飲食物・嗜好品と薬−2

あじさい Vol.13,No2,2004
March.2004 Vol.13 No.2
★シリーズ 薬物相互作用―7
『飲食物・嗜好品と薬−2』
要旨:医薬品と食品(健康食品を含む)との相互作用を添付文書、並びに各種文献より調べてみました。
サプリメントには、厚生労働省が認可した「特定保健用食品マーク」や栄養機能食品が表示された食品、又厚
生労働省の外郭団体である財団法人日本健康・栄養食品協会(JHNFA)によって安全・衛生面・表示内容など
さまざまな規格基準を満たした商品に認定された「JHFA マーク」が表示された食品などがあり、サプリメントを選
ぶ際の判断材料となります。
前回に引き続き食品と薬の相互作用についてまとめました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎はじめに
21 世紀は「予防」の時代といわれています。医薬
品は高い治療効果がある反面、有害作用もつきも
のです。サプリメントは医薬品のような治癒効果は
望めないものの、自然治癒力や免疫力を高め病気
に罹患しにくくなる予防効果があることが認められ
ています。
健康を維持していくためには、栄養バランスのと
れた食事、規則正しい食生活が基本となりますが、
複雑な現代社会においては、それらを遵守すること
が困難な場合が多くなっています。加工食品やイン
スタント食品、冷凍食品や外食に頼る食生活では、
カロリーは充足していても健康維持に不可欠なビタ
ミンやミネラルが不足となります。また日々のストレス
からくる栄養素の消耗、身体的には恒常的に栄養
が不足している状態にあります。
日本は世界でも有数の長寿社会となった一方で、
生活習慣病が増加しています。
米国は、医師が疾患の治療や予防に積極的にサ
プリメントの使用を推奨し、一定の効果をあげてい
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るそうです。さらに、サプリメントの効能・効果に対す
る国家レベルでの研究体制も充実していることもあ
って、サプリメントブームに拍車をかける一因となっ
ていると思われます。わが国においても、古来から
「医食同源」を基本とする漢方の考え方から、サプリ
メントブームは浸透していくと思われます。
今回のあじさいでは、サプリメントについてまとめ
てみたいと思います。
◎サプリメントとは
サプリメントは、ダイエタリーサプリメントあるいは単
にサプリメントとよばれ、栄養補助食品と訳されます。
厚生労働省は栄養補助食品を「栄養成分を補給し、
または特別の保健の用途に資するものとして販売
の用に供する食品のうち、錠剤、カプセル剤等通
常の食品の形態でないもの」と定義しています。従
ってサプリメントとは、外見は医薬品と類似した剤形
を有しているものの、法的には薬効表示ができない
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ビタミンやミネラル、食品素材など特定の栄養素を
主成分とした食品であり、栄養素を食事以外の手
段で摂取する目的で用いられています。
サプリメント先進国である米国では、国民の 70∼
80%がサプリメントを利用しており、その割合が上昇
するほど医療費が削減されたといわれます。さらに
1994 年にはサプリメントに関する法律が制定され、
科学的根拠があれば、効能・効果が表示可能とな
っています。わが国でも、2001 年 4 月から「保健機
能食品制度」が新たに施行されました。保健機能
食品の登場は消費者に対して信頼感・安心感をも
った商品選択を可能にしました。しかしながら、現
在のサプリメントの位置付けは、メーカーが申請して
許可を受ければ特定保健用食品となり、規格基準
を満たせば栄養機能食品として市場に出荷できま
す。
【 「特定保健用食品」表示許可商品一覧 】
1)
おなかの調子を整える食品
・ オリゴ糖類を含む食品
・ 乳酸菌類を含む食品
・ 食物繊維を含む食品
2)
コレステロールが高めの方の食品
3)
コレステロールが高めの方、おなかの調子が気
になる方の食品
4)
血圧が高めの方の食品
5)
ミネラルの吸収を助ける食品
6)
ミネラルの吸収を助け、おなかの調子を整える
食品
7)
骨の健康が気になる方の食品
8)
虫歯の原因になりにくい食品
9)
歯を丈夫で健康にする食品
10) 血糖値が気になり始めた方の食品
11) 血中中性脂肪、体脂肪が気になる方の食品
◎サプリメントの選択基準
12) 血中中性脂肪、体脂肪が気になる方、コレステ
ロールが高めの方の食品
サプリメントはヒトの体内に入るものなので、安全
性が優先されます。従って素材に対する安全性、
製造工程および製品加工時における汚染防止や
保管体制などが考慮された商品を選択することは
重要ですが、その見極めは非常に困難です。
そのような現状の中で、有効性が科学的に証明さ
れ、厚生労働省が認可した「特定保健用食品マー
ク」や、栄養機能食品が表示された食品、および厚
生労働省の外郭団体である財団法人日本健康・栄
養食品協会(JHNFA)によって安全・衛生面・表示
内容などさまざまな規格基準を満たした商品に認
定された「JHFA マーク」が表示された食品などは
サプリメントを選ぶ判断材料となります。
1. 保健機能食品・特定保健用食品
体調を整える働きのある成分を加えた食品で、保
健の効果を医学・栄養学的に証明し、保健の用
途・効果の表示を厚生労働大臣が許可した食品で
す。偏りがちで不規則な食習慣から起こる生活習
慣病の一次予防を主な目的として平成 3 年に制定
化されました。平成 15 年現在で 398 品目の食品が
登録されています。これらの食品は、多くの科学的
な試験結果をもとに効果や安全性が確認されてお
り、その具体的な機能を、指定された表現の範囲
内で表示することが許可されています。各商品には、
厚 生 労 働 省 許 可 マ ークがつけられているので、
個々の目的に合わせて利用するとよいでしょう。
35
図1
トクホのマーク
図2
特定保健用食品の対象の概念図
指
病者用食品
標
特定保健用食品
半健康人、半病人
健常人
(
疾病の素因を有する人)病人
疾病のステージ
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2. 保健機能食品・栄養機能食品
えます。
平成 13 年 4 月より、特定の栄養成分に関して、厚
生労働大臣が定める基準を満たす食品には、「栄
養機能食品」の表示ができるようになり、また同時に、
該当する栄養成分の機能を、指定の表現内で表
示する(栄養機能表示)ことができるようになりました。
例えばカルシウムの含有量が基準を満たしている
商品の場合、「カルシウムは、骨や歯の形成に必要
な栄養素です」などの表示が可能になります。特定
保健用食品との違いは、商品個別に許可を取る
(個別許可型)のではなく、定められた基準を満た
せば各メーカーでそれぞれ表示が可能(規格基準
型)なことです。そのため特定のマークはありません。
ただし表示にあたっては栄養成分含有表示、栄養
機能表示のほか、注意喚起表示※などを記載する
必要があります。
図4
※ 注意喚起表示:「本品は、大量に摂取して
も疾患が治癒したり、より健康が増進する
ものではありません」「本品は“特定保健用
食品”と異なり、厚生労働用による個別審
査を受けたものではありません」など
図3
保健機能食品の位置付け
保健機能食品
医薬品
特定保健用
栄養機能
一般食品
(医薬部外品
食品
食品
(
いわゆる健
を除く) (
個別許可型)(
規格許可型) 康食品)
栄養成分含有表示 栄養成分含有表示
保健用途の表示
栄養機能表示
◎サプリメント選択における注意点
サプリメントは医薬品ではないものの、研究開発
に力を注ぎ、十分な臨床データを基に科学的裏付
けをもっているメーカーの商品は信頼性が高いと思
われます。
サプリメントはヒトの体内に入るものなので、安全
性が最優先されます。従って、素材に対する安全
性、製造工程および製品加工時における汚染防止
や保管体制などが考慮された商品を選択すること
は肝要ですが、消費者にとってその見極めは困難
です。そのような現状のなかで、有効性が科学的に
証明され、厚生労働省が許可した「特定保健用食
品マーク」が表示された食品、および厚生労働省の
外郭団体である財団法人日本健康・栄養食品協
会「JHNFA」によって安全・衛生面、表示内容など
さまざまな規格基準を満たした商品に認定された
「JHFA マーク」が表示された食品などはサプリメン
ト選択時の有用な判断材料となるでしょう。
表1
(栄養成分
含有表示)
JHFA のマーク
サプリメント選択における確認
1 パッケージに下記の記載内容があるか
名称、原材料、賞味期限、保存方法、内容量、製造
者(
販売者)
摂取方法・摂取量
取り扱い上
2 効能・効果の誇大表示はないか
(栄養機能表示)
3. JHFA マーク
消費者が良質の健康食品を求める際のめやすと
して、(財)日本健康・栄養食品協会認定の JHFA
マークがあります。この制度は、目的、形態、利用
方法が多種多様に渡る健康食品に、一定の基準を
設けて品質と安全性を確保し、また適切な摂取方
法についての正しい情報提供をする目的で昭和
61 年にスタートしました。マーク表示は、協会が設
定した食品衛生法・栄養改善法を遵守した規格基
準に従い、厳正な審査を経た商品に対して許可さ
れます。対象品目は素材・含有成分別に 51 種類
に分けられ、平成 14 年 8 月現在で約 1000 点の商
品がマーク表示の許可を受けています。「JHFA マ
ーク」は、健康補助食品の安心、安全マークともい
3 着色料・
香料・防腐剤などを使用していないか
4 自然食品もしくはその抽出成分から作られているか
5 複数成分がバランスよく入っているか
6 必要以上の成分調整を行っていないか
◎サプリメントの安全性と副作用
最近のサプリメント被害に関する話題として、「御
芝堂(おんしどう)減肥膠嚢(げんぴこうのう)」(発売
元・広州御芝堂保健制品有限公司)や「繊之素膠
嚢(せんのもとこうのう)」(同・広東恵州市恵宝医薬
保健品有限公司)などの中国製ダイエットサプリメ
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ント類による肝障害患者の続出が記憶に新しいとこ
ろです。
「繊之素膠嚢」からは未承認医薬品である甲状
腺ホルモンや食欲抑制薬のフェンフルラミンが検出
されました。
肝機能障害の報告を受けて厚生労働省が公表し
た三製品すべてにおいて新たに検出されたのは、
フェンフルラミンから作られた N-ニトロソーフェンフ
ルラミンでした。N-ニトロソ体は、フェンフルラミンの
検出法ではその同定が難しいことから、製造業者
が未承認成分フェンフルラミンの食欲抑制効果を
利用しつつ構造をわずかにかえることで摘発を逃
れようとしたのではないかと考えられています。
ニトロソ化合物は従来から発癌性があるとされ、特
に肝臓への関与が指摘されています。
サプリメントによる有害作用として問題であるのは、
本来含有されてはならない未承認医薬品が、サプ
リメント中に混入している場合です。フェンフルラミ
ンは中枢性セロトニン作動性の食欲抑制薬で、日
本では未承認医薬品です。米国においても、1997
年、食欲抑制薬フェンーフェン(フェンフルラミンと
フェンテルミンの合剤)の服用によって多くの肺高
血圧症患者を生み、そのうち 45%の患者が心弁膜
症で死亡するという事件が起きています。その後、
フェンフルラミン(商品名 pondimin)とデクスフェン
フルラミン(商品名 Redux)は市場から回収されまし
た。
フェンテルミンに関しては未だに使用されている
ばかりでなく、逆に米国における流通量は増加して
います。
輸入品のダイエットサプリメントについては各種の
食欲抑制薬が重複配合されているものもあり思わ
ぬ副作用発症の原因となる場合があります。
副作用の観点から考慮すると、素性のわからな
いサプリメントの使用はひかえる方が賢明です。
特に注意したいのが、妊娠中のサプリメント服用
です。葉酸など一部のビタミン成分は、妊婦に対し
てサプリメントでの積極的摂取が推奨されてはいま
すが、ほとんどのサプリメントには催奇形性などにつ
いて明確な知見がない現状です。
医薬品であり本来ならダイエットサプリメントには
混入されるはずのない下剤成分であるダイオウやセ
ンナが、子宮収縮作用により流早産を誘発すること
も考えられます。
よって、妊娠中または妊娠の可能性のある女性は、
特にダイエットサプリメントなどの服用を慎むべきで
す。
37
◎ 目次
<No.1 >
全身麻酔剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
催眠鎮静剤(ベンゾジアゼピン系)・・・・・・・・・・・12
催眠鎮静剤(その他)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
抗てんかん剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
解熱消炎鎮痛剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
抗パーキンソン剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
精神神経用剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
抗精神病薬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
抗うつ薬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
躁病治療剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
総合感冒剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
脳機能改善剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
局所麻酔剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
筋弛緩剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
自律神経系用剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
鎮痙剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
強心剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
抗不整脈剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
β遮断剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
チアジド系利尿剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
ループ利尿剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
K保持性利尿剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
ACE阻害剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
降圧剤(交感神経抑制)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
降圧剤(レセルピン系)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
その他の降圧剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
血管収縮剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
亜硝酸剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
Ca拮抗剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
<No.2>
高脂血症治療剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
鎮咳剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
気管支拡張剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
消化性潰瘍治療剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
H2ブロッカー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
プロトンポンプ阻害剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
健胃消化剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
下剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
消化管運動機能調節剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
甲状腺ホルモン剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
副腎皮質ホルモン剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
女性ホルモン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
混合ホルモン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
その他のホルモン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
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その他の皮膚科用剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
ビタミンA・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
ビタミンD・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
ビタミンB2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
ビタミンK・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
無機質製剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
抗凝固剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
その他の血液体液用剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
解毒剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
習慣性中毒用剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
高尿酸血症治療剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
糖尿病用剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50
その他代謝用剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
抗癌剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52
抗ヒスタミン剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53
抗アレルギー剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
ペニシリン系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
アミノ配糖体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
セフェム系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
マクロライド系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
テトラサイクリン系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
抗結核剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
抗真菌剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
合成抗菌剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
抗ウイルス剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
抗原虫剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
その他に分類されない治療を主目的としない医薬
品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
麻薬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
◎ 食品と医薬品の相互作用一覧
添付文書、文献報告を元に相互作用一覧表を作
成しました。判定には、添付文書相互作用の項の
併用禁忌、併用注意を用いています。
A 医薬品を薬効群にまとめ掲載しています。
データベースの記載要項については表1を参照し
て下さい。
38
表1
相互作用記載要領
1:薬品名は一般名[商品名]で記載
A薬品:
主に薬品
B薬品:薬剤と相互作用を起こす食品
2:作用・・・具体的な相互作用
A作=「
A薬品名」の作用
B作=「B薬品名」の作用
↑=作用増強 ↓=作用減弱
3:判定・・・併用して良いかどうかの目安
添付文書情報
禁=禁忌(投与しないこと)
注=併用注意(注意して投与)
添付文書以外の報告があるもの
報=報告がある
4:促進・阻害・・・吸収、排泄、代謝、薬理作用について促進と
阻害に分類しメカニズムの概略が分かるように記載
5:症状・・・併用による症状
6:措置
具体的な措置、対処法を掲載
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ス(7);医薬ジャーナ 36:7.242,2000
12) 澤田ら.薬と食の相互作用 11 1.食・嗜好品
が薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュー
ス(8);医薬ジャーナ 36:8.189,2000
13) 澤田ら.薬と食の相互作用 12 1.食・嗜好品
が薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュー
ス(9);医薬ジャーナ 36:9.162,2000
14) 澤田ら.薬と食の相互作用 13 1.食・嗜好品
が薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュー
ス(10);医薬ジャーナ 36:10.278,2000
15) 澤田ら.薬と食の相互作用 14 1.食・嗜好品
が薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュー
ス(11);医薬ジャーナ 36:11.166,2000
16) 澤田ら.薬と食の相互作用 15 1.食・嗜好品
が薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュー
ス(12);医薬ジャーナ 36:12.155,2000
17) 澤田ら.薬と食の相互作用 16 1.食・嗜好品
が薬を毒にする d)薬とお酒(1);医薬ジャーナ
37:1.200,2000
18)澤田ら.薬と食の相互作用 17 1.食・嗜好品が
薬を毒にする d) 薬とお酒(2);医薬ジャーナ
37:2.131,2001
19)澤田ら.薬と食の相互作用 18 1.食・嗜好品が
薬を毒にする e)薬の食後服用がもたらす副作
用;医薬ジャーナ 37:3.229,2001
20)澤田ら.薬と食の相互作用 19 1.食・嗜好品が
薬 を 毒 に す る f) 薬 と 牛 乳; 医 薬 ジ ャ ー ナ
37:4.172,2001
21)澤田ら.薬と食の相互作用 20 1.食・嗜好品が
薬 を 毒 に す る g) 薬とタバコ;医薬ジャーナ
37:5.135,2001
22)澤田ら.薬と食の相互作用 21 1.食・嗜好品が
薬 を 毒 に す る h) 薬とコーラ;医薬ジャーナ
37:6.209,2001
23)澤田ら.薬と食の相互作用 22 1.食・嗜好品が
薬を毒にする I) 薬とコーヒー;医薬ジャーナ
37:7.190,2001
24)澤田ら.薬と食の相互作用 23 2.薬が食・嗜好
品 を 毒 に す る a) 薬とマグロ;医薬ジャーナ
37:8.177,2001
25)澤田ら.薬と食の相互作用 24 2 薬が.食・嗜好
品を毒にする b) 薬とチーズ;医薬ジャーナ
37:9.186,2001
26)澤田ら.薬と食の相互作用 25 2 薬が.食・嗜好
品を毒にする c)薬とコーヒー;医薬ジャーナ
37:10.278,2001
27)澤田ら.薬と食の相互作用 26 2 薬が.食・嗜好
品 を 毒 に す る d) 薬 と お 酒; 医 薬 ジ ャ ー ナ
♪♪♪♪♪まとめ♪♪♪♪♪
健康ブームの今、テレビなどのマスコミで健康問
題を取り上げる機会が多く、それにともなってサプリ
メントも数多く市場に出てきています。
健康を維持していくためには、食生活や運動とい
ったライフスタイルが重要です。普通の食生活でな
かなか栄養がとれない場合には、サプリメントなどを
積極的にとっていくといいと思います。
今の日本人の栄養は、厚生労働省の調査による
とかなり偏りが出てきています。ミネラルだけをみて
もカルシウムや鉄などは少なめです。
サプリメントは現代日本人の食生活と健康を支え
る必需品になってきているといえるかもしれません。
但し、サプリメントを摂る場合の留意点としては、
食品の基本的な構成とバランスです。
サプリメントを賢く利用し自分の健康を自らまもっ
ていきたいものです。
<参考文献>
1)添付文書
2) 最新サプリメントガイド、日本評論社
3) 澤田.薬と食の相互作用 2 1.食・嗜好品が薬
を 毒 に す る a) 薬 と 低 塩 食; 医 薬 ジ ャ ー ナ
35:11.168,1999
4) 澤田ら.薬と食の相互作用 3 1.食・嗜好品が
薬を毒にする b)薬と果物ジュース+制酸剤;医
薬ジャーナ 35:11.168,1999
5) 澤田ら.薬と食の相互作用 4 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(1);医薬ジャーナ 36:1.178,2000
6) 澤田ら.薬と食の相互作用 5 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(2);医薬ジャーナ 36:2.192,2000
7) 澤田ら.薬と食の相互作用 6 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(3);医薬ジャーナ 36:3.189,2000
8) 澤田ら.薬と食の相互作用 7 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(4);医薬ジャーナ 36:4.142,2000
9) 澤田ら.薬と食の相互作用 8 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(5);医薬ジャーナ 36:5.139,2000
10) 澤田ら.薬と食の相互作用 9 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(6);医薬ジャーナ 36:6.176,2000
11) 澤田ら.薬と食の相互作用 10 1.食・嗜好品
が薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュー
39
あじさい Vol.13,No2,2004
ース;医薬ジャーナ 39:2.153,2003
43)澤田ら.薬と食の相互作用 42 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン b)薬とカルシウム
含 有 健 康 食 品 な ど; 医 薬 ジ ャ ー ナ
39:3.125,2003
44)澤田ら.薬と食の相互作用 43 1.薬の解毒促
進から薬理効果がダウン e)薬と炭火焼きビー
フ;医薬ジャーナ 39:4.139,2003
45)澤田ら.薬と食の相互作用 44 1.薬の解毒促
進から薬理効果がダウン f)薬とガーリック・サプ
リメント;医薬ジャーナ 39:5.168,2003
46)澤田ら.薬と食の相互作用 45 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン c)薬とお茶;医薬
ジャーナ 39:6.134,2003
47)澤田ら.薬と食の相互作用 46 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン d)薬と高蛋白食;
医薬ジャーナ 39:7.212,2003
48)澤田ら.薬と食の相互作用 47 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン e)薬とコーヒー、
コーラ;医薬ジャーナ 39:8.154,2003
49)澤田ら.薬と食の相互作用 48 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン f)薬と乳製品など
(1);医薬ジャーナ 39:9.138,2003
50)澤田ら.薬と食の相互作用 49 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン f)薬と乳製品など
(2);医薬ジャーナ 39:10.135,2003
51)澤田ら.薬と食の相互作用 50 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン f)薬と乳製品など
(3);医薬ジャーナ 39:11.140,2003
52)澤田ら.薬と食の相互作用 51 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン f)薬と乳製品など
(4);医薬ジャーナ 39:12.217,2003
53)澤田ら.薬と食の相互作用 52 1.食・嗜好品が
薬 を 毒 に す る j) 薬 と 塩; 医 薬 ジ ャ ー ナ
40:1.131,2004
54)本間ら.食品と医薬品のやくぶつ動態学的相
互作用;臨床と薬物治療 19:9.836,2000
55)安田.朝食を抜く人への指導;臨床と薬物治療
19:9.841,2000
56)鷲見ら.お酒をよく飲む人への指導;臨床と薬
物治療 19:9.846,2000
57)渡邉ら.サプリメントをよくとる人への指導;臨床
と薬物治療 19:9.850,2000
58)大脇ら. 高 血 圧 治 療 薬; 臨 床 と 薬 物 治 療
19:9.856,2000
59) 山 田 . 糖 尿 病 治 療 薬; 臨 床 と 薬 物 治 療
19:9.861,2000
60) 秋 山 . 喘 息 治 療 薬 ; 臨 床 と 薬 物 治 療
37:11.171,2001
28)澤田ら.薬と食の相互作用 27 3 薬と.食・嗜好
品の作用が集積する a)薬とビタミン A;医薬ジャ
ーナ 37:12.138,2001
29)澤田ら.薬と食の相互作用 28 3 薬と.食・嗜好
品の作用が集積する b)薬とセロリ;医薬ジャー
ナ 38:1.174,2002
30)澤田ら.薬と食の相互作用 29 3 薬と.食・嗜好
品の作用が集積する c)薬とビタミン D 含有の
食・嗜好品・健康食 品・栄養剤;医薬ジャーナ
38:2.150,2002
31)澤田ら.薬と食の相互作用 30 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(13);医薬ジャーナ 38:3.135,2002
32)澤田ら.薬と食の相互作用 31 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(14);医薬ジャーナ 38:4.155,2002
33)澤田ら.薬と食の相互作用 32 1.食・嗜好品が
薬を毒にする c)薬とグレープフルーツジュース
(15);医薬ジャーナ 38:5.164,2002
34)澤田ら.薬と食の相互作用 33 3.薬と食・嗜好
品の作用が集積する d)薬とセントジョーンンズ
ワート(1);医薬ジャーナ 38:6.117,2002
35)澤田ら.薬と食の相互作用 34 3.薬と食・嗜好
品の作用が集積する d)薬とセントジョーンンズ
ワート(2);医薬ジャーナ 38:7.154,2002
36)澤田ら.薬と食の相互作用 35 1.薬の解毒促
進から薬理効果がダウン a)薬とセントジョーンン
ズワート(3);医薬ジャーナ 38:8.126,2002
37)澤田ら.薬と食の相互作用 36 1.薬の解毒促
進から薬理効果がダウン a)薬とセントジョーンン
ズワート(4);医薬ジャーナ 38:9.129,2002
38)澤田ら.薬と食の相互作用 37 1.薬の解毒促
進から薬理効果がダウン a)薬とセントジョーンン
ズワート(5);医薬ジャーナ 38:10.270,2002
39)澤田ら.薬と食の相互作用 38 1.薬の解毒促
進から薬理効果がダウン b)薬とタバコ;医薬ジ
ャーナ 38:11.146,2002
40)澤田ら.薬と食の相互作用 39 1.薬の解毒促
進から薬理効果がダウン c)薬とビタミン B6 含有
の食・嗜好品・健康食品・栄養剤;医薬ジャーナ
38:12.182,2002
41)澤田ら.薬と食の相互作用 40 1.薬の解毒促
進から薬理効果がダウン d)薬と葉酸含有の食・嗜
好 品 ・ 健 康 食 品 ・ 栄 養 剤; 医 薬 ジ ャ ー ナ
39:1.192,2003
42)澤田ら.薬と食の相互作用 41 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン a)薬と果物ジュ
40
あじさい Vol.13,No.2,2004
80) 古 泉.ミルク・アルカリ症候群;調剤と情報
6:8.22,2000
81) 梅 本 ら . 飲 食 物 − 薬 物 相 互 作 用 6; 薬 局
47:7.119,1996
82) 梅 本 ら . 飲 食 物 − 薬 物 相 互 作 用 7; 薬 局
47:8.121,1996
83) 梅 本 ら . 飲 食 物 − 薬 物 相 互 作 用 8; 薬 局
47:9.121,1996
84) 梅 本 ら . 飲 食 物 − 薬 物 相 互 作 用 9;薬 局
47:12.117,1996
85)Egashira K.,et al. Transplant.,75:1057,2003
86)澤田ら.薬と食の相互作用 53 2.薬の小腸吸
収低下から薬理効果がダウン g)薬と食物繊維;
医薬ジャーナ 40:2.133,200486)澤田ら.薬と食
の相互作用 53 2.薬の小腸吸収低下から薬理
効果がダウン g)薬と食物繊維;医薬ジャーナ
40:2.133,2004
87)Meisel C et al,Atherosclerosis,167,2003
88)インタビューフォーム
89)小口ら.経口抗真菌剤 Itraconazole の臨床第Ⅰ
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90)国立札幌病院.くすりと食べ物飲み合わせにつ
いて;http://www.sap-cc.org/
91)白鳥.薬との飲み合わせ毒;毒かクスリか?気
になる食べ合わせ:.38,2001
<編集後記>
19:9.864,2000
61) 大 久 保 . 抗 て ん か ん 薬; 臨 床 と 薬 物 治 療
19:9.868,2000
62)山下ら.高脂血症治療薬;臨床と薬物治療薬
19:9.874,2000
63)渡辺ら.消化性潰瘍治療薬;臨床と薬物治療
19:9.878,2000
64) 長 谷 川 . 抗 血 栓 薬 ; 臨 床 と 薬 物 治 療
19:9.882,2000
65) 宮 澤 . 貧 血 治 療 薬 ; 臨 床 と 薬 物 治 療
19:9.886,2000
66)加藤.ドリンク剤と医 薬 品;臨床と薬物治療
19:9.890,2000
67) 清 水. OTC 薬 と 食 品; 臨 床 と 薬 物 治 療
19:9.892,2000
68)徳山.サプリメントをめぐる現状;臨床と薬物治
療 21:7.711,2002
69)徳山.サプリメントアドバイスの必要性とアドバイ
ザ リ ー ス タッ フ の 養 成; 臨 床 と 薬 物 治 療
21:8.859,2002
70)徳山.サプリメントの安全性と副作用;臨床と薬
物治療 21:8.915,2002
71)徳山.各種疾患に対するサプリメント使用の影
響と関連医薬品との相互作用ー高血圧を中心と
してー(1);臨床と薬物治療 21:10.1006,2002
72)徳山.各種疾患に対するサプリメント使用の影
響と関連医薬品との相互作用ー糖尿病を中心と
してー(2);臨床と薬物治療 21:10.1006,2002
73)徳山.各種疾患に対するサプリメント使用の影
響と関連医薬品との相互作用ー高脂血症を中
心 と し て ー (3) ; 臨 床 と 薬 物 治 療
21:10.1006,2002
74)徳山.各種疾患に対するサプリメント使用の影
響と関連医薬品との相互作用ー骨粗鬆症を中
心 と し て ー (4) ; 臨 床 と 薬 物 治 療
21:10.1006,2002
75)徳山.整腸作用に関連するサプリメント摂取時
の注意点と医薬品との相互作用;臨床と薬物治
療 22:2.146,2003
76)徳山.歯科疾患に関連するサプリメント摂取時
の注意点;臨床と薬物治療 22:5.480,2003
77)徳山.医薬品とサプリメントの相互作用ーリスク
回 避 に 向 け て ー; 臨 床 と 薬 物 治 療
22:6.600,2003
78)エーザイ株式会社.Warfarin の適正使用情報
第2版
79)澤田.薬物・食物(嗜好品)相互作用一覧表;
月刊薬事 42:4.815,2000
サプリメントは、普段の食事で不足している栄養
素を補うだけでなく、健康維持のために積極的に
利用していきたいと思いました。
サプリメントには、科学的に有効性が証明されて
いないものや、医薬品と相互作用を起こすものが
あるため、薬剤師もサプリメントに関する知識を備
え、患者さんへのアドバイスや服薬指導ができる
ようにしたいものです。
先生方の参考資料としてご使用していただけれ
ば幸いです。
発行者:富田薬品(株)
医薬営業本部
池川登紀子
お問い合わせに関しては当社の社員又は、下記
までご連絡下さい。
TEL
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FAX
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