哲 学 科目責任者 北 村 晋 学年・学期 1学年・1セメスター 単 位 数 2単位(選択) Ⅰ.前 文 紀元前6世紀頃、古代ギリシアの地に誕生した哲学(philo-sophia、智を愛する学=愛智学)は、 文字どおり世界最古の学問=科学である。また哲学は、「人間とは何か」「生きるとは何か」「世 界の起源とは何か」といった根本的な問いを考える学問でもある。 この講義では、そのような哲学的問いのいくつかを具体的に取り上げ、古今の哲学者たちの思 索にも触れることで、学問としての哲学を概括的に紹介することに努める。これをもとにして、 哲学的思考の意味を見出し、最大のテーマである「人間」を考え続ける学修の足がかりとしても らいたい。 Ⅱ.担当教員 非常勤講師 北 村 晋 Ⅲ.一般学習目標 1.哲学とはどのような学問であり、どのようなテーマを問題とするのかを具体的に理解する。 2.哲学的にものを考えることには、どのような特徴があり、またそれは他の学問や科学の思考 とは、どのような点で異なっているのかを理解する。 3.現代に生きる私たちにとって、哲学的な問いがもつ意味を理解する。 Ⅳ.行動目標 1.自己や他者の在り方について考察し、人間存在のもつ意味について説明する。 2.人間を哲学的に理解する習慣を身につける必要性について学び、病人の理解について説明する。 3.自分自身の死生観について説明する。 Ⅴ.講義の学習内容 回数 月 日 曜日 時限 講義テーマ 1 4 12 木 4 〈私〉とは何か (1)…思春期における自我のめざめ、自我体験と は? 2 19 木 4 〈私〉とは何か(2)…近代的自我の発見、思惟実体としての私 3 26 木 4 〈私〉とは何か(3)…自らにかかわる関係としての自己 4 5 10 木 4 〈私〉とは何か(4)…自己のアイデンティティ、内部的他者 5 10 木 5 哲学的思考の特徴…問う者自身へと再帰する反省的思考としての 哲学 6 17 木 4 客観的事実とは何か(1)…事実の観察者依存性、客観的と主観的 7 17 木 5 8 24 木 4 9 31 木 4 7 木 4 11 14 木 4 12 21 木 4 10 6 客観的事実とは何か(2)…生の感覚的データなどない、虹は七色 か? 客観的事実とは何か(3)…〈構成〉された客観的実在性、 〈それ自体〉 とは? 古代ギリシアの自然哲学(1)…神話と哲学のちがい、ギリシア哲学 と現代 古代ギリシアの自然哲学(2)…哲学の創始者タレス 古代ギリシアの自然哲学(3)…アナクシマンドロスとアナクシメ ネス、ピュシス=自然とは? ヘブライズムの登場(1)…ヘレニズムとの比較、キリスト教と歴史 観 −33− 担 当 者 北 村 晋 一 学 年 ・ 一 セ メ ス タ ー 回数 月 13 14 15 日 曜日 時限 講義テーマ 6 28 木 4 ヘブライズムの登場(2)…キリスト教と近代自然科学の誕生 7 5 木 4 ヘブライズムの登場(3)…個と普遍の問題 19 木 4 ヘブライズムの登場(4)…中世普遍論争 担 当 者 北 村 晋 Ⅵ.評価基準 評価は主として論述形式の定期試験の成績によるが、授業への参加度(出席状況)も適宜加味 する。 Ⅶ.教科書・参考図書・AV資料 特定の教科書は使用しない。そのかわり、適宜、資料プリントを配付する。 参考図書は多岐に渡るので、次の一冊のみ挙げておく。 D・コリンソン著『哲学思想の50人』(青土社) Ⅷ.質問への対応方法 質問は随時、受け付ける。 −34−
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