国土交通省における防災行政について 国土交通省水管理・国土保全局防災課 齋 藤 博 之 防災調整官 目 次 1 我が国の脆弱性、国土交通省の役割 2 災害に対する事前の備え ・大規模地震対策 ・大規模水害対策 ・実働訓練 3 災害発生時の対応 ・災害対応の全体像、自然災害対応、TEC-FORCEの派遣 4 被災後の対応 ・災害復旧事業 国土交通省における防災行政について 平成28年1月14日 水管理・国土保全局 防災課 防災調整官 齋藤 博之 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 目次 1 我が国の脆弱性、国土交通省の役割 2 災害に対する事前の備え ・大規模地震対策 ・大規模水害対策 ・実働訓練 3 災害発生時の対応 ・災害対応の全体像、自然災害対応、TEC-FORCEの派遣 4 被災後の対応 ・災害復旧事業 1 目次 1 我が国の脆弱性、国土交通省の役割 2 災害に対する事前の備え ・大規模地震対策 ・大規模水害対策 ・実働訓練 3 災害発生時の対応 ・災害対応の全体像、自然災害対応、TEC-FORCEの派遣 4 被災後の対応 ・災害復旧事業 2 脆弱な国土 世界の0.25%の面積にM6以上の地震約2割 ◇主な地震による死者・行方不明者数 ・ 関東大震災(1923) :約105,000人 ・ 東日本大地震 (2011) : 21,707人※ 一度の水害で甚大な被害をもたらす ◇主な風水害による死者・行方不明者数 ・ 安政3年(1856)の大風災 :100,000人以上 ・ 伊勢湾台風 (1959) : 5,098人 ※消防庁集計 (平成26年9月1日) 関東大震災(神奈川県横浜市) 伊勢湾台風(愛知県弥富市) 自然災害による大量死を経験 3 戦後の自然災害による死者・行方不明者数 死者・行方不明者 (人) 三河地震(2,306人)、枕崎台風(3,756人) 凡例:青字(津波) 茶字(地震) 緑字(水害) 死者・行方不明者数が1,000人を超える災害 については、当該年のグラフ上に記載した カスリーン台風(1,930人) 福井地震(3,769人) 南紀豪雨(1,124人) 洞爺丸台風(1,761人) 阪神・淡路大地震(6,437人) 伊勢湾台風(5,098人) S20 S22 S24 S26 S28 S30 S32 S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 0 死者・行方不明者 S20 S22 S24 S26 S28 S30 S32 S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 20,000 (人) 人 18,000 20,000 16,000 18,000 14,000 16,000 12,000 14,000 10,000 12,000 8,000 10,000 6,000 8,000 4,000 6,000 2,000 4,000 0 2,000 出典:平成26年版防災白書 付属資料2 自然災害における死者・行方不明者数 4 国土交通省の役割(インフラ管理) 住宅・建築物 公園 道路 河川・海岸 鉄道・新幹線 空港・港湾 5 国土交通省の役割(災害への対応) 事前の備え 発災 発災時の対応 被災後の 対応 時間 6 目次 1 我が国の脆弱性、国土交通省の役割 2 災害に対する事前の備え ・大規模地震対策 ・大規模水害対策 ・実働訓練 3 災害発生時の対応 ・災害対応の全体像、自然災害対応、TEC-FORCEの派遣 4 被災後の対応 ・災害復旧事業 7 1600年以降に南海トラフで発生した巨大地震 ■南海トラフ巨大地震は、東日本大震災の被害を大きく上回る 南海トラフ巨大地震 (想定)【M9】 浸水面積 浸水内人口 死者・行方不明者 建物被害(全壊) 1,015km2 約163万人 約32.3万人 約238.6万棟 ※ 南海トラフ巨大地震の被害想定は、被害が最大となるケースを記載。 海溝型地震(プレート型)の発生メカニズム 内陸型地震(活断層型)の発生メカニズム ※出典:内閣府資料 8 南海トラフ巨大地震の被害想定 ・内閣府において、平成24年8月に、南海トラフ巨大地震による津波高・浸水域及び被害想定を公表 ・震度7が想定される地域は10県151市町村、全壊・焼失棟数約240万棟、死者約32万人、経済的被害約220兆円を想定 南海トラフ巨大地震で想定される被害 南海トラフ巨大地震で想定される最大クラスの震度分布 全壊・焼失棟数 約240万棟 死者数 約32万人 経済的な被害 約220兆円 施設等の被害 震度7が想定される地域:10県151市町村 震度6強が想定される地域:21府県239市町村 震度6弱が想定される地域:21府県292市町村 生活への影響 ライフライン(上水道) 約3,440万人が断水 ライフライン(下水道) 約3,210万人が利用困難 ライフライン(電力) 約2,710万軒が停電 ライフライン(通信) 固定電話は約930万回線が通話不能 交通施設(道路) 約4万1千箇所で施設被害が発生 交通施設(鉄道) 約1万9千箇所で施設被害が発生 交通施設(港湾) 約5千箇所で係留施設被害が発生 交通施設(空港) 中部国際、関西国際、高知、大分、宮 崎空港で津波浸水が発生 避難者 約950万人 帰宅困難者 約1,060万人 南海トラフ巨大地震で想定される最大クラスの津波高さ (数字は被害等が最大となるケースのもの) 津波の高さ(m) 宮崎市 (16m) 40 35 30 25 20 15 10 5 0 高知市 (16m) 和歌山市 (8m) 室戸市 (24m) 串本町 (18m) 土佐清水市 (34m) 40 35 30 25 20 15 10 5 0 津波の高さ(m) 大分市 (9m) 延岡市 (14m) ※( )の数字は各ケースの最大値を引用 名古屋市 (5m) ※( )の数字は各ケースの最大値を引用 40 35 30 25 20 15 10 5 0 志摩市 (26m) (17m) (3m) (6m) (4m) (13m) 御前崎市 (19m) (6m) (5m) (6m) 下田市 (33m) 図 海岸の津波高さグラフ(満潮時)(1) ケース⑤「四国沖~九州沖」に「大すべり域+超大すべり域」を設定、堤防条件:津波が堤防等を越流すると破堤する 出典:南海トラフの巨大地震モデル検討会 「南海トラフの巨大地震による津波高・浸水域等(第二次報告)」より引用 9 国土交通省 南海トラフ巨大地震対策計画 ○国土交通省の総力を上げて南海トラフ、首都直下地震への対応を進める。 国土交通省 南海トラフ巨大地震対策計画 [第1版] ◇経緯等 ○太田大臣の指示により、国土交通省では、平成25年7月1日に 「国土交通省南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部」及び 「対策計画策定ワーキンググループ」を設置。 ○内閣府の計画と連携し、平成26年4月1日に国土交通省南海トラフ 巨大地震対策計画【第1版】を策定。 本部会議(H26.4.1)の様子 ◇対策計画の位置づけ等 ○標記地震が発生した場合の国家的危機に備えるべく、国土交通省として、広域的見地や現地の 現実感を重視しながら、省の総力を挙げて取り組むべきリアリティのある対策をまとめるもの。 ○本対策計画の策定とあわせて、地方ブロックごとに、より具体的かつ実践的な「地域対策計画」を策定。 ◇南海トラフ巨大地震発生時における応急活動計画 ○地震発生時からの時間軸を念頭に置き、東日本大震災の教訓も踏まえ、 地震発生直後から概ね7~10日目までの間を中心に、省として緊急的に実施すべき主要な応急活動。 ○応急活動を円滑に進めるために、あらかじめ平時から準備しておくべき事項。 ◇南海トラフ巨大地震の発生に備え戦略的に推進する対策 ○地震・津波による甚大な人的・物的被害を軽減するため、省として取り組むべき、中長期的な視点も 踏まえた予防的な対策。 「どこで何が起こるのか」「国土交通省として特に懸念される深刻な事態は何か」 7つの重要テーマと10の重点対策 10 国土交通省 南海トラフ巨大地震対策計画(抜粋) る」段階 「命を守る」段階 【テーマ①】 【テーマ①】 短時間で押し寄せる巨大な津波からの避難を全力で支える。 短時間で押し寄せる巨大な津波からの避難を全力で支える。 押し寄せる 巨大な津波から の避難を全力で 支える。 ◇緊急地震速報・津波警報等及び津波観測情報の迅速化・高精度化 →より震源に近い場所での地震データ検知を可能とすることで、H26年度までに緊急地震速報を最大で数秒程度早く提供が 可能となった。 →新システムの開発及び海洋研究開発機構の観測データを新たに取り込むことにより、H27年度までに津波観測情報を最速 で陸域に津波が到達する10分程度前に提供。 想定される津波到達時間(津波高5m) 想定される津波高さ(満潮時) 新たに取り込む地震・津波観測データ <H26年度 20箇所、H27年度 約30箇所> (海洋研究開発機構) 焼津市 吉田町 吉田町:5mの津波が 6分で到達 (最大津波高さ9m) 気象庁の沖合観測点 GPS波浪計 短時間で襲来する津波(イメージ) 焼津市:5mの津波が 4分で到達 (最大津波高さ11m) 他機関の沖合観測点 津波観測計 GPS波浪計 地震計 海底地震計 海底津波計 地震発生 より沖合いの観測網を用いて地震・津波を早期に検知 11 緊急地震速報・津波警報等の迅速化・高精度化 首都直下地震の切迫性 ○南関東では、200~400年間隔でM8クラスの地震が発生している。 ○M8クラスの地震の前にM7クラスの地震が複数発生している。 12 首都直下地震の被害想定 都心南部直下地震 M7.3 ※東京湾内の津波は小さい(1m以下) ○被害想定(最大値、未対策(現状)) -全壊・焼失家屋 :最大 約 61万棟 -死者 :最大 約 2.3万人 -要救助者 :最大 約 7.2万人 -被害額 :約 96兆円 ※冬、夕方 風速8m/秒のケース ※要救助者の最大は冬、深夜のケース 震度分布:都心南部直下地震 震度7が想定される地域:東京都江東区・江戸川区 震度6強が想定される地域:4都県84市区町村 震度6弱が想定される地域:5都県104市区町村 ○被害の様相 建物:木造住宅を中心に多くの建物が損壊する。 火災:火災が同時に多発し、延焼が2日程度続く。 電力:5割の地域で停電が発生し、 最悪の場合、1週間以上回復しない。 電話:携帯電話を含め不通の状態が1日程度続き、 停電が長期化すると携帯電話の使用も不安定とな る。 道路:主要道路の開通には少なくとも1日~2日を要する。 一般道にはガレキによる不通区間が大量に発生、 復旧には1カ月以上を要する。 鉄道:運転再開には、地下鉄で1週間、 JRや私鉄では1カ月程度を要する。 出典:「中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ最終報告(平成25年12月19日)」 13 国土交通省 首都直下地震対策計画 国土交通省 首都直下地震対策計画 [第1版] ◇経緯等 ○太田大臣の指示により、国土交通省では、平成25年7月1日に 「国土交通省南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部」及び 「対策計画策定ワーキンググループ」を設置。 ○内閣府の計画と連携し、平成26年4月1日に国土交通省首都直下 地震対策計画[第1版]を策定。 ◇対策計画の位置づけ等 本部会議(H26.4.1)の様子 ○標記地震が発生した場合の国家的危機に備えるべく、国土交通省として、広域的見地や現地の 現実感を重視しながら、省の総力を挙げて取り組むべきリアリティのある対策をまとめるもの。 ○2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を一つの目標とし、各対策の推進に全力で取り組む。 ◇首都直下地震発生時における応急活動計画 ○地震発生時からの時間軸を念頭に置き、東日本大震災の教訓も踏まえ、 地震発生直後から概ね7~10日目までの間を中心に、省として緊急的に実施すべき主要な応急活動。 ○応急活動を円滑に進めるために、あらかじめ平時から準備しておくべき事項。 ◇首都直下地震の発生に備え戦略的に推進する対策 ○地震・津波による甚大な人的・物的被害を軽減するため、省として取り組むべき、中長期的な視点も 踏まえた予防的な対策。 「どこで何が起こるのか」、「国土交通省として特に懸念される深刻な事態は何か」 7つの重要テーマと11の重点対策 14 国土交通省 首都直下地震対策計画(抜粋) 首都圏の人命を守る 過密な都市空間における安全を確保する。 過密な都市空間における安全を確保する 首都直下地震発災後の速やかな道路啓開を実施すべく、道路管理者と関係機関が連携した道路啓開のあり方を検討する 『首都直下地震道路啓開計画検討協議会』 を平成26年7月に設置。 平成27年2月20日に、「首都直下地震道路啓開計画(初版)」を策定・公表 東北道 表 八方向別の 道路啓開候補路線 関越道 中央道 常磐道 成 空港 成田空港 都心 羽田空港 図 「首都直下地震」想定震度分布 ※出典 「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」 (平成25年12月) 横⽻線 東名⾼速 東京港 横浜港 京葉道 東京湾 アクアライン 図 首都直下地震に備えた”八方向作戦”による 道路啓開 凡例 ・道路啓開候補路線 ・備蓄場所 国道 (直轄) 高速道路(NEXCO) 都心 首都高速 南方向 都道 南西方向 西方向 北西方向 北方向 北東方向 東方向 南東方向 (NEXCO) 東日本 中日本 図 八方向作戦の道路啓開候補路線と備蓄場所 <八方向作戦の概要> ・首都直下地震発生の際、都心に向けた八方向(八方位)毎に優先啓開ルートを設定し、一斉に道路啓開を実施。 首都直下地震発生の際、都心に向けた八方向(八方位)毎に優先啓開ル トを設定し、 斉に道路啓開を実施。 ・高速道路、国道、都道の被災箇所・規模が比較的小さい路線・区間を交互に組み合わせて優先啓開ルートを設定。 現地状況に応じて柔軟に対応しつつ、上下線各1車線の道路啓開を実施。 ・人命救助の72時間の壁を意識し、発災後48時間以内に各方向最低1ルートは道路啓開を完了することを目標。 15 時間雨量50mmの大雨の発生件数が増加 約1.4倍 (回/年) 2004~2013 平均 241回 400 1976~1985 350 200 331 平均 174回 300 250 356 295 275282 275 256 251 225 220 230 238 206 188 186 169 145 150 254 244 156 140 157 177 156 158 182 173 194 209 169 131 110 100 190 193 237 103 112 94 50 0 1976 1981 1986 1991 1996 2001 2006 2011 1時間降水量50mm以上の年間発生回数(アメダス1,000地点あたり) *気象庁資料より作成 16 新たなステージに対応した防災・減災のあり方 ○ 時間雨量が50mmを上回る豪雨が全国的に増加しているなど、近年、雨の降り方が局地化・集中化・激甚化 ○ 平成26年8月の広島ではバックビルディング現象による線状降水帯の豪雨が発生 ○ 2013年11月にはフィリピンにスーパー台風が襲来 ○ 大規模な火山噴火等の発生のおそれ 既に明らかに雨の降り方が変化していること等を「新たなステージ」と捉えて ○「国土」が 脆弱 ・大都市の多くの範囲がゼロメートル地帯等 ・地質が地殻変動と風化の進行等により脆い ・世界の地震(M6以上)の2割、活火山の1割が日本 付近 ○ 文明の進展に伴い、 「都市」が脆弱に ・水害リスクの高い地域に都市機能が集中化 ・地下空間の高度利用化(地下街、地下鉄等) 「人」が脆弱に ・施設整備が一定程度進み、安全性を過信 ・想定していない現象に対し自ら判断して対応できない ○ 地震:最大級の強さを持つ地震動を想定 ・阪神・淡路大震災を踏まえ、最大クラスの地震動に 対し、 機能の回復が速やかに行い得る性能を求め る等の土木構造物の耐震設計を導入 ○ 津波:最大クラスの津波を想定 ・東日本大震災を踏まえ、最大クラスの津波に対し、 なんとしても命を守るという考え方に基づき、まちづ くりや警戒避難体制の確立などを組み合わせた多 重防御の考え方を導入 ○ 洪水等:未想定 17 新たなステージに対応した防災・減災のあり方 ○最大クラスの大雨等に対して施設で守りきるのは、財政的にも、社会環境・自然環境の面からも現実的ではない ○「比較的発生頻度の高い降雨等」に対しては、施設によって防御することを基本とするが、 それを超える降雨等に対しては、ある程度の被害が発生しても、「少なくとも命を守り、社会経済に対して壊滅 的な被害が発生しない」ことを目標とし、危機感を共有して社会全体で対応することが必要である。 最悪の事態も想定して、個人、企業、地方公共団体、国等が、主体的に、かつ、連携して 対応することが必要であり、これらについての今後の検討の方向性についてとりまとめ ○ 「行動指南型」の避難勧告に加え、 「状況情報」の提供による主体的避難の促進、 広域避難体制の整備等を目指す。 ①最大クラスの洪水・高潮等に関する浸水想定・ハザード マップを作成し、様々な機会における提供を通じた災害 リスクの認知度の向上 ②防災情報の時系列での提供、情報提供する区域の 細分化による状況情報の提供 ③個々の市町村による避難勧告等の現在の枠組み・体制 では対応困難な大規模水害等に対し、国、地方公共団 体、公益事業者等が連携した、広域避難、救助等に関 するタイムライン(時系列の行動計画)の策定 等 ○ 最悪の事態を想定・共有し、国、地方公共団体、 公益事業者、企業等が主体的かつ、連携して 対応する体制の整備を目指す。 ①最大クラスの洪水・高潮等が最悪の条件下で発生した 場合の社会全体の被害を想定し、共有 ②応急活動、復旧・復興のための防災関係機関、 公益事業者の業務継続計画作成を支援 ③被害軽減・早期の業務再開のため、水害も対象とした 企業のBCPの作成を支援 ④国、地方公共団体、公益事業者等が連携して対応する 体制の整備と関係者一体型タイムラインの策定 ⑤TEC-FORCEによる市町村の支援体制の強化 等 18 水災害に関する防災・減災対策本部 ○国土交通省の総力を上げて水災害に対する防災減災対策を進める。 ○特に、地下街・地下鉄対策、タイムライン(防災行動計画)の検討等を進める。 国土交通省 水災害に関する防災・減災対策本部 水災害に関する防災・減災対策 中間とりまとめ 19 水災害に関する防災減災対策中間とりまとめ① 地下街・地下鉄等ワーキンググループ 中間とりまとめ 平成26年度出水期までの対応 国土交通省の関係各局が、様々なルートを通じて、地下街・地下鉄および接続ビル等に対 して以下の事項について周知・情報提供を徹底 平成24年10月 ハリケーン・サンディによる被害 (1)浸水リスクの周知 ・現時点で作成されている浸水想定区域及びハザードマップの確認 (2)支援制度の周知 ・避難確保計画の作成や止水板の設置等に対する既存の支援措置 (3)接続ビル等との連携の強化 ・関係市町村に対し、接続ビル等の地域防災計画への位置付けや、協議会の設置 ・隣接する地下街・地下鉄及び接続ビル共同による避難確保・浸水防止計画の作成 浸水した86ストリート駅 等 20 水災害に関する防災減災対策中間とりまとめ② 防災行動計画ワーキンググループ 中間とりまとめ 米国ハリケーン・サンディから得られた教訓 ・人命・資産を守るハード対策が充実していなかったために、沿岸部の家屋は損壊を受け、地下空間の 浸水による交通麻痺に伴い、都市機能、金融などの経済中枢機能に甚大な影響が及んだ ・一方で、タイムラインを関係機関で予め策定しておくこと等のソフト対策を充実させることにより、被害 を最小限に止める工夫が実施されていた 大規模な水災害による被害を最小化するためには、インフラの整備等の予防策に加え、 災害が発生することを前提とした対応(タイムラインに沿った対応)を強化することが必要 平成26年度出水期までの対応 災害が発生することを前提とした対応(タイムラインに沿った対応)を強化 (1)全国におけるタイムライン(案)の策定 ・全国の河川のうち、直轄管理区間を対象に、避難勧告等の発令に着目したタイムライン(案)を策定し、有効性 の検証を実施 (2)リーディング・プロジェクトの推進 ・実際に生じた災害や今後想定される災害に対して、課題を検証し、地域に即した具体的なタイムライン策定に 向けた取り組みを推進 【首都圏】 ・広域避難(利根川・荒川上流の洪水を想定) ・地域内関係機関連携(荒川下流域の洪水を想定) 【中部圏】 ・広域避難(高潮を想定) ・地域内関係機関連携(庄内川流域の洪水を想定) 21 水防法の概要 目的 洪水、津波又は高潮に際し、水災を警戒し、防御し及びこれに因る被害を軽減し、 もって公共の安全を保持すること 主な内容 避難確保及び浸水の防止 市町村防災計画に、浸水想定区域ごとに、以下を記載 ・洪水予報等の伝達方法 ・洪水時の避難の確保を図るために必要な事項 ・地下街等、要配慮者施設等の名称及び所在地 地下街等の所有者等による避難確保等の取組 ハザードマップにより住民に周知 洪水予報河川・水位情報周知河川(大臣又は知事が指定) 洪水により国民経済上重大又は相当な損害を生じるおそれがある河川 洪水のおそれがある等の場合、水防管理者等に通知・一般に周知 浸水想定区域(大臣又は知事が指定) 洪水防御の基本となる降雨により河川が氾濫した場合 浸水が想定される区域を浸水想定区域として指定 22 水防法等の一部を改正する法律 平成27年5月13日成立 概要 ※多発する浸水被害への対応を図るため、ソフト・ハード両面から対策を推進 ①想定し得る最大規模の洪水・内水・高潮への対策 [ソフト対策] ②比較的発生頻度の高い内水に対する地域の状況に応じた浸水 対策[ハード対策] ・官民連携による浸水対策の推進 ・雨水排除に特化した公共下水道の導入 ③持続的な機能確保のための下水道管理 ・下水道の維持修繕基準の創設 ・地方公共団体への支援の強化 ④再生可能エネルギーの活用促進 ・民間事業者に対する規制緩和 23 想定し得る最大規模の洪水・内水・高潮への対策【ソフト対策】 ○近年、洪水のほか、内水、高潮により、現在の想定を超える浸水被害が多発 ○現行の洪水に係る浸水想定については、河川整備において基本となる降雨を 前提に作成 ○内水、高潮に係る浸水想定については、作成することが義務付けられていない 現行の洪水に係る浸水想定区域について、想定し得る最大規模の降雨を前提とした 区域に拡充 新たに、内水及び高潮に係る浸水想定区域制度を設け想定し得る最大規模の降雨・ 高潮を前提とした区域を公表 相当な被害が生じる恐れのある下水道については下水管の水位を測定し、地上から 把握できない水位情報を水防管理者、一般へ周知する制度を創設 河川整備において基本となる 降雨を前提とした浸水想定区域 想定し得る最大規模の降雨 を前提とした浸水想定区域 高潮浸水想定区域 24 タイムライン(防災行動計画)の例 ○タイムラインとは、災害対応に従事する機関において、「誰が」「いつまでに」「何をするか」 を明確にし、被害の最小化を図るために策定するもの。 ○災害発生前のリードタイムを活かし、関係者が連携して事前に取るべき行動を時系列で 整理する。 台風発生 台風上陸 の可能性 国土交通省 台風上陸 ○台風予報 3日前 ○台風に関する記者会見 体制の 早期構築 ○連絡体制等の確認 ○協力機関の体制確認 災害発生 の危険性 台風接近 台風上陸 交通サービス 運行停止の可能性を 早めに周知 市町村 広域避難の可能性を 早めに周知 ○広域避難体制の 確認・周知 ○運行停止手順の 確認・公表 ○広域避難勧告・指示 ○広域避難の開始 ○広域避難者の誘導・ 受入 早期に 広域避難を開始 台風上陸前に 避難を完了 台風上陸 ○大雨・暴風・高潮等 12時間前 特別警報 ○はん濫危険情報 ○市町村長へ事態切迫 状況の伝達 0時間前 ○はん濫発生情報 ○TEC-FORCE活動 (道路啓開等) ○被害状況の把握 ○緊急輸送路の確保 ○防災用品の準備 ○交通サービス 運行停止予告 台風上陸 1日前 ○台風に関する記者会見 ○リエゾンの派遣 (特別警報発表の可能性) ○大雨・洪水等警報 ○はん濫警戒情報 ○所管施設の巡視 住民 ○避難勧告・指示 ○運行停止 ○施設保全・待避終了 ○屋内安全確保 早期復旧・再開が可能 となるように運行停止 ○被害状況の把握 ○支援の要請 ○施設点検 ○運行見通しの 公表 ※水災害に関する防災・減災対策本部資料を簡略化 25 平成27年9月関東・東北豪雨災害時のタイムラインの効果 ○ 平成27年9月関東・東北豪雨災害で氾濫危険情報が発表された市町村のうち、「避 難勧告の発令等に着目したタイムライン」を策定した市町村における避難勧告ま たは避難指示を発令した市町村の割合は72%、未策定市町村は33%となってお り、タイムライン策定済みの自治体の方が、発令率が高かった。 の氾濫危険情報が発表された市町村数 タイムライン未策定(27市町村)河川の氾濫危険情報が発表された市町 タイムライン策定済み(18市町村) (国管理河川【TL未策定】) 発令率:33% 発令率:72% (国管理河川【TL策定済】) 9 33% 5 28% 18 67% 72% 13 ■:避難勧告等発令市町村数 ■:避難勧告等未発令市町村数 難勧告または避難指示を発令した市町村数避難勧告または避難指示を発令した市町村数 ※氾濫危険情報を発表した国管理河川の浸水想定区域内自治体(45市町村)のうち、タイムライン策定済み市町村が18市町村、未策定が27市町村 難勧告または避難指示を発令しなかった市町村数 避難勧告または避難指示を発令しなかった市町 26 実働訓練 ○南海トラフ巨大地震や津波、洪水に備え、災害時に連携して活動を行う関係機関と連携した様々 な防災訓練を実施。 ■総合水防演習(H27.5~6) 豪雨や台風による洪水に備えるため、毎年5月の水 防月間に合わせて、警察・消防・自衛隊・関係自治体 等と連携した大規模な水防に関する訓練を各地方整 備局等(9箇所)で実施。 地元水防団による水防工法訓練 自衛隊とTEC-FORCEとの連携による 被災地への進出訓練 警察、消防等の連携による救出訓練 地元高校生による水防工法の体験 ■ 「津波防災の日」にあわせた総合防災訓練 (H27.11.5) ※近畿地整にて実施 南海トラフ巨大地震を想定した広域かつ甚大な被 害が予想される大規模災害に備え、近畿地整、堺 市、自衛隊、海上保安庁、警察等の各機関や、地元 が協力した防災訓練を実施。 地方整備局職員による道路啓開訓練 海洋環境整備船「Dr.海洋」による 航路啓開(浮遊物回収) 陸自、海保、地整が連携した、耐震強化 岸壁から船舶への物資積込訓練 27 目次 1 我が国の脆弱性、国土交通省の役割 2 災害に対する事前の備え ・大規模地震対策(東日本大震災の教訓と対応) ・大規模水害対策 ・実働訓練 3 災害発生時の対応 ・災害対応の全体像、自然災害対応、TEC-FORCEの派遣 4 被災後の対応 ・災害復旧事業 28 災害対応の全体像(政府全体の災害対策) 全省庁がそれぞれ自省庁に関係する情報を収集し、官邸に集約する。対応を検討 するため、事案毎に重要省庁を「緊急参集チーム」として官邸に参集させ、会議を行 う。「緊急参集チーム」の構成員は、霞ヶ関近隣に宿舎を手配。 自然災害 緊急参集チームの事案 内 厚 国 海 文 経 農 自然災害(風水害・地震・火山) 閣 警 防 消 生 土 気 上 金 総 部 済 林 海上災害、航空災害 府 察 衛 防 労 交 象 保 融 務 科 産 水 (防 庁 庁 庁 働 通 庁 安 庁 省 学 業 産 鉄道災害、道路災害 省 省 庁 省 省 省 災 原子力災害(事業所・輸送) ) 油流出 社 死 現 死 病 会 災 部 金 通 電 農 大規模火事、コンビナート事故 傷 傷 地 院 資 隊 融 信 学 力 業 部 調 者 隊 者 ・ 本 害 ・ 在日米軍事故 ・放 校 ・ 被 機 観 ・ 水 海 ・ ガ 査 部 避 海外重大事故 道 ・交 測 上 関 送 ス 害 団 隊 難 通 NBC等テロ、ハイジャック 武装不審船、宇宙飛翔体 官邸危機管理センター【官邸対策室】 在外邦人退避 (政府全体の対策を検討) 29 その他 災害対応の全体像(緊急事態の事例と省内総括担当部局) 自然災害 ・震度6弱(23区内は5強)の地震など 重大な被害が発生又は発生のおそれ がある場合 地震災害 風水害 火山災害 雪害 重大事故 ・海上、航空、鉄道、道路等の事故で多 数の死傷者・行方不明者を伴うもの ・危険物等の漏洩、爆発等で多数の死 傷者・行方不明者を伴うもの、又は大 量流出で著しい水質汚染を生じるもの ・我が国周辺海域で船舶からの大規模 な油流出事故 ・原子力施設から放射性物質が放出さ れ、国民の生命、財産に被害が発生 道路災害 水質事故災害 火災 海上災害 航空災害 鉄道災害 港湾危険物等災害 原子力災害 重大事件 水管理・国土 保全局防災課 大臣官房参事官 (運輸安全防災) ハイジャック 大量殺傷型テロ・重要施設テロ等 ミサイル発射事案 不審船事案 武力攻撃事態 武力攻撃事態 その他危機 邦人退避 海上保安庁 大量避難民流入 重篤な感染症 危機管理官 30 国土交通本省の参集体制 防災体制 注意体制 警戒体制 非常体制 当該災害 対策本部 本部長:事務次官 本部 該当事案の目安 ○震度4 ○津波注意報 ○噴火警報(火口周辺)のうち「入山規制又は入山 危険」 ○震度5弱又は5強(東京23区を除く) ○津波警報 ○噴火警報(居住地域) ○震度6弱(東京23区で震度5強) ○大津波警報 ○東海地震注意情報 該当事案の目安 国土交通省非常 災害対策本部 ○非常災害が発生 本部長:事務次官 国土交通省緊急 災害対策本部 ○著しく異常かつ激甚な非常災害が発生 本部長:大臣 初動対応の目安 関係職員が自宅等で 情報収集 (※津波注意報発表の場合は 関係職員が参集) 関係職員が参集 事務次官以下の関係幹 部及び関係職員が参集 初動対応の目安 事務次官以下の関係幹 部及び関係職員が参集 大臣を含む関係幹部 及び関係職員が参集 31 国土交通省の災害対応 ○大規模自然災害等の発生時には国土交通省幹部 が防災センターに緊急参集し、以下の事務を行う。 ①気象・地震・河川・道路などの情報を 収集 レーダー雨量計システム 水位テレメータ ②被害状況の把握 ③官邸・他省庁との情報交換、 国民・報道機関への情報提供 ④緊急対策の決定 32 防災情報の収集・提供 リ 搭 載 カ メ ラ 浸 水 域 の 把 握 災害対策用ヘリコプター ヘ 監 視 カ メ ラ テ レ ビ 局 へ の 映 像 提 供 専用情報通信ネットワーク 災 害 対 策 車 衛 小型衛星通信装置Ku-SAT ヘリコプター 監視カメラ 星 通 信 車 現地派遣 資機材 33 統合災害情報システム(DiMAPS)による被災情報の集約・共有 ○災害発生時に提供される膨大な情報を集約し、Web地図上に統合表示することで、 被害 情報をより分かりやすく把握・共有できる今までにない新しいシステム。 ○震源・震度情報、防災ヘリ撮影画像、TEC-FORCEからの被害情報等を地図上に表示し、 災害情報を迅速に把握すると共に、被害の全体像を把握することが可能。 ③TEC-FORCE等による活用状況 ロジスティッ クス情報 ・被災状況調査(空中写真 等) ・災害対策車両等の位置情報 ・指示事項伝達の迅速化 防災ヘリ 統合災害情報システム TEC-FORCEの活動状況の把握、 オペレーション時の連絡手段として活用 現場状況更新 指示事項共有 現地情報 等 TEC-FORCE報告 防災ヘリ ②刻々と変化するリアルタイム情報、被害報 リアルタイム情報 ・気象情報(震源・震度情報) ・被害情報(公共・重要施設、建物被害) 被災状況等を 集約 ・レーダ雨量 等 ヘリサット画像や空中写真 から被災状況を広範に把握 被害報 等 震度情報 震源・震度 レーダ雨量 ①基礎データの内蔵 津波警報 リスク情報 データの事前 準備 ・基盤地図情報 ・重要施設の基本情報(避難施設、市町村役場) ・浸水想定区域 等 避難施設 市町村役場 事前情報 浸水想定区域 事前情報や被害報から、 被害の全体像を把握 基盤地図情報 防災センター 34 34 統合災害情報システム(DiMAPS)による被災情報の集約・共有 ○防災ヘリが撮影した高画質な画像をリアルタイムで表示。また、TEC-FORCEの活動 状況を現場からダイレクトに表示することで、迅速に状況を把握し、共有することが可能。 地区名 点検評価 渓流名 地区名 点検評価 渓流名 緑井・八木地区 A 大田川 支川87 緑井・八木地区 B 大田川 支川76 被災直後のヘリサット画像を重ね 合わせることで被害箇所を把握 35 TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の概要 TEC-FORCEとは ※TEC-FORCE(Technical Emergency Control FORCE):緊急災害対策派遣隊 ○大規模な自然災害等に際して被災状況の把握や被災地方自治体の支援を行い、被災地の早期復旧 のための技術的支援を迅速に実施 ○本省災害対策本部長の指揮命令のもと、全国の各地方整備局等の職員が活動 ○国土交通省各組織の職員合計7,508名(平成27年5月1日現在)を予め任命し、状況に応じて派遣 活動内容 災対ヘリによる被災状況調査 【H25.9 台風第18号】 (京都府福知山市) Ku-SAT※による監視体制確保 現地踏査による被災状況調査 市町村へのリエゾン派遣 UAV(無人ヘリ) を使った危険区 域内の調査 【 H26.8 広島土砂災害 】 (広島県広島市) 【 H27.5 口永良部島の火山活動 】 (鹿児島県屋久島町) 自治体への技術的助言 排水ポンプ車による緊急排水 捜索活動への技術的助言 ※Ku-SAT:小型衛星画像伝送装置 【 H26.9 御嶽山の噴火 】 (長野県王滝村) 【 H26.11 長野県北部地震 】 (長野県小谷村) 【 H25.9 台風第18号 】 (京都府福知山市) 【 H25.10 台風第26号 】 (東京都大島町) 36 緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の隊員数 TEC-FORCE隊員は全国の地方整備局を主体に任命されており災害の規模によっては全国から集結 ※ほか、国土交通省本省、地方運輸局等、国土技術政策総合研究所、気象庁、国土地理院から構成されており、専門性を 活かした調査、技術指導等による自治体支援を実施 本省(91名) 国土技術政策総合研究所 (98名) 地方運輸・航空局 (215名) 北海道開発局 556名 沖縄総合事務局 40名 地方整備局等 (7,104名) 東北地方整備局 606名 TEC-FORCE 登録隊員構成 ※平成27年5月1日現在 計7,508名 北陸地方整備局 646名 近畿地方整備局 801名 中国地方整備局 811名 九州地方整備局 707名 関東地方整備局 1,233名 四国地方整備局 476名 中部地方整備局 1,228名 37 国土交通省の災害対策用機材の配備状況 大規模な災害には全国の機材が集結し支援を行います。 ▼平成27年4月1日現在 地整名 (単位:台) 排水ポンプ車 照明車 対策本部車 待機支援車 遠隔操作式 バックホウ 衛星通信車 Ku-SAT 災害対策用 ヘリコプター 北海道 27 15 8 1 4 14 1 東 北 45 29 10 2 4 19 1 関 東 41 41 25 2 9 29 1 北 陸 39 37 11 3 4 20 1 中 部 36 34 15 2 6 17 1 近 畿 32 27 17 1 7 21 1 中 国 33 24 6 1 5 16 四 国 33 28 11 2 5 8 九 州 60 24 9 1 4 16 1 沖 縄 1 3 1 0 1 6 0 347 262 113 15 49 166 8 計 ■排水ポンプ車 【 H26.8 広島土砂災害 】 (広島県広島市) ■照明車 ■対策本部車 【 H26.8 台風第12号・11号 】【 H26.8 広島土砂災害 】 (山口県和木町) (広島県広島市) ■衛星通信車 【 H26.11 長野県北部地震 】 (長野県白馬村) 1 備 考 ヘリは四国・中国 地整とで共同管理 ■Ku-SAT (小型衛星画像伝送装置) 【 H26.9 御嶽山の噴火 】 (長野県王滝村) その他の機材 土のう造成機、応急組立橋、散水車、橋梁点検車、側溝清掃車、路面清掃車など 38 平成23年3月東日本大震災におけるTEC-FORCE等の活動 ○平成23年3月に発生した東日本大震災では、国土交通大臣の指示の下、震災発生の翌日には各地方 整備局から約400名のTEC-FORCE隊員を現地に派遣。最大500名を超える隊員が、余震が続き、雪 の積もる中で速やかな被災状況の調査、早期の被災地への物資輸送を可能にするための道路啓開、 排水ポンプ車による排水活動、市町村リエゾンによる自治体支援等を実施。 国道45号(宮城県多賀城市) 823人日 早急にヘリコプターを発進させ、 貴重な映像等を入手 3月12日 3月15日 道路啓開により、物資輸送や医療部隊の 被災地への移動に貢献 排水ポンプ車による 行方不明者捜索活動の支援 2,704人日 2,414人日 市町村長の片腕となる 職員を派遣し、技術的支援 2,916人日 1,227人日 1,152人日 出動人数 (延べ人数) 延べ 18,115人日 2,629人日 1,727人日 1,438人日 1,085人日 堤防被災状況の把握 各地方整備局等からの出動人数(延べ人数) 全国合計:18,115人日 39 平成26年8月広島市の土砂災害におけるTEC-FORCE等の活動 ○8月19日からの大雨を受けて、広島市では166件以上の土砂災害(土石流107件、がけ崩れ59件)が発生し、安 佐南区と安佐北区では、多数の住宅が飲み込まれ甚大な人的被害(死者74名:平成26年9月19日現在)が発 生。 ○災害発生直後から、広島県及び広島市へリエゾンを派遣。また、災害対策用ヘリコプターによる上空からの 被害状況把握を実施。 ○全国の地方整備局等からTEC-FORCEと災害対策用機械等を派遣し、(1)土砂災害危険箇所の評価・捜索活動の 支援、(2)早期復旧のための支援、(3)二次災害防止のための支援を実施。 TEC-FORCE:最大122人派遣(8月28日)、のべ2,431人・日派遣(8/20~9/23) 災害対策用機械(照明車、衛星通信車等):最大18台派遣(9月4~5日)、のべ約470台・日派遣(8/20~9/24 現在) 迅速な被災状況把握 位 置 図 土砂災害危険箇所の評価 大林地区 可部・三入地区 筒瀬地区 緑井・八木地区 土砂災害発生箇所 山本地区 TEC-FORCE活動範囲 災害対策ヘリコプターによる 上空からの被災状況把握 早期復旧のための支援 土砂災害危険箇所の現地調査 二次災害防止のための支援 ▼派遣元別派遣人数(のべ人数) 国総研・土研:115人・日 九州地整:329人・日 中国地整:1290人・日 四国地整:208人・日 近畿地整:112人・日 中部地整:230人・日 のべ2,431人・日(8/20~9/23) 北陸地整:147人・日 土砂撤去の支援 大型土のう設置の支援 40 目次 1 我が国の脆弱性、国土交通省の役割 2 災害に対する事前の備え ・大規模地震対策 ・大規模水害対策 ・実働訓練 3 災害発生時の対応 ・災害対応の全体像、自然災害対応、TEC-FORCEの派遣 4 被災後の対応 ・災害復旧事業 41 災害復旧事業について 特 徴 ① 様々な公共土木施設が対象 (河川、海岸、砂防設備、林地荒廃防止施設、地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設、道路、港湾、漁港、下水道、公園 ) ② 高率な国庫負担 ③ 迅速で確実な予算措置 ・ 事業費確定のための災害査定は、地方公共団体の準備が整い次第速やかに実施。 ・ 災害査定等により災害復旧に必要な費用を過不足なく確実に措置。 ④ 迅速な工事着手 ・ 災害復旧工事は、国の災害査定を待たず、発災直後から実施可能。 ⑤ 原形復旧だけでなく適切な施設形状で復旧 ⑥ 県単位で一括し予算交付 ・ 災害復旧事業費は、予算費目ごと(河川等=河川、海岸、砂防等、道路、下水道/都市=公 園 等)に災害年ごとに県単位で一括して交付。 ・ 災害復旧事業として採択された同一予算費目の工事であれば、工種、箇所にかかわらず市 町村も含め県内で自由に活用可能。 H26.8.16 被災 応急復旧 被 災 H26.10.22着工 H27.5月末完了予定 迅速な 工事着手 ぎ ふ けん げろし まぜなまる 岐阜県下呂市馬瀬名丸 42 災害復旧事業について 適正な維持管理 怠ると 採択しない 【公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法】 (適用除外) 第六条 この法律は、次ぎに掲げる災害復旧事業については適用しない。 甚だしく維持管理の義務を怠ったことに基因 五 して生じたものと認められる災害に係るもの 【公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法事務取扱要綱】 (維持管理義務怠慢による災害) 第十三 法律第六条第一項第五号に規定する「甚だしく維持管理の義務を怠ったことに基 因して生じたものと認められる災害」とは、次ぎに各号に掲げる災害をいう。 一 四 腐朽 二 施設の操作不良 三 堤防の耕作 その他前各号に掲げるものに類する災害 【災害査定官申合事項】 第一 採択の範囲 十六 要綱第十三第四号の取扱について 巡視・点検及び点検などに基づく必要な維持補修 維持補修に関する計画の履行を著しく怠ったこと に基因して生じたことが明らかに認められる災害を含むものとする。 43 査定設計委託費等 補助制度 特に被害が激甚であると認められる災害等の箇所 地すべり対策工事、橋梁、トンネル等工事で特殊工法等を実施する箇所の 査定設計に要した費用の概ね1/2を補助する 委託費用500万円以上で 決定工事費の7%以上を対象 公共土木施設災害復旧事業査定設計委託費等補助の対象範囲 ( 委 託 費 等 対 象 範 囲 ) ( 設 計 ) 被 災 被害調査 現地測量 復旧工法 検討 調査及び 試験 構造物の 応力計算 復旧工法 設計図 数量計算 工事費の 積算 設計書 査定申請 44 災害復旧事業の復旧方法 ○災害復旧事業とは,被災箇所を原形に復旧する ことを目的。原形復旧とは、単なる元どおりだけで はなく、従前の効用を復旧。 ○原形復旧が困難な場合や不適当な場合には、形 状、材質、構造を改良する等、従前と異なる施設 形状で復旧することができる。 -参考- 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年三月三十一日法律第九十七号) (抜粋) (定義) 第二条 2 この法律において「災害復旧事業」とは、災害に因って必要を生じた事業で、災害にかかつた施設を 原形に復旧する(原形に復旧することが不可能な場合において当該施設の従前の効用を復旧するための 施設をすることを含む。以下同じ。)ことを目的とするものをいう。 3 災害に因って必要を生じた事業で、災害にかかつた施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当 な場合においてこれに代るべき必要な施設をすることを目的とするものは、この法律の適用について は、災害復旧事業とみなす。 45 原形と異なる施設形状での復旧 ①広域の地盤沈下、極端な河床の洗掘 原形での復旧が不可能な場合 → 従前の効用(防災機能など)を復旧 ③木橋が全橋被災 原形での復旧が不適当である場合 コンクリート橋で復旧 被災前 被 災 復 旧 ②大規模な山腹崩落 原位置での原形復旧が困難な場合 → トンネルで復旧 ④「越水被害」が発生、 背後地の集落、主要交通幹線路が浸 水、 原形での復旧が不適当である場合 堤防を嵩上げして復旧 洪水で木橋が流出 コンクリート橋で復旧 46 改良復旧関係事業 被災箇所の復旧 単災<河川等災害復旧事業> 一定災 災 害 復 旧 関 係 事 業 被災箇所と周辺 をあわせた一連 の改良 関連<河川等災害関連事業> 助成<災害復旧助成事業> 小川<特定小川災害関連環境 再生事業> 被災箇所上下 流の障害物の 除去・是正 火山の爆発によ る降灰の除去 災特<河川等災害関連特別対 策事業> 降灰除去<降灰除去事業> 47 災害復旧事業について(災害査定の簡素化) 被災地域の早期復旧を支援するため、災害査定時に使用する総合単価限度額の 撤廃等、災害復旧事業の申請に係る運用改善により査定事務を簡素化。 ■従前 ■改善後 限度額1,000万円を 超える申請を行う場合は、積上 積算にて設計書を 作成 作業A 労務費 × 数量 材料費 × 数量 機械経費 × 数量 作業B + 労務費 × 数量 材料費 × 数量 機械経費 × 数量 工事費用 限度額を 撤廃することで、申請額に関わら ず 総合単価が使用可能。 →査定設計書に係る 労力を 大幅に削減 作業C + 労務費 × 数量 材料費 × 数量 機械経費 × 数量 総合単価 × 数量 工事費用 [総合単価…積算作業効率化のため、予め工種単位あたりの工事費を設定したもの] ■災害査定事務の効率化 ・積算にかかる業務量が約1/5に減少 48 災害復旧・改良復旧事業の技術的助言などの自治体支援 ○被災自治体のマンパワー不足、技術力不足により、適切な災害復旧事業の実施に際し、 被災自治体の大きな負担となっている。 ○災害発生時に、災害復旧や改良復旧の計画立案のための、職員数や技術力の不足を補う ため、平成26年より災害復旧技術専門家派遣制度を運用している。 ○本制度は、TEC-FORCEが出動した大規模災害で、被災自治体から本省防災課に要請が あり、防災課が必要と判断する場合、防災協会より無償で専門家※を派遣する制度。 ※専門家は主に国土交通省や県OB 等で構成され、災害復旧制度に熟知し、災害発生時等に地方公共団体等の求めに 速やかに現地に参集し、技術的助言等が可能な者として、平成26 年7 月10 日現在、229 名が登録 東日本被災状況(宮城県岩沼市) 東日本被災状況(千葉県成田市) 東日本被災状況(千葉県浦安市) 被災形態が多様化している中、最適な復旧工法検討には技術力が不足している自治体が多い <手続きのフロー図> 都道府県 防災担当課 本省防災課 全国防災協会 (管内市町村) (復旧事業ライン) (専門家リスト) ○本省防災課への支 援要請 ※市町村は都道府県 を通じて ○専門家が現地にて 復旧方針等の助言 ○都道府県からの要 請の受理 ○派遣可否、防災協 会との調整 ○被災自治体へ通知 ○派遣する専門家と の調整、専門家の 決定 要請 通知 依頼 専門家決定 ○防災課へ連絡 49 災害復旧助成事業における再調査制度の導入 災害復旧助成事業は、原則として事業費の増額については認められていなかった ○ ○ ○ 近年の公共事業における労務単価の上昇・資材価格の急騰 平成26年4月の消費税率引き上げ 当初予測できなかった事由による状況変化 等 事業採択以降、やむを得ない理由によって当初計画事業費に不足が生じるリスク 事業費決定後の状況変化に対応すべく、再調査制度を導入し、 災害復旧助成事業で目標とする防災効果の達成を着実に図る ■再調査(3年目に実施)イメージ 被災箇所ごとの不足事業費・理 由を調査(机上) 当初決定事業費 当初決定事業費 未竣工事業費 (未発注・未契約) 労務単価上昇 物価高騰 その後の状況変化等 やむを得ない事由 2年間までの竣工事業費 2年目までの竣工事業費 (契約済のもの) (契約済のもの) 増額する部分 再調査において、全体計画の変更を審査する 要綱「過年発生災害復旧事業の再調査について」の改訂など所要の措置 50
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