラブにあっては規模において明確な基準は定められていませんが、児童にとって生活の場
所であるという基本的な観点から1クラス40人程度が適正であると言われています。学童クラ
ブでは、一人一人の子どもの健康や安全を守り、指導員には子どもとの人間的なかかわり、援助
や働きかけが求められます。
現在の状況を見ると、富士見わんぱくひろば学童クラブが、本来70名定員のところ教室を1
部屋増やすことにより、現在は合計100名の定員で運営されています。平成27年度は定員ぎ
りぎりの100名が在籍しています。また、千代田小学校内のアフタースクールさくらは、定員
70名のところに平成27年は80名が在籍しているという状況です。子どもたちの健やかに育
つための環境確保という観点から非常に厳しい状況であるということは容易に想像できるもので
す。
そこで質問いたします。千代田区次世代育成支援計画では、分割などにより大規模クラブの適
正規模化を図ることとしていますが、千代田区として大規模クラブとはどの程度の規模の学童ク
ラブを指しているのでしょうか、また、適正規模とはどのような規模と考えているのでしょうか、
あわせてお示しください。
現在、多数の子どもが在籍している学童クラブを安易に分割したり、定員を削減したりできる
ものではないと考えます。適正規模化に向けた具体的な道筋と現在の進捗状況についてもお答え
ください。
大きな学童クラブに子どもたちが集まってしまっている一方で、極端に在籍人数が少ない学童
クラブも出てきています。グローバルキッズ飯田橋クラブでは、平成27年4月の開設というこ
とでまだ新しい学童クラブですが、初年度は定員60名に対し7名しか在籍していません。2年
目の来年度はもう少し児童が増える見込みと聞いておりますが、徒歩圏内にある富士見わんぱく
ひろば学童クラブが、先述のとおり、本来の定員を大きく超える100名が在籍している点を考
えると、グローバルキッズ飯田橋クラブが立ち上げとなった当初の広報の仕方など、問題があっ
たのではないかと考えざるを得ない状態です。今後、グローバルキッズ飯田橋クラブの認知が進
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んでいく過程で、この偏りも徐々に解消されていく可能性はありますが、もっと区として積極的
にPRしていくべきであり、また人数の調整なども行う必要があったのではないかと考えます。
そこで質問いたします。このような偏りができてしまっている状況に対して区ではどのような
認識を持っているのでしょうか。その原因は把握しているのでしょうか。そしてクラブによる子
どもの偏りを是正するために何か具体的な取り組みはしているのでしょうか。区が主体的に利用
者に対して適切な情報の提供を行っていかなければ、せっかく多額の予算を割いて学童クラブを
新設したのにもかかわらず利用者がいないという残念な状況をつくってしまいます。開設後すぐ
に利用率を高める取り組みをしなければならないと考えますが、いかがでしょうか。今後の対策
も含めてお答えください。
次に、学童クラブの運営・指導面についてお伺いいたします。
学童クラブは先述のとおり、区立や民営が混在する状況となっています。それぞれの学童クラ
ブが独自のカリキュラムや特徴を発揮するのはよいことである一方で、区として公平性を担保し
なければならない側面もあります。千代田区次世代育成支援計画において、就学前教育について
は、公立、私立の連携強化が条例化されており、保育の実施主体の違いにかかわらず等しく良好
な子育て環境が確保されるよう取り組みを実施するとしています。こうした取り組みは就学後の
生活の場である学童クラブにおいても必要な視点ではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。区立と民営の学童クラブが混在する中で、指導員の保育力・指導力
の向上について、区ではどのように考え、取り組んでいるのでしょうか、お聞かせください。
最後に、保護者からのニーズの対応についてお伺いいたします。
現在、千代田区の学童クラブでは、一度学童クラブに来た児童が習い事などで学童クラブを退
室した場合、習い事などが終わった後にまたクラブに戻ってくることはできないことになってい
ます。リスク管理の面で現在対応していないことは承知しておりますが、例えばファミリーサポ
ート事業を活用して送り迎えをした場合など、何らかの条件をつけることによって受け入れを可
能にすることはできないのでしょうか。直接保護者の方々とお話をすると、多くの方が習い事な
どのスケジューリングで悩みを抱えているという現状がわかります。習い事などが終わった後、
特に、夕方の5時以降に子どもが一人で過ごさなければならない状況を心配する保護者の気持ち
を考えると、何とかいい方法を探さなければならないのではないかと考えます。こうしたニーズ
は今後も増えていくでしょう。時代の流れや生活スタイルの変化からニーズは今後も変化し多様
化していくでしょう。それらの全てに対応することは難しいことではありますが、良好な子育て
環境の確保のための選択肢を少しでも増やしていくという努力は常にしていかなければならない
と考えます。
そこでお伺いいたします。こうしたニーズの変化への対応を千代田区としてどのように捉えて
いるのでしょうか、今後の可能性も含めてお聞かせください。
以上、学童クラブについて質問をいたしました。区長並びに関係理事者の前向きな答弁をお願
いし私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
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○子ども部長(保科彰吾君)
大坂議員の学童クラブに関するご質問にお答えいたします。
まず1点目の学童クラブの役割と施設整備の考え方についてでございます。
学童クラブは、かつての鍵っ子対策というだけではなく、家庭的な雰囲気の中、異年齢の児童
がともに成長し、自主性、社会性、創造性の向上や基本的な生活習慣の確立を図る健全育成の場
であると認識をしております。こうした役割を十分に果たせるよう施設の整備のみならず有資格
の職員の配置などに取り組んでいるところでございます。
また、2点目の大規模学童クラブの適正規模化についてでございますが、子ども・子育て新制
度の中で、児童一人につきおおむね1.65平方メートル以上という面積基準のほか、40人を1
つの支援単位とする仕組みに変わりました。そのため学校における学級とは異なり、例えば、在
籍児童数80人のクラブは、学童クラブ室は1室であっても2単位で運用しており、したがいま
して、1単位40人以下が適正規模となり、どのクラブも1単位で40人を超える学童クラブは
ございません。また、学童クラブ在籍児童は必ずしも毎日出席されるわけではございませんので、
こうした基準を遵守した上で学童クラブの待機児童ゼロを目指して定員のおおむね2割の弾力化
を実施しているところでございます。
次に、3点目の新規クラブの利用率向上策についてでございますが、ご指摘の在籍児童数が定
員に満たない学童クラブがあることは、学童クラブは保育所併設型として整備したものでござい
まして、兄弟姉妹関係を考慮し、保護者の保育園と学童クラブへの同時にお迎えできる利点を勘
案し、整備したものでございます。学校施設内から外に出ることのない、安全で安心な学校施設
内学童クラブのニーズは高く、これまでもご指摘のような学校施設外の学童クラブにつきまして
は、学年進行に従いまして満室までおおむね3年程度かかっておりましたが、PR不足とのご指
摘は受けとめさせていただきまして、民営学童クラブの独自事業についての説明会の開催等、利
用率が向上するようPRに努めてまいります。
4点目の指導員の保育力・指導力の向上についてでございますが、民間学童クラブでは、保育
士、教員免許などの資格を持った職員を配置し、研修会に参加するなど、資質の向上に努めると
ころでございます。区では、保育園と同じく、公立、私立の別なく、等しく質の高い学童クラブ
運営がなされることは極めて重要と考えておりまして、連携を強化することはもとより、合同研
修会の開催など、さらなる指導力の向上が図られるよう努めてまいります。
最後になりますが、習い事等で途中退室し、もう一度戻ってくる、いわゆる中抜けについてで
ございます。現在は中抜けしてさらに学童クラブに戻ってくる児童の行動が把握できず、児童の
安全が担保できないことから、寄り道をせずに真っすぐ自宅に帰るよう指導しているところでご
ざいます。保護者から中抜け後の再入室についてのご要望があることは存じ上げておりまして、
ご提案のような手法を含め、児童の安全確保を第一義にとり得る手段について検討してまいりま
す。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、8番池田とものり議員。
〔池田とものり議員登壇〕
○8番(池田とものり議員)
平成28年第1回区議会定例会におきまして、自由民主党議員団
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の一員として一般質問を行います。
日本の65歳以上の人口は3,000万人を超え、高齢者の割合が国民の約4人に1人という世
界一の高齢社会に突入しています。こうした現状に対応するため、高齢者が可能な限り住みなれ
た地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように地域全体でサポートを行
う、地域包括ケアシステムの構築が進められております。千代田区においても高齢者は1万人を
超え、そのうち約2割の人が要介護認定者に当たります。今後さらに要介護人口が増加すること
が予想されている中で、人口の8割がマンション住まいという特性や、高齢者のみの世帯の増加
に伴う孤立化などの課題を踏まえた対策の具現化が喫緊の課題となっております。
こうした中で、昨年11月旧区役所跡地に千代田区立高齢者総合サポートセンター「かがやき
プラザ」が竣工しました。九段坂病院と合築したこの施設は、24時間365日の体制で高齢者
やその家族の皆さんが在宅生活や在宅介護の相談をいつでもできる、住みなれた地域で安心して
暮らすことができるよう総合的に支援する施設としてスタートしました。石川区長も、今日の千
代田区の礎を築き上げていただいた高齢者の皆さんへの感謝の思いを込めて整備したというこれ
からの千代田を代表する施設の1つになっていくことと思います。
かがやきプラザは、1、高齢者の相談拠点、2、高齢者活動拠点、3、人材育成・研修拠点、
4、多世代交流拠点の4つの機能を有しており、特に高齢者の相談拠点機能と九段坂病院が有す
る在宅ケアの機能などと緊密な連携により介護と医療の両面から総合的に高齢者の在宅療養を支
えていくものであると認識しております。
かがやきプラザについては、高齢者活動センターなど、新年から本格的な活動が始まっており、
まだ2カ月も経過していない中で今までとの数値的な比較を求めるものではありませんが、これ
までの状況や今後の取り組みについてお尋ねいたします。
最初に、かがやきプラザ全般の機能についてですが、医療と介護の連携については、併設する
九段坂病院はもとより、ほかの医療機関、特に区の医師会とも十分な連携を図りながら進めてい
くことが重要と考えます。24時間365日高齢者の医療を含めた相談から入院など具体的な対
応にワンストップでつなげていくことができることは、区民の安全・安心な生活の確保の観点か
らも大いに評価されるべきものと考えます。かがやきプラザ開設以降の九段坂病院との連携体制
及び取り組みについて、現状と今後について区の考えをお答えください。
また、これまで麹町と神田それぞれで展開しているあんしんセンターとも連携した対応の在宅
支援課及び相談センターや社会福祉協議会、さらにはシルバー人材センターが同じ建物に入り、
これまで以上に緊密な事業の連携が図られていくものと期待いたします。
そこでお尋ねいたします。各組織と一体的な取り組みを図るための連携体制について現状をお
答えください。
次に、高齢者活動センターについてお尋ねいたします。
かがやきプラザには、これまで神保町において約40年にわたり区民に愛されてきた高齢者セ
ンターが新たに高齢者活動センターとしてオープンし、これまでにも増して区民に親しまれる施
設として運営されていくことが求められております。そのためには、九段下という交通の利便性
7
やリニューアルした風ぐるまの活用などにより利用者の拡大を図っていくことや、これまで利用
が少なかった団塊の世代の方により多く参加いただくための具体的な取り組みを進めていく必要
があります。特にこれまでのカルチャーセンター的な講座、講習会に偏りがちであったセンター
事業に、団塊世代の皆さんには参加いただくだけでなく、その方々が持っているさまざまな能力
を活用、発揮していただくことは、今後のセンター運営において大変有意義なことであると考え
ます。私も15年後にはその中に入り、私がこよなく愛するけん玉を皆さんと一緒に楽しみたい
と思っております。
高齢者センターは、平成26年度事業報告書によれば登録者数約1,240人、施設利用者年間
で延べ5万5,000人となっていますが、かがやきプラザに移り、オープン後間もない期間では
ありますが、新たに利用される方の状況や、今後の利用拡大に向けた対策についてお答えくださ
い。また、団塊の世代の参加を促進するための方策や今後の取り組みについてお答えください。
かがやきプラザには、新たに人材育成・研修機能と多世代交流機能が設けられています。福祉
人材の確保が大きな課題となっている中で、専門職の確保とスキルアップはもとより、身近な地
域の中において住民同士や家族間で支援ができるように介護に関する知識や技術を身につけるた
めの研修を行うなど、一体的な取り組みが求められているのではないでしょうか。来年度から本
格的な実施体制になると思われますが、研修室の有効的な活用など、基本的な取り組み姿勢及び
来年度以降の事業計画も含めてお答えください。
また、多世代交流拠点としてかがやきプラザが単に高齢者だけを対象とした事業だけでなく、
幅広い年齢層の区民が集い、相互の理解を深めていくことはとても大切なことと考えます。高齢
者の多くは若い世代との交流を求めているとお聞きしたことがあります。そのための場所の提供
や、高齢者を初め、子育て世代や障害者向けのイベントの実施など、かがやきプラザのPRも含
めて継続的な事業推進を図っていくべきと思います。ひだまりホールの活用も含め、多世代交流
事業の実施状況及び今後の取り組みについてお答えください。
続きまして、千代田バリアフリーマップについてお尋ねいたします。
今年度中に区内の8区画、来年度には大丸有の地下街のエリアを含め10区画に分けられ、区
内全域を網羅した5冊のバリアフリーマップが完成いたします。それぞれに各所を歩き調査し、
交通機関の各駅や公共施設のバリアフリー情報はもとより、裏通りの坂道の傾斜などまで事細か
に記載されています。また、車椅子やベビーカーでの移動には欠かせないエレベーターの設置箇
所やスロープの有無、店舗や商業ビルの出入り口の段差情報など、これまで障害者や高齢者、歩
行が不自由な方向けに記されています。
さて、世界の都市総合年ランキングで東京はロンドン、ニューヨーク、パリに次ぐ4位ですが、
舛添知事も世界一の都市に押し上げるために掲げる、さまざまな政策の1つに観光を取り上げて
います。
昨年、自民党議員団では東日本大震災で被災したいわき市を訪問視察いたしました。いわき市
長との懇談では、完全復興を目指す熱い思いを受けとめながら、私たちにできる支援は何かを改
めて考えさせられました。そのいわき市の小名浜に所在し、津波の被害で90%の魚を失ってか
8
らわずか126日でスピード再開できたアクアマリンふくしまでも、インバウンド向けに英語、
中国語、韓国語の館内案内マップが用意されていました。千代田区が推進している現況のバリア
フリーマップも多言語化への対応に向けスピード感が必要なのではないでしょうか。
とはいえ、例えば「授乳室」というワードを多言語に変換するのにも時間と労力が必要です。
その表記で間違いなく伝わるのか、有識者からの監修も必要かもしれません。オリンピック・パ
ラリンピック開催時にはもちろんですが、既に迎えている来街者が東京の玄関口千代田区に求め
ているものではないのでしょうか。そして2020年には見直し更新を重ねた最新のマップが各
所で手にとれることと思われます。今後の区の取り組みについてお答えください。
以上、これまでの、そしてこれからの世代をつなぐため、千代田のレガシーとなるべく前向き
の答弁を区長並びに関係理事者に求め、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔保健福祉部長松本博之君登壇〕
○保健福祉部長(松本博之君)
池田議員のバリアフリーマップについてのご質問にお答えいた
します。
昨年、第3回定例会に千代田バリアフリーマップについてご質問をいただいた際に、マップを
作成している団体にさまざまな援助が必要になれば区としてもさらなる支援をしていくとご答弁
いたしましたが、平成28年度の当該事業予算は実地調査や外国語への翻訳作業などにかかるボ
ランティア増員に充てる経費などについて増額しており、外国語版の作成につなげていく内容と
なっております。また、当該作成団体は、現在ボランティア団体からNPO法人化に向けて準備
をしており、団体の体制強化を図っているところでございます。マップの多言語化に関する今後
の取り組みですが、平成28年度は、スケジュールや翻訳言語、地域・場所、掲載する情報内容
など、詳細について検討を進め、平成29年度から順次作成していく予定になっております。な
お、情報収集に当たっては従来から区内の大学や企業にボランティアを募って作業を進めており
ますが、多言語化に向けましても、社会福祉協議会を初め、さまざまなボランティアの協力によ
り作成を進めていく予定でございます。
多言語化もスピード感が必要とのご指摘でございますが、2020年のオリンピック・パラリ
ンピックまでに全てのマップの多言語化がなし遂げられ、その時点で最新のマップをお配りでき
るよう取り組んでまいります。
〔高齢者総合サポートセンター担当部長門口昌史君登壇〕
○高齢者総合サポートセンター担当部長(門口昌史君)
池田議員のかがやきプラザに関するご
質問にお答えいたします。
まず、九段坂病院との連携体制の現状と今後についてですが、相談センターでは、高齢者のさ
まざまな相談を24時間体制で受け付け対応に当たっており、医療的対応が必要な場合には、同
じフロアの九段坂病院医療連携室等を窓口として病院で検査や治療を受ける連携体制を整えてお
ります。また、相談センターからは必要に応じ回復期リハビリテーション病棟への入院や訪問・
通所リハビリテーションの利用などを勧め、高齢者の在宅生活と機能回復を支援しております。
さらに、合築を機に高齢者活動センターでの健康相談も病院医師が行うなど、多方面での連携を
9
進めております。また、九段坂病院との定期的な連絡会により、在宅ケア拠点の運営状況の把握
や相談センターと病院との連携ケースの検証も総括調整者を交えて行っております。
今後、区民、学識経験者、保健、医療、福祉関係者、行政職員から成る評価委員会を設け、評
価・検証を行うことにより、区と九段坂病院がより一層連携していけるよう努めてまいります。
次に、各組織との連携体制についてですが、高齢者あんしんセンターとの定例の連絡会には開
設以後相談センターも参加し、個々のケースワークだけではなく、組織全体として共通認識を図
っております。建物内の社会福祉協議会、シルバー人材センターとは定期的な会議の場を設け、
お互いの事業の情報交換を行い、各組織がさまざまな視点からより一層の連携を図り、取り組み
を進めていけるよう努めております。
次に、団塊の世代を含む参加促進や高齢者活動センターを新たに利用される方の状況や今後の
医療拡大に向けた対策についてですが、新たな利用拡大を図るべく、利用説明会の実施や同好会
体験・見学会などを1月、2月と開催しております。昨年度1年間で180人であった新規の利
用者登録者数は1月で100人を超えております。また、平日は忙しい方でもご利用いただける
ように、日曜日の閉館日を原則第一日曜日のみ見直し開館日を増やす取り組みも行ったところで
す。今後、幅広い内容の講座が学べるように従前の高齢者大学を改めたかがやき大学では、文学、
健康長寿など5つの学科制とし講座を増設するなど、講習会の拡充を図ってまいります。
まだまだお元気な団塊の世代の方々には、活動の場とボランティアや就業の機会の場も提供す
ることで、支えられるだけではなく、支えられる側としての社会参加も図ってまいります。
次に、研修室の有効的な活用など基本的な取り組み姿勢及び来年度以降の事業計画についてで
すが、研修センターでは、介護や福祉の質のレベルアップ等を目指し、介護職や家族介護者向け
の研修を行うほか、介護・福祉の資格取得支援や、一旦職業を離れた方の復職支援を行い、地域
における人材の育成・確保を行ってまいります。また、研修室の有効活用として、研修やかがや
きプラザでの事業に使われていない場合には、地域の皆様などにご利用いただけるように検討を
行ってまいります。
最後に、ひだまりホールの活用も含めた多世代交流事業の実施状況及び今後の取り組みについ
てですが、今年度は誰でも参加できる新春お楽しみ会や子どもたちと区内企業との交流会、活動
センターの各事業のワークショップなどを実施しております。今後、子どもから高齢者の方まで
多くの方がこの施設で集い、出会い、交流する機会や場となるような事業、イベントを実施して
まいります。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、3番岩佐りょう子議員。
〔岩佐りょう子議員登壇〕
○3番(岩佐りょう子議員)
第1回定例会に当たり、質問を行います。
高齢化が進行し、グローバル化が進む中で、生活様式が変化し、人々の価値観が多様化するこ
とに伴って地域での課題も多様化、複合化しており、行政が全ての地域課題に応えることは不可
能であることは言うまでもありません。将来に対する不安感、自己中心的な考え方や行動が問題
になることが少なくない一方で、誰かのために働きたいと思い行動する人が確実に増えています。
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ボランティア活動への関心が高まり、さまざまなNPO活動が活発になっています。行政ではな
く個人でもないNPOに代表される第三セクターは、現代社会において確実に存在意義を増して
おり、これらの活動を抜きには豊かな地域社会は実現できないと言っても過言ではありません。
これまでも地域に密着した行政サービスを展開するため、各自治体は地域コミュニティ組織と
の間で多くの協働関係を築いてはいましたが、有志でつくる市民活動団体であるNPOとの協働
は課題となってきていました。
千代田区はいち早くこの現実を捉え、NPOやボランティア、企業、大学など、区内の多様な
主体の共生を区政の柱とし、平成15年には他自治体に先駆けて千代田区NPO・ボランティア
との協働を進めるための基本方針を策定しました。この基本方針は、区との協働のみならず地域
との協働にも言及した画期的なものだと思います。しかし、この方針が示された後、それに基づ
く実践が伴っているとは言いがたく、打ち上げ花火のようになっていることは残念でなりません。
NPOとの協働が形式的になっている状況は否定しようもないのです。
1998年に特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が成立してから18年、国内のNPO
の数は5万を超え、NPO、ボランティアを取り巻く環境は著しく変化し、活動も多様化、高度
化して社会的な認知も向上しています。また、千代田区では、社会福祉協議会が設置するボラン
ティアセンターが活発に活動をしており、一定の成果を上げています。昨年11月からはかがや
きプラザに拠点を移し、これまでにも増して多くの方が遅い時間まで活動されています。しかし、
その活動がいかに活発であっても、少子高齢社会が急速に進行する中では、ボランティアセンタ
ーだけでは十分とは言えません。公共財・サービスの量的・質的サービス維持のために、NPO、
住民との協働は必須であり、その協働のあり方について各自治体、NPOと大きく考える時期に
来ており、千代田区としても見直した上、新たに関係を築いていく必要があります。
現在、区が取り組んでいるボランティア支援とNPOとの協働は社会福祉協議会のボランティ
アセンター支援に偏重しており、NPOの把握や支援が後手になっていると言わざるを得ません。
すなわち活動や交流の場、PRや情報提供はできるものの、NPOへの実務的なマネジメント支
援やコーディネートやマッチング等の協働推進事業の拡充がやりにくくなっております。
この点、NPO活動と協働方針を示すのは千代田区より遅かったとはいえ、中間支援専門組織
にNPO支援事業を委託した新宿区では、NPO支援という点において目覚ましい成果を上げて
います。その活動は活動スペースの提供と相談事業のほか、年40回の講座事業と交流事業、年
5回のキャラバン事業、年2回のシンポジウムをやっており、その傍らにNPO、NGOの国内
外のネットワークに着目した災害復興プラットホームのスキームの構築、近隣大学との連携、地
域交流のためのカフェの運営、交流サロン、交流パーティーと、専門的な上に幅広く、また相談
件数やコーディネート、マッチング件数にも着実な増加傾向が見られています。他の自治体に先
駆けてNPOとの協働を示した千代田区が、その後の取り組みでは周回おくれになってしまって
いることは大変残念なことです。地域課題の解決には、NPOなど、多様な主体を積極的に活用
することが必要だという認識のもとで、千代田区がいま一度考える必要があると思います。
NPOの数は増えてはいますが、多くのNPO法人は人材、資金ともに不足しており、運営が
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安定しないという課題を抱えており、それは千代田区として例外ではありません。NPOをとも
に地域を支えるパートナーとして支援をしていくのであれば、NPOが存立、存続、発展した上
で行政と協働できるような社会環境基盤を整備するため、現在、社会福祉協議会による一括的、
包括的支援となっているボランティア支援事業とNPO支援事業を切り分けた上で、NPOに対
し多元的、専門的支援ができるよう見直していく必要があるのではないでしょうか、見解をお聞
かせください。
また、区内NPO、NGOの拠点の一元化も必要ではないかと考えます。現在は社会福祉協議
会、男女共同参画センターMIW、九段生涯学習館、プラットホームスクウェアと、それぞれに
活動拠点を置いているNPOがあり、登録団体同士あるいは地域との交流が建物ごとになってい
ます。活動の場を提供する支援だけにとどまらず、環境基盤整備や協働事業を拡充するためには、
支援のあり方の見直しと同時に、一度区内で活動しているNPO、NGOの調査・把握し、情報
を一元化してはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
次に、プロボノの活用についてお伺いします。プロボノとは、公共のためにを意味するラテン
語のPro Bono Publicoに由来する言葉で、職業を通じて培ったスキルや知識を提供するボランテ
ィア活動のことです。言うなれば従来のボランティアは労力、作業によるボランティアであり、
プロボノは専門スキルによるボランティアです。もともとの語源、起源は欧米における弁護士の
無料法律相談で、日本でも法曹界におけるプロボノが始まりですが、現在は提供されるスキルは
多岐にわたり、財務や人事マネジメントから業務の効率化、ホームページ作成やフェイスブック、
ネット環境整備、広報、デザイン等、幅広く多くの方が活躍しています。
単純にプロがやるボランティアではなく、専門家や企業人がそのスキルをNPOや地域コミュ
ニティ等の非営利の分野で生かすことによって、NPOや地域コミュニティへの支援のみならず、
さらにボランティアをする側、プロボノ側にとってもやりがいや問題意識の共有、職場以外のネ
ットワークや居場所ができるなどの利点が挙げられており、企業が敏腕ビジネスパーソンをNP
Oへ派遣するといった活動が広がっています。
私が参加しているNPOも弁護士が運営しているので法的な問題や財務関係、プレゼンは難な
くできていますが、ボランティアを募集するためのチラシ作成やホームページ運営などはからき
しで、少ない活動資金の中で困っていたところ、プロの方にデザインも含めて作成していただき
ました。まさにプロボノの方に支援していただいた事例です。NPOや地域コミュニティが行政
とは違う視点から公共課題、地域課題を発見し、新たな公共事業やサービスの展開をしていくた
めには、団体自身がしっかりと力をつけていなければなりません。その観点からプロボノに関し
てはパナソニックなど、大企業が積極的に取り組み、NPO支援のあり方として注目されていま
す。しかしまだまだ不十分です。
このような状況の中で、東京都が多様な主体による地域課題の解決を目指してプロボノを活用
した地域支援プロジェクトを試行しています。その支援内容は、ウェブ制作からマニュアルの作
成、マーケティング調査、業務改善等、団体支援全般であり、現在は各区から推薦された団体が
中間支援組織によるマッチングを経てプロボノによる援助を受けています。このプロジェクトに
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より、地域でこども食堂を開催していたNPOは、利用者の利便性もさることながら、ボランテ
ィアに参加している側も効率よく仕事をしやすくなり、継続的、安定的な開催ができるようにな
ったと話しておられました。東京都がプロボノ活用の事例紹介を兼ねてマッチングをしています
が、地域課題や地縁団体を一番把握しているのは区であり、地元自治体である区がマッチング、
コーディネートをすることをNPOや地域コミュニティは望んでいます。これまでに地域課題を
解決するためには、町会や商店街などが地域のために地道に活動し活躍してきました。しかし、
このような従来からの活動主体においても高齢化が深刻な課題になっています。ホームページ作
成や業務フローの見直しどころか、通常の事務作業も大変になっていく団体において、プロボノ
の活用は地域支援の有効な手段であるとともに、多世代との新たなコミュニティづくりの可能性
を秘めています。
千代田区には多くの大企業や専門家の事務所があり、都内でも屈指のビジネスマンが集まって
おり、プロボノに関する意識の高い企業も多く、希望者も見込まれます。現にプロボノへの関心
はその認知度とともに高まっており、希望者も増えていますが、その多くはいわゆる労力提供型
のボランティアについては未経験の方が多いそうです。地域住民と在勤の方の交流としても期待
できることから、プロボノを生かした地域支援、NPO支援の仕組みづくりをしてはいかがでし
ょうか、お考えをお聞かせください。
また各種の調査によれば、千代田区民は、高収入、高学歴だと言われています。在勤者もさる
ことながら、千代田区内にはリタイア後も高いスキルやご経験を有し、長年培った仕事の経験を
生かして社会に貢献したいと思われる方がたくさんいらっしゃるはずです。高齢化が進行する中
で、健康寿命を延ばすためには社会参加が有効な手段であることが明らかになっています。した
がって、今年度開設したかがやきプラザの活動センターやシルバー人材センターが高齢者の社会
参加の機会を増やすために仕組みをつくることによって、これまで千代田区が取り組んできた介
護予防をさらに効果的に進めることになるのではと考えています。また、地域包括ケアシステム
を高度に機能させるためには、アクティブな高齢者が経験や専門性を生かして多様な主体に参画
し、地域包括ケアシステムの推進に貢献することが求められていると言えます。千代田区が区内
に数多くいる有為な人材を活用するためのプロボノ活動に取り組むことで豊かな地域社会の実現
につながるのではないでしょうか。高齢社会の進行、介護予防による健康寿命の延伸という観点
から、プロボノに積極的に取り組んではいかがでしょうか、見解をお聞かせください。
以上、豊かな地域社会の実現の向けて、NPO、プロボノと地域、人がしっかりと連携できる
仕組みづくり全般についてお伺いしました。前向きなご答弁を期待して質問を終わります。あり
がとうございます。(拍手)
〔区長石川雅己君登壇〕
○区長(石川雅己君)
岩佐議員のご質問にお答えいたします。
NPOと区の協働あるいは支援についてのご質問だと思います。
ご質問の中にもありましたように、豊かな地域社会をつくっていく上でNPOの役割、活用は
大切だと思っております。とりわけ福祉や環境など、社会的課題が複雑化している中で、社会的
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ニーズに十分対応し活力に満ちた魅力あるまちを目指すためにもNPOの役割と位置づけは大切
だと思っております。そのために平成14年に専門家によりまして、NPO・ボランティアとの
協働に関する提言をいただき、それを受けて千代田区で15年に協働を進めるための基本方針を
策定したわけでございます。
NPOは、ご承知のとおり、公と民間以外の第三の公共的なセクターと言われております。す
なわち不特定多数の利益の増進を図り、社会的な課題の解決を目指す民間の非営利組織でありま
して、まさに第三の公共的セクターだというふうに思っております。とりわけNPOの活動はさ
まざまな活動団体をマッチングさせていくと有効な組織であると認識をしております。一方では、
NPOは自発的、自立的な活動組織であります。この15年の方針の中にありましたように、中
間組織等、他の機関と連携しながら自立に向けて活動支援を推進するという方針が出されており
ますが、必ずしもそれが十分に行われてないのが事実だろうと思います。今後そうしたことを踏
まえながら、中間組織等についてあり方を十分に検討してまいりたいと思います。一方では、区
との協働については担当部長からも説明があると思いますけど、かなりNPOとの協働は進んで
きております。しかし、NPOそのものを支え、支援するという意味では中間組織というのが重
要だろうと思いまして、さまざまに千代田区ではそうした組織がありますけど、そこの横串が必
ずしも十分できてないというふうに思っております。
この件に関しましては、詳細については関係理事者をもって答弁をいたさせます。
〔保健福祉部長松本博之君登壇〕
○保健福祉部長(松本博之君)
岩佐議員の健康寿命の延伸という観点からのプロボノへの取り
組みについてお答えいたします。
世界保健機関WHOの憲章でも、健康とは病気ではないとか弱っていないということにとどま
らず、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも満たされた状態にあることであるという趣旨が
うたわれておりますとおり、健康寿命を延ばすために高齢者の社会参加が必要であるということ
はご指摘のとおりであると考えております。プロボノ活動は、高いスキルを有する区民や在勤者
が多いという本区の特性を生かした社会参加の形態として、個人の健康寿命の延伸という面でも、
また、今後一層高齢化が進行する社会における地域づくりという面でも大変有効であると思いま
すので、その推進に向けて積極的に取り組んでまいります。
〔コミュニティ振興担当部長吉村以津己君登壇〕
○コミュニティ振興担当部長(吉村以津己君)
岩佐議員のご質問に区長答弁を補足してお答え
をいたします。
NPOに対する多元的、専門的支援、NPO等の情報の一元化についてのご質問ですが、平成
15年に策定したNPO・ボランティアとの協働を進めるための基本指針において、NPO等と
の協働に関する基本的な考え方を整理するとともに、この基本方針に基づきNPO等と区との協
働の仕組みである政策提案制度を活用するなど、文化、環境など、さまざまな分野においてNP
O等と協働を進めてきたところでございます。
政策提案制度につきましては、これまで20件の提案が協働事業として具現化されてまいりま
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した。加えて近年では、NPOの活動が社会的にも広く認知され、区が抱えるさまざまな分野の
課題について、個別にNPOと区との協働事業を展開する事例も出てきております。
こうした中、平成25年には、区内に事務所を置くNPO法人を対象にアンケートを実施して
おり、そこでは区との協働事業について7割の団体が前向きな回答を寄せるなど、潜在的なニー
ズがあることをうかがわせる結果も出ております。今後は、引き続き区内のNPO活動に関する
実態を調査し一体的な把握に努めるとともに、実態を踏まえ、議員ご指摘にもありましたが、新
宿区における中間専門支援組織の事例も参考にしながら、政策提案制度の見直しも含めて、NP
Oに対する多元的、専門的な面も含めた側面的支援について検討を進めてまいります。
次に、プロボノを活用した地域支援、NPO支援についてのご質問ですが、昨年末に取りまと
められたコミュニティ施策の一元的推進に向けた提言において、区の地域コミュニティ活性化の
現状と課題として、80万人を超える在勤・在学など、昼間区民の潜在能力の活用が不十分なこ
とや個人単位での地域活動への参加が低調であることなどが挙げられています。また、平成26
年3月の生涯学習推進委員会議からの意見書においても、人材育成、派遣制度の構築の項で、N
PO等との連携を図ることが大切であるとされております。こうした課題を踏まえ、区が目指す
べき地域コミュニティの姿として「住みやすい、居心地のよいまち」という目標実現のため、在
住区民と昼間区民との連携や、個人単位での地域活動への参加促進などを進めていくという方向
性が示され、現在、区として具体的な方策について検討を行っているところです。
議員ご指摘の専門家や企業人がそのスキルをNPO活動や地域コミュティなどの分野でボラン
ティアとして活用するプロボノについては、昼間区民のスキルの活用による地域コミュニティの
活性化につながる可能性を持つとともに、在勤者などが個人単位でNPO活動や地域活動に参画
するための手法の1つであり、昼間区民も含めた多くの区民が地域の課題解決に向け参画してい
くための有効な手段となり得ると考えております。
今後は、ボランティア活動を支援するボランティアセンターとも連携しながら、地域の実情や
特性を踏まえ、地域課題を解決する手法としてのプロボノの活用について研究してまいりたいと
思います。
○議長(戸張孝次郎議員)
午後1時59分
議事の都合により休憩します。
休憩
15
午後2時10分
○議長(戸張孝次郎議員)
再開
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。
4番寺沢文子議員。
〔寺沢文子議員登壇〕
○4番(寺沢文子議員)
初めに、小口電力自由化について質問いたします。
2016年4月から50キロワット以下の個人宅、施設などの電力小売市場が完全自由化され
ます。家庭でも各自治体でも契約先を選べるようになります。2月23日現在、199社が小売
業者に登録されていると報道されました。千代田区の小口電力を利用している対象施設は集会室
など8カ所とのことです。区は全国で初めてCO 2 排出量削減対策目標を掲げ、千代田区温暖化
対策地域推進計画の中で「エネルギー利用によるCO 2 排出ゼロのまち」を将来像と定めていま
す。また、地球温暖化対策条例を制定し、2009年、国から環境モデル都市に選定された自治
体として、区民に率先して新電力事業者の入札条件として電源構成を明らかにさせ、再生可能エ
ネルギー比率の大きな事業者と、言いかえれば温暖化対策にプラスになる電源の確保を特徴とす
る事業者と新しく契約してはいかがでしょうか。
今回の自由化で電源構成を区で選ぶことができる自然エネルギー供給事業者は、現在約10社
程度と思われますが、今後拡大していくようです。小施設で小口の電力ゆえ事業者を変える効果
は金額的には少ないと思われますが、CO 2 削減に貢献する事業者を選定することで、環境問題
に真摯に取り組む区の姿勢を明らかにし、区民への啓蒙、啓発につなげてはどうでしょうか。
現在、電力自由化を目前にしてさまざまな宣伝がテレビ等でされています。都市ガス、石油、
携帯電話会社、コンビニ等がセット割引やポイント付加など、さまざまな提案をしています。報
道のほとんどは価格が安くなることに注目しています。
昨年末パリで開催された国連気候変動会議、COP21で採択されたパリ協定では、全ての国
がCO 2 などの温室効果ガスの排出を今世紀後半までに実質ゼロにすることを目指しています。
一方、区民はそれぞれの判断で新電力事業者を選定できますが、区としては、千代田区地球温暖
化対策推進計画に基づき、今回の家庭向き電力小売自由化を積極的に自然エネルギー活用のチャ
ンスとして、CO 2 削減に取り組む事業者の情報を区民に提供すべきではありませんか。その際、
いまだに収束のめども立たない福島原発の教訓に学び、原発由来の電力を選ばないのは言うまで
もありません。ちなみに2月9日付の新聞では「バイオマス電力を区民に」とうたい、世田谷区
が群馬県の川場村と協定を結び、4月以降に操業を開始する製材所から出る端材や間伐木材チッ
プを使って来年1月以降にバイオマス発電を始める。価格競争ばかり注目が集まる中、自然エネ
ルギー由来の電気を選んで使いたいという住民も少なくない。こうした望みに応えるためにも、
自然エネルギーの活用を広げたいと世田谷区保坂区長は話していると報道されました。
千代田区では、2012年、岐阜県高山市と森林整備実施にかかる協定を締結しました。その
中身は高山市が市有林間伐を10年間行い、間伐に伴って生じる二酸化炭素吸収量を千代田区内
のCO₂排出量と相殺する。つまりカーボンオフセットを10年間行うとのことです。これをもう
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一歩前進させ、間伐で出た端材を木材チップとして世田谷区同様のバイオマス発電につなげられ
ないでしょうか。クリアせねばならない課題はあると思いますが、高山市と前向きに話し合いを
してみてはどうでしょうか、前向きで明快な答弁を求めます。
次に、食をめぐる課題について、3点お伺いいたします。
私は、前回2015年第4回定例議会で、子どもの貧困について質問しました。その実態、対
象者の把握は単に千代田区だけの問題ではなく、見えにくく、つかみにくい現状があります。数
値化されなかった実態を今回初めて山梨のフードバンク等が共同で調査した結果は、食事につい
て著しく栄養バランスが欠けた主食のみに偏ったものであったり、朝食をとらなかったり、成長
期の子どもにとって一刻も早い改善が求められる内容でした。また、時代の変化とともに、時間
に追われ、余裕のない家庭が増加し、ましてやひとり親世帯の場合は、その半数強54.6%が貧
困ラインを下回る生活を余儀なくされている実態があり、栄養バランスのよい食の提供、食べ物
の基礎知識、食事のマナーなどが十分に普及しているとは言いがたい状況が明らかになってきま
した。東京都も新年度予算として、これまで低所得者が中心だった対象を低学力の児童・生徒に
も拡大し、放課後に生活保護や就学援助を受けている家庭や両親が共働きの家庭の子どもも対象
に、食事や居場所の確保、学習支援をする区市町村に対する補助を新設しました。これは予算案
として8,400万円が計上されていました。千代田区でも、学習支援の場とともに、子どもと親
の支援策としてこども食堂の設置に向けた対象者の把握、意識調査、担い手などについて一歩踏
み出してはいかがでしょうか。家庭的で温かい十分な量の食事は体のみならず心にもよい影響を
及ぼすことが明らかになっています。
次に、学校給食について伺います。
現在、学校給食法に基づいて栄養教諭が学校給食摂取基準を満たす献立作成を行っています。
消費税が2014年4月から5%から8%に引き上げられましたが、給食費はそのまま据え置か
れました。食品の摂取基準はクリアしていても、3%分の食材費は減ったわけです。栄養教諭、
栄養士の方々はそれをカバーするためにさまざまな工夫をされているのは想像にかたくありませ
ん。そのような努力の中でも、主食が週1回パンまたは麺類、4回は日本人が長い間食べてきた
国産米というのも評価できます。私たち議員はふれあい給食等で子どもたちと給食をともにする
機会があります。魚や肉等のタンパク質、主食である炭水化物、体の機能を整える野菜や果物、
カルシウムが多い牛乳など、バランスのとれた、しかもおいしい食事を子どもたちに提供してい
ただいていることに感謝の思いがあります。
一方、食材について考えてみると、千代田区では牛肉は狂牛病の発生以来、給食として提供さ
れていないと伺っています。豚肉でも鶏肉でも料理のバリエーションはさまざまあり、魚も同じ
です。しかし、価格的な制限もある中で、深海魚も結構ですが、時々は多少高価でも食材そのも
のがおいしいものも提供できたらと思います。何も3食のうちの1食だからという意見もあるこ
とは承知していますが、前に述べたとおり、貧困や多忙なために朝食が偏っていたり、抜いて登
校していたとすると、給食は現在の食事の中ではとても大事なポジションを占めているのです。
学校給食は、学校教育の中でも子どもの命を育むという大切な役割を持っています。給食費の
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保護者負担は1食小学校1・2年生が253円、3・4年生が271円、5・6年生が294円、
中学、中等学校生は347円と決められています。この金額からカルシウムを摂取する牛乳代4
8円92銭を引いた残額が主食の米、パン、麺類、調味料を含む食材費に充てられているのです。
スケールメリットはあるとはいえ、想像をしてみてください。スーパーやデパートで約200円
から300円弱で栄養バランスのとれた多種類の食材が買えるでしょうか。保護者からは食事は
給食が頼りだという声も多く聞かれます。栄養教諭、栄養士の方々がより腕のふるいがいがあり、
子どもたちが多様な食材を知る体験にもなる豊かな給食を提供するための第一歩として、区内児
童・生徒の給食費のうち、せめて牛乳代を区が負担してはどうかといつも願っています。ちなみ
に私の試算では、この負担は年間約3,000万円強になるかと思います。前向きなご答弁お願い
いたします。
3点目に小麦で起きる現代病について伺います。
このパンフレットですね。リーフレットです。食べ物通信社のブックレットの表題を見て正直
びっくりしました。日本人の主食において今や米よりパンの消費が多いと言われていますし、我
が家でもよくパンを食べているからです。米国では、著名な循環器専門医が「小麦は食べるな」
という、130万部のベストセラーになった著作で警鐘を鳴らしました。小麦はアレルギーを起
こすほか、血糖値を急激に上げ、肥満や糖尿病、がん、うつ、認知症、関節痛など、さまざまな
病気の原因になっていることがわかってきたからです。米国食品医薬品局が自己免疫疾患で小麦
に含まれるグルテンに免疫が過剰反応を起こすアレルギー疾患、セリアック病の症状悪化を防ぐ
ためにグルテンフリーの食生活が必要、そして新たな食品規制を食品事業者に要請したと報じら
れています。
日本で消費されている小麦の9割が輸入小麦で、その6割が米国産です。日本とは食べる量が
違いますし、小麦を食べた人全員がセリアック病になるわけではなく、複数の要素が原因とされ
ています。小麦アレルギー増加の原因は交配に交配を重ねたかつての小麦とは似て非なる改良小
麦だと指摘されています。命のもととなる食品に経済効率を追求した結果とも言えるのではない
でしょうか。日本は全てにおいて米国の後を追っているように見えますが、日本のマスメディア
はこの問題をなぜか報道しません。千代田区においても、児童・生徒の小麦アレルギーは、卵、
乳製品に次いで3番目とのことですが、小麦で起きる現代病について真意を確かめた上、児童・
生徒を初め、区民に情報提供してはいかがでしょうか、ご答弁ください。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔教育担当部長小川賢太郎君登壇〕
○教育担当部長(小川賢太郎君)
寺沢議員の学校給食費の公費補助及び小麦で起きる現代病に
ついてのご質問にお答えいたします。
学校給食のうち運営経費は学校給食法により区が負担し、牛乳については国の補助があります
が、その他の経費は給食の提供を受ける児童・生徒の保護者に負担していただいているところで
ございます。給食メニューの編成や食材の調達は教育委員会事務局と各学校が情報を共有しなが
ら工夫を凝らし、お預かりした給食費で児童・生徒に安全かつ学校給食食事摂取基準を満たした
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栄養のある給食を提供しております。区では、就学援助制度など、国の制度に基づく支援のほか、
次世代育成手当や18歳までを対象とした子ども医療費助成など区独自の支援をこれまで充実し
てまいりました。これらを踏まえ、教育事業全体の受益と負担、これらを考慮しつつ支援のあり
方を検討する必要がありますが、給食費の牛乳に対する区の補助については現時点では考えてお
りません。
次に、小麦で起きる現代病についてお答えいたします。
小麦に限らず特定の食品に偏った食事は健康に悪い影響を及ぼすおそれがあることから、バラ
ンスのよい食事が重要なことは言うまでもありません。その点から近年日本食の評価が高まって
おりますが、食文化の涵養やメニューの多彩さなどから、学校給食では米飯の献立を増やしてき
ているところでございます。小麦がアレルギーのほか、議員ご指摘のような、さまざまな病気の
原因となっているか否かにつきましては、現時点で確実な情報が得られていないことから、保健
所とも緊密に連携しつつ、引き続き最新の情報収集に努めてまいります。
〔保健福祉部長松本博之君登壇〕
○保健福祉部長(松本博之君)
寺沢議員のこども食堂に関するご質問にお答えいたします。
子どもの食をめぐる課題は、その原因が経済的な困窮、親子関係の悪化、親の育児放棄などさ
まざまであり、対象者の把握を含め大変難しい問題であると感じる一方、心身の成長期である子
どもへの影響は、後からでは取り返しがつかない緊急性を持った課題であると重く受けとめてお
ります。
区では、品質に何ら問題がないにもかかわらず廃棄される運命にある食品を無償で提供する、
いわゆるフードバンク活動を実施している団体との連携を今年度開始し、生活困窮者への相談支
援の中で、緊急に食品を必要としている方への支援を強化しているところでございます。来年度
からは生活困窮者支援の新規事業として子どもの学習支援を開始する予定としております。この
事業では、少人数制による学校の補習・復習や生活習慣の習得などに加え、一緒に食事をつくり
一緒に食べる活動を行うなど、子どもの居場所づくりや食事の提供につながる取り組みも行って
いく予定としております。これらの取り組みは、議員ご質問のこども食堂そのものではございま
せんが、こうした取り組みを通じて、対象者の把握や支援協力者の確保などについて一歩ずつ前
進してまいりたいと考えております。
〔環境まちづくり部長細越正明君登壇〕
○環境まちづくり部長(細越正明君)
寺沢議員の小口電力自由化についてお答えいたします。
初めに、環境に配慮した事業者との契約についてですが、ご案内のとおり、今年4月から家庭
向けの電力小売が全面自由化され、電気料金や電源構成、附帯するサービスなど、電気事業者が
提供するさまざまなサービスを比較して電力会社を選べることになります。区有施設での調達電
力は、CO 2 排出量を抑制するため、これまで清掃工場のごみ焼却熱など、未利用エネルギーに
より発電したCO 2 排出係数の低い電力を優先して導入してきました。また、その他の施設でも、
環境配慮法に基づき、電力の調達にかかる環境配慮方針を定め、環境負荷の小さい電力事業者と
入札・契約してきました。今回自由化される50キロワット以下の電力使用量が少ない8施設に
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つきましても、環境負荷が小さく単価も安い電力の購入を考えておりますが、現時点では多くの
電気事業者が電源構成や排出係数を明らかしておらず、料金プランが確定していないなど、不確
定な要素が多いことから、今後の動向を見きわめた上で検討してまいります。
次に、CO 2 削減に取り組む事業者の情報提供に関するご質問ですが、全ての電力事業者がC
O 2 排出係数を公表しておらず、事業の安定性やサービス内容もさまざまであることから個別の
事業者の情報提供は予定しておりません。しかしながら、区民の環境意識を醸成する観点から、
電力自由化に関する留意事項や注意点、引き続き節電や省エネを促すような情報について、区の
ホームページなど、さまざまな広報媒体を活用して広く周知してまいります。
次に、高山市でのバイオマス発電に関するご質問ですが、現在、千代田区では、高山市と森林
整備事業協定を締結しカーボンオフセットを行っています。この高山市では、民間事業者が主体
となった木質バイオマスによる熱供給ビジネス事業を来年度に予定しています。しかしながら、
バイオマス発電については初期投資が大きいこと、エネルギー効率が低いこと、木質バイオマス
の安定供給が十分でないことなど課題が残されており、本格実施に向けて検討中とのことでござ
います。今後も高山市はもとより、千代田区の姉妹都市でもある嬬恋村や五城目町などに対して
も自然エネルギーを活用した発電事業の可能性について調査してまいります。
○4番(寺沢文子議員)
4番寺沢文子、自席から再質問させていただきます。
この給食費について、これで私は2回目の質問です。実は前回も「いたしません」というご答
弁をいただきました。しかし、社会経済状況、それから子どもの置かれた環境が物すごく変化し
ているんですよ、現在ね。それで先ほどご答弁もいただきましたけれども、学習支援と兼ねて、
食事のつくり方とか提供とか、そういうところもやるというふうに、そういう中で、やはり私た
ちの未来を子どもたち担ってくれていくわけですから、小さいときのものを後で取り返そうたっ
て、なかなか取り返しはつかないわけですよ。栄養士の方、栄養教諭の方のご努力はもうもう十
二分によくわかっていますけれども、やはり三千数百万で牛乳代を無償にできます。ぜひぜひこ
れを検討して、同じリンゴでもグレードのいいもの、同じミカンでも、甘くておいしいものって、
あるわけですよ。少しでもいいものを、それからシーズンによって、ちょっとふだん家庭で使わ
ないような食材も使えるわけです、お金があればね。だから、給食費全体というのはちょっと今
の段階で無理かなとは思って、給食費というふうにやっているところもありますね。給食費ゼロ、
でも、ちょっと千代田では無理かなと思って、牛乳代でお願いいたしましたので、これをやはり
検討して、何とか実現に向かっていただきたいと思います。いい答弁を再質でいただければと思
います。よろしくお願いいたします。
〔教育担当部長小川賢太郎君登壇〕
○教育担当部長(小川賢太郎君)
寺沢議員の再質問にお答えいたします。
ご指摘のとおり、子どもの置かれている環境が変化してきており、給食費等のいわゆる私費会
計ですね、私費会計についても、さまざまなご意見を頂戴しているところでございます。先ほど
申し上げましたとおり、こうした受益と負担については総合的な見地から判断してまいりたいと
考えておりますが、また他区の状況等も十分に勘案して今後とも研究してまいりたいというふう
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に考えてございます。(発言する者あり)
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、11番牛尾耕二郎議員。
〔牛尾耕二郎議員登壇〕
○11番(牛尾耕二郎議員)
日本共産党区議団の一員として一般質問を行います。
区長は、招集挨拶で待機児はほぼ達成できていると述べました。しかし、この待機児ゼロの達
成という言葉は、実態とかけ離れているのではないでしょうか。それは少なくない子育て世代の
父母から保育園に入れなかったという声を聞くからです。その声を幾つかご紹介します。
神田に住むある女性は、お子さんの保育園が見つからないまま、この2月に育休期間が終わり
会社に復帰しました。女性は中央区の無認可施設に子どもを預け、その費用は何と一月11万に
も上ります。それでも会社をやめるよりはよいと。そこに預けながら認可保育園があくのを待っ
ています。また、ある方は1歳の次女が希望する保育園の入園審査が不承諾でありました。この
方は勤務が週3日から4日です。認可保育園への入園はフルタイムで共働きの児童のほうが優先
されます。この方は保育園に入れないと働けなくなってしまうと不安を抱え狭き門の3月末の二
次審査の結果を待っています。区長は、こうした声があることをご承知の上で待機児ゼロとおっ
しゃっているのでしょうか。子育て世代が増えています。そのことによって希望する保育園に入
れない子どもたちが増えています。子育て世代の不安は広がるばかりです。
2月10日、認可保育園の第一次審査が行われたと思います。一次審査で希望園に入れなくて
も二次審査がありますけれども、それはキャンセルなど、あきが出た場合のみ行われます。なの
で、一次審査で不承諾となった人数が新年度の実際の認可保育園の待機児数と思われます。
そこで質問いたしますけれども、一次審査で希望園が不承諾となった人は何人いるでしょうか。
認可保育園には定員がありますが、待機児解消のために一定の比率まで弾力化が認められていま
す。しかし、千代田区の認可保育園、特に区立園は年度当初から定員を超えて児童を受け入れて
いることが普通になっているのではないでしょうか。私は、弾力化について、区内への転居や両
親ともに就労が必要になったときなど、緊急に保育が必要となった場合のみ行うべきだと思いま
す。4月当初から定員の弾力化を行えば、保育を必要とする児童を受け入れる余裕がなくなると
思います。
そこでお尋ねしますが、一次審査で認可保育園の定数を超えて児童を受け入れる弾力化、これ
を行っているでしょうか、お聞かせください。
さて、それでは、どうすれば、どの子も希望する保育所に入所できるようになるでしょうか。
3つの角度から質問します。
第1に、区の待機児の定義についてです。国は待機児について、希望する保育園に行けない児
童という定義を改悪し、認証保育所など、どこかの保育施設に入所していれば待機児童とはみな
していません。さらに、今年度から始まった子ども・子育て支援新制度では、幼稚園の一時預か
りや居宅訪問型、いわゆるベビーシッターも待機児童とはみなさなくなりました。国の基準で待
機児と認められるのは、千代田区で言えば、区内全ての認可保育園の入所を希望するいわゆる全
園希望に加え、認証保育所や認可外保育所等に入所してなく、その予定もないことです。この定
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義では現状を正確に反映しないのではないでしょうか。例えば全園希望ですけれども、神田地域
から麹町地域に子どもを送迎するのは大変ですし、通勤の都合上、自宅近辺の保育園しか申し込
みができない方もいるでしょう。上のお子さんが認可保育園に通っていた場合は、兄弟が別々の
保育園になるのは通わせるのが大変ですから、同じ保育園か近隣の保育園を希望するでしょう。
そこでお尋ねしますけれども、来年度認可保育園の入園を希望する保護者のうち、全園希望を
している保護者の割合をお答えください。国の基準に当てはめれば区の待機児はゼロかもしれま
せん。しかし、実際には保育園に入れずに困っている保護者は多数存在します。国基準の待機児
ゼロという考え方を変える必要があるのではないでしょうか。
そこでお聞きしますけれども、国の待機児の基準が認可保育園への入所を希望している子育て
世代の実態とかみ合わないと思いますけれども、区の認識はいかがでしょうか。もし現状と合っ
ていないという認識ならば、区独自の待機児の基準を設けるべきではないでしょうか。できない
ならば、国に対して基準の見直しを求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
第2に、居宅訪問型保育の問題です。先ほど述べたように、新制度では居宅訪問型保育、いわ
ゆるベビーシッターが加わりました。ベビーシッターについては1対1で手厚い保育や、なかな
か集団保育になれない児童の保育など、ベビーシッターが必要な保護者もいると思いますし、ベ
ビーシッターの役割も大きいと思います。しかし、そもそもベビーシッターと集団保育である保
育園とは性格が違います。このベビーシッターを保育の制度に組み込んだことにより、区の待機
児ゼロと子育て世代との実態がさらにかけ離れていっているのではないでしょうか。ベビーシッ
ターを利用すれば保育園の待機児にはなりませんし、利用を勧められてもベビーシッターに不安
を感じ、自宅の事情などで利用をためらう保護者の児童は待機児にはなりません。つまり、ベビ
ーシッターの枠を増やせば、区のいう待機児ゼロは続くということになります。
来年度の予算案の概要を見ると、入所が大変な0歳から2歳児では、来年度、私立認可、緊急
保育施設、認定こども園で新しく88人の枠が広がる一方で、居宅型保育、ベビーシッターは今
年度の枠60から来年度の予算の概要では120人に倍増するなど、新しい保育施設の枠より多
くなっています。千代田区では、このベビーシッターについて、病気や障害など、集団保育が困
難と認められるときに利用できるとともに、どこの園に申し込んでも入れなかった児童にこのベ
ビーシッター、居宅型保育を勧めるとしています。新規の施設の枠よりベビーシッターの枠の数
のほうが多いということは、ベビーシッターを保育園に入所ができない児童の受け皿にしている
としか思えません。あくまで認可保育所を増やして保護者の希望に応える努力を貫くべきです。
そこで、居宅訪問型保育、ベビーシッターを利用し、認可保育園の入所を待つ児童、ベビーシ
ッターをためらい、認可保育所を待つ児童は待機児童として数えるべきだと考えますが、いかが
でしょうか。
また、ベビーシッターは認可保育園と同様な料金で受けられますけれども、ベビーシッターさ
んの交通費は一日1,080円を上限に自己負担になっております。また、子どもの食事も保護者
が準備します。保育料が認可と同等でも大変大きな負担になります。認可に入れずにやむなく利
用するわけですから、居宅訪問型保育を利用する家庭へのベビーシッターの交通費は区が負担、
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もしくは一部を助成すべきと考えますが、いかがでしょうか。
3つ目に、認可保育園の増設について質問します。区も旧神田保育園の仮園舎を来年4月から
認可保育所として活用する方向など、保育所の増設に努力していると思います。しかし、まだま
だ認可保育所を求める子育て世代のニーズには追いついていません。保育者の希望に応える認可
保育園の増設をどのように行っていけばよいでしょうか。私は、それを民間に委ねていてはでき
ないと考えます。民間業者が保育園を増設する場合、場所の確保や保育士が集まらないなど難し
い面があります。やはり認可保育所の増設は民間任せではなく、区が責任を持って取り組むべき
だと考えます。
そこで質問しますが、活用していない区有地、区施設の活用、公務員宿舎跡地など、公有地の
購入やそれを借り入れることも視野に入れて認可保育園の増設を行うべきだと考えますが、いか
がでしょうか。
次に、教育における私費負担の問題について質問します。
総務省の調査によりますと、2人以上世帯のうち勤労世帯の実質可処分所得は30年前の水準
まで落ち込んでいることが明らかになっています。その調査によると、1997年では月額47
万9,000円だったのが、直近の2015年には40万8,000円まで下がっています。実質
可処分所得が下がった大きな要因は労働者の収入が減っているからです。しかし、安倍首相は、
社会保障を削減し、負担増と給付減を国民に押しつけています。さらに来年4月消費税の10%
への引き上げを狙っています。暮らしはますます大変になっていきます。
そうした中で、子どもの教育費も子育て世代の大きな負担となっています。それは高校や大学、
専門学校などの学費だけではなく、義務教育である小・中学校でも同じです。小・中学校の教育
費は無料です。しかし、副教材や給食費など、私費の負担があります。その額は区内の小学校で
学校ごとに幅がありますけれども、年間5万円から8万円近くになります。ある区立小学校では、
2016年度新入生のときに給食代、教材費などで年間約7万7,000円、そのほかに体操着や
運動着、水泳着、防災頭巾等、必要なものの購入などを加えると10万円近く支払わなければな
りません。これ以外にもランドセルや文具をそろえるなど経費がかかり、制服があるところは制
服代も必要です。中学校になるとこの負担はさらに増え、年間14万円から20万円以上にもな
ります。低所得の世帯には就学援助がありますけれども、受けられる範囲は生活保護基準の1.2
倍まで、それをぎりぎり超える世帯には余りにも大きな負担ではないでしょうか。
憲法26条2項では、義務教育はこれを無償とするとしています。そこで教育にかかる費用の
無償化を目指すという立場から、次の2点を求めたいと思います。
まず第1に給食費です。私費負担の多くは給食費です。給食は食事ですが食育という観点から
も教育の一環と考えます。現在、兵庫県相生市や栃木県大田原市など幾つかの自治体では給食費
を無料にしています。東京23区でも港区や荒川区などがお米や食材の一部を区が負担して給食
費の保護者負担を減らしています。しかし、千代田区は国による牛乳についての1円以外給食費
の補助はありません。給食費の無償化を目指しつつ、お米など食材費について区が補助行い、保
護者負担を軽減していくことを求めます。
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次に、副教材についてです。副教材も授業で使うものは教科書と同等な扱いにすべきでありま
す。副教材の費用への助成制度の確立を求めます。
以上、真の待機児ゼロと義務教育の私費負担の無償化について質問しました。子育て世代の願
いに区政が真剣に応えることを求め、質問を終わります。(拍手)
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
牛尾議員の保育園の待機児童ゼロ対策に関するご質問にお答えい
たします。
まず、一次審査で希望園が不承諾となった人数は何人かについてでございます。一次審査終了
時点での不承諾児童数は251名ですが、この過半数の方が待機児童の定義に含まれない特定の
保育園のみの入園を希望されている方でございます。また、この中には重複内定となる認可保育
園、認証保育所の在園者で希望園のあきを待つ児童、幼稚園の内定者や今後の二次審査での入所
者、認証保育所への入園児童も含まれておりまして、最終的には大幅に縮小するものと見込んで
おります。
次に、一次審査で認可保育園の定員を超えて児童を受け入れる、いわゆる弾力化を行っている
かについてでございますが、保育需要の高まりに応えるため、区立保育園では1歳児と2歳児を
対象に定員を超過しての児童の受け入れ、いわゆる弾力化を実施しております。
次に、28年4月の入園申込者中、全園希望の保護者の割合についてでございます。これは現
在二次審査を実施中でございまして、全容が把握できてございません。
次に、国の待機児童の基準が実態とかみ合っていないため、区独自の待機児童の基準を設ける
べきではないか。また国に基準の見直しを求めるべきではないかということについてでございま
す。区独自の待機児童基準については、まずは厚生労働省の基準での公表を行い、特定園留保や
転所留保などの人数についても正確な情報を提供していくことが大切であると考えており、今後
も随時公表してまいります。なお、区独自の待機児童基準を設けることや国基準の見直しにつき
ましては、保護者の皆さんのわかりやすさの観点から、他自治体の状況も参考にしながら研究を
してまいりたいと思います。
次に、居宅訪問型保育事業の利用をためらい認可保育所を待つ児童は待機児童と数えるべきに
ついてでございます。厚生労働省の基準によりまして、利用可能な教育・保育施設、または地域
型保育事業があるにもかかわらず待機している場合は待機児童に含めないということとなってご
ざいますので、これはご理解を頂戴したいと存じます。
次に、居宅訪問型保育事業を利用する場合、交通費を区が負担するか、もしくは一部助成すべ
きについてでございます。子ども・子育て支援新制度の中で、居宅訪問型保育事業における保育
者の交通費は利用者の実費負担という枠組みとなってございます。そのため、保護者の方々に利
用者負担をお願いしているところでございます。居宅訪問型保育事業におきましては、保育者が
児童の自宅まで赴いて保育をするため、保護者は送迎の負担がございません。こうした点を勘案
しまして、居宅訪問型保育事業の保育者の交通費負担を利用者負担にしたものと推察をしてござ
います。なお、保護者の負担が過度にならぬよう、利用者の方々にアンケートを行うなど、保護
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者の交通費負担の実態の把握に努めてまいりたいと思います。
最後に、認可保育所を増設するために、保育所整備を民間任せにするのではなく、公有地の活
用も視野に入れるべきということでございます。現在、旧神田保育園仮園舎と麹町保育園仮園舎
を活用した保育事業者を公募してございます。今後とも増大する保育需要を見据えつつ、区有地
のみならず国や都が持つ公有地の活用や再開発用地での保育所開設の検討を含め、保育需要に応
じた適切な場所での保育所開設に努めてまいります。
〔教育担当部長小川賢太郎君登壇〕
○教育担当部長(小川賢太郎君)
牛尾議員の食材費や副教材の費用の助成に関するご質問にお
答えいたします。
義務教育においては、憲法26条や教育基本法5条により、義務教育公立学校における授業料
は徴収せず、教科書も義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律により無償となって
おります。一方、学校給食法では、給食を運営する経費は学校の設置者である区市町村が負担す
ることとされており、それ以外の経費は保護者に負担していただいております。また、副教材は
それぞれの学校で必要なものを選定し、保護者の方にご負担いただいております。こうした状況
の中、区といたしましては、経済的に困窮している世帯には就学援助制度により副教材を含む学
用品や給食費等の援助を行っているところでございます。今後とも法にのっとり、保護者に負担
していただくものはご負担いただきつつ、経済的な状況に応じて生活保護制度や就学援助制度に
より適切に支援をしてまいりたいと考えております。
○11番(牛尾耕二郎議員)
11番牛尾耕二郎、自席より再質問させていただきます。
3点ですけれども、まずベビーシッターの交通費の件であります。ベビーシッターを望む方、
100%ですね、望む方であれば交通費をお支払いするというのはあるのかもしれません。しか
し、保育園に入りたいけど入れない方が利用する場合、やはり負担していいのではないかと私は
思います。それでアンケートを集めると、行うとおっしゃいましたけれども、それではアンケー
トで、やっぱり交通費を負担してほしい、やっぱり負担が重いという声が多数な場合は、負担も
しくは一部助成するということを検討するんでしょうか。それが1点です。
もう1つ、特定園留保の問題ですけれども、特定園留保の数を公表しているというふうにおっ
しゃいますけれども、この特定園留保をどうするのか。どこまでなくしていくのかという目標を、
では定める必要があるのではないかと私は思いますけど、それについてはいかがでしょうか。
それと、今度は給食費、あと私費負担の問題ですけれども、年間10万円程度新入生の場合は
かかるわけです。新入生でなくても7万、8万とかかるわけですけれども、本当に就学援助があ
るとはいいますが、就学援助を受けられるのは生活保護の1.2倍までなんです。それをちょっと
でも超えると、受けられないわけです。そうした世帯の所得の方々に、年間7万、8万。高いと
きには10万。中学校に行けば、14万から20万。余りにも負担が重いと思いませんか。その
認識をお聞かせください。
以上3点です。
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
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○子ども部長(保科彰吾君)
牛尾議員の再質問にお答えをいたします。2点、私のほうからお
答えをさせていただきます。
まず、1点目はベビーシッターの交通費の件でございます。これにつきましては、先ほど申し
上げましたとおり、まずは保護者の負担が過度にならないようにアンケート調査を行うなど、交
通費負担の実態の把握をさせていただきたいと存じます。その上でどういうような対応が最も望
ましいのか検討させていただきたいと存じます。
それから、2点目の特定園留保の件でございます。これにつきましては、私どもも兄弟姉妹の
別園のようなものを含めまして特定園留保の解消を目指しております。したがいまして、先ほど
一次審査でのいわゆる不承諾の児童数を申し上げましたが、今般の平成28年度に当たりまして
も、旧今川中学校跡地を活用した緊急保育施設、さらには麹町保育園の新園舎の定数増、その部
分は今後の対応としてとってございますので、その部分も含めた形での、極力、厚生労働省基準
に加えて、特定園の解消ということを目指して取り組まさせていただきたいと存じます。
〔教育担当部長小川賢太郎君登壇〕
○教育担当部長(小川賢太郎君)
牛尾議員の再質問にお答えいたします。
私費負担について大きいと思わないかということでございますけれども、決して私も少ない額
だとは思ってございません。一定のやはり負担があるというふうに思ってございます。そうした
ことから、先ほど申し上げたような、一定の基準を設けて支援させていただいているところでご
ざいまして、その線引きがどのあたりがふさわしいのか。あるいは先ほどおっしゃっていた、い
ろいろと私費負担の一部援助といった動きが全国にもあるというふうに私も承知をしてございま
す。それぞれその置かれた自治体においてさまざまな事情があるというふうにも聞いております
が、今後もそういった他の自治体、あるいは国の動向などにも注視をして適切に判断してまいり
たいと思っております。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、10番飯島和子議員。
〔飯島和子議員登壇〕
○10番(飯島和子議員)
日本共産党区議団の一員として一般質問を行います。
初めに、障害のある人への施策拡充についてです。
障害者権利条約が国連総会で採択されてから、10年たちました。日本は批准に至るまでの環
境整備に時間がかかり、141番目の締約国として、2014年1月20日に批准しました。締
約国は批准2年後、その後は4年ごとに国連へ実施状況の報告が義務づけられています。第1回
目の国連への政府報告案が1月に示され、パブリックコメントが行われました。障害者団体は権
利条約を批准したことで障害のある人の生活がどのように改善されたのかについての記述がない
と指摘し、他の市民との平等を図るために政府はどのような努力を行うのかが問われていると厳
しく批判しています。
権利条約の精神にのっとるならば、障害のある人が他の市民と同等の生活を送るために必要な
ことが保障されることは合理的配慮であり、障害が原因となる不利益は社会全体で支えることが
当然だと思います。受益者負担の考え方は条約の趣旨になじまないのではないでしょうか、区長
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の見解を伺います。
日本の障害者福祉予算は少なく、OECD諸国30カ国中、下から3番目です。条約は障害の
あるなしにかかわらず、同等の権利と地域生活を保障することを高らかにうたっています。これ
を実現するためには意識改革と予算の大幅増額が不可欠です。国内法の整備が行われる中で、2
013年に成立した障害者差別解消法が今年4月1日から施行となり、当事者の意見を取り入れ
た本格的な施策が求められます。当事者と家族の自助努力に任せるのでなく、行政の姿勢が問わ
れることになります。
ちよだみらいプロジェクトには、10年後の目指すべき姿として、地域において障害者の障害
の種類や程度にかかわらず、自立した日常生活を過ごせるための配慮がなされているとしていま
す。この実現に向けて3点質問します。
1点目は、金銭管理など、日常生活を支援する制度の創設です。地域で生活するためには、障
害に対する無理解、誤解から生じるトラブルをなくすことが地域からのサポートにつながり差別
解消になります。具体的には、日常生活の困難な方に金銭管理を初め、家事や近所づき合いなど
を専門的に定期的に支援し、地域の方に理解を求めていくことが有効ではないでしょうか。金銭
管理が困難な方は、例えば通信販売のカタログが送られてくると次々と注文してしまったり、商
品勧誘にすぐ応じる。持っているお金を全て使い切る。無銭飲食を繰り返す。家の物を持ち出し
リサイクルショップで現金化して使い切ってしまうなど多種多様です。現在、国が社会福祉協議
会に委託している日常生活自立支援事業がありますが、支援内容は福祉サービス利用に関する相
談、情報提供、手続と公共料金、家賃の支払いに限られています。また、利用料は減免制度があ
るものの、住民税課税世帯は1時間1,000円と高額です。現在利用している区民は高齢者を含
めて月に約60件と聞いています。費用負担の軽減とともに金銭管理を含めて日常生活の相談、
支援を定期的に行うなど、支援内容を拡大すれば、地域につながり、日常生活の環境整備の一助
になるのではないでしょうか。
横浜市は、知的障害や精神障害、高次機能障害の単身者を対象に、定期的に自宅を訪問して無
料で支援を行う障害者自立生活アシスタント事業を2001年度から行っており、障害者施設職
員ら144名が担い、昨年度は879人を支えたそうです。この事例などを参考にし、金銭管理
など日常生活全般について相談や支援を行う制度の創設を求めます。
2点目は、住まいを確保する計画の具体化です。ちよだみらいプロジェクトでは、課題にグル
ープホームなどの親亡き後の支援が求められているとしています。グループホームの必要性は共
通認識になっていると思います。区保健福祉総合計画のためのアンケート結果では、経済的負担
の軽減が求められていることが明らかになっています。これを考えるならば、グループホームの
利用料は希望する方自身の所得に見合ったものであることも必要です。グループホーム増設の計
画が示されませんが、取り組みの到達はいかがになっているのでしょうか。また、次期福祉総合
計画に掲げる決意をお示しください。
3点目は、子ども発達センターの拡充についてです。多くの保護者の念願だった子ども発達セ
ンターさくらキッズが開設されて3年たちました。利用者は年々増え、昨年度の実績は登録人数
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201名、利用延べ人数は4,041人となっています。今年1月現在の登録者数は247名とい
うことですから2割余りの増加です。指導員の方は常勤6名、非常勤7名です。平日の午前中に
見学をさせていただきました。それぞれの部屋で集団指導と個別指導が行われ、指導員はフル回
転でした。付き添いの保護者の方の交流の場にもなっており、孤立化を防ぐことにも役立ってい
る様子がかいま見られました。保護者からは、利用回数を増やしてほしい。現在小1までの対象
年齢を拡大してほしい。働く保護者が参加できるよう土曜日のプログラムを増やしてほしいなど
の要望が出されています。
また、子ども人口の増加傾向の中で今後の需要が増えることは明らかです。現状のままでは対
応ができなくなるのではないでしょうか。しかし、みらいプロジェクトには将来計画が載ってい
ません。拡充が必要だと思いますが、見解を求めます。
子ども人口の比率から推測すれば利用者は麹町地域が多いと思われます。神田地域と麹町地域
の登録実数を伺うと同時に、麹町地域に発達支援センターを増設することを求めます。
次に、1月から新規稼働となった地域福祉交通風ぐるまと、高齢者センターが移転したかがや
きプラザについて質問します。
区内の高齢者にとって、風ぐるまで高齢者センターに通うことは、健康寿命に大きく寄与して
きました。しかし、猿楽町に近い神保町にお住まいの80代のひとり暮らしの女性は高齢者セン
ターまで歩いて通うことを日課にしていましたが、1月から行けなくなってしまいました。歩け
る範囲に風ぐるまの停留所がないからです。富士見・神保町ルートとなっていますが、神保町に
停留所は1カ所もありません。今は家の周りを歩くことを心がけていますが、誰とも口をきかな
い日も多くなったそうで心配です。富士見高齢者住宅の方が風ぐるまでいきいきプラザまで行く
には、区役所まで30分、麹町便に乗りかえるために40分待ち、30分乗り、2時間近くかか
ります。参加していた催し物に行けなくなったとおっしゃっています。水道橋住宅の足の悪い方
も、停留所が遠くなり利用できなくなってしまいました。また、都バスに乗っているようで味気
なくなったという声もあります。サラリーマンの利用は増えたようですが、福祉バスの役割を低
下させることがあってはなりません。区には便利になったという声も寄せられているとのことで
すが、苦情は100件を超えています。この状況は風ぐるま事業が多くの方にとって定着してい
ることの証明でもあることと同時に、利用者が改善のために区に対して直接声を届ける直接民主
主義の行動として非常に喜ばしいことでもあると私は思っています。寄せられた声に真摯に向き
合う区の姿勢が問われています。
区長招集挨拶では風ぐるまの改善が述べられました。福祉目的を生かし、利用者のニーズに沿
った改善にならなければ区民の要望に応えたことにはなりません。風ぐるまの改善のために利用
できなくなった人も含めて、必要とする人の意見を集める方法と反映させる場について段取りを
お示しください。またその後も不断の見直しを行っていくことを求めます。
九段坂病院と合築のかがやきプラザは、景観に恵まれ、多くの方が桜の季節を楽しみにされて
います。ここへの高齢者センターの移転を機会に新規の利用者も増え、さらなる活用が期待され
ます。しかし、従来の高齢者センター利用者から、高齢者施設の配慮に欠け、温かみが感じられ
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ないという声が出されています。例えば駐輪場は自転車をレールに乗せるために持ち上げること
ができない。お茶を飲むテーブルと給茶器が離れている。トイレは便座が高く足がつかないし、
バッグをかけるフックは背伸びしても届かない。浴室は湯かげんの調節ができない、温まりにく
いなどです。また以前は1階入り口にあった事務室が4階の奥まった場所になったため、5階だ
けの利用者は職員と会話を交わす機会もなくなり、家庭的な雰囲気がなくなったと寂しい様子で
す。利用者の要望を聞き、快適に過ごせる場に改善していただきたいと思います。ご意見箱を置
くだけでなく、利用者の声を聞く場を設けて、改善できることとできないこと、また合理的理由
があることについては説明を行うことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
移転に当たり、利用者や運営事業者の意見を聞く努力はされたことと思いますが、なぜこのよ
うな苦情が出されるのでしょうか。区有施設の整備は区の担当部署と営繕が主導で行うことが原
則です。PFI手法で国と合築をしたこの本庁舎も完成後使い勝手のふぐあいが噴出しました。
複合施設建設を民間任せにする弊害ではないでしょうか。かがやきプラザの整備は九段坂病院を
運営する国家公務員共済組合連合会が発注したため区の関与に制約があったのでしょうか。総務
省は、公共施設総合管理計画の策定を区市町村に求めています。この指針の中で、PFI、PP
Pなどで民間活用、複合化の推進で民間活力の活性化につなげることを示唆しています。今後の
区有施設整備の際には、本庁舎やかがやきプラザ建設で生じた問題を繰り返すことなく教訓にし
ていただきたいと思います。改善の必要が生じた原因について、区長の見解を伺い、質問を終わ
ります。(拍手)
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
飯島議員の子ども発達センターの麹町地区への増設に関するご質
問にお答えいたします。
子ども発達センターは登録者、利用者とも年々増加しております。本年1月現在の登録者は2
47名で、その内訳は神田地域98名、麹町地域が149名となっております。子ども発達セン
ターでは、お子さん一人一人の状況に応じて指導を進めており、保護者の方と相談しながら利用
調整を行っております。来年度は個別指導の枠を拡充する予定でございますが、利用の状況を見
ながら利用枠の拡充を検討してまいります。
なお、子ども発達センターの麹町地区への増設につきましては、今後の利用動向を踏まえ検討
してまいります。
〔保健福祉部長松本博之君登壇〕
○保健福祉部長(松本博之君)
飯島議員のご質問のうち、初めに障害者福祉についてお答えい
たします。
まず、障害福祉サービスを利用する場合の受益者負担についてですが、障害者権利条約の批准
に向けて国内法の整備を進める過程で障害者自立支援法から障害者総合支援法へと制度が改正さ
れる中で、負担のあり方について応益負担と応能負担の間で揺れ動いているのが我が国の現状で
あると思っております。この問題についてはさまざまな立場や考え方があり、現在、障害者総合
支援法施行3年後の見直しに向けた国の検討が行われておりますので、その中で一定の結論が出
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されるものと思っております。
次に、金銭管理など、日常生活全般を支援する制度についてですが、現在、区ではその方の判
断能力に応じて成年後見制度や社会福祉協議会が実施している地域福祉権利擁護事業、財産保管
管理サービス等を活用して支援を行っております。この問題につきましても、障害者総合支援法
施行3年後の見直しに向けて国で検討が行われておりますが、これまでの議論の中では、障害者
の地域生活を支える仕組みとして制度化を望む声がある一方、サービスの質の確保、財政面など
の課題が多いという指摘もある状況のようでございます。区といたしましては、他の自治体での
事例を研究するとともに、国における検討の状況を注意深く見守ってまいります。
次に、住まいの確保についてですが、保健福祉部では本年度この問題を重点的に検討している
ところですが、障害者の場合には住まいの確保と生活支援サービスの提供をセットで考えていく
ことが必要であり、検討に時間を要している状況であります。しかし、障害者及び保護者の方な
どからの要望が非常に強いことは十分に認識しておりますので、できるだけ早期にたたき台をご
提示し、議論を開始できるようにいたします。計画策定との関係で申し上げれば、来年度に整備
の方針を定めた上で、平成30年度から計画期間が始まる次期の障害者計画と障害福祉計画に具
体的な整備計画を盛り込むこととし、それに向けて、今後、調査、意見聴取、協議などの手順を
十分に尽くしてまいります。
次に、風ぐるまの質問にお答えいたします。1月4日の新体制での運行開始以来、さまざまな
ご意見をいただいていることは議員ご指摘のとおりです。こうした反響があることは、風ぐるま
が区民の皆様に定着している証拠だと言っていただいたことは、まことにありがたいことであり、
(発言する者多数あり)同時に、責任の重さに身が引き締まる思いであります。(発言する者あ
り)
意見の集約方法につきましては、3月からさらに集中的に意見聴取をしてまいります。具体的
には広報千代田やホームページ等で広く意見を募集するほか、各地区長寿会や高齢者活動センタ
ーでの調査、アンケート、また高齢者、障害者、子育て関連施設や区役所利用者への聞き取り調
査などを行ってまいります。その中で、従前は利用していたが今は利用しなくなったという方に
も丁寧にご意見を伺います。また、意見聴取と並行して、調査員による利用状況調査も実施し、
客観的なデータ収集も実施してまいります。その後、4月には、ご意見を反映した見直し方針を
作成し、関係機関との協議、地域公共交通会議での合意形成を経て国土交通省関東運輸局への変
更申請を行い、夏ごろまでには一定の見直しを実行したいと考えております。当然、それで終わ
りということではなく、その後につきましても、利用者の声に真摯に耳を傾け、区民の皆様にさ
らに愛される風ぐるまを目指して改善を図ってまいります。
〔高齢者総合サポートセンター担当部長門口昌史君登壇〕
○高齢者総合サポートセンター担当部長(門口昌史君)
飯島議員のかがやきプラザに関する質
問にお答えいたします。
まず、利用者の声を聞くものとして、議員ご指摘のとおり、ご意見箱を設置しご意見を伺うと
ともに、毎月1回利用者懇談会を開催し直接ご意見を伺う場を設けております。従前は2カ月に
30
1回の開催でしたが、開設当初についてはさまざまなご意見を伺う必要があると考え、毎月開催
しているところです。利用者懇談会では、直接ご意見を伺い回答するとともに、ご意見箱のご意
見についても回答を行っております。いただいたご意見の中で改善できるものについては改善を
行っておりますが、引き続き利用者懇談会やご意見箱、その他の利用者等のご意見を聞きながら
よりよい施設となるよう努めてまいります。
次に、本施設は合築の施設ではありますが、かがやきプラザの部分については、区の自主的な
意向が反映されており、設計事務所、施工業者との打ち合わせに区の担当者が直接調整をし、整
備を行ってまいりました。実際に施設ができ上がり、利用を開始すると当初の意図と違い使い勝
手上改善が必要な点が生じたものであると考えております。改善が必要なものについては、現在、
対応方法等検討を行っており、できるものから順次改善を行ってまいります。
○10番(飯島和子議員)
10番飯島和子、自席から再質問いたします。
まず初めに高齢者センターですが、利用者懇談会、確かにされていて、皆さんご意見を出す場
が確保されています。ただ、そこに区の施設の担当の方が出ていないということが私は問題かな
と思うんですね。運営している社会福祉協議会が出ても、やっぱり財源などお金のことについて
は答えられなかったり、区に言えなかったりとかということがあります。ですから、直接区の職
員も担当者も出ていって、そこで聞いてくる、それを確保していただきたいということ。
それから、一番初めに伺った受益者負担についての見解なんですが、これは国がどうとかでな
くて、区長としてどのようにお考えになるかと、そこを伺ったんですね。ですから、国の動向だ
とかそういうことではなくして、区としての考えを求めたいと思います。
それから、グループホームの重要性というのは重々承知している。本当に共通認識になってい
ると思います。で、今の答弁だと、やっと、こう、検討する、すると、今までも何回かの質問で
伺ってはきました。平成30年度を待つと、結局はそれからの取り組みになっていくということ
では、今からもう10年間は何も動かない、実際は動かないということになっちゃうと思うんで
すね。やはりこれはもう前々から言われている、区長の耳にも直接入っていると思いますけれど
も、ここに応えていくということで、保護者の方は本当に高齢化の中で不安をお持ちなわけです。
やはりグループホームで一定程度過ごしていくということが、若いときから過ごしていくという
ことのほうが大事なので、親御さんが亡くなってからそこでというのではなくて、やはりもう本
当に早急に、ほかの自治体ではやっているところもあるわけですから、そういうところをきちっ
と研究しながらやっていっていただきたいと。これはもう、本当にもう、1年でも2年でも早め
るように努力を求めるものです。
それから、先ほどの受益者負担との関連もあるんですけれども、メニューがあっても受けられ
なくては、それはサービスがないのと同じなわけですね。(ベルの音あり)そういうことでは、
やはり利用者の所得に応じた、本人の所得に応じた利用料でグループホームをやっていくという
ことを含めて、グループホームの検討は進めていただきたいというふうに思います。
以上について、また再答弁を求めます。
〔保健福祉部長松本博之君登壇〕
31
○保健福祉部長(松本博之君)
飯島議員の、障害者に関する再質問にお答えをいたします。
受益者負担に対する区の考え方ということでございますけれども、区といたしましては、この
障害者施策を含めまして、社会保障の分野につきましては、基本的には国の定める制度に従って
進めていくべきだということでございますが、ただ、国の制度の改正が急激である、区民への負
担が非常に急激である。そのような場合については、激変緩和措置など必要な措置をとってくる
ということでこれまでやってまいりまして、この障害者にまつわる受益者負担についても同様の
考えで取り組む考えでございます。
次に、グループホームにつきましてですが、先ほど申しました30年度からの計画というのは、
それぞれ計画期間が5年と3年の、比較的短期の計画でございます。そして、我々一番理想的な
形としては、その計画に盛り込む際に、具体的な整備年次、あるいはできたらば整備場所など、
なるべく具体的な形で盛り込めればいいなという思いでこれから当事者を初めとするさまざまな
方々とご協議をさせていただきたいというように思っておりますので、決して10年先になって
しまうというようなことにならないように、全力をもって取り組まさせていただきたいと思いま
す。当然、整備計画をつくる中では、当然に料金の設定を含めて、またその関連するサービスの
提供も含めて考え方を整理していく必要があるというのはご指摘のとおりであろうと、そのよう
に考えてございます。
〔高齢者総合サポートセンター担当部長門口昌史君登壇〕
○高齢者総合サポートセンター担当部長(門口昌史君)
飯島議員の再質問のうち、かがやきプ
ラザの利用者懇談会に区の職員が出席することについてお答えいたします。
利用者懇談会の意見を直接聞くということは、非常に大事なことだと思ってございます。また、
その利用者懇談会の意見につきましては、ちゃんと区のほうに報告のほうは毎回毎回受けている
ところでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、大事なことで、直接聞くと
いうことも非常に大事なことだと思っております。私どものほうも日程が許す限り、出席のほう
はしております。そういう面では、今後もできる限りの出席をできるように努めてまいります。
○議長(戸張孝次郎議員)
午後3時24分
議事の都合により、休憩します。
休憩
32
午後3時40分
再開
○議長(戸張孝次郎議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
この際、会議時間を延長します。
一般質問を続けます。
21番林則行議員。
〔林則行議員登壇〕
○21番(林則行議員)
平成28年第1回定例会に当たり、総合窓口の成果と課題、公園の禁
煙化、子ども発達センター、校長の処分に対し生徒が裁判を起こした際の対応について質問いた
します。
今定例会招集挨拶の冒頭で、千代田区役所新庁舎について述べられておりましたので、最初に
総合窓口の成果と課題について伺います。
区役所新庁舎の3つのコンセプト「閉ざされた庁舎から開かれた庁舎への転換」「共生社会実
現のシンボル」「職場風土や職員の意識改革」について、ハード面、ソフト面での改革を言及さ
れました。その新庁舎の目玉としていた総合窓口についての質問です。
平成19年第2回定例会招集挨拶で、区長は、新庁舎グランドオープンにあわせ、新たに総合
窓口を開設したことに関連して、総合窓口では、スピード、スマイル、信頼の3Sをモットーに、
来庁されたお客様から五つ星の評価をいただけるような窓口サービスの提供を目指すとし、基本
方針で「ホスピタリティあふれる親切丁寧な対応」「ワンストップサービスの提供」「利便性の
向上」「迅速かつ正確な事務処理」「プライバシー保護の徹底」の5つを掲げ、取り組んでいる
と述べられております。
平成19年度主要施策の成果、総合窓口の課題と今後の方向性では、区役所はサービス業であ
るという認識のもと、ワンストップサービスの実現に向けて開設した総合窓口ではとあり、総合
窓口はワンストップサービスの実現に向けて開設されました。ワンストップサービスの日本語訳
を調べてみると、総合窓口、窓口の一元化です。総合窓口のワンストップサービスの実現とは総
合窓口が総合窓口になることなのです。当時、ワンストップサービスなど業務量の多い都心自治
体の千代田区では不可能ではないかと疑問視すると、区長の方針に異議を立てるのかと先輩議員
や理事者からお叱りを受けたことを懐かしく思います。あれから9年、来庁者は総合窓口がワン
ストップサービス、日本語訳どおりの総合窓口になったのでしょうか。
一方、千代田区政で多用されているワンストップサービスの定義についても何点か指摘をいた
します。まちみらい千代田のマンション関連施策のワンストップサービスを目指すという基本的
な考え方。児童・家庭支援センターもワンストップで相談。高齢者総合サポートセンターは24
時間365日ワンストップでの相談体制を整備と、さまざまな分野の窓口がワンストップの表現
があります。ワンストップとは1カ所で用が足りること、1カ所でも何でもそろうというのが日
本語訳です。区民はワンストップで対応してもらえる窓口を探し、見つけなければならないので
す。各部、各所管それぞれ専門のワンストップでなければ、昔言われた役所のたらい回しになっ
てしまいます。たらい回しにならないよう、総合窓口では各部、各所管のワンストップを超越し
33
た五つ星のワンストップサービス、総合窓口になっているのか、9年目の実情について3点お尋
ねいたします。
1点目は、総合窓口のスピード、スマイル、信頼の3Sをモットーについて、今現在の成果を
お答えください。
2点目は、来庁されたお客様から五つ星の評価をいただけるような窓口サービスの提供と総合
窓口の評価基準がありましたが、現時点で星幾つなのでしょうか。
3点目は、来年5月に10年目を迎える総合窓口、ワンストップサービスの提供、総合窓口の
今後の課題についてお答えください。
次に、公園の禁煙化について質問いたします。
子どもたちが遊ぶ公園を禁煙化する方向性については、区長も「出張!区長室」など日常活動
を通じ、多くの区民から要望を受けとめていると思います。残念なのは、招集挨拶で公園の禁煙
化を述べられていたのが、東京オリンピック・パラリンピック開催を契機とした取り組みであっ
たことです。重点項目の1つ目、次世代育成に関する取り組みで公園の禁煙化について言及があ
れば、子育て世代の思いをしっかりと理解していると感じました。東京五輪開催の契機ではなく、
日常を視点に取り組むほうが自然だからです。また、招集挨拶で、状況に応じて分煙化や禁煙化
に取り組むとされたのにも、非常に違和感があります。子どもたちが遊ぶ公園を禁煙化すること
が、誰にとっても居心地よいまち、子育てしやすいまちに向けたこれまでの石川区政に合致した
施策だと理解しております。区内の公園は狭く、限られた場所でしか子どもたちは遊べません。
保育所が代替園庭等で活用している17公園を来年度全て禁煙化にすべきです。
1月5日号広報千代田では、代替園庭及び主な戸外活動先として利用の公園・児童遊園一覧と
整備について意見募集がありました。その中で、⑤「喫煙対策などパトロールの強化」の選択肢
には大きな疑問があります。区民から求められているのは公園の禁煙化でありパトロールの強化
ではないからです。龍閑児童公園は中央区が公園を禁煙としており、区境が公園内であるため、
来年度禁煙化の実施をすると平成28年度予算の概要に記載されています。港区や新宿区のよう
に、禁煙の看板を公園に設置することが区民の意向なのです。過料をとるかとらないかの議論を
していると時間ばかり経過します。
以上を踏まえて、3点伺います。
1点目、区長が招集挨拶で述べられた公園においては、状況に応じて分煙化と禁煙化に取り組
むとしていますが、その分類はどのような基準なのでしょうか。
2点目、東京オリンピック開催を契機でなく、日常を視点に公園の禁煙化に取り組むべきだと
これまでも指摘してまいりましたが、代替園庭及び主な戸外活動先として利用の公園・児童遊園
全てを来年度中に禁煙化すべきだと考えますが、区のお考えをお示しください。
3点目は、千代田区の喫煙対策最終目標についてです。ちよだみらいプロジェクトには100
カ所の喫煙所整備を目標に掲げております。しかし、子どもたちが遊ぶ公園の明確な目標があり
ませんので、公園・児童遊園の喫煙対策について、区のお考えをお示しください。
次に、子ども発達センターについて質問します。
34
平成24年に子ども発達センターさくらキッズが開設されました。さくらキッズ利用者は年々
増加しており、開設当初の想定では利用登録人数は120名でした。平成24年度の登録者数は
172名、平成27年度の登録者数は247名となり、集団指導の利用はかなり混んでおり児童
の状況を見ながら施設側で調整しているということです。一方、0歳から6歳児人口は、平成2
4年度2,701人、平成27年度3,655人、平成30年度には4,412人となると推計され
ております。単純計算で対象児童の6%が登録者数になると、平成30年度は265名となり、
開設当初の想定の2倍以上となります。
そこで、現状認識と今後の方向について2点伺います。
千代田小学校との併設施設である神田さくら館では、これ以上の受け入れが困難だと考えます
が、区のお考えをお示しください。
2点目、今後も年少人口が増え続ける本区では、子ども発達センターをもう1カ所整備する必
要があります。現在、子ども施設の整備の準備を進めている四番町保育園・児童館等の施設整備
構想に加えるべきだと考えますが、区のお考えをお示しください。
最後に教育行政について質問いたします。
区長招集挨拶のいじめ問題について、大変共鳴するものがありました。一度重大化すれば、公
教育の場として、学校への信頼が一気に失墜します。「学校は子どもたちにとって楽しい学びの
場でなければなりません」とあり、子どもたちも保護者も区長の姿勢に共感するはずです。子ど
も同士のいじめに対してはいじめ防止プロジェクトの着実な実行を期待いたしますが、事案が大
人と子どもの関係にはどのように対応していくのか伺います。
平成18年に、23区で唯一の中高一貫校である九段中等教育学校の設置も、石川区政16年
の業績です。区立九段中等教育学校は、千代田区教育行政の大きな事業の柱の1つとなっており
ます。
それでは、次のような事例に対し、教育行政の姿勢についての質問です。
校長の処分により7名の生徒が退学処分となり、そのうち一人の生徒は事実無根のため退学処
分が撤回されました。校長による生徒への冤罪です。事件の実行犯とその周辺にいた生徒を同じ
処分にするという生徒への虐待とも言える対応を校長はとりました。そして実行犯でない生徒3
名の保護者も校長の退学処分が不当だと裁判を起こし処分撤回を求めました。東京地方裁判所は、
仮処分で退学処分は不当だとしました。ところが校長は東京高等裁判所に即時抗告しました。高
裁の判断は棄却です。それでも本訴で校長は生徒と処分について争うとしています。地裁と高裁
の判断を無視し、一人の生徒には冤罪と言える処分をしたのに責任をとらない校長、退学処分を
撤回しない校長と裁判が起こった場合の教育委員会の姿勢について伺います。
校長と生徒が裁判で争うような事態では、区並びに教育委員会はどちらの立場で対応するので
しょうか。そして校長の処分に対し、学校内で解決できず、子どもの将来のためやむを得ず裁判
という手段を講じた子どもや保護者に対して、教育委員会の対処の姿勢や手順・手続について具
体的にお答えください。
以上、明快な答弁を求め、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
35
〔教育長島崎友四郎君登壇〕
○教育長(島崎友四郎君)
林議員の教育行政についてのご質問にお答えいたします。
まず最初のご質問ですが、行政事件訴訟法では、処分の取り消し訴訟は、当該処分をした行政
庁の所属する公共団体を被告として提起しなければならないこととされております。そのため、
区立学校の校長が行った処分の取り消しを求める訴えが提起された場合においても、教育委員会
が被告である区を代表し、当事者として訴訟対応することとなります。
次に、学校長が行った処分の取り消しを求める訴えが提起された場合の対応についてですが、
教育委員会は被告の立場にあるわけであり、訴状の内容を十分吟味した上で、裁判手続に従って
適正に訴訟を遂行していくことになります。また、判決が出された場合には、教育委員会は判決
の内容を十分に検討し、教育委員会で協議を行った上で適切な対応をしていくものでございます。
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
林議員の子ども発達センターに関するご質問にお答えいたします。
子ども発達センターは、登録者、利用者とも年々増加しております。ご案内のとおり、本年1
月現在の登録者数は247名となってございます。子ども発達センターでは、お子さん一人一人
の状況に応じて指導を進めており、保護者の方と相談しながら利用調整を行っております。来年
度は個別指導の枠を拡充する予定でございますが、今後も利用の状況を見ながら利用枠の拡充を
検討してまいります。
なお、子ども発達センターの麹町地区への増設につきましては、今後の利用動向を踏まえ検討
させていただきますが、四番町保育園・児童館等の施設整備構想に加えるべきとのご提案につき
ましては、狭隘な四番町児童館の整備のほか、保育園、図書館、区営住宅、集会室も整備しなけ
ればならない課題がございまして、困難と考えております。
〔コミュニティ振興担当部長吉村以津己君登壇〕
○コミュニティ振興担当部長(吉村以津己君)
林議員の総合窓口の成果と課題についてのご質
問にお答えをいたします。
まず総合窓口における成果でございますが、旧庁舎では複数の部署にまたがるご用件で窓口に
お見えになった場合、ご用件ごとにお客様にそれぞれの窓口を訪問していただき、各種手続を行
っていただいておりました。このことは、特に高齢者や障害をお持ちの方、さらには子育て世代
で複数の手続が必要となる方などへの負担が大きくなっておりました。そこでスピード、スマイ
ル、信頼の3Sを基本理念とした総合窓口を設け、現在ではお客様に対し、例えば転入の際、総
合窓口課の窓口から移動することなく必要な手続が全て完了する、いわゆるワンストップサービ
スを提供するとともに、お待たせすることのないサービスを提供することができております。ま
た、以前は水曜日のみ午後7時まで窓口を開庁しておりましたが、総合窓口導入後は毎日平日午
後7時まで、土曜日も午後5時まで開庁し、区民の皆様の利便性の向上を図ったところでござい
ます。
次に、開設当初から目指しております五つ星の評価についてでございますが、評価の視点とし
ましては、総合窓口の基本方針である「ホスピタリティあふれる親切丁寧な対応ができているか」
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「ワンストップサービスが提供されているか」「区民の皆様の利便性の向上が図られているか」
「迅速かつ正確な事務処理ができているか」、さらには「プライバシー保護が徹底されているか」
といった内容としております。こうした視点に立った上で、総合窓口は常に五つ星の評価を目指
しておりますが、評価をしていただくのはあくまで区役所をご利用していただく区民を初めとし
たお客様一人一人であり、区が何点と評価するのではなく、利用者の皆様から五つ星のサービス
提供が行われていると言われるように継続して努力してまいります。
なお、区が外部に委託して実施しております外部評価の平成26年度の結果では、達成度が7
7%、評価としては残念ながらB評価となっており、引き続き努力をしてまいります。
次に、総合窓口の課題ということでございますが、常に迅速な対応を心がけるとともに、間違
いのない事務処理を行う必要があると考えております。そのため、日ごろの転出入や戸籍の届け
出関係を含めた窓口対応に際し、特に困難事例等が生じた場合、その原因を検証し、職員間で情
報共有を図ることで職員のスキル向上を図り、同様の事例を繰り返さないようにしていくことが
求められていると認識しております。また、総合窓口には、戸籍や住民基本台帳などといった非
常に大切な個人情報が集積しております。そうした個人情報が適正に保護され、区民の皆様の信
頼を損なうような事象が生じないよう引き続き努めてまいる必要があると考えてございます。
次に、公園の禁煙化についてのご質問にお答えをいたします。
まず、公園における分煙化と禁煙化の分類基準ですが、平成25年1月に公園での喫煙対策の
基本方針として取りまとめてございます。この基本方針では、公園における喫煙対策は、今後の
屋内喫煙所の整備状況等に応じて、禁煙化も想定しつつ、当面は個々の公園の喫煙や子どもの利
用状況等を踏まえ分煙化を進めることを原則とする。また、禁煙化については、子どもの利用が
多い公園、乳幼児施設が日常的に利用する公園、子どもが日常的に利用する施設に隣接する公園
及び規模や形状などから分煙化では非喫煙者への受動喫煙防止が十分に達せられないと認められ
る公園については状況に応じた手法で禁煙化に向けた調整を行うこととしております。
次に、代替園庭及び主な戸外活動先として保育園児が利用する公園・児童遊園の全てを来年度
中に禁煙化すべきとのご意見ですが、代替園庭等は子どもが日常的に利用する観点からすれば、
禁煙化を図ることは議員ご指摘のとおりでございます。区としましては、地域の理解を得ながら、
来年度の禁煙化に向け、積極的に取り組んでまいります。
最後に、千代田区の喫煙対策最終目標ですが、具体的な指標として、ちよだみらいプロジェク
トの目標値があるものの、公園・児童遊園の喫煙対策については、先ほど述べました公園での喫
煙対策の基本方針のとおり、分煙化では非喫煙者への受動喫煙対策が十分に達せられないと認め
られる公園については、状況に応じた手法で禁煙化に向けた調整を行うことともありますとおり、
禁煙化に向けて取り組んでいく必要があると認識しております。しかし、その一方で、喫煙者へ
の配慮もまた必要であります。今後も分煙化が可能な公園については適切な整備を行っていくと
ともに、屋内喫煙所設置助成制度を活用した小規模分散型屋内喫煙所の整備等を進めるなど、喫
煙者も非喫煙者も共生できる社会の実現を目指し、引き続き取り組んでまいります。
区としての喫煙対策の最終目標は過料の徴収ではなく、路上喫煙をなくすことであります。マ
37
ナーからルールへ、そしてマナーへとあるように、最終的には喫煙者のマナーによりルールが必
要でなくなる社会を実現していくのが区としての最終目標であります。
○21番(林則行議員)
21番林則行、自席から再質問いたします。
教育行政の1点について、絞って伺います。
くるめてお答えしましたけれども、任命権者が千代田区教育委員会の校長が、1人の生徒に退
学処分を撤回した事案だけで、非常に重たい、その子の人生を狂わせようとした校長がいる。そ
の校長が判断したのを撤回しない状態、要は高校1年生部分だとしたら、残り2年半退学処分だ
と冤罪を決めつけられた校長のもとで、生徒が、本当に区長の招集挨拶で言った、学校は子ども
たちにとって楽しい学び場になるのかどうかという視点を聞いているわけなんですよ。そんな裁
判の詳細の仕組みについて聞いているわけではないんですよ。子どもたちの立場に立ったら、だ
って普通に考えたら、毎日登校する学校の校長が、おまえはやめろと言われたまんまの状態で、
裁判所は通学していいですよと言われているのに、毎日毎日校長からおまえは退学処分のままな
んだと言われ続けている状態を千代田区の教育委員会が許せるんですか。その1点について答え
ていただきたい。
〔教育長島崎友四郎君登壇〕
○教育長(島崎友四郎君)
林議員再質問にお答えいたします。
冤罪というものは、教育の世界でも一般の社会でも絶対に許されていいものではないという強
い思いを私も持っています。今回の事案について、問題は、今回なされた事案に対する処分の適
用性や妥当性の判断にあるというふうに思っています。私自身は、今回のなされたことが冤罪に
当たるとは思っておりません。ただ、(「撤回しているんだぜ」「冤罪じゃん」「冤罪というん
だよ、それを」「そういうのを冤罪……」と呼ぶ者あり)いえ、私は冤罪とは思っておりません
で、事後になされた適法性や、やっぱり妥当性の問題にあるというふうに私は思っています。
で、(発言する者あり)そもそも処分をする場合には、子どもの権利にかかわる非常に重大な
問題ですので、文部科学省の通知の中でも、教育委員会は学校に対して社会的通念上妥当性を欠
くものにならないように適正な運用についての条件整備を行い、適切な運用が図れるよう指導す
ることとされています。こうした観点から、処分を行う前の時点での学校への指導・助言が重要
であって、特に退学処分のように重い処分の適用にあっては、処分に至る以前の段階で十部な指
導・助言がなされねば本来ならないものであるというふうに認識しています。(「区長の招集挨
拶と違うじゃないか」「……じゃないか」と呼ぶ者あり)しかし、一たび訴状が提起されれば、
教育委員会は、先ほど答弁申し上げたように裁判の当事者たる被告の立場に立つわけであり、そ
の立場に立って訴訟に対応しなければなりません。
裁判所の執行停止の決定は大変重要なものであり、またそれまでの過程、さまざま重要なもの
でありますけれども、そういったことを踏まえて、さまざまな事案に対して、処分に至った経緯、
被告たる教育委員会の主張、当初の判断の要素である社会通念上の妥当性、あるいは裁判が提起
された場合には、裁判所でなされた判断等を十分に尊重して、教育委員会において改めて慎重に
論議し、対応を決定すべき事案であると認識しています。さまざまな要素をもとに、先ほどお話
38
しになった事例も含めて、教育委員会として熟慮を重ねて対応を行っていくべきものが基本と考
えておりまして、そのような対応に努めているところでございます。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、20番はやお恭一議員。
〔はやお恭一議員登壇〕
○20番(はやお恭一議員)
平成28年第1回区議会定例会において一般質問をさせていただ
きます。
今回、定例会では次の2つの視点から質問をいたします。1つ目は「千代田区における中等教
育のあり方検討会報告書」を踏まえて、2つ目は生徒の学力と内申の地域間格差について、以上
につきまして質問をさせていただきます。
昨年3月、本区の中等教育のあり方検討会から報告書が提出されました。これは平成14年度
に策定された千代田区の中等教育将来像に掲げた施策の成果と課題の検証を踏まえ、今後の千代
田区の中等教育のあり方についての方向性がまとめられたものです。報告書では、麹町中学校を
国際教育推進校、神田一橋中学校を情報教育推進校として特色ある学校づくりを進めるとともに、
学校選択制の導入によって、それらの特色のさらなる推進の取り組み、学校が活性化したとされ
ています。
しかしながら、区立小学校第6学年児童を対象としたアンケートでは、「どのような学校に通
いたいと思いますか」という質問に対する回答の選択肢14項目のうち、「日本や外国のことを
教えてくれる学校」は8位、「コンピュータやインターネットについて教えてくれる学校」は9
位という結果が出ています。公立を希望する児童におけるそれらの選択肢を選んでいる割合その
ものも10%台となっており、在来型中学校が特色ある学校づくりとして取り組んでいる内容が、
実際に中学校を選択する際に児童に大きな影響を与えているとは考えにくい面もあります。
また一方で、「どのような学校に通いたいか」という質問で一番多かった回答は「部活動や行
事が盛んな学校」となっており、公立希望、九段希望とともに、それぞれ40%以上の児童がそ
のように回答していました。したがって、在来型中学校並びに区立中等教育学校ともに、部活動
の充実や活性化を図ることは区立小学校から区立中学校への進学率向上への大きな鍵となる部分
とも言えます。さらに、報告書では、人格の形成において大切な小学校、中学校の9年間の教育
を見通した連携が重要であると述べられています。もともと敷地が離れているため区立小学校と
区立中学校との交流は物理環境的に難しいものがあります。
そのような状況の中で、例えば小中連合陸上競技大会は、児童と生徒が一堂に会し、連携・交
流ができる貴重な機会としての役割を果たしてきたと思われます。ここ数年国立競技場の改修工
事を機に中学校においては大会そのものの開催もなくなっていますが、あの大会は児童や生徒に
おいて区立学校間の横のつながりを認識するとともに、特に児童にとって中学への憧憬を育み、
その実際に触れることができる貴重な機会であったのではないかと考えます。
そこで、本区における中等教育将来像に関して、次の2点について伺います。
まず1点目、報告書において成果と課題を踏まえた今後の方向性として、魅力ある学校づくり、
学校の適正規模の維持、区立中学校の学力向上の取り組み・充実・周知の3点が挙げられていま
39
す。それぞれの施策その後の進捗状況について具体的にお答えください。
2点目、小・中学校間の縦断的な連携・交流並びに区立小学校、中学校それぞれ横断的な連
携・交流の機会の必要性についてお答えください。特に小中連合陸上競技大会等の実施について、
今後の方向性を含めてお答えください。
次に、生徒の学力と内申の地域間格差についての質問に移ります。
平成14年より、全国的に評定の評価方法が集団に準拠した評価、つまり従来の相対評価から
目標に準拠した評価、いわゆる絶対評価へ変更されました。中教審の報告書によると、そもそも
学習評価の目的は学習指導要領において示された基礎的・基本的な知識・技能、それらを活用し
て課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力及び主体的に取り組む態度の育成を確実
に図ることにあるとされます。また、学習評価は、評価すること自体が目的ではなく、児童・生
徒の学習の実現状況を把握し、その学習活動を励まし、一人一人の質や能力を伸ばすためのもの
であると言われています。
一方では、文部科学省は、絶対的な評価の現実と課題を把握するため、学習指導要領と学習評
価に関する意識調査を教師と保護者を対象として平成15年度と平成21年度に実施しています。
平成21年度に行われた同調査の結果からは、学習状況の評価の資料の収集・分析に負担を感じ
ると答えた教師が63%に上り、教師の負担感や指導と評価の一体化についての課題が浮き彫り
となっています。さらに、知識・理解や技能・表現の学習評価を円滑に実施できると感じている
教師は8割以上いるのに対し、関心・意欲・態度や思考・判断の学習評価を円滑に実施できてい
ないと感じている教師が全体の3分の1を占めるなど、平成15年度の調査と比べても、学習評
価に対する教師の負担感は依然軽減されていないことが明らかとなりました。
また、保護者においては、先生が子ども一人一人の状況に目を向けてくれていると感じている
割合が、平成15年度には約46%と半分を割っていましたが、平成21年度には約65%へと
上昇しており、そのような保護者の肯定的な受けとめからも教育側の努力の姿勢が垣間見える結
果となっています。しかしながら、その一方で、同じ平成21年度の調査では、評価に先生の主
観が入っているのではないかと不安があると感じている保護者が約38%、学級や学年など集団
での位置づけがわからず、入学選抜などに向けて不安があると感じている保護者が約46%も存
在していることが明らかとなっています。相対評価の時代には、5段階評価のそれぞれのステー
ジの割合が集団の中で定められていたために、例えば習熟度の高い集団ではその集団における位
置づけがわかるものの、一人一人が有している学習に関する力そのものははかりにくかった面が
ありました。絶対評価においては、生徒個人、そういった能力に関する評価が可能となり、それ
らの弊害が解消される点が期待されていましたが、結果的には保護者は不安を抱えているという
現状があるようです。特に中学におけるそれらの評価は高校の入学者選抜に直接影響を与えるた
めさらに深刻なものとなっています。
東京都教育委員会では、児童・生徒の学力向上を図るための調査として統一した学力テストを
5教科で行い、都下全体の学力、得点獲得力を見ています。中学校を対象とした平成27年度の
同テストの結果を見ると、例えば数学では、正答率の全体の平均が56.2%であるのに対し、本
40
区の平均は71.5%、国語では全体の平均の54.1%に対し、本区は66.4%、英語も全体で
平均59.0%に対し、本区では75.2%と、いずれも都下で一番高く、しかも全体平均をかな
りの割合で上回る結果となっています。そうなると、本区における絶対評価では高く評価される
生徒が多いのかなという発想がまず浮かぶのですが、実際にはそうとも言えない現状となってい
ます。
東京都教育委員会が各公立中学校の成績分布状況、つまり評定の分布状況を公開し、評価の信
頼性や客観性が保たれるよう取り組んでいますが、東京都全体の平均的な評定分布と本区の各中
学校の評定分布はグラフ化すると同じような曲線を描いています。つまり、3が一番多く、その
両脇へ行くほど減っていく山なりのグラフです。評定は学力だけを評価するものではないため、
関心・意欲・態度などを総合的に評価するとそのような結果になるということも考えられますが、
客観的な指標としての学力調査の結果、水準の高い集団の中における絶対評価にしてはその分布
状況が都の平均に近いという点に妙な感じがしなくもありません。
特に昨今の高校の入試状況は少子化の進展もあり複雑になってきています。都政改革で都立の
高校の復権がうたわれ、経済状況も相まって現在も都立志向の拍車がかかっています。ご存じの
とおり、都立入試では内申点が非常に重要なポイントとなります。また、できるだけ希望の都立
高校にチャレンジするために、私立高校の併願優遇制度を利用する場合などは内申点が基準を満
たすかどうかが鍵となります。それくらい高校入試には内申点が直結しており、そしてそれらの
進路選択に及ぼす影響は大きなものとなっています。私自身も本区の区立中学校の出身ですので、
ぜひとも在来型中学校には頑張ってもらいたい、応援をしたいというのが本音です。しかし、ち
またでは、千代田区は内申がとれない、千代田区は内申が渋いという声をよく耳にします。高校
関係者の中では千代田と港は内申が厳しいという定説になっているとも聞き及びます。したがっ
て、内申点がとりづらいことが在来型中学校への進学希望が増えないことにつながらないか危惧
されるところです。
そこで次の2点について伺います。
1点目、本区における生徒の学力と内申の地域間格差について、現状をどのように把握し、ど
う捉えているのか、高校の入学者選抜へ与える影響も踏まえた視点でお答えください。
2点目、魅力ある学校づくりを目指す本区の中等教育に関する今後の方向性の中に、学習評価
に関する課題の改善に関して盛り込む必要性についてどのように考えるか、お答えください。
以上につきまして、区長並びに関係理事者の明快な答弁を求め質問を終わります。ありがとう
ございました。(拍手)
〔教育長島崎友四郎君登壇〕
○教育長(島崎友四郎君)
はやお議員のご質問のうち、千代田区における中等教育のあり方検
討会報告書において、今後の方向性として提言された3点の事項に関するその後の進捗状況につ
いてのご質問にお答えいたします。
本報告書は、平成14年度の千代田区の中等教育将来像の策定から10年が経過したのを機に、
その成果と課題について平成25年度から26年度の2カ年にわたり、学識経験者、区立学校関
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係者、教育委員会事務局職員等を委員とする検討会でご議論いただき、その結果を報告書として
取りまとめていただいたものです。
報告書では、3つの方向性の実現に向け、学力向上への取り組み、魅力ある部活動への取り組
みなど、8項目にわたり具体的な施策が提案されており、実現可能なものについては順次対応を
進めているところでございます。
例えば、魅力ある学校づくりに向けては、平成26、27年度と宿泊行事の見直しを行ったと
ころであり、麹町中学校、神田一橋中学校では、28年度から2年生において学校の実情に応じ
て宿泊場所や活動内容を学校ごとに決めて行う裁量型合宿を導入することとしております。また、
魅力ある部活動を推進するため、今年度は延べ12の部活に専門性のある指導者を招聘し、教員
と一緒に指導に当たれる環境を整えているほか、麹町中学校では、水泳部の活動を地域のスポー
ツクラブに委託して効果的な指導を受けております。
学校の適正規模の維持に関しては、例えば、本年度神田一橋中学校において、1年生から2年
生への進級に際し、本来40人学級のためクラス数が減少するはずのところを、区費講師を活用
して学級数を維持する等の弾力的な学級編制を行ったところです。また、区立中学校の学力の向
上の取り組みの充実・周知につきましては、学習機会を充実するため、地域人材や専門事業者を
活用し、放課後に生徒が選択できる講座を用意し、進学対策の発展学習や基礎学力向上のための
補習授業を行っているところであり、今後さらなる充実を図る予定としております。さらに、学
校のホームページを活用した家庭での個別学習の場の提供などの試みも行いつつあるところです。
しかしながら、今後の中等教育については、在来型中学校の特色ある教育活動の一層の充実や教
師の指導力の向上、九段中等教育学校における6年間を通じた教育内容の検証など、さらなる検
討を進めるべき課題が多くあるものと認識しております。そのため、この報告書の内容を踏まえ
現在でも教育委員の間で議論を続けているところであり、今後そうした議論の成果を取り込んだ
形で、改めて一定の方向性を出していきたいと考えております。
〔教育担当部長小川賢太郎君登壇〕
○教育担当部長(小川賢太郎君)
はやお議員の小・中学校間の連携・交流の必要性についての
質問にお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、学校間交流は子どもがより多くの友達と出会い、多様な見方や考え方に
触れ、向上心を持つきっかけとなるなど、重要な教育の機会であると認識しております。特に
小・中学校間の交流では、上級学校への憧れや進学によるギャップの解消、下級生への思いやり
の心を育み、自身の成長を実感する機会にもなるなど、教育的効果の高いものであります。
現在、区では、小学3年生と4年生が中心となり、合同で合唱や合奏をする連合音楽会や小学
5年生が麹町地区と神田地区に分かれて競い合う水泳記録会を実施しております。また、小学生
が中学校へ出向いて行う部活動体験や、中学校の生徒会が小学校で学校紹介を実施し、小・中学
校間の連携・交流の機会としているなど、区内の子どもたちが横断的、縦断的に参加する行事は
多数ございます。
小中陸上競技大会につきましては、国立競技場の改築を契機に一旦休止し、連合行事全体のあ
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り方を検討することといたしました。小学校については、小学校長会の主催により、区立外濠公
園を利用して従前と同様の内容で記録会として実施しております。小中陸上競技大会の実施に当
たっては多くの課題がございますが、これまでの伝統や子どもたちの思いをしんしゃくしつつ、
平成32年の新国立競技場完成ごろまでをめどとして行事のあり方や実施方法について検討を進
めてまいります。
次に、生徒の学力と評定に関するご質問にお答えいたします。
児童・生徒の学習評定については、1つの学校の中で各評定の人数の割合をあらかじめ決める
相対評価から、平成14年度の生徒指導要録の改定に伴い、学習到達度に準拠した評価、いわゆ
る絶対評価として実施されるようになったことはご指摘のとおりでございます。各学校では、適
正で信頼される評価の実施に向けて、東京都教育庁指導部が定めた基準をもとに、組織的、計画
的に取り組んでいるところでございます。
ご指摘のとおり、本区は東京都の学力調査において区立中学校2校と九段中等教育学校前期課
程を加えた全3校が参加しています。学校別の成績は公表しておりませんが、区全体としては都
内でも高い学力状況を示しております。こうした中、中学校3年生時は高校入学選抜にも影響を
与えることから、現在、東京都は年に複数回、都内区立中学校を対象に、学力に対して適正な評
価が行われているかどうかの調査を実施しております。その結果、本区は学力に見合った適正な
評価が行われているとの結果報告を受けております。
こうしたことから、学習評価に関する改善について、中等教育学校の今後の方向性に直ちに盛
り込む状況にはないものと考えますが、学習評価は子どもの将来を左右しかねない重要な課題で
ございますので、引き続き公正、的確を期するよう鋭意取り組んでまいります。
○20番(はやお恭一議員)
20番はやお恭一、自席より再質問させていただきます。
まあ、私はいつも教育関係の質問をすると、大体こんな同じ状況です。というのは、教育の継
続性というお立場から一定の理解はしています。今までもやっています、今後もやっていきます
という答弁が、いつも教育の答弁なんですよ。で、やはり今後教育ということを考えていったと
きに、やはり、変えるべきものは変える。(「そうだ」と呼ぶ者あり)伝統として守るべきもの
は守っていく。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)そういう視点に立っていかなかったら、本当に
子どもたち、いい子どもたちは、私は人づくりは、僕はできないと思うんです。(「そうだ」と
呼ぶ者あり)重要だからこそ、今回質問した。
そこで、連合陸上の件については継続的にまた質問していきます。というのは、予算もござい
ますし、また、これこれ、それぞれさまざまな場所で継続的に、そんな、2032年なんて悠長
なこと言ってられません。私も、練成中学のときには、ゆとりのない教育を受けてきているのに、
きちっとやりましたから、学校長のそんな都合ではない。
それでは、2点。
東京都の学力調査に適性検査を行いましたと。ごめんなさい、今回の九段中等というのは適性
検査を行っています。そして、教育課程、つまり九段中等というのは、6年間の内容を5年間で
やっている。そういうような教育カリキュラムが違うものを、なぜこの学力テストの中に入れた
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のか、1点。(ベルの音あり)
もう1点は、内申のこういう監査をする、それは東京都の学校長のOBがやっているんでしょ
う。でも、最終的には正規分布にするように、ただ押しなべてやっている。学力はあるのに正規
分布にしているんだったら、内申なんかとれるわけないじゃないですか。この辺のところについ
て実態調査をするのかどうか、はっきりイエスかノーか言っていただきたいと思います。
以上。きっぱり、ノーなのか。(発言する者あり)
〔教育担当部長小川賢太郎君登壇〕
○教育担当部長(小川賢太郎君)
はやお議員の再質問にお答えいたします。
まず1点目、東京都が実施する学力調査につきましては、各学校、市区町村で教育課程とか指
導方法がそれに関する課題を明確にするといった目的で、毎年行われているものでございます。
対象としましては、都内の全公立の小・中学校、中等教育学校、都立の高校附属中学校となって
ございます。こうしたことから、九段中等教育学校も対象となっているところでございます。
そして、2点目の学力と評定の関係についてでございます。先ほど申し上げましたとおり、現
在は絶対評価となっておりまして、個人個人の学習の到達度が、評定の物差しとなっております。
このため学力の結果と照らして正答率、つまり得点が高い区は、評定もそれに応じて高くなって
いる。その逆についても、また同様に得点と評定が連動しております。結果として、区によって
は、評定の分布に偏りがあるような状況になってございますので、必ずしも正規分布と一致して
いるわけではございません。これまでも各学校に教育委員会事務局が加わって、評価の客観性、
信頼性を確保するために調査は行ってまいりましたけれども、今後も、区が行っている調査に加
えて東京都の調査も行っていますが、そういった調査の結果につきましても、3月の下旬に最新
の結果が公表されます。当然、これまでやってきた調査、今後も引き続き行ってまいります。適
正で信頼される評定の実施に向けて、実態を十分に調査してまいります。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、1番岩田かずひと議員。(「頑張れよ、最後だから」と呼ぶ
者あり)
〔岩田かずひと議員登壇〕
○1番(岩田かずひと議員)
第1回定例会一般質問をさせていただきます。
我が千代田区では、平成14年10月1日から、全国に先駆けて、総合的な生活環境の向上を
目指した安全で快適な生活環境の整備に関する条例を施行しました。この条例では、全国で初め
て路上喫煙を罰則つきで規制するという画期的なものであったため、全国からさまざまな反響を
呼びました。
千代田区は夜間人口が5万数千人ではありますが、昼間人口は買い物客などの出入りを含める
と100万人とも言われるほど昼夜の人口の差が大きいまちです。こうしたことから、ポイ捨て
や歩きたばこ、置き看板などの路上障害物といったまちの環境の悪化が住民の深刻な悩みでもあ
りました。
従来の取り組みとして、区では平成11年4月にポイ捨て禁止条例をスタートさせ、ごみのポ
イ捨てや公共の場での喫煙を努力義務として禁止しましたが、罰則を伴わない条例であるため、
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ほとんど目立った効果はありませんでした。このため、マナーやモラルに期待しながらまちの環
境をよくしていくことは非常に難しく、人々の道徳心のみに頼ることはもはや限界であると考え、
やむを得ずルールである罰則つきの条例を制定しました。
この条例は、行政のみが行動するのではなく、区民、事業者など、地域のあらゆる人々が一体
となり、ともに汗をかきながら、地域全体で安全で快適なまちを実現することを目指しています。
また、罰則の適用を行い、路上禁煙地区での喫煙や吸い殻のポイ捨てをした場合などには2万円
以下の過料、当面は2,000円を適用しています。それを取り締まる生活環境改善指導員の皆様
は、それはふだんから大変なご苦労をされていると伺っております。過料をおとなしく払う違反
者ばかりではなく、開き直ったり、逆に恫喝してきたりする違反者もおり、トラブルになりそう
なことも多々あるようで、気苦労は相当なものであると認識するとともに、ふだんの取り締まり
に心から感謝いたします。
さて、現在、電子たばこや電気加熱式たばこという次世代のたばこが存在しますが、ここで指
導員の方々の頭を悩ませる商品がまた発売されてしまいました。新型たばこと呼ばれるヒートス
ティック型たばこです。このたばこは2014年11月に名古屋市で先行発売され、2015年
9月1日に12都道府県で販売されるようになりました。これはヒートスティックというカート
リッジを電気で加熱する喫煙具に挿して使用する電気による加熱式の葉たばこであり、従来の電
子たばこが液体を蒸発させてニコチンを摂取するというものとは異なります。特徴としては火を
使わない、灰が出ない、においが少ないとはいうものの、葉たばこであることにかわりはなく、
規制は各自治体の条例に委ねられております。
昨年12月25日の毎日新聞によると、喫煙の定義について、名古屋市はやけどのおそれや被
服を焦がすなど危険な行為、大阪市は火のついたたばこの所持としていますが、新型たばこはこ
れに当てはまらないとの解釈です。また、今年1月8日の河北新報には、仙台市は現時点では禁
止対象外との考え、4月1日に施行する歩行喫煙防止条例を踏まえ、条例はたばこの火による身
体、財産への危害防止が目的、危害を加える可能性は低いと説明するとあり、路上喫煙禁止条例
の対象外としている自治体も存在している一方、横浜市のように規制している自治体もあり、自
治体によって対応が分かれております。
そこで質問させていただきます。千代田区における電子たばこ及び新型たばこに対する規制は
どのようになっているのでしょうか、今後の千代田区の対応をお聞かせください。
続いて質問させていただきます。2011年3月11日に東北地方を襲った東日本大震災から、
来月で丸5年がたとうとしています。被害に遭われた方々には、謹んで哀悼の意を表します。
さて、あの痛ましい災害から5年ですが、被災地は一体どれほどの復興がされたでしょうか。
いまだ瓦れきは放置され、除染を含む放射能対策は終わらず、いつになっても地元に帰れない
方々が18万人近くもいらっしゃいます。これは私が大槌に行ったときにボランティアで瓦れき
の撤去をしてきました。そのときに地元の方と仲よくなり、これを持って地元は頑張っているん
だと、負けてたまるか、これを忘れないでくれと言われて渡されたものです。
昨年10月27日付の各紙の報道では、福島第一原発で海側遮水壁が10月26日にようやく
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完成したと報じられました。海側遮水壁とは、1号機から4号機の海側の護岸の外側に全長約8
00メートルに深さ22メートルから24メートルまで鋼管矢板700本を岩盤層まで打ち込ん
で鉄鋼製の頑丈な壁をつくり、原発周辺の地上からも地下からも汚染水が海に流れ込むのをとめ
ようという巨大土木工事で、2011年10月に着工、14年3月にはほぼ完成していました。
しかし単にふさいだだけでは汚染水があふれ出してしまうだけなので、建屋の周りに数多く掘ら
れたサブドレンと呼ばれる井戸と、遮水壁に接して5カ所に設けられた地下水ドレンと呼ばれる
井戸から汚染水をくみ上げて浄化した上で海に放出するシステムが稼働するまで、幅10メート
ルだけすき間をあけて汚染水を海に流していました。2つのドレンシステムが動き出したのでよ
うやくそのすき間をふさいで汚染水が直接海に流れないようにしたというのが完成したという意
味であります。裏を返せばこれまで4年半は汚染水を海に垂れ流していたということであります。
東京新聞によりますと、さらに深刻なのは、これが完成しても放射性物質の海洋流出が完全にと
まるわけではないという現実であります。どうしてかといえば、事故現場に毎日400トンの地
下水が流入してくるのをとめることができていないからです。山側から入ってくるものをとめな
いで海側だけをふさいでも何の意味もないのです。
にもかかわらず、安倍首相は五輪招致の際に、福島第一原発の立ち並ぶタンクのあちこちから
汚染水が漏れ、地下水は山側から容赦なく流れ込み、それが汚染されて港湾に流れ込む事態が続
いていたのに、汚染水の影響は完全にブロックされている、状況は管理下にある、アンダーコン
トロールであると、世界中に向けて残念ながらうそを発信し、世界中をだまし、五輪を東京に招
致したのです。しかもその汚染水対策の基本方針も政府主導で最終プレゼンテーションの5日前
に打ち出した五輪招致のためのつけ焼き刃で作成したものでした。そして政府は五輪のほうに顔
を向け、被災地対策は二の次となり、いまだに多くの被災者の方々の生活は事故前の状態には戻
っていません。あれだけの事故を起こし、あれだけ多くの方々を被害に遭わせていながら、東京
電力も国も全力で復興に力を入れているとは到底思えません。
それはNHKスペシャルでも放送されましたが、当時、復興予算19兆円のうち2兆円も復興
とは関係のないようなものに投じられていることからも明らかです。反捕鯨団体対策費に23億
円、国立競技場に3億円、中にはコンタクトレンズメーカーの岐阜工場のライン増設に充てられ
るというずさんな使われ方もあり、あれもこれも復興予算といういいかげんさ、被災者を救うは
ずの税金も被災地をずたずたにした電力会社のためにも流用しているというでたらめぶりです。
これが政権が交代してからは24兆円まで拡大し、そのうち、実に1兆1,570億円が天下り団
体や自治体が管理する基金に配られ、被災地以外で野方図に使われていました。(発言する者あ
り)さらに政府は11年から15年の集中復興期間に26兆3,000億円もの復興予算を計上し
ていますが、その使い道は依然めちゃくちゃで、15年度予算案では防衛省の輸送ヘリ改修費な
ど、防衛費に約14億円が盛り込まれていたことが発覚しました。
復興と無関係なところに予算を使う一方、使い道がなく2013年度末時点で9兆円もの予算
が余っています。言うまでもなく、復興予算の原資は税金です。国民は2037年まで所得税の
税額の2.1%分を被災地復興のために納付しなければならない。国民から徴収しておいて9兆円
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も余らすということはどういうことなのでしょうか。復興予算は当初各省庁に何でもありのお小
遣いとして使われていました。国民から批判が噴出し、厳格化され、その結果9兆円もの予算が
余った格好です。しかし9兆円も余るということは、当時の政権が復興に向け有効な手だてを見
出せていないということです。被災地では仮設住宅で厳しい冬をしのいでいる方がまだまだ大勢
います。なぜ困っている人に予算を振り向けることを考えないのか、被災地に目が向いていない
のではないかと、経済ジャーナリストの荻原博子氏は言っています。
我が国では、最初の原子力発電が東海村で行われてから約50年、我々国民は、原発は安心・
安全、安価でクリーンと、政府にだまされ続けてきました。なぜここまでうそをつき続けてきた
のか、政府は日本を第二のチェルノブイリにしたいのでしょうか。その結果が皆さんご存じの3.
11です。政府も東京電力もそれでも懲りずに原発を再稼働させたいがために、節電しないと電
気が足りなくなる。それが嫌なら原発を再稼働させろというような、それはまるで脅迫に近い節
電のお願いをしてきました。それはなぜか、政府にとっても東京電力にとっても原発はもうかる
からであります。これは原発がとまると電力不足になるという印象を与え、原発の必要性を過大
に宣伝し、不安をあおる、電力会社と原子力村の策動なのです。
皆さんごらんになったことがあると思うんですが、原子力村の癒着相関図です。(発言する者
あり)これは、電力会社を中心に、業界団体、学会、そして官僚の方々、政界などなど、マスコ
ミ……
○議長(戸張孝次郎議員)
岩田議員よ、関係ないだろう、これと。
○1番(岩田かずひと議員)
○議長(戸張孝次郎議員)
最後に。(発言する者多数あり)
関係ない。そういう質問するなら、そういうふうに言えよ君。(発
言する者多数あり)
○1番(岩田かずひと議員)
はい。(発言する者多数あり「)はい。(発言する者あり)はい。
原発は我々から徴収した電気料金に加え、国家予算という巨大なマネーを生み、それによって
潤う企業、例えば日立、東芝、GE、三菱重工、石川島播磨、大成建設、鹿島、大林、前田建設、
新日鉄、神戸製鋼など、メーカーやゼネコン、そして、これら企業から献金を受けている電力族
議員や政治資金団体、斑目春樹氏のような御用学者、広告料を受け取るマスコミ、交付金を受け
取る自治体、天下りする官僚、それを受け入れる業界団体などなど産・官・学、みんな砂糖に群
がるアリのように原発利権に群がっているのです。
詳しくは「原発の深い闇」、こちらの本に載っておりますので、(発言する者あり)説明はこ
の辺にします。
なので、このように恩恵にあずかっている人々は事故のことも忘れ、自分たちの利益のために
国民の健康被害そっちのけで口をそろえて原発は安心・安全を口にして、どんなうそをついてで
も事実を隠してでも原発を再稼働させたいのです。
きのうのニュースでも、福島第一原発が事故当時メルトダウンしていたという事実の公表が2
カ月もおくれたことについての報道がありましたが、とにかく不都合な真実は国民に教えたくな
いのです。しかし、現在の原発の稼働状況を見る限り、原発が全国で54基も必要ないのは明ら
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かでありますし、それどころか全ての原発が稼働しなくても電力は賄えるのが明らかになりまし
た。にもかかわらず、政府も首相官邸のホームページで節電を呼びかけてきたし、経済産業省関
東経済産業局はいまだに節電のお願いをしています。
ところが、最近、国民も気がついてきました。原発がなくても国内の電気は足りているじゃな
いかということです。ちなみに、COP21における日本の数値目標が達成できそうもないのは、
3.11の事故のせいではなく、原発には40年廃炉基準もあり、そもそもの数値設定の見込みが
甘かったからであります。しかも、低炭素社会を目指すならば太陽光、風力、水力、地熱、バイ
オマスなどの再生可能エネルギーに移行すべきであり、火力がだめだから原子力というのは余り
にも短絡的であり、事故の教訓を全く生かしておりません。人間は失敗する生き物ですが、肝心
なのはその後どうするかということではないでしょうか。
政府の節電のお願い同様に、千代田区でも節電という名のもとに3.11以降、区の管理してい
る街灯約5,900本のうち約400本が夜になっても消えたままになっています。区の職員の皆
様も帰宅する際、区役所を出て俎橋の付近を歩くとき、足元が暗くて不便を感じたことがあるの
ではないでしょうか。暗い夜道は段差などに気づきにくく、非常に危険ということであるだけで
なく、ある特定の犯罪を誘発しやすいとの統計も出ております。平成25年警視庁犯罪統計によ
ると、刑法犯の主要罪種認知件数は12万8,356件で、時間帯別に見ると5万4,099件、
つまり42%超が夕方6時以降朝6時までの間に発生しています。さらに風俗犯933件に絞っ
てみると、そのうちの97.5%を占める強制わいせつ犯は約63.3%がこの夜間の時間帯に発
生しています。確かに刑法犯全てを考えれば昼夜の区別なく事件は発生しており、また地域性も
あるので全ての事例がこの千代田区内で当てはまるとは思えませんが、都内全体でこのような統
計が出ているという事実は認識しなければいけないのではないでしょうか。
そこで、そろそろ千代田区内にある街灯で、区が管理しているものについては夜間点灯を考え
なければいけないのではないでしょうか。区の管理している街灯には、「節電のため消灯してい
ます
千代田区役所」という張り紙とともに、街灯は消されており、まちは暗くなっています。
このような危険な状態が一体いつまで続くのでしょうか。区民の一人として非常に不安を覚えま
す。区は街灯をつけることができないくらい財政が逼迫しているのでしょうか。
そこで質問させていただきます。区の管理している街灯は一体いつになったら夜間に点灯させ
るのでしょうか、今後の区の方針をお聞かせください。
以上で質問を終わります。(拍手)
〔コミュニティ振興担当部長吉村以津己君登壇〕
○コミュニティ振興担当部長(吉村以津己君)
岩田議員の千代田区における電子たばこや新型
たばこへの対応についてのご質問にお答えをいたします。
近年、従来の紙巻たばこにかわる電子たばこや加熱式たばこに代表される新型たばこが発売さ
れており、こうしたたばこを喫煙する行為がいわゆる喫煙する行為に当たるのかどうか、国の指
針がないことから自治体によって判断が異なっております。こうした状況の中、千代田区では、
安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例におきまして、喫煙する行為を、たばこを
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吸うこと及び火のついたたばこを持つこと、また、たばことはたばこ事業法に規定される製造た
ばこ、葉たばこを原料の全部または一部とし、喫煙用、かみ用またはかぎ用に供し得る状態に製
造されたものと定義しております。電子たばこにつきましては、このたばこ事業法の適用外であ
り、規制の対象とはしておりませんが、その一方でiQos、Ploomといった新型の加熱式
たばこは紙巻たばこと同様、たばこ事業法に基づく製造たばこであることから規制対象としてお
ります。しかしながら、生活環境改善指導員による取り締まりにつきましては、電子たばこも過
熱式たばこも瞬時に見分けがつかないことから、現在は注意指導にとどめることとしており、今
後も当面は同様の対応を考えております。
〔環境まちづくり部長細越正明君登壇〕
○環境まちづくり部長(細越正明君)
岩田議員の区道の街路灯の消灯に関するご質問にお答え
いたします。
区道の街路灯につきましては、東日本大震災の発生後、電力供給の不安定化に伴う節電の必要
性から街路灯の一部を消灯してきました。発災当時は約5,500基の区街路灯のうち最大1,1
72基、2割以上の街路灯を消灯していました。その後、電力需給の改善や地域からの要望など
を踏まえ、順次再点灯してまいりました。平成28年1月末現在で406基を消灯しております
が、まちの安全・安心の観点から、来年度中には全ての街路灯を再点灯する予定でございます。
○議長(戸張孝次郎議員)
以上で一般質問を終わります。
これより日程に入ります。
日程第1から第12を一括して議題にします。
―――――――――――――――――――○―――――――――――――――――――
議案第 6 号
千代田区情報公開条例等の一部を改正する条例
議案第 7 号
千代田区個人情報保護条例及び千代田区情報公開・個人情報保護審査会条例の
一部を改正する条例
議案第 8 号
千代田区行政不服審査法施行条例
議案第 9 号
千代田区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例等の一部を改正する条例
議案第10号
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
議案第11号
職員の退職管理に関する条例
議案第12号
千代田区の行政委員会委員並びに非常勤の監査委員の報酬及び費用弁償に関す
る条例の一部を改正する条例
議案第14号
千代田区手数料条例の一部を改正する条例
議案第19号
千代田区建築審査会条例の一部を改正する条例
議案第20号
千代田区道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例
議案第23号
自転車通行環境整備工事「神田警察通り」請負契約について
議案第24号
災害対策用備蓄物資(食料)の購入について
(企画総務委員会審査付託)
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○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関から提案理由の説明をお願いします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
議案第6号、千代田区情報公開条例等の一部を改正する条例につきま
してご説明申し上げます。
行政不服審査法及び行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴い
千代田区情報公開条例ほか関係する条例7件のそれぞれ一部を改正するものでございます。
改正内容は、不服申し立ての手続が原則として審査請求に一元化されることに伴い規定を改め
ることに加え、情報公開請求及び自己情報開示請求の決定などに対する審査請求があった場合、
審理員による審理手続を除外し、従前どおり情報公開・個人情報保護審査会の意見を聞き、採決
を行うこととするほか、条例中に引用する法律番号を改めるなど、規定を整備するものでござい
ます。
本年4月14日から施行をいたします。
次に、議案第7号、千代田区個人情報保護条例及び千代田区情報公開・個人情報保護審査会条
例の一部を改正する条例でございます。
地方公務員法の改正により、職員の守秘義務違反に対する罰則が1年以下の懲役または3万円
以下の罰金から、1年以下の懲役または50万円以下の罰金へと強化されることにあわせ、個人
情報保護審議会及び情報公開・個人情報保護審査会委員の罰則についても同様の規定に改めるも
のでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第8号、千代田行政不服審査法施行条例でございます。
行政不服審査法の施行に伴い、千代田区行政不服審査会の組織等について規定するほか、審理
手続を行う審理員等に提出された書類等の写しの交付にかかる手数料を定めるものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第9号、千代田区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例等の一部を改正する
条例でございます。
地方公務員法の改正等に伴い、千代田区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例ほか関係
する条例7件のそれぞれ一部を改正するものでございます。改正内容といたしましては、人事行
政の運営等の状況の公表事項の追加、分限処分としての降給制度の導入、断続的に休職した場合
の休職期間の通算、職務給の原則を徹底するための等級別基準職務表の追加について定めるほか、
規定を整備するものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第10号、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例でご
ざいます。
学校教育法の改正により、小中一貫教育を行う義務教育学校が新たに定められることに伴い、
規定を整備するものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
50
次に、議案第11号、職員の退職管理に関する条例でございます。
地方公務員法の改正により、再就職した元職員から現職職員への職務に関する働きかけについ
て一定の規制がかかることにあわせ、法定事項以外の上乗せ規制について条例で定めるものでご
ざいます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第12号、千代田区の行政委員会委員並びに非常勤の監査委員の報酬及び費用弁償
に関する条例の一部を改正する条例でございます。
月額報酬の支給を受ける行政委員会委員及び非常勤の監査委員が、疾病その他の事由により職
責を果たせないと認められる場合は、その月における報酬を日割り計算により支給するものでご
ざいます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第14号、千代田区手数料条例の一部を改正する条例でございます。
長期優良住宅に関する国土交通大臣が定める構造等の基準の一部改正により、その認定対象が
新築住宅だけではなく既存住宅にも拡大することに伴い、当該認定申請にかかる審査手数料を定
めるとともに、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行に伴い、省エネ基準に適
合する建築物の認定申請等にかかる審査手数料を定めるものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第19号、千代田区建築審査会条例の一部を改正する条例でございます。
建築基準法の改正に伴い、建築審査会の委員の任期を条例で定めるものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第20号、千代田区道路占用料等徴収条例等の一部を改正する条例でございます。
道路占用料等の算定の基礎となる固定資産税の評価替えに伴い、道路占用料等徴収条例、公共
溝渠管理条例、都市公園条例に定める道路占用料等の額を改定するものであります。現行の占用
料等について、1.33倍を上限とする激変緩和措置を講じた上で、その額を引き上げるものでご
ざいます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第23号、自転車通行環境整備工事「神田警察通り」請負契約についてでございま
す。
神田警察通りにおきましては、自転車通行帯を設置するほか区道を整備するもので、制限付き
一般競争入札により、契約金額は2億71万8,000円、契約の相手方は常盤工業株式会社とな
ってございます。
次に、議案第24号、災害対策用備蓄物資(食料)の購入についてでございます。
災害対策用の備蓄物資としてミネラルウォーター等を購入するもので、公募制指名競争入札の
結果、購入金額は5,826万1,809円、購入先はロイヤル防災株式会社東京支店となってご
ざいます。
以上、12議案につきましてご説明申し上げました。ご審議の上、何とぞ原案どおりご議決賜
51
りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○議長(戸張孝次郎議員)
ただいま説明がありました議案第6号、議案第9号、議案第10号
及び第11号については、地方公務員法第5条第2項の規定により、あらかじめ特別区人事委員
会の意見を聴取しておきました。その回答の写しをお手元に配付しております。
お諮りします。
ただいまの議案は、いずれも企画総務委員会に審査を付託したいと思いますが、異議ありませ
んか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
日程第13から第17を一括して議題にします。
―――――――――――――――――――○―――――――――――――――――――
議案第13号
千代田区特別区税条例の一部を改正する条例
議案第15号
千代田区民保養施設条例を廃止する条例
議案第17号
千代田区国民健康保険条例の一部を改正する条例
議案第18号
千代田区指定地域密着型サービス及び指定地域密着型介護予防サービスに関す
る基準等を定める条例の一部を改正する条例
議案第25号
東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部変更について
(地域保健福祉委員会審査付託)
52
○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関から提案理由の説明をお願いします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
議案第13号、千代田区特別区税条例の一部を改正する条例につきま
してご説明申し上げます。
行政不服審査法の施行により、不服申し立ての手続が審査請求に一元化されることに伴い、規
定を整備するものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第15号、千代田区民保養施設条例を廃止する条例でございます。
区民保養施設である嬬恋自然休養村の建物等を嬬恋村に譲渡するため、条例を廃止するもので
ございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第17号、千代田区国民健康保険条例の一部を改正する条例でございます。
国民健康保険事業の安定的運営のため、保険料率の改定を行うものでございます。基礎分と後
期高齢者支援金分の保険料率は、所得割率を従前の8.43%から8.88%に、均等割額を4万
4,700円から4万6,200円に、賦課限度額を69万円から73万円に改めるものでござい
ます。あわせまして、均等割減額措置対象者の判定所得を引き上げることといたします。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第18号、千代田区指定地域密着型サービス及び指定地域密着型介護予防サービス
に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例でございます。
介護保険法の改正により、通所介護事業所のうち利用定員が18人以下の小規模な事業所の行
う事業が地域密着型サービスとして区に移行することに伴い、当該事業にかかる基本方針を定め
るほか、規定を整備するものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第25号、東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部変更についてでございます。
平成28年度、29年度の後期高齢者医療の保険料軽減のため、一定の経費につきまして関係
区市町村の一般会計からの負担を求めるものであり、契約変更に当たりまして地方自治法の規定
に基づき、議会の議決を得るものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
以上5議案につきましてご説明申し上げました。ご審議の上、何とぞ原案どおりご議決賜りま
すよう、よろしくお願い申し上げます。
○議長(戸張孝次郎議員)
お諮りします。
ただいまの議案は、いずれも地域保健福祉委員会に審査を付託したいと思いますが、異議あり
ませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
日程第18から第20を一括して議題にします。
53
―――――――――――――――――――○―――――――――――――――――――
議案第16号
千代田区学童クラブ条例等の一部を改正する条例
議案第21号
千代田区立九段中等教育学校教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例
等の一部を改正する条例
議案第22号
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
(子育て文教委員会審査付託)
54
○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関から提案理由の説明をお願いします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
議案第16号、千代田区学童クラブ条例等の一部を改正する条例につ
きましてご説明申し上げます。
学校教育法の改正により、小中一貫教育を行う義務教育学校が新たに定められることに伴い、
千代田区学童クラブ条例ほか関係する条例3件について、規定を整備するものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第21号、千代田区立九段中等教育学校教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関す
る条例等の一部を改正する条例でございます。
地方公務員法の改正等に伴い、千代田区立九段中等教育学校教育職員の勤務時間、休日、休暇
等に関する条例ほか、関係する条例5件のそれぞれ一部を改正するものでございます。改正内容
といたしましては、職務給の原則を徹底するための等級別基準職務表の追加、分限降給における
給料の支給方法について定めるほか、規定を整備するものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
次に、議案第22号、幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
行政不服審査法の施行に伴い、条例に規定する同法の引用条文を改めるものでございます。
本年4月1日から施行をいたします。
以上、3議案につきましてご説明申し上げました。ご審議の上、何とぞ原案どおりご議決賜り
ますよう、よろしくお願い申し上げます。
○議長(戸張孝次郎議員)
ただいま説明がありました議案第16号、議案第21号及び第22
号については、地方公務員法第5条第2項の規定により、あらかじめ特別区人事委員会の意見を
聴取しておきました。その回答の写しをお手元に配付しております。
お諮りします。
ただいまの議案はいずれも子育て文教委員会に審査を付託したいと思いますが、異議ありませ
んか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
日程第21から第25を一括して議題にします。
―――――――――――――――――――○―――――――――――――――――――
議案第1号
平成27年度千代田区一般会計補正予算第3号
議案第2号
平成28年度千代田区一般会計予算
議案第3号
平成28年度千代田区国民健康保険事業会計予算
議案第4号
平成28年度千代田区介護保険特別会計予算
議案第5号
平成28年度千代田区後期高齢者医療特別会計予算
(予算特別委員会審査付託)
55
○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関から提案理由の説明をお願いします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
予算案件につきご説明申し上げます。
まず、議案第1号、平成27年度千代田区一般会計補正予算第3号でございます。補正前の額
509億4,812万4,000円に、90億2,932万4,000円の予算額を追加させていた
だきます。内容は、国・都支出金過年度超過交付金等返還金、基金積立金の追加でございます。
この結果、補正後の一般会計予算額は599億7,744万8,000円となってございます。
また、昌平橋ビルの解体、御茶ノ水駅聖橋口広場整備の推進、建築物の耐震促進事業等、計8事
業につきまして、繰越明許費を定めてございます。
次に、新年度予算4件でございます。
まず、議案第2号、平成28年度千代田区一般会計予算でございます。総額は560億3,10
7万9,000円で、前年度当初予算に比べまして、11.1%、56億2,045万5,000円
の増額となってございます。
次に、議案第3号、平成28年度千代田区国民健康保険事業会計予算でございます。総額は6
1億352万円で、前年度当初予算に比べまして、2.0%、1億2,114万6,000円の増額
となってございます。
次に、議案第4号、平成28年度千代田区介護保険特別会計予算でございます。総額は45億
5,052万1,000円で、前年度当初予算に比べまして、4.3%、1億8,738万6,000
円の増額となってございます。
次に、議案第5号、平成28年度千代田区後期高齢者医療特別会計予算でございます。総額は
15億3,759万5,000円で、前年度当初予算に比べまして、0.3%、447万1,000
円の増額となってございます。
以上、5議案につきましてご説明申し上げました。ご審議の上、何とぞ原案どおりご議決賜り
ますよう、よろしくお願い申し上げます。
○7番(大坂隆洋議員)
ただいまの議案は全議員で構成する予算特別委員会を設置し、審査を
付託することを提案します。(「よし」と呼ぶ者あり)
○議長(戸張孝次郎議員)
大坂隆洋議員の動議に異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
お諮りします。
予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条の規定により、全議員を指名した
いと思いますが、異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
ただいま設置された予算特別委員会の正副委員長互選のため、休憩します。
午後5時10分
休憩
56
午後5時20分
再開
○議長(戸張孝次郎議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
ただいまの休憩中に開会された予算特別委員会で正副委員長が互選されたので、報告します。
委員長、嶋崎秀彦議員、副委員長、林則行議員、桜井ただし議員、松本佳子議員が選任されま
した。
報告を終わります。
日程第26及び第27を一括して議題にします。
―――――――――――――――――――○―――――――――――――――――――
議員提出議案第1号
「九段会館本館」保存に関する意見書
議員提出議案第2号
「九段会館本館」保存に関する要望書
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○議長(戸張孝次郎議員)
提出者を代表して内田直之議員より、提案理由の説明をお願いしま
す。
〔内田直之議員登壇〕
○17番(内田直之議員)
議員提出議案第1号及び第2号につきまして、一括して提案理由を
ご説明申し上げます。
説明に先立ち、平成23年3月11日の東日本大震災により被災された方々、また九段会館の
天井崩落事故で犠牲になられた方々に対し、心からお見舞いと哀悼の意を表します。
では、提案理由につきましては、案文の朗読をもってかえさせていただきます。
「九段会館本館」保存に関する意見書
「九段会館本館」保存に関する要望書
九段会館は、皇居牛ヶ淵のお濠に面し、平成10年に制定された千代田区景観まちづくり条例
に基づく景観まちづくり重要物件第一号と位置づけられています。
軍人会館として昭和9年(1934年)に竣工し、昭和11年(1936年)に起きた2.26
事件の際には戒厳司令部が設置され、戦後は連合軍の宿舎となるなど、戦前戦中、そして戦後の
象徴としてこの地にあり続けました。歴史を物語るものとしても今や貴重な、九段界隈のランド
マークです。
鉄筋コンクリート造4階建の九段会館は、昭和初期に流行した和洋折衷、帝冠様式の代表的建
築物です。外観は地形に合わせて突出部分を多くして変化に富み、外装タイルは震災復興期特有
のスクラッチタイルを使用、壁面に4体の魔よけのお面をあしらって、近代日本の歴史を見守り
続け、九段のお濠の景観をなしてきました。
平成23年(2011年)東日本大震災を受けて閉鎖された「九段会館およびその敷地」は、
議員立法により平成26年(2014年)「一般財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸
し付け等に関する法律」を改正し、国から土地を借り受けた民間事業者が土地の高度利用と都市
機能の増進を図る目的で、新たな建物を建築し、その建物の一部を国が取得し、日本遺族会に無
償貸し付けすることが可能となりました。
その際、附帯決議として「九段会館が、歴史的に価値のある建物であることに鑑み、建物保存、
外観の活用等について検討する等その歴史を後世に伝えるよう努めること。」「民間事業者に対
し土地を貸し付ける際は、地方自治体等関係者に対し丁寧な説明を行い、理解が得られるように
努めること」の旨が可決されています。
千代田区議会は、1990年代の現昭和館をめぐる景観論争をきっかけに、「歴史的継続の中
で暮らすことの意味と、地域の魅力を一番良く知っているのはそこで生活する区民である」と提
唱し、平成10年千代田区景観まちづくり条例の制定を導きました。九段坂および牛ヶ淵を望む
景観は、条例および「千代田区美観地区ガイドプラン」の原点とも言える場所であります。
ついては、このたびの附帯決議に基づき、文化的価値の高い九段会館の歴史的建造物としての
58
保存と今後の建築物のあり方について千代田区と協議するとともに、九段界隈の景観保存の観点
から専門的な検討を進められるよう要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
年
月
日、
千代田区議会議長名
内閣総理大臣
財務大臣
あて
提出するものです。
また、要望書につきましては、
年
月
日
千代田区議会議長名
九段会館及び同敷地に関する検討委員会委員長
あて
提出するものです。
満場一致ご議決いただきますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。
○議長(戸張孝次郎議員)
お諮りします。
ただいま説明のありました議員提出議案第1号、「九段会館本館」保存に関する意見書は、内
田直之議員の提案理由説明どおり、満場一致決定したいと思いますが、異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
次に、議員提出議案第2号、「九段会館本館」保存に関する要望書は、内田直之議員の提案理
由説明どおり、満場一致決定したいと思いますが、異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
日程第28から第31を一括して議題にします。
―――――――――――――――――――○―――――――――――――――――――
報告第1号
国指定史跡常盤橋門跡常磐橋復旧工事Ⅰ期請負契約の一部を専決処分により変更
した件について
報告第2号
(仮称)高齢者総合サポートセンターと九段坂病院の合築整備事業に関する工事
施行協定の一部を専決処分により変更した件について
報告第3号
損害賠償請求事件に関し専決処分により和解した件について
報告第4号
損害賠償請求事件に関し専決処分により和解した件について
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○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関より報告をお願いします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
報告案件4件につきましてご説明申し上げます。
まず、国指定史跡常盤橋門跡常磐橋復旧工事Ⅰ期請負契約の一部を専決処分により変更した件
についてでございます。
地中障害による施工方法の変更及び公共工事設計労務単価にかかる特例措置により契約変更し
たもので、契約金額6億4,314万円を6億7,453万7,760円に変更いたしました。
次に、(仮称)高齢者総合サポートセンターと九段坂病院の合築整備事業に関する工事施行協
定の一部を専決処分により変更した件についてでございます。
建物の竣工に伴い、工事費及び各専有部分の面積が確定したことにより協定を変更したもので、
協定金額26億6,760万円を、25億6,159万2,053円に変更いたしました。
次に、損害賠償請求事件に関し専決処分により和解した件2件についてでございます。
区道を歩行中、植樹枡の段差につまずき転倒し負傷した事故、道路上において路上喫煙禁止の
表示作業中、歩行者のバッグに塗料を付着させた事故、以上2件の損害賠償請求事件につきまし
て、それぞれ被害者との間で専決により和解いたしましたので、ご報告を申し上げるものでござ
います。
以上、4件についてご報告いたしました。よろしくお願い申し上げます。
60
○議長(戸張孝次郎議員)
以上で、本日の日程を全て終了しました。
次回の継続会は、3月16日午後1時から開会します。
ただいま出席の方には、文書による通知はしませんので、ご了承願います。
散会します。
午後5時29分
散会
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