新釣法・外房大原「ひとつテンヤ真鯛」列島各地へ広がる! 平成22年3月

新釣法・外房大原「ひとつテンヤ真鯛」列島各地へ広がる!
平成22年3月23日
㈱オーシャン・パートナーズ
伊藤
力雄
昔から関東地方で真鯛と言えば、千葉県外房大原の真鯛が有名です。また、釣り方は全国
各地でそれぞれ独特な釣法があるが、昨今はオキアミを用いたコマセ鯛釣りが主流になっ
ています。
千葉県房総半島の内房と外房とでは、釣り方が当然違ってきます。内房では、手バネ竿を
使ったシャクリ釣り、外房ではカブラ針を使ったビシマ釣りが有名です。メルマガ 12 月号
で紹介しました外房大原発「新・真鯛釣法!ひとつテンヤ真鯛」が今、全国へと急速に広
がりをみせています。
「ひとつテンヤ真鯛釣法」とは、スピニングタックルでテンヤと言われる仕掛け(オモリに
親針と孫針が付いている)にエビ(7 ㎝位の冷凍サルエビを解凍して)を付けるだけの簡単
釣法。エビ餌を使った真鯛釣り,通称“エビ鯛”で道具は至ってシンプルです。
2m50 ㎝前後の柔らかいスピニングリール用の竿(最近は各メーカーより専用
<竿>
竿が多数出ている)
♯2500~♯3000 のドラグ性能の優れた小型スピニングリール(ダイワで 2500
<リール>
番
<道糸>
シマノでは 3000 番が目安)
PE0.6~0.8 号を 200m巻く(マーカー付)
<リーダー>
フロロカーボンハリス 2 号~3 号
5m
(ミットノットかPRノットで道
糸と直結する)
<テンヤ>
4 号~5 号と非常に軽いものを使う。(速潮時は7号~8号)
平成 22 年初釣りは・・・・
1 月 9 日(土)今年初の 3 連休の初日、予定もないままのんびりとしていた午後、携帯電話
が鳴った。画面を見ると「釣り・カマタ」の表示が出ている。“明けましておめでとうござ
います。鎌田です。大原が大変なことになっています!!”釣友の鎌チャンからです。本
日は休日出勤で昼休みに大原の船宿のブログを見てすぐに電話をかけたとのこと。
“新幸丸
午前便で大爆釣です。船中 100 枚近く釣れました。明日の午後便で行きませんか?”間髪
をいれず“行く!!”と、思わず返事をしてしまった。昨年も1月中旬に外房大原の真鯛
船で船中100枚を超える大釣りが記録されている。翌日午前 7 時半に出発。今回は、師
匠・千葉君は別の仲間と千葉県館山に「アオリイカ」釣りに行っている。鎌チャンと 2 人
の釣行である。天気は最高、家を出る時は無風状態。鎌チャンの顔を見ると、すごく気合
が入っている。私自身初釣りは昨年4月にデビュー、今回で5回目の釣行です。クーラー
は 26ℓか 36ℓか迷ったが、26ℓのを持っていくことにした。鎌チャンは 36ℓを持ってきてい
た。(ジンクス:鎌チャンが 36ℓを持参すると何故か今まで釣果は悪いが、今回は大丈夫だ
ろう!)連休中にもかかわらず高速道路はガラガラで午前 9 時半に大原に着く。船宿・新
幸丸に行くと先客が 1 名コタツに入っていた。大船長ご夫妻がお茶とお菓子でもてなして
くれる。新幸丸大船長は大原の「ビシマ釣りの名人」と聞いた。アットホームで“ホット”
する雰囲気のある船宿である。私は新幸丸は今回が初めてで、鎌チャンは 2 度目と言う。
午後便の出航は 12 時で、船宿の車で、大原港まで送ってくれる。11 時半に午前便が帰港し
た。(午前便の出航は 5 時半)新幸丸は全て「ひとつテンヤ釣法」の釣り人だけではなく、
外房大原伝統の「ビシマ釣り」の客できもいる。午後便は左右大ドモに 1 名ずつの「ビシ
マ釣り」が入り、他は全員スピニングタックルの「ひとつテンヤ」で、左右ミヨシから 6
名ずつが並んだ。合計14名で出航する。急に風が強くなりだしたが新幸丸は大原港の中
でも最新のハイテク機器を載せた大型船と聞いているので安心はしている。1 時間前に「酔
い止め」薬はしっかり飲んだ。外房と内房の波は全然違う。私は今まで内房の船釣りでは
船酔いをしたことが無いが、初めて大原から船に乗った時、初めから終わりまで“吐きな
がら釣りをした”経験があり2回目もそうだった。波の波長が違うらしい。港を出ると大
きなウネリが押し寄せる。ノンビリ走るが波が高い。急いでキャビンに入り窓から外を見
ると容赦なく波がバシャ・バシャ降りそそぐ。
「ひとつテンヤ真鯛釣法」この釣りは、文字どうり糸とテンヤだけの仕掛けで、できるだ
け軽いテンヤ(4 号~5号)にエビを付け落し込んでいく。エビの付いたテンヤはユラ・ユ
ラと落ちていき、着低すると道糸の出が止まり底ダチを教えてくれる。真鯛はテンヤが着
低直後か、着低の前に食ってくることが多い。軽いテンヤで底ダチを取ることが前提とな
るため、初めての人は難しく感じるかもしれない。(私も未だにわからない時がある)アタ
リは小さく“チクッ”“コツッ”と竿先に感じる。瞬時に竿を大きく合わせるだけでいい。
又、この釣りはビギナーズラックが実に多い釣りだ。実は私も初回の釣り(き栄丸)は貸
し竿でトライ。釣果は 500g~1 ㎏の真鯛7匹、大型のアカメフグ 2 匹,ホウボウ1匹で、
同じく初めてという貸し竿の釣り客が2㎏と 4 ㎏の大鯛を掛けた。鎌ちゃんも2回目の釣
行で4㎏と 5.5 ㎏を夕まづめの一瞬の時間帯で掛けたという。だからこの釣りは“ハマッチ
ャウ“理由がここにあるかと思います。
航程 40 分で到着。パラシュートアンカーが入れられ、「ハイ・ドウゾォー水深 40m」と開
始の合図です。何度か仕掛けを入れ直すが、まったく“アタリ”がない。直ぐにポイント
移動、船長の動きも速い。何回かの移動でアタリが出始め、何人かの竿が絞り込まれてい
るが、釣れてくるのは外道の「ハナダイ」「ウマズラ」で真鯛の顔はなかなか見せてくれま
せん。昨日の“大釣り”は何だったのか?“イヤナ”予感がよぎってくる。船長はなんと
か釣らせようと一生懸命ですが・・・
もうひとつ、この釣りの外道としてかかる魚は「ヒラメ」
「マゴチ」
「マハタ」
「カサゴ」
「真
タコ」「アカメフグ」等の高級外道が多い「ミラクル釣法」です。
風に道糸があおられ、波も高く底ダチが判りずらい。見逃すとどんどんと道糸が出てしま
う。そして周りの釣り客と仕掛けが“オマツリ”この繰り返しが多発する。船長、幾度と
なくポイント移動するが、“イヤナ”予感が的中する。「サァ,アガリマスョー!」4時半
過ぎ沖上がりの時間になった。もうまわりはだいぶ暗くなっている。結果、500g級の真鯛
2匹、ハナダイ2匹、大型ウマズラ3匹の貧果であった。鎌チャン真鯛ゼロ、3㎏級の真
タコ 1 匹、大型ウマズラ数枚の最悪の結果に終わった。言うまでもありません、帰路の車
の中でハンドルを握りながら鎌チャン憔悴した顔で言葉が出ません。
“鎌チャン次回が
あるよ!”
この釣法は、スピニングリールを使ったリールシャクリの元祖を看板とする、外房は大原
港・き栄丸の佐藤芳明船長が考え出した釣法だ。また、この釣法「ひとつテンヤ」の命名
者である「つり情報」誌の元編集長・藤井克彦氏と約2年の歳月をかけ確立したという。
昨年の春、「ひとつテンヤ釣法」で大原の海は連日、大鯛爆釣に沸き平日でもスピニングタ
ックルを持った釣り人で、満船の日も多かったと聞く。次に「ビシマ釣り」の名人船長の
新幸丸が「ひとつテンヤ」を取り入れ、2代目の山口新一船長が親子3代で鯛釣り師たち
を迎えている.今や大原港の船宿はもとより、西は関西、九州方面、北は東北・青森へと
広がりを見せている。今は水温が低く食い渋っているが、水温が上がってくれば、いよい
よ“ノッコミ”だ。
参考書:ムック「ひとつテンヤで釣る!」著者
ブログ:新・頑固おやじの釣れづれ草(藤井
たくさん釣りたい(宮本
藤井
克彦
克彦)
英彦)
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き栄丸
今週は冬眠中のW650 を4カ月ぶりに起こしてあげよう。そして2回目の車検である。今年
の夏は東北一周を計画しているが・・・・・