日本文学

日 本 文 学
科目責任者 伊 藤 高 雄 学年・学期 1学年・1セメスター
単 位 数 2単位(選択) Ⅰ.前 文
日本文学といって、あなたが頭の中に思い描くものは、何でしょうか。小説でしょうか、物語
でしょうか。あるいは短歌、俳句でしょうか。
これまで日本人が生み出してきた文学作品には、有名無名さまざまなものがありますが、私は、
日本語でつづられ、文字にされ、もしくは口で語られ、歌われて、相手のこころに届けられるこ
とばによる芸術、それを日本文学だと考えています。たいせつなのは、それらが今ここでなんら
かの働きかけをもって、生まれ続けているということ、すなわち精神の運動性を持っていること
です。私は、それを文学するこころと呼びたいと思います。
私の専門は、
『万葉集』と伝承文学です。単なる文字で書かれた文学作品を扱うだけでなく、
民俗学という学問の方法を取り入れて、全国を旅し、旅先で出会った人々との語らいの中から学
んだ、方言やことわざなどの言い習わしのほか、昔話・伝説などの口承文芸も視野に入れて、今
日に生きる文学のあり方を考えています。
私の講義は、毎回、文学作品の紹介や身近でおきたささやかな出来事から語り始めます。みな
さんには、日本語という豊かなことばでつづられた、さまざまな文学作品や口承文芸を味わいな
がら、実践的に文学するこころを養っていただきたいと思っています。
Ⅱ.担当教員
非常勤講師 伊 藤 高 雄
Ⅲ.一般学習目標
1.日本文学の具体的な作品を味わうことによって、日本のことばにこめられた日本人の豊かな
感性を学ぶ。
2.ウタウ、カタルという日本文学の基本的な型を学びながら、発生的に文学のはたす役割を考
える。
3.日本文学を民俗学的な方法によって理解し、ことばをもとにした実践的な創造力を身につけ
る。
Ⅳ.行動目標
1.日常生活の中でことばの遣い方や相手へのコミュニケーションについて配慮できるこころを
養う。
2.文学作品に日常的にふれることによって、豊かな言語感覚を養う。
3.みずからことばにこだわりをもって、作品を生み出す努力を続ける。
Ⅴ.講義の学習内容
回数
月
日
曜日
時限
講義テーマ
1
4 12
木
2
講義ガイダンス
2
19
木
2
ことばのタブー
3
26
木
2
ことばの力
4
5 10
木
2
ことばの不思議
5
17
木
2
ことばと社会
担 当 者
伊
−31−
藤
高
雄
一
学
年
・
一
セ
メ
ス
タ
ー
回数
月
日
曜日
時限
講義テーマ
6
5 21
月
3
カタリとは何か①
7
24
木
2
カタリとは何か②
8
28
月
3
ウタとは何か①
9
31
木
2
ウタとは何か②
7
木
2
民話の思考①
11
14
木
2
民話の思考②
12
21
木
2
異界と文学①
13
28
木
2
異界と文学②
5
木
2
座の文芸①
19
木
2
座の文芸②
10
6
担 当 者
伊
14
15
7
藤
高
雄
Ⅵ.評価基準
出席・授業態度 50%
提出物 50%
Ⅶ.教科書・参考図書・AV資料
配布プリントをもとに講義する。参考書については、授業時に指示する。DVD などを適宜使
用する。
Ⅷ.質問への対応方法
授業時に受け付ける。
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