と「連続体の固有振動数とモード」

付録 A
1 自由度系(自由振動)の解法
はじめに
振 動 現 象 を 解 明 す る の に 基 本 と な る 1 自 由 度 不 減 衰 系( 自 由 振 動 )の 運 動 方 程
式の作成方法とその微分(あるいは偏微分)方程式の解法を説明する.
1 自由度系モデルには,単振動のばね‐質量モデルと数学振子を用いる.
運動方程式(微分方程式)を立てる
A.1
A.1.1
ばね‐質量の場合
( 1) 単 振 動 の 運 動 か ら 運 動 方 程 式 を 求 め る
x
k
m
単 振 動 ( ば ね ‐ 質 量 )( x 軸 )
図 A.1
単 振 動 を 想 定 し て , 次 の 式 ( A.1) と お く .
sin
( A.1)
したがって
cos
( A.2)
sin
( A.3)
いま,ニュートンの運動方程式により次式が求められる.
( A.4)
式 ( A.4) に 式 ( A.3) を 代 入 す る と
( A.5)
よって
-1-
( A.6)
を求められる.
解( 式( A.1))を 想 定 し て 始 め た の で ,運 動 方 程 式( 微 分 方 程 式 )の 作 成( 式
( A.4)) と 同 時 に 解 ( 式 ( A.6)) が 得 ら れ る .
( 2) レ イ リ ー の 方 法 ( 最 大 の 運 動 エ ネ ル ギ ー = 最 大 の 位 置 エ ネ ル ギ ー )
運 動 の エ ネ ル ギ ー と 位 置 の エ ネ ル ギ ー を そ れ ぞ れ T, U と お く と
( A.7)
( A.8)
sin
( A.9)
とおけば
( A.10)
( A.11)
式 ( A.10) = 式 ( A.11) よ り
( A.12)
の 不 減 衰 固 有 角 振 動 数 が 式 ( A.6) と 同 様 に , 式 ( A.12) が 求 め ら れ る . こ の 場
合 に は「 力 学 的 エ ネ ル ギ ー 保 存 の 法 則 」を 用 い て い る .運 動 方 程 式 は ,次 に 述 べ
るラグランジュの方程式から求める.
( 3) ラ グ ラ ン ジ ュ の 運 動 方 程 式 か ら 求 め る
後 述 の 式 ( A.23 ) に 詳 述 す る ラ グ ラ ン ジ ュ の 運 動 方 程 式 を 次 式 に 示 す .
0
( A.13)
前 述 の 式 ( A.7) と 式 ( A.8) か ら , 次 の 式 ( A.14) と 式 ( A.15) を 得 る .
,
( A.14)
-2-
( A.15)
式 ( A.14) と 式 ( A.15) を 式 ( A.13) へ 代 入 す る と
0
( A.16)
こ の よ う に , 式 ( A.4) と 同 じ く 微 分 方 程 式 , 式 ( A.16) が 求 め ら れ る .
ラグランジュの運動方程式の座標は直線座標でも角座標(一般座標)でもよい.
単振子(数学振子)の場合
A.1.2
( 1) 一 般 座 標 の 円 弧 の 接 線 方 向 の つ り 合 い か ら 求 め る
0
糸の長さ l
図 A.2
単振子(一般座標)
円 弧 s の 接 線 方 向 に お い て ,ニ ュ ー ト ン の 運 動 方 程 式 か ら ,次 式 が 求 め ら れ る .
sin
sin
( A.17)
ならば
·
0
( A.18)
しかるに
0
結局,
( A.19)
か ら 式 ( A.4) と 同 じ く 微 分 方 程 式 , 式 ( A.19) を 得 る .
( 2) ラ グ ラ ン ジ ュ の 方 程 式 か ら 求 め る
( A.20)
運動のエネルギー
cos
位置のエネルギー
( A.21)
ここでラグランジュの運動方程式を用いる.
0
-3-
( A.22)
いま
0
( A.23)
であるから
,
( A.24)
sin
( A.25)
式 ( A.24) と 式 ( A.25) を 式 ( A.23) へ 代 入 す る と
sin
sin
0
( A.26)
の場合
0
( A.27)
を得る.
し か る に ,式( A.4),式( A.19)と 同 じ く 微 分 方 程 式 ,式( A.27)が 求 め ら れ る .
なお,ラグランジュの式は非保存的力学系にも次の式で示される.
( A.28)
D は散逸関数.
( 3) 単 振 子 の 運 動 を デ カ ル ト 座 標 ( ,
の直交座標)から求める
0
糸 の 張 力 Ft
,
図 A.3
,
単振子(デカルト座標)
座 標 か ら ニ ュ ー ト ン の 運 動 方 程 式 よ り ,式( A.29),式( A.30)が 成 立 す る .
sin
( A.29)
cos
-4-
( A.30)
た だ し , 糸 の 張 力 Ft と お く .
式 ( A.29) ×cosθ
, 式 ( A.30) ×sinθ
により
cos
sin cos
sin
sin
式 ( A.31) - 式 ( A.32)
cos
( A.31)
sin cos
( A.32)
より
sin
sin
( A.33)
~~~~~~~~~~~~~~~
参考:公式
, なるとき,
′ ′
また,
·
~~~~~~~~~~~~~~~~
いま,
sin
であるから,時間 t で 2 回微分すると(上記公式参照)
cos cos
また,
cos
cos
( A.34)
sin
( A.35)
であるから,同様に
sin sin
sin
( A.36)
cos
( A.37)
式 ( A.35) と 式 ( A.37) を 書 き 直 す と
sin
cos
( A.38)
cos
sin
( A.39)
式 ( A.38) と 式 ( A.39) を 式 ( A.33) へ 代 入
cos
sin
cos
sin
cos
cos
sin
sin
sin
-5-
sin
( A.40)
( A.41)
sin
sin
こ こ で , sin
( A.42)
0
( A.43)
ならば
0
( A.44)
結 局 , 式 ( A.4) と 同 様 に 微 分 方 程 式 , 式 ( A.44) を 得 る こ と が で き る .
[ 参 考 1] 糸 の 張 力 を 求 め る
こ こ で 参 考 の た め , 図 A.3 の 糸 の 張 力 を 求 め る .
糸 の 張 力 は Ft で あ る .
① 法線方向(遠心力とのつり合い)
cos
いま,
( A.45)
より
cos
( A.46)
② 接線方向
sin
より,左辺に ,右辺に
( A.47)
を乗じる
sin ·
( A.48)
よ っ て 両 辺 に dt を 乗 じ て 両 辺 そ れ ぞ れ 積 分 す る と
sin
( A.49)
2 cos
ここで
0 のとき
(C は積分定数)
( A.50)
とする
2
( A.51)
したがって
2
③
1
糸の張力
-6-
cos
( A.52)
座標
,
において
1
cos
( A.53)
2
( A.54)
したがって
こ れ に よ り , 式 ( A.46) は
cos
cos
0
2
2
3 cos
3
1
(また,公式
cos
2sin
1
より)
6sin
( A.55)
として得られる.
た だ し ,θ> π/2
の と き は 糸 が た る む の で ,式( A.55)の 成 立 は θ≦ π/2
の場合
である.
ち な み に ,振 子 を 水 平( θ = π/2)の 位 置 で 静 止 さ せ ,静 か に 放 し た 場 合 の 最 下 点
( y 軸 上 ) に 来 た と き の 糸 の 張 力 は θ=0 を 式 ( A.55) に 代 入 し ,
2
であ
るから
3
となる.
[ 参 考 2] 二 重 振 子
図 A.4
長さ
,質量
二重振子
の単振子を 2 個直列に接続した系の運動方
-7-
程式と固有角振動数,固有モードを求める.
まず,運動エネルギー と位置エネルギー は
2
( A.56)
こ れ よ り , 式 ( A.56) を 本 書 の 式 ( 2.119) ラ グ ラ ン ジ ュ の 運 動 方 程 式 に 当 て は
めて,
ラグランジュの運動方程式は次のとおり
0 1, 2,
,
次の運動方程式が得られる.
0
0
( A.57)
よって
=
2
√2
( A.58)
1 次モード
0.414
( A.59)
2 次モード
2.41
A.2
( A.60)
運動方程式(微分方程式)を解く
運動方程式が立てられたので,これらの方程式を解く.
( 1) 微 分 方 程 式 を , 演 算 子 を 用 い て 解 く
単振動の微分方程式を解く.
はじめに,2 階の微分方程式である次の演算子の説明をする.
0
-8-
( A.61)
第 2 階微分方程式を解くと次式の公式に当てはまる.
( A.62)
さて,ここで
とおいて,これを演算子と呼ぶ.
式 ( A.61) に つ い て 演 算 子 を 用 い て 書 く と
0
( A.63)
である.
( A.64)
演算子を用いて
0
( A.65)
よって
( A.66)
,
し た が っ て 式 ( A.62) に 当 て は め る と
( A.67)
ただし,
1 の虚数単位とする.
式 ( A.67) は 次 の オ イ ラ ー の 公 式 を 利 用 し て 正 弦 波 ま た は 余 弦 波 に 変 換 す る .
~~~~~~~~~~~~~
オイラーの公式
cos
sin
~~~~~~~~~~~~~
式( A.67)の 実 時 間 t に 対 す る 実 現 象 の 変 位 x は 実 数 値 な の で ,虚 数 部 が 零 で あ
-9-
るためには,
,
は複素数でなければならない.したがって,
, を複素
数とおいて,オイラーの公式を用いると
sin
( A.68)
ただし
( A.69)
は初期条件により決まる位相,
は初期条件により決まる振幅として求められ
る.
不 減 衰 角 固 有 振 動 数 は 式( A.6),式( A.12),と 同 じ く ,式( A.69)が 得 ら れ る .
********************
公 式 ( A.62) の 考 え 方 の 説 明 を す る .
2 階 の 微 分 を 行 う 式( A.61)が 成 立 す る に は ,そ の 解 x は 正 弦 波( sin)ま た は
余 弦 波 ( cos) あ る い は 指 数 導 関 数 以 外 に 存 在 し な い .
式 ( A.61) に は
/
の項が無いので周期振動が確実であり x は正弦波ま
たは余弦波と置くことができるが,
/
の項がある場合にも対応できるよう
に ,解 x を 指 数 関 数 と 置 く .さ ら に ,解 は 2 次 方 程 式 か ら 求 め る た め ,2 根 で あ
るから は
と
の 重 ね 合 わ せ と す る . し た が っ て , 解 は 式 ( A.62) と
置くことができる.
*********************
( 2) 微 分 方 程 式 を ラ プ ラ ス 変 換 に よ り 解 く
0
( A.70)
の場合について,両辺をラプラス変換を行う
ʆ : (ラプラス変換記号)
0
ʆ
( A.71)
すなわち
ʆ
ʆ ここで
- 10 -
0
( A.72)
ʆ ʆ
初期条件
0
,
0
0
0
( A.73)
を代入し
ʆ
ʆ ( A.74)
よって
ʆ ʆ 0
( A.75)
しかるに
ʆ ·
( A.76)
ここでラプラス逆変換を行う.
ʆ
-1
ʆ : (ラプラス逆変換記号)
ʆ ʆ ʆ ʆ ( A.77)
ここでラプラスの原関数
と像関数
の 関 係( ラ プ ラ ス 変 換・逆 変 換 )よ り ,
~~~~~~~~~~~~~~~~
参考:ラプラス変換と逆変換
ʆ ,
ʆ
cos , sin
, ~~~~~~~~~~~~~~~
cos
sin
sin
ただし
- 11 -
( A.78)
( A.79)
tan
( A.80)
とする.
こ の よ う に 式 ( A.78) に お い て 変 位 x の 時 間 に よ る 変 化 が 式 ( A.68) と 同 様 に
求 め ら れ る .不 減 衰 角 固 有 振 動 数 は 式( A.6),式( A.12),式( A.69) と 同 じ く ,
式 ( A.79) が 得 ら れ る .
- 12 -
付録 B
いろいろな連続体の振動モードと固有振動数
はじめに
連 続 体 の 固 有 角 振 動 数 の 算 出 方 法 に 両 端 単 純 支 持 の 梁 の 横 曲 げ を 取 り 上 げ ,円
板や長方形板などの連続体の固有モードと固有振動数をまとめた.
B.1
細い梁の横振動を考える.
梁の横振動
x 軸上の梁のたわみの変位 y は,距離 x と時間 t の
関数として表されるので,これを
y  x, t  と お く . 梁 の 長 さ l , 断 面 積
A, 材 料 の
縦 弾 性 係 数 E,断 面 二 次 モ ー メ ン ト I と お く . dx 部 分 の 左 側 に 作 用 す る せ ん 断 力
F, 曲 げ モ ー メ ン ト M と す る と ( 図 B.1 参 照 )
dx
x
0
x
y
y
F  dF
F
Adx
図 B.1
F
2 y
t 2
棒の横振動
M
  2 y 
   EI 2 
x
x  x 
( B.1)
dx 部 分 の 右 側 に 作 用 す る せ ん 断 力 F  dF は
  2 y  2
F  dF    EI 2   2
x  x  x
 2 y 
 EI 2 dx
 x 
( B.2)
こ こ で 材 料 の 密 度 を ρ と お く と , dx 部 分 の 質 量 は Adx , こ れ に せ ん 断 力 の 作 用
- 13 -
する方向で運動方程式を立てると
質 量 ×加 速 度 = 外 力
より
Adx  
2
y
t 2

  2 y  2

 EI
x  x 2  x 2
 2 y 
  2 y 
 EI 2 dx   EI 2 
x  x 
 x 
( B.3)
 2 y 
 EI 2   0
 x 
( B.4)
したがって
A
2 y 2

t 2 x 2
均 一 な 棒 の 場 合 は , EI= 一 定 .
2 y
4 y
A 2  EI 4  0
t
x
( B.5)
ここで,曲げ振動の基本方程式が求まった.
運 動 方 程 式 の 解 y  x, t  を 変 数 分 離 法 に よ っ て 求 め る た め に , 変 数
x だけを含む
関 数 X x  , 変 数 t だ け を 含 む 関 数 Rt  と し て
y x, t   X  x   Rt 
で表す.
基 準 関 数 を X x  ; 振 動 モ ー ド を 決 定 す る .
基 準 座 標 を Rt  ; A0 , B0 を 任 意 定 数 , 固 有 角 振 動 数 ω と す る と
Rt   A0 cos t  B0 sin t
したがって
y x, t   X x    A0 cos t  B0 sin t 
( B.6)
式( B.6)を 式( B.5)の 基 礎 方 程 式 に 代 入 し て 固 有 角 振 動 数 等 を 求 め る こ と に な
る.代入すると
0
より
EI
d 4 X x 
  2  AX ( x)  0
4
dx
ここで
4   2
A
EI
,
  2
とおくと
- 14 -
EI
A
d 4 X x 
 4 X x   0
4
dx
式 ( B.7) の 一 般 解 は
( B.7)
X  x   Ce x と し て 式 ( B.7) に 代 入 す る と
 4  4
したがって,
    ,  j ( j は 虚 数 単 位 ) よ り , 一 般 解 は
X  x   Ae  jx  Be jx  Ce  x  De x
上式を改めて
X  x   C1 cosh x  C 2 sinh x  C 3 cos x  C 4 sin x
( B.8)
と な る . 任 意 定 数 C1~ C4 は 境 界 条 件 か ら 求 め る .
い ま ,梁 の 境 界 条 件 を 両 端 単 純 支 持( 支 持 - 支 持 )の 場 合 を 想 定 し て 解 を 求 め
る . 単 純 支 持 の 場 合 は , た わ み と 曲 げ モ ー メ ン ト は 零 ( 0) で あ る か ら
y  0 , EI
2 y
d 2 X x 


X
x

0

0
で
あ
る
か
ら
,
,
0
x 2
dx 2
である.同様に y  l
( B.9)
に お い て も 式 ( B.9) が 成 り 立 つ .
~~~~~~~~~~~~~~
ここで次の関係式を利用する.
sinh x 
e x  ex
2
cosh x 
e x  ex
2
d sinh x 
 cosh x
dx
d cosh x 
 sinh x
dx
~~~~~~~~~~~~~~
これより
x  0 の と き
X x   0
,
d 2 X x 
0
dx 2
x  l の と き
X x   0
,
d 2 X x 
0
dx 2
- 15 -
( B.10)
し た が っ て , 式 ( B.8) と 式 ( B.10) よ り
C1 C3  0 C1 C3  0 C1 cosh l  C2 sinh l  C3 cos l  C4 sin l  0
C1 cosh l  C2 sinh l  C3 cos l  C4 sin l  0
( B.11)
式 ( B.11) か ら
C1  C2  C3  0
sinl  0
( B.12)
式 ( B.12) の 振 動 数 方 程 式 が 得 ら れ た .
よって
l  n
( n= 1, 2, 3, … )
固有角振動数は
2
 n  EI
n  
 l  A
( n= 1, 2, 3, … )
( B.13)
基 準 関 数 は 任 意 定 数 C( = C 4 ) と し て
Xx  Csinx  Csinn
x
l
( B.14)
が 求 め ら れ た . 後 述 の 表 B. 1 を 参 照 さ れ た い .
B.2
いろいろな連続体形状の固有モードと固有振動数
連 続 体 の 代 表 例 と し て 前 述 B.1 に 両 端 単 純 支 持 の 梁 を 取 り 上 げ た .次 に い ろ い
ろ な 形 状 の 連 続 体 の 固 有 振 動 数 を 列 挙 す る .図 B.4,表 B.2~ 表 B.4 の 数 値 は「 日
本 機 械 学 会 編 : 機 械 工 学 便 覧 , 基 礎 編 a2 機 械 力 学 , 丸 善 , 2007」 を 参 照 し た .
なお, f 

, f : 固 有 振 動 数 ( 単 位 : Hz あ る い は s - 1 ),  : 固 有 角 振 動 数
2
( 単 位 : rad/s).
( 1) 棒 の 縦 振 動
- 16 -
fn 
n
2  l
E
( B.15)

n:振動系の次数
E :縦弾性係数
 :密度(単位体積当たりの質量)
c
E

:波の伝播速度
l:棒の長さ
 n : 自 由 - 自 由 ; 1   ,  2  2 , 3  3 ,
,  2  3 / 2 , 3  5 / 2, 
固 定 - 自 由 ; 1   / 2 ( 2) 丸 棒 の ね じ り 振 動
一端固定,他端自由
fn 
n
G
2  l 
( B.16)
n : 振 動 系 の 次 数 , n  0,1,2,3, 
G :横弾性係数
 :密度(単位体積当たりの質量)
l:棒の長さ
 n : 自 由 - 自 由 ; 1   , 2  2 , 3  3 , 
固 定 - 自 由 ; 1   / 2,  2  3 / 2, 3  5 / 2, 
( 3) 梁 の 横 振 動
n 2
fn 
2  l 2
EI
A
n : 振 動 系 の モ ー ド 次 数 ( 図 B.2 参 照 )
A:梁の断面積
I :断面二次モーメント
E :縦弾性係数
 n : 表 B. 1 参 照
 :密度(単位体積当たりの質量)
l:棒の長さ
- 17 -
( B.17)
節
節
節
節の数:4
節の数:3
節の数:2
1 次モード
3 次モード
2 次モード
( a)
両端自由(自由-自由)
腹
1 次モード
2 次モード
腹
節
腹
3 次モード
腹
( b) 片 持 ち 梁 ( 固 定 - 自 由 )
図 B.2
梁の曲げ振動モード
- 18 -
式 ( B.17) の  n
表 B. 1
1
2
3
1次
2次
3次
単純支持(支持-支持) π
2π
3π
片 持 ち 梁 ( 固 定 - 自 由 ) 1.875
4.694
7.855
片 持 ち 梁 ( 固 定 - 支 持 ) 3.927
7.069
10.210
自由-自由
4.730
7.853
10.996
固定-固定
4.730
7.853
10.996
( 4)完 全 輪 の 半 径 方 向 振 動( 円 形 輪 の 中 央 線 が 伸 縮 す る 半 径 方 向 変 位 の み の 場 合 )
fn 
1 n2
2  R
E

( B.18)
n : 全 波 形 の 数 ( モ ー ド 次 数 )( 図 B. 3 参 照 )
E :縦弾性係数,  :密度(単位体積当たりの質量)
R :輪の半径(輪の中央線)
n4
n3
n2
図 B.3
完全輪の振動モード
( 5) 円 形 膜 の 横 振 動
f ns 
 ns
T
2R
a
( B.19)
T : 単 位 長 さ 当 た り の 一 定 の 張 力 ( N/m)
a : 単 位 面 積 当 た り の 質 量
 ns の
n : 周 方 向 の 次 数 , s : 半 径 方 向 の 次 数 ( 節 円 の 数 )( 図
- 19 -
B.4 参 照 )
00  0.765
01  1.760
図 B.4
10  1.216
20  1.637
30  2.027
11  2.234
円形膜の固有モードと λ
た だ し , 円 周 の 拘 束 (境 界 )条 件 は 外 周 R に 沿 っ て ,「 半 径 R, 周 方 向 θ, 時 間 t」
に関して 0 とする.
( 6) 円 板 の 横 振 動
外内周に沿って一様な境界条件をもつ円板
f ns 
1 Par
2 R 2
  0.33
D
a
ポアソン比
n:節直径の数
s:節円の数
固 有 モ ー ド は 図 B.4 と 同 じ
R :半径
D:円板の曲げ剛性
2
12
E :縦弾性係数,
t: 板 厚
 a : 単 位 面 積 当 た り の 質 量 ( kg/m 2 )
Par : パ ラ メ ー タ 表 B.2 参 照
- 20 -
( B.20)
表 B.2
n
式 ( B.20) の Par
0
s
1
2
3
0
-
-
5.253
12.23
1
9.084
20.52
35.25
52.91
2
38.55
59.86
83.9
111.3
3
87.80
119.0
154.0
192.1
0
10.21
21.26
34.88
51.02
周辺固定 ν
1
31.77
60.82
84.58
111.0
に無関係
2
89.10
120.1
153.8
190.3
3
158.2
199.1
242.7
289.2
周辺自由
( 7) 円 筒 殻 の 半 径 方 向 振 動
平均半径 R をもつ薄い円筒殻
f n  
1 Par
2 R 2
E

( B.21)
h
 0.02 ,   0 .3
R
m, n : 振 動 数 の 次 数 ( こ こ で は 円 筒 殻 長 さ 方 向 の 波 m は 考 慮 し な い .)
n  : 周 方 向 波 数 ( 図
L :円筒殻の両端
B.5 参 照 ) 拘 束 条 件 ; 両 端 に 沿 っ て 単 純 支 持 辺
x  0 , L
h:円筒厚
R :円筒殻の半径
 :密度(単位体積当たりの質量)
Par : パ ラ メ ー タ 表 B.3 参 照
- 21 -
節直径の数:6
節直径
円 筒 (両 端 に 沿 っ て 単 純 支 持 辺 )
図 B.5 円 筒 殻 の 振 動 モ ー ド ( n=5 次 モ ー ド )
表 B. 3 式 ( B.21) の Par
モ ー ド( n)
1
2
3
4
2
0.1645
0.1795
0.2116
0.2320
4
0.0780
0.0982
0.1196
0.1478
8
0.0371
0.0494
0.0894
0.0916
L/R
( 8) 長 方 形 板 の 横 振 動
①
周辺単純支持
f mn 
m, n:振動次数

2
D  m2 n2 

 
 a  a 2 b 2 
( B.22)
周 辺 単 純 支 持 ( x, y 方 向 の 半 波 数 ) 図 B.6 参 照
a : 単 位 面 積 当 た り の 質 量
kg⁄m
a:横長さ(x 軸 )
b:縦長さ(y 軸)
D
Eh 3
:板の曲げ剛性
121   
E :ヤング率(縦弾性係数)
h:板厚
 : ポ ア ソ ン 比 = 0.3
②
長 方 形 の 周 辺 境 界 条 件 の 違 い に よ る 固 有 周 波 数 を 求 め る と ,次 の 式 と な る .
- 22 -
f mn 
1 Par
2 a 2
D
( B.23)
a
Par : パ ラ メ ー タ 表 B. 4 参 照 .
節
a
b
節
節
2.1 次
1.2 次
1.1 次
図 B.6
表 B. 4
節
2.2 次
長方形板の固有モード
式 (B.23)の Par
ab
境界条件
モード
0.4
2/3
1
1.5
2.5
1
3.433
8.931
13.47
20.09
21.45
2
5.278
9.517
19.60
21.41
32.99
3
9.541
20.68
24.27
46.35
59.63
4
11 . 3 3
22.18
34.80
49.91
70.80
1
11 . 4 5 ( m = 1 , n = 1 )
14.26(m=1,n=1)
19.74(m=1,n=1)
32.08(m=1,n=1)
71.55(m=1,n=1)
2
16.19(m=1,n=2)
27.41(m=1,n=2)
49.35(m=1,n=2)
61.68(m=2,n=1)
101.2(m=2,n=1)
3
24.08(m=1,n=3)
43.86(m=2,n=1)
49.35(m=2,n=1)
98.70(m=1,n=2)
150.5(m=3,n=1)
4
35.14(m=1,n=4)
49.35(m=1,n=3)
78.96(m=2,n=2)
111 . 0 ( m = 3 , n = 1 )
219.6(m=4,n=1)
固 定 (ν に
1
23.64
27.00
35.98
60.70
147.8
無関係)
2
27.81
41.70
73.39
93.83
173.8
3
35.42
66.12
73.39
148.8
221.3
4
46.67
66.52
108.2
149.7
291.7
自由
(モ ー ド は
節 が 対 角
線 ,曲 線 等
存在する)
単純支持
(a/b=1 を
境に m , n
の 値 は 逆
になる)
- 23 -