圧入施工技能審査学科試験問題(満点 100点)

平成 26 年度
圧入施工技能審査学科試験問題
(2 級)
問題用紙はお持ち帰り下さい
全国圧入協会
H26 2 級学科試験(○×)
○×問題
(配点 64 点)
問 1 正しいものには○、誤っているものには×を別紙の解答用紙に記入しなさい。
1.
圧入工法と打撃工法の違いは、騒音、振動の有無だけである。
2.
圧入工法は U 形鋼矢板、ハット形鋼矢板、H形鋼矢板、鋼管矢板など、さまざまな種類の鋼矢板の
施工が可能であり、更に無公害工法として信頼性が高い。
3.
既製杭とは、一般に木杭、RC杭、PC杭のことをいい、鋼杭は含まない。
4.
鋼矢板土留工としては、バイブロハンマによる施工は振動により確実に打込みが出来るが、圧入
工法は適していない。
5.
支持杭とは、杭先端を支持層に到達させ、主として杭先端に上向きに働く先端支持力によって荷重
を支える。
6.
圧入機本体には過負荷防止装置が装着されている。その目的は、圧入引抜き時に伝わる荷重か
ら機械を保護するためである。
7.
圧入機本体には過負荷防止装置が装着されているが、現場条件により必要があればオペレーター
が自由に設定変更を行うべきである。
8.
ラジオコントロール装置のデッドマン機能はラジコン送信機を大きく傾けた際に、圧入機本体を停止
させる機能である。
9.
圧入機本体の運転操作はラジオコントロール方式を採用しているが、同じ現場で2台を同時に運転
する場合は、安全遵守のため一方はケーブルコントローラーによる操作をしなければならない。
10.
圧入機本体には、油圧ホースが破損した場合でも閉回路圧力が急激に低下することがないよう
に、閉回路圧力を保持し続けるための圧力保持装置が設けられている。
11.
原動機には、冷機関と熱機関があり、燃料の燃焼による熱エネルギーを運動エネルギーに変える
装置を熱機関という。
12.
4サイクルディーゼルエンジンの作動原理は、「吸入」→「圧縮」→「燃焼」→「排気」である。
13.
U形鋼矢板の形状は、曲げ剛性を増すための形状であるが、鋼矢板の形状が圧入施工に悪影響
を及ぼすことがある。
14.
現在、国内で主に使用されているU形鋼矢板の継手形状はラカワナ形である。
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H26 2 級学科試験(○×)
15.
U形鋼矢板Ⅲ型とⅢw型(広幅型鋼矢板)では、計算上は広幅型鋼矢板の方が壁体強度としては
強い。
16.
鋼矢板土留工は土木工事にはよく利用されるが、建築工事には適していないため、あまり利用さ
れない。
17.
土留めは山留めとも呼ばれ、一般に仮設構造物である。
18.
同一メーカーであれば、広幅型鋼矢板のⅡw 型と普通鋼矢板Ⅲ型の継手のかん合は可能である。
19.
鋼矢板の積重ねは一層ごとに枕木を挿入し、その全体高さは 2m 未満とする。
20.
鋼矢板の積重ねは、一層あたり最大で 5 枚以下となるようにする。
21.
原価管理は品質管理より重要である。
22.
施工管理の基本は施工計画を策定し、施工計画に基づいて工事を実施し、施工計画と実状とを比
較して、一致しない場合は原因をつきとめ適切な是正処置を講ずる。このサイクルを継続実施する
ことである。
23.
施工計画は、現場の諸条件を最もよく知っている現場の主任技術者のみが行い、その指示に従う
事により、効率よく作業ができる。
24.
発注者とは設計図書の作成者のことであり、工事監督者の意見とは常に違っているため、指示命
令に従うことはない。
25.
杭天端同士の溶接の有無を確認することは、引抜作業の工程管理において重要な事項である。
26.
工事現場は違っても平均N値が同じであれば、圧入施工を行う地盤条件は同じと判断してもよい。
27.
土のコンシステンシーとは、全体の体積に対する土粒子の密度の状態、つまり土の締り具合を示し
たものである。つまり砂質地盤の状態を表している。
28.
土留め面から湧水がある場合は、水とともに土砂が流出しないよう適切な処置をしなければならな
い。
29.
標準貫入試験はドライブハンマーを自由落下させて、30cm 貫入させるのに要する打撃回数を調
べ、これによって地層の状態を推定する方法である。この打撃回数N値が小さいほど地層は締まっ
ている。
30.
粒子の細かい土粒子ほど透水係数が高まる。これは細かい土粒子中では間隙が小さいため、水
流に対する摩擦抵抗が大きくなるからである。
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H26 2 級学科試験(○×)
31.
バイブロハンマで施工した鋼矢板は、油圧式杭圧入引抜機での引抜作業は不可能である。
32.
鋼矢板の引抜作業において圧入開始地点から引抜き作業を開始した場合、縁切り抵抗力が大きく
なり作業効率が悪くなることがある。
33.
引抜いた鋼矢板は付着した土砂を落とし、安全に積み重ね作業ができるよう整理して保管する。
34.
鋼矢板の引抜き作業で地盤との縁切りを行う場合の手順として、最初に完成杭を押し込む方向に
力を加えて一旦停止し、次に引抜きに転じることで、地盤と完成杭の間で発生する周面摩擦抵抗を
軽減しやすく、引抜き作業を円滑にすることができる。
35.
ワイヤーロープの安全係数とは、ワイヤーロープの切断荷重の値を、ワイヤーロープにかかる荷
重の最大の値で除したものである。
36.
建設機械の定期自主検査は、6ケ月ごとに行うことが義務づけられており、計画的な点検・整備を
心がけなければならない。
37.
鋼矢板の引抜作業で油圧式杭圧入引抜機を操作する者は、労働安全衛生法に基づく技能講習修
了者でなければならない。
38.
特別教育を必要とするものには、基礎工事用建設機械の運転の業務に関わる特別教育がある。
39.
油圧式杭圧入引抜機は、車両系建設機械に該当する建設機械である。
40.
ガス溶接作業は、ガス溶接特別教育修了者以外の者が行ってはならない。またアーク溶接作業
は、アーク溶接の特別教育を修了した者以上の資格を有する者となっている。
41.
ウォータージェットの効果は、圧入杭先端部の土粒子間の間隙水圧を高めて、土粒子が移動しや
すくすることである。
42.
ウォータージェット補助併用圧入工法では、圧入力でなく、ほとんどウォータージェットの力で鋼矢
板は圧入されている。
43.
圧入工法には単独工法と補助併用工法がある。
44.
国土交通省の積算歩掛では、N値が20以上の地盤での圧入はウォータージェット補助併用工法で
施工することになっている。
45.
ウォ−タージェット補助併用工法は、圧入杭先端での圧力球根の発生を予防する効果がある。
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H26 2 級学科試験(○×)
46.
油圧がよく使われる理由として、小さな力で大きな力を発揮できるということがある。これは液体の
もっている有名な「ピタゴラスの定理」という作用を利用したものである。
47.
油圧の特徴としては、①小さな力で大きな力を出す、②円滑な動きが得られる、③1台のポンプで
多数のシリンダ、モーターを動かせる等メリットが多い。よって建設機械に多く使われている。
48.
油圧機器の制御弁はその目的によって、大きく3つに分けて考えられる。流量制御弁、方向制御
弁、温度制御弁の3つである。
49.
油圧駆動装置の 1 つである油圧シリンダの速度はシリンダ径と油の流量で決まる。
50.
油圧式杭圧入引抜機で使用される作動油を選定する場合、作動油は低粘度指数耐摩耗性作動油
を使用しなければならない。
51.
重力単位1tをSI単位系における力の単位N(ニュートン)で表記すると、約980Nとなる。
52.
許容応力とは、物体が安全に使用できると保障された応力である。
53.
力の3要素とは、力の大きさ、力の方向、力の作用点である。
54.
物体は、ある範囲内の大きさの荷重であれば、荷重を取り除くと元の形に戻る。この性質を弾性と
いう。
55.
カーブ圧入をする場合、鋼矢板に角度を付けて施工できるが、継手部は左右共に20°の角度を
つけることができる。
56.
初期圧入時の反力架台に搭載する反力ウェイトの重量は、地盤の状態は関係なく、工法の種類で
決まる。
57.
反力架台に反力用ウエイトを積載する時には、反力架台アーム間の中心にウエイトの重心位置が
くるようにしなくてはならない。
58.
油圧式杭圧入引抜機は、他の基礎工事用の機械に比べ大型で重量があり、運搬や組立、解体に
多くの経費がかかる。
59.
油圧式杭圧入引抜機は、立坑施工等によるコーナー施工においても圧入することができる。
60.
油圧式杭圧入引抜機は、コーナー施工においても自走により施工をすすめることができる。
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H26 2 級学科試験(○×)
61.
反力杭の引抜抵抗力とは周面摩擦抵抗、継手間抵抗、反力杭の重量とを合わせたものである。
62.
圧入杭の前方傾斜現象は、反力杭に対して圧入機本体を後方傾斜の姿勢にセットして圧入した時
に生じやすい。
63.
油圧式杭圧入引抜機は絶対反力を利用して施工するため、初期圧入において圧入機本体重量は
圧入力と関係ない。
64.
圧入杭の方向が右側方、左側方に変化した場合には、引抜きをかけずにマスト旋回動作で方向の
修正を行い、続けて圧入をすることにより、簡単に方向の修正ができる。
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H26 2 級学科試験(記述)
記述問題
(配点 16 点)
問 2 次の設問の解答を別紙の解答用紙に記入しなさい。
1.U形鋼矢板についての問題である。
(
)内に適切な数値を記入し、寸法表を完成させなさい。
※解答は解答欄に記入すること。
U形鋼矢板の型式と寸法表
寸法
hmm
tmm
有効高さ
厚さ
型式
Wmm
有効幅
SP−Ⅱ
400
100
10.5
SP−Ⅲ
400
125
SP−Ⅳ
400
SP−ⅤL
質量
1 枚当り
Kg/m
壁幅 1m 当り
Kg/m2
(
①
)
120
13.0
(
②
)
150
170
15.5
(
③
)
190
500
200
24.3
105.0
210
SP−ⅥL
500
225
27.6
120.0
240
SP−Ⅱw
600
130
10.3
61.8
103
SP−Ⅲw
600
180
13.4
81.6
136
SP−Ⅳw
600
210
18.0
106.0
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2. 油圧式杭圧入引抜機の安全装置についての問題である。
油圧式杭圧入引抜機に設けられている過負荷防止装置は、圧入機本体の姿勢が 2 枚目圧入状態のとき、
ある一定の負荷が加わると過負荷防止装置が働き、圧入機本体の機械動作が停止する。停止する動作を
語群Aよりひとつ選択し、番号で答えなさい。
語群A
①
チャック上下
②
チャック回転
③
マスト前後
④
マスト旋回
⑤
クランプ開閉
⑥
クランプ左右
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H26 2 級学科試験(記述)
3.施工計画についての問題である。
立坑施工において、下図の鋼矢板の中で、コーナー矢板の番号を全て選択し、番号で答えなさい。
※但し、SKSP 製のコーナー用鋼矢板は除く
A
4. 油圧式杭圧入引抜機の自走についての問題である。
1) A ∼ C に適切な動作を記入し、自走工程を完成させなさい。解答は語群Bより選択し、番号で答えなさ
い。
チ ャ ッ ク 上
→
チ ャ ッ ク 閉
→
ア
→
A
イ
→
チ ャ ッ ク 下
→
ウ
→
マ ス ト 後
B
→
C
→
ク ランプ 閉
語群B
①
クランプ左 右
②
チ ャ ッ ク 下
③
ク ランプ 開
④
チ ャ ッ ク 開
⑤
ク ランプ 閉
⑥
チ ャ ッ ク 上
2)圧入機本体を自走させるために鋼矢板に十分な支持力が得られない場合は、自走補助バーを使って自走
を行う。自走において自走補助バーをセットする適切な工程を、上図のア∼ウの位置から選択し、カタカナ
で答えなさい。
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